JP3491565B2 - Cvtベルトのエレメント周長測定方法および測定装置 - Google Patents
Cvtベルトのエレメント周長測定方法および測定装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、板状の複数のエ
レメントを板厚方向に順次積層して環状に形成してエレ
メント組立体とし、このエレメント組立体をリング部材
により環状に保持して組み付けたCVTベルトのエレメ
ント周長測定方法および測定装置に関する。
レメントを板厚方向に順次積層して環状に形成してエレ
メント組立体とし、このエレメント組立体をリング部材
により環状に保持して組み付けたCVTベルトのエレメ
ント周長測定方法および測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に示すように、自動車におけるベル
ト式無段変速機(CVT)では、CVTベルト1が、入
力軸3および出力軸5にそれぞれ取り付けられたプーリ
7および9に巻き掛けられて使用される(平成10年8
月 日産自動車株式会社発行新型車解説書(W11−
0)参照)。プーリ7および9は、それぞれ溝幅を無段
階に変えられる側板7aおよび9aを備え、溝幅を変え
ることでCVTベルト1の各プーリ7,9に対する巻き
付け半径が変わり、これにより入力軸3と出力軸5との
間の回転数比、すなわち変速比が連続的無段階に変化す
ることとなる。
ト式無段変速機(CVT)では、CVTベルト1が、入
力軸3および出力軸5にそれぞれ取り付けられたプーリ
7および9に巻き掛けられて使用される(平成10年8
月 日産自動車株式会社発行新型車解説書(W11−
0)参照)。プーリ7および9は、それぞれ溝幅を無段
階に変えられる側板7aおよび9aを備え、溝幅を変え
ることでCVTベルト1の各プーリ7,9に対する巻き
付け半径が変わり、これにより入力軸3と出力軸5との
間の回転数比、すなわち変速比が連続的無段階に変化す
ることとなる。
【0003】図9は、CVTベルト1の一部を分解して
示した斜視図で、このCVTベルト1は、厚さ1.8m
mの薄板状のエレメント11を板厚方向に400枚程度
順次積層して環状に形成したエレメント組立体Eと、エ
レメント組立体Eを環状に保持する二つのリング組立体
Lとから構成されている。
示した斜視図で、このCVTベルト1は、厚さ1.8m
mの薄板状のエレメント11を板厚方向に400枚程度
順次積層して環状に形成したエレメント組立体Eと、エ
レメント組立体Eを環状に保持する二つのリング組立体
Lとから構成されている。
【0004】各エレメント11は、両側部に切欠11a
が形成され、エレメント組立体Eとした状態でこの各切
欠11aが環状の溝13となって、この溝13にリング
組立体Lが嵌め込まれる。図10は図9のA−A断面図
で、エレメント11は、環状のエレメント組立体Eとし
た状態での内周側の板厚が外周側の板厚より薄く形成さ
れている。これにより、環状に形成したエレメント組立
体Eの状態で、図10のように、薄板部11bと厚板部
11cとの間のロッキングエッジ11dが、隣接するエ
レメント11の背面に当接するものとなる。以後、この
当接状態を「ロッキングエッジ当たり」と呼ぶ。また、
各リング組立体Lは、直径の異なる複数の円筒状のリン
グを層状に重ねたものである。
が形成され、エレメント組立体Eとした状態でこの各切
欠11aが環状の溝13となって、この溝13にリング
組立体Lが嵌め込まれる。図10は図9のA−A断面図
で、エレメント11は、環状のエレメント組立体Eとし
た状態での内周側の板厚が外周側の板厚より薄く形成さ
れている。これにより、環状に形成したエレメント組立
体Eの状態で、図10のように、薄板部11bと厚板部
11cとの間のロッキングエッジ11dが、隣接するエ
レメント11の背面に当接するものとなる。以後、この
当接状態を「ロッキングエッジ当たり」と呼ぶ。また、
各リング組立体Lは、直径の異なる複数の円筒状のリン
グを層状に重ねたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したC
VTベルト1は、各エレメント11相互間の隙間量がベ
ルトの性能(スリップ率)に影響を及ぼすため、隙間量
を適正に管理する必要がある。隙間の管理には、例えば
図11に示すように、エレメント組立体Eにリング組立
体Lを組み込んだCVTベルト1に対し、シックネスゲ
ージ15をエレメント11相互間に挿入して計測するこ
とが考えられる。
VTベルト1は、各エレメント11相互間の隙間量がベ
ルトの性能(スリップ率)に影響を及ぼすため、隙間量
を適正に管理する必要がある。隙間の管理には、例えば
図11に示すように、エレメント組立体Eにリング組立
体Lを組み込んだCVTベルト1に対し、シックネスゲ
ージ15をエレメント11相互間に挿入して計測するこ
とが考えられる。
【0006】この場合、隙間が適正に確保されていない
場合には、エレメント組立体Eとリング組立体Lとをば
らし、調整用のエレメントを使用して、再度エレメント
組立体Eとリング組立体Lとを組み込むという、煩雑な
組み替え作業が必要となる。
場合には、エレメント組立体Eとリング組立体Lとをば
らし、調整用のエレメントを使用して、再度エレメント
組立体Eとリング組立体Lとを組み込むという、煩雑な
組み替え作業が必要となる。
【0007】組み替え作業を避けるために、図12に示
すように、エレメント11を直線状に積み重ねてその全
長を測定し、その測定値とリング組立体Lの内周寸法と
を比較して隙間の管理をする方法が考えられる。
すように、エレメント11を直線状に積み重ねてその全
長を測定し、その測定値とリング組立体Lの内周寸法と
を比較して隙間の管理をする方法が考えられる。
【0008】しかしながら、複数のエレメント11を直
線状に積層してその全長を測定する方法は、エレメント
11相互が平面当たりとなるために、製造時に表面の周
縁部に発生するかえり等の数μmの微細な凸部によっ
て、凸部高さを例えば2μmとすると、2μm×400
枚(エレメント11の使用枚数)=0.8mmに相当す
る長さが、誤差となって測定されてしまう。このため、
積層配置した複数のエレメント11の全長寸法の測定が
不正確となり、隙間管理が確実にできないものとなる。
線状に積層してその全長を測定する方法は、エレメント
11相互が平面当たりとなるために、製造時に表面の周
縁部に発生するかえり等の数μmの微細な凸部によっ
て、凸部高さを例えば2μmとすると、2μm×400
枚(エレメント11の使用枚数)=0.8mmに相当す
る長さが、誤差となって測定されてしまう。このため、
積層配置した複数のエレメント11の全長寸法の測定が
不正確となり、隙間管理が確実にできないものとなる。
【0009】そこで、この発明は、CVTベルトにおけ
るエレメント相互間の隙間の管理を、煩雑な組み替え作
業を伴うことなく正確に行えるようにすることを目的と
している。
るエレメント相互間の隙間の管理を、煩雑な組み替え作
業を伴うことなく正確に行えるようにすることを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、板状の複数のエレメントを板厚
方向に積層して環状に形成してエレメント組立体とし、
このエレメント組立体をリング部材により環状に保持し
て組み付けたCVTベルトのエレメント周長測定方法に
おいて、前記複数のエレメントを、円弧形状となるよう
板厚方向に積層配置した状態で、この円弧形状に沿った
前記複数のエレメントの積層方向の長さを測定するエレ
メント周長測定方法としてある。
に、請求項1の発明は、板状の複数のエレメントを板厚
方向に積層して環状に形成してエレメント組立体とし、
このエレメント組立体をリング部材により環状に保持し
て組み付けたCVTベルトのエレメント周長測定方法に
おいて、前記複数のエレメントを、円弧形状となるよう
板厚方向に積層配置した状態で、この円弧形状に沿った
前記複数のエレメントの積層方向の長さを測定するエレ
メント周長測定方法としてある。
【0011】上記したCVTベルトのエレメント周長測
定方法によれば、複数のエレメントを円弧形状に積層配
置することで、エレメント相互が平面当たりとならず、
エレメント表面に製造時に周縁部に発生したかえり等の
微細な凸部が周長として測定されることがない。
定方法によれば、複数のエレメントを円弧形状に積層配
置することで、エレメント相互が平面当たりとならず、
エレメント表面に製造時に周縁部に発生したかえり等の
微細な凸部が周長として測定されることがない。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の発明の周長
測定方法において、積層配置した複数のエレメントの円
弧形状に沿った長さを測定する際に、前記エレメントに
対し積層方向に向けて押付荷重を付加する。
測定方法において、積層配置した複数のエレメントの円
弧形状に沿った長さを測定する際に、前記エレメントに
対し積層方向に向けて押付荷重を付加する。
【0013】上記周長測定方法によれば、円弧形状に配
置されたエレメント相互間が圧縮されて使用状態に近い
ものとなる。
置されたエレメント相互間が圧縮されて使用状態に近い
ものとなる。
【0014】請求項3の発明は、請求項2の発明の周長
測定方法において、押付荷重は、10kg〜40kgで
ある。
測定方法において、押付荷重は、10kg〜40kgで
ある。
【0015】押付荷重が10kgを下回ると、エレメン
トを円弧状に配置する際に必要なガイドとのフリクショ
ンが残ってエレメントの姿勢が安定せず、40kgを上
回ると、エレメント自体が弾性変形してしまう。
トを円弧状に配置する際に必要なガイドとのフリクショ
ンが残ってエレメントの姿勢が安定せず、40kgを上
回ると、エレメント自体が弾性変形してしまう。
【0016】請求項4の発明は、請求項2または3の発
明の周長測定方法において、押付荷重を付加する前に、
エレメント表面の微小な凸部を押し潰す。
明の周長測定方法において、押付荷重を付加する前に、
エレメント表面の微小な凸部を押し潰す。
【0017】上記周長測定方法によれば、エレメント表
面の微細な凸部が寸法測定に影響しない程度の高さに変
形される。
面の微細な凸部が寸法測定に影響しない程度の高さに変
形される。
【0018】請求項5の発明は、請求項4の発明の周長
測定方法において、円弧形状に積層配置したエレメント
に対し、押付荷重より大きな荷重を積層方向に向けて付
加することでエレメント表面の微小な凸部を押し潰すも
のである。
測定方法において、円弧形状に積層配置したエレメント
に対し、押付荷重より大きな荷重を積層方向に向けて付
加することでエレメント表面の微小な凸部を押し潰すも
のである。
【0019】上記周長測定方法によれば、エレメント表
面における凸部を寸法測定に影響しない程度の高さに変
形することを、複数のエレメントを円弧形状に積層配置
した状態で容易に行える。
面における凸部を寸法測定に影響しない程度の高さに変
形することを、複数のエレメントを円弧形状に積層配置
した状態で容易に行える。
【0020】請求項6の発明は、板状の複数のエレメン
トを板厚方向に積層して環状に形成してエレメント組立
体とし、このエレメント組立体をリング部材により環状
に保持して組み付けたCVTベルトのエレメント周長測
定方法において、前記複数のエレメントを板厚方向に積
層配置した状態で、この積層方向に沿ったエレメントの
長さを測定する際に、前記エレメントに振動を与える。
トを板厚方向に積層して環状に形成してエレメント組立
体とし、このエレメント組立体をリング部材により環状
に保持して組み付けたCVTベルトのエレメント周長測
定方法において、前記複数のエレメントを板厚方向に積
層配置した状態で、この積層方向に沿ったエレメントの
長さを測定する際に、前記エレメントに振動を与える。
【0021】上記周長測定方法よれば、エレメントが振
動を受けることで、姿勢が安定し整列された状態とな
る。
動を受けることで、姿勢が安定し整列された状態とな
る。
【0022】請求項7の発明は、板状の複数のエレメン
トを板厚方向に積層して環状に形成してエレメント組立
体とし、このエレメント組立体をリング部材により環状
に保持して組み付けたCVTベルトのエレメント周長測
定方法において、前記複数のエレメントを板厚方向に積
層配置した状態で、この積層方向に向けて、前記CVT
ベルトの実際の使用時に発生する負荷に相当する押付荷
重を付加しつつ、前記複数のエレメントの積層方向の長
さを測定するエレメント周長測定方法としてある。
トを板厚方向に積層して環状に形成してエレメント組立
体とし、このエレメント組立体をリング部材により環状
に保持して組み付けたCVTベルトのエレメント周長測
定方法において、前記複数のエレメントを板厚方向に積
層配置した状態で、この積層方向に向けて、前記CVT
ベルトの実際の使用時に発生する負荷に相当する押付荷
重を付加しつつ、前記複数のエレメントの積層方向の長
さを測定するエレメント周長測定方法としてある。
【0023】上記周長測定方法によれば、CVTベルト
の周長として、実際に車両に使用された状態での寸法に
近い値が得られる。
の周長として、実際に車両に使用された状態での寸法に
近い値が得られる。
【0024】請求項8の発明は、請求項7の発明の周長
測定方法において、複数のエレメントの積層方向の長さ
を、直線形状となるよう板厚方向に積層配置した状態お
よび、円弧形状となるよう板厚方向に積層配置した状態
で、それぞれ測定し、この各測定値を、CVTベルトの
実際の使用時での直線部位および円弧部位の長さ分にそ
れぞれ換算して周長を得るようにしている。
測定方法において、複数のエレメントの積層方向の長さ
を、直線形状となるよう板厚方向に積層配置した状態お
よび、円弧形状となるよう板厚方向に積層配置した状態
で、それぞれ測定し、この各測定値を、CVTベルトの
実際の使用時での直線部位および円弧部位の長さ分にそ
れぞれ換算して周長を得るようにしている。
【0025】上記周長測定方法によれば、入力側および
出力側の各プーリ相互間に巻き掛けられたCVTベルト
は、両プーリ相互間の直線部位と、両プーリに接触して
いる円弧部位とが存在し、これに対応してエレメントの
積層配置を直線状態と円弧状態とで積層方向の長さを測
定することで、より実際の使用時に近い値が得られる。
出力側の各プーリ相互間に巻き掛けられたCVTベルト
は、両プーリ相互間の直線部位と、両プーリに接触して
いる円弧部位とが存在し、これに対応してエレメントの
積層配置を直線状態と円弧状態とで積層方向の長さを測
定することで、より実際の使用時に近い値が得られる。
【0026】請求項9の発明は、請求項8の発明の周長
測定方法において、直線形状および円弧形状での周長測
定をそれぞれ2回行い、いずれも1回は、CVTベルト
の実際の使用時での駆動側プーリによる回転駆動力を受
けて押し付けられる負荷に相当する押付荷重を付加した
状態、他の1回は、それより低負荷の押付荷重を付加し
た状態で行うようにしている。
測定方法において、直線形状および円弧形状での周長測
定をそれぞれ2回行い、いずれも1回は、CVTベルト
の実際の使用時での駆動側プーリによる回転駆動力を受
けて押し付けられる負荷に相当する押付荷重を付加した
状態、他の1回は、それより低負荷の押付荷重を付加し
た状態で行うようにしている。
【0027】入力側および出力側の各プーリ相互間に巻
き掛けられたCVTベルトは、入力側のプーリから出力
側のプーリに移動する直線部位が、入力側の回転駆動力
を受けて押し出されるので、この押し出し方向の負荷を
受け、一方出力側のプーリから入力側のプーリに移動す
る直線部位が入力側の回転駆動力により引張られること
で上記負荷程の大きな負荷を受けることはない。また、
両プーリに接触している円弧部位については、上記した
後者の低負荷から前者の押付方向の負荷の範囲の変動す
る負荷を逐次受ける。このため、直線形状および円弧形
状での測定を、入力側のプーリの回転駆動力を受けての
負荷に相当する荷重を付加した状態と、それより低荷重
を付加した状態とでそれぞれ行うことで、より実際の使
用状態に近い値が得られる。
き掛けられたCVTベルトは、入力側のプーリから出力
側のプーリに移動する直線部位が、入力側の回転駆動力
を受けて押し出されるので、この押し出し方向の負荷を
受け、一方出力側のプーリから入力側のプーリに移動す
る直線部位が入力側の回転駆動力により引張られること
で上記負荷程の大きな負荷を受けることはない。また、
両プーリに接触している円弧部位については、上記した
後者の低負荷から前者の押付方向の負荷の範囲の変動す
る負荷を逐次受ける。このため、直線形状および円弧形
状での測定を、入力側のプーリの回転駆動力を受けての
負荷に相当する荷重を付加した状態と、それより低荷重
を付加した状態とでそれぞれ行うことで、より実際の使
用状態に近い値が得られる。
【0028】請求項10の発明は、請求項1,8,9の
いずれかの発明の周長測定方法において、円弧形状の曲
率半径は、350mm〜1000mmである。
いずれかの発明の周長測定方法において、円弧形状の曲
率半径は、350mm〜1000mmである。
【0029】曲率半径が350mm以下であると、積層
状態でのエレメントの両端が接近しすぎて測定しにくく
なる上、摩擦損失が大きくなる。一方曲率半径が100
0mmを超えると、エレメント相互が面当たりに近い状
態となり、円弧形状となる実際の使用状態とかけ離れた
状態となる。
状態でのエレメントの両端が接近しすぎて測定しにくく
なる上、摩擦損失が大きくなる。一方曲率半径が100
0mmを超えると、エレメント相互が面当たりに近い状
態となり、円弧形状となる実際の使用状態とかけ離れた
状態となる。
【0030】請求項11の発明は、請求項1,2,3,
4,5,7,8,9,10のいずれかの発明の周長測定
方法において、複数のエレメントの積層方向に沿った長
さを測定する際に、前記エレメントに振動を与えてい
る。
4,5,7,8,9,10のいずれかの発明の周長測定
方法において、複数のエレメントの積層方向に沿った長
さを測定する際に、前記エレメントに振動を与えてい
る。
【0031】上記周長測定方法よれば、円弧形状に配置
されたエレメントが振動を受けることで、姿勢が安定し
整列された状態となる。
されたエレメントが振動を受けることで、姿勢が安定し
整列された状態となる。
【0032】請求項12の発明は、請求項6または11
の発明の周長測定方法において、エレメントに与える振
動の周波数は、60Hz〜600Hzである。
の発明の周長測定方法において、エレメントに与える振
動の周波数は、60Hz〜600Hzである。
【0033】振動周波数が、60Hzを下回ると、全般
にサイクルタイムが長くなる上、エレメントが振動に追
従してしまい、600Hzを上回ると、安定した振動が
発生しなくなり、いずれの場合にもエレメントが整列し
にくいものとなる。
にサイクルタイムが長くなる上、エレメントが振動に追
従してしまい、600Hzを上回ると、安定した振動が
発生しなくなり、いずれの場合にもエレメントが整列し
にくいものとなる。
【0034】請求項13の発明は、請求項6,11,1
2のいずれかの発明の周長測定方法において、複数のエ
レメントの積層方向に沿った長さ方向のほぼ中央部を振
動させる。
2のいずれかの発明の周長測定方法において、複数のエ
レメントの積層方向に沿った長さ方向のほぼ中央部を振
動させる。
【0035】上記周長測定方法よれば、中央部から長手
方向両端に向けて全体にほぼ平均して振動が与えられ
る。
方向両端に向けて全体にほぼ平均して振動が与えられ
る。
【0036】請求項14の発明は、板状の複数のエレメ
ントを板厚方向に積層して環状に形成してエレメント組
立体とし、このエレメント組立体をリング部材により環
状に保持して組み付けたCVTベルトのエレメント周長
測定装置において、前記複数のエレメントが円弧形状と
なるよう板厚方向に積層配置されるガイド部と、このガ
イド部内に配置されたエレメントの積層方向の長さを測
定する測定器とを有する構成としてある。
ントを板厚方向に積層して環状に形成してエレメント組
立体とし、このエレメント組立体をリング部材により環
状に保持して組み付けたCVTベルトのエレメント周長
測定装置において、前記複数のエレメントが円弧形状と
なるよう板厚方向に積層配置されるガイド部と、このガ
イド部内に配置されたエレメントの積層方向の長さを測
定する測定器とを有する構成としてある。
【0037】上記構成によれば、ガイド部に複数のエレ
メントを円弧形状に積層配置した状態で、測定器により
この積層状態のエレメントを円弧形状に沿って測定す
る。
メントを円弧形状に積層配置した状態で、測定器により
この積層状態のエレメントを円弧形状に沿って測定す
る。
【0038】請求項15の発明は、請求項14の発明の
構成において、積層配置した複数のエレメントの円弧形
状に沿った長さを測定するに先だって、前記エレメント
に対し積層方向に押付荷重を付加する押付機構を設け、
測定器は、この押付機構による押付量を基にして前記長
さを測定する。
構成において、積層配置した複数のエレメントの円弧形
状に沿った長さを測定するに先だって、前記エレメント
に対し積層方向に押付荷重を付加する押付機構を設け、
測定器は、この押付機構による押付量を基にして前記長
さを測定する。
【0039】上記構成によれば、エレメントに対し、押
付機構により積層方向に向けて押付荷重を付加し、この
ときの押付機構の押付量を基にして測定器がエレメント
の円弧形状に沿った長さを測定する。
付機構により積層方向に向けて押付荷重を付加し、この
ときの押付機構の押付量を基にして測定器がエレメント
の円弧形状に沿った長さを測定する。
【0040】請求項16の発明は、請求項15の発明の
構成において、押付機構は、ボールねじを備えている。
構成において、押付機構は、ボールねじを備えている。
【0041】上記構成によれば、ボールねじの回転動作
によりエレメントが押付荷重を付加される。この場合押
し付けストローク等の制御が可能となる。
によりエレメントが押付荷重を付加される。この場合押
し付けストローク等の制御が可能となる。
【0042】請求項17の発明は、請求項15または1
6の発明の構成において、押付機構に、エレメントに対
する押付荷重を測定するロードセルを設けた構成として
ある。
6の発明の構成において、押付機構に、エレメントに対
する押付荷重を測定するロードセルを設けた構成として
ある。
【0043】上記構成によれば、エレメントに付加され
る押付荷重は、ロードセルによって測定される。
る押付荷重は、ロードセルによって測定される。
【0044】請求項18の発明は、請求項14ないし1
8のいずれかの発明の構成において、エレメントは、エ
レメント組立体として環状に形成した状態で環状の溝と
なる切欠が両側部に設けられるとともに、内周側が外周
側より板厚寸法が小さく形成され、リング部材は、円筒
状に形成されて前記エレメント組立体の環状の溝に嵌入
される構成としてある。
8のいずれかの発明の構成において、エレメントは、エ
レメント組立体として環状に形成した状態で環状の溝と
なる切欠が両側部に設けられるとともに、内周側が外周
側より板厚寸法が小さく形成され、リング部材は、円筒
状に形成されて前記エレメント組立体の環状の溝に嵌入
される構成としてある。
【0045】上記構成によれば、エレメントは、板厚寸
法の小さい部位を、環状に形成したエレメント組立体の
内周側とすることで、エレメント組立体を環状に形成し
やすく、またエレメント組立体に形成される環状の溝に
リング部材を嵌入することで、エレメント組立体が環状
に保持される。
法の小さい部位を、環状に形成したエレメント組立体の
内周側とすることで、エレメント組立体を環状に形成し
やすく、またエレメント組立体に形成される環状の溝に
リング部材を嵌入することで、エレメント組立体が環状
に保持される。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、複数のエレメ
ントを円弧形状に積層配置し、この円弧形状に沿った積
層状態のエレメントの長さを測定するようにしたので、
エレメント相互が平面当たりとならず、エレメント周長
の正確な測定が可能となり、エレメント相互間の隙間管
理が、煩雑な組み替え作業を伴うことなく正確に行うこ
とができる。
ントを円弧形状に積層配置し、この円弧形状に沿った積
層状態のエレメントの長さを測定するようにしたので、
エレメント相互が平面当たりとならず、エレメント周長
の正確な測定が可能となり、エレメント相互間の隙間管
理が、煩雑な組み替え作業を伴うことなく正確に行うこ
とができる。
【0047】請求項2の発明によれば、積層配置した複
数のエレメントの円弧形状に沿った長さを測定する際
に、前記エレメントに対し積層方向に向けて押付荷重を
付加するようにしたので、円弧形状に配置されたエレメ
ント相互間が圧縮されて使用状態に近いものとなり、測
定精度が向上する。
数のエレメントの円弧形状に沿った長さを測定する際
に、前記エレメントに対し積層方向に向けて押付荷重を
付加するようにしたので、円弧形状に配置されたエレメ
ント相互間が圧縮されて使用状態に近いものとなり、測
定精度が向上する。
【0048】請求項3の発明によれば、押付荷重を、1
0kg〜40kgとしたので、円弧形状に積層配置する
際に必要なガイドとのフリクションが解消されて姿勢が
安定するとともに、エレメント自体の弾性変形も回避さ
れ、測定精度をより向上させることができる。
0kg〜40kgとしたので、円弧形状に積層配置する
際に必要なガイドとのフリクションが解消されて姿勢が
安定するとともに、エレメント自体の弾性変形も回避さ
れ、測定精度をより向上させることができる。
【0049】請求項4の発明によれば、押付荷重を付加
する前に、エレメント表面の微小な凸部を押し潰すよう
にしたので、エレメント表面の微細な凸部を寸法測定に
影響しない程度の高さに変形することができ、より正確
な測定が可能となる。
する前に、エレメント表面の微小な凸部を押し潰すよう
にしたので、エレメント表面の微細な凸部を寸法測定に
影響しない程度の高さに変形することができ、より正確
な測定が可能となる。
【0050】請求項5の発明によれば、円弧形状に積層
配置したエレメントに対し、押付荷重より大きな荷重を
積層方向に向けて付加することでエレメント表面の微小
な凸部を押し潰すようにしたので、この作業を、複数の
エレメントを円弧形状に積層配置した状態で容易に行う
ことができる。
配置したエレメントに対し、押付荷重より大きな荷重を
積層方向に向けて付加することでエレメント表面の微小
な凸部を押し潰すようにしたので、この作業を、複数の
エレメントを円弧形状に積層配置した状態で容易に行う
ことができる。
【0051】請求項6の発明によれば、複数のエレメン
トを板厚方向に積層配置した状態で、この積層方向に沿
ったエレメントの長さを測定する際に、前記エレメント
に振動を与えるようにしたので、エレメントの姿勢が安
定して整列し、測定精度が向上する。
トを板厚方向に積層配置した状態で、この積層方向に沿
ったエレメントの長さを測定する際に、前記エレメント
に振動を与えるようにしたので、エレメントの姿勢が安
定して整列し、測定精度が向上する。
【0052】請求項7の発明によれば、CVTベルトの
実際の使用時に発生する負荷に相当する押付荷重を付加
しつつ複数のエレメントの積層方向の長さを測定するよ
うにしたので、CVTベルトの周長として、実際に車両
に使用された状態での寸法に近い値を得ることができ、
測定精度が向上する。
実際の使用時に発生する負荷に相当する押付荷重を付加
しつつ複数のエレメントの積層方向の長さを測定するよ
うにしたので、CVTベルトの周長として、実際に車両
に使用された状態での寸法に近い値を得ることができ、
測定精度が向上する。
【0053】請求項8の発明によれば、直線形状および
円弧形状でのそれぞれの測定値を、CVTベルトの実際
の使用時での直線部位および円弧部位の長さ分にそれぞ
れ換算して周長を得るようにしたので、より実際の使用
時に近い値を得ることができる。
円弧形状でのそれぞれの測定値を、CVTベルトの実際
の使用時での直線部位および円弧部位の長さ分にそれぞ
れ換算して周長を得るようにしたので、より実際の使用
時に近い値を得ることができる。
【0054】請求項9の発明によれば、直線形状および
円弧形状での測定をそれぞれ2回行い、いずれも1回
は、駆動側プーリの回転駆動力を受けて押し付けられる
負荷に相当する荷重を付加した状態、他の1回はそれよ
り低負荷の押付荷重を付加した状態で行うようにしたの
で、より実際の使用時に近い値が確実に得られる。
円弧形状での測定をそれぞれ2回行い、いずれも1回
は、駆動側プーリの回転駆動力を受けて押し付けられる
負荷に相当する荷重を付加した状態、他の1回はそれよ
り低負荷の押付荷重を付加した状態で行うようにしたの
で、より実際の使用時に近い値が確実に得られる。
【0055】請求項10の発明によれば、円弧形状の曲
率半径は、350mm〜1000mmとしたので、測定
が容易かつ摩擦損失を小さく抑えられるとともに、エレ
メント相互が面当たりに近い状態となることが回避され
て円弧形状の実際の長さに近い値が得られる。
率半径は、350mm〜1000mmとしたので、測定
が容易かつ摩擦損失を小さく抑えられるとともに、エレ
メント相互が面当たりに近い状態となることが回避され
て円弧形状の実際の長さに近い値が得られる。
【0056】請求項11の発明によれば、複数のエレメ
ントの積層方向に沿った長さを測定する際に、前記エレ
メントに振動を与えるようにしたので、エレメントの姿
勢が安定して整列し、測定精度が向上する。
ントの積層方向に沿った長さを測定する際に、前記エレ
メントに振動を与えるようにしたので、エレメントの姿
勢が安定して整列し、測定精度が向上する。
【0057】請求項12の発明によれば、エレメントに
与える振動の周波数を、60Hz〜600Hzとしたの
で、全般的なサイクルタイムの短縮化および、エレメン
トの振動への追従が回避されるとともに、安定した振動
が得られ、エレメントを効率よく整列させることができ
る。
与える振動の周波数を、60Hz〜600Hzとしたの
で、全般的なサイクルタイムの短縮化および、エレメン
トの振動への追従が回避されるとともに、安定した振動
が得られ、エレメントを効率よく整列させることができ
る。
【0058】請求項13の発明によれば、複数のエレメ
ントの積層方向に沿った長さ方向のほぼ中央部を振動さ
せるようにしたので、中央部から長手方向両端に向けて
全体にほぼ平均して振動が与えられ、複数のエレメント
を効率よく整列させることができる。
ントの積層方向に沿った長さ方向のほぼ中央部を振動さ
せるようにしたので、中央部から長手方向両端に向けて
全体にほぼ平均して振動が与えられ、複数のエレメント
を効率よく整列させることができる。
【0059】請求項14の発明によれば、複数のエレメ
ントが円弧状に積層配置されるガイド部と、このガイド
部内に配置されたエレメントの積層方向の長さを測定す
る測定器とを有する構成としたので、ガイド部に複数の
エレメントを円弧形状に積層配置した状態で、測定器に
よりエレメントを円弧形状に沿って測定でき、このとき
エレメント相互が平面当たりとならず、エレメント周長
の正確な測定が可能となる。
ントが円弧状に積層配置されるガイド部と、このガイド
部内に配置されたエレメントの積層方向の長さを測定す
る測定器とを有する構成としたので、ガイド部に複数の
エレメントを円弧形状に積層配置した状態で、測定器に
よりエレメントを円弧形状に沿って測定でき、このとき
エレメント相互が平面当たりとならず、エレメント周長
の正確な測定が可能となる。
【0060】請求項15の発明によれば、エレメントに
対し、押付機構により積層方向に向けて押付荷重を付加
し、このときの押付機構の押付量を基にして測定器がエ
レメントの円弧形状に沿った長さを測定するようにした
ので、測定作業が容易となる。
対し、押付機構により積層方向に向けて押付荷重を付加
し、このときの押付機構の押付量を基にして測定器がエ
レメントの円弧形状に沿った長さを測定するようにした
ので、測定作業が容易となる。
【0061】請求項16の発明によれば、押付機構は、
ボールねじを備えているので、押し付けストローク等の
制御が容易となりボールねじの回転動作によりエレメン
トに対して確実に押付荷重を付加することができる。
ボールねじを備えているので、押し付けストローク等の
制御が容易となりボールねじの回転動作によりエレメン
トに対して確実に押付荷重を付加することができる。
【0062】請求項17の発明によれば、押付機構に、
エレメントに対する押付荷重を測定するロードセルを設
けたので、エレメントに付加される押付荷重は、ロード
セルによって測定することができる。
エレメントに対する押付荷重を測定するロードセルを設
けたので、エレメントに付加される押付荷重は、ロード
セルによって測定することができる。
【0063】請求項18の発明によれば、エレメント
は、エレメント組立体として環状に形成した状態で環状
の溝となる切欠が両側部に設けられるとともに、内周側
が外周側より板厚寸法が小さく形成され、リング部材
は、円筒状に形成されて前記エレメント組立体の環状の
溝に嵌入される構成としたので、エレメントは、板厚寸
法の小さい部位を、環状に形成したエレメント組立体の
内周側とすることで、エレメント組立体を環状に形成し
やすく、またエレメント組立体に形成される環状の溝に
リング部材を嵌入することで、エレメント組立体を確実
に環状に保持することができる。
は、エレメント組立体として環状に形成した状態で環状
の溝となる切欠が両側部に設けられるとともに、内周側
が外周側より板厚寸法が小さく形成され、リング部材
は、円筒状に形成されて前記エレメント組立体の環状の
溝に嵌入される構成としたので、エレメントは、板厚寸
法の小さい部位を、環状に形成したエレメント組立体の
内周側とすることで、エレメント組立体を環状に形成し
やすく、またエレメント組立体に形成される環状の溝に
リング部材を嵌入することで、エレメント組立体を確実
に環状に保持することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。
面に基づき説明する。
【0065】図1は、この発明の実施の一形態に係わる
CVTベルトの周長測定装置の、一部を断面で示した平
面図であり、図2は図1の拡大されたB−B断面図であ
る。この周長測定装置は、前記図9に示したエレメント
組立体Eを構成する多数のエレメント11を、円弧形状
となるよう板厚方向に順次積層した状態で配置収容する
ガイドブロック17を備えている。
CVTベルトの周長測定装置の、一部を断面で示した平
面図であり、図2は図1の拡大されたB−B断面図であ
る。この周長測定装置は、前記図9に示したエレメント
組立体Eを構成する多数のエレメント11を、円弧形状
となるよう板厚方向に順次積層した状態で配置収容する
ガイドブロック17を備えている。
【0066】ガイドブロック17は、図2に示すよう
に、両側部の切欠11aを上下方向(図2中では左右方
向)とした状態で収容するガイド部としての凹部19を
備え、この凹部19内にて図3に示すように、下部側の
切欠11aに測定用レール21が嵌入された状態で収容
される。
に、両側部の切欠11aを上下方向(図2中では左右方
向)とした状態で収容するガイド部としての凹部19を
備え、この凹部19内にて図3に示すように、下部側の
切欠11aに測定用レール21が嵌入された状態で収容
される。
【0067】凹部19の円弧形状の曲率は、図4に示す
ように、円弧形状に並べた状態で隣接するエレメント1
1相互の角度θが0.1度となるような状態とし、測定
用レール21も上記曲率の円弧形状に形成されるものと
する。このように、エレメント11を円弧形状に配置し
て並べることで、薄板部11bと厚板部11cとの間の
ロッキングエッジ11dが、隣接するエレメント11の
背面に当接する、ロッキングエッジ当たりとなる。
ように、円弧形状に並べた状態で隣接するエレメント1
1相互の角度θが0.1度となるような状態とし、測定
用レール21も上記曲率の円弧形状に形成されるものと
する。このように、エレメント11を円弧形状に配置し
て並べることで、薄板部11bと厚板部11cとの間の
ロッキングエッジ11dが、隣接するエレメント11の
背面に当接する、ロッキングエッジ当たりとなる。
【0068】ガイドブロック17の図1中で右側端部に
は、ストッパ用ブロック23が固定されている。ストッ
パ用ブロック23はそのストッパ面23aが凹部19内
にて円弧形状に並べたエレメント11の一方の端面が当
接する。ガイドブロック17の図1中で左側端部には、
エレメント11を上記ストッパ面23aに向けて圧縮す
べく凹部19に沿って押付荷重を付与する押付機構25
が設けられている。
は、ストッパ用ブロック23が固定されている。ストッ
パ用ブロック23はそのストッパ面23aが凹部19内
にて円弧形状に並べたエレメント11の一方の端面が当
接する。ガイドブロック17の図1中で左側端部には、
エレメント11を上記ストッパ面23aに向けて圧縮す
べく凹部19に沿って押付荷重を付与する押付機構25
が設けられている。
【0069】押付機構25は、サーボモータ27と、サ
ーボモータ27によって固定側のナット29に対してね
じ棒31が回転して進退移動するボールねじ33と、ね
じ棒31の先端が一端側に連結されたロードセル35
と、ロードセル35の他端側が連結された押圧ロッド3
7とを備えている。
ーボモータ27によって固定側のナット29に対してね
じ棒31が回転して進退移動するボールねじ33と、ね
じ棒31の先端が一端側に連結されたロードセル35
と、ロードセル35の他端側が連結された押圧ロッド3
7とを備えている。
【0070】押圧ロッド37は、凹部19に入り込むプ
ッシャ39が先端に設けられ、プッシャ39の先端の押
圧面39aによってエレメント11を押し付ける。この
エレメント11に対する押付荷重をロードセル35が測
定する。
ッシャ39が先端に設けられ、プッシャ39の先端の押
圧面39aによってエレメント11を押し付ける。この
エレメント11に対する押付荷重をロードセル35が測
定する。
【0071】上記押圧ロッド37は固定側のロッドガイ
ド41に摺動可能に支持されており、ロッドガイド41
の側部に、押圧ロッド37による押付量に基づいて、円
弧形状に積層配置したエレメント11の円弧方向に沿っ
た長さ、すなわちエレメントの周長を測定する測定器と
してのリニアゲージ43が設けられている。
ド41に摺動可能に支持されており、ロッドガイド41
の側部に、押圧ロッド37による押付量に基づいて、円
弧形状に積層配置したエレメント11の円弧方向に沿っ
た長さ、すなわちエレメントの周長を測定する測定器と
してのリニアゲージ43が設けられている。
【0072】リニアゲージ43は、ゲージ本体45がブ
ラケット47に固定支持され、ブラケット47はゲージ
本体45とともにロッドガイド41に対して押付機構2
5による押圧方向にスライド移動可能である。ブラケッ
ト47の一端は、連結部材49を介して押圧ロッド37
に連結され、連結部材49には、ロッドガイド41に対
して摺動する補助ガイドロッド51の一端が固定されて
いる。
ラケット47に固定支持され、ブラケット47はゲージ
本体45とともにロッドガイド41に対して押付機構2
5による押圧方向にスライド移動可能である。ブラケッ
ト47の一端は、連結部材49を介して押圧ロッド37
に連結され、連結部材49には、ロッドガイド41に対
して摺動する補助ガイドロッド51の一端が固定されて
いる。
【0073】ゲージ本体45には、ゲージ本体45に対
して押圧機構25の押圧方向に相対的にスライド移動す
る測定用ロッド53が設けられ、測定用ロッド53の先
端は、ガイドブロック17の図中で左側の端部に、ピボ
ット支持部55にて回転可能に連結されている。すなわ
ち、押圧ロッド37の進退移動に伴って、ゲージ本体4
5が測定用ロッド53に対して同方向に進退移動してそ
の移動量が測定される。
して押圧機構25の押圧方向に相対的にスライド移動す
る測定用ロッド53が設けられ、測定用ロッド53の先
端は、ガイドブロック17の図中で左側の端部に、ピボ
ット支持部55にて回転可能に連結されている。すなわ
ち、押圧ロッド37の進退移動に伴って、ゲージ本体4
5が測定用ロッド53に対して同方向に進退移動してそ
の移動量が測定される。
【0074】リニアゲージ43による積層配置したエレ
メント11の周長測定は、押圧ロッド37の基準位置に
対する押圧方向への移動距離に基づいて行う。そして、
この測定したエレメント11の周長と、あらかじめ測定
しておいた前記図9に示したリング部材としてのリング
組立体Lの内周長とを比較して、エレメント11の周長
が適正かどうか、言い換えればエレメント11相互間の
隙間が適正かどうかを判断する。
メント11の周長測定は、押圧ロッド37の基準位置に
対する押圧方向への移動距離に基づいて行う。そして、
この測定したエレメント11の周長と、あらかじめ測定
しておいた前記図9に示したリング部材としてのリング
組立体Lの内周長とを比較して、エレメント11の周長
が適正かどうか、言い換えればエレメント11相互間の
隙間が適正かどうかを判断する。
【0075】次に、上記したエレメント周長測定装置に
よる周長測定方法を説明する。まず、図2および図3に
示すように、CVTベルト1を組み上げるために必要な
枚数のエレメント11を、測定用ガイドレール21にセ
ットした状態でガイドブロック17の凹部19内にセッ
トする。この状態で、サーボモータ27の駆動によりね
じ棒31を回転させて押圧ロッド37を前進させ、プッ
シャ39によりエレメント11に対して押付荷重を付加
する。
よる周長測定方法を説明する。まず、図2および図3に
示すように、CVTベルト1を組み上げるために必要な
枚数のエレメント11を、測定用ガイドレール21にセ
ットした状態でガイドブロック17の凹部19内にセッ
トする。この状態で、サーボモータ27の駆動によりね
じ棒31を回転させて押圧ロッド37を前進させ、プッ
シャ39によりエレメント11に対して押付荷重を付加
する。
【0076】このときの押圧荷重は、ロードセル35で
確認しながら、50kg〜100kg程度とし、エレメ
ント11の表面に製造時ブランキングの際にその周辺部
に発生したかえり等の微小な凸部(図示省略)を押し潰
す。これにより微小な凸部が寸法測定に影響ない程度に
まで変形され、周長の測定精度が向上する。
確認しながら、50kg〜100kg程度とし、エレメ
ント11の表面に製造時ブランキングの際にその周辺部
に発生したかえり等の微小な凸部(図示省略)を押し潰
す。これにより微小な凸部が寸法測定に影響ない程度に
まで変形され、周長の測定精度が向上する。
【0077】次に押付荷重を0kg位まで下げ、再度徐
々に上昇させて最終測定荷重を10kg〜40kg(望
ましくは15kgないし30kgがよい)とした状態
で、リニアゲージ43によりエレメント11の周長を測
定する。エレメント11に対し上記範囲の押付荷重を付
加した状態で、周長を測定することで、エレメント11
は、凹部19における内壁面とのフリクションが解消さ
れて姿勢が安定するとともに、エレメント11自体の弾
性変形も発生せず、測定精度が向上する。
々に上昇させて最終測定荷重を10kg〜40kg(望
ましくは15kgないし30kgがよい)とした状態
で、リニアゲージ43によりエレメント11の周長を測
定する。エレメント11に対し上記範囲の押付荷重を付
加した状態で、周長を測定することで、エレメント11
は、凹部19における内壁面とのフリクションが解消さ
れて姿勢が安定するとともに、エレメント11自体の弾
性変形も発生せず、測定精度が向上する。
【0078】また、図4に示すように、エレメント11
は、ロッキングエッジ11dが、隣接するエレメント1
1の背面に当接するロッキングエッジ当たりとなってお
り、平面当たりとなっていないので、平面部の微小な凸
部を測定せず、これによっても測定精度が向上する。
は、ロッキングエッジ11dが、隣接するエレメント1
1の背面に当接するロッキングエッジ当たりとなってお
り、平面当たりとなっていないので、平面部の微小な凸
部を測定せず、これによっても測定精度が向上する。
【0079】さらに、押圧ロッド37の移動をボールね
じ33によって行い、この移動による押付荷重をねじ棒
31先端のロードセル35によって測定するようにした
ので、押付動作が正確かつ確実にでき、押付荷重の測定
も容易かつ精度よく行うことができる。
じ33によって行い、この移動による押付荷重をねじ棒
31先端のロードセル35によって測定するようにした
ので、押付動作が正確かつ確実にでき、押付荷重の測定
も容易かつ精度よく行うことができる。
【0080】上記のようにして測定した、円弧形状に積
層配置したエレメント11の周長寸法から、あらかじめ
測定しておいたリング組立体Lの内周長を差し引くこと
で、エレメント11相互の隙間が算出される。この隙間
が適正でない場合には、凹部19に対してエレメント1
1を出し入れして再度周長を測定すればよい。この場
合、前記図11に示したようなシックネスゲージにて隙
間を測定する場合のように、一旦組み上げたCVTベル
ト1をばらした後、再度組み上げるという、煩雑な組み
替え作業が不要である。
層配置したエレメント11の周長寸法から、あらかじめ
測定しておいたリング組立体Lの内周長を差し引くこと
で、エレメント11相互の隙間が算出される。この隙間
が適正でない場合には、凹部19に対してエレメント1
1を出し入れして再度周長を測定すればよい。この場
合、前記図11に示したようなシックネスゲージにて隙
間を測定する場合のように、一旦組み上げたCVTベル
ト1をばらした後、再度組み上げるという、煩雑な組み
替え作業が不要である。
【0081】図1の周長測定装置において、ガイドブロ
ック17の長手方向(図1中で左右方向)ほぼ中央部
に、振動ユニット57を設け、振動ユニット57により
ガイドブロック17を介してエレメント11を振動させ
る構成としてもよい。これにより、凹部19内における
積層配置されたエレメント11は、相互間がよく密着し
て姿勢がより安定し、周長測定をより高精度に行うこと
が可能となる。
ック17の長手方向(図1中で左右方向)ほぼ中央部
に、振動ユニット57を設け、振動ユニット57により
ガイドブロック17を介してエレメント11を振動させ
る構成としてもよい。これにより、凹部19内における
積層配置されたエレメント11は、相互間がよく密着し
て姿勢がより安定し、周長測定をより高精度に行うこと
が可能となる。
【0082】図5は、振動ユニット57の詳細図で、振
動ユニット本体59には、エア源61に一端が接続され
るエアホース63の他端が接続されるとともに、サイレ
ンサ65が接続されている。エアホース63には、オン
・オフ用のフィンガバルブ67およびエア流量調整用の
スピードコントローラ69がそれぞれ設けられている。
振動ユニット本体59内には、鉄球が入っており、この
鉄球がエア導入により踊ることで振動が発生する。
動ユニット本体59には、エア源61に一端が接続され
るエアホース63の他端が接続されるとともに、サイレ
ンサ65が接続されている。エアホース63には、オン
・オフ用のフィンガバルブ67およびエア流量調整用の
スピードコントローラ69がそれぞれ設けられている。
振動ユニット本体59内には、鉄球が入っており、この
鉄球がエア導入により踊ることで振動が発生する。
【0083】上記振動ユニット57により、60Hzな
いし600Hzの周波数でエレメント11に振動を付与
することで、全般にサイクルタイムの短縮化を図りつ
つ、エレメント11の振動への追従を回避できるととも
に、安定した振動状態が確保され、エレメント11の整
列を効率よく行うことができる。
いし600Hzの周波数でエレメント11に振動を付与
することで、全般にサイクルタイムの短縮化を図りつ
つ、エレメント11の振動への追従を回避できるととも
に、安定した振動状態が確保され、エレメント11の整
列を効率よく行うことができる。
【0084】上記振動ユニット57のガイドブロック1
7に対する取付位置は、特に限定されるものではない
が、ガイドブロック17の長手方向(図1中で左右方
向)中央部に設けることで、円弧形状に積層配置したエ
レメント11全体に均等に振動させることが可能とな
り、測定精度向上に寄与することができる。
7に対する取付位置は、特に限定されるものではない
が、ガイドブロック17の長手方向(図1中で左右方
向)中央部に設けることで、円弧形状に積層配置したエ
レメント11全体に均等に振動させることが可能とな
り、測定精度向上に寄与することができる。
【0085】ところで、CVTベルト1は、実際に使用
された状態では、前記図8に示したように、二つのプー
リ7,9相互間に巻き掛けられており、これを簡略化し
て示した図6のように、プーリ7,9相互間の直線部位
S1,S2と、各プーリ7,9に接触する円弧部位C1,
C2とが混在した状態となっている。
された状態では、前記図8に示したように、二つのプー
リ7,9相互間に巻き掛けられており、これを簡略化し
て示した図6のように、プーリ7,9相互間の直線部位
S1,S2と、各プーリ7,9に接触する円弧部位C1,
C2とが混在した状態となっている。
【0086】表1は、複数のエレメント11を、直線形
状に積層配置した状態(a)と、曲率半径R=1000
mmで、前記図4に示したようなエレメント11相互の
角度θが0.1度となる円弧形状に積層配置した状態
(b)と、曲率半径R=330mm、θ=0.31度の
円弧形状に積層配置した状態に相当するCVTベルト組
み上げ時の自由(楕円)状態(c)と、真円(R=11
1mm、θ=0.92度)状態(d)との四つの状態
で、エレメント11表面の微小な凸部(高さ2μ)の影
響によるエレメント11相互の接触面積Pを示してい
る。
状に積層配置した状態(a)と、曲率半径R=1000
mmで、前記図4に示したようなエレメント11相互の
角度θが0.1度となる円弧形状に積層配置した状態
(b)と、曲率半径R=330mm、θ=0.31度の
円弧形状に積層配置した状態に相当するCVTベルト組
み上げ時の自由(楕円)状態(c)と、真円(R=11
1mm、θ=0.92度)状態(d)との四つの状態
で、エレメント11表面の微小な凸部(高さ2μ)の影
響によるエレメント11相互の接触面積Pを示してい
る。
【0087】
【表1】
これによれば、面当たりとなる直線状態での接触面積P
が70mm2と最も大きく、この直線状態から円弧状態
としてその曲率半径が小さくなるに従って接触面積Pが
小さくなり、最も曲率半径の小さい真円状態ではP=
0.4mm2となっている。これらにより、複数のエレ
メント11の積層方向の長さは、真円状態で最も短く、
直線状態で最も長くなり、その測定結果は、真円状態の
(d)での長さに対し、(c)で0.04mm、(b)
で0.54mm、(a)で2.84mm、それぞれ長い
ものとなる。つまり、エレメント11の全長寸法は、真
円<(R=330mm)<(R=1000mm)<直線
状態の関係となる。
が70mm2と最も大きく、この直線状態から円弧状態
としてその曲率半径が小さくなるに従って接触面積Pが
小さくなり、最も曲率半径の小さい真円状態ではP=
0.4mm2となっている。これらにより、複数のエレ
メント11の積層方向の長さは、真円状態で最も短く、
直線状態で最も長くなり、その測定結果は、真円状態の
(d)での長さに対し、(c)で0.04mm、(b)
で0.54mm、(a)で2.84mm、それぞれ長い
ものとなる。つまり、エレメント11の全長寸法は、真
円<(R=330mm)<(R=1000mm)<直線
状態の関係となる。
【0088】このように、エレメント11相互は、円弧
状態から直線状態に近づくほど(図4での角度θが小さ
くなるほど)、上記したエレメント11表面の微小な凸
部や、弾性変形によるうねり部の影響を受ける部分の面
積が大きくなるため、積層方向の長さが長くなる傾向に
ある。
状態から直線状態に近づくほど(図4での角度θが小さ
くなるほど)、上記したエレメント11表面の微小な凸
部や、弾性変形によるうねり部の影響を受ける部分の面
積が大きくなるため、積層方向の長さが長くなる傾向に
ある。
【0089】また、前記図6において、入力側のプーリ
7が反時計方向に回転し、CVTベルト1が矢印D方向
に回転移動するとすると、直線部位S1,は、入力側の
プーリ7の回転によって出力側に直接送り出されるた
め、エレメント11相互を圧縮させる方向の負荷が、例
えば300kg程度かかる。これに対し直線部位S
2は、出力側のプーリ7によって引張られる力が直接か
かるため、エレメント11相互を圧縮させる方向の負荷
が、例えば5kg〜30kgと極めて小さいものとな
る。一方、円弧部位C1,C2については、エレメント1
1相互を圧縮させる方向の負荷は、0〜300kgと変
動がある。
7が反時計方向に回転し、CVTベルト1が矢印D方向
に回転移動するとすると、直線部位S1,は、入力側の
プーリ7の回転によって出力側に直接送り出されるた
め、エレメント11相互を圧縮させる方向の負荷が、例
えば300kg程度かかる。これに対し直線部位S
2は、出力側のプーリ7によって引張られる力が直接か
かるため、エレメント11相互を圧縮させる方向の負荷
が、例えば5kg〜30kgと極めて小さいものとな
る。一方、円弧部位C1,C2については、エレメント1
1相互を圧縮させる方向の負荷は、0〜300kgと変
動がある。
【0090】このように、CVTベルト1は、実際の使
用状態では、直線部位S1と直線部位S2と円弧部位
C1,C2とで、エレメント11相互が圧縮する方向に受
ける負荷が異なるものとなっている。
用状態では、直線部位S1と直線部位S2と円弧部位
C1,C2とで、エレメント11相互が圧縮する方向に受
ける負荷が異なるものとなっている。
【0091】以上より、エレメント周長測定の際には、
直線部位S1,S2や円弧部位C1,C2が存在する実際の
使用状態を考慮することで、より正確な測定結果が得ら
れることとなる。
直線部位S1,S2や円弧部位C1,C2が存在する実際の
使用状態を考慮することで、より正確な測定結果が得ら
れることとなる。
【0092】そのための周長測定装置として、ここで
は、前記図1に示した、円弧形状(エレメント11相互
の角度θ=0.1度、R=1000mm)で測定を行う
もの(以後、円弧測定装置と呼ぶ)と、図7に示すよう
な、直線状態で測定を行うもの(以後、直線測定装置と
呼ぶ)とを使用する。図7の直線測定装置は、図1の円
弧測定装置に対し、ガイドブロック17に形成した凹部
19を直線形状に代えてあり、これに対応して凹部19
内に配置されている測定レール21(図2、図3参照)
も同様に直線形状にするとともに、凹部19両端のスト
ッパ用ブロック23および押付機構25が凹部19の直
線上となるように配置してある。
は、前記図1に示した、円弧形状(エレメント11相互
の角度θ=0.1度、R=1000mm)で測定を行う
もの(以後、円弧測定装置と呼ぶ)と、図7に示すよう
な、直線状態で測定を行うもの(以後、直線測定装置と
呼ぶ)とを使用する。図7の直線測定装置は、図1の円
弧測定装置に対し、ガイドブロック17に形成した凹部
19を直線形状に代えてあり、これに対応して凹部19
内に配置されている測定レール21(図2、図3参照)
も同様に直線形状にするとともに、凹部19両端のスト
ッパ用ブロック23および押付機構25が凹部19の直
線上となるように配置してある。
【0093】なお、ここでのCVTベルト1の規定の全
長(周長)は、701mmとし、前記図6における直線
部位S1,S2の規定の長さは168mmとする。
長(周長)は、701mmとし、前記図6における直線
部位S1,S2の規定の長さは168mmとする。
【0094】測定方法としては、まず、図7の直線測定
装置で、CVTベルト1を組み上げるために必要な枚数
のエレメント11を、測定用ガイドレール21にセット
した状態でガイドブロック17の凹部19内にセットす
る。この状態で、サーボモータ27の駆動によりねじ棒
31を回転させて押圧ロッド37を前進させ、プッシャ
39によりエレメント11に対して押付荷重を付加す
る。
装置で、CVTベルト1を組み上げるために必要な枚数
のエレメント11を、測定用ガイドレール21にセット
した状態でガイドブロック17の凹部19内にセットす
る。この状態で、サーボモータ27の駆動によりねじ棒
31を回転させて押圧ロッド37を前進させ、プッシャ
39によりエレメント11に対して押付荷重を付加す
る。
【0095】このときの押付荷重は、ロードセル35で
確認しながら、300kgとして慣らしを行う。
確認しながら、300kgとして慣らしを行う。
【0096】続いて、押付荷重を5kg〜30kgの低
荷重とした状態で周長を測定する。ここでは押付荷重を
15kgとし、この低荷重での測定は、図6における直
線部位S2、すなわち入力側のプーリ7の駆動により引
張られることで実際の使用時に受ける負荷が極めて小さ
い部位に相当する。さらに、押付荷重を300kgに戻
した状態で周長を測定する。この300kgでの測定
は、図6における直線部位S1、すなわち入力側のプー
リ7の駆動によって出力側に直接送り出される部位に相
当する。
荷重とした状態で周長を測定する。ここでは押付荷重を
15kgとし、この低荷重での測定は、図6における直
線部位S2、すなわち入力側のプーリ7の駆動により引
張られることで実際の使用時に受ける負荷が極めて小さ
い部位に相当する。さらに、押付荷重を300kgに戻
した状態で周長を測定する。この300kgでの測定
は、図6における直線部位S1、すなわち入力側のプー
リ7の駆動によって出力側に直接送り出される部位に相
当する。
【0097】次に、上記直線測定装置で測定した複数の
エレメント11を、図1の円弧測定装置にセットする。
この状態で前記した直線測定装置におけるものと同様な
作業を行う。つまり、押付荷重300kgによる慣らし
→低荷重15kgを付加してエレメント長測定→300
kgを付加してエレメント長測定、となる。この円弧測
定装置による荷重15kgおよび300kgでの測定
は、円弧部位C1,C2が0〜300kgにわたり変動す
る負荷を受けることに対応している。
エレメント11を、図1の円弧測定装置にセットする。
この状態で前記した直線測定装置におけるものと同様な
作業を行う。つまり、押付荷重300kgによる慣らし
→低荷重15kgを付加してエレメント長測定→300
kgを付加してエレメント長測定、となる。この円弧測
定装置による荷重15kgおよび300kgでの測定
は、円弧部位C1,C2が0〜300kgにわたり変動す
る負荷を受けることに対応している。
【0098】上記した直線測定装置および円弧測定装置
での測定結果を表2に示す。
での測定結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
これによれば、直線測定装置では、15kgの荷重で7
05mm、300kgの荷重で703mmであり、円弧
測定装置では、15kgの荷重で703mm、300k
gの荷重で701mmである。
05mm、300kgの荷重で703mmであり、円弧
測定装置では、15kgの荷重で703mm、300k
gの荷重で701mmである。
【0100】上記の測定結果を基に、エレメントの周長
を計算する。その計算式は、エレメント周長EL=直線
部位S1の長さ+直線部位S2の長さ+曲線部位C1,C2
の長さとなる。
を計算する。その計算式は、エレメント周長EL=直線
部位S1の長さ+直線部位S2の長さ+曲線部位C1,C2
の長さとなる。
【0101】上記式に、表2の計算結果を適用すると、
次のようになる。
次のようになる。
【0102】EL=703(168/701)+705(168/701)+(701+70
3){(701-168×2)/2}/701≒703 このようして算出したエレメントの周長ELは、実際の
車両に使用した状態を想定したものであり、極めて正確
なものと言える。実際には、CVTベルト1をプーリ
7,9相互に巻き掛けた際に、荷重300kg程度の負
荷を受けて伸びが発生するので、この伸び量Wを上記値
ELから差し引く必要がある。
3){(701-168×2)/2}/701≒703 このようして算出したエレメントの周長ELは、実際の
車両に使用した状態を想定したものであり、極めて正確
なものと言える。実際には、CVTベルト1をプーリ
7,9相互に巻き掛けた際に、荷重300kg程度の負
荷を受けて伸びが発生するので、この伸び量Wを上記値
ELから差し引く必要がある。
【0103】上記計算したエレメント周長ELから、あ
らかじめ測定しておいた前記図9に示したリング組立体
Lの内周長および上記伸び量Wを差し引くことで、エレ
メント11相互の適正な隙間が算出される。この隙間の
管理には、前記図11に示したようなシックネスゲージ
にて隙間を測定する場合のように、一旦組み上げたCV
Tベルト1をばらした後、再度組み上げるという、煩雑
な組み替え作業が不要である。
らかじめ測定しておいた前記図9に示したリング組立体
Lの内周長および上記伸び量Wを差し引くことで、エレ
メント11相互の適正な隙間が算出される。この隙間の
管理には、前記図11に示したようなシックネスゲージ
にて隙間を測定する場合のように、一旦組み上げたCV
Tベルト1をばらした後、再度組み上げるという、煩雑
な組み替え作業が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係わるCVTベルト
の周長測定装置の、一部を断面で示した平面図である。
の周長測定装置の、一部を断面で示した平面図である。
【図2】図1の拡大されたB−B断面図である。
【図3】図1のCVTベルトの周長測定装置における凹
部内でのエレメントのセット状態を示す説明図である。
部内でのエレメントのセット状態を示す説明図である。
【図4】図1のCVTベルトの周長測定装置において、
エレメントが円弧形状に配置された状態を示す説明図で
ある。
エレメントが円弧形状に配置された状態を示す説明図で
ある。
【図5】図1のCVTベルトの周長測定装置に装着され
る振動ユニットの詳細図である。
る振動ユニットの詳細図である。
【図6】CVTベルトの実際の使用状態を簡略化して示
した正面図である。
した正面図である。
【図7】エレメントを直線形状に積層配置して測定する
周長測定装置の、一部を断面で示した平面図である。
周長測定装置の、一部を断面で示した平面図である。
【図8】CVTベルトが使用される自動車におけるオー
トマチックトランスアクスルの要部の断面図である。
トマチックトランスアクスルの要部の断面図である。
【図9】CVTベルトの一部を分解して示した斜視図で
ある。
ある。
【図10】CVTベルトを構成するエレメント相互の位
置関係を示す説明図である。
置関係を示す説明図である。
【図11】従来例におけるCVTベルトの隙間管理方法
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図12】エレメントの周長測定に際し、エレメントを
直線状に並べた状態を示す説明図である。
直線状に並べた状態を示す説明図である。
E エレメント組立体
L リング組立体(リング部材)
7,9 プーリ
11 エレメント
19 凹部(ガイド部)
25 押付機構
33 ボールねじ
35 ロードセル
43 リニアゲージ(測定器)
57 振動ユニット
S1,S2 直線部位
C1,C2 円弧部位
Claims (18)
- 【請求項1】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積
層して環状に形成してエレメント組立体とし、このエレ
メント組立体をリング部材により環状に保持して組み付
けたCVTベルトのエレメント周長測定方法において、
前記複数のエレメントを、円弧形状となるよう板厚方向
に積層配置した状態で、この円弧形状に沿った前記複数
のエレメントの積層方向の長さを測定することを特徴と
するCVTベルトのエレメント周長測定方法。 - 【請求項2】 積層配置した複数のエレメントの円弧形
状に沿った長さを測定する際に、前記エレメントに対し
積層方向に向けて押付荷重を付加することを特徴とする
請求項1記載のCVTベルトのエレメント周長測定方
法。 - 【請求項3】 押付荷重は、10kg〜40kgである
ことを特徴とする請求項2記載のCVTベルトのエレメ
ント周長測定方法。 - 【請求項4】 押付荷重を付加する前に、エレメント表
面の微小な凸部を押し潰すことを特徴とする請求項2ま
たは3記載のCVTベルトのエレメント周長測定方法。 - 【請求項5】 円弧形状に積層配置したエレメントに対
し、押付荷重より大きな荷重を積層方向に向けて付加す
ることでエレメント表面の微小な凸部を押し潰すことを
特徴とする請求項4記載のCVTベルトのエレメント周
長測定方法。 - 【請求項6】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積
層して環状に形成してエレメント組立体とし、このエレ
メント組立体をリング部材により環状に保持して組み付
けたCVTベルトのエレメント周長測定方法において、
前記複数のエレメントを板厚方向に積層配置した状態
で、この積層方向に沿ったエレメントの長さを測定する
際に、前記エレメントに振動を与えることを特徴とする
CVTベルトのエレメント周長測定方法。 - 【請求項7】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積
層して環状に形成してエレメント組立体とし、このエレ
メント組立体をリング部材により環状に保持して組み付
けたCVTベルトのエレメント周長測定方法において、
前記複数のエレメントを板厚方向に積層配置した状態
で、この積層方向に向けて、前記CVTベルトの実際の
使用時に発生する負荷に相当する押付荷重を付加しつ
つ、前記複数のエレメントの積層方向の長さを測定する
ことを特徴とするCVTベルトのエレメント周長測定方
法。 - 【請求項8】 複数のエレメントの積層方向の長さを、
直線形状となるよう板厚方向に積層配置した状態およ
び、円弧形状となるよう板厚方向に積層配置した状態
で、それぞれ測定し、この各測定値を、CVTベルトの
実際の使用時での直線部位および円弧部位の長さ分にそ
れぞれ換算して周長を得ることを特徴とする請求項7記
載のCVTベルトのエレメント周長測定方法。 - 【請求項9】 直線形状および円弧形状での周長測定を
それぞれ2回行い、いずれも1回は、CVTベルトの実
際の使用時での駆動側プーリによる回転駆動力を受けて
押し付けられる負荷に相当する押付荷重を付加した状
態、他の1回は、それより低負荷の押付荷重を付加した
状態で行うことを特徴とする請求項8記載のCVTベル
トのエレメント周長測定方法。 - 【請求項10】 円弧形状の曲率半径は、350mm〜
1000mmであることを特徴とする請求項1,8,9
のいずれかに記載のCVTベルトのエレメント周長測定
方法。 - 【請求項11】 複数のエレメントの積層方向に沿った
長さを測定する際に、前記エレメントに振動を与えるこ
とを特徴とする請求項1,2,3,4,5,7,8,
9,10のいずれかに記載のCVTベルトのエレメント
周長測定方法。 - 【請求項12】 エレメントに与える振動の周波数は、
60Hz〜600Hzであることを特徴とする請求項6
または11記載のCVTベルトのエレメント周長測定方
法。 - 【請求項13】 複数のエレメントの積層方向に沿った
長さ方向のほぼ中央部を振動させることを特徴とする請
求項6,11,12のいずれかに記載のCVTベルトの
エレメント周長測定方法。 - 【請求項14】 板状の複数のエレメントを板厚方向に
積層して環状に形成してエレメント組立体とし、このエ
レメント組立体をリング部材により環状に保持して組み
付けたCVTベルトのエレメント周長測定装置におい
て、前記複数のエレメントが円弧形状となるよう板厚方
向に積層配置されるガイド部と、このガイド部内に配置
されたエレメントの積層方向の長さを測定する測定器と
を有することを特徴とするCVTベルトのエレメント周
長測定装置。 - 【請求項15】 積層配置した複数のエレメントの円弧
形状に沿った長さを測定するに先だって、前記エレメン
トに対し積層方向に押付荷重を付加する押付機構を設
け、測定器は、この押付機構による押付量を基にして前
記長さを測定することを特徴とする請求項14記載のC
VTベルトのエレメント周長測定装置。 - 【請求項16】 押付機構は、ボールねじを備えている
ことを特徴とする請求項15記載のCVTベルトのエレ
メント周長測定装置。 - 【請求項17】 押付機構に、エレメントに対する押付
荷重を測定するロードセルを設けたことを特徴とする請
求項15または16記載のCVTベルトのエレメント周
長測定装置。 - 【請求項18】 エレメントは、エレメント組立体とし
て環状に形成した状態で環状の溝となる切欠が両側部に
設けられるとともに、内周側が外周側より板厚寸法が小
さく形成され、リング部材は、円筒状に形成されて前記
エレメント組立体の環状の溝に嵌入されることを特徴と
する請求項14ないし17のいずれかに記載のCVTベ
ルトのエレメント周長測定装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18935999A JP3491565B2 (ja) | 1999-01-14 | 1999-07-02 | Cvtベルトのエレメント周長測定方法および測定装置 |
NL1015572A NL1015572C2 (nl) | 1999-07-02 | 2000-06-30 | Werkwijze voor het meten van de omtrekslengte van elementen in een continu variabele transmissieriem en inrichting daarvoor. |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-8259 | 1999-01-14 | ||
JP825999 | 1999-01-14 | ||
JP18935999A JP3491565B2 (ja) | 1999-01-14 | 1999-07-02 | Cvtベルトのエレメント周長測定方法および測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000266130A JP2000266130A (ja) | 2000-09-26 |
JP3491565B2 true JP3491565B2 (ja) | 2004-01-26 |
Family
ID=26342753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18935999A Expired - Fee Related JP3491565B2 (ja) | 1999-01-14 | 1999-07-02 | Cvtベルトのエレメント周長測定方法および測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP4655440B2 (ja) * | 2001-09-14 | 2011-03-23 | トヨタ自動車株式会社 | 無端金属ベルトの直進性測定装置およびその方法 |
DE10354701A1 (de) * | 2003-11-22 | 2005-06-16 | Zf Friedrichshafen Ag | Verfahren zum Messen des Endspiels bei Schubgliederbändern eines Variators |
JP2005315288A (ja) | 2004-04-27 | 2005-11-10 | Jatco Ltd | 無段変速機用ベルトの検査装置 |
JP4003974B2 (ja) | 2004-09-30 | 2007-11-07 | ジヤトコ株式会社 | 金属エレメント検査装置及び金属エレメント検査方法 |
JP4526035B2 (ja) * | 2006-04-27 | 2010-08-18 | ジヤトコ株式会社 | Cvtベルトのエレメント積層長測定装置 |
JP4710898B2 (ja) | 2007-12-03 | 2011-06-29 | トヨタ自動車株式会社 | 伝動ベルトの製造方法 |
-
1999
- 1999-07-02 JP JP18935999A patent/JP3491565B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2000266130A (ja) | 2000-09-26 |
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