JP2003194398A - 負圧破壊装置 - Google Patents

負圧破壊装置

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JP2003194398A
JP2003194398A JP2001401357A JP2001401357A JP2003194398A JP 2003194398 A JP2003194398 A JP 2003194398A JP 2001401357 A JP2001401357 A JP 2001401357A JP 2001401357 A JP2001401357 A JP 2001401357A JP 2003194398 A JP2003194398 A JP 2003194398A
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negative pressure
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hot water
pouring
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JP2001401357A
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English (en)
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Makoto Hamada
誠 濱田
Katsuhiro Fujiwara
克博 藤原
Ryoji Ouchi
亮二 大内
Hidehito Ichimaru
秀仁 市丸
Akira Yoshida
晶 吉田
Tsuneo Funabiki
恒男 船引
Manabu Shimizu
学 清水
Itsuo Nagai
逸夫 永井
Naoto Kobari
直人 小針
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Noritz Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動異常や停電が生じても貯槽側からの逆流
入発生を確実に防止する。 【解決手段】 給湯回路2から分岐して浴槽に注湯する
注湯路50に対し、注湯電磁弁62,66を介装し、両
者間にノーマルオープンの電磁駆動式で直動弁642を
有する負圧破壊弁64を配置する。通電すると弁室64
3に開口する大気側の連通口646を閉止し、非通電に
するとバネ644により開復帰する。負圧破壊弁を閉、
両注湯電磁弁を開にした注湯状態から定常状態にするに
は、両注湯電磁弁を閉にした後、圧逃がし弁67を瞬間
的に開弁駆動すれば、弁室643に残留した内圧が開放
され、内圧により押さえ付けられていた直動弁がバネに
より開復帰する。両注湯電磁弁等に閉作動異常が生じて
も給湯回路が負圧になれば連通口からエアが即座に吸い
込まれて負圧を解消させる。停電発生時にはコンデンサ
から圧逃がし弁へ駆動電流が供給され内圧開放により直
動弁を開復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水道から直接に
又は受水槽からポンプ圧送により間接に供給される浄水
が分岐路を通して大気開放の貯槽へ直接又は間接に注水
可能とされたものにおいて、浄水供給路側での負圧発生
の際にその負圧を破壊(解消)して貯槽側から浄水供給
路側への逆流発生を阻止するために用いられる負圧破壊
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の負圧破壊装置として、例
えば給湯装置に設置されたものが知られている。この給
湯装置は、浄水が給水される浄水供給路としての給湯回
路又は給水回路により台所等の給湯栓又は給水栓に対し
給湯又は給水する一方、浴槽や洗濯槽等の大気開放する
貯槽へ上記給湯回路又は給水回路から分岐した注湯路
(分岐路)又は注水路(分岐路)を通して湯又は水を直
接に又は間接に注湯又は注水し得るように構成されてお
り、上記注湯路や注水路に対し負圧破壊装置が介装され
ている。このような負圧破壊装置は、水道水(浄水)が
給水される給湯回路又は給水回路内において例えば水道
水供給側の断水あるいは停電等に起因して負圧が生じた
場合に、浴槽や洗濯槽等の貯槽の湯水が逆流して給湯回
路内又は給水回路内、つまり浄水供給路内に流入する事
態の発生を阻止するために設けられるものであり、上記
負圧破壊装置により給湯回路又は給水回路と上記貯槽と
の間を注湯・注水及び遮断の切換を可能にしつつも縁切
り可能な状態に接続するようにしている。つまり、浄水
が充満している給湯回路又は給水回路に対し雑水である
浴槽や洗濯槽内の湯水が逆流して混入してしまう事態の
発生を防止するために負圧破壊装置が介装されている。
この逆流防止性能を実現するための従来の負圧破壊装置
を図4に示す給湯装置10に設置された例に基づいて説
明する。
【0003】この給湯装置10は貯槽として浴槽3に対
し注湯し得るようにした給湯器付き風呂釜を例にしたも
のである。すなわち、給湯回路2の給湯側に介装された
流量調整弁(水量サーボ弁)30の下流から注湯路50
が分岐され、この注湯路50を介して給湯回路2と、浴
槽3に連通された追い焚き循環回路4とが連通接続され
て浴槽3に対し注湯又は注水(以下、両者をまとめて単
に「注湯」という)が可能とされている。そして、この
注湯路50に対し、上流側からバキュームブレーカ(負
圧破壊弁)52、注湯電磁弁53及び2段の逆止弁5
4,55の順で配設された負圧破壊装置5を介装させて
いる。なお、符号51は注湯流量を検出するための注湯
流量センサである。
【0004】上記のバキュームブレーカ52は回路内に
所定の負圧が生じたときに外気(エア)を吸い込んで負
圧状態を解消(破壊)するもの、注湯電磁弁53は注湯
路50を開閉切換して注湯及び遮断の切換を行うもの、
また、2段の逆止弁54,55は給水圧を受けて注湯方
向(順方向)への流通を許容しつつ給水圧の解消により
閉弁状態にバネ復帰して逆方向への流通を阻止するもの
である。
【0005】より詳しくは、上記バキュームブレーカ5
2は、弁体がバネにより弁座に押し付けられた状態で常
時は注湯路50内の給水圧により閉状態に維持される一
方、回路内に所定の負圧が作用したときには上記弁体が
バネに抗して開きエアを回路内に吸い込んで上記負圧を
解消するようになっている。つまり、上記バキュームブ
レーカ52は給水圧を受けて閉弁状態に維持され、負圧
を受けて開弁するという圧力バランス型のものにより構
成され、上記バネは所定の負圧(設定吸気作動圧)の発
生により吸気作動し始めるように初期付勢力を弁体に付
与するものである。
【0006】また、上記注湯電磁弁53は、パイロット
式のダイヤフラム弁により構成され給湯回路2側の給水
圧により閉弁状態に維持されるようになっている。すな
わち、弁体である可撓性ダイヤフラム弁を挟んで一側に
ダイヤフラム室が区画形成される一方、他側において筒
状の弁座により区画されて外周側が上記給湯回路2と連
通され、内周側が浴槽3側と連通されている。そして、
上記弁座の先端にダイヤフラム弁が押し付けられること
により給湯回路2側と浴槽3側とを遮断した状態、つま
り閉弁状態になり、この閉弁状態においてはブリード孔
を通して給湯回路2側から給水圧がダイヤフラム室にブ
リードインされ、この給水圧がダイヤフラム弁に対し閉
弁維持圧として作用するようになっている。従って、給
水圧が高圧であればある程、より高い圧力で閉弁側に押
し付けられて高い閉シール性能を発揮する。一方、注湯
時には電磁石に通電することによりダイヤフラム弁中央
のセンター孔を開いてダイヤフラム室と弁座内周側(浴
槽3側)とを連通させてダイヤフラム弁を開弁させるよ
うになっている。
【0007】ここで、上記の負圧が生じる場合として
は、本来は給水圧(正圧)が作用している給湯回路側
(給水一次側)において給水元である水道の断水や、受
水槽等から各集合住宅(マンション等)の上階へポンプ
圧送している場合に停電によるポンプ停止等が発生する
ことにより、給水一次側の圧力が低下して負圧を生じる
場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
負圧破壊装置においては、負圧破壊装置5が正常に作動
している状態であれば所定の逆流防止性能を満足するも
のではあるが、例えば注湯電磁弁53や逆止弁54,5
5に故障等の異常が発生した場合には給水一次側での負
圧発生により浴槽3側からの逆流入が生じてしまうおそ
れがある。
【0009】すなわち、上記注湯電磁弁53や逆止弁5
4,55に故障又は異物噛み込み等の原因により本来閉
止すべきとき(例えば注湯完了したときの定常状態のと
き)に完全には閉止せずに開いたままの閉作動異常が生
じた場合、給水一次側が断水等により負圧状態に陥る
と、その負圧が浴槽3側まで及ぶことになる。この負圧
発生の際にはバキュームブレーカ52が開きエアを吸い
込み始めて負圧を破壊することにはなるものの、このバ
キュームブレーカ52は上記の如く圧力バランス型であ
るため、そのエア吸い込み作動の開始は負圧発生時点に
対し遅れがあり、その間に負圧が上記閉作動異常状態の
注湯電磁弁53や逆止弁54,55を通過して浴槽3側
に及んでしまい、逆流発生のおそれを招くことになる。
【0010】これに対処すべく、注湯電磁弁の下流側位
置の注湯路内に、定常状態においては強制的に開弁状態
にして大気と連通させる一方、注湯時には閉弁状態に変
換させ得るモータ駆動式の弁手段を介装させることが考
えられる。しかし、特に水道水(浄水)が受水槽からポ
ンプ圧送により高層住宅(マンション等)の上層階まで
供給される場合において、停電発生に伴うポンプの停止
によって負圧が発生したときには、上記のモータ駆動式
の弁手段を介装させたとしても停電により所定の作動を
行い得なくなれば、エア吸い込みによる負圧解消も行い
得ずに逆流が生じてしまう結果になると考えられる。従
って、停電対策も考慮する必要がある。
【0011】以上のような作動異常や停電に起因する逆
流入発生のおそれは、注水接続対象が浴槽ではなくて給
湯回路又は給水回路から貯槽としての洗濯槽に対し自動
注湯可能に接続した場合にも同様に生じることになる。
さらに、浄水が所定の給水圧に基づき供給される浄水供
給路から分岐した分岐路を通して大気開放の貯槽が注水
可能に接続されている場合にも、上記の如き逆流入発生
のおそれが同様に生じ得る。そして、注水・注湯の対象
が大気開放された貯槽であり、注湯・注水された貯槽内
の湯水が入浴又は洗濯等に使用されて雑水扱いとなる場
合には、逆流入発生を確実に防止する必要がある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、浄水供給路側
から大気開放の貯槽に対し注水を可能としつつも負圧の
破壊を確保しようとする負圧破壊装置において、弁の作
動異常や停電発生等が生じても上記貯槽側からの逆流入
の発生を確実に防止し得る負圧破壊装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明では、浄水が所定の給水圧を受
けて供給される浄水供給路に対しこの浄水供給路から分
岐する分岐路を通して大気開放の貯槽が注水可能に接続
され、上記分岐路に介装されて上記浄水供給路と貯槽と
を注水切換可能にしつつ負圧を破壊する負圧破壊装置を
対象として、次の特定事項を備えることとした。すなわ
ち、上記分岐路に介装される注水用の開閉切換弁と、こ
の開閉切換弁の下流側位置に連通した状態で配設される
負圧破壊弁とを備え、上記負圧破壊弁を、大気側との連
通口を開閉するノーマルオープンタイプの電磁駆動式に
構成し、かつ、非通電状態でも弁体が開弁位置まで復帰
されるようにバネ付勢させることとした。
【0014】なお、上記の「大気開放の貯槽」とは、そ
の底部に注水を受けて貯留される湯水が自由水面を形成
し、この自由水面に大気圧が作用することになるような
貯槽のことであり、浄水供給路として例えば給湯回路か
ら入浴用の湯張り(水張り)のための注湯を受ける浴
槽、又は、上記給湯回路から洗濯用湯水の湯張り(水張
り)のための注湯を受ける洗濯槽等が挙げられる。さら
に、上記の「アクチュエータ」としては、電動モータ
(例えばステッピングモータ)を用いればよく、その他
に油圧モータ、電動シリンダもしくは油圧シリンダ等を
用いることも可能である。以上の点は以下の各請求項に
おいても同じである。
【0015】上記請求項1によれば、開閉切換弁の下流
側位置において大気側との連通口を電磁駆動により強制
的に開弁し得る負圧破壊弁を配設しているため、開閉切
換弁に閉作動異常が生じていたとしても、その閉作動異
常に起因する逆流入発生を確実に回避し得ることにな
る。すなわち、注水が完了して開閉切換弁を閉じて非注
水状態にした定常時には負圧破壊弁を強制的に開弁させ
ておくことにより、開閉切換弁等が異物噛み込み等によ
り完全には閉じていない閉作動異常状態に陥っていたと
しても、浄水供給路側(給水一次側)が負圧状態に陥れ
ば上記開弁状態の負圧破壊弁からエアが即座に吸い込ま
れて負圧が解消されることになる。これにより、開閉切
換弁に閉作動異常が発生していたとしても貯槽側からの
逆流入発生が確実に阻止される。
【0016】また、上記の定常時において作動異常のな
い正常状態の場合には、開閉切換弁が閉弁されて浄水供
給路側と貯槽側とが確実に遮断されているため、浄水供
給路側が負圧状態に陥いっても貯槽側からの逆流は生じ
ない。また、注水時には上記負圧破壊弁を閉弁駆動させ
ることで貯槽側への注水が可能になる。
【0017】一方、上記の定常時の負圧破壊弁を開状態
にする前に浄水供給路側が停電発生に起因して負圧状態
に陥ったとしても、上記負圧破壊弁はノーマルオープン
タイプである上に非通電状態であってもバネ付勢力によ
り開弁状態に自動復帰されるため、この開弁状態の負圧
破壊弁からのエア吸い込みにより上記負圧が解消され
て、貯槽側からの逆流発生を確実に阻止し得る。ここ
で、開閉切換弁の下流側位置に例えばモータ駆動により
強制的に開弁駆動させ得る負圧破壊弁を設け、停電発生
時にはこの負圧破壊弁自体をバックアップ電源(バック
アップ用電源装置等)により駆動させるようにすること
も考えられる。しかしながら、モータ駆動式の弁を作動
させるには比較的大容量のバックアップ電源が必要とな
り、これを負圧破壊装置に搭載させるとなるとかなりの
コスト増大を招くことになる。これに対し、本発明で
は、上記の如く、負圧破壊弁をノーマルオープンタイプ
の電磁駆動式としかつ非通電時にもバネ復帰により自動
的に開弁状態に変換するようバネ付勢されたものとし
て、負圧破壊弁自体は停電時であっても機構上の対策に
より開弁作動可能としている。このため、停電対策とし
て上記のバックアップ電源を装備させることなく、従っ
て、コスト増大を招くことなく機構上の対策により停電
発生に起因する逆流入発生を阻止することが可能にな
る。
【0018】請求項2に係る発明では、浄水が所定の給
水圧を受けて供給される浄水供給路に対しこの浄水供給
路から分岐する分岐路を通して大気開放の貯槽が注水可
能に接続され、上記分岐路に介装されて上記浄水供給路
と貯槽とを注水切換可能にしつつ負圧を破壊する負圧破
壊装置を対象として、以下の特定事項を備えることとし
た。すなわち、上記分岐路に対し上下流の各位置に介装
される注水用の一対の開閉切換弁と、この一対の開閉切
換弁の中間位置に連通した状態で配設される負圧破壊弁
とを備え、上記負圧破壊弁を、大気側との連通口を開閉
するノーマルオープンタイプの電磁駆動式に構成し、か
つ、非通電状態でも弁体が開弁位置まで復帰されるよう
にバネ付勢させることとした。
【0019】この請求項2によれば、請求項1による作
用の全てを実現し得る上に、負圧破壊弁の下流側にも開
閉切換弁が介装されているため、次の作用が得られる。
すなわち、貯槽が浄水供給路よりも下方位置に設置(例
えば階下設置)されて注水完了後の開閉切換弁の閉弁に
より貯槽側から負の水頭圧が作用するような場合であっ
ても、注水完了時には上流側に加えて下流側の開閉切換
弁をも閉弁作動させることにより、その後に連通口を開
弁させる負圧破壊弁から上記の負の水頭圧に起因してエ
アが吸い込まれることはない。加えて、上記とは逆に、
貯槽が浄水供給路よりも上方位置に設置(例えば階上設
置)されて注水完了後の開閉切換弁の閉弁により貯槽側
から正の水頭圧が作用するような場合であっても、注水
完了時には上流側に加えて下流側の開閉切換弁をも閉弁
作動させることにより、その後に開弁させる負圧破壊弁
を通過して連通口から貯槽側からの水が流出することも
ない。なお、貯槽が階上設置等の浄水供給路よりも上方
位置に設置されている場合には、下流側の開閉切換弁と
しては、実施形態で説明するようなパイロット式のダイ
ヤフラム弁を有する電磁弁でもよいが、モータ駆動式の
開閉切換弁を採用するのがより強い閉止機能(遮断機
能)を実現し得る上で好ましい。
【0020】上記請求項2においては、さらに、上記分
岐路に連通して負圧破壊弁の弁体が収容される弁室の内
圧を開放する開閉切換駆動式の圧逃がし弁を備えるよう
にしてもよい(請求項3)。この場合には、負圧破壊弁
を閉弁させて行われる注湯状態から定常状態に切換える
際に上下流両側の開閉切換弁を同時に閉弁させたり、下
流側を先に閉弁させ次に上流側を閉弁させたりすると、
両開閉切換弁間にそれまでの給水圧が残留し、負圧破壊
弁の開弁復帰が妨げられるおそれがある。このような場
合には、両開閉切換弁を共に閉弁した後に、上記圧逃が
し弁を例えば瞬間的に開弁させることで残留した内圧が
開放されて負圧破壊弁を開弁復帰させることが可能にな
る。
【0021】また、上記の請求項3の場合には、さら
に、バックアップ用蓄電手段を備えるようにし、このバ
ックアップ用蓄電手段を、停電時に上記圧逃がし弁に対
し電源供給することにより弁室の内圧を開放させるため
の駆動を行わせるように圧逃がし弁と接続するようにす
ればよい(請求項4)。このようにすることにより、上
記の請求項3の場合に給水圧の残留したまま停電が発生
した場合でも、上記バックアップ用蓄電手段からの電源
供給により圧逃がし弁を作動させることが可能になり、
これにより、負圧破壊弁の開弁復帰が可能になり負圧発
生時の逆流入発生を確実に阻止し得る。ここで、上記の
蓄電手段からの電源供給は圧逃がし弁により内圧開放の
ための僅かな時間だけ開弁作動させればよいだけである
ため、蓄電手段としては比較的小容量のものですむ。つ
まり、負圧破壊弁自体を機構上の対策により開弁状態に
自動復帰させるようにし、かつ、残圧発生をも考慮して
上記開弁状態への自動復帰を確実にさせるための圧逃が
し弁の駆動だけをバックアップ用蓄電手段からの電源供
給により行わせている。このため、特に負圧破壊弁をモ
ータ駆動式にしてこのモータ駆動を停電時にバックアッ
プ用蓄電手段により駆動させて開弁させる場合の必要静
電容量と比べると、大幅に小容量化を図ることが可能に
なる。
【0022】なお、上記の「バックアップ用蓄電手段」
としては、一次電池又は二次電池の他に容量手段として
のコンデンサ等が含まれる。また、上記圧逃がし弁を常
時は本来の電源供給ラインからの電源供給により駆動さ
せる一方、停電発生すればその停電発生により切換えら
れるスイッチ等により上記蓄電手段と切換接続されてこ
の蓄電手段から電源供給を受け得るようにすればよい。
【0023】上記の請求項3又は請求項4の負圧破壊装
置における圧逃がし弁として、ノーマルクローズタイプ
に構成することにより(請求項5)、常時は閉弁状態に
維持して内圧開放時だけ開弁させるための圧逃がし弁と
して好適なものとし得る。これにより、請求項3の場合
には内圧開放のための駆動エネルギーも少なくて済み、
また、請求項4の場合にはバックアップ容蓄電手段の必
要静電容量をより小さくすることが可能になる。
【0024】上記の請求項1〜請求項5のいずれかの負
圧破壊装置における負圧破壊弁としてその上下流の両側
位置のそれぞれに逆止弁を伴ったものとし、この逆止弁
として浄水供給路側の給水圧を受けて開弁し給水圧の消
滅により閉弁する構成としてもよい(請求項6)。これ
により、浄水供給路側に負圧発生のない通常時に、定常
状態で開弁された負圧破壊弁の上下流両側を各開閉切換
弁の閉弁による遮断に加え上記両逆止弁によってさらに
確実に遮断させ得る。
【0025】さらに、以上の請求項1〜請求項6のいず
れかの負圧破壊装置を適用する具体的な対象としては、
次のようなものとすることができる。すなわち、上記浄
水供給路として、浄水の給水を受け加熱源により加熱し
て給湯栓側に給湯する給湯回路又は浄水の給水を受けて
給水栓側に給水する給水回路とし、この給湯回路又は給
水回路に対し大気開放の貯槽が分岐路を通して注湯又は
注水可能に接続されたものである(請求項7)。なお、
この場合、給湯回路から貯槽へは、給湯回路の加熱源を
加熱作動させた場合に注ぎ込まれる注湯に加え、上記加
熱源を非加熱作動のまま給水を注ぎ込む場合の注水があ
る。
【0026】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1〜請求
項7のいずれかの負圧破壊装置によれば、開閉切換弁の
下流側位置において大気側との連通口を電磁駆動により
強制的に開弁し得る負圧破壊弁を配設しているため、注
水完了後の定常時には負圧破壊弁を強制的に開弁させて
おくことにより、開閉切換弁に閉作動異常が生じていた
としても、浄水供給路側が負圧状態に陥れば上記開弁状
態の負圧破壊弁からエアが即座に吸い込まれて負圧を解
消することができ、貯槽側からの逆流入発生を確実に阻
止することができる。
【0027】しかも、上記の負圧破壊弁を開状態にする
前に停電発生に起因して浄水供給路側が負圧状態に陥っ
たとしても、上記負圧破壊弁をノーマルオープンタイプ
にして非通電状態であってもバネ付勢力により開弁状態
に自動復帰されるようにしているため、負圧破壊弁から
のエア吸い込みにより上記負圧を解消して、貯槽側から
の逆流発生を確実に阻止することができる。つまり、停
電時であっても機構上の対策により負圧破壊弁を開弁復
帰させるようにしているため、停電対策としてバックア
ップ電源を装備させることなく、従って、コスト増大を
招くことなく停電発生に起因する逆流入発生を阻止する
ことができる。
【0028】特に、請求項2によれば、負圧破壊弁の下
流側にも開閉切換弁を介装しているため、貯槽が浄水供
給路よりも下方の階下位置に設置されている場合や、上
方の階上位置に設置されている場合のいずれであって
も、貯槽側からの水頭圧に起因する不都合の発生を回避
することができる。
【0029】請求項3によれば、弁室内に負圧破壊弁の
開弁復帰を妨げるような内圧が残留しているような場合
であっても、駆動式の圧逃がし弁を僅かな時間だけ(例
えば瞬間的に)開弁させることで上記負圧破壊弁の確実
な開弁復帰を実現させることができる。
【0030】請求項4によれば、停電時であっても、バ
ックアップ用蓄電手段により圧逃がし弁を駆動させて負
圧破壊弁の弁室の内圧を開放させることができ、これに
より、負圧破壊弁を確実に開弁状態に復帰させることが
でき、負圧破壊による逆流入発生防止をより一層確実な
ものとすることができる。しかも、蓄電手段として必要
な静電容量を、モータ駆動により開弁させる負圧破壊弁
への電源供給により停電時の残圧作用下での開弁駆動を
行わせる場合と比べ大幅に小容量化することができる。
【0031】請求項5によれば、請求項3における圧逃
がし弁による内圧開放のための駆動を少ない駆動エネル
ギーにて行わせることができ、また、請求項4における
バックアップ容蓄電手段をより小さい必要静電容量にす
ることができる。
【0032】請求項6によれば、請求項1〜請求項5の
いずれかの負圧破壊装置において、逆止弁の追加によ
り、浄水供給路側に負圧発生のない通常時に、定常状態
で開弁された負圧破壊弁の上下流両側を各開閉切換弁の
閉弁による遮断に加え上記両逆止弁によってさらに確実
に遮断させることができる。
【0033】請求項7によれば、以上の請求項1〜請求
項6のいずれかの負圧破壊装置を適用する具体的な対象
として好適な構成を特定することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0035】図1は、本発明の実施形態に係る負圧破壊
装置6を適用した給湯装置1を示している。つまり、本
実施形態は浄水供給路としての給湯回路2から分岐する
注湯路(分岐路)50を通して貯槽としての浴槽3に注
湯・注水可能とした場合に本発明を適用したものであ
る。
【0036】上記給湯装置1は、給湯機能を実現する給
湯回路2と、浴槽3内の湯水の追い焚き機能を実現する
強制循環式の追い焚き循環回路4と、上記給湯回路2と
追い焚き循環回路4とを接続して上記浴槽3に対する注
湯又は注水(以下、両者を含めて単に「注湯」という)
を行う注湯路50とを備えたものである。
【0037】上記給湯回路2は、水道管に接続された給
水路21から導入される水(浄水)を給湯側熱交換器2
2において燃焼バーナ23の燃焼熱との熱交換加熱によ
り加熱し、加熱後の湯を出湯路24及び給湯路25を通
して下流端の給湯栓26まで給湯させるようになってい
る。ここで、燃焼缶体内に配設された上記熱交換器22
及び燃焼バーナ23が加熱源を構成している。上記給水
路21と出湯路24との間にはバイパス路27が設けら
れて、調整弁27aによる水の混合調節制御により設定
温度への温度調整が行われるようになっている。上記給
湯栓26は台所等に配設されたカランや、浴室や洗面台
等に設置されたシャワーカランにより構成されている。
【0038】上記給水路21には入水流量センサ28
と、入水温度センサ29とが配設されている。また、上
記出湯路24には流量調整弁30と、上記給湯栓26も
しくは注湯路50に供給される湯水の温度を検出する給
湯温度センサ31とが上流側から順に配設されている。
給湯温度や注湯温度を所定の設定温度になるように燃焼
バーナ23の燃焼を制御する給湯制御がコントローラ1
1により行われ、このコントローラ11では主として上
記入水流量センサ28、入水温度センサ29及び給湯温
度センサ31からの各検出値に基づいて上記給湯制御を
行うようになっている。
【0039】上記追い焚き循環回路4は、それぞれ浴槽
3に連通接続された戻り路41及び往き路42からなる
循環路43を備え、上記戻り路41から循環ポンプ44
の作動により風呂側熱交換器45に戻される浴槽3内の
湯水を燃焼バーナ46の燃焼熱により熱交換加熱し、加
熱後の湯水を往き路42を通して再び上記浴槽3内に供
給して追い焚きさせるようになっている。
【0040】上記戻り路41には、循環湯水の循環方向
上流側から順に循環ポンプ44と、循環流の通過により
フラップが開いて循環判定のON指令が出力される水流
スイッチ48と、浴槽3内から風呂側熱交換器45に戻
される循環湯水の温度を検出する戻り温度センサ49と
が配設されている。また、水圧検出により浴槽3の水位
を検出する水位センサ47が後述の注湯路50の下流端
側位置に配設されている。そして、この水位センサ47
からの検出値に基づいて所定水位までの注湯制御が上記
コントローラ11により行われ、上記戻り温度センサ4
9からの検出値に基づいて追い焚き時における浴槽3内
の湯水温度が把握されて所定温度までの追い焚き制御が
上記コントローラ11により行われ、上記水流スイッチ
48からの出力信号により追い焚き制御において循環作
動が正常か否かの判定が上記コントローラ11により行
われることになる。
【0041】上記注湯路50は上流端が上記流量調整弁
30の下流側位置から分岐し、下流端が上記循環路43
のいずれかの位置(図1では戻り路41の循環ポンプ4
4よりも下流側位置を例示)に連通され、この注湯路5
0を通して上記給湯回路2からの湯水を追い焚き循環回
路4に流入させて浴槽3に注湯し得るようになってい
る。そして、上記注湯路50には、図2又は図3にも詳
細を示すように、負圧破壊装置6が介装されている。な
お、図2においては注湯時の状態を図示し、図3におい
ては注湯完了後に注湯路50を遮断して次回の注湯まで
待機する定常状態(以下「定常時」ともいう)を図示し
ている。
【0042】すなわち、上記負圧破壊装置6は、流量調
整弁30の下流側位置から分岐した後の注湯路50に対
し上流側から順に、例えば回転可能な羽根車を備え注湯
流量を検出する注湯流量センサ61と、上記コントロー
ラ11により開閉制御されて注湯か遮断かの切換を行う
パイロット式ダイヤフラム弁により構成された注水用開
閉切換弁としての主注湯電磁弁62と、第1逆止弁63
と、負圧破壊弁64と、第2逆止弁65と、上記主注湯
電磁弁62と同様構成の開閉切換弁としての副注湯電磁
弁66とを介装し、かつ、上記負圧破壊弁64の後述の
弁室643の内圧を開放するための圧逃がし弁67を配
設したものである。
【0043】なお、上記の注湯流量センサ61は負圧破
壊装置6を利用して便宜上配設したものに過ぎず、この
注湯流量センサ61は負圧破壊装置として必須の要素で
はない。
【0044】上記主注湯電磁弁62及び副注湯電磁弁6
6は共にノーマルクローズタイプの電磁制御弁により構
成されパイロット式ダイヤフラム弁を備えたものであ
る。すなわち、ダイヤフラム弁の一側に対し先端周囲に
弁座部を有する筒状弁座が配設される一方、他方にダイ
ヤフラム室が区画形成されている。そして、上記筒状弁
座の内部が下流側(浴槽3側)に連通され外周側のドー
ナッツ環状空間が上流側(給湯回路2側)に連通されて
おり、この筒状弁座の先端に対し上記ダイヤフラム弁が
弾性変形により接離可能に開閉して給湯回路2側と浴槽
3側とを連通又は遮断の開閉切換えが行われるようにな
っている。上記ダイヤフラム室にはブリード孔を通して
上流側の圧力(給湯回路2側の給水圧)がブリードイン
され、この給水圧によりダイヤフラム弁を閉弁状態に維
持するようになっている。一方、上記ダイヤフラム弁に
は筒状弁座の内部と連通するセンター孔が貫通され、こ
のセンター孔が非通電時(定常時)はプランジャによっ
て閉止される一方、通電時(注湯時)には電磁石により
プランジャが後退されてダイヤフラム室と連通させ、こ
れにより、ダイヤフラム弁を開弁状態に変換させるよう
になっている。
【0045】上記第1及び第2の各逆止弁63,65
は、負圧破壊弁64を挟んで上下流両側位置に配設され
たものであり、注湯時の給水圧を受けて開弁して浴槽3
側への流通をのみ許容する一方、給水圧が解消するとバ
ネ復帰して閉弁状態に維持される構造を有している。
【0046】上記負圧破壊弁64は、ノーマルオープン
タイプの電磁駆動式に構成されており、電磁石(巻き
線)641への通電によりリニアに前進する直動弁64
2を備えている。この直動弁642は弁室643に収容
される一方、バネ644により後退側に対し所定のバネ
荷重により付勢されている。上記弁室643は上下流各
側の注湯路50に連通される一方、先端が大気開放され
たドレン路645の基端側の連通口646と、この連通
口646をバイパスして上記ドレン路645と連通させ
たバイパス路647の上流端とがそれぞれ開口してい
る。そして、上記負圧破壊弁64は、電磁石641への
通電により直動弁642が前進(図2及び図3において
下動)駆動されて上記連通口646を閉止した閉弁状態
(図2に示す状態)に切換えられ、上記電磁石641へ
の通電を停止すると上記バネ644の付勢力(圧縮復元
力)により後退(図2及び図3において上動)して上記
連通口646を開けた開弁状態(図3に示す状態)に復
帰するようになっている。
【0047】上記バネ644のバネ荷重設定について説
明すると、開弁状態への復帰の阻害要因(弁室の内圧)
があっても、それを超えるバネ荷重により開弁復帰させ
ることも可能であり、これを採用すれば圧逃がし弁67
による後述の内圧開放も不要とはなる。しかし、あまり
バネ荷重を強くすると、閉弁作動時の電磁石641によ
る駆動力をそのバネ荷重よりも大きくする必要が生じる
ことになる。そこで、本実施形態では、閉弁状態の位置
にある直動弁642を非通電時に開弁状態の位置まで戻
す上での抵抗(摺動抵抗等)にうち勝って上記開弁位置
まで復帰させ得る程度の最小限のバネ荷重設定としいて
る。従って、弁室643に給水圧が作用した場合には、
その内圧を直動弁642が受ける受圧面積に内圧を乗じ
た閉弁維持圧よりもバネ644のバネ荷重の方が小さく
なる。
【0048】上記圧逃がし弁67は上記バイパス路64
7に介装され、このバイパス路647を開閉切換えして
連通・遮断の切換えすることにより、連通口646が閉
じていても弁室643とドレン路645とを強制的に連
通させるために設置されたものである。上記圧逃がし弁
67はノーマルクローズタイプの電磁駆動式に構成さ
れ、非通電状態の常時は閉弁状態に維持されてバイパス
路647を遮断し、通電時にのみ開弁してバイパス路6
47を連通し、通電が停止されると閉弁状態に自動復帰
するようになっている。
【0049】以上の注湯電磁弁62,66と、負圧破壊
弁64と、圧逃がし弁67との各作動制御はコントロー
ラ11(図1参照)による注湯制御によって行われるよ
うになっている。すなわち、この注湯制御は例えばリモ
コン12の湯張りスイッチがON操作されると上記の注
湯状態への切換制御が開始され、注湯流量センサ51か
らの検出値に基く浴槽3への湯張り量が所定の設定湯張
り量に到達するか、あるいは、水位センサ47からの水
位検出値が所定の設定水位に到達すれば、注湯を完了さ
せて注湯状態から定常状態への切換制御が行われる。
【0050】上記コントローラ11は、上記の両注湯電
磁弁62,66、負圧破壊弁64及び圧逃がし弁67と
それぞれ制御信号ライン及び電源供給ラインにより互い
に接続されている。また、上記コントローラ11はバッ
クアップ用蓄電手段として比較的小静電容量のコンデン
サ(電解コンデンサ)を備えており、通常時には上記各
弁62,66,64,67への駆動電流を主電源ライン
から供給する一方、停電発生時にはその停電発生による
スイッチ切換により特に上記圧逃がし弁67への駆動電
流を上記コンデンサから供給するようになっている。
【0051】以下、上記注湯制御による負圧破壊装置6
の作動を説明する。まず、図3の定常状態から図2の注
湯状態に切換えるには、まず、負圧破壊弁64の電磁石
641に通電して直動弁642を閉弁駆動させた上で、
副注湯電磁弁66を開弁し、続いて主注湯電磁弁62を
開弁させる。これにより、給水圧が作用して第1及び第
2の両逆止弁63,65が開弁して給湯回路2から浴槽
3側への注湯が可能となる(図2参照)。
【0052】一方、この注湯状態(図2)から逆に定常
状態(図3)への切換えは、上記とは逆に、まず副注湯
電磁弁66を閉弁させ、続いて主注湯電磁弁62を閉弁
させる。これにより、第1及び第2の両逆止弁63,6
5が流水停止により閉弁する。次に、負圧破壊弁64の
電磁石641への通電を停止するが、この状態では弁室
643内にそれまでの給水圧が残留し、この内圧により
直動弁642が閉弁状態に維持されている。そこで、圧
逃がし弁67を開弁駆動し、弁室643の内圧をバイパ
ス路647を通してドレン路645にオーバーフローさ
せることで開放する。この内圧開放のための圧逃がし弁
67の開弁駆動は一瞬間程度のごく僅かな時間(瞬間
的)でよい。上記の内圧開放により直動弁642への閉
弁維持圧が消滅するため、直動弁642はバネ644に
より開弁状態に自動的に復帰する。以上で図3の定常状
態に切換えられる。
【0053】上記の注湯後の定常状態において、上記両
注湯電磁弁62,66や、第1及び第2の両逆止弁6
3,65の全てに異物噛み込み等により閉作動異常が生
じたとしても、負圧破壊弁64が上記定常状態では常に
開弁しているため、給湯回路2側が例えば断水等により
負圧状態に陥れば即座にドレン路645及び連通口64
6からエアが内部に吸い込まれて上記負圧を解消するこ
とができ、浴槽3側からの逆流発生を確実に阻止するこ
とができる。
【0054】さらに、上記の負圧状態の発生が停電に起
因するものである場合に、たとえ上記の圧逃がし弁67
の開弁駆動前で負圧破壊弁64の直動弁642が内圧に
より閉弁状態を維持しているときに上記停電が発生した
としても、浴槽3側からの逆流発生を確実に阻止するこ
とができる。すなわち、上記停電発生によりコンデンサ
からの駆動電流の供給を受けて圧逃がし弁67が開弁駆
動され、内圧開放により上記直動弁642が開弁状態に
復帰されるため、主注湯電磁弁62や第1逆止部63を
通過して負圧が作用すると、上記と同様にドレン路64
5及び連通口646からエアが内部に吸い込まれて上記
負圧を解消することができ、浴槽3側からの逆流発生を
確実に阻止することができる。この際、圧逃がし弁67
による内圧開放は上記の如く瞬間的な開弁駆動でよいた
め、停電対策として搭載するコンデンサの必要静電容量
はかなり小さくて済む。
【0055】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
注水用開閉切換弁として注湯電磁弁62,66を用いた
例を説明したが、これに限らず、注水用開閉切換弁とし
て弁体がモータ(ステッピングモータ等の電動モータあ
るいは油圧モータ等)駆動により強制的に開閉切換させ
るものを用いてもよい。特に浴槽3等の貯槽が階上設置
のように給湯装置1よりも上方位置に設置されている場
合には、下流側の開閉切換弁として注湯電磁弁66の代
わりにモータ駆動式の開閉切換弁を適用することがより
強い遮断機能(閉弁維持機能)を実現し得る点で好まし
い。なお、下流側開閉切換弁として上記の注湯電磁弁6
6を採用した場合であっても、給湯回路2側からダイヤ
フラム室に作用する給水圧を超えない程度の水頭圧に相
当する高低差までの上方範囲に浴槽(貯槽)が設置され
ていれば、その浴槽と給湯回路2(浄水供給路)とを確
実に遮断させ得る。
【0056】また、上記実施形態では、給湯回路2から
浴槽3への注湯を、間に追い焚き循環回路4を介して行
う給湯装置を例にして負圧破壊装置6を適用した場合を
示したが、これに限らず、追い焚き循環回路4を省略し
て、つまり、風呂釜部分を省略して給湯回路2から浴槽
3に対し直接に注湯する構成の給湯装置に本発明の負圧
破壊装置を適用してもよい。この場合の「注湯」は所定
温度の湯となる。
【0057】上記実施形態では、給湯回路2からの注湯
先が浴槽3である場合の給湯装置を例にして負圧破壊装
置6を適用した場合を説明したが、これに限らず、給湯
回路2又は注水回路からの注湯・注水先を洗濯槽とする
給湯装置に本発明の負圧破壊装置を適用してもよく、こ
の場合にも同様の作用効果を得ることができる。この場
合には、給湯回路2又は注水回路からの分岐路である注
湯路50又は注水路の下流端を洗濯槽の底部に連通接続
し、洗濯槽に対し洗濯用の湯又は水を注湯・注水し得る
ようにすればよい。上記洗濯槽が大気開放の貯槽であ
り、ここで使用されている湯又は水は雑水となるため、
浴槽の場合と同様に逆流発生等を防止する必要がある。
【0058】さらに、本発明の負圧破壊装置を上記実施
形態で説明した給湯装置以外に適用することもできる。
例えば、上水道管路から、あるいは、受水槽からポンプ
圧送による給水圧により浄水が供給される管路(例えば
浄水の供給を受けて給水栓に給水する給水回路等の浄水
供給路)から分岐する分岐管を大気開放の貯槽(例えば
上述の浴槽又は洗濯槽)の底部に連通接続し、注水用開
閉弁の開閉切換により注水可能とした場合に、上記分岐
管に上記実施形態の負圧破壊装置6を介装させるように
してもよい。この場合にも、閉弁作動異常や停電発生に
起因する上記貯槽から浄水供給路側への逆流発生を上記
実施形態と同様に確実に防止し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を適用した給湯装置を示す模
式図である。
【図2】第1実施形態の負圧破壊装置の注湯状態を示す
断面説明図である。
【図3】第1実施形態の負圧破壊装置の定常状態を示す
図2対応図である。
【図4】従来の負圧破壊装置を適用した給湯装置を示す
図1対応図である。
【符号の説明】
2 給湯回路(浄水供給路) 3 浴槽(貯槽) 6 負圧破壊装置 26 給湯栓(給水栓) 50 注湯路(分岐路) 62,66 注湯電磁弁(注水用開閉切換弁) 63,65 逆止弁 64 負圧破壊弁 67 圧逃がし弁 642 直動弁(弁体) 644 バネ 646 連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 亮二 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 市丸 秀仁 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 吉田 晶 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 船引 恒男 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 清水 学 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 永井 逸夫 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 小針 直人 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 Fターム(参考) 2D060 AA01 BA01 BC21 3L024 CC21 DD31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄水が所定の給水圧を受けて供給される
    浄水供給路に対しこの浄水供給路から分岐する分岐路を
    通して大気開放の貯槽が注水可能に接続され、上記分岐
    路に介装されて上記浄水供給路と貯槽とを注水切換可能
    にしつつ負圧を破壊する負圧破壊装置において、 上記分岐路に介装される注水用の開閉切換弁と、この開
    閉切換弁の下流側位置に連通した状態で配設される負圧
    破壊弁とを備え、 上記負圧破壊弁は大気側との連通口を開閉するノーマル
    オープンタイプの電磁駆動式に構成され、かつ、非通電
    状態でも弁体を開弁位置まで復帰させるようにバネ付勢
    されていることを特徴とする負圧破壊装置。
  2. 【請求項2】 浄水が所定の給水圧を受けて供給される
    浄水供給路に対しこの浄水供給路から分岐する分岐路を
    通して大気開放の貯槽が注水可能に接続され、上記分岐
    路に介装されて上記浄水供給路と貯槽とを注水切換可能
    にしつつ負圧を破壊する負圧破壊装置において、 上記分岐路に対し上下流の各位置に介装される注水用の
    一対の開閉切換弁と、この一対の開閉切換弁の中間位置
    に連通した状態で配設される負圧破壊弁とを備え、 上記負圧破壊弁は大気側との連通口を開閉するノーマル
    オープンタイプの電磁駆動式に構成され、かつ、非通電
    状態でも弁体を開弁位置まで復帰させるようにバネ付勢
    されていることを特徴とする負圧破壊装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の負圧破壊装置であって、 上記分岐路に連通して負圧破壊弁の弁体が収容される弁
    室の内圧を開放する開閉切換駆動式の圧逃がし弁をさら
    に備えている、負圧破壊装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の負圧破壊装置であっ
    て、 バックアップ用蓄電手段を備え、このバックアップ用蓄
    電手段は停電時に圧逃がし弁に対し電源供給することに
    より弁室の内圧を開放させるための駆動を行わせるよう
    に圧逃がし弁と接続されている、負圧破壊装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の負圧破壊
    装置であって、 上記圧逃がし弁はノーマルクローズタイプに構成されて
    いる、負圧破壊装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    負圧破壊装置であって、 上記負圧破壊弁はその上下流両側位置にそれぞれ逆止弁
    を伴ったものとし、この逆止弁は浄水供給路側の給水圧
    を受けて開弁し給水圧の消滅により閉弁するように構成
    されている、負圧破壊装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    負圧破壊装置であって、 上記浄水供給路は、浄水の給水を受け加熱源により加熱
    して給湯栓側に給湯する給湯回路又は浄水の給水を受け
    て給水栓側に給水する給水回路であり、この給湯回路又
    は給水回路に対し大気開放の貯槽が分岐路を通して注湯
    又は注水可能に接続されている、負圧破壊装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018080480A (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 Toto株式会社 水栓装置
JP2018080481A (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 Toto株式会社 水周り機器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018080480A (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 Toto株式会社 水栓装置
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