JP3837672B2 - 電気油圧比例減圧−リリーフ弁 - Google Patents

Description

発明の背景
本発明は油圧弁の分野に関し、詳細には、変速機及びブレーキクラッチの適用に使用されるような正確な調整圧力を供給し且つより大きい弁を操作する型式の油圧弁に関する。ソレノイド作動式比例圧力調整弁は、ソレノイドを流れる電流に比例して所望の調整圧力を生じさせるのに使用されている。圧力は、ソレノイド力と弁内の差圧によって引き起こされたフィードバック力との間の平衡の結果としてスプールの位置を制御することによって制御される。
１つのそのような型式の弁が、型式番号ＧＴＰ０２-３４Ａ、Ｂ及びＣとしてスターリング・ハイドロリックス(Sterling Hydraulics)社によって製造されている。この弁の型式では、流体を２つのオリフィスから流入させ、２つのオリフィス間の差圧は、ソレノイドの作動力に対抗するフィードバック力を引き起こす。フィードバック力はソレノイドの電流と正比例し、前記力の平衡は、調整圧力ポートを調整圧力に維持するために、スプールを、入口ポート及び戻りポートの開きを調整する正確な位置に維持するようになっている。
以前の弁では、差圧を制御するために、オリフィスの大きさを正確に維持しなければならない。しかしながら、オリフィスは非常に小さく、汚染物質によって容易に詰まることがあり、これは、弁の圧力平衡を狂わせ、制御精度を低下させる。差圧はオリフィスを通る流量によって厳密に制御されるので、以前の弁の性能は、温度で変化し且つ油の種々の種類間で異なることがある圧油の粘性の変化に敏感である。そのような粘性の敏感さも以前の弁の信頼性を低下させる。そのような弁は、フィードバック圧力を発生させるのに使用される流体が戻りポートに漏れる寄生損失の欠点を有し、それにより、効率を低下させる。
発明の簡単な説明
従って、以前の比例弁で遭遇した欠点及び欠陥の観点から、汚染物質に敏感でない弁の要望がある。
粘性変化に敏感でない弁の要望もある。
より大きな信頼性と構造の簡単さとを備えた弁の要望もある。
本発明はこれらの要望及びその他の要望を満たす。弁本体を含む油圧制御弁を開示する。加圧された圧油を弁の中へ受入れるための圧力入口ポートが設けられる。弁内にタンク圧力を確立するための戻りポートが設けられ、所定圧力を有する放出圧油を受入れるための調整圧力ポートが設けられる。入口ポート、戻りポート及び調整圧力ポートと流体的に連通したキャビティが弁本体に形成される。キャビティは所定の第１直径を有する第１チャンバーと、第１チャンバーの直径よりも大きい第２直径を有する第２チャンバーとを含む。
調整圧力ポートを作動力に応答して入口ポートと戻りポートに選択的に接続するためのソレノイド作動スプールが、キャビティ内に移動可能に保持されて設けられる。スプールは、第１チャンバー内に保持され且つ所定の第１直径を有する第１部分と、第２チャンバー内に保持され且つ第１部分の直径よりも大きい所定の第２直径を有する第２部分とを有する。
第１チャンバーと第２チャンバーとの間に流体連通を確立するための流体通路が設けられる。スプールが作動するとき、第１チャンバー及び第２チャンバーは入口ポートによって加圧されるようになり、第２チャンバー内の圧油は前記第２部分のより大きな断面積に作用して、スプールに作用している作動力に対抗するフィードバック力を生じさせる。これにより、調整圧力ポートに所望の調整圧力を確立するように、入口ポートと戻りポートの間に所望のスプール調整(modulation)を生じさせる。
本発明によって満たされる上述の及びその他の要望は、添付図面に特に図示されているように、本発明の以下の詳細な説明の考察から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
図１は本発明の比例弁の側面横断面図である。
発明の詳細な説明
図１は、本発明による電気油圧比例減圧−リリーフ弁１０を図示する。好ましい実施形態では、弁１０は弁本体１２を含み、弁本体１２は、円筒形で且つそれと同心のキャビティー１４を含む。キャビティ１４内に移動可能に保持されるのに適した寸法及び形状を有するスプール１６が設けられる。
弁本体１２は、弁１０の中へ圧油を受入れるための圧力入口ポート２０を含む。所望の調整圧力で放出される圧油を受入れるための調整圧力ポート２２が設けられる。弁１０をタンク圧力に接続するための加圧されていない戻りポート２４が設けられる。好ましい実施形態では、スプール１６は調整圧力ポート２２に通じる流体通路３０、好ましくは同心ボアを含む。流体通路３０は、スプール１６が非作動休止位置にあるとき、戻りポート２４と調整圧力ポート２２とを流体的に連通させるように、戻りポート２４に通じさせるべくスプール１６に沿って位置決めされた開口３２、好ましくは１つ以上の横ボアを含む。
本発明の弁は、好ましくは、「プル型」比例電磁弁である。ソレノイド４０の作動時、スプール１６に連結されている磁心４２は、液密チューブ４８の内側に保持された極片４６に向って長手方向上方に引寄せられる。付勢ばね４４が設けられ、ソレノイド４０が付勢されていないとき、磁心４２をその休止位置に付勢するために定置の極片４６に作用する。この形態は又、磁心のストローク全体にわたって定比例ソレノイド力を与え、かくして、比例弁である。磁心４２は、強磁石４２と極片４６の間の容積が変化するときに流体を満たしたり排出したりするためのボアを含む。
作動中、スプール１６を移動させて開口３２を塞ぎ、それにより、戻り部分２４を閉じる。入口ポート２０は塞がれず、加圧流体を調整圧力ポート２２に流入させる。直径Ｄ１を有する第１チャンバー５０が、調整圧力ポート２２の近くでスプール１６によってキャビティの端部に構成される。第１チャンバー５０は、キャビティ１４の反対側の端の第２チャンバー５２に流体通路３０を通して流体的に接続される。第２チャンバー５２は幾分大きい直径Ｄ２を有し、かくして、キャビティ１４及び第１チャンバー５０の断面積よりも大きい断面積を有する。スプール１６は、キャビティ１４及び第１チャンバー５０の直径および断面積よりも大きい直径および断面積を有する拡張部分５４を含む。
作動時、第１チャンバー５０及び第２チャンバー５２は入口ポート２０によって等しく加圧されるようになる。第２チャンバー５２内の圧油の圧力は拡張部分５４のより大きい断面積に作用し、第１チャンバーの端の圧力によって及ぼされる力よりも大きい力をスプールに生じさせる。面積差により、力の不平衡が起こり、スプール１６に作用するソレノイドの作動力に対抗するように作用する、正味の(net)フィードバック力を生じさせる。フィードバック力は、スプール１６を閉位置に向って移動させるように作用し、それにより、入口ポート２０を閉じ、戻りポート２４を開き、かくして、弁１０内を最小のタンク圧力にする。入口ポート２０が弁１０を再び加圧し、弁１０が戻りポート２４に再び圧油を排出すると、スプール１６のディザリング(dithering)すなわち調整が起こる。調整圧力ポート２２の正味圧力は、ソレノイド力とフィードバック力との間の平衡から生じる平衡圧力状態を表わす。
フィードバック力は、それ自体、ソレノイド４０を流れる電流の関数であるソレノイド作動力と正比例して制御される。大電流は大きいソレノイド作動力を生じさせ、大きいソレノイド作動力は、それに対抗する大きなフィードバック力を要求する。従って、大きいソレノイド力が調整圧力ポート２２に高い調整圧力を生じさせる。スプール１６の移動は、磁心４２(消勢された時)及びスプール１６(付勢された時)の運動を制限する停止体５６によって制限される。スプール１６の位置、かくして入口２０の有効寸法を、本発明で高精度に制御することができ、それにより、調整圧力ポート２２の圧力を厳密に制御することができる。本発明の弁の調整圧力を電流の計量付与(measured application)によって変化させることができ、従って、本発明は機械的調整なしに制御することができる。本発明の弁は、３．４４７ＭＰａ(500psi)の入口圧力を０乃至２．２１３ＭＰａ(321psi)の間の調整圧力に所望圧力の５％以内の精度で変えるのに使用することができる。
本発明の弁１０はリリーフ機能も有する。調整圧力ポート２２の圧力が(アクチュエータの負荷又は他の回路によって誘発される原因により)ソレノイド力によって設定された圧力レベルよりも高くなるべき場合には、スプール１６は入口ポート２０を閉じ、調整圧力を戻りポート２４に逃がして、平衡を回復させる。
好ましい実施形態の前述の説明を例示及び説明の目的で示した。前記説明は、当業者に起こるようなその他の変更例及び変形例を排除するように制限されるものではない。上述の教示の観点から当業者に起こるようないかなる変更例も、請求の範囲によって定められる本発明の範囲内にあると考えられる。

Claims (4)

1. 弁本体（１２）を含む油圧弁（１０）であって、
   加圧された流体を前記弁本体（１２）内に受入れるための圧力入口ポート（２０）と、
   流体をタンクへ戻すための戻りポート（２４）と、
   所定圧力を有する流体を吐出するための調整圧力ポート（２２）と、
   前記弁本体（１２）に形成され、前記入口ポート（２０）、前記戻りポート（２４）及び前記調整圧力ポート（２２）に流体接続し、所定の第１直径（Ｄ１）を有する第１チャンバー（５０）及び該第１チャンバー（５０）の直径よりも大きい所定の第２直径（Ｄ２）を有する第２チャンバー（５２）を含むキャビティ（１４）と、
   前記キャビティ（１４）内に移動可能に保持され、ソレノイドによって作動されて、該ソレノイドの作動力に応じて選択的に移動して、前記調整圧力ポート（２２）を前記入口ポート（２０）及び前記戻りポート（２４）に接続可能なスプール（１６）とを備え、
   該スプール（１６）は、
   前記第１チャンバー（５０）内に保持されて、これ対応して所定の第１直径（Ｄ１）及び第１断面積を有する第１部分と、
   前記第２チャンバー（５２）内に保持されて、これに対応して前記第１部分よりも大きい第２直径（Ｄ２）及び第２断面積を有する第２部分と、
   前記第１チャンバー（５０）と前記第２チャンバー（５２）との間を流体接続するための流体通路（３０）とを備え、
   前記スプール（１６）の前記ソレノイドによる作動時に、前記第１及び第２チャンバー（５０、５２）が前記入口ポート（２０）の流体によって加圧されて、より大きな前記第２チャンバー（５２）の第２断面積によって、より大きな力が前記第２チャンバー（５２）に生じ、これにより、前記スプール（１６）に作用する前記ソレノイドの作動力に抗するフィードバック力が生じ、前記入口ポート（２０）と前記戻りポート（２４）との間に所望のスプール調整を生じさせて、前記調整圧力ポート（２２）に所望の調整圧力を確立することを特徴とする油圧弁。
2. 前記第１チャンバー（５０）と前記第２チャンバー（５２）とを流体接続するための前記流体通路（３０）は、前記スプール（１６）の中心軸線に沿って形成されていることを特徴とする請求項１に記載の油圧弁。
3. 前記流体通路（３０）は、前記戻りポート（２４）に接続する横方向の開口を含んでいることを特徴とする請求項２に記載の油圧弁。
4. 「プル型」比例ソレノイド弁であることを特徴とする請求項１に記載の油圧弁。

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