JP3830368B2 - プロジェクタの遠隔制御システム、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

プロジェクタの遠隔制御システム、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタの遠隔制御システムに関し、詳細には、操作者が遠隔地にあるプロジェクタへ表示映像を送信して、遠隔地からその表示画像を制御するプロジェクタの遠隔制御システム、そのプロジェクタの遠隔制御システムの機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、信号発生器(例えば、PC、ビデオ等)とプロジェクタをネットワークで接続し、手元の信号発生器から遠隔地のプロジェクタへ画像を送信できるネットワーク・プロジェクタ・システムが提案されている。これは信号発生器側で映像を符号化してから、ネットワークを通してプロジェクタへ送信することで実現している。
また、遠隔地からプロジェクタを操作する際に、何らかの方法で遠隔地からプロジェクタへ制御コードを送り、プロジェクタがその制御コードを受け取り処理することで制御を行っている。
このようなネットワーク・プロジェクタ・システムには、特開2000−23148号公報、特開2000−23149号公報、特開2000−23150号公報などがある。
【0003】
特開2000−23148号公報の技術は、複数のサーバとプロジェクタとをネットワークで接続するネットワーク・プロジェクタ・システムであって、プロジェクタは、アプリケーションを所定のサーバからダウンロードし、自分の記憶容量が不足しているとき不必要なデータを削除しながら、表示する画像データの一部分をダウンロードさせ、その画像データをダウンロードしたアプリケーションによって処理して生成した画像を表示する方法である。
【0004】
特開2000−23149号公報の技術は、上述した特開2000−23148号公報の技術に加えて、サーバからダウンロードした画像データ等を記憶しておき、記憶された表示画像のプロジェクタへの表示をネットワークに接続されたPCから制御信号を送ることによってコントロールするものである。
また、特開2000−23150号公報の技術は、特開2000−23148号公報と特開2000−23149号公報の技術を統合したものである。
これらの技術により、PCの仕様や環境に制限されずに、安価で簡便に画像データを再生することのできるプロジェクタおよびその再生方法を提供している。
【0005】
また、インターネツトが普及し、ネットワークを通してデータのやりとりを行えるようになっているが、このネットワークを利用してプロジェクタやカメラへ制御コードを送ることで、世界中のどこからでも遠隔地にある機器を制御できるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ネットワークを利用してプロジェクタへ制御コードを送った際、プロジェクタが操作者から見えない場所にある場合には、プロジェクタが本当に制御できているかどうか判断できない。
たとえ、プロジェクタから制御コードに対して制御確認コードを返したとしても、実際に表示が切り替わっているかどうか確認できない。
【0007】
また、上述した特開2000−23148号公報、特開2000−23149号公報、特開2000−23150号公報の技術では、プロジェクタとそれを制御する制御装置はネットワークに接続されているが、操作者はプロジェクタによって投影される投影像が見える場所におり、制御装置を使って操作者がそのプロジェクタを制御しているに過ぎない。
したがって、これらの技術では、制御装置を操作する操作者とプロジェクタとが遠く離れている場合にはプロジェクタが何を表示しているかを確認することができない。
【0008】
例えば、図7に示したように、プロジェクタとその投影像を撮影するカメラと、それらを制御する制御装置とをネットワークで接続したシステムを考える。
このように構成したシステムによれば、表示画面であるスクリーンへプロジェクタから投影した投影像をカメラで撮影し、ネットワークを通して制御装置側へ転送し、モニタに表示すれば、制御装置が確実にプロジェクタを制御できたかを確認できる。しかし、これを構築するコストは高価となってしまう。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、カメラ等の機器を追加することなく、プロジェクタから遠隔地またはプロジェクタが見えない場所にいる操作者が制御装置を用いて確実にそのプロジェクタを操作することができるプロジェクタの遠隔制御システム、そのプロジェクタの遠隔制御システムの機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、1台以上のプロジェクタと制御装置とをネットワークを介して接続し、その制御装置から前記プロジェクタを制御するプロジェクタの遠隔制御システムにおいて、前記プロジェクタは、前記制御装置から送信された情報を受信する手段と、このプロジェクタ側で実際に処理された情報を前記制御装置へ返信する手段とを有し、前記制御装置は各プロジェクタが実際に行った動作を操作者が遠隔地にあって確認する手段を有するものである
したがって、プロジェクタとそれを制御する制御装置が遠くはなれた場合であっても、操作者が制御装置を用いて確実にそのプロジェクタを操作することができる。
【0011】
また、前記制御装置から送信する情報は、映像および音声データであり、前記プロジェクタは、この映像を投影し、音声を出力するものである
したがって、制御装置側にプロジェクタで表示している映像と音声が送信されてくるので、プロジェクタの制御結果を画面で確認しながら制御でき、制御を確実に行うことできる。
【0012】
また、前記制御装置から送信する情報は、映像の調整情報または音声の調整情報であり、前記プロジェクタは、この情報により前記制御装置から送られてくる映像および音声を調整するものである
ここで制御装置から送信する情報としては、例えば、表示画像の明るさやコントラスト等の映像調整、投影映像の画面変化制御、画面拡大・縮小、静止、表示位置移動、フェーズ・クロックの調整等の映像制御、またはボリューム調整、バランス調整等の音声制御のための調整情報である。
したがって、制御装置側へプロジェクタで表示している映像や音声を送信してくるので、操作者が変更した映像調整の結果や音声調整の結果を確認しながらプロジェクタの制御ができる。
【0013】
また、前記制御装置で送信する情報は、この制御装置のポイント入力デバイスの位置や移動量であり、前記プロジェクタは、この位置や移動量の情報に応じた位置にポインタを投影するものである
したがって、制御装置のマウス、リモコン等によるポイント指示をプロジェクタ側でポインタとして表示させることによって、操作者が遠隔地から映像を指し示すレーザーポインタ機能として使用できる。
【0014】
また、前記制御装置は、前記プロジェクタから送信されてきた映像や音声を記録するものである
したがって、各プロジェクタから送信されてきた、映像・音声を録画・録音することで、プロジェクタを用いて行った会議・プレゼンテーションを記録し、後に再現することができ、また、プリンタに印刷することもできる。
【0015】
また、前記制御装置に記録されたプロジェクタの遠隔操作の記録を再生して前記プロジェクタへ送信するものである
したがって、遠隔操作または制御手順の記録を再生することによって、自動的にプロジェクタを操作・制御することができる。
【0016】
また、前記制御装置は、前記プロジェクタへ送信する前に、操作者が映像および音声を操作した操作手順を記録する手段を有して、操作手順の記録後、その記録を再生して前記プロジェクタへ送信するものである
したがって、決まった内容の講義やデモンストレーションを行う前に制御装置のみを使って、映像や音声およびプロジェクタの操作や制御を記録しておき、実際の講義やデモンストレーションのときその記録を再生することによって、自動的にプロジェクタを操作・制御することができる。
【0017】
また、前記制御装置から前記プロジェクタへの送信を同報通信とするものである
したがって、映像や音声およびそれらの制御等の情報を複数プロジェクタに同時送信することで、複数の部屋や遠隔地での同時プレゼンテーションができる。
【0018】
また、前記制御装置から情報を1つの前記プロジェクタへ送信し、その情報を受信した前記プロジェクタがその受信情報を他の前記プロジェクタへ転送するものである
したがって、複数プロジェクタで同じ映像を表示することが可能となり、複数の部屋や遠隔地での同時プレゼンテーションができる。
【0019】
また、コンピュータを、上述したプロジェクタの遠隔制御システムとして機能させるためのプログラムとしてもよいし、このプロジェクタの遠隔制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としてもよい
したがって、プロジェクタとそれを制御する制御装置が遠くはなれた場合であっても、操作者が制御装置を用いて確実にそのプロジェクタを操作することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のプロジェクタの遠隔制御システム(以下、本システムと呼ぶ)の実施例について説明する。
図1は、本システムの全体構成を示している。図1において、本システムはプロジェクタ100と制御装置300とをネットワーク200を介して接続している。必要に応じて任意の台数のプロジェクタを制御装置300と接続するようにしてもよい。
プロジェクタ100は、制御装置300から送信される映像を受信し、処理された映像をスクリーンへ投影し、また、制御装置300から送られた音声データを受信し、スピーカ等によって出力する。また、制御装置300から送信される映像データに対する制御情報、例えば、表示画像の明るさやコントラスト等の調整、投影映像の画面変化制御、画像の拡大・縮小、静止、表示位置の移動、フェーズ・クロックの調整、ポインタの位置情報等の映像制御情報や、音声データに対するボリューム調整、バランス調整等の音声制御情報を受信し、それらの調整を行う。
さらに、プロジェクタ100は、実際に、出力または制御される映像や音声を制御装置300へ送り返す。
【0021】
ネットワーク200は、1台以上からなるプロジェクタ100と制御装置300とを接続するための伝送路であって、一般には、ケーブルで実現され、通信プロトコルにはTCP/IPが使われる。但し、伝送路としてはケーブルだけではなく、それらの間の通信プロトコルが一致するものであれば無線および有線のいずれでもよい。
【0022】
制御装置300は、操作者の指示により、ネットワーク200を介して、映像や音声データおよびそれらの制御情報とをプロジェクタ100へ送信する。
実際に投影される映像および音声出力される音声をそのプロジェクタ100から受信して、制御装置300のディスプレイやヘッドフォンへ出力することによって、制御装置300の操作者は、自分の行った操作が反映されていることを確かめることができる。
【0023】
図2は、本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおけるプロジェクタ100の機能構成図である。
図2において、プロジェクタ100は、受信部110、復号化部120、制御実行部130、投影部140、音声出力部150、符号化部160、送信部170から構成される。
【0024】
受信部110は、制御装置300からネットワーク200を介して送信された映像や音声データおよびそれらの制御情報を受信する。また、これらの情報が暗号化されている場合には、暗号の解読を行う。
これらの映像や音声データが符号化されていれば、復号化部120で復号したあと、映像データは投影部140へ送られ、スクリーン等へ投影する。また音声データは、音声出力部150によってスピーカ等へ音声出力される。
受信した映像や音声データが符号化されていない場合には、そのまま映像データは投影部140へ、音声データは音声出力部150へ出力される。
【0025】
制御実行部130は、制御装置300から送られてきた制御情報を解読し、映像データに対する映像制御情報の場合は、表示画像の明るさやコントラスト等の調整、投影映像の画面変化制御、画像の拡大・縮小、静止、表示位置の移動、フェーズ・クロックの調整等を投影部140へ渡し、調整を行わせる。
さらに、制御実行部130は、映像制御情報がポインタの位置情報であれば、投影部140へポインタの位置または移動量情報を渡し、投影する映像にポインタの映像を付加させる。
また、制御実行部130は、音声データに対する音声制御情報の場合には、ボリューム調整、バランス調整等を行わせる。
【0026】
投影部140で映像制御等を実行して、実際に、スクリーンへ投影した映像および、音声出力部150で音声制御等を実行して、実際に、スピーカへ出力された音声とを符号化部160によって符号化し、送信部170からネットワーク200を介して制御装置300へ返信する。送信に際し、これらのデータは必要に応じて暗号化される。
【0027】
図3は、本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおける制御装置300の機能構成図である。
図3において、制御装置300は、プロジェクタ操作制御部305、音声入力部310、ポインタ入力部315、制御情報入力部320、映像データ記憶部325、表示部330、音声出力部335、符号化部340、送信部345、受信部350、復号化部355、録画・録音データ記憶部360とから構成される。
【0028】
プロジェクタ操作制御部305は、次のような動作を制御する。
(1)映像データ記憶部325に記憶された映像データを表示部330によってディスプレイ等へ表示させる。この表示は、例えば、図4に示したように、ネットワーク200に接続した各プロジェクタ100に送信する映像データを表示するウインドウMWと、各プロジェクタ100から送信してきた映像に対応して表示させる各ウインドウ(P1W,P2W,…PnW)を用いて行われる。
(2)この制御装置300の操作者がウインドウMWに表示された映像に対して、次の各情報を入力する。
・音声入力部310は、各プロジェクタ100へ送信する映像に対する説明をマイク等から入力する。
・ポインタ入力部315は、ウインドウMW上でマウス等のポイント入力デバイスが移動した位置や移動量を入力する。
・制御情報入力部320は、表示画像の明るさやコントラスト等の映像調整、投影映像の画面変化制御、画面の拡大・縮小表示、静止、表示位置移動、フェーズ・クロックの調整等の映像制御情報やボリューム調整、バランス調整等の音声制御情報を入力する。図4で示した各プロジェクタに対するウインドウのいずれかを選択することによって、その選択されたプロジェクタから送信されてくる音声をヘッドフォンまたはスピーカへ出力し、この音声を聞くことによって調節を行う。
(3)上記の映像データおよび音声データをそのままのデータ、または符号化部340で符号化したデータとして、送信部345からネットワーク200を介して接続された各プロジェクタ100へ送信する。このとき送信部345は、必要に応じて暗号化して送信する。
【0029】
受信部350は、各プロジェクタ100から実際に映像調整されてスクリーンへ投影する映像データおよび音声調整されてスピーカから出力される音声データを受信する。このとき暗号化されていれば、暗号解読を行う。
この受信データが符号化されていれば、復号化部355により復号し、映像データは表示部330へ渡し、音声データは音声出力部335へ渡す。受信データが符号化されていない場合には、そのままそれぞれ表示部330と音声出力部335へ渡される。
また、各プロジェクタから受信して復号化したデータをプロジェクタに対応させて録画・録音データ記憶部360へ記録する。または、1つのプロジェクタに限定して、その受信データを録画・録音データ記憶部360へ記録するようにしてもよい。
表示部330は、渡された映像データを画面上の各プロジェクタに対応したウインドウPiWへ表示する。
また、音声出力部335は、操作者がプロジェクタに対応したウインドウを選択すると、そのプロジェクタから渡された音声データをヘッドフォン等へ出力する。
【0030】
本システムを以上のように構成することにより、以下の効果が達成される。
(1)操作者は、遠隔地にある各プロジェクタ100で投影されている映像や音声データが手元の制御装置300の表示部330や音声出力部335へ反映されるので、プロジェクタ100の状況を確認することが可能となる。
(2)各プロジェクタ100で実際に投影および音声出力されたデータを制御装置300で確認できるので、操作者が行った映像調整、音声調整、投影映像の画面変化制御を確認しながら制御を行える。
(3)ポイント入力デバイスの位置や移動量の情報をプロジェクタへ送信し、プロジェクタ100側でそのポインタの動きとして反映させることにより、遠隔地にいる操作者がプロジェクタ100の画面上を指し示すことができ、レーザーポインタ機能として使用可能である。
(4)操作者が制御装置300で行った操作および映像・音声データを複数のプロジェクタへ同時に送信することにより、複数の部屋や複数の遠隔地にあるプロジェクタの同時制御が可能となる。
(5)プロジェクタ100から制御装置300へ送信されてきた情報を録画・録音データ記憶部360へ記録しておくことで、遠隔地での会議・プレゼンテーションの保存ができる。
(6)制御装置300およびプロジェクタ100間でネットワーク200を介して伝送するデータに対して、暗号化してから送信することで、情報の漏洩を防ぐことが可能となる。
【0031】
図5は、上述した本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおける制御装置300の他の機能構成図であり、図3と同じ意味をもつ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略し、その違いだけを説明する。
図5において、制御装置300は、再生部370、第1の録画・録音データ記憶部365、表示部330、音声出力部335、符号化部340、送信部345、受信部350、復号化部355、画像出力部375、第2の録画・録音データ記憶部380とから構成される。
【0032】
再生部370は、上述した実施例の各プロジェクタから送信されてきた映像および音声データを記録した第1の録画・録音データ記憶部365(図3で説明した録画・録音データ記憶部360と同じデータ構造を持つ)から映像データを取り出し、表示部330によって図4に示したウインドウMWへ表示する。また、同時に取り出された音声データは音声出力部335でヘッドフォンやスピーカ等へ音声出力する。
これと同時に、これらの映像データおよび音声データとを必要に応じて符号化部340で符号化し、送信部345からネットワーク200を介して接続されたプロジェクタ100へ送信する。送信する先のプロジェクタ100は、記憶したときのプロジェクタではなく、他のプロジェクタであってもかまわない。
また、操作者の要求により、ウインドウMWへ表示された画像を画像出力部375によってプリンタ等へ出力する。
【0033】
送信先の各プロジェクタから送信されたデータを受信部350で受信し、必要に応じて復号化した映像および音声データを第2の録画・録音データ記憶部380(図3で説明した録画・録音データ記憶部360と同じデータ構造を持つ)へ記憶する。
ここに記憶された第2の録画・録音データ記憶部380のデータは、次回、第1の録画・録音データ記憶部365と置き換えて、再度、再生に使うこともできる。
【0034】
このように構成することにより、先に、録画・録音データ記憶部365へ保存した情報を再生し、制御装置300からプロジェクタ100へ送信し、再現表示することが可能となる。
【0035】
図6は、上述した本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおける制御装置300の他の機能構成図であり、図3および図5と同じ意味をもつ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略し、その違いだけを説明する。
図6において、制御装置300は、操作記録部380、音声入力部310、ポインタ入力部315、制御情報入力部320、映像データ記憶部325、表示部330、音声出力部335、操作記録記憶部385とから構成される。
【0036】
操作記録部380は、映像データ記憶部325に記憶された映像データを表示部330によってディスプレイ等へ表示させ、音声データは確認のため音声出力部335によってスピーカ等へ出力しながら、操作者が行った映像操作の操作記録を操作記録記憶部385(図3で説明した録画・録音データ記憶部360と同じデータ構造を持つ)へ記録する。映像や音声に対する操作とは、次のような操作である。
・音声入力部310は、表示された映像への説明をマイク等から入力する。
・ポインタ入力部315は、表示映像の位置を示すためにマウス等のポイント入力デバイスが移動した位置や移動量を入力する。
・制御情報入力部320は、表示画像の明るさやコントラスト等の映像調整、投影映像の画面変化制御、画面の拡大・縮小表示、静止、表示位置移動、フェーズ・クロックの調整等の映像制御情報やボリューム調整、バランス調整等の音声制御情報を入力する。
【0037】
このように一旦、操作記録記憶部385へ記録された操作記録は、上述した再生部370によって再生させて、ネットワーク200を介して接続された各プロジェクタ100へ送信し、自動的に各プロジェクタを操作・制御することが可能となるので、決まった内容の講義やプレゼンテーション等に効果的である。
【0038】
上記の説明では、ネットワーク200に接続した複数のプロジェクタに対して、同じ情報を送信するには、制御装置300から同報通信として行っていた。
本実施例では、制御装置300は情報(符号化した映像・音声および制御情報)を1つのプロジェクタ100だけに送信し、その情報を受信したプロジェクタ100がそれを他のプロジェクタに送信することによって、複数のプロジェクタで同じ映像を表示することが可能となる。
また、複数の部屋や複数の遠隔地での同時プレゼンテーションとプロジェクタの同時制御も可能となる。
【0039】
このために、制御装置300の送信部170(図2参照)は、符号化した映像・音声および制御情報のほかに、制御装置300のネットワーク200上でのアドレス(IPアドレス)と各プロジェクタのアドレス(IPアドレス)のリストをそのリスト上の先頭のプロジェクタへ送信する。
【0040】
この通信を受信したプロジェクタ100の受信部110は、映像等の情報を処理するとともに、プロジェクタのアドレスリストの中の自分のアドレス(IPアドレス)の次にあるアドレスへ受信情報を転送する。
この転送をアドレスリストの最後にあるアドレスまで繰り返すことにより、制御装置300に繋がったすべてのプロジェクタに同じ情報を送信することができる。また、各プロジェクタはその実際に投影する映像や出力する音声を制御装置300へ返信することができる。
【0041】
上述した実施の形態を構成する制御装置またはプロジェクタの各機能をそれぞれプログラム化し、あらかじめROM等の記録媒体に書き込んでおき、このROMを装着したコンピュータからこれらのプログラムを実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読出されたプログラム自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
【0042】
なお、記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
【0043】
また、上述した実施の形態の機能を実現するプログラムを格納したROMを機能拡張ボードや機能拡張ユニットに設置し、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって、上述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。
【0044】
さらに、上述したプログラムをサーバコンピュータの磁気ディスク等の記憶装置に格納しておき、ネットワークで接続されたユーザのコンピュータからダウンロード等の形式で頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【0045】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、プロジェクタとそれを制御する制御装置が遠くはなれた場合であっても、操作者が制御装置を用いて確実にそのプロジェクタを操作することができる。
【0046】
また、制御装置側にプロジェクタで表示している映像と音声が送信されてくるので、プロジェクタの制御結果を画面で確認しながら制御でき、制御を確実に行うことできる。
また、制御装置側へプロジェクタで表示している映像や音声を送信してくるので、操作者が変更した映像調整の結果や音声調整の結果をモニタしながら調整ができる。
また、プロジェクタの表示映像が変化する制御および音声制御の変化が制御側に送られてくるので、操作者の制御による変化を確認しながらプロジェクタの制御ができる。
【0047】
また、制御装置のマウス、リモコン等によるポイント指示をプロジェクタ側でポインタとして表示させることによって、操作者が遠隔地から映像を指し示すレーザーポインタ機能として使用できる。
【0048】
また、各プロジェクタから送信されてきた、映像・音声を録画・録音することで、プロジェクタを用いて行った会議・プレゼンテーションを記録し、後に再現することができ、また、プリンタに印刷することもできる。
【0049】
また、遠隔操作または制御手順の記録を再生することによって、自動的にプロジェクタを操作・制御することができる。
【0050】
また、映像や音声等の情報を複数プロジェクタに送信することで、複数の部屋や遠隔地での同時プレゼンテーションができる。
【0051】
また、制御装置および各プロジェクタ間の通信には情報を暗号化して送受信するので、ネットワークを介してプロジェクタおよび制御装置間で送受信される情報の盗聴を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロジェクタの遠隔制御システムの全体構成図である。
【図2】本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおけるプロジェクタの機能構成図である。
【図3】本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおける制御装置の機能構成図である。
【図4】本発明の制御装置の表示部で表示される画面例を示す図である。
【図5】本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおける制御装置の他の機能構成図である。
【図6】本発明のプロジェクタの遠隔制御システムにおける制御装置の他の機能構成図である。
【図7】従来のプロジェクタの遠隔制御システムを示した構成図である。
【符号の説明】
100…プロジェクタ、110…受信部、120…復号化部、130…制御実行部、140…投影部、150…音声出力部、160…符号化部、170…送信部、200…ネットワーク、300…制御装置、305…プロジェクタ操作制御部、310…音声入力部、315…ポインタ入力部、320…制御情報入力部、325…映像データ記憶部、330…表示部、335…音声出力部、340…符号化部、345…送信部、350…受信部、355…復号化部、360…録画・録音データ記憶部、365…第1の録画・録音データ記憶部、370…再生部、375…画像出力部、380…第2の録画・録音データ記憶部、385…操作記録記憶部。

Claims (3)

  1. 操作者が操作する制御装置と、前記操作者から見えない遠隔地にある1台以上のプロジェクタとをネットワークを介して接続し、前記制御装置から前記プロジェクタを制御するプロジェクタの遠隔制御システムであって、
    前記制御装置は、各プロジェクタに出力する映像データと音声データ、および、これらのデータの出力を調整するプロジェクタの調整情報を送信する送信手段と、各プロジェクタから実際に行った動作結果を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した各プロジェクタの動作結果を、各プロジェクタ別に出力する出力手段とを有し、前記出力手段の出力結果に応じて、前記操作者から受け取ったプロジェクタの調整情報を前記送信手段で該プロジェクタに送信し、該プロジェクタの調整結果を前記受信手段で受信するようにし、
    前記プロジェクタは、前記制御装置から送信された映像データと音声データとを調整情報で調整して出力し、出力した動作結果を前記制御装置へ返信する返信手段を有することを特徴とするプロジェクタの遠隔制御システム。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタの遠隔制御システムにおいて、前記制御装置の出力手段は、各プロジェクタに対応する複数の表示ウインドウと、前記複数の表示ウインドウの中からいずれかの表示ウインドウを受け付ける受付手段とを備え、前記受信手段で受信した動作結果のうち映像データは、プロジェクタに対応する前記表示ウインドウに表示し、音声データに対しては、前記受付手段で受け付けた表示ウインドウに対応するプロジェクタからの音声データのみ出力することを特徴とするプロジェクタの遠隔制御システム。
  3. 請求項1または2に記載のプロジェクタの遠隔制御システムにおいて、前記制御装置の送信手段は、この制御装置のポイント入力デバイスの位置や移動量に関する情報をも送信し
    前記プロジェクタの返信手段は、前記制御装置から送信された位置や移動量に関する情報に応じた位置にポインタを投影した出力結果を前記制御装置へ返信することを特徴とするプロジェクタの遠隔制御システム。
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