JP3832146B2 - スタンプ - Google Patents

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JP3832146B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスタンプに関し、特にインクを透過可能な多孔質体からなる印材の表面を選択的に加熱して、インクが透過可能である印面部と、この印面部よりも高さが低く形成されかつ加熱によりシールされた非印面部とを形成したスタンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来知られているスタンプとしては、特開平4−363285号(許第2853754号)公報に記載されているような、インク透過可能な多孔質体からなる印面体と、この印面体を保持するホルダー部とを備えたものが知られている。この印面体は、文字、記号、図形等が凸状に形成されかつインクの透過が可能である捺印部と、この捺印部よりも高さが低く形成されかつ加熱によりシールされてインクの透過が不可能である非捺印部とからなっている。ホルダー部は、インクを収納するとともにインク流出用の開口部を有し、このインク流出用の開口部と印面体の裏面(印字面でない側)とが接合されている。印面体及びホルダー部はどちらもポリプロピレン樹脂等の同素材で形成されており、両者の接合周辺部を熱溶着処理してインクの漏出を防止している。
【0003】
図24は、従来のスタンプの印面体及びホルダー部の断面図である。印面体81の非捺印部82と、ホルダー部83の下端(図中上側)である周縁84とは、120度〜180度の温度に加熱させた熱板により溶融させた後固化させて融着している。熱溶着により、印面体81とホルダー部83は密閉される形となり、インクの染み出しを防いでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来のスタンプでは、印面体とホルダー部との接合の際位置決めが難しく、図25のように何らの位置決め手段をとることなく印面体81をホルダー部83に重ね合わせるとずれてしまうので、図26のようにホルダー部83で印面体81を包み込むようにする等の方法も考えられるが、この場合非捺印部の周囲をホルダー部が囲む格好となって印面余白が大きくなってしまうという不都合があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、印面体とホルダー部との接合の際位置決めを容易にし、印面体とホルダー部との接合に関連して生ずる印面余白を小さく抑えることにより捺印時の位置合わせが容易なスタンプを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスタンプでは、インクを透過可能な多孔質体からなる印材の表面を選択的に加熱して、インクが透過可能である印面部と、この印面部よりも高さが低く形成されかつ加熱によりシールされた非印面部とを形成したスタンプにおいて、前記印材の裏面には、上面がインクを吸蔵したインク吸蔵体が設けられ、当該インク吸蔵体の上面と前記印材の裏面とは、外円周部分で接着され、当該円周部分には外周内側の非接着部分の空気を抜くための非接着部分が形成されている。
【0007】
上記の構成のスタンプでは、非接着部分を通って空気が外に抜けるため、インク吸蔵体と印材との接合面の中心部には空気が残らず、インク吸蔵体から印材の印面部にインクが速やかに浸透する。
【0008】
また、請求項2に係る発明のスタンプでは、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記印材の裏面と前記インク吸蔵体の上面とは、中心部近傍で複数箇所点状に接着されていることを特徴とする構成となっている。
【0009】
上記の構成のスタンプでは、請求項1に記載の発明の作用に加えて、印材と前インク吸蔵体との接着を確実にし、かつ、印面に接着の形状が現れることを防止し、インク吸蔵体から印材へのインクの滲出を妨げることなくインク吸蔵体と印材の接着が有効になされる。
【0010】
さらに、請求項3に係る発明のスタンプでは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記インク吸蔵体の下面には、前記インク吸蔵体を保持する保持手段が設けられ、当該保持手段には、凸部が形成され、前記インク吸蔵体の下面には、当該凸部と嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする構成となっている。
【0011】
上記の構成のスタンプでは、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、保持手段の凸部とインク吸蔵体の凸部とが嵌合することにより保持手段とインク吸蔵体の接合際の位置決めが容易になされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態のスタンプは、印鑑用の丸印である。本実施の形態に係るスタンプの概略構成について図1及び図2に基づき説明する。図1はスタンプ1の正面図、図2はスタンプ1の断面図である。
【0013】
円筒形のスタンプ1は、印刷時にスタンプ1全体を支持するとともに把持部となるサブホルダ2と、下端部に印材11及びインク吸蔵体12を保持するメインホルダ3と、サブホルダ2内に配置されメインホルダ3に対して上下方向に摺動可能なステンレス製のスカート4と、メインホルダ3に嵌合連結され、印刷時にメインホルダ3を下方に移動させて印材11を印刷用紙(図示せず)に押し付けるためのポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」という。)樹脂製の上端部が閉じた円筒状のグリップ5と、印材11を覆い保護するためのPBT樹脂製の蓋6と、サブホルダ2とグリップ5との間に設けられている装飾用のアルミ材からなるリング7とを備えている。
【0014】
次に、サブホルダ2について図3及び図4を参照してさらに説明する。図3はサブホルダ2の正面図、図4はサブホルダ2の断面図である。サブホルダ2は、PBT樹脂により段差を有する円筒状に形成され、グリップ5内にメインホルダ3を保持して嵌合する上部サブホルダ2aと、使用者がスタンプ1を把持した際に滑りを防止するための凹凸を有する中部サブホルダ2bと、スカート4の上下動を案内する下部サブホルダ2cとからなっている。サブホルダ2は、メインホルダ3を挿通して保持するために、内部は略円筒状の空洞となっており、上部サブホルダ2aには、メインホルダ3を挟持する前後一対の保持壁22と、左右一対の保持壁23,23とが設けられている。ここで、図3及び図4では、前後一対の保持壁22の後壁のみ図示しており、保持壁22には、凸部22aが円筒の内向きに形成されている。
【0015】
尚、図2に示すように、中部サブホルダ2b内にはスプリング8が設けられており、スカート4を常に下方に付勢している。下部サブホルダ2cは、スカート4の上下動を案内する役割を果たすものであり、スカート4は、印刷時(押印時)に印刷用紙上に載置されてスタンプ1全体を印刷用紙上で支持するものである。尚、グリップ5が印刷用紙方向に押圧されることにより、スプリング8が圧縮されてスカート4が下部サブホルダ2c内に収納され、印材11の印字面が印刷用紙に当接して、印刷(押印)がなされるようになっている。
【0016】
次に、メインホルダ3について図5乃至図7を参照して更に説明する。図5はメインホルダ3の正面図、図6はメインホルダ3の断面図、図7はメインホルダ3の底面図である。メインホルダ3は、上端部にインクキャップ9を結合する円筒形の上部メインホルダ3aと、上部メインホルダ3aよりも一回り太い円筒形の下部メインホルダ3bとから構成される。上部メインホルダ3aは、内部の円筒部にインクを保持することができる。
【0017】
下部メインホルダ3bは、図7に示すように、周壁30の内部に中空の円筒形の円筒壁31及び十字形に配置された板状の支持柱32を有し、円筒壁31と支持柱32の間は空洞となっている。また、下部メインホルダ3bの底部中央には突起33が設けられ、後述のインク吸蔵体12の凹部34と係合する。下部メインホルダ3bとインク吸蔵体12とは、突起33と凹部34の嵌合により位置決めされ、周壁30の外周側から円筒壁31の内周側に至る幅と同じ幅に取り付けられた後述する両面テープ50により接着される(図16及び図18参照)。さらに、下部メインホルダ3bの周壁30には、後述する圧入キャップ41の凸部45と係合するパッキン部35が凸状に2個所、円周方向に形成されている。このパッキン部35は、下部メインホルダ3bに一体形成としてもよく、またシリコンゴム製のOリングや可塑性を有する樹脂製のOリングをつけて形成してもよい。図23に示すようにパッキン部35が凸部45と係合することにより、圧入キャップ41による圧入が確実に行われる。
【0018】
なお、本実施の形態においてメインホルダ3は、ポリプロピレンにより形成しているが、ABS樹脂、ポリアセタールコポリマー、ポリエチレン、ナイロン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネイト等のいずれかにより形成してもよい。
【0019】
次に、インクキャップ9について、図8及び図9を参照して説明する。図8はインクキャップ9の正面図、図9はインクキャップ9の断面図である。インクキャップ9は、ポリプロピレン製の樹脂で形成されており、上部メインホルダ3aに注入したインクの乾燥と漏れを防止するために、上部メインホルダ3aに着脱可能に嵌合される。インクキャップ9は、内部中空の円筒形のキャップであり、インクキャップ9の中央には、鍔部9aが、円周方向に形成されており、この鍔部9aが、図2に示すように、メインホルダ3の上端部に当接する。インクの詰め換えが必要になった時は、図2に示すグリップ5とサブホルダ2を分離して、インクキャップ9をはずしてインクを注入することができる。
【0020】
次に、圧入キャップ41について、図10乃至図13を参照して説明する。図10は圧入キャップ41の正面図、図11は圧入キャップ41の断面図、図12は圧入キャップ41の底面図、図13はスカート4、スプリング8及び圧入キャップ41の配置を示す概略断面図である。圧入キャップ41は、厚さ0.2mmのステンレス板41aから形成された円筒であり、圧入時に先行しメインホルダ3が嵌合する第2開口部42と、圧入後、図23に示すように印材11の印面71が突出する第1開口部43と、印材11のシール部を押圧する押圧部44とから構成されている。押圧部44は0.5mm乃至1.0mm程度の幅だけ、内側に折り曲げて形成されている。
【0021】
また、圧入キャップ41の周壁内側には、下部メインホルダ3bのパッキン部35に係合させるための凸部45が2個所設けられている。この凸部45は、圧入キャップ41のプレス加工時に、同時に内側に突起として形成される。この凸部45とパッキン部35とが係合することにより、圧入キャップ41による圧入がより確実に行われ(図23参照)、メインホルダ3に印材11及びインク吸蔵体12がしっかりと固定される。図13に示すように、後述の方法で圧入される圧入キャップ41は、圧入後スカート4のすぐ内側に配置される。
【0022】
次に、印材11及びインク吸蔵体12について、図14及び図15を参照して詳細に説明する。図14は印材11の平面図、図15は印材11及びインク吸蔵体12の断面図(図15中、上が印字面)である。印材11及びインク吸蔵体12は、図14及び図15に示すように、底面が同周円の短筒形に形成されている。インク吸蔵体12は、例えば気孔率90%程度のポリビニールホルマールからなる厚さ3mmの硬質多孔性樹脂からなり、その上部(図15中)に位置する印材11は、例えばカーボンブラック等の光エネルギー吸収性物質を分散させて含有させた気孔率65%程度のポリウレタン等のウレタン系樹脂である軟質多孔性樹脂からなり、厚さ1.2mmである。
【0023】
印材11に含有されるカーボンブラックの重量比率は、例えば、ポリウレタン系発泡樹脂の場合、その樹脂に対し、通常0.1重量%〜15重量%、好ましくは、1.0重量%〜15重量%である。なお、印材11において、カーボンブラックの代りに使用される光エネルギー吸収性物質としては、塩化銅、臭化銀等が挙げられる。また、印材11は、ウレタン系樹脂以外に、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、または、ゴム系樹脂を主原料とするものであってもよい。
【0024】
次に、印材11とインク吸蔵体12、さらにメインホルダ3との接着について図16乃至図19を参照して説明する。図16はインク吸蔵体12の下面(図15における)すなわちメインホルダ3との接着面の平面図、図17はインク吸蔵体12の印材11との接着部位を示す平面図、図18は、印材11、インク吸蔵体12及びメインホルダ3の接着状態の概略を示す分解斜視図であり、図19はこれらの接着した状態の断面図である。
【0025】
図16に示すように、インク吸蔵体12の下面(印材11と接する面の反対側)の中央には、下部メインホルダ3bの突起33と係合する凹部34が設けられている。図16に示すように、インク吸蔵体12は、円周状につけられた両面テープ50により、メインホルダ3の周壁30と円筒壁31と支持柱32の各々の端面で形成される接着部54と接着される。この際、図19に示すように、位置決め手段としてインク吸蔵体12の凹部34に下部メインホルダ3bの突起33を挿入して嵌合させるので、インク吸蔵体12と下部メインホルダ3bとが位置ずれを起こすことを防止できる。従って、インク吸蔵体12と下部メインホルダ3bとが位置ずれを起こして接着されることがない。よって、位置決めのためにメインホルダ3により印材11やインク吸蔵体12の周囲を壁等のガイド部材で囲む必要がないので、余分な印面余白の発生を防止できる。
【0026】
印材11とインク吸蔵体12は、図17及び図18に示すように、接着剤51を中央付近に4個所点状に塗付し、さらに円周部分に4分割して塗布して(図17中の斜線部分)接着されている。印面となる印材11の中央付近には極力接着剤の量や接着剤の塗付領域を減らしているため、接着剤51の塗付形状が製版後に印材11の印面に現れることがなく、また、塗付部分が点状であるため、インク吸蔵体12から印材11へのインクの移動が悪くなって、塗付部分に対応した部分の印面からインクが滲出しづらくなってスタンプ印刷の画質が劣化することもない。また、円周部分には、空気抜けのための非接着部分52を図中上下左右に4個所設けている。このため、押印のために印材11が圧縮された場合には、非接着部分52から空気が排出されるので、インク吸蔵体12と印材11接着面の中心に空気が残らず、印材11のインクの有効印面部分にインク吸蔵体12からより早くインクの浸透を図ることができる。
【0027】
尚、接着剤51の材質としては、公知の接着剤を全て用いることができるが、特にエポキシ樹脂接着剤を用いることが好ましい。この接着剤は粘度80000cps程度であり、中央に点状に塗付した接着剤が印材11に染み込むことがないからである。
【0028】
次に、以上のような形状を有する本実施形態のスタンプ1の製造方法について図20乃至図22を参照して説明する。図20は、印材11とインク吸蔵体12を接着したメインホルダ3の斜視図であり、図21は、製版の様子を示す概念図であり、図22は、圧入キャップ41の圧入の様子を示す斜視図である。スタンプ製造装置およびこれを使用したスタンプの製造方法は、本出願人により特開平11−78912号公報に開示されたものと概略同様である。
【0029】
まず、スタンプ1を製造するには、まず、図20に示すように、印材11とインク吸蔵体12を接着したメインホルダ3をスタンプ製造装置(図示せず)の所定製版位置にセットする。そして、スタンプ製造装置内でロール状の原稿印刷用透明フィルム(図示せず)を搬送しつつサーマルヘッド及び転写リボンを介して文字や画像を前記透明フィルムに印刷して、図21に示すポジ原稿62を作成する。さらに、図21に示すように、このポジ原稿62と印材11とが保護フィルム63を介して対向するように、メインホルダ3をセットする。尚、製版時には、ポジ原稿62をその印刷面側が保護フィルム63と対向するように保護フィルム63上に載置し、その保護フィルム63のポジ原稿62と反対側に印材11を接触させる。従って、ポジ原稿62と印材11とは、保護フィルム63を介して対向することになる。
【0030】
そして、この状態で発光体であるキセノン管61を発光させると、ポジ原稿62を通して光が印材11に照射される。これにより、原稿の透明部分を通過して光が照射された印材11の部分だけが、光吸収剤の発熱作用によって溶融され、キセノン管61の発光を停止するとこの溶融部分は固化されてシール化される。一方、原稿の文字等の陰になった印材1の表面部分は、溶融固化されずに、原稿の文字等に対応してそのまま残存することとなる。これにより、印材11の表面にインクのしみ出ないシール部とインクのしみ出る非シール部とが混在した印鑑(丸形スタンプ)が形成される。
【0031】
印材11の製版終了後、保護フィルム63を印材11の表面から剥離する。そして、図22に示すように、圧入キャップ41を印材11からインク吸蔵体12に被さるように、矢印A方向に圧入する。圧入後の断面図を図23に示す。既に説明したように、圧入キャップ41は、厚さ0.2mmのステンレス製の円筒であり、押圧部44が0.5〜1.0mmの幅で形成されている。これを第2開口部42側から7kg重乃至8kg重の力で印材11からインク吸蔵体12に被せるように圧入する。圧入が進行すると、図23に示すように圧入キャップ41の凸部45とメインホルダ3のパッキン部35とが係合し、圧入に逆らおうとする力を阻止して第2開口部42を下部メインホルダ3bの上端まで導き圧入キャップ41とメインホルダ3の嵌合が完了する。このようにして凸部45とパッキン部35との係合が圧入キャップ41の固定をより確実にする働きをする。
【0032】
この結果、印材11の周縁に位置したシール部は、0.5〜1.0mmの幅で押圧部44により固定される。ここで、押圧部44の幅は0.5mm以上であれば有効に固定される。ただし、1.0mmを超えると印面余白が大きくなり、捺印時の位置合わせがやりにくくなるのであまり好ましくない。また、印材11の印面71は第1開口部43から外部へ0.05mm乃至1.0mm程度突出している。印面71の第1開口部43からの突出量が0.05mm以下であると捺印時に掠れることがあり、1.0mmを超えると印材11のシール部が屈曲によりシールが破れてインクがもれることがあって好ましくない。さらに、印材11の外縁部は圧入キャップ41により圧縮されるので、気孔が閉塞され、毛細管現象によるインクの漏れが防がれる。ここで有効にインクの漏れを防ぐためには、0.25mm以上圧縮するのが好ましい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のスタンプでは、熱溶着に替えて、押圧部43を有する圧入キャップ41を第2開口部42から印材11及びインク吸蔵体12に被せるように圧入してメインホルダ3に押圧固定する。押圧部44による押圧のために生ずる印面余白は0.5mm乃至1.0mm程度に抑えられ、捺印の際の位置あわせが容易になされる。印材11の印面71は第1開口部43から外部へ0.05mm乃至1.0mm程度突出し、捺印時の掠れや、屈曲によるシールの破れもない。
【0034】
また、インク吸蔵体12とメインホルダ3の接合のための位置決めは、メインホルダ3により印材11やインク吸蔵体12の周囲を囲むことなく、インク吸蔵体12の凹部34とメインホルダ3の突起33の係合によるので、余分な印面余白の発生もない。さらに、印材11とインク吸蔵体12間の接着は、印面となる印材11の中央付近に極力接着剤の量や接着剤の塗付領域を減らしており、接着剤51の塗付形状が製版後に印材11の印面に現れたり、塗付部分に対応した部分の印面からインクが滲出しづらくなってスタンプ印刷の画質が劣化することがなく、円周部分には、空気抜けのための非接着部分52を設けており、印面の裏側中心部に空気が残らず、印材11のインクの有効印面部分にインク吸蔵体12からより早くインクの浸透を図られる。
【0035】
尚、前記各実施の形態は本発明を何ら限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形・改良が可能であることは勿論である。例えば、上記の実施例では、空気抜けのための非接着部分52を4箇所設けているが、1箇所、2箇所、3箇所、6箇所等の任意の数だけ設けてもよい。また、凸部45は、2箇所設けているが、これも3箇所、4箇所等任意の複数だけ設けてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明のスタンプでは、インク吸蔵体と印材との非接着部分を通って空気が外に抜けるので、インク吸蔵体と印材の接合面の中心部には空気が残らず、インク吸蔵体から印材の印面部にインクを速やかに浸透させることができる。
【0037】
さらに、請求項2に係る発明のスタンプでは、請求項1に記載の発明の効果に加えて、印材と前インク吸蔵体との接着を確実にし、かつ、印面に接着の形状が現れることを防止し、さらに、インクの滲出を妨げることなくインク吸蔵体と印材の接着をすることができる。
【0038】
また、請求項3に係る発明のスタンプでは、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、保持手段の凸部とインク吸蔵体の凸部とが嵌合することにより保持手段とインク吸蔵体の接合の位置決めがなされるので、保持手段とインク吸蔵体の接合時にインク吸蔵体の位置ずれを防止でき、また、インク吸蔵体の位置決めのためのガイド部材をインク吸蔵体の外周部に設けないので、当該ガイド部材による余分な印面余白の発生が防止され、捺印時の位置合わせを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るスタンプの正面図である。
【図2】 本実施の形態に係るスタンプの断面図である。
【図3】 本実施の形態に係るスタンプのサブホルダの正面図である。
【図4】 本実施の形態に係るスタンプのサブホルダの断面図である。
【図5】 本実施の形態に係るスタンプのメインホルダの正面図である。
【図6】 本実施の形態に係るスタンプのメインホルダの断面図である。
【図7】 本実施の形態に係るスタンプのメインホルダの底面図である。
【図8】 本実施の形態に係るスタンプのインクキャップの正面図である。
【図9】 本実施の形態に係るスタンプのインクキャップの断面図である。
【図10】 本実施の形態に係るスタンプの圧入キャップの正面図である。
【図11】 本実施の形態に係るスタンプの圧入キャップの断面図である。
【図12】 本実施の形態に係るスタンプの圧入キャップの底面図である。
【図13】 本実施の形態に係るスタンプのスカート、スプリング及び圧入キャップの配置を示す概略断面図である。
【図14】 本実施の形態に係るスタンプの印材の平面図である。
【図15】 本実施の形態に係る印材及びインク吸蔵体の断面図である。
【図16】 本実施の形態に係るインク吸蔵体下面の平面図である。
【図17】 本実施の形態に係るインク吸蔵体の印材との接着部位を示す平面図である。
【図18】 本実施の形態に係る印材、インク吸蔵体及びメインホルダの接着状態の概略を示す分解斜視図である。
【図19】 本実施の形態に係る印材、インク吸蔵体及びメインホルダの接着状態を示す断面である。
【図20】 本実施の形態に係るスタンプ製造時にセットする印材とインク吸蔵体を接着したメインホルダの斜視図である。
【図21】 本実施の形態に係る印材の製版の状態の概略を示す斜視図である。
【図22】 本実施の形態に係る圧入キャップの圧入方法の概略を示す斜視図である。
【図23】 本実施の形態に係る圧入キャップの圧入後の状態を示す断面図である。
【図24】 従来のスタンプの断面図である。
【図25】 従来のスタンプの印材とホルダー部の接合時の位置決め状態を示す断面図である。
【図26】 従来のスタンプの印材とホルダー部の接合時の位置決め状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スタンプ
3 メインホルダ
11 印材
12 インク吸蔵体
33 突起
34 凹部
35 パッキン部
41 圧入キャップ
42 第2開口部
43 第1開口部
44 押圧部
45 凸部
51 接着剤
52 非接着部分
71 印面

Claims (3)

  1. インクを透過可能な多孔質体からなる印材の表面を選択的に加熱して、インクが透過可能である印面部と、この印面部よりも高さが低く形成されかつ加熱によりシールされた非印面部とを形成したスタンプにおいて、
    前記印材の裏面には、上面がインクを吸蔵したインク吸蔵体が設けられ、
    当該インク吸蔵体の上面と前記印材の裏面とは、外円周部分で接着され、当該円周部分には外周内側の非接着部分の空気を抜くための、非接着部分が形成されていることを特徴とするスタンプ。
  2. 前記印材の裏面と前記インク吸蔵体の上面とは、中心部近傍で複数箇所点状に接着されていることを特徴とする請求項に記載のスタンプ。
  3. 前記インク吸蔵体の下面には、前記インク吸蔵体を保持する保持手段が設けられ、当該保持手段には、凸部が形成され、前記インク吸蔵体の下面には、当該凸部と嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタンプ。
JP19240499A 1999-07-06 1999-07-06 スタンプ Expired - Lifetime JP3832146B2 (ja)

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