JP3835299B2 - 負圧破壊装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上水道から直接に又は受水槽からポンプ圧送により間接に供給される浄水が分岐路を通して大気開放の貯槽へ直接又は間接に注水可能とされたものにおいて、浄水供給路側での負圧発生の際にその負圧を破壊(解消)して貯槽側から浄水供給路側への逆流発生を阻止するために用いられる負圧破壊装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の負圧破壊装置として、例えば給湯装置に設置されたものが知られている。この給湯装置は、浄水が給水される浄水供給路としての給湯回路又は給水回路により台所等の給湯栓又は給水栓に対し給湯又は給水する一方、浴槽や洗濯槽等の大気開放する貯槽へ上記給湯回路又は給水回路から分岐した注湯路(分岐路)又は注水路(分岐路)を通して湯又は水を直接に又は間接に注湯又は注水し得るように構成されており、上記注湯路や注水路に対し負圧破壊装置が介装されている。このような負圧破壊装置は、水道水(浄水)が給水される給湯回路又は給水回路内において例えば水道水供給側の断水あるいは停電等に起因して負圧が生じた場合に、浴槽や洗濯槽等の貯槽の湯水が逆流して給湯回路内又は給水回路内、つまり浄水供給路内に流入する事態の発生を阻止するために設けられるものであり、上記負圧破壊装置により給湯回路又は給水回路と上記貯槽との間を注湯・注水及び遮断の切換を可能にしつつも縁切り可能な状態に接続するようにしている。つまり、浄水が充満している給湯回路又は給水回路に対し雑水である浴槽や洗濯槽内の湯水が逆流して混入してしまう事態の発生を防止するために負圧破壊装置が介装されている。この逆流防止性能を実現するための従来の負圧破壊装置を図5に示す給湯装置10に設置された例に基づいて説明する。
【0003】
この給湯装置10は貯槽として浴槽3に対し注湯し得るようにした給湯器付き風呂釜を例にしたものである。すなわち、上記給湯装置10は給湯回路2を備え、この給湯回路2は水道水の供給を受ける給水路21と、燃焼バーナ23の燃焼熱により熱交換加熱する熱交換器22と、給湯栓26a,26bに給湯するための出湯路24及び給湯路25とを備えている。また、上記給湯回路2の給湯側に介装された流量調整弁(水量サーボ弁)30の下流から注湯路50が分岐され、この注湯路50を介して給湯回路2と、浴槽3に連通された追い焚き循環回路4とが連通接続されて浴槽3に対し注湯又は注水(以下、両者をまとめて単に「注湯」という)が可能とされている。そして、この注湯路50に対し、上流側からバキュームブレーカ(負圧破壊弁)52、注湯電磁弁53及び2段の逆止弁54,55の順で配設された負圧破壊装置5を介装させている。なお、符号51は注湯流量を検出するための注湯流量センサである。
【0004】
上記のバキュームブレーカ52は回路内に所定の負圧が生じたときに外気(エア)を吸い込んで負圧状態を解消(破壊)するもの、注湯電磁弁53は注湯路50を開閉切換えして注湯及び遮断の切換を行うもの、また、2段の逆止弁54,55は給水圧を受けて注湯方向(順方向)への流通を許容しつつ給水圧の解消により閉弁状態にバネ復帰して逆方向への流通を阻止するものである。
【0005】
より詳しくは、上記バキュームブレーカ52は、弁体がバネにより弁座に押し付けられた状態で常時は注湯路50内の給水圧により閉状態に維持される一方、回路内に所定の負圧が作用したときには上記弁体がバネに抗して開きエアを回路内に吸い込んで上記負圧を解消するようになっている。つまり、上記バキュームブレーカ52は給水圧を受けて閉弁状態に維持され、負圧を受けて開弁するという圧力バランス型のものにより構成され、上記バネは所定の負圧(設定吸気作動圧)の発生により吸気作動し始めるように初期付勢力を弁体に付与するものである。
【0006】
また、上記注湯電磁弁53は、パイロット式のダイヤフラム弁により構成され給湯回路2側の給水圧により閉弁状態に維持されるようになっている。すなわち、弁体である可撓性ダイヤフラム弁を挟んで一側にダイヤフラム室が区画形成される一方、他側において筒状の弁座により区画されて外周側が上記給湯回路2と連通され、内周側が浴槽3側と連通されている。そして、上記弁座の先端にダイヤフラム弁が押し付けられることにより給湯回路2側と浴槽3側とを遮断した状態、つまり閉弁状態になり、この閉弁状態においてはブリード孔を通して給湯回路2側から給水圧がダイヤフラム室にブリードインされ、この給水圧がダイヤフラム弁に対し閉弁維持圧として作用するようになっている。従って、給水圧が高圧であればある程、より高い圧力で閉弁側に押し付けられて高い閉シール性能を発揮する。一方、注湯時には電磁石に通電することによりダイヤフラム弁中央のセンター孔を開いてダイヤフラム室と弁座内周側(浴槽3側)とを連通させてダイヤフラム弁を開弁させるようになっている。
【0007】
ここで、上記の負圧が生じる場合としては、本来は給水圧(正圧)が作用している給湯回路側(給水一次側)において給水元である水道の断水や、受水槽等から各集合住宅(マンション等)の上階へポンプ圧送している場合に停電によるポンプ停止等が発生することにより、給水一次側の圧力が低下して負圧を生じる場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の負圧破壊装置においては、負圧破壊装置5が正常に作動している状態であれば所定の逆流防止性能を満足するものではあるが、例えば注湯電磁弁53や逆止弁54,55に故障等の異常が発生した場合には給水一次側での負圧発生により浴槽3側からの逆流入が生じてしまうおそれがある。
【0009】
すなわち、上記注湯電磁弁53や逆止弁54,55に故障又は異物噛み込み等の原因により本来閉止すべきとき(例えば注湯完了したときの定常状態のとき)に完全には閉止せずに開いたままの閉作動異常が生じた場合、給水一次側が断水等により負圧状態に陥ると、その負圧が浴槽3側まで及ぶことになる。この負圧発生の際にはバキュームブレーカ52が開きエアを吸い込み始めて負圧を破壊することにはなるものの、このバキュームブレーカ52は上記の如く圧力バランス型であるため、そのエア吸い込み作動の開始は負圧発生時点に対し遅れがあり、その間に負圧が上記閉作動異常状態の注湯電磁弁53や逆止弁54,55を通過して浴槽3側に及んでしまい、逆流発生のおそれを招くことになる。
【0010】
これに対処すべく、注湯電磁弁の下流側位置の注湯路内に、定常状態においては強制的に開弁状態にして大気と連通させる一方、注湯時には閉弁状態に変換させ得るモータ駆動式の弁手段を介装させてフェイルセーフを図ることが考えられる。しかし、特に水道水(浄水)が受水槽からポンプ圧送により高層住宅(マンション等)の上層階まで供給される場合において、停電発生に伴うポンプの停止によって負圧が発生したときには、上記のモータ駆動式の弁手段を介装させたとしても停電により所定の作動を行い得なくなれば、エア吸い込みによる負圧解消も行い得ずに逆流が生じてしまう結果になると考えられる。これに対し、停電対策のために、停電になっても上記のモータ駆動式の弁手段を強制的に開作動させるだけの予備電源(例えばコンデンサ)を予め搭載させることも考え得るが、そのような予備電源をも搭載するとなると装置全体のコストとして大幅な増加を招いてしまうことになる。
【0011】
一方、上記注湯電磁弁53が正常に閉作動したとしても、給湯栓26a,26bの急開閉操作に起因して給湯回路2側において発生した脈動が伝搬し、上記注湯電磁弁53のダイヤフラム弁をバウンドさせるおそれもある。この場合、上述の閉作動異常対策のために介装させた上記弁手段を定常状態において強制的に開弁状態にして大気と連通させておくようにすると、上記のバウンドに起因して上記弁手段から漏れが発生するおそれも考えられ、これに対処する必要も生じることになる。
【0012】
以上のような作動異常や停電に起因する逆流入発生のおそれは、注水接続対象が浴槽ではなくて給湯回路又は給水回路から貯槽としての洗濯槽に対し自動注湯可能に接続した場合にも同様に生じることになる。さらに、浄水が所定の給水圧に基づき供給される浄水供給路から分岐した分岐路を通して大気開放の貯槽が注水可能に接続されている場合にも、上記の如き逆流入発生のおそれが同様に生じ得る。そして、注水・注湯の対象が大気開放された貯槽であり、注湯・注水された貯槽内の湯水が入浴又は洗濯等に使用されて雑水扱いとなる場合には、逆流入発生を確実に防止する必要がある。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浄水供給路側から大気開放の貯槽に対し注水を可能としつつも負圧破壊による逆流発生を阻止しようとする負圧破壊装置において、上記貯槽側からの逆流入発生をコスト増加を回避しつつ確実に防止し得る負圧破壊装置を提供することにある。具体的には、弁の閉作動異常、停電、あるいは、脈動に起因するダイヤフラム弁のバウンド等が生じたとしても、上記逆流入発生を確実に防止し、しかも、それをコスト増を招くことなく実現し得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、浄水が所定の給水圧を受けて供給される浄水供給路に対しこの浄水供給路から分岐する分岐路を通して大気開放の貯槽が注水可能に接続され、上記分岐路に介装されて上記浄水供給路と貯槽とを注水切換可能にしつつ負圧を破壊する負圧破壊装置を対象として、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記分岐路に介装され注水又は遮断の切換えを行う電動式主開閉切換弁と、この主開閉切換弁の下流側の上記分岐路において互いに離して介装される一対の駆動式副開閉切換弁と、上記主開閉切換弁の上流側位置の上記分岐路に連通した状態で配設され分岐路側からの負圧を受けて開弁する負圧破壊弁と、上記一対の駆動式副開閉切換弁の中間位置の上記分岐路に一端が開口して連通し他端が開放口で大気に開放された連通路の途中に介装されて上記中間位置の分岐路と大気側との間の連通又は遮断の切換えを行う電動式大気開放弁とを備えることとし、上記主開閉切換弁を通電により開弁駆動されて通電が停止されるとバネ復帰により閉弁作動するノーマルクローズタイプに構成し、上記大気開放弁を通電により閉弁駆動されて通電が停止されるとバネ復帰により開弁作動するノーマルオープンタイプに構成することとした(請求項1)。
【0015】
なお、上記の「大気開放の貯槽」とは、その底部に注水を受けて貯留される湯水が自由水面を形成し、この自由水面に大気圧が作用することになるような貯槽のことであり、浄水供給路として例えば給湯回路から入浴用の湯張り(水張り)のための注湯を受ける浴槽、又は、上記給湯回路から洗濯用湯水の湯張り(水張り)のための注湯を受ける洗濯槽等が挙げられる。さらに、上記の「電動式」としては、その駆動手段として電動モータ(例えばステッピングモータ)あるいは電磁石(電磁式)を用いて構成する他、油圧モータ、電動シリンダもしくは油圧シリンダ等の通電により閉弁のための駆動力を発揮するものを駆動手段として用いることも可能である。以上の点は以下の各請求項においても同じである。
【0016】
上記請求項1によれば、たとえ停電が発生したとしても、主開閉切換弁において通電が停止されて非通電にされるとバネ復帰により閉弁作動されて閉弁状態に切換えられ、これにより、浄水供給路側(給水一次側)と貯槽側とを自動的に遮断状態に変換させることが可能になる。そして、給水一次側が上記停電に起因して負圧状態に陥っても、上記主開閉切換弁の上流側(浄水供給路側)の負圧破壊弁からエアが吸い込まれて負圧が解消されることになり、貯槽側からの逆流入発生が確実に阻止される。
【0017】
一方、上記主開閉切換弁や副開閉切換弁を開弁状態にして浄水供給路側から貯槽側への注水を行った後に、共に閉弁状態に切換えて定常状態にした場合に、たとえ閉作動異常が全ての開閉切換弁に生じていたとしても、大気開放弁を開弁状態に切換えて大気と連通させておくことにより、上記閉作動異常に起因する逆流入発生を確実に回避し得ることになる。すなわち、上記給水一次側が負圧状態に陥れば上記開弁状態の大気開放弁からエアが即座に吸い込まれて負圧が解消されることになる。この際、負圧破壊弁からのエア吸い込みも生じるものの、この負圧破壊弁が負圧を受けて開弁作動するまでの遅れを補完して上記大気開放弁から即座にエア吸い込みが生じるため、開閉切換弁に閉作動異常が発生していたとしても貯槽側からの逆流入発生が確実に阻止される。しかも、上記大気開放弁は、たとえ停電が発生したとしても、非通電になればバネ復帰により自動的に開弁状態にされるため、上記の逆流発生防止の作用を確実に得ることが可能になる。
【0018】
従って、上述の停電に基づく負圧発生に起因する逆流発生を防止したり、閉作動異常に起因する逆流の発生防止を停電時であっても確保したりするために、停電時用に何らかのバックアップの予備電源等を搭載することなく、つまり新たなコスト増加を招くことなく、共に機構上の対策により実現させることが可能になる。
【0019】
また、主開閉切換弁を例えばダイヤフラム弁により構成した場合に、浄水供給路側に脈動が生じこの脈動が上記ダイヤフラム弁に伝搬してバウンドしたとしても、大気開放弁と主開閉切換弁との間に駆動式の副開閉切換弁が介装されているため、この副開閉切換弁を閉弁状態にしておくことにより上記大気開放弁を開状態にしておいても大気開放弁から浄水供給路側の水が漏水することはない。さらに、貯槽が負圧破壊装置よりも上方位置、例えば階上位置に設置されており階上位置の貯槽側から浄水供給路側に向かう水頭圧が作用する場合に、特に副開閉切換弁や、あるいは副開閉切換弁及び主開閉切換弁の全てに閉作動異常が発生していたとしても、大気開放弁を開弁状態にしておくことにより、階上位置の貯槽側からの水は大気開放弁を通して大気側にオーバーフローされるため、浄水供給路側への逆流入の発生も確実に防止される。
【0020】
しかも、上記の大気開放弁はその上下流位置が一対の副開閉切換弁によりそれぞれ開閉切換えが可能とされ、給水一次側及び二次側(貯槽側)の双方と遮断可能とされているため、定常状態において上記大気開放弁を開弁状態にしてフェイルセーフを図るようにしても不都合は生じない。
【0021】
本発明における上記主開閉切換弁としては、閉弁維持圧として給水圧が作用するパイロット式のダイヤフラム弁を備えた電磁式開閉切換弁とし、通電により発生する電磁力によって上記閉弁維持圧を解消させて上記ダイヤフラム弁を開弁作動させる構成としてもよい(請求項2)。これにより、給水圧が高ければ高い程、ダイヤフラム弁を強く閉弁側に押し付けて高い閉シール性能を発揮させることが可能となり、給水圧が高くても主開閉切換弁を小さいバネ荷重により閉弁状態に確実に維持させることが可能になる。
【0022】
また、本発明における上記一対の駆動式副開閉切換弁としては、両副開閉切換弁を共通の弁軸に対し互いに離して結合し、この共通の弁軸が共通の駆動手段(例えばモータ)により進退駆動されることにより互いに同期して開閉切換えされる構成にすることもできる(請求項3)。これにより、一対の副開閉切換弁を共に一つの駆動手段により開閉駆動させることが可能になり、機構の簡略化、省エネルギー化、及び、装置全体のコンパクト化を図ることが可能になる。
【0023】
さらに、本発明においては、上記負圧破壊弁の上流側位置に、給水圧を受けて開弁し給水圧の解消により閉弁状態にバネ復帰する逆止弁をさらに介装させるようにしてもよい(請求項4)。このようにすることにより、主開閉切換弁等を開弁させた注水状態から閉弁させて定常状態に切換えた場合に、浄水供給路側に負圧発生のない通常時には、浄水供給路側と貯槽側との間の遮断をより確実に実行させることが可能になる上に、主開閉切換弁に対する浄水供給路側からの給水圧の変動を受け難くさせて主開閉切換弁をより安定的に閉弁状態に維持させ得ることになる。また、浄水供給路側に負圧が発生した場合においても、浄水供給路側と貯槽側との間の遮断状態をより確実に維持させ得ることになる。
【0024】
なお、以上の請求項1〜請求項4のいずれかの負圧破壊装置を適用する具体的な対象としては、次のようなものとすることができる。すなわち、上記浄水供給路として、浄水の給水を受け加熱源により加熱して給湯栓側に給湯する給湯回路又は浄水の給水を受けて給水栓側に給水する給水回路とし、この給湯回路又は給水回路に対し大気開放の貯槽が分岐路を通して注湯又は注水可能に接続されたものである(請求項5)。この場合、給湯回路から貯槽へは、給湯回路の加熱源を加熱作動させた場合に注ぎ込まれる注湯に加え、上記加熱源を非加熱作動のまま給水を注ぎ込む場合の注水がある。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかの負圧破壊装置によれば、たとえ停電が発生したとしても電動式主開閉切換弁を予備電源等からの駆動電流の供給を受けることなくバネ復帰により閉弁状態に自動的に切換えることができ、浄水供給路側と貯槽側とを互いに遮断した状態に変換させることができる。そして、浄水供給路側が上記停電に起因して負圧状態に陥っても、負圧破壊弁からのエア吸い込みにより負圧を解消させて貯槽側からの逆流入発生を確実に阻止することができる。
【0026】
一方、上記主開閉切換弁や副開閉切換弁の全てに閉作動異常が発生したとしても、大気開放弁を開弁状態にして大気と連通させておくことにより、浄水供給路側が負圧状態に陥れば開弁状態の大気開放弁からのエア吸い込みを即座に生じさせて負圧を解消し、貯槽側からの逆流入発生を確実に阻止することができる。しかも、たとえ停電が発生したとしても上記大気開放弁をバネ復帰により開弁状態に自動的に切換えることができ、上記の主開閉切換弁の停電時の閉弁状態への切換えと共に、停電時用に何らかのバックアップの予備電源等を搭載することなく、つまり新たなコスト増加を招くことなく、共に機構上の対策により停電時及び停電時でかつ閉作動異常時の双方における逆流入発生の防止を実現させることができる。
【0027】
また、主開閉切換弁を例えばダイヤフラム弁により構成したとしても、副開閉切換弁を強制的に閉弁状態に切換えることができ、これにより、貯槽側への流れを遮断することができるため、たとえ浄水供給路側に脈動が生じこの脈動が上記ダイヤフラム弁に伝搬してバウンドしたとしても、開状態にした大気開放弁から浄水供給路側の水が漏水することを防止することができる。さらに、貯槽が負圧破壊装置よりも上方位置に設置されており貯槽側から浄水供給路側に向かう水頭圧が作用する場合に、特に副開閉切換弁等に閉作動異常が発生していたとしても、開弁状態にした大気開放弁を通して階上位置の貯槽側からの水が大気側にオーバーフローされるため、浄水供給路側への逆流入の発生も確実に防止することができる。
【0028】
以上の如く、停電時や閉作動異常時等においても浄水供給路側への逆流入発生の防止を図るというフェイルセーフを、コストの増加を招くことなく、又、他の不都合を招くことなく確実に実現させることができる。
【0029】
特に請求項2によれば、上記主開閉切換弁としてパイロット式のダイヤフラム弁を備えた電磁式開閉切換弁を採用することにより、給水圧が高くても高い閉シール性能を発揮させつつ主開閉切換弁を小さいバネ荷重により閉弁状態に確実に維持させることができる。
【0030】
請求項3によれば、一対の電動式副開閉切換弁を共に一つの駆動手段により開閉駆動させることができ、機構の簡略化、省エネルギー化、及び、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0031】
請求項4によれば、逆止弁の追加により、浄水供給路側に負圧発生のない通常時には浄水供給路側と貯槽側との間の遮断をより確実に行うことができ、浄水供給路側に負圧が発生したときにおいても、上記の浄水供給路側と貯槽側との間の遮断状態をより確実に維持させることができる。
【0032】
請求項5によれば、以上の請求項1〜請求項4のいずれかの負圧破壊装置を適用する具体的な対象として好適な構成を特定することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施形態に係る負圧破壊装置6を適用した給湯装置1を示している。つまり、本実施形態は浄水供給路としての給湯回路2から分岐する注湯路(分岐路)50を通して貯槽としての浴槽3に注湯・注水可能とした場合に本発明を適用したものである。
【0035】
上記給湯装置1は、給湯機能を実現する給湯回路2と、浴槽3内の湯水の追い焚き機能を実現する強制循環式の追い焚き循環回路4と、上記給湯回路2と追い焚き循環回路4とを接続して上記浴槽3に対する注湯又は注水(以下、両者を含めて単に「注湯」という)を行う注湯路50とを備えたものである。
【0036】
上記給湯回路2は、水道管に接続された給水路21から導入される水(浄水)を給湯側熱交換器22において燃焼バーナ23の燃焼熱との熱交換加熱により加熱し、加熱後の湯を出湯路24及び給湯路25を通して下流端の給湯栓26a,26bまで給湯させるようになっている。ここで、燃焼缶体内に配設された上記熱交換器22及び燃焼バーナ23が加熱源を構成している。上記給水路21と出湯路24との間にはバイパス路27が設けられて、調整弁27aによる水の混合調節制御により設定温度への温度調整が行われるようになっている。上記給湯栓26aは台所等に配設されたカランであり、給湯栓26bは浴室や洗面台等に設置されたシャワーカランである。
【0037】
上記給水路21には入水流量センサ28と、入水温度センサ29とが配設されている。また、上記出湯路24には流量調整弁30と、上記給湯栓26もしくは注湯路50に供給される湯水の温度を検出する給湯温度センサ31とが配設されている。給湯温度や注湯温度を所定の設定温度になるように燃焼バーナ23の燃焼を制御する給湯制御がコントローラ11により行われ、このコントローラ11では主として上記入水流量センサ28、入水温度センサ29及び給湯温度センサ31からの各検出値に基づいて上記給湯制御を行うようになっている。
【0038】
上記追い焚き循環回路4は、それぞれ浴槽3に連通接続された戻り路41及び往き路42からなる循環路43を備え、上記戻り路41から循環ポンプ44の作動により風呂側熱交換器45に戻される浴槽3内の湯水を燃焼バーナ46の燃焼熱により熱交換加熱し、加熱後の湯水を往き路42を通して再び上記浴槽3内に供給して追い焚きさせるようになっている。
【0039】
上記戻り路41には、循環湯水の循環方向上流側から順に循環ポンプ44と、水圧検出により浴槽3の水位を検出する水位センサ47と、循環流の通過によりフラップが開いて循環判定のON指令が出力される水流スイッチ48と、浴槽3内から風呂側熱交換器45に戻される循環湯水の温度を検出する戻り温度センサ49と、が配設されている。そして、上記水位センサ47からの検出値に基づいて所定水位までの注湯制御が上記コントローラ11により行われ、上記戻り温度センサ49からの検出値に基づいて追い焚き時における浴槽3内の湯水温度が把握されて所定温度までの追い焚き制御が上記コントローラ11により行われ、上記水流スイッチ48からの出力信号により追い焚き制御において循環作動が正常か否かの判定が上記コントローラ11により行われることになる。
【0040】
上記注湯路50は上流端が上記流量調整弁30の下流側位置から分岐し、下流端が上記循環路43のいずれかの位置(図1では戻り路41の循環ポンプ44よりも下流側位置を例示)に連通され、この注湯路50を通して上記給湯回路2からの湯水を追い焚き循環回路4に流入させて浴槽3に注湯し得るようになっている。そして、上記注湯路50には、図2及び図3にも詳細を示すように、負圧破壊装置6が介装されている。なお、図2及び図3の一部は中心線D,E,F,Gを挟んで片断面ずつ図示したものである。すなわち、図2においては、中心線Dの上側、中心線Eの左側、中心線Fの左側がそれぞれ注湯状態(以下「注湯時」ともいう)を図示し、反対側である中心線Dの下側、中心線Eの右側、中心線Fの右側がそれぞれ注湯完了後に注湯路50を遮断して次回の注湯時まで待機する定常状態(以下「定常時」ともいう)を図示している。また、図3においては、中心線Gの上側が上記の注湯状態を図示し、中心線Gの下側が上記の定常状態を図示している。
【0041】
すなわち、上記負圧破壊装置6は、流量調整弁30の下流側位置から分岐した後の注湯路50に対し上流側から順に介装された第1逆止弁61と、注湯か遮断かの切換を行うパイロット式ダイヤフラム弁により構成された主開閉切換弁としての注湯電磁弁62と、副開閉切換弁としての第1電動開閉弁63と、同じく副開閉切換弁としての第2電動開閉弁64と、第2逆止弁65とを備え、加えて、上記第1逆止弁61及び注湯電磁弁62の両者間の中間位置の注湯路50に連通した状態で配設された負圧破壊弁66と、上記第1及び第2の両電動開閉弁63,64の両者間の注湯路50に連通した状態で配設された電磁駆動式の大気開放弁67とを備えたものである。上記注湯電磁弁62と、第1及び第2の両電動開閉弁63,64と、大気開放弁67とは、上記コントローラ11による注湯制御によって開閉制御されて注湯状態と定常状態との切換えが行われるようになっている。
【0042】
なお、図中51は例えば回転可能な羽根車を備え注湯流量を検出する注湯流量センサであり、この注湯流量センサ51は負圧破壊装置として必須の要素ではない。
【0043】
以下、負圧破壊装置6の各要素について詳細に説明する。上記第1及び第2の各逆止弁61,65は、注湯時の給水圧を受けて開弁して浴槽3側への流通をのみ許容する一方、給水圧が解消するとバネ611,651により閉弁状態に復帰されて閉弁状態に維持される構造を有している。上記第1逆止弁61の下流側の開口612は後述のドーナッツ環状空間624に連通されている。また、上記第2逆止弁65の上流側は後述のプランジャ室681に連通されている。なお、第1逆止弁61は、下流側の注湯電磁弁62が閉弁状態であれば両者61,62間に封入された状態の水等の流体により上流側から給水圧を受けても閉弁状態に維持され、上記注湯電磁弁62が開弁されて下流側が開放されと上記給水圧により開弁されることになる。
【0044】
上記注湯電磁弁62はノーマルクローズタイプの電磁制御弁により構成されパイロット式ダイヤフラム弁621を備えたものである。すなわち、図4にも詳細を示すように、ダイヤフラム弁621の一側に対し先端周囲に弁座部を有する筒状弁座622が配設される一方、他方にダイヤフラム室623が区画形成されている。そして、上記筒状弁座622の内部が下流側(浴槽3側)に連通され外周側のドーナッツ環状空間624が上記第1逆止弁61を介して上流側(給湯回路2側)に連通されており、この筒状弁座622の先端に対し上記ダイヤフラム弁621が弾性変形により接離可能に開閉して給湯回路2側と浴槽3側とを連通又は遮断の開閉切換えが行われるようになっている。上記ダイヤフラム室623にはブリード孔621aを通して上流側の圧力(給湯回路2側の給水圧)がブリードインされ、この給水圧によりダイヤフラム弁621を閉弁状態に維持するようになっている。
【0045】
一方、上記ダイヤフラム弁621には筒状弁座622の内部と連通するセンター孔625が貫通され、このセンター孔625が非通電時(定常時)はプランジャ626によって閉止される一方、通電時(注湯時)には電磁石627によりプランジャ626がバネ628に抗して後退されてダイヤフラム室623と連通させ、これにより、ダイヤフラム弁621を開弁状態に変換させるようになっている。つまり、非通電時には上記プランジャ626がバネ628により押されて上記センター孔625を閉止し、これにより、ダイヤフラム弁621を上記給水圧により閉弁状態に維持する一方、通電時には上記プランジャ626が電磁石により後退駆動されてダイヤフラム弁621を開弁作動させるノーマルクローズタイプに構成されている。
【0046】
上記負圧破壊弁66としては、「従来の技術」欄で説明した負圧破壊弁52と同様に圧力バランス型のものを採用すればよい。図例のものを具体的に説明すると、大気に開放された第1開放口661と、この第1開放口661と注湯路50(上述のドーナッツ環状空間624)とを連通させる連通路662と、この連通路662内に介装されて弁座663に対し開閉方向に移動可能な弁体664と、この弁体664を上記弁座663の側に押し付けて閉弁状態に維持するよう初期バネ荷重を付与するバネ665とを備えている。なお、上記弁体664は上記弁座663に着座するゴム層と、上記開閉方向のみへの移動案内をさせるためのガイド部とを一体に備えており、また、上記バネ665は圧縮コイルスプリングにより構成されて受け部材666と上記弁体664との間に掛け渡されている。そして、上記バネ665のバネ荷重は、注湯路50内の圧力が所定の負圧状態に陥れば弁体664が開弁するように設定されている。
【0047】
上記第1及び第2の両電動開閉弁63,64の各開作動は、駆動手段としての共通の電動モータ(ステッピングモータ)68により強制的にかつ直接的に駆動されて行われるようになっている。すなわち、上記電動モータ68により注湯路50に沿って進退作動される作動ロッド69の先端位置に第1電動開閉弁63の第1弁体631が係合され、中間位置に第2電動開閉弁64の第2弁体641が係合されている。そして、上記第1弁体631と第2弁体641との中間位置の注湯路50に臨んで、上記大気開放弁67へ延びる後述の連通路672が開口して連通されている。
【0048】
上記電動モータ68はプランジャ室681内に収容されたプランジャ682と結合され、このプランジャ682はその中心軸Dに沿って延びる上記作動ロッド69と一体に結合されている。上記プランジャ682はそのネジ部682aがハウジング60に固定された保持筒683にねじ込まれる一方、基端側のセレーション部682bが上記電動モータ68に結合されており、プランジャ682が電動モータ68により中心軸D回りに回転作動されることにより上記作動ロッド69が中心軸D(図2の左右方向)に沿って進退作動されるようになっている。
【0049】
上記作動ロッド69は中心軸Dに沿って注湯電磁弁62の下流側位置まで延び、その間に上記第2弁体641及び第1弁体631をそれぞれ貫通している。加えて、上記各弁体641,631は上記作動ロッド69に対し中心軸D方向に所定範囲だけ相対移動可能に保持されている。すなわち、第2弁体641は作動ロッド69に固定されたストッパ691に対しバネ642により作動ロッド69の後退側(図2の左側)に弾性押圧された状態で保持され、同様に、第1弁体631は作動ロッド69の先端に対しバネ632により上記後退側に弾性押圧された状態で保持されている。一方、上記第2弁体641に対し作動ロッド69の後退側には弁座643が形成され、同様に第1弁体631に対し上記後退側には弁座633が形成されている。
【0050】
そして、上記プランジャ682及び作動ロッド69が前進作動されて前進位置(注湯状態の位置;図2の中心線Dの上側に示す位置)に位置付けられると、第1弁体631が作動ロッド69の先端により押されバネ632が縮められて弁座633から離れ、これにより開弁することになる。この開弁と同期して、第2弁体641も作動ロッド69のストッパ691により押されバネ642が縮められて弁座643から離れ、これにより開弁することになる。
【0051】
逆に、上記プランジャ682及び作動ロッド69が上記前進位置から後退作動されて後退位置(定常状態の位置;図2の中心線Dの下側に示す位置)に位置付けられると、上記作動ロッド69の先端が第1弁体631から離れ第1弁体631はバネ632により弁座633に対し強く押し付けられて閉弁状態に維持され、これと同期してストッパ691が第2弁体641から離れ第2弁体641はバネ642により弁座643に対し強く押し付けられて閉弁状態に維持されることになる。
【0052】
また、大気開放弁67はノーマルオープンタイプの電磁駆動式に構成されている。すなわち、上記大気開放弁67は、大気に開放された第2開放口671と、この第2開放口671と上記第1及び第2の両弁体631,641の中間位置の注湯路50とを連通させる連通路672と、この連通路672の途中に介装されて弁座673に対し開閉方向に移動可能な弁体674と、この弁体674を上記弁座673から離す側(開弁側)に付勢するバネ675と、電磁石676への通電により前進駆動されて上記弁体674を弁座673に対しバネ675に抗して押し付けるプランジャ677とを備えている。つまり、駆動手段としての電磁石676への通電により弁体674が閉弁駆動される一方、通電を停止して非通電にするとバネ675により開弁状態に自動的に復帰するノーマルオープンタイプに構成されている。
【0053】
次に、切換制御について説明する。定常状態から注湯状態に切換えるには、まず大気開放弁67に通電して弁体674を閉弁状態にして大気側と遮断し、次いで電動モータ68を駆動させてプランジャ682及び作動ロッド69を図2の後退位置から前進位置まで前進作動させることにより第1及び第2の両電動開閉弁63,64を開弁させる。そして、注湯電磁弁62に通電してダイヤフラム弁621を開弁させる。これにより、第1逆止弁61及び第2逆止弁65が給湯回路2側からの給水圧を受けて共に開弁されて給湯回路2から浴槽3側への注湯が可能になる。
【0054】
一方、この注湯状態から逆に定常状態への切換えは、上記とは逆に、まず注湯電磁弁62に対する通電を停止することによりダイヤフラム弁621を閉弁状態にバネ復帰させ、次いで電動モータ68を駆動させてプランジャ682及び作動ロッド69を上記前進位置から後退位置まで後退作動させることにより第1及び第2の両電動開閉弁63,64を閉弁状態にバネ復帰させる。これにより、第1及び第2の両逆止弁61,65が閉弁する。そして、大気開放弁67に対する通電を停止することにより弁体674をバネ復帰により開弁させる。これにより、閉弁された第1及び第2の両電動開閉弁63,64間の注湯路50内に封入された残圧が開弁状態の大気開放弁67及び第2大気開放口671からオーバーフローされることにより開放される。また、給湯回路2側と浴槽3側との間が、注湯電磁弁62と、第1及び第2の両電動開閉弁63,64と、これらの上下流側を挟む第1及び第2の両逆止弁61,65と各閉弁によって強固に遮断される。以上で定常状態に切換えられる。
【0055】
なお、以上の電動モータ68の作動制御や、注湯電磁弁62及び大気開放弁67への通電制御による注湯状態と定常状態との切換制御は、コントローラ11による注湯制御によって行われるようになっている。すなわち、この注湯制御は例えばリモコンの湯張りスイッチがON操作されると上記の注湯状態への切換制御が開始され、注湯流量センサ51からの検出値に基づく浴槽3への湯張り量が所定の設定湯張り量に到達するか、あるいは、水位センサ47からの水位検出値が所定の設定水位に到達すれば、注湯を完了させて注湯状態から定常状態への切換制御が行われる。
【0056】
以上の負圧破壊装置6によれば、上記の注湯後の定常状態において、給湯回路2側が負圧状態に陥っても、その負圧が第1逆止弁61に対し閉弁側に作用するため給湯回路2側と浴槽3側とは遮断状態に維持されることになる。この際に、第1逆止弁61に異物噛み込み等により閉作動異常が生じていたとしても、負圧の作用により負圧破壊弁66を開弁させて第1大気開放口661からのエア吸い込みにより負圧が解消される。
【0057】
また、上記の負圧状態の発生が停電に起因するものである場合であっても、注湯状態あるいは定常状態の如何に拘わらず注湯電磁弁62は非通電の状態で閉弁状態にバネ復帰するか閉弁状態に維持されるため、上記の作用効果を得ることができる。従って、停電時対策として注湯路50を遮断及び負圧破壊可能な状態に自動的に復帰又は維持させるための駆動用のバックアップ電源(例えば大容量の電解コンデンサ)等の予備電源を搭載する必要はなく、このような予備電源を搭載するためのコスト増を回避し得る。
【0058】
一方、定常状態において給湯回路2側に負圧状態が発生した場合に、第1逆止弁61のみならず、たとえ注湯電磁弁62、第1及び第2の両電動開閉弁63,64や第2逆止弁65の全てに異物噛み込み等により閉作動異常が生じていたとしても、上記の負圧破壊弁66からのエア吸い込みにより浴槽3側からの逆流は生じない。
【0059】
さらに、注湯後の定常状態において、給湯装置1が階下に設置され浴槽3が階上位置に設置されて配管内の正の水頭圧が給湯回路2側に作用したとしても、上記第2逆止弁65や第2電動開閉弁64が閉弁状態に維持されているため、ここで遮断されて給湯回路2側に向かう逆流が生じることもない。この際、上記第2逆止弁65や第2電動開閉弁64、あるいは、これらに加えて第1電動開閉弁63等に上記の如き閉作動異常が生じていたとしても、開弁状態の大気開放弁67から第2大気開放口671を通してオーバーフローされるだけで、給湯回路2側への逆流は確実に阻止される。
【0060】
しかも、定常状態において大気開放弁67が開弁状態に維持されていても、それに伴う不都合が発生することもない。すなわち、例えば給湯回路2側の給湯栓26a,26b等の急開閉操作に起因する脈動が給湯回路2から注湯路50に伝搬して注湯電磁弁62のダイヤフラム弁621にバウンドが生じたとしても、その下流側が第1電動開閉弁63により強固に閉弁されているため、上記大気開放弁67から漏水を生じさせることもない。
【0061】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、主開閉切換弁として注湯電磁弁62を用いた例を説明したが、これに限らず、主開閉切換弁として弁体がモータ(ステッピングモータ等の電動モータあるいは油圧モータ等)駆動により強制的に開閉切換させるものを用いてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、給湯回路2から浴槽3への注湯を、間に追い焚き循環回路4を介して行う給湯装置を例にして負圧破壊装置6を適用した場合を示したが、これに限らず、追い焚き循環回路4を省略して、つまり、風呂釜部分を省略して給湯回路2から浴槽3に対し直接に注湯する構成の給湯装置に本発明の負圧破壊装置を適用してもよい。この場合の「注湯」は所定温度の湯となる。
【0063】
上記実施形態では、給湯回路2からの注湯先が浴槽3である場合の給湯装置を例にして負圧破壊装置6を適用した場合を説明したが、これに限らず、給湯回路2又は注水回路からの注湯・注水先を洗濯槽とする給湯装置に本発明の負圧破壊装置を適用してもよく、この場合にも同様の作用効果を得ることができる。この場合には、給湯回路2又は注水回路からの分岐路である注湯路50又は注水路の下流端を洗濯槽の底部に連通接続し、洗濯槽に対し洗濯用の湯又は水を注湯・注水し得るようにすればよい。上記洗濯槽が大気開放の貯槽であり、ここで使用されている湯又は水は雑水となるため、浴槽の場合と同様に逆流発生等を防止する必要がある。
【0064】
さらに、本発明の負圧破壊装置を上記実施形態で説明した給湯装置以外に適用することもできる。例えば、上水道管路から、あるいは、受水槽からポンプ圧送による給水圧により浄水が供給される管路(例えば浄水の供給を受けて給水栓に給水する給水回路等の浄水供給路)から分岐する分岐管を大気開放の貯槽(例えば上述の浴槽又は洗濯槽)の底部に連通接続し、注水用開閉弁の開閉切換により注水可能とした場合に、上記分岐管に上記実施形態の負圧破壊装置6を介装させるようにしてもよい。この場合にも、閉弁作動異常や停電発生に起因する上記貯槽から浄水供給路側への逆流発生を上記実施形態と同様に確実に防止し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を適用した給湯装置を示す模式図である。
【図2】実施形態の負圧破壊装置を示す断面説明図である。
【図3】図2のA−A線における断面説明図である。
【図4】図2の注湯電磁弁部分の拡大説明図である。
【図5】従来の負圧破壊装置を適用した給湯装置を示す図1対応図である。
【符号の説明】
2 給湯回路(浄水供給路)
3 浴槽(貯槽)
6 負圧破壊装置
26a,26b 給湯栓(給水栓)
50 注湯路(分岐路)
61 第1逆止弁(逆止弁)
62 注湯電磁弁(主開閉切換弁)
63 第1電動開閉弁(副開閉切換弁)
64 第2電動開閉弁(副開閉切換弁)
66 負圧破壊弁
67 大気開放弁
68 電動モータ(共通の駆動手段)
69 作動ロッド(共通の弁軸)
621 ダイヤフラム弁

Claims (5)

  1. 浄水が所定の給水圧を受けて供給される浄水供給路に対しこの浄水供給路から分岐する分岐路を通して大気開放の貯槽が注水可能に接続され、上記分岐路に介装されて上記浄水供給路と貯槽とを注水切換可能にしつつ負圧を破壊する負圧破壊装置において、
    上記分岐路に介装され注水又は遮断の切換えを行う電動式主開閉切換弁と、
    この主開閉切換弁の下流側の上記分岐路において互いに離して介装される一対の駆動式副開閉切換弁と、
    上記主開閉切換弁の上流側位置の上記分岐路に連通した状態で配設され分岐路側からの負圧を受けて開弁する負圧破壊弁と、
    上記一対の副開閉切換弁の中間位置の上記分岐路に一端が開口して連通し他端が開放口で大気に開放された連通路の途中に介装されて上記中間位置の分岐路と大気側との間の連通又は遮断の切換えを行う電動式大気開放弁と
    を備えてなり、
    上記主開閉切換弁を通電により開弁駆動されて通電が停止されるとバネ復帰により閉弁作動するノーマルクローズタイプに構成し、
    上記大気開放弁を通電により閉弁駆動されて通電が停止されるとバネ復帰により開弁作動するノーマルオープンタイプに構成してなる
    ことを特徴とする負圧破壊装置。
  2. 請求項1に記載の負圧破壊装置であって、
    上記主開閉切換弁は、閉弁維持圧として給水圧が作用するパイロット式のダイヤフラム弁を備えた電磁式開閉切換弁であり、通電により発生する電磁力によって上記閉弁維持圧を解消させて上記ダイヤフラム弁を開弁作動させるように構成されている、負圧破壊装置。
  3. 請求項1又請求項2に記載の負圧破壊装置であって、
    上記一対の副開閉切換弁は共通の弁軸に対し互いに離して結合され、この共通の弁軸が共通の駆動手段により進退駆動されることにより互いに同期して開閉切換えされるように構成されている、負圧破壊装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の負圧破壊装置であって、
    上記負圧破壊弁よりも上流側位置の分岐路上に、給水圧を受けて開弁し給水圧の解消により閉弁状態にバネ復帰する逆止弁をさらに介装してなる、負圧破水装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の負圧破壊装置であって、
    上記浄水供給路は、浄水の給水を受け加熱源により加熱して給湯栓側に給湯する給湯回路又は浄水の給水を受けて給水栓側に給水する給水回路であり、この給湯回路又は給水回路に対し大気開放の貯槽が分岐路を通して注湯又は注水可能に接続されている、負圧破壊装置。
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