JP3832374B2 - 自動倉庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタッカークレーンを備え、クレーン通路の両側にラックを設けた自動倉庫に関し、特に、スタッカークレーンの停止位置に依らず、自動倉庫内部へ進入可能とする緊急進入手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スタッカークレーンを備え、クレーン通路の両側にラックを設けた自動倉庫が知られている。スタッカークレーンの駆動により、自動的に、倉庫内のラックに物品を収納すると共に、倉庫内より物品を取り出すことが可能である。
このような自動倉庫において、次のような構成の自動倉庫が検討されている。クレーン通路の一端側には、自動倉庫の入出庫口とスタッカークレーンとの間で移載を行う、入庫用のコンベア(搬送装置)および出庫用のコンベアが配置されると共に、両コンベア間に、人手による緊急入出庫用のホストコンピュータが配置される。クレーン通路の他端側には、自動倉庫外からクレーン通路へ進入するためのドアが設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記検討されている自動倉庫においては、スタッカークレーンの停止位置よりコンベア側のクレーン通路には、スタッカークレーンが障害となって、ドアを開放しても作業者が進入できない。つまり、スタッカークレーンの停止位置よりコンベア側で、ラックへの物品の載置ミスが発生すると、作業者がメンテナンスに行くことができないという問題が発生する。
そこで本発明は、クレーン通路の一端側にしか、クレーン通路への通用ドアが設けられていない自動倉庫でも、クレーン通路の両端側から作業者が進入可能とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、 物品を収納する多数の棚が形成された一対のラックと、ラック間に配置され棚に対して物品を受け渡すスタッカークレーンとを備えた自動倉庫において、
スタッカークレーンのクレーン通路の一端側にクレーン通路への通用ドアを設け、クレーン通路の他端側のクレーン通路に沿った位置に、スタッカークレーンに対して物品を受け渡す搬送装置を設け、搬送装置は、外部よりクレーン通路への作業者の進入が可能となる開口が形成できるように移動自在とし、
搬送装置には、通用ドア側に係合部を設け、
自動倉庫本体には、開口側の端部に、係合部が回転可能に係合する軸部材を設けると共に、係合部が軸部材に係合する位置まで搬送装置を案内・支持するレールを設けた、ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例である自動倉庫1について、図1を用いて説明する。自動倉庫1の平面断面図である。
自動倉庫1には、図1に示すように、多数の棚2が備えられた一対のラックと、物品の移載手段としてのスタッカークレーン4が備えられている。自動倉庫1内には、スタッカークレーン4の走行経路として、走行レール20・20を敷設したクレーン通路が備えられている。クレーン通路は、直線状に形成される。スタッカークレーン4は、下部に台車21を設けており、走行レール20・20に沿って走行可能である。
【0008】
スタッカークレーン4には、下部の台車21上にマスト22が立設され、マスト22に沿って昇降可能な昇降台23が設けられる。昇降台23には、スカラーアーム式のロボットハンド24が設けられており、ロボットハンド24の先端には、物品5を載置する手段としてフォーク25が設けられている。ロボットハンド24は伸縮可能であり、この動作に伴って、フォーク25がマスト22側より進出または退入する。
マスト22は、台車21内に設けた図示せぬ旋回手段により、台車21に対して旋回可能であり、ロボットハンド24はクレーン通路の両側の棚2に対して対向することができる。また、昇降台23の昇降により、ロボットハンド24は上下に移動可能である。
スタッカークレーン4による物品5の移載動作は、昇降台23の昇降により、物品5を載置した棚2の下方より、フォーク25を上昇させて物品5をすくい取ったり、空の棚2の上方より、物品5を載置したフォーク25を下降させて前記棚2上に載置することで行う。
【0009】
クレーン通路の両側には、物品5を載置するための棚2・2・・・が多数設けられている。棚2は、クレーン通路に沿って設けられると共に、上下にも多数段が設けられる。棚2は、一対の棚体2a・2aにより構成される。
自動倉庫1には、床面に対して立設される多数の支柱11と、支柱11・11間を橋架するつなぎ材12が設けられており、支柱11およびつなぎ材12により自動倉庫1の躯体が構成される。前記棚2の棚体2aは、支柱11に支持される。また、自動倉庫1の躯体には、図示せぬ側壁が取り付けられて、自動倉庫1のケーシングが形成される。
【0010】
クレーン通路の一端側には、該クレーン通路への通用ドア13が設けられる。通用ドア13は、支柱11およびつなぎ材12からなる自動倉庫1の躯体か、自動倉庫1のケーシングに対して、回動自在に設けられる。
作業者は、通用ドア13を開放することで、自動倉庫1外より、クレーン通路へ進入可能である。
【0011】
クレーン通路の他端側(前記一端側の反対側)のクレーン通路に沿った両側には、搬送装置6・6が設けられている。搬送装置6は、スタッカークレーン4に対して物品5を受け渡す装置である。搬送装置6には物品5の搬送手段が設けられており、搬送装置6の延出方向に沿って物品5を搬送可能である。
また、搬送装置6・6は、自動倉庫1のケーシングに設けた開口部に設けられており、自動倉庫1における物品5の入庫口および出庫口として機能する。搬送装置6は、自動倉庫1外より搬送装置6上に載置された物品5を、自動倉庫1内へ向けて搬送して、スタッカークレーン4で移載可能な位置まで搬送する。移載可能な位置とは、具体的には、スタッカークレーン4において、ロボットハンド24の伸長可能な範囲内、つまり前記フォーク25の届き得る位置のことである。
図1に示すように、搬送装置6の自動倉庫1内部側の端部とクレーン通路との離間距離は、棚2とクレーン通路との離間距離と同じである。したがって、スタッカークレーン4は、棚2との間で行う移載動作と同じ移載動作により、搬送装置6の端部との間で、物品5の移載を行うことが可能である。
【0012】
これより、搬送装置6の自動倉庫本体3への取付け構成について、図2から図8を用いて説明する。
図2は搬送装置6・6を取り付けた自動倉庫1の一端部を示す斜視図であり、図3は搬送装置6を移動させた状態を示す自動倉庫1の一端部の斜視図であり、図4は搬送装置6を回動させた状態を示す自動倉庫1の一端部の斜視図であり、図5はレール8と、レール8に案内・支持される係合部7とを示す斜視図であり、図6はレール8と、レール8の端部に位置する係合部7とを示す斜視図であり、図7はレール8と、レール8の端部で回動する係合部7を示す斜視図であり、図8は支持部材7の下面を示す斜視図である。
【0013】
図2に示すように、自動倉庫1の一端部(通用ドア13の反対側端部)には、前述したように、搬送装置6・6が設けられている。搬送装置6は、自動倉庫本体3に対して移動自在に取り付けられている。
搬送装置6は、移動自在とされる構成により、クレーン通路へ作業者が進入するための手段の一つに構成されている。前記通用ドア13が、クレーン通路へ作業者が進入するための手段であるが、移動自在の搬送装置6と合わせて、クレーン通路の両端側より作業者が進入可能とする。
なお、自動倉庫本体3とは、自動倉庫1より搬送装置6・6を除いた部分を指すものとする。
【0014】
搬送装置6・6間には、図2に示すように、パソコンラック14が配置されている。パソコンラック14には、自動倉庫1の操作手段としてのパソコン(不図示)や、操作手段の表示装置としてのディスプレイ15が備えられている。
パソコンラック14には、下端にキャスター14aが四隅にそれぞれ設けられており、パソコンラック14は移動自在である。そして図3に示すように、搬送装置6を移動させる際には、搬送装置6の移動に先立って、パソコンラック14を、搬送装置6・6間より移動させる。
【0015】
搬送装置6は、搬送手段としての箱体16と、箱体16より下方に延出する支持脚17・17とを備え、支持脚17の下端にはキャスター17aがそれぞれ設けられている。
支持脚17・17は、箱体16の延出方向一端部に設けられており、他端部には、後述する支持部材7が箱体16の下面に設けられている。そして、搬送装置6の箱体16は、自動倉庫本体3に設ける支持部材8(後述)により支持部材7が支持されると共に、キャスター17a・17aを設けた支持脚17・17により、延出方向の前後が支持されるようにしている。
【0016】
また、支持脚17・17間には橋架材26が橋架されており、橋架材26には、下方に延出する支持板30が固設されている。支持板30は、移動自在である搬送装置6の固定手段である。
支持板30は断面形状がL字状であり、互いに垂直となる垂直面部30aと水平面部30bとからなる。垂直面部30aで橋架材26に固設され、水平面部30bは垂直面部30aの下端に位置する。
一方、床面上には、固定板31が固設されている。床面は、本実施例では、グレーチング等の多数の孔を形成した板材を敷き詰めて構成されるものであり、固定板31は床面の孔との間でボルト締結により固定される。固定板31は、ボルト締結用のナットプレートで構成されている。
また、固定板31上には、作業者が手動で回すことのできるつまみが設けられたボルト31aが立設されており、前記水平面部30bには、前記ボルト31aを挿通可能とする孔が形成されている。そして、ボルト締結により、固定板31に支持板30の水平面部30bを固定可能である。
つまり、床面に対して、搬送装置6が固定可能である。以下、固定板31と支持板30とをボルト締結固定した状態を、搬送装置6の固定状態とする。
【0017】
箱体16の上面には、自らの延出方向の両端部に、物品5を載置するための載置台16a・16bが形成されている。載置台16a・16aは、前記棚2に相当する物品5の載置手段である。
また、箱体16の内部には、物品5をすくい上げるためのフォーク18(図1に図示)が、箱体16の延出方向に沿って移動可能かつ、上下に昇降可能に設けられている。フォーク18は、スタッカークレーン4に設けた前記フォーク25に相当する物品5の載置手段である。
そして、フォーク18の箱体16の延出方向への移動および上下方向への昇降により、載置台16a上から載置台16b上まで、物品5を搬送可能である。載置台16bは、自動倉庫1内で、ロボットハンド24の伸長可能な範囲内に位置しており、スタッカークレーン4は載置台16bとの間で、物品5の移載が可能である。
【0018】
搬送装置6は、自動倉庫本体3の固定状態(固定板31に支持板30を固定した状態)では、前述したように、自動倉庫1のケーシングに設けた開口部に配置されており、自動倉庫本体3の内部に位置する部分と、外部に位置する部分とに分かれる。載置台16aは自動倉庫本体3の外部側に位置し、載置台16bは内部側に位置する。
搬送装置6の自動倉庫本体3内部に位置する部分は、例えば、左右一対のラック内の棚2が配置される位置と同一の場所に位置する。このため、スタッカークレーン4で棚2に物品5を移載するのと同様にして、載置台16bに物品5を移載することができる。
なお、搬送装置6の自動倉庫本体3内部に位置する部分の配置される場所は、ラック内に限るものではなく、ラックの側方に隣接するようにしても良い。
【0019】
搬送装置6には、図2、図3に示すように、前記外部側で、物品5の搬送経路を覆う側板19a・19aおよび上板・19bが設けられている。物品5の搬送経路は、前述したように、箱体16上で該箱体16の延出方向である。該搬送経路の側方は一対の側板19a・19aにより覆われ、上方は上板19bにより覆われる。
また、搬送装置6には、前記外部と内部とが境界部分に、箱体16より下方に延出する下板19cが設けられている。搬送装置6を自動倉庫本体3に取り付けた状態(前記固定状態)では、下板19cにより箱体16の下方で、自動倉庫本体3の内部が被覆される。
【0020】
後述する移動自在の構成により、搬送装置6の固定状態を解除して、搬送装置6を自動倉庫本体3に対して移動させると、図3、図4に示すように、自動倉庫本体3に開口が形成され、クレーン通路が開放される。
前記開口は、搬送装置6が前記取付け状態より移動すると、側板19a・19aおよび上板19bにより囲まれる部分と、下板19cの面部に相当する部分とからなる。
【0021】
以上で説明した自動倉庫本体3の開口は、作業者が自動倉庫本体3の外部より、クレーン通路へ出入り可能な大きさとなっている。
本実施例では、自動倉庫本体3に形成される開口は、側板19a・19aおよび上板19bにより囲まれる部分と、下板19cの面部に相当する部分と、にしているが、この構成に限定されるものではない。
より大きな開口が必要な場合には、例えば、自動倉庫本体に対して移動自在とする搬送装置に、前記下板19cのように、面部が前記開口に対して平行となる板材を上下左右に設ける。そして、搬送装置の移動により、前記板材も同時に自動倉庫本体より離間して、より大きな開口を形成する。また、自動倉庫1の躯体を構成する支柱やつなぎ材の間隔も調節して、開口内に、作業者の進入の障害と成る部材が位置しないようにする。
【0022】
このため、搬送装置6を移動させることで、前記通用ドア13が設けられていないクレーン通路の端部側からも、作業者が自動倉庫内に進入することができる。
スタッカークレーン4の停止位置より搬送装置6・6側のクレーン通路には、スタッカークレーン4が障害となって、通用ドア13を開放しても作業者が進入できないが、搬送装置6を自動倉庫本体3に対して移動させることで、通用ドア13からは進入不能な領域へも作業者が進入可能となる。
【0023】
搬送装置6を自動倉庫本体3に対して移動自在とする構成について、具体的に説明する。
前記開口の外周は、自動倉庫1の躯体を構成する支柱11とつなぎ材12とから形成される。該外周を形成する支柱11には、図3、図4に示すように、クレーン通路より開口側へ延出する支持部材8が固設されている。
支持部材8には、図5、図6、図7に示すように、支持部材8の延出方向に沿って、上方に延出するレール8aが形成されている。レール8aは支持部材8の形成方向における断面視で、直線状に形成される。また、搬送装置6の下面には、レール8aと係合して、レール8aに沿って支持・案内される支持部材7が固設されている。図8に示すように、支持部材7には、搬送装置6の箱体16の下面との間で、ボルト締結するための挿通孔7d・7dが形成されている。
【0024】
支持部材7の下部には、レール8aに沿って支持部材7を摺動自在とする第一係合部7aと、第一係合部7aより幅広の第二係合部7bとが設けられている。第一係合部7aおよび第二係合部7bは、支持部材7に形成された溝であり、下方に開口している。また、両係合部7a・7bの延出方向は同一であり、両係合部7a・7bは連結されている。つまり、支持部材7の下部の一端側には第一係合部7aが開口し、他端側には第二係合部7bが開口する構成である。
第一係合部7aの形成方向に対する左右幅は、レール8aの(自らの形成方向に対する)左右幅と同じかやや大きめである。この構成により、支持部材7の第一係合部7aと支持部材8のレール8aとが係合し、支持部材7がレール8aに沿って案内かつ支持される。
また、詳しくは後述する第二係合部7bは、第一係合部7aよりも幅広であるので、レール8aに支持部材7の第一係合部7aが係合する障害とはならない。
【0025】
このため、自動倉庫本体3に設けた支持部材8に沿って搬送装置6が摺動可能であり、簡単な構成により、自動倉庫本体3に対して搬送装置6が移動自在となる。
【0026】
搬送装置6を自動倉庫本体3に対して回動可能とする構成について説明する。
支持部材8の(自動倉庫本体3の)開口側端部には、図5に示すように、軸部材であるピン9が立設されている。支持部材8において、ピン9は、前記レール8aから離間した位置に設けられている。また、本実施例では、ピン9は、レール8aの延出方向上に位置している。
支持部材7に設けられる第二係合部7bは、自らの延出方向の左右幅が、ピン9の外径と同じかやや大きめに形成される。したがって、支持部材7は、第二係合部7bを介してピン9に対して摺動自在である。
また、前記連結される第一係合部7aと第二係合部7bとの連結部7cでは、第二係合部7bの端部形状が平面視半円状となっており、連結部7cの曲面にピン9が全面的に当接可能である。
【0027】
以上において、搬送装置6を、自動倉庫本体3の開口が露出するように引き出す(移動させる)と、支持部材7はレール8aに沿って、ピン9が連結部7cに当接するまで移動可能である。なお、支持部材7は、第一係合部7aがクレーン通路側(自動倉庫1の内側)で、第二係合部7bが反クレーン通路側(自動倉庫1の外側)となるように、搬送装置6に固設されている。
【0028】
ここで、レール8aとピン9との離間距離L1(図5に図示)は、ピン9に連結部7cを当接させた状態で、ピン9回りに支持部材7を回動させても、支持部材7とレール8aとが接触しない長さに形成されている。
本実施例を詳細に説明すると、図8に示すように、前記連結部7cの中心から、平面視矩形状である支持部材7の第一係合部7aの開口側の一頂点P1までの距離L2は、レール8aとピン9との離間距離L1よりも短い。なお、連結部7cの中心とは、ピン9が連結部7cに当接した状態におけるピン9の軸中心位置のことである。
したがって、連結部7cにピン9が当接した状態(図6に図示)で、図7に示すように、支持部材7をピン9回りに回動可能である。
【0029】
また、第二係合部7bとなる溝の深さは、第一係合部7aとなる溝の深さよりも深く形成されている。
そして、作業者が搬送装置6を引き出して、第一係合部7aとレール8aとの係合が外れて、ピン9と第二係合部7bとが係合した際には、搬送装置6がピン9側に落ち込む。このとき搬送装置6を引き出している作業者は、搬送装置6が下方に落ち込む感覚より、搬送装置6が最大限引き出された(ピン9に連結部7cが当接した)ことを実感できる。
【0030】
以上構成により、搬送装置6を自動倉庫本体3に固設したピン9回りに回動可能である。したがって、図4に示すように、搬送装置6を自動倉庫本体3より引き出して(移動させて)、ピン9回りに回動させることで、自動倉庫本体3の開口の前側(反クレーン通路側)から、作業者がクレーン通路へ進入する際に障害となる部材が除かれ、作業者が開口へ進入するためのスペース(進入通路)をより広く確保することができる。その際に、搬送装置6は、前側に設けられている支持脚17に加えてレール8aに支持され、水平状態を保っている。作業が済んだ後、作業者は、搬送装置6に特別な調整を施すことなく、搬送装置6を自動倉庫本体3の元の位置に容易に戻すことができる。
【0031】
また、搬送装置6をピン9回りに回動させると、第一係合部7aの形成方向と、レール8aの延出方向とがずれる。このため、この状態で、搬送装置6をピン9側へ押し込む(移動させる)と、支持部材7は、第二係合部7bの形成長さだけピン9に沿って摺動した後、第二係合部7bとピン9との係合が外れる。つまり、搬送装置6が自動倉庫本体3より、取り外すことが可能である。
【0032】
本実施例では、支持部材8側(自動倉庫本体3側)では、レール8aの延出方向上にピン9を設け、支持部材7側(搬送装置6側)では、溝である第一係合部7aと第二係合部7bとを、連結させる構成としているが、この構成に限定されるものではない。
以下で、別実施例における支持部材7・8を説明するが、支持部材7・8に代えて支持部材27・28とし、レール8aに代えてレール28a、第一係合部7a・7bに代えて第一係合部27a・27bとする。また、ピン9はピン29である。
【0033】
別実施例の支持部材27・28について、図9を用いて説明する。図9は別実施例の支持部材27の下面を示す平面図である。
レール28aとピン29とは離間していれば良く、必ずしもレール28aの延出方向上にピン29を設ける必要はない。
この場合(ピン29がレール28aの延出方向上にない場合)、支持部材27には、図9に示すように、レール8aと係合する溝(第一係合部27a)と、ピン9と係合する溝(第二係合部27b)とが平行に設けられる。
この別実施例の構成において、第一には、レール28aの端部に支持部材27が到達すると、ピン29と第二係合部27bとが係合し、その後第一係合部27aとレール28aとの係合が外れる。
第二には、第二係合部27aの端部の中心から、平面視矩形状である支持部材27の第二係合部27bの反開口側の一頂点P2までの距離L4が、レール28aとピン29との離間距離L3よりも短い。
【0034】
以上構成の場合においても、ピン29回りに支持部材27の回動が可能である。
【0035】
なお、第二係合部27bは、支持部材7において、反クレーン通路側で開放されると共に、クレーン通路側で閉止されており、その端部27cはピン29の外周と全面的に接触できるように平面視半円状に形成されている。端部27cにピン29が当接すると、搬送装置6の反クレーン通路側への引き出しが規制される。搬送装置6を自動倉庫本体3より引き抜く際は、ピン29回りに搬送装置6を回動させて、ピン29側へ搬送装置6を押し出して引き抜く。前述したように、第二係合部27bは、反クレーン通路側で開放されている。
また、支持部材27にも、搬送装置6の箱体16との間で、ボルト締結するための挿通孔27d・27dが形成されている。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の如く構成するので、搬送装置を移動させることによって開口を形成することができ、作業者が容易にクレーン通路へ進入することができる。このため、通用ドアがクレーン通路の一端側にしか設けられていない自動倉庫であっても、作業者がクレーン通路の両端側から内部へ進入することができる。また、自動倉庫本体に設けた軸部材に、搬送装置の係合部を係合させることで、搬送装置を自動倉庫本体に一部支持させた状態で、搬送装置を旋回させることができる。このため、搬送装置を自動倉庫本体から完全に取り外すことなく、作業者が開口へ進入するための大きなスペースを容易に形成することができる。また、搬送装置を自動倉庫本体に容易に配置し直すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動倉庫1の平面断面図である。
【図2】搬送装置6・6を取り付けた自動倉庫1の一端部を示す斜視図である。
【図3】搬送装置6を移動させた状態を示す自動倉庫1の一端部の斜視図である。
【図4】搬送装置6を回動させた状態を示す自動倉庫1の一端部の斜視図である。
【図5】レール8と、レール8に案内・支持される係合部7とを示す斜視図である。
【図6】レール8と、レール8の端部に位置する係合部7とを示す斜視図である。
【図7】レール8と、レール8の端部で回動する係合部7を示す斜視図である。
【図8】支持部材7の下面を示す斜視図である。
【図9】別実施例の支持部材27の下面を示す平面図である。
【符号の説明】
1 自動倉庫
2 棚
3 自動倉庫本体
4 スタッカークレーン
5 物品
6 搬送装置
7 支持部材
7a 第一係合部
7b 第二係合部
8 支持部材
8a レール
9 ピン(軸部材)

Claims (1)

  1. 物品を収納する多数の棚が形成された一対のラックと、ラック間に配置され棚に対して物品を受け渡すスタッカークレーンとを備えた自動倉庫において、
    スタッカークレーンのクレーン通路の一端側にクレーン通路への通用ドアを設け、クレーン通路の他端側のクレーン通路に沿った位置に、スタッカークレーンに対して物品を受け渡す搬送装置を設け、搬送装置は、外部よりクレーン通路への作業者の進入が可能となる開口が形成できるように移動自在とし、
    搬送装置には、通用ドア側に係合部を設け、
    自動倉庫本体には、開口側の端部に、係合部が回転可能に係合する軸部材を設けると共に、係合部が軸部材に係合する位置まで搬送装置を案内・支持するレールを設けた、
    ことを特徴とする自動倉庫。
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