JP3831467B2 - 合成樹脂製吸気管およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のエンジンに混合気を吸気するための合成樹脂製吸気管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等のエンジンでは、気化器からの混合気をエンジンに吸気するために、鋳鉄,アルミニウム材等の金属材の鋳造成形により形成された吸気管に代わって、例えば、先に本出願人が出願した特公平7−10539号公報に開示されるような合成樹脂製吸気管が広く用いられている。
【0003】
図12は、この公報の合成樹脂製吸気管を示すもので、この合成樹脂製吸気管1では、ポリアミド系の合成樹脂材からなる曲がり管3の先端にフランジ部3aが射出成形により一体形成されている。
そして、このフランジ部3aは、エンジン5の吸気ポート5aに接続されており、図示しない気化器から供給される混合気が曲がり管3を介してエンジン5に供給される。
【0004】
上述した合成樹脂製吸気管1では、合成樹脂材からなる曲がり管3の先端にフランジ部3aが射出成形により一体成形されるため、重量を確実に軽減することができる。
また、合成樹脂材により曲がり管3の先端にフランジ部3aが一体成形されるため、生産工程を確実に低減することができ、容易に大量生産することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特公平7−10539号公報に開示される合成樹脂製吸気管1では、金属材よりも比重の軽いポリアミド系の合成樹脂材からなる曲がり管3の先端にフランジ部3aが一体成形されているため、エンジン5の内部から発生する作動音N1が、吸気ポート5aを経て曲がり管3の曲がり部3bを透過して外部に漏れ、周囲に騒音を発生するという問題があった。
【0006】
また、気化器から連続して供給される混合気の気流が曲がり管3の曲がり部3bに衝突した時に発生する気流音N2が、曲がり部3bを透過して外部に漏れ、周囲に騒音を発生するという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、外部への音の透過量を確実に低減し、周囲への騒音の発生を確実に防止すること、および、生産工程を確実に低減し、容易且つ確実に生産することができる合成樹脂製吸気管およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、合成樹脂材からなる吸気管本体に、この吸気管本体を構成する合成樹脂材より高比重の合成樹脂材からなるとともに外部への透過音を防ぐ遮音壁を一体形成してなる合成樹脂製吸気管であって、吸気管本体は、耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した合成樹脂材により形成され、遮音壁は、耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した合成樹脂材により形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の合成樹脂製吸気管からなることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の自動車用合成樹脂製吸気管は、吸気マニホールドであることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、第1の射出成形機の第1の成形部に中子を装着する中子装着工程と、第1の成形部に耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を射出し、吸気管本体を成形する第1の射出成形工程と、吸気管本体を第1の射出成形機から取り外し、第2の射出成形機の第2の成形部に吸気管本体を装着するキャビティ交換工程と、第2の成形部に耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を射出し、吸気管本体に遮音壁を一体成形する第2の射出成形工程と、吸気管本体に遮音壁が一体成形された合成樹脂製吸気管を第2の射出成形機から取り出し、中子を除去する中子除去工程とを有してなることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、第1の成形部と第2の成形部とを有する2色射出成形機における第1の成形部に位置するコアに中子を装着する中子装着工程と、コアが位置する第1の成形部に耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を1次射出し、曲がり管の先端にフランジ部が一体形成される吸気管本体を成形する第1の射出成形工程と、吸気管本体が保持されるコアを第2の成形部に位置させるキャビティ組換え工程と、吸気管本体とともにコアが位置する第2の成形部に耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を2次射出し、吸気管本体に遮音壁を一体成形する第2の射出成形工程と、吸気管本体に遮音壁が一体成形された合成樹脂製吸気管を2色射出成形機から取り出し、中子を除去する中子除去工程とを有してなることを特徴とする。
【0011】
(作用)
請求項1記載の発明では、耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した合成樹脂材により形成された吸気管本体の一部または全部に、耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した吸気管本体を構成する合成樹脂材よりも高比重の合成樹脂材により遮音壁が一体形成される。
したがって、吸気管本体と遮音壁とは、合成樹脂材による複合材とされる。
【0012】
そして、エンジンの内部から発生する作動音と混合気の気流音とが遮音壁を透過する時に、作動音および気流音の音量が減衰される。
【0014】
請求項2記載の発明では、自動車に用いられる合成樹脂製の吸気管が形成される。
請求項3記載の発明では、自動車に用いられる合成樹脂製の吸気マニホールドが形成される。
【0015】
請求項4記載の発明では、第1の射出成形機の第1の成形部に中子が装着された後、第1の成形部に耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を射出することにより、吸気管本体が形成される。
次に、吸気管本体が第1の射出成形機から取り外された後、第2の射出成形機の第2の成形部に吸気管本体が装着され、第2の成形部に耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を射出することにより、吸気管本体に遮音壁が一体成形される。
【0016】
そして、吸気管本体に遮音壁が一体成形された合成樹脂製吸気管が第2の射出成形機から取り出され中子が除去されて、合成樹脂製吸気管が製造される。
請求項5記載の発明では、2色射出成形機の第1の成形部に位置するコアに中子が装着された後、コアが位置する第1の成形部に、耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を1次射出することにより、吸気管本体が形成される。
【0017】
次に、吸気管本体が保持されるコアが第2の成形部に位置された後、吸気管本体とともにコアが位置する第2の成形部に、耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を2次射出することにより、吸気管本体に遮音壁が一体成形される。
そして、吸気管本体に遮音壁が一体成形された合成樹脂製吸気管が2色射出成形機から取り出され中子が除去されて、合成樹脂製吸気管が製造される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態について説明する。
図1は、本発明の合成樹脂製吸気管の一実施形態(請求項1ないし請求項3に対応)を示す。この実施形態では、自動車用の合成樹脂製吸気マニホールド(合成樹脂製吸気管)13に適用した場合について説明する。
【0019】
図において符号11は、自動車のエンジンを示している。
エンジン11の吸気ポート11aには、図示しない気化器から混合気が流入される吸気マニホルド(合成樹脂製吸気管)13がボルトBにより固定されている。
吸気マニホールド13は、横断面形状が円形状の曲がり管15の端部に、後述するエンジン側フランジ部15bと気化器側フランジ部15cとが一体形成されている吸気管本体17を有している。
【0020】
この実施形態では、吸気管本体17は、ナイロン66(比重1.13)に対して30重量%のガラス繊維(比重2.5)が混入された合成樹脂材(比重1.38)の射出成形により形成されている(請求項1に対応)。
吸気管本体17の曲がり管15は、図の下方に向けて屈曲されており、円弧形状の曲がり部15aを有している。
【0021】
曲がり管15のエンジン11側端部には、楕円板形状のエンジン側フランジ部15bが一体形成されている。
また、曲がり管15のエンジン11と反対側の端部には、エンジン側フランジ部15bと同一形状の気化器側フランジ部15cが一体形成されている。
そして、吸気管本体17の曲がり管15の外側の曲がり部15aには、曲がり部15aの外周面を覆う横断面形状が半円形状の遮音壁19が一体形成されている。
【0022】
この実施形態では、遮音壁19は、ナイロン66に対して30重量%の鉄粉(比重7.83)が混入された合成樹脂材(比重2.37)の射出成形により形成されている(請求項1に対応)。
そして、上述した吸気マニホールド13では、エンジン11の内部から発生する作動音と混合気の気流音とが遮音壁を透過する時に、作動音および気流音の音量が減衰される。
【0023】
図2は、上述した吸気マニホールド13を製造するための2色射出成形機の要部を示すもので、この2色射出成形機は、成形金型21を備えており、この成形金型21は、共通金型(コア)23を有している。
共通金型23の図の下面の中心には、回転軸23aが形成されており、共通金型23は、回転軸23aを中心として回転可能とされている。
【0024】
また、共通金型23の図の上面には、第1の固定金型25と第2の固定金型27とが対向して配置されている。
これ等の第1の固定金型25と第2の固定金型27とは、共通金型23の回転軸23aを中心として対称に位置されている。
共通金型23は、これ等の第1の固定金型25と第2の固定金型27側に対して往復移動が可能とされている。
【0025】
共通金型23と第1の固定金型25との対向面には、共通金型23と第1の固定金型25とが型締めされた状態の時に、内周面形状が図1に示した吸気管本体17の外周面形状と同一形状となる第1の共通金型側凹部29と第1の固定金型側凹部31とが対向して形成されている。
第1の固定金型25には、第1の固定金型側凹部31に連通し、第1の射出ノズル33が接続されている第1のスプール孔25aが形成されている。
【0026】
共通金型23と第2の固定金型27との対向面には、共通金型23と第2の固定金型27とが型締めされた状態の時に、内周面形状が図1に示した吸気マニホールド13の外周面形状と同一形状となる第2の共通金型側凹部35と第2の固定金型側凹部37とが対向して形成されている。
第2の固定金型側凹部37は、吸気マニホールド13の遮音壁19に対応する位置に凹環部37aを有している。
【0027】
第2の固定金型27には、第2の固定金型側凹部37の凹環部37aに連通し、第2の射出ノズル39が接続されている第2のスプール孔27aが形成されている。
【0028】
そして、共通金型23の第1の共通金型側凹部29と第2の共通金型側凹部35とは、吸気管本体17のフランジ部(15b,15c)に対応する位置に、それぞれ同一形状の第1の中子装着部29aと第2の中子装着部35aとを有している。
すなわち、この実施形態では、共通金型23の第1の共通金型側凹部29と第2の共通金型側凹部35は、回転軸23aを中心として対称に、且つ、同一形状に形成されている。
【0029】
上述した2色射出成形機を用いて、上述した吸気マニホールド13が以下述べるように製造される(請求項4および請求項5に対応)。
先ず、図3に示すように、共通金型23の第1の共通金型側凹部29の第1の中子装着部29aに低融点合金からなる中子41が装着された後、共通金型23と第1の固定金型25および第2の固定金型27とが型締めされる。
【0030】
上述した中子41の外周面形状は、吸気管本体17の内周面形状と同一に形成されている。
すなわち、第1の共通金型側凹部29および第1の固定金型側凹部31の内周面と中子41の外周面とで囲まれる空間に、図1に示した吸気マニホールド13の吸気管本体17と同一形状の第1のキャビティ(第1の成形部)43が形成される。
【0031】
次に、図4に示すように、第1の射出ノズル33から第1のスプール孔25aを介して第1のキャビティ43に、ポリアミド系合成樹脂に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材(比重1.38)が1次射出される(請求項9,10に対応)。
これにより、曲がり管15の先端にフランジ部(15b,15c)が一体形成される吸気管本体17が射出成形される。
【0032】
次に、図5(a)に示すように、共通金型23が第1の固定金型25および第2の固定金型27から離され、型開きされた後、共通金型23が回転軸23aを中心として180度回転される。
そして、図5(b)に示すように型締めされ、図の右側に移動された共通金型23の第1の共通金型側凹部29に保持された吸気管本体17が、第2の固定金型27の第2の固定金型側凹部37に装着される。
【0033】
これにより、曲がり管15の外側の曲がり部15aに、曲がり管15の外周面と第2の固定金型側凹部37の凹環部37aの内周面とで囲まれる第2のキャビティ(第2の成形部)45が形成される。
また、同時に、図の左側に移動された共通金型23の第2の共通金型側凹部35の第2の中子装着部35aに低融点合金からなる次の中子41が装着され、第1のキャビティ43が形成される。
【0034】
次に、図6に示すように、第2の射出ノズル39から第2のスプール孔27aを介して第2のキャビティ45に、ナイロン66に対して30重量%の鉄粉が混入された合成樹脂材(比重2.37)が2次射出される(請求項5に対応)。
この実施形態では、鉄粉の粒径は、74μm以下とされている。
【0035】
これにより、曲がり管15の外側の曲がり部15aに、遮音壁19が一体形成される。
また、同時に、第1の射出ノズル33から第1のスプール孔25aを介して第1のキャビティ43に、ナイロン66に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材が1次射出され、次の吸気管本体17が射出成形される。
【0036】
そして、図7に示すように型開きされた後、遮音壁19が形成された吸気管本体17が中子41とともに成形金型21から取り出され、中子41が溶融されて図1に示した吸気マニホールド13の製造が終了する。
【0037】
以上のように構成されたエンジン用合成樹脂製吸気管では、曲がり管15の先端にエンジン側フランジ部15bおよび気化器側フランジ部15cが一体形成される吸気管本体17をナイロン66に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材により形成し、この吸気管本体17の曲がり管15の外側の曲がり部15aに、吸気管本体17の材質よりも高比重のナイロン66に対して30重量%の鉄粉が混入された合成樹脂材により遮音壁19を一体形成したので、外部への音の透過量を確実に低減し、周囲への騒音の発生を確実に防止することことができる。
【0038】
図8は、フィラが混入されていないナイロン66,ガラス繊維を30重量%混入したナイロン66,鉄粉を30重量%混入したナイロン66により、板形状の試験片を製造して、これ等の試験片の周波数に対応する音響透過損失を測定し、その音響透過損失特性を示すものである。
この図から明らかなように、1kHzないし11kHzの周波数帯域において、鉄粉を30重量%混入したポリアミド系合成樹脂材からなる試験片の音響透過損失特性は、ガラス繊維を30重量%混入したナイロン66の音響透過損失特性よりも、遮音性に優れた結果を示しており、5kHz以上の高周波帯域では、特に優れた結果を示している。
【0039】
すなわち、鉄粉が30重量%混入されたナイロン66は、透過する音の音量を確実に減衰することができる。
また、吸気管本体17をナイロン66に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材により形成し、遮音壁19をナイロン66に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材により形成したので、耐熱性,成形性および剛性に優れた安価な材料で容易に製造することができる。
【0040】
さらに、ナイロン66に対して30重量%の鉄粉が混入された合成樹脂材により遮音壁19を形成したので、成形性を損なうことなく確実に音の透過を防止することができる。
また、上述した吸気マニホールド13の製造方法では、第1の共通金型側凹部29および第1の固定金型側凹部31の内周面と中子41の外周面とで囲まれる第1のキャビティ43に、第1の射出ノズル33からナイロン66に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材を1次射出し、曲がり管15の先端にフランジ部が一体形成される吸気管本体17を成形して、曲がり管15の外側の曲がり部15aに、曲がり管15の外周面と第2の固定金型側凹部37の凹環部37aとで囲まれる第2のキャビティ45に、ナイロン66に対して30重量%の鉄粉が混入された合成樹脂材を2次射出し、吸気管本体17の曲がり管15の外側の曲がり部15aに遮音壁19を一体成形するようにしたので、生産工程を確実に低減し、容易かつ確実に生産することができる。
【0041】
なお、上述した実施形態の吸気マニホールド13の製造方法では、第1のキャビティ43と第2のキャビテイとが形成される成形金型21を有する2色射出成形機により、吸気マニホールド13を2色成形した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、図9ないし図11に示すように、第1のキャビティ51を有する第1の成形金型53を備えた第1の射出成形機により吸気管本体17を射出成形した後、この吸気管本体17を第2のキャビティ55を有する第2の成形金型57を備えた第2の射出成形機に装着して、第2の射出成形機により吸気管本体17の曲がり管15の外側の曲がり部15aに遮音壁19を一体形成することもできる(請求項4に対応)。
【0042】
このようにして得られた吸気マニホールド13Aは、図10、図11に示すように、吸気管本体17をナイロン66に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材により形成し、吸気管本体17の曲がり管15の外側の曲がり部15aにナイロン66に対して30重量%のガラス繊維が混入された合成樹脂材により遮音壁19を形成することができる。
【0043】
また、上述した実施形態の吸気マニホールド13では、吸気管本体17の曲がり管15の曲がり部15aに遮音壁19を一体形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、曲がり管15の外周面全体に遮音壁19を一体形成することもできる。
さらに、ナイロン66に対して30重量%の鉄粉が混入された合成樹脂材により遮音壁19を形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、発生する作動音,気流音の音量に応じて鉄粉の混入割合を調節することができる。
【0044】
この場合には、鉄粉の混入割合を10重量%ないし50重量%にすることにより、成形性を損なうことなく確実に音の透過を防止することができる。すなわち、10重量%では、遮音効果が乏しく、また、50重量%を超えると、加工することが困難となり、目的とする吸気管を得ることができない。
また、ナイロン66に対して30重量%の鉄粉が混入された合成樹脂材により遮音壁19を形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、鉄繊維あるいは鉄繊維と鉄粉とを混入したナイロン66材により遮音壁19を形成することもできる。
【0045】
さらに、上述した実施形態では、自動車の吸気管として吸気マニホールド13,13Aに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、吸気マニホールド13の下流側に取り付けられる管路は勿論のこと、フランジを設けないもの、曲がり部を設けないものにも当然に適用できる。
さらにまた、上述した実施形態では、耐熱性合成樹脂として、ナイロン66について説明したが、本発明はこれに限らず、エンジニアリングプラスッチクスと称される合成樹脂であれば良く、特に限定するものではない。その一例を挙げると、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイドなどがある。これらは、何れもが比重が1前後である。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明では、耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した合成樹脂材により形成された吸気管本体に、耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した吸気管本体を構成する合成樹脂材よりも高比重の合成樹脂材により遮音壁が一体形成したので、外部への音の透過量を確実に低減し、周囲への騒音の発生を確実に防止することことができる。
【0048】
また、吸気管本体を耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末が混入された合成樹脂材により形成し、遮音壁を耐熱性合成樹脂にガラス繊維より高比重の充填剤が混入された合成樹脂材により形成したので、耐熱性,成形性および剛性に優れた安価な材料で容易に製造することができる。
さらに、吸気管本体を耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末が混入された合成樹脂材により形成し、遮音壁を耐熱性合成樹脂に金属繊維または金属粉末が混入された合成樹脂材により形成したので、耐熱性,成形性および剛性に優れた安価な材料で容易に製造することができる。
【0049】
また、鉄粉が10重量%ないし50重量%の割合で混入された耐熱性合成樹脂材により遮音壁を形成したので、成形性を損なうことなく確実に音の透過を防止することができる。
【0050】
請求項2載の発明では、請求項1記載の合成樹脂製吸気管で自動車用吸気管を構成したので、吸気に伴い発生する気流音またはエンジン内部で発生する爆発音からなる騒音の外部への透過を防止することができる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の自動車用吸気管で吸気マニホールドを構成したので、吸気に伴い発生する気流音またはエンジン内部で発生する爆発音からなる騒音の外部への透過を防止することができる。
【0051】
請求項4記載の発明では、中子が装着された第1の成形部に耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を1次射出し、吸気管本体を成形して、この吸気管本体を第1の成形部から取り外し第2の成形部に装着した後、第2の成形部に耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を2次射出し、吸気管本体に遮音壁を一体成形するようにしたので、生産工程を確実に低減し、容易且つ確実に生産することができる。
【0052】
また、耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂からなる吸気管本体に、耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材からなる遮音壁を一体成形するようにしたので、外部への音の透過量を確実に低減し、周囲への騒音の発生を確実に防止することことができる。
請求項5記載の発明では、中子が装着されたコアが位置する第1の成形部に耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を1次射出し、吸気管本体を成形して、この吸気管本体が保持されるコアを第2の成形部に位置させた後、第2の成形部に耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を2次射出し、吸気管本体に遮音壁を一体成形するようにしたので、生産工程を確実に低減し、容易且つ確実に生産することができる。
【0053】
また、耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂からなる吸気管本体に、耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材からなる遮音壁を一体成形するようにしたので、外部への音の透過量を確実に低減し、周囲への騒音の発生を確実に防止することことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の合成樹脂製吸気管を自動車用の合成樹脂製吸気マニホールド(請求項1ないし請求項3に対応)に適用した一実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の合成樹脂製吸気マニホールドを製造するための2色射出成形機の要部を示す断面図である。
【図3】 本発明の合成樹脂製吸気管の製造方法(請求項5に対応)を自動車用の合成樹脂製吸気マニホールド(請求項1ないし請求項3に対応)に適用した一実施形態を示す説明図である。
【図4】図3に続く合成樹脂製吸気マニホールドの製造方法を示す説明図である。
【図5】図4に続く合成樹脂製吸気マニホールドの製造方法を示す説明図である。
【図6】図5に続く合成樹脂製吸気マニホールドの製造方法を示す説明図である。
【図7】図6に続く合成樹脂製吸気マニホールドの製造方法を示す説明図である。
【図8】図1に示した合成樹脂製吸気マニホールドに用いた合成樹脂材の周波数に対応する音響透過損失特性を示すグラフである。
【図9】 本発明の合成樹脂製吸気管の製造方法を自動車用の合成樹脂製吸気マニホールド(請求項1ないし請求項3に対応)に適用した他の実施形態を示す説明図である。
【図10】図9に示した合成樹脂製吸気マニホールドの一部切り欠き側面図である。
【図11】図10の▲1▼−▲1▼線に沿った断面図である。
【図12】従来の合成樹脂製吸気管を示す側面図である。
【符号の説明】
13 吸気マニホールド(合成樹脂製吸気管)
17 吸気管本体
23 共通金型(コア)
41 中子
43,51 第1のキャビティ(第1の成形部)
45,55 第2のキャビティ(第2の成形部)
Claims (5)
- 合成樹脂材からなる吸気管本体(17)に、この吸気管本体(17)を構成する合成樹脂材より高比重の合成樹脂材からなるとともに外部への透過音を防ぐ遮音壁(19)を一体形成してなる合成樹脂製吸気管であって、
吸気管本体(17)は、耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した合成樹脂材により形成され、
遮音壁(19)は、耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した合成樹脂材により形成されている
ことを特徴とする合成樹脂製吸気管。 - 請求項1記載の合成樹脂製吸気管からなることを特徴とする自動車用合成樹脂製吸気管。
- 請求項2記載の自動車用合成樹脂製吸気管は、吸気マニホールドであることを特徴とする自動車用合成樹脂製吸気管。
- 第1の射出成形機の第1の成形部(51)に中子(41)を装着する中子装着工程と、
第1の成形部(51)に耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を射出し、吸気管本体(17)を成形する第1の射出成形工程と、
吸気管本体(17)を第1の射出成形機から取り外し、第2の射出成形機の第2の成形部(55)に吸気管本体(17)を装着するキャビティ交換工程と、
第2の成形部(55)に耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を射出し、吸気管本体(17)に遮音壁(19)を一体成形する第2の射出成形工程と、
吸気管本体(17)に遮音壁(19)が一体成形された合成樹脂製吸気管(13)を第2の射出成形機から取り出し、中子(41)を除去する中子除去工程と
を有してなることを特徴とする合成樹脂製吸気管の製造方法。 - 第1の成形部(43)と第2の成形部(45)とを有する2色射出成形機における第1の成形部(43)に位置するコア(23)に中子(41)を装着する中子装着工程と、
コア(23)が位置する第1の成形部(43)に耐熱性合成樹脂にガラス繊維またはガラス粉末を混入した第1の合成樹脂材を1次射出し、曲がり管(15)の先端にフランジ部が一体形成される吸気管本体(17)を成形する第1の射出成形工程と、
吸気管本体(17)が保持されるコア(23)を第2の成形部(45)に位置させるキャビティ組換え工程と、
吸気管本体(17)とともにコア(23)が位置する第2の成形部(45)に耐熱性合成樹脂に鉄粉を耐熱性合成樹脂材に対する混合率10重量%ないし50重量%で混入した第1の合成樹脂材よりも高比重の第2の合成樹脂材を2次射出し、吸気管本体(17)に遮音壁(19)を一体成形する第2の射出成形工程と、
吸気管本体(17)に遮音壁(19)が一体成形された合成樹脂製吸気管(13)を2色射出成形機から取り出し、中子(41)を除去する中子除去工程と
を有してなることを特徴とする合成樹脂製吸気管の製造方法。
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