JP3836990B2 - 液晶表示装置の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,二枚の透明基板をその間に液晶を封入して貼り合わせ成る液晶表示素子に,一つの駆動用ICチップを固着すると共に,外部への接続用の一本のフレキシブルフラットケーブルの一端部を固着して成る形式の液晶表示装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の液晶表示装置においては,図4に示すように,ガラス等による二枚の透明基板2,3をその間に液晶を封入して貼り合わせて液晶表示素子1を構成する場合に,前記両透明基板2,3のうち一方の透明基板2に他方の透明基板3からはみ出すようにした一つの端子部4を一体的に設けて,この端子部4の表面に,一つの駆動用のICチップ5を搭載すると共に,一本の外部への接続用フレキシブルフラットケーブル6における一端部を重ね合わせて固着することが行われている。
【0003】
この場合,従来は,前記端子部4における幅寸法,つまり,他方の透明基板3からのはみ出し寸法Lをできるだけ小さくして,液晶表示装置の小型・軽量化を図るために,前記端子部4の表面に,前記駆動用ICチップ5とフレキシブルフラットケーブル6の一端部とを,当該端子部4におけるはみ出し方向と直角の方向に並べて配設し,更に,前記駆動用ICチップ5に各々配線パターン8を介して接続する複数個の接続端子電極7を,当該端子部4における表面のうちこれに前記フレキシブルフラットケーブル6の一端部が重なる部分に,前記端子部4におけるはみ出し方向に沿って列状に並べて形成して,この各接続端子電極7に前記フレキシブルフラットケーブル6における各配線パターンを電気的に接続すると言う構成にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,このような構成であると,端子部4におけるはみ出し寸法Lを,駆動用ICチップ5とフレキシブルフラットケーブル6の一端部とを,当該端子部4におけるはみ出し方向に並べて固着する場合よりも小さくできるから,それだけ液晶表示装置を小型・軽量化できる利点を有するが,その反面,フレキシブルフラットケーブル6に対する複数個の接続端子電極7は,前記端子部4におけるはみ出し方向に列状に並べて形成すると言う構成であるために,この各接続端子電極7と前記駆動用ICチップ5との間を接続するための各配線パターン8の長さが可成り長くなる。
【0005】
この場合において,前記各配線パターン8は,両透明電極2,3における画素用透明電極パターン(図示せず)と同様に,極く薄い導電性透明膜にて形成されることにより,その抵抗は,前記フレキシブルフラットケーブル6における配線よりも可成り大きいから,前記したように,各配線パターン8が長くなると言う構成であると,前記フレキシブルフラットケーブル6から駆動用ICチップ5に至るまでの間における抵抗値,インピーダンスが高くなることにより電圧ドロップが可成り大きくなるばかりか,ノイズが発生する等の問題があった。
【0006】
しかも,前記したように,各接続端子電極7を,前記端子部4におけるはみ出し方向に列状に並べて形成すると言う構成であると,前記駆動用ICチップ5と,フレキシブルフラットケーブル6の一端部との両方を,端子部4に対して,異方性導電接着フィルムを使用して接着固着すると同時に電気的に接続する場合において,前記駆動用ICチップ5の接着固着と,フレキシブルフラットケーブル6の一端部の接着固着とに,各々別々の異方性導電接着フィルムを使用しなければならず,高価な異方性導電接着フィルムの使用量が多くなるばかりか,これを別々に貼ることに要する手数が増大するから,製造コストが可成りアップすると言う問題もあった。
【0007】
本発明は,これらの問題を解消することを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明は,
「液晶を封入して張り合わせた二枚の透明基板のうち一方の透明基板に,他方の透明基板からはみ出すようにした一つの端子部を一体的に設け,この端子部の表面に,一つの駆動用ICチップと,一本の外部への接続用フレキシブルフラットケーブルにおける一端部とを,当該端子部のはみ出し方向と直角の方向に並べて配設し,前記駆動用ICチップを前記端子部の表面に固着し,前記フレキシブルフラットケーブルの一端部を前記端子部の表面に重ね合わせて成る液晶表示装置において,
前記端子部の表面のうち前記フレキシブルフラットケーブルにおける一端部が重ね合わされる部分で且つ前記駆動用ICチップに隣接する部分には,前記駆動用ICチップを前記フレキシブルフラットケーブルにおける各配線パターンに対して接続するための複数個の接続端子電極が,前記端子部のはみ出し方向に列状に並べて設けられ,
前記フレキシブルフラットケーブルのうち前記端子部の表面に重ね合わされる一端部には,当該一端部のうち前記駆動用ICチップに対して近い側の部分に前記端子部の表面への固着部分が,当該一端部のうち前記駆動用ICチップに対して前記固着部分と反対に遠い側の部分に前記端子部の表面に重ね合わせただけの非固着部分が各々設けられ,
前記端子部の表面には,フレキシブルフラットケーブルにおける一端部のうち前記固着部分のみが,異方性導電接着フィルムにて前記フレキシブルフラットケーブルの各配線パターンが前記各接続端子電極に電気的に接続するように固着され,
更に,前記フレキシブルフラットケーブルにおける各配線パターンは,当該フレキシブルフラットケーブルにおける一端部のうち前記非固着部分において前記端子部のはみ出し方向から前記駆動用ICチップに向かって前記端子部のはみ出し方向と直角の方向に方向変換している。」
と言う構成にした。
【0009】
【発明の作用・効果】
このように,フレキシブルフラットケーブルに対する複数個の接続端子電極を,端子部の表面のうち前記駆動用ICチップにおける前記端子部のはみ出し方向と直角方向の一端部に隣接する部分に,前記端子部におけるはみ出し方向に並べて設けることにより,この各接続端子電極の全てを駆動用ICチップに近づけることができるから,その間における配線パターンの長さを,当該各接続端子電極を従来のように前記端子部におけるはみ出し方向に列状に並べて設ける場合によりも,大幅に短くすることができる。
【0010】
従って,本発明によると,フレキシブルフラットケーブルから駆動用ICチップに至るまでの間における電圧ドロップを確実に低減できると共に,ノイズの発生をも確実に低減できるのである。
【0011】
また,前記各接続端子電極の全てを駆動用ICチップに近づけることができることにより,請求項3に記載したように,前記駆動用ICチップとフレキシブルフラットケーブルの一端部とを,端子部に対して,一枚の異方性導電接着フィルムを使用して同時に固着することができるから,異方性導電接着フィルムを使用する場合における製造コストのアップを確実に回避できるのである。
【0012】
特に,請求項2に記載した構成にすることにより,フレキシブルフラットケーブルは,前記切り込み部の部分において折れ曲がり易くなるから,このフレキシブルフラットケーブルのうち端子部から外に延びる部分における曲がり変形の影響が端子部に対する固着部分に及んでその固着が外れることを確実に低減できるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を,図1〜図3の図面について説明する。
【0014】
この図において,符号11は,二枚の透明基板12,13を,その間に液晶を封入して張り合わせて成る液晶表示素子を示し,この液晶表示素子11における一方の透明基板12には,他方の透明基板13から適宜寸法Lだけはみ出すようにした端子部14が一体的に設けられている。
【0015】
次に,符号15は,前記液晶表示素子11を駆動するための一つの駆動用ICチップを,符号16は,一本の外部への接続用フレキシブルフラットケーブルを各々示す。
【0016】
そして,前記端子部14の表面に,前記一つの駆動用ICチップ15を搭載すると共に,前記一本のフレキシブルフラットケーブル16の一端部16Aを重ね合わせて固着するに際しては,以下に述べるように構成する。
【0017】
すなわち,前記端子部14の表面に,駆動用ICチップ15と,前記フレキシブルフラットケーブル16の一端部16Aとを,前記端子部14におけるはみ出し方向と直角の方向に並べて,且つ,前記フレキシブルフラットケーブル16の一端部16Aを当該端子部14の表面に重ね合わせるように配設して,その両者を,一枚の異方性導電接着フィルム19を使用して,前記端子部14に対して固着すると同時に,前記駆動用ICチップ15を端子部14の表面に形成されている各配線パターン18の各々に対して,また,前記フレキシブルフラットケーブル16における各配線パターン16Bを前記端子部14の表面に各配線パターン18に一体的に連続するように形成されている各接続端子電極17の各々に対して,前記異方性導電接着フィルム19を介して電気的に接続するのである。
【0018】
この場合において,前記各接続端子電極17を,前記端子部14の表面のうち前記フレキシブルフラットケーブル16における一端部16Aが重ね合わされる部分で且つ前記駆動用ICチップ15に隣接する部分に前記端子部14におけるはみ出し方向に列状に並べて設け,この各接続端子電極17に,前記フレキシブルフラットケーブル16の一端部16Aのうち前記駆動用ICチップ15に対して近い側の部分を固着部分16A′としてこの固着部分16A′を重ね合わせて,この固着部分16A′のみを,前記端子部14の表面に対して,前記異方性導電接着フィルム19にて前記フレキシブルフラットケーブル16の各配線パターン16Bを前記各接続端子電極17に電気的に接続するように固着する一方,前記フレキシブルフラットケーブル16の一端部16Aのうち前記駆動用ICチップに対して前記固着部分16A′と反対に遠い側の部分を,前記端子部14の表面に重ね合わせただけの非固着部分16A″に構成する。
【0019】
そして,前記フレキシブルフラットケーブル16における各配線パターン16Bを,図3に示すように,当該フレキシブルフラットケーブル16における一端部16Aのうち前記非固着部分16A″において前記端子部14のはみ出し方向から前記駆動用ICチップ15に向かって前記端子部14のはみ出し方向と直角の方向に方向変換するという構成にする。
【0020】
更に,フレキシブルフラットケーブル16における幅方向の左右両側縁16C,16Dのうち前記駆動用ICチップ15に近い部分には,当該フレキシブルフラットケーブル16における長手方向のうち前記端子部14に隣接する部分に,切り込み部20を設けると言う構成にする。
【0021】
このように,端子部14に,前記一つの駆動用ICチップ15と,前記一本のフレキシブルフラットケーブル16の一端部16Aとを,当該端子部14におけるはみ出し方向と直角の方向に並べて固着することに加えて,フレキシブルフラットケーブル16に対する複数個の接続端子電極17を,前記端子部14におけるはみ出し方向に列状に並べて設けることにより,この各接続端子電極17の全てを駆動用ICチップ15に近づけることができるから,その間における各配線パターン18の長さを,当該各接続端子電極17を従来のように,前記端子部14におけるはみ出し方向と直角の方向に列状に並べて設ける場合によりも,大幅に短くすることができるのであり,また,前記駆動用ICチップ15と前記フレキシブルフラットケーブル16の一端部16Aとの両方を,端子部14に対して,一枚の異方性導電接着フィルム19を使用して同時に強固に固着することができるのである。
【0022】
また,前記フレキシブルフラットケーブル16に切り込み部20を設けたことにより,フレキシブルフラットケーブル16は,前記切り込み部20の部分において折れ曲がり易くなるから,このフレキシブルフラットケーブル16のうち端子部14から外に延びる部分における曲がり変形の影響が端子部14に対する固着部分に及んでその固着が外れることを確実に低減できるのである。
【0023】
なお,この切り込み部20は,一方の側縁16Cに設けることに代えて,他方の側縁16Dにのみ設けるか,或いは,両側縁16C,16Dの両方に設けても良いが,この切り込み部20を,図示のように,一方の側縁16Cに設けた場合,このフレキシブルフラットケーブル16における一端部16Aのうち固着部分16A′を,前記端子部14に対して,その間に挟んだ異方性導電接着フィルム19を圧縮するように押圧することによって固着するとき,前記切り込み部は,この押圧力を前記固着部分16A′のみに作用することに役立つから,前記フレキシブルフラットケーブル16の端子部14に対する電気的な接続状態での固着することの容易性及び確実性を向上できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II視拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の分解した状態を示す斜視図である。
【図4】従来の液晶表示装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 液晶表示素子
12,13 透明基板
14 端子部
15 駆動用ICチップ
16 フレキシブルフラットケーブル
16A フレキシブルフラットケーブルの一端部
16A′ 一端部のうち固着部分
16A″ 一端部のうち非固着部分
16B フレキシブルフラットケーブルの配線パターン
17 接続端子電極
18 配線パターン
19 異方性導電接着フィルム
20 切り込み部
Claims (3)
- 液晶を封入して張り合わせた二枚の透明基板のうち一方の透明基板に,他方の透明基板からはみ出すようにした一つの端子部を一体的に設け,この端子部の表面に,一つの駆動用ICチップと,一本の外部への接続用フレキシブルフラットケーブルにおける一端部とを,当該端子部のはみ出し方向と直角の方向に並べて配設し,前記駆動用ICチップを前記端子部の表面に固着し,前記フレキシブルフラットケーブルの一端部を前記端子部の表面に重ね合わせて成る液晶表示装置において,
前記端子部の表面のうち前記フレキシブルフラットケーブルにおける一端部が重ね合わされる部分で且つ前記駆動用ICチップに隣接する部分には,前記駆動用ICチップを前記フレキシブルフラットケーブルにおける各配線パターンに対して接続するための複数個の接続端子電極が,前記端子部のはみ出し方向に列状に並べて設けられ,
前記フレキシブルフラットケーブルのうち前記端子部の表面に重ね合わされる一端部には,当該一端部のうち前記駆動用ICチップに対して近い側の部分に前記端子部の表面への固着部分が,当該一端部のうち前記駆動用ICチップに対して前記固着部分と反対に遠い側の部分に前記端子部の表面に重ね合わせただけの非固着部分が各々設けられ,
前記端子部の表面には,フレキシブルフラットケーブルにおける一端部のうち前記固着部分のみが,異方性導電接着フィルムにて前記フレキシブルフラットケーブルの各配線パターンが前記各接続端子電極に電気的に接続するように固着され,
更に,前記フレキシブルフラットケーブルにおける各配線パターンは,当該フレキシブルフラットケーブルにおける一端部のうち前記非固着部分において前記端子部のはみ出し方向から前記駆動用ICチップに向かって前記端子部のはみ出し方向と直角の方向に方向変換している,
ことを特徴とする液晶表示装置の構造。 - 前記請求項1の記載において,前記フレキシブルフラットケーブルには,当該フレキシブルフラットケーブルにおける幅方向の左右両側のうち少なくとも前記駆動用ICチップに近い部分で且つ前記端子部に隣接する部分に切り込み部が設けられていることを特徴とする液晶表示装置の構造。
- 前記請求項1又は2の記載において,前記端子部に対する前記フレキシブルフラットケーブル及び前記駆動用ICチップの固着が,共通の一枚の異方性導電接着フィルムにて行うように構成されていることを特徴とする液晶表示装置の構造。
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