JP3830894B2 - 金属リングの周長補正装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、無段変速機の金属ベルト等を形成する金属リングの周長を補正する装置に関するものである。
背景技術
無段変速機に用いられる金属ベルトは、少しずつ周長の異なる複数の金属リングを相互に積層することにより形成されており、従来、次のようにして製造されている。
まず、マルエージング鋼等の超強力鋼の薄板をベンディングしてループ化した後、端部同士を溶接してリング状のドラムを形成し、前記ドラムを所定幅に裁断することにより、金属リングとする。次に、前記金属リングを前記金属ベルトの各層に適した標準周長に圧延することにより、該金属ベルトの層の数に対応する複数種の金属リングを得る。
次に、前記複数種の金属リングに溶体化処理を施すと、処理条件等の相違により、前記金属ベルトの各層に適した所定の標準周長に圧延されている前記金属リングの周長にバラツキが生じる。そこで、前記溶体化処理が施された金属リングに、周長補正処理を施すことにより、前記金属ベルトの各層の標準周長に補正する。
次に、前記周長補正が施された金属リングに、さらに時効処理、窒化処理が施すことにより、硬度を向上させる。そして、前記周長補正により前記金属ベルトの各層の標準周長に補正された、少しずつ周長の異なる複数種の金属リングを相互に積層することにより、無段変速機用金属ベルトが形成される。
前述のようにして前記金属ベルトを製造するときに、前記溶体化処理により生じた周長のバラツキをそのまま放置すると、複数種の金属リングを相互に積層する際に、他種の金属リングと組み合わせることのできない金属リングが多数発生することになる。前記マルエージング鋼等の超強力鋼は高価であり、できるだけ歩留りを良くする必要があるので、前記周長補正処理は、前記無段変速機用金属ベルトを形成するために、極めて重要である。
本出願人は、前記周長補正処理のための装置として、特開平11−290971号公報記載の装置を既に提案している。図15に示すように、前記公報記載の周長補正装置101は、金属リングWが掛け回される駆動ローラ102と従動ローラ103とを備え、さらに駆動ローラ102と従動ローラ103との中間位置に矯正ローラ104を備える。
周長補正装置101の基台105上には、駆動ローラ102を回転自在に軸支する駆動ローラ支持部材106が固定されている。駆動ローラ102は、基台105の後方に設けられた回転駆動源である駆動モータ107に図示しない連結機構を介して連結される。また、基台105上に固着されたガイドレール108にはガイドブロック109が水平方向に摺動自在に係合されている。ガイドブロック109には、従動ローラ103を回転自在に軸支する従動ローラ支持部材110が取着されている。
駆動ローラ支持部材106と従動ローラ支持部材110とには、互いに当接して駆動ローラ102と従動ローラ103との軸間距離を所定間隔に保持する1対の間隔保持部材111,112が備えられている。また、従動ローラ支持部材110には水平に延設されたワイヤ113が接続されており、ワイヤ113の他端部には、錘114a,114bが連結されている。錘114a,114bは、ワイヤ113の途中に設けられた滑車により鉛直方向に垂下されている。そこで、従動ローラ103は金属リングWが掛け回された後、錘114a,114bの荷重により駆動ローラ102から離間する方向に移動される。
基台105の駆動ローラ102側の端部にはフレーム115が立設されており、フレーム115の上部には油圧シリンダ116が備えられている。そして、矯正ローラ104は、油圧シリンダ116のシリンダロッド117の端部に取着された矯正ローラ支持部材118に回転自在に軸支され、油圧シリンダ116により、従動ローラ103の変位方向と直交する方向(垂直方向)に変位可能とされている。
また、基台105のガイドレール108側の端部に立設された支柱119には、従動ローラ103の変位を検知する第1の変位センサ120が設けられている。一方、油圧シリンダ116のフレーム115には矯正ローラ4の変位を検知する第2の変位センサ121が設けられている。
図15示の従来の周長補正装置101によれば、まず、駆動ローラ102に従動ローラ103を近接させた状態で、駆動ローラ102、従動ローラ103及び矯正ローラ104に金属リングWを掛け回して装着する。次に、駆動モータ107により駆動ローラ102を回転駆動しつつ、従動ローラ103を錘114a,114bの荷重により駆動ローラ102から離間する方向に変位させて、金属リングWを緊張させる。この状態で、変位センサ120により従動ローラ103の変位量を検出し、該変位量から駆動ローラ102と従動ローラ103との軸間距離を求め、該軸間距離の関数として金属リングWの周長の実寸を算出する。そして、周長補正装置101は、前記のようにして求められた周長の実寸と、所望の周長との差から、金属リングWを所望の周長に補正するために必要とされる矯正ローラ104の変位量を算出する。
次に、周長補正装置101は、駆動ローラ102を回転駆動しつつ、油圧シリンダ116により矯正ローラ104を上方に付勢して変位せしめ、金属リングWを塑性変形させる。
このとき、周長補正装置101は、変位センサ121により検出される矯正ローラ104の変位量が、前記のようにして算出された変位量に一致するまで、矯正ローラ104を上方に付勢し、その後、付勢を解除する。
次に、周長補正装置101は、再び従動ローラ103を駆動ローラ102から離間する方向に変位させて、前記と同一にして金属リングWの周長の実寸を算出する。そして、該補正処理後の周長の実寸と、所望の周長の差を求め、該実寸が所望の周長に一致していれば操作を終了する。一方、前記補正処理後の周長の実寸が所望の周長に一致していなければ、前記周長の実寸と、所望の周長の差に基づいて前記操作を繰り返す。これにより、金属リングWの周長が確実に所望の周長となるように補正することができる。
また、前記周長補正装置101では、圧延、溶体化処理後の金属リングWの周長を略一定と仮定して、該周長に対して矯正ローラ104を所定の変位量で変位させるようにしてもよい。この場合、最初に駆動ローラ102、従動ローラ103及び矯正ローラ104に金属リングWを掛け回した後に実測された金属リングWの周長を、圧延及び溶体化処理後の金属リングWの周長として設計上または工程管理上定められる標準周長と比較する。そして、両者の差から矯正ローラ104の変位量を補正する。
前述のようにして、矯正ローラ104の変位量を補正することにより、矯正ローラ104を変位させる操作を1回のみとして、金属リングWの周長の実寸が容易かつ確実に所望の周長となるように補正することができる。また、歩留りを向上させることができる。
しかしながら、前記周長補正装置101では、最初に駆動ローラ102、従動ローラ103及び矯正ローラ104に金属リングWを掛け回して装着するときには、従動ローラ103を駆動ローラ102側に近接させる操作を手動で行わなければならない。あるいは、周長補正処理後の金属リングWを駆動ローラ102、従動ローラ103及び矯正ローラ104から取り外すときにも、従動ローラ103を駆動ローラ102側に近接させる操作を手動で行わなければならない。そこで、前記周長補正装置101では、全工程を自動化することが望まれる。
発明の開示
本発明は、前記事情に鑑み、金属リングの周長補正の全工程を自動化することができる周長補正装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の金属リングの周長補正装置は、近接した状態で金属リングを装着して掛け回すことが可能な駆動ローラ及び従動ローラと、該駆動ローラ及び従動ローラの中間位置に備えられた矯正ローラと、該駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラに金属リングが掛け回されたときに該駆動ローラ及び従動ローラを相対的に互いに離間する方向に変位せしめる第1の変位付与手段と、第1の変位付与手段による変位が解除されたときに、該駆動ローラと従動ローラとの間隔を所定間隔に保持する間隔保持手段と、該矯正ローラを該駆動ローラ及び従動ローラの変位方向と直交し且つ該金属リングを延引する方向に変位せしめて、該間隔保持手段により該駆動ローラと従動ローラとの間隔を所定間隔に保持せしめると共に、該金属リングの周長を補正する第2の変位付与手段とを備える周長補正装置において、第1及び第2の変位付与手段による変位が解除されたときに、該駆動ローラと該従動ローラとを互いに近接する方向に変位せしめる第3の変位付与手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の周長補正装置において、前記第1の変位付与手段は、前記駆動ローラまたは従動ローラに接続されて他方のローラから離反する方向に水平に延設されたワイヤと、該ワイヤの他端部に連結され、該ワイヤの途中に設けられた滑車により鉛直方向に垂下されることにより該ワイヤを介して前記駆動ローラまたは従動ローラに変位を付与する第1の錘と、該錘を垂下方向から上方に支持して該錘による変位を解除するテーブルとからなることを特徴とする。
本発明の周長補正装置によれば、まず、第1及び第2の変位付与手段による変位が解除された状態で、第3の変位付与手段により回転を停止した状態の前記駆動ローラと従動ローラとを互いに近接せしめる。そして、金属リングを該駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラに掛け回して装着する。
次に、第3の変位付与手段による変位を解除し、第1の変位付与手段により該駆動ローラ及び従動ローラを相対的に互いに離間する方向に変位せしめ、該駆動ローラを回転駆動して、前記のように装着された金属リングを緊張状態とする。そして、このときの駆動ローラと従動ローラとの軸間距離から前記金属リングの周長の実寸を算出し、該周長の実寸に基づいて所要の補正量を算出する。
次に、第1の変位付与手段による変位を解除すると共に、前記駆動ローラを回転駆動しつつ、前記金属リングの周長の実寸に基づいて算出された補正量に従って、第2の変位付与手段により前記矯正ローラを変位させる。第2の変位付与手段によれば、前記矯正ローラは前記駆動ローラ及び従動ローラの変位方向と直交し且つ該金属リングを延引する方向に変位せしめられる。この結果、前記金属リングが塑性変形せしめられ、周長補正処理が行われる。
前記周長補正処理が終了したならば、第2の変位付与手段による変位が解除され、前記矯正ローラが元の位置に復帰せしめられる。同時に、再び第1の変位付与手段により前記駆動ローラ及び従動ローラが相対的に互いに離間する方向に変位せしめられる。
このとき、第1の変位手段は、前記のように、前記駆動ローラまたは従動ローラに接続されたワイヤと、該ワイヤの他端部に連結されて鉛直下方に垂下される第1の錘とからなる。従って、第1の変位手段は、前記第1の錘の自重により前記駆動ローラまたは従動ローラを相対的に互いに離間する方向に変位させることにより、第2の変位付与手段による前記矯正ローラを元の位置に復帰させる作動に、自動的に追従することができる。
これにより、第2の変位付与手段により前記矯正ローラが元の位置に復帰せしめられる際に、前記のように周長補正された金属リングが前記駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラから脱落することを防止することができる。
次に、前記駆動ローラの回転を停止すると共に、第2の変位付与手段による変位を解除し、再び第3の変位付与手段により回転を停止した状態の該駆動ローラと従動ローラとを互いに近接する方向に変位せしめる。そして、周長補正処理された金属リングを前記駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラから取り外すと共に、新しい金属リングを該駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラに掛け回して装着し、前述の操作を繰り返す。
本発明の周長補正装置によれば、前述のようにすることにより、前記金属リングの周長補正処理の全工程を自動化することができる。
本発明の周長補正装置では、前記金属リングの周長補正処理の際に、上述のように、第1の変位付与手段により前記駆動ローラと従動ローラとを互いに離間するように変位せしめた後、第1の変位付与手段による変位を解除する。そして、第2の変位付与手段により前記矯正ローラを変位せしめる。ところが、このようにすると、前記矯正ローラの変位に対応して前記駆動ローラと従動ローラとが急激に近接し、互いに衝突する虞がある。
そこで、本発明の周長補正装置は、前記第2の変位付与手段により前記金属リングを延引する際に、該駆動ローラと該従動ローラとの急激な接近を妨げる制動手段を備えることを特徴とする。本発明の周長補正装置は、前記制動手段を備えることにより、前記駆動ローラと従動ローラとの衝突を防止することができる。
また、本発明の周長補正装置は、前記第2の変位付与手段が、前記間隔保持手段により所定間隔に保持されている前記駆動ローラと従動ローラとの軸心の間隔を垂直に二等分する線上に沿って、前記矯正ローラを変位せしめることを特徴とする。
本発明の周長補正装置によれば、前記矯正ローラが、前記駆動ローラ及び従動ローラの軸心の間隔を垂直に二等分する線上に沿って変位するので、前記矯正ローラと駆動ローラとの軸間距離と、前記矯正ローラと従動ローラとの軸間距離とが常に等しくなる。この結果、前記金属リングは、前記矯正ローラと駆動ローラとの間の部分と、前記矯正ローラと従動ローラとの間の部分とに等しい荷重がかかるので、周長補正後に幅、板厚等について、優れた精度を得ることができる。
ところで、前記金属リングが無段変速機用の金属ベルトを構成する材料である場合、前記金属リングは、前記金属ベルトの各層毎に設計上または工程管理上の標準周長が定められている。前記金属リングは、マルエージング鋼等の超強力鋼の薄板の端部同士を溶接して形成されたドラムが所定幅に裁断された後、前記金属ベルトの各層の標準周長に圧延されている。この結果、前記金属リングは、前記金属ベルトの層の数に対応する複数の種類を備え、それぞれの種類毎に少しずつ異なる標準周長に圧延されている。前記金属リングの周長の実寸は、前記圧延処理に続く前記溶体化処理の条件の相違等によりバラツキが生じるが、それぞれの種類毎に、前記圧延処理により付与された標準周長とはある程度の対応関係が保たれている。
そこで、本発明の周長補正装置では、前記補正前の金属リングをそれぞれの種類毎に供給するときに、最初に供給された金属リングの周長がわかれば、第2の変位付与手段による前記矯正ローラの変位量を一律としても、ほぼ前記標準周長に補正することができ、処理が容易になる。ところが、前記溶体化処理では、複数の種類の金属リングが混合されてしまうことがある。
前記補正前の複数種の金属リングが混合されて、そのまま周長補正装置に供給された場合、該金属リングを一律に周長補正したのでは、補正前の金属リングの種類によっては所定の標準周長に対する補正量が該金属リングの塑性変形の限界を超えることがある。また、補正前の金属リングの種類によっては、補正前の周長が所定の標準周長を超えていることがある。そして、このような場合には、補正前の金属リングをそれぞれの種類の標準周長に補正することができなくなる。
そこで、本発明の周長補正装置は、前記金属リングの周長補正前の周長の実寸を算出する第1の算出装置と、第1の算出装置により測定された周長の実寸に対応する補正後の標準周長を選択する選択装置と、該金属リングの周長の実寸と該標準周長とを比較して、該金属リングの周長を該標準周長に補正するために必要とされる補正量を算出する第2の算出装置とを備え、前記第2の変位付与手段は第2の算出装置により算出された補正量に従って前記矯正ローラを変位せしめることを特徴とする。
本発明の周長補正装置によれば、まず、前記第1の算出装置により、補正前の金属リングの周長の実寸が算出される。前記補正前の金属リングの周長の実寸は、前述のように、前記圧延処理に続く前記溶体化処理の条件の相違等によりバラツキを生じているとしても、前記圧延処理により付与されたそれぞれの種類の標準周長と、一定の対応関係がある。
そこで、次に、前記選択装置により、前記第1の算出装置により算出された補正前の金属リングの周長の実寸に対応する補正後の標準周長が選択される。補正後の標準周長が選択されたならば、次に、前記第2の算出装置により、前記補正前の金属リングの周長の実寸と、補正後の標準周長とが比較され、該補正前の金属リングの周長を該標準周長に補正するために必要とされる補正量が算出される。そして、前記第2の変位付与手段が、前記第2の算出装置により算出された補正量に従って前記矯正ローラを変位せしめることにより、前記補正前の金属リングが前記選択された標準周長に補正される。
従って、本発明の周長補正装置によれば、複数種の金属リングが混在して供給された場合にも、補正前の金属リングの周長をそれぞれ種類の標準周長に適切に補正することができる。
一方、前記補正前の複数種の金属リングが所定の種類毎に周長補正装置に供給される場合でも、前記溶体化処理等において、所定の種類の金属リングに他種の金属リングが混合され、そのまま周長補正工程に供給されてしまうことがある。この場合、補正前の金属リングの種類によっては所定の標準周長に対する補正量が該金属リングの塑性変形の限界を超えることがある。また、補正前の金属リングの種類によっては、補正前の周長が所定の標準周長を超えていることがある。そして、このような場合には、補正後に所定の標準周長を備える金属リングが得られない。
そこで、本発明の周長補正装置は、前記金属リングの周長補正前の周長の実寸を算出する算出装置と、該算出装置により測定された周長の実寸に対応する補正後の標準周長を選択する選択装置とを備え、該算出装置により算出された該周長の実寸が該選択装置により選択される補正後の標準周長の範囲外であったときに、前記第1の変位付与手段は前記変位を解除することを特徴とする。
前記算出装置により算出された補正前の金属リングの周長の実寸が、前記選択装置により選択される補正後の標準周長の範囲外であったときには、このような金属リングを周長補正しても、所定の標準周長を備える金属リングを得ることができない。そこで、この場合、本発明の周長補正装置は、前記第1の変位付与手段による前記変位を解除する。この結果、本発明の周長補正装置によれば、補正前の周長の実寸が前記選択装置により選択される補正後の標準周長の範囲外である金属リングが供給された場合には、該金属リングを確実に払出すことができる。
また、前記金属ベルトは、前述のように少しずつ周長の異なる複数種の金属リングを相互に積層することにより形成される。このとき、前記金属リングは、相互に積層されたときに積層状態の保持を容易にするために、断面が幅方向に沿って中央部で凸の円弧状形状を備えていることが望ましい。
そこで本発明の周長補正装置において、前記矯正ローラは、外周面が厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の形状を備えることを特徴とする。
前記構成を備える本発明の周長補正装置では、前記矯正ローラを前記第2の変位付与手段により変位せしめて前記金属リングの周長補正を行うことにより、該金属リングに該矯正ローラの外周面の形状が転写される。従って、前記金属リングの断面を、幅方向に沿って中央部で凸の円弧状形状を備えるものとすることができる。断面が前記形状を備える前記金属リングによれば、前述のように積層されたときに、前記中央部で互いに係合して、その積層状態の保持を容易にすることができる。
ところで、前記金属リングは、前記溶体化処理が完了するまでの工程で変形して周縁長が左右で異なっていることがある。このような金属リングを前記駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラに掛け回して周長補正を行うと、幅方向の左右で加工量に差が生じ、後工程の時効処理または窒化処理により、前記周縁長の差がさらに拡大することがある。また、前記矯正ローラの外周面厚さ方向に中央部で凸の断面視円弧状の形状が付与されていると、前記周縁長が左右で異なっている金属リングは、該ローラの回転駆動時に前記円弧状の形状に沿って次第にローラ中央部から端部側に移動し、所望の形状が付与されないことがある。或いは、甚だしいときには、前記金属リングが前記矯正ローラから脱落することがある。
そこで、前記矯正ローラが外周面厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の形状を備える本発明の周長補正装置では、前記矯正ローラを前記第2の変位付与手段により変位せしめて前記金属リングの周長補正を行う前に、回転を停止した状態の駆動ローラ及び従動ローラを相対的に互いに離間する方向に変位させる。このとき、前記駆動ローラ及び従動ローラの相対的変位により、前記金属リングに塑性変形可能な荷重を付与することにより、前記金属リングの周縁長が左右で等しくなるように矯正することができる。
また、前記金属リングの周縁長が左右で等しくなるように矯正するために、本発明の周長補正装置では、前記矯正ローラが、前記金属リングの両周縁の周長差に応じて軸線を傾動させる矯正ローラ傾動手段を備えるようにしてもよい。
前記構成を備える本発明の周長補正装置では、まず、前記金属リングを、例えば、該金属リングの周長の長い一方の周縁側から前記駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラに掛け回して装着する。次に、前記矯正ローラ傾動手段により、前記矯正ローラの軸線を金属リングの幅方向の傾斜に相反する方向に傾動させる。
この状態で、前記矯正ローラを前記第2の変位付与手段により変位せしめて前記金属リングの周長補正を行うと、前記矯正ローラは、前記金属リングの幅方向の傾斜に相反する方向に傾動されているので、前記金属リングは周長の長い一方の周縁よりも周長の短い他方の周縁の伸張量が大きくなる。この結果、前記金属リングは前記左右の周縁長の差が解消され、両周縁の周長差が等しくなるように容易に矯正することができる。
発明を実施するための最良の形態
本実施形態の金属リングの周長補正装置(以下、単に周長補正装置と略記する)は、無段変速機用金属ベルトの材料となる金属リングの周長補正を行うものである。前記金属リングは、マルエージング鋼等の超強力鋼の薄板をベンディングしてループ化した後、端部同士を溶接して形成されたドラムを所定幅に裁断して形成され、圧延処理、溶体化処理が施されたものである。前記金属リングは、前記金属ベルトの層の数に対応する複数の種類を備え、前記圧延処理によりそれぞれの種類毎に少しずつ異なる標準周長が付与されている。しかし、前記金属リングは、前記圧延処理に続く前記溶体化処理により、それぞれの種類の周長にバラツキが生じており、前記無段変速機用金属ベルトを形成するためには周長を補正する必要がある。
本実施形態の周長補正装置1は、前記金属リングWの周長補正を行うものであって、図1示のように、金属リングWが掛け回される駆動ローラ2と従動ローラ3とを備え、さらに駆動ローラ2と従動ローラ3との中間位置に矯正ローラ4を備える。
周長補正装置1は基台5を備え、基台5上に固定された駆動ローラ支持部材6には駆動ローラ2が回転自在に軸支されている。駆動ローラ2は、駆動ローラ支持部材6の後方に設けられた図示しない駆動モータにより回転駆動される。基台5上に固着されたガイドレール7には、従動ローラ支持部材8が水平方向に摺動自在に係合されており、従動ローラ3は従動ローラ支持部材8に回転自在に軸支される。
従動ローラ支持部材8には、水平に延設されたワイヤ9が接続されており、ワイヤ9の他端部には第1錘10が連結されている。第1錘10は、ワイヤ9の途中、基台5に立設された架台11の従動ローラ3側の基部に取着されたブラケット12に軸支された滑車13を介して、鉛直下方に垂下されている。従動ローラ3は、従動ローラ支持部材8が第1錘10の荷重によりガイドレール7に沿って摺動することにより、駆動ローラ2から離間するように変位可能とされている。第1錘10は、基台5の脚部5aに備えられたシリンダ14のシリンダロッド15の先端に取着されたテーブル16により垂下方向から上方に支持されて、従動ローラ支持部材8の変位を解除する。
また、従動ローラ支持部材8には、基台5上に立設された支柱18に取着されたシリンダ19のシリンダロッド20が接続されている。そして、シリンダ19は、第1錘10がテーブル16により上方に支持されて第1錘10による従動ローラ支持部材8の変位が解除されたときに、シリンダロッド20を介して従動ローラ支持部材8を押圧する。これにより、従動ローラ3は駆動ローラ2に近接する方向に変位可能とされている。駆動ローラ支持部材6と従動ローラ支持部材8とには、互いに当接して駆動ローラ2と従動ローラ3との軸間距離を所定間隔に保持する1対の間隔保持部材21,22が相対向して備えられている。
また、基台5上に立設された支柱23には、従動ローラ3の変位方向と平行な方向に変位可能なプローブ24を備える変位センサ25が設けられている。変位センサ25は、プローブ24の先端が図示しないばね部材等により従動ローラ3方向に付勢されて従動ローラ支持部材8に当接し、従動ローラ支持部材8と共に変位することにより、従動ローラ3の変位量を検出する。
矯正ローラ4は矯正ローラ支持部材26に回転自在に軸支されている。また、矯正ローラ支持部材26は、架台11上に備えられたサーボモータ27の回転軸に連結されたボールねじ28に、連結部材29を介して接続されている。この結果、矯正ローラ4は、サーボモータ27及びボールねじ28により制御される変位量に従って、従動ローラ3の変位方向と直交する方向に変位可能とされている。
また、周長補正装置1は、図2に示すように、制御装置31を備えている。制御装置31は、駆動ローラ2の駆動モータと、テーブル16により第1錘10を上方に支持するためのシリンダ14と、従動ローラ支持部材8を駆動ローラ2に近接する方向に変位させるためのシリンダ19と、矯正ローラ4を変位させるためのサーボモータ27と、従動ローラ支持部材8の変位を検出する変位センサ25とに接続されている。また、制御装置31は、供給された金属リングWの周長の実寸を算出する第1算出装置32と、金属リングWの周長の実寸に対応する補正後の標準周長を選択する選択装置33と、補正後の標準周長に対する補正量を算出する第2算出装置34とを備えている。
次に、図1、図2を参照して、周長補正装置1の作動について説明する。周長補正装置1では、まず、駆動ローラ2と従動ローラ3との回転が停止された状態で、図2示の制御装置31が、シリンダ14を作動させて、テーブル16を上方に移動させる。これにより、テーブル16が第1錘10を支持し、第1錘10による従動ローラ支持部材8の変位が解除される。
次に、制御装置31は、シリンダ19を作動させて従動ローラ支持部材8を押圧し、従動ローラ3を駆動ローラ2に近接する方向に移動せしめる。そして、駆動ローラ支持部材6に備えられている間隔保持部材21と、従動ローラ支持部材8に備えられている間隔保持部材22とが、互いに当接された状態とする。
この状態で、前工程で圧延処理と、それに続く溶体化処理が施されたマルエージング鋼製の金属リングWが、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回して装着される。前記金属リングWの装着は、例えば前工程から搬送されてきた金属リングWを、一定距離を存して相対向する1対以上のつめ部材(図示せず)等で把持することにより行うことができる。
金属リングWが駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回わされたならば、次に制御装置31は、駆動ローラ2の回転駆動を開始し、シリンダ19による従動ローラ支持部材8の変位を解除すると共に、シリンダ14による第1錘10の支持を解除する。すると、従動ローラ支持部材8に第1錘10の荷重が作用し、従動ローラ支持部材8がガイドローラ7に沿って摺動されるので、従動ローラ3が駆動ローラ2から離間する方向に変位せしめられる。
この結果、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回わされた金属リングWが第1錘10の負荷(例えば20kg)により緊張状態となる。このとき、変位センサ25は、プローブ24を介して従動ローラ3の変位量を検出し、該変位量を制御装置31に入力する。制御装置31は、変位センサ25により検出された従動ローラ3の変位量から、第1算出装置32により駆動ローラ2と従動ローラ3との軸間距離を求め、該軸間距離の関数として金属リングWの周長の実寸を算出する。
ここで、周長補正装置1では、前記圧延処理に続く前記溶体化処理で前記補正前の複数種の金属リングWが混合されて、そのまま供給される場合がある。そこで、周長補正装置1では、次に、第1算出装置32により算出された金属リングWの周長の実寸を選択装置33に入力する。
金属リングWの周長の実寸は、前記溶体化処理において、処理条件の相違等によりバラツキを生じている。しかし、金属リングWは、前記圧延処理により、前記金属ベルトの各層に対応するそれぞれの種類毎に所定の標準周長が付与されているので、前記溶体化処理により周長の実寸にバラツキが生じたとしても、該実寸と標準周長との間には一定の対応関係がある。
そこで、次に、第1算出装置32により算出された金属リングWの周長の実寸に対応する標準周長が、選択装置33により選択される。前記標準周長が選択されたならば、次に、第2算出装置34により、金属リングWの周長の実寸と前記標準周長とが比較され、金属リングWの周長を該標準周長に補正するために必要とされる矯正ローラ4の変位量が算出される。尚、前記変位量は金属リングWのスプリングバックを考慮して設定される。
次に、制御装置31は、再びシリンダ14を作動させてテーブル16により第1錘10を支持し、第1錘10による従動ローラ支持部材8の変位を解除する。これと同時に、制御装置31は、サーボモータ27を作動させ、ボールねじ28を介して矯正ローラ支持部材26に軸支された矯正ローラ4を前記金属リングWに当接させる。そして、ボールねじ28の回転により、矯正ローラ4を前記のようにして算出された変位量に従って、上方に変位させる。このとき、矯正ローラ4の変位量は、サーボモータ27及びボールねじ28の回転数により制御される。
次に、制御装置31は、矯正ローラ4の変位が金属リングWのスプリングバックを考慮して設定された所定の変位量に達したならば、金属リングWのスプリングバックを低減するために、該変位量を数秒間維持したのち、サーボモータ27を逆転させて、矯正ローラ4を元の位置に復帰させる。そして、制御装置31は、矯正ローラ4が元の位置に復帰したならば、サーボモータ27を停止させる。
また、制御装置31は、矯正ローラ4を元の位置に復帰させるときに、シリンダ19を作動させ、従動ローラ3を駆動ローラ2から離間する方向に変位せしめる。このとき、従動ローラ3は、第1錘10の自重により変位せしめられるので、矯正ローラ4が元の位置に復帰する作動に自動的に追従して、変位せしめられる。これにより、矯正ローラ4が元の位置に復帰する際に、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回わされた金属リングWが緊張した状態を維持し、装置から脱落することを防止することができる。
図1示の周長補正装置1では、矯正ローラ4を変位させる操作を1回のみとしてもよいが、矯正ローラ4が元の位置に復帰したのち、前述と同一の操作により金属リングWの周長の実寸を算出し、さらに周長補正処理を繰り返してもよい。前記のように周長補正処理を繰り返すことにより、補正された周長の精度を向上することができる。
前記いずれかの方法により周長補正処理が終了したならば、制御装置31は、駆動ローラ2の回転を停止すると共に、シリンダ14を作動させてテーブル16により第1錘10を支持し、第1錘10による従動ローラ支持部材8の変位を解除する。次いで、制御装置31は、再びシリンダ19を作動させて、従動ローラ支持部材8を押圧し、従動ローラ3を駆動ローラ2に近接する方向に移動せしめる。
そして、周長補正処理が終了した金属リングWを、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4から取り外す。前記金属リングWの取り外しは、前記つめ部材等により金属リングWを把持することにより行うことができる。
また、周長補正装置1では、前記複数の種類の金属リングWのうち、所定の種類の金属リングWを選択的に供給するようにしてもよい。この場合には、選択装置33により選択される標準周長は、前記所定の種類の金属リングWに対応するものに予め設定しておくことができる。しかし、この場合においても、前記溶体化処理等で、前記所定の種類の金属リングWに他の種類の金属リングWが混入し、そのまま周長補正装置1に供給されることがある。
そこで、制御装置31は、第1算出装置32により金属リングWの周長の実寸が算出されたならば、該周長の実寸を選択装置33に入力し、供給された金属リングWの周長の実寸と、予め設定された標準周長とが対応していることを確認する。そして、供給された金属リングWの周長の実寸と、予め設定された標準周長とが対応していることが確認されたならば、第2算出装置34により、該周長の実寸と標準周長とを比較して矯正ローラ4の変位量を算出し、前述と同一の操作により周長補正を行う。
一方、供給された金属リングWの周長の実寸が、予め設定された標準周長に対応する周長の実寸の範囲外であった場合には、制御装置31は、再びシリンダ14を作動させてテーブル16により第1錘10を支持し、第1錘10による従動ローラ支持部材8の変位を解除する。次いで、制御装置31は、駆動ローラ2の回転を停止すると共に、再びシリンダ19を作動させて従動ローラ支持部材8を押圧し、従動ローラ3を駆動ローラ2に近接する方向に移動せしめる。そして、金属リングWを、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4から払出す。前記払出しは、周長補正後の金属リングWを取り外すときと同一にして、前記つめ部材等により金属リングWを把持することにより行うことができる。
また、周長補正装置1で、前述のようにして周長補正を行うときに、第1錘10をテーブル16により支持して従動ローラ支持部材8の変位が解除された状態で、矯正ローラ4を上方に変位させると、従動ローラ支持部材8が急激に駆動ローラ2に近接する方向に変位し、駆動ローラ支持部材6,従動ローラ支持部材8が衝突することが懸念される。しかし、本実施形態の周長補正装置1では、従動ローラ支持部材8にシリンダロッド20を介して接続されているシリンダ19が抵抗となり制動手段として作用する。この結果、従動ローラ支持部材8の駆動ローラ2に近接する方向への急激な変位が妨げられ、駆動ローラ支持部材6と、従動ローラ支持部材8との衝突を防止することができる。
図1示の周長補正装置1では、従動ローラ3を駆動ローラ2に近接する方向に移動せしめる手段として、シリンダロッド20を介して従動ローラ支持部材8に接続されたシリンダ19を用いている。しかし、図3示の周長補正装置41のように、従動ローラ支持部材8にワイヤ42を介して接続された第2錘43を用いてもよい。
周長補正装置41において、従動ローラ支持部材8には、駆動ローラ支持部材6方向に水平に延設されたワイヤ42が接続されており、ワイヤ42の他端部には第2錘43が連結されている。第2錘43は、ワイヤ9の途中、架台11の駆動ローラ2側の基部に取着されたブラケット44に軸支された滑車45を介して、鉛直下方に垂下されている。
この結果、従動ローラ3は、第1錘10による従動ローラ支持部材8の変位が解除されたときには、第2錘43の荷重(例えば5kg)によりガイドレール7に沿って摺動して、駆動ローラ2に近接するように変位せしめられる。第2錘43は、基台5の脚部5bに備えられたシリンダ46のシリンダロッド47の先端に取着されたテーブル48により垂下方向から上方に支持されて、従動ローラ支持部材8の変位を解除する。
また、図3示の周長補正装置41は、矯正ローラ4が上方に変位した後、元の位置に復帰する際には、第1錘10に代えて、従動ローラ支持部材8にワイヤ49を介して接続された第3錘50を用いる。
周長補正装置41において、従動ローラ支持部材8には、駆動ローラ支持部材6から離間する方向に水平に延設されたワイヤ49が接続されており、ワイヤ49の他端部には第3錘50が連結されている。第3錘50は、ワイヤ9の途中、架台11の従動ローラ3側の基部に取着されたブラケット51に軸支された滑車52を介して、鉛直下方に垂下されている。
この結果、矯正ローラ4が上方から元の位置に復帰する際には、従動ローラ支持部材8に第3錘50の荷重(例えば30kg)が作用することにより、従動ローラ3が駆動ローラ2から離間する方向に変位せしめられる。従って、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回わされた金属リングWが緊張した状態を維持することができる。
第3錘50は、基台5の脚部5aに備えられたシリンダ53のシリンダロッド54の先端に取着されたテーブル55により垂下方向から上方に支持されることにより、従動ローラ支持部材8の変位を解除する。
周長補正装置1,41の矯正ローラ支持部材26は、図4に拡大して示すように、駆動ローラ支持部材6と従動ローラ支持部材8とが、両者の間隔保持部材21,22を介して当接したときに、間隔保持部材21,22に係合するように備えられている。そして、矯正ローラ4は、駆動ローラ支持部材6、従動ローラ支持部材8が間隔保持部材21,22を介して当接したときの駆動ローラ2と従動ローラ3との軸間の垂直二等分線H上に軸支されている。従って、矯正ローラ4が次第に上方に変位するときには、図5示のように、駆動ローラ2の軸心Aと、従動ローラ3の軸心Bと、矯正ローラ4の軸心Cとは、常にAC=BCの関係を維持している。
この結果、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回された金属リングWにおいて、矯正ローラ4と駆動ローラ2との間の部分WACと、矯正ローラ4と従動ローラ2との間の部分WBCとに等しい荷重がかかる。従って、周長補正後に幅、板厚等の精度に優れた金属リングWを得ることができる。
また、周長補正装置1,41において、矯正ローラ4は、図6に示すように、外周面61の幅方向の断面形状が円弧状となっている。そこで、かかる矯正ローラ4をサーボモータ27及びボールねじ28で付勢して金属リングWを組成変形せしめることにより、金属リングWに矯正ローラ4の外周面61の形状が転写され、図7に示すように、幅方向の断面形状が円弧状となっている金属リングWを得ることができる。
前記断面形状が付与された金属リングWは、無段変速機用ベルトを形成するために、複数の金属リングW,W,・・・を、図7に矢示するように相互に積層したときに、各金属リングWが前記円弧状部62により相互に係合するので、容易に積層状態を保持することができる。
ところで、金属リングWは、前記溶体化処理が完了するまでの工程で、図8(a)示のように左右の周縁63a,63bの周長が異なるような変形を生じていることがある。前記周縁63a,63bの周長差は、マルエージング鋼等の薄板をドラム状に溶接する際に、ドラム状体がテーパ状に変形したり、ドラム状体を所定の幅に裁断する際に金属リングWがテーパ状に変形することによるものである。前記周長差は、或いは、前記溶体化時に加熱された金属組織が変態を起こすために、このときの金属リングWの保持状態や、溶体化後の冷却速度等の相違により生じるものである。尚、図8では、説明のために周縁63a,63bの周長差を誇張して示している。
金属リングWは、前記周縁63a,63bの周長差をそのまま放置して周長補正を行うと、後工程の時効処理及び窒化処理で、前記周長差がさらに拡大する虞がある。また、前記周長補正時に駆動ローラ2を回転駆動すると、金属リングWが矯正ローラ4の外周面61の円弧状形状に沿って、矯正ローラ4の中央から短い方の周縁(図では63a)側に移動する。この結果、周長補正後の金属リングWの幅方向に所望の円弧状形状が付与できなかったり、甚だしい場合は、金属リングWが矯正ローラ4から脱落して周長補正自体が困難になることがある。
そこで、本実施形態では、次に駆動ローラ2が回転を停止している状態で従動ローラ3を駆動ローラ2から離間する方向に変位せしめて金属リングWに塑性変形により変形可能な荷重を付与する。前記荷重は、金属リングWに張力を付与するための荷重より大であるが、金属リングWの周長補正を可能にするほど大きくする必要はない。
この結果、図8(b)に示すように、金属リングWが駆動ローラ2の外周面64と、従動ローラ3の外周面65とに沿う形状に矯正され、左右の周縁63a,63bの周長が等しくなる。
前述のようにして、左右の周縁63a,63bの周長が等しくなったならば、先に説明したように、駆動ローラ2を回転駆動しつつ、金属リングWの周長の実寸を測定し、次いで、矯正ローラ4を変位せしめて金属リングWに塑性変形により周長補正可能な荷重を付与することにより、金属リングWを所定の周長に周長補正する。前記周長補正可能な荷重は、前記塑性変形により周長差を矯正する荷重よりも大である。
金属リングWの左右の周縁63a,63bの周長が異なるときには、図9乃至図13に示す矯正ローラ傾動手段を備える装置により周長差を矯正するようにしてもよい。
図9示の装置は周長補正装置1,41の変形例であり、矯正ローラ傾動手段71は、図1,3示のボールねじ28に連結された移動部材72と、矯正ローラ4を軸支して移動部材72に傾動自在に取着された矯正ローラ支持部材26と、矯正ローラ支持部材26を傾動させる1対の傾斜部材73a,73bとを備えている。移動部材72は上下方向に延設されたガイドレール74に沿って摺動自在とされ、矯正ローラ支持部材26は、ボールねじ28により移動部材72を介して変位が付与される。
傾斜部材73a,73bは、共に縦断面視くさび状に形成されており、一側面に傾斜面75が形成されている。両傾斜部材73a,73bは、それぞれ移動部材72に支持された押圧ねじ76,77により移動部材72と矯正ローラ支持部材26との間へ押圧挿入することができ、傾斜面75により移動部材72に対して矯正ローラ支持部材26を傾斜させる。
この結果、傾斜部材73a,73bは、それぞれ押圧ねじ76,77により挿入量を調節することによって、矯正ローラ支持部材26を所望の角度に傾動させることができる。そして、矯正ローラ支持部材26が傾動することによって、矯正ローラ支持部材26に軸支されている矯正ローラ4の軸線Zを上下方向に傾斜させることができる。
前記構成を備える周長補正装置1,41では、まず、金属リングWの両周縁63a,63bの周長差を測定し、図10(a)に示すような傾斜(一方の周縁63bから他方の周縁63aにかけての縮径方向の傾斜)を把握する。
次いで、図9に示すように、移動部材72と矯正ローラ支持部材26との間への傾斜部材73a,73bの挿入量を調節して、金属リングWの傾斜に対応するように矯正ローラ4の軸線Zを傾斜させる。
続いて、前述のように、金属リングWを、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回して装着する。このとき、図10(a)に側面示するように、矯正ローラ4の軸線Zの傾斜方向に対して金属リングWの傾斜方向が相反するように、金属リングWを駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回す。そして、図10(b)に平面示するように、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回された金属リングWを緊張状態として、駆動ローラ2を回転駆動しつつ、金属リングWの周長の実寸を測定した後、矯正ローラ4を変位せしめて金属リングWに塑性変形により周長補正可能な荷重を付与することにより、金属リングWを所定の周長に周長補正する。
このとき、矯正ローラ4の軸線Zが金属リングWの傾斜に相反して傾斜していることにより、図10(c)に平面示するように、金属リングWは両周縁63a,63bの周長差による傾斜が解消され、高精度な周長補正が施される。
また、図9の装置に替えて、図11に示すように、移動部材72と矯正ローラ支持部材26との間に単一の傾斜部材73を介在させる矯正ローラ傾動手段78を採用してもよい。傾斜部材73は、縦断面視くさび状に形成されており、一側面に形成された傾斜面75により移動部材72に対して矯正ローラ支持部材26を傾斜させることができる。
また、図9,11の装置に替えて、図12に示す矯正ローラ傾動手段81を備える装置を採用することもできる。
矯正ローラ傾動手段81は、図1,3示のボールねじ28に連結された移動部材82と、矯正ローラ4を軸支して移動部材82に揺動自在に支持された矯正ローラ支持部材26と、該矯正ローラ支持部材26を揺動させる揺動手段83とを備えている。
移動部材82は、上下方向に延設された一対のガイドレール84(図12において一方のみを示す)に沿って摺動自在とされている第1基体部85と、該第1基体部85の一端部(図中下端部)から水平方向に延出する支承部86とを備えている。
矯正ローラ支持部材26は、移動部材82の第1基体部85に沿って延びる第2基体部87と、矯正ローラ4を軸支する矯正ローラ支持部88とを備えている。また、矯正ローラ支持部88の下方端部には断面視半円状の当接部89が形成されている。当接部89は支承部86に支承され、支承部86には当接部89に対応する凹部90が形成されている。これにより、矯正ローラ支持部材26は当接部89を支点として第2基体部87が移動部材82の第1基体部85に対して接近・離反する方向に揺動自在とされる。
揺動手段83は、移動部材82の第1基体部85に備えられたサーボモータ91と、サーボモータ91の回転軸に同軸に連結されたボールねじ92とを備えている。ボールねじ92は、移動部材82の第1基体部85に回転自在に支持されて水平方向に延び、螺合部材93を介して矯正ローラ支持部材26の第2基体部87に連結されている。螺合部材93は、図13に示すように、矯正ローラ支持部材26の第2基体部87にボールブッシュ等の介挿部材94を介して一対の枢軸95により回転自在に支持されている。螺合部材93は、これによって、矯正ローラ支持部材26の第2基体部87の揺動に円滑に追従できるようになっている。
また、揺動手段83は、図14に示す揺動制御装置96を備えている。揺動制御装置96は、サーボモータ91と、金属リングWの両周縁63a,63bの周長差を測定する測定装置97とに接続されている。そして、揺動制御装置96は、測定装置97により測定される前記周長差に基づいて、サーボモータ91の作動を制御する。
前記矯正ローラ傾動手段81を備える周長補正装置1,41では、まず、測定装置97により金属リングWの両周縁63a,63bの周長差を測定し、図10(a)に示すような傾斜(一方の周縁63bから他方の周縁63aにかけての縮径方向の傾斜)を把握する。測定装置97により測定された金属リングWの傾斜方向及び傾斜量は制御装置96に入力され、制御装置96はサーボモータ91を駆動して矯正ローラ4の軸線Zを金属リングWの傾斜に相反して傾斜させる。即ち、サーボモータ91が制御装置96により所定の回転回数だけ回転され、ボールねじ92の回転に伴って螺合部材93を介して矯正ローラ支持部材26の第2基体部87が傾斜される。この結果、図12に示すように、矯正ローラ4の軸線Zが傾斜した状態となる。
続いて、前述のように、金属リングWを、駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回し、矯正ローラ4の軸線Zの傾斜方向に対して金属リングWの傾斜方向が相反するように装着する。そして、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回された金属リングWを緊張状態として、駆動ローラ2を回転駆動しつつ、金属リングWの周長の実寸を測定した後、矯正ローラ4を変位せしめて金属リングWに塑性変形により周長補正可能な荷重を付与することにより、金属リングWを所定の周長に周長補正する。
このとき、矯正ローラ4の軸線Zが金属リングWの傾斜に相反して傾斜していることにより、金属リングWは両周縁63a,63bの周長差による傾斜が解消され、高精度な周長補正が施される。
尚、金属リングWを駆動ローラ2、従動ローラ3及び矯正ローラ4に掛け回して装着する操作と、矯正ローラ4の軸線Zを傾斜させる操作とは、どちらが先に行なわれてもよく、また、同時に行なわれてもよい。
産業上の利用可能性
本発明の金属リングの周長補正装置は、例えば、無段変速機用金属ベルトの材料となる金属リングの周長補正を自動的に行う用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の周長補正装置の一実施形態を示す構成図である。
図2は、図1の装置の構成を示すブロック図である。
図3は、本発明の周長補正装置の他の実施形態を示す構成図である。
図4は、図1の装置の要部拡大図である。
図5は、図1の装置の模式的作動説明図である。
図6は、図1の装置の要部断面図である。
図7は、複数の金属リングを積層した状態を示す説明的断面図である。
図8は、図1の装置の要部を示す説明的断面図である。
図9は、矯正ローラ傾動手段の一構成例を模式的に示す説明図である。
図10は、矯正ローラ傾動手段を備える本発明の周長補正装置の作動説明図である。
図11は、矯正ローラ傾動手段の他の構成例を模式的に示す説明図である。
図12は、矯正ローラ傾動手段のさらに他の構成例を模式的に示す説明図である。
図13は、図12の矯正ローラ傾動手段の要部断面図である。
図14は、図12の矯正ローラ傾動手段の構成を示すブロック図である。
図15は、従来の周長補正装置の一形態を示す構成図である。

Claims (19)

  1. 近接した状態で金属リングを装着して掛け回すことが可能な駆動ローラ及び従動ローラと、
    該駆動ローラ及び従動ローラの中間位置に備えられた矯正ローラと、
    該駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラに金属リングが掛け回されたときに該駆動ローラ及び従動ローラを相対的に互いに離間する方向に変位せしめる第1の変位付与手段と、
    第1の変位付与手段による変位が解除されたときに、該駆動ローラと従動ローラとの間隔を所定間隔に保持する間隔保持手段と、
    該矯正ローラを該駆動ローラ及び従動ローラの変位方向と直交し且つ該金属リングを延引する方向に変位せしめて、該間隔保持手段により該駆動ローラと従動ローラとの間隔を所定間隔に保持せしめると共に、該金属リングの周長を補正する第2の変位付与手段とを備える周長補正装置において、
    第1及び第2の変位付与手段による変位が解除されたときに、該駆動ローラと該従動ローラとを互いに近接する方向に変位せしめる第3の変位付与手段を備えることを特徴とする金属リングの周長補正装置。
  2. 前記第2の変位付与手段は、前記矯正ローラを前記駆動ローラ及び従動ローラの変位方向と直交し且つ前記金属リングを延引する方向に変位せしめて前記金属リングの周長を補正した後、該矯正ローラの変位を解除して元の位置に復帰せしめ、
    前記第1の変位付与手段は、第2の変位付与手段が該矯正ローラの変位を解除して元の位置に復帰せしめる際に、該駆動ローラ及び従動ローラを相対的に互いに離間する方向に変位せしめて、該金属リングが該駆動ローラ、従動ローラ及び矯正ローラに掛け回された状態を維持すると共に、該矯正ローラが元の位置に復帰した後、該駆動ローラ及び従動ローラの相対的に互いに離間する方向への変位を解除し、
    前記第3の変位付与手段は、第2の変位付与手段による変位が解除された後、該駆動ローラと該従動ローラとを互いに近接する方向に変位せしめることを特徴とする請求項1記載の金属リングの周長補正装置。
  3. 前記第1の変位付与手段は、前記駆動ローラまたは従動ローラに接続されて他方のローラから離反する方向に水平に延設されたワイヤと、該ワイヤの他端部に連結され、該ワイヤの途中に設けられた滑車により鉛直方向に垂下されることにより該ワイヤを介して前記駆動ローラまたは従動ローラに変位を付与する第1の錘と、該錘を垂下方向から上方に支持して該錘による変位を解除するテーブルとからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の金属リングの周長補正装置。
  4. 前記間隔保持手段は、前記駆動ローラを軸支する駆動ローラ支持部材と、前記従動ローラを軸支する従動ローラ支持部材とから、相対向して突出して形成され、互いに当接する1対の当接部材からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  5. 前記第2の変位付与手段は、前記矯正ローラに接続され、該矯正ローラを前記駆動ローラ及び従動ローラの変位方向と直交し且つ前記金属リングを延引する方向に変位せしめるボールねじと、該ボールねじを回転駆動するサーボモータとからなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  6. 前記第3の変位付与手段は、前記駆動ローラまたは従動ローラにシリンダロッドを介して接続され該駆動ローラまたは従動ローラを他方のローラに近接する方向に変位せしめるシリンダであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  7. 前記第3の変位付与手段は、前記駆動ローラまたは従動ローラに接続されて他方のローラの方向に水平に延設されたワイヤと、該ワイヤの他端部に連結され、該ワイヤの途中に設けられた滑車により鉛直方向に垂下されることにより該ワイヤを介して該駆動ローラまたは従動ローラを他方のローラに近接する方向に変位せしめる第2の錘と、該錘を垂下方向から上方に支持して該錘による変位を解除するテーブルとからなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  8. 前記第2の変位付与手段により前記金属リングを延引する際に、該駆動ローラと該従動ローラとの急激な接近を妨げる制動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  9. 前記第3の変位付与手段が前記駆動ローラまたは従動ローラにシリンダロッドを介して接続され該駆動ローラまたは従動ローラを他方のローラに近接する方向に変位せしめるシリンダであるときに、
    前記制動手段は該シリンダであることを特徴とする請求項8記載の金属リングの周長補正装置。
  10. 前記第3の変位付与手段が前記駆動ローラまたは従動ローラに接続されて他方のローラの方向に水平に延設されたワイヤと、該ワイヤの他端部に連結され、該ワイヤの途中に設けられた滑車により鉛直方向に垂下されることにより該ワイヤを介して該駆動ローラまたは従動ローラを他方のローラに近接する方向に変位せしめる第2の錘と、該錘を垂下方向から上方に支持して該錘による変位を解除するテーブルとからなるときに、
    前記制動手段は該第2の錘が接続されているローラに接続されて他方のローラから離反する方向に水平に延設されたワイヤと、該ワイヤの他端部に連結され、該ワイヤの途中に設けられた滑車により鉛直方向に垂下されて、該第2の錘が接続されているローラと他方のローラとの急激な接近を制動する第3の錘と、該錘を垂下方向から上方に支持して該錘による制動を解除するテーブルとからなることを特徴とする請求項8記載の金属リングの周長補正装置。
  11. 前記第2の変位付与手段は、前記間隔保持手段により所定間隔に保持されている前記駆動ローラと従動ローラとの軸心の間隔を垂直に二等分する線上に沿って、前記矯正ローラを変位せしめることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  12. 前記金属リングの周長補正前の周長の実寸を算出する第1の算出装置と、第1の算出装置により算出された周長の実寸に対応する補正後の標準周長を選択する選択装置と、該金属リングの周長の実寸と該標準周長とを比較して、該金属リングの周長を該標準周長に補正するために必要とされる補正量を算出する第2の算出装置とを備え、前記第2の変位付与手段は第2の算出装置により算出された補正量に従って前記矯正ローラを変位せしめることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  13. 前記金属リングの周長補正前の周長の実寸を算出する算出装置と、該算出装置により測定された周長の実寸に対応する補正後の標準周長を選択する選択装置とを備え、該算出装置により測定された該周長の実寸が該選択装置により選択される補正後の標準周長の範囲外であったときに、前記第1の変位付与手段は前記変位を解除することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  14. 前記矯正ローラは、外周面が厚さ方向に沿って中央部で凸の断面視円弧状の形状を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  15. 前記矯正ローラは、前記金属リングの両周縁の周長差に応じて軸線を傾動させる矯正ローラ傾動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の金属リングの周長補正装置。
  16. 前記矯正ローラ傾動手段は、前記第2の変位付与手段に連結されて金属リングの延引方向に移動する移動部材と、該移動部材に傾動自在に取着されて前記矯正ローラを軸支する矯正ローラ支持部材と、該移動部材と矯正ローラ支持部材との間に挿入され、該矯正ローラの軸線を傾斜させる傾斜面を有する傾斜部材とを備えることを特徴とする請求項15記載の金属リングの周長補正装置。
  17. 前記矯正ローラ傾動手段は、前記第2の変位付与手段に連結されて金属リングの延引方向に移動する移動部材と、該移動部材に揺動自在に取着されて前記矯正ローラを軸支する矯正ローラ支持部材と、該矯正ローラ支持部材を揺動させることにより矯正ローラの軸線を傾斜させる揺動手段とを備えることを特徴とする請求項15記載の金属リングの周長補正装置。
  18. 前記矯正ローラ支持部材は、前記矯正ローラを軸支して前記金属リングの延引方向に延びる基体部と、該基体部の一端に形成された断面半円形状の当接部とを備え、
    前記移動部材は、前記金属リングの延引方向に延びる基体部と、該基体部に連設されて該軸支部材の当接部に対応する凹部により該当接部を支承する支承部とを備え、
    前記揺動手段は、該当接部を支点として、該矯正ローラ支持部材の基体部の他端部側を、該移動部材の基体部に対して接近または離反させることにより、前記矯正ローラ支持部材を揺動させることを特徴とする請求項17記載の金属リングの周長補正装置。
  19. 前記揺動手段は、前記移動部材の基体部に回転自在に支持されて前記矯正ローラ支持部材の基体部を接近または離反させる方向に沿って延設されたボールねじと、前記矯正ローラ支持部材の基体部に枢支されて該ボールねじに螺合する螺合部材と、前記ボールねじを回転駆動し該螺合部材を介して前記矯正ローラ支持部材を揺動させるサーボモータと、前記金属リングの両周縁の周長差に応じて、矯正ローラの軸線を傾斜させるべく該サーボモータを制御する制御装置とを備えることを特徴とする請求項18記載の金属リングの周長補正装置。
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