JP3830143B2 - 回路内蔵受光素子の製造方法 - Google Patents

回路内蔵受光素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の技術分野】
本発明は、入射した光を電気信号に変換するフォトダイオードと、変換信号を処理する集積回路を同一シリコン基板上に形成した回路内蔵受光素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回路内蔵受光素子は、主に光ピックアップに用いられており、半導体レーザーの焦点位置をディスク上に合わせるためのフォーカス誤差信号やレーザーの焦点位置をディスク上のピットに合わせる(トラッキング)ためのラジアル誤差信号を得るのに利用されている。近年、CD−ROM、DVD−ROMドライブなどに用いられる光ピックアップの高速化が進み、高速で性能の良い回路内蔵受光素子が求められている。
【0003】
従来の回路内蔵受光素子500を図10(特許公報2731115号)に示す。まず分割フォトダイオード構造の特徴は、応答の遅い拡散電流を低減するために、N型埋込拡散層103およびP型拡散層109を形成していることである。また、半導体基板101は、接合容量を低減するためP型<111>40Ωcmを使用している。これらにより、空乏層を広げて、移動速度の遅い拡散キャリアが拡散により移動する距離を短くすることでフォトダイオードの応答を改善しており、fc(−3dB)として30MHzが達成されている。
【0004】
また、表面には反射防止膜として、シリコン窒化膜111が形成されており、CD−ROMで使用される780nmのレーザ波長に対して反射率が小さくなるように設定されている。
【0005】
一方、この回路内蔵受光素子の集積回路部分は、拡散分離で素子分離を行い、エミッタ、ベースともにそれぞれ砒素(As+)、ボロン(B+)のイオン注入により形成されている。このように形成されたNPNトランジスタのfTmaxは、3GHzであり、回路内蔵受光素子としては、20MHz程度の応答が達成されている。
【0006】
図11A〜図11Hを参照して、この回路内蔵受光素子の製造工程について以下に説明する。
【0007】
図11Aに示すように、P型<111>40Ωcm基板101上において、素子分離およびフォトダイオードの分割領域にP型埋込拡散層102を形成して、分割フォトダイオードの応答を改善するためのN型埋込拡散層103と、NPNトランジスタ部のN型埋込拡散層103を形成し、この後N型エピタキシャル層104を形成する。
【0008】
次に図11Bに示すように、P型拡散層105、V−PNPトランジスタのベース領域(図示せず)、NPNトランジスタのコレクタ補償拡散層106を形成する。
【0009】
次に図11Cに示すように、ボロンのイオン注入によりNPNトランジスタのベース領域(内部ベース領域107、外部ベース領域108)、V−PNPトランジスタのエミッタ領域(図示せず)、分割フォトダイオードの応答を改善するためのP型拡散層を形成する。
【0010】
次に図11Dに示すように、NPNトランジスタのエミッタ領域に砒素のイオン注入を行い、トランジスタのエミッタ領域110を形成する。
【0011】
次に図11Eに示すように、膜厚の制御された反射防止膜を形成するため、一度分割フォトダイオード受光領域のフィールドシリコン酸化膜を除去し、シリコン窒化膜111をCVDにより形成する。
【0012】
次に図11Fに示すようにコンタクト部のシリコン酸化膜をエッチングした後、第1層目配線となるAlSiをスパッタにより形成し、配線部分112をドライエッチにより形成する。この時、分割フォトダイオードの受光領域のAlSiは、エッチングしない。この理由はドライエッチにより、反射防止膜のシリコン窒化膜111が膜べりしたり、ドライエッチのプラズマによるダメージのため、フォトダイオードのリーク特性が劣化するためである。
【0013】
次に層間絶縁膜113を形成して、集積回路内のスルーホール形成を行う。またこの時、フォトダイオード上の層間絶縁膜113をエッチングする。図11Gに示すように、第2層目配線114となるAlSiをスパッタにより形成し、第2層目配線114の形成、フォトダイオード受光領域のAlSi除去のためのパターニングをする。
【0014】
最後に図11Hに示すように、第2層目配線部分114および分割フォトダイオード部のAlSi(第1、第2層配線積層)をウェットエッチによりエッチングする。このドライエッチを行うと、反射防止膜であるシリコン窒化膜111の膜べりや、フォトダイオードのリーク特性の劣化が生じるためである。その後、カバー絶縁膜115を形成する。
【0015】
以上により図10に示す回路内蔵受光素子500が得られるが、近年、回路内蔵受光素子の更なる高速化が要求されており、分割フォトダイオード、集積回路ともに高速化のための改善が検討されている。
【0016】
分割フォトダイオードのさらなる高速化のためには、CR時定数を小さくする必要がある。具体的には、フォトダイオード容量Cpdの低減もしくは直列抵抗Rsの低減が必要である。
【0017】
例えば、図12に示すフォトダイオード構造が、(特開平10−107243号公報)により提案されている。この構造では、実際に半導体レーザの入射光のあたる部分のみにN型埋込拡散層109を形成しており、図10の構造により改善された応答性を保ちつつ、接合面積を減らすことにより接合容量の低減を実現している。この場合、受光表面にP型拡散層109とN型エピタキシャル層104との接合があり、反射防止膜としてシリコン熱酸化膜116の形成が必要である。CVDなどのデポ膜をシリコンに直接形成すると、表面のP型拡散層109とN型エピタキシャル層104との接合部でのリーク電流が増大するためである。
【0018】
一方、集積回路の高速化については、特にトランジスタ単体の高速化が重要である。一例としてNPNトランジスタをあげるが、まずエミッタ−ベース間容量の低減が有効である。このためには、エミッタ、ベースの不純物濃度を下げるか、エミッターベース面積を小さくすることが必要である。しかし、前者は、キャリアの注入効率が低下して電流増幅率(hFE)が低下するため採用できない。
【0019】
また、エミッタ−ベース面積を小さくするため、マスクのアライメントマージンをできるだけ減らすリソグラフィー技術の開発が進められている。更に構造的にエミッタ−ベース面積を小さくするため、砒素などのn型半導体を導入した多結晶シリコンをエミッタの拡散源および電極に用いる方法(多結晶シリコンエミッタ)が採用されている。この方法では、エミッタ拡散とコンタクトのアライメントマージンが不要なため、エミッタ−ベース面積が縮小でき、エミッタ−ベース間容量を低減できる。
【0020】
また、多結晶シリコンエミッタの採用により、浅いエミッタ拡散、べース拡散を形成することが可能であり、ベース幅が縮小できるため、高速化できる。
【0021】
さらに、ベースコレクタ間容量の低減についても、上述の多結晶シリコンエミッタは有効である。それは、エミッタ面積が小さくなる分だけ、同時にべース面積を縮小することができるためである。
【0022】
また、素子分離としてロコス酸化(局所酸化)を行うことにより、ウォールドベース構造が採用でき、ベースとコレクタとの間の容量を低減できる。また、コレクタと基板との間の容量を低減することができる。
【0023】
上記の多結晶シリコンエミッタの採用により、NPNトランジスタのfTmaxが従来の3GHzから6GHzへと改善された。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、回路内蔵受光素子の高速化のため、上記の図12に示す分割フォトダイオードと、多結晶シリコンエミッタおよび局所酸化(ロコス酸化)を行って高速化した集積回路とを同一基板上に形成する際には、いくつかの問題がある。
【0025】
これらの問題点は、分割フォトダイオードの反射防止膜の形成に関する課題Aと、素子分離のロコス段差に関する課題Bに分類できる。まず、分割フォトダイオードの反射防止膜の形成に関する課題Aとしては、
A1.トランジスタの歩留り低下
A2.スルー酸化膜のバラツキによるトランジスタ特性のバラツキ
A3.反射防止膜の膜べり(反射率の増加、バラツキ増大)
がある。これらの課題について以下に説明する。
【0026】
A1.トランジスタの歩留り低下
図12に示す分割フォトダイオードでは、受光表面にP型拡散層109とN型エピタキシャル層104との接合が、反射防止膜としてCVDなどのデポ膜を形成した場合、表面でのリーク電流が増大する。そのため、反射防止膜としてシリコン熱酸化膜116を形成する必要がある。しかし、砒素などのn型半導体を導入した多結晶シリコンを形成し、その後に適切な熱処理を行ってエミッタ拡散を形成した後で、熱酸化を行うと結晶欠陥によりトランジスタの歩留りが低下することが判明した。
【0027】
A2.スルー酸化膜厚のバラツキによるトランジスタ特性のバラツキ
NPNトランジスタの内部べース領域の形成は、通常、酸化膜(スルー酸化膜)を通したイオン注入により行われる。このスルー酸化膜厚がばらつくと、イオン注入による不純物濃度プロファイルがばらつく。内部べース領域の形成を分割フォトダイオードの反射防止膜形成後に行うと、反射防止膜形成時の前処理、エッチングにより、内部ベース領域のスルー酸化膜が膜べリし、膜厚バラツキが増える。内部ベース領域の濃度プロファイルのバラツキが増え、トランジスタ特性がばらつく。また、これを避けるため、反射防止膜形成後にスルー酸化膜を形成するためには、すでにあるシリコン酸化膜の除去と酸化工程とが別途必要であり、製造コストがあがってしまう。
【0028】
A3.反射防止膜の膜べり(反射率の増加、バラツキ増大)
多結晶シリコンエミッタを使用する場合、実際の配線材料として使用されるAlSiと多結晶シリコンのSiとの間には、バリアメタルが必要である。このバリアメタルとして、例えばTiWなどが使用されるが、通常は配線(多層配線の場合は、第1層目)と同時にスパッタされ、同時にエッチングされる。このバリアメタルのエッチングは、ドライエッチで行われる。また、ICの小型化のため、配線幅の縮小が望まれており、そのためにはドライエッチングによるパターニングが望ましい。しかし、このドライエッチングにより膜厚制御した反射防止膜もエッチングされてしまい、反射率が最も低くなるように設定した反射率や、そのバラツキが増える。また、ドライエッチングのプラズマダメージにより、リーク電流が増大する。
【0029】
B.素子分離のロコス段差によるクロストーク特性
分離拡散層5の形成は、通常、図13Aのように活性領域を決定するシリコン窒化膜7を形成した後、図13Bのように、分離拡散領域にボロンをイオン注入し、図13Cのように、局所酸化(ロコス酸化)で押し込むことにより行われる。局所酸化による分離(以下、ロコス分離という)は、すべての素子分離部に適用され、ロコス部と非ロコス部との境界で段差(以下、ロコス段差という)が生じる。
【0030】
従って、図14に示すように分割フォトダイオードの分割部にもロコス段差が生じ、そのロコス段差部で分割フォトダイオードヘの入射光が散乱されるため、均一に入射されず、クロストーグ特性の劣化が懸念される。
【0031】
以上の課題を解決しつつ、多結晶シリコンエミッタ、ロコス分離を採用した高速な集積回路と高速な分割フォトダイオードを同一基板上に形成する必要がある。
【0032】
本発明の目的は、多結晶シリコンエミッタ、ロコス分離を採用した高速な集積回路と高速な分割フォトダイオードとを同一基板上に形成した回路内蔵受光素子の製造方法を提供することにある。
【0033】
本発明の他の目的は、トランジスタの歩留りの良好な回路内蔵受光素子の製造方法を提供することにある。
【0034】
本発明のさらに他の目的は、スルー酸化膜厚のバラツキによるトランジスタ特性のバラツキの少ない回路内蔵受光素子の製造方法を提供することにある。
【0035】
本発明のさらに他の目的は、反射率が低くなるように最適化された膜厚を有し、かつ反射率のバラツキの少ない反射防止膜を形成する回路内蔵受光素子の製造方法を提供することにある。
【0036】
本発明のさらに他の目的は、クロストーク特性の良好な回路内蔵受光素子の製造方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回路内蔵受光素子の製造方法は、第1導電型半導体基板上に、第2導電型半導体層が積層されており、該第2導電型半導体層が、第1の第1導電型分離拡散層によって集積回路部とフォトダイオード部とに分離されて、前記集積回路部に集積回路が形成されるとともに、前記フォトダイオード部に第2の第1導電型分離拡散層によって分割された複数の分割フォトダイオードが形成された回路内蔵受光素子の製造方法であって、前記第2導電型半導体層に前記第1および第2の第1導電型分離拡散層を形成し、該第2導電型半導体層および全ての前記第1導電型分離拡散層の表面上に酸化膜を形成して、前記第1導電型分離拡散層表面上の前記酸化膜部分を局所酸化するステップと、次いで、局所酸化されなかった前記酸化膜を全て除去して膜厚が制御された第1シリコン酸化膜を形成するステップと、次いで、前記集積回路部において前記第1シリコン酸化膜越しのイオン注入によってベース領域を形成するステップと、次いで、前記フォトダイオード部の受光部に存在する全ての酸化膜を、反射防止膜となるシリコン熱酸化膜に置換するステップと、次いで、前記集積回路部に、エミッタ拡散源および電極となる多結晶シリコンを用いてトランジスタを形成するステップと、を包含することを特徴とする
【0038】
また、本発明に係る回路内蔵受光素子の製造方法は、第1導電型半導体基板上に、第2導電型半導体層が積層されており、該第2導電型半導体層が、第1の第1導電型分離拡散層によって集積回路部とフォトダイオード部とに分離されて、前記集積回路部に集積回路が形成されるとともに、前記フォトダイオード部に第2の第1導電型分離拡散層によって分割された複数の分割フォトダイオードが形成された回路内蔵受光素子の製造方法であって、前記第2導電型半導体層に前記第1および第2の第1導電型分離拡散層を形成し、該第2導電型半導体層および全ての前記第1導電型分離拡散層の表面上に酸化膜を形成して、前記フォトダイオード部の受光部上の前記酸化膜部分を局所酸化するステップと、次いで、局所酸化されなかった前記酸化膜を全て除去して膜厚が制御された第1シリコン酸化膜を形成するステップと、次いで、前記集積回路部において前記第1シリコン酸化膜越しのイオン注入によってベース領域を形成するステップと、次いで、前記フォトダイオード部の受光部に存在する全ての酸化膜を、反射防止膜となるシリコン熱酸化膜に置換するステップと、次いで、前記集積回路部に、エミッタ拡散源および電極となる多結晶シリコンを用いてトランジスタを形成するステップと、を包含することを特徴とする
【0039】
また、本発明に係る回路内蔵受光素子の製造方法は、第1導電型半導体基板上に、第2導電型半導体層が積層されており、該第2導電型半導体層が、第1の第1導電型分離拡散層によって集積回路部とフォトダイオード部とに分離されて、前記集積回路部に集積回路が形成されるとともに、前記フォトダイオード部に第2の第1導電型分離拡散層によって分割された複数の分割フォトダイオードが形成された回路内蔵受光素子の製造方法であって、前記第2導電型半導体層に前記第1および第2の第1導電型分離拡散層を形成し、該第2導電型半導体層および全ての前記第1導電型分離拡散層の表面上に酸化膜を形成して、前記第1の第1導電型分離拡散層表面上および前記フォトダイオード部上の全ての前記酸化膜部分をそれぞれ局所酸化するステップと、次いで、前記フォトダイオード部上の局所酸化膜を前記フォトダイオード部の反射防止膜となるシリコン熱酸化膜に置換するとともに、前記集積回路部における前記局所酸化されなかった前記酸化膜の全てを、膜厚が制御された第1シリコン酸化膜に置換するステップと、次いで、前記集積回路部において前記第1シリコン酸化膜越しのイオン注入によってベース領域を形成するステップと、次いで、前記集積回路部に、エミッタ拡散源および電極となる多結晶シリコンを用いてトラン ジスタを形成するステップと、を包含することを特徴とする。
【0040】
また、本発明に係る回路内蔵受光素子の製造方法は、第1導電型半導体基板上に、第2導電型半導体層が積層されており、該第2導電型半導体層が、第1の第1導電型分離拡散層によって集積回路部とフォトダイオード部とに分離されて、前記集積回路部に集積回路が形成されるとともに、前記フォトダイオード部に第2の第1導電型分離拡散層によって分割された複数の分割フォトダイオードが形成された回路内蔵受光素子の製造方法であって、前記第2導電型半導体層に前記第1および第2の第1導電型分離拡散層を形成し、該第2導電型半導体層および全ての前記第1導電型分離拡散層の表面上に酸化膜を形成して、前記フォトダイオード部の受光部上以外の酸化膜を局所酸化させるステップと、次いで、局所酸化されなかった前記酸化膜を全て除去して膜厚が制御された第1シリコン酸化膜を形成するステップと、次いで、前記集積回路部において前記第1シリコン酸化膜越しのイオン注入によってベース領域を形成するステップと、次いで、前記フォトダイオード部の受光部に存在する全ての酸化膜を、反射防止膜となるシリコン熱酸化膜に置換するステップと、次いで、前記集積回路部に、エミッタ拡散源および電極となる多結晶シリコンを用いてトランジスタを形成するステップと、を包含することを特徴とする
【0041】
好ましくは、前記ベース領域の形成に際して、前記フォトダイオード部における前記第1シリコン酸化膜越しのイオン注入によって表面拡散層を同時に形成する。
【0042】
好ましくは、前記局所酸化が、該局所酸化される部分以外の領域を第1のシリコン窒化膜によって覆った状態で行なわれ、該第1のシリコン窒化膜は、前記第1導電型分離拡散層が形成された後に形成される。
【0043】
好ましくは、前記第1のシリコン酸化膜が10nm〜40nmの膜厚に形成される。
【0044】
好ましくは、前記シリコン熱酸化膜を形成するステップに次いで、該シリコン熱酸化膜上に、前記反射防止膜を構成する第2のシリコン窒化膜を形成するステップをさらに包含する。
【0045】
好ましくは、前記ベース領域を形成するステップに次いで、前記シリコン熱酸化膜上に、前記反射防止膜を構成する第2のシリコン窒化膜を形成するステップをさらに包含する。
【0046】
好ましくは、前記第2のシリコン窒化膜の形成と同時に、前記集積回路部にシリコン窒化膜容量部となるシリコン窒化膜を形成する。
【0047】
好ましくは、前記第2のシリコン窒化膜の形成後に、該第2のシリコン窒化膜を保護する第2のシリコン酸化膜を形成するステップをさらに包含する。
【0048】
好ましくは、前記トランジスタの形成後に、前記集積回路部に配線を形成する配線形成工程が実施され、前記第2のシリコン酸化膜は、該配線形成工程の終了後にエッチングされる。
【0049】
好ましくは、前記第2のシリコン酸化膜のエッチングは、前記配線形成工程にて形成された配線を保護するカバー絶縁膜を形成した後に該カバー絶縁膜を保護膜として実行されるウェットエッチングである。
【0050】
好ましくは、前記第1導電型半導体基板が、高比抵抗基板からなる。
【0051】
好ましくは、前記第1導電型半導体基板が、低比抵抗基板と、該低比抵抗基板上に形成された高比抵抗エピタキシャル層とからなる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に具体的に本発明の実施の形態について説明する。
【0053】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1による回路内蔵受光素子100の断面図を示す。
【0054】
NPNトランジスタのエミッタ領域15の形成には、拡散源および電極として多結晶シリコン16を用いており、集積回路部分の素子分離としては局所酸化(ロコス酸化ともいう)が行われている。また、同一シリコン基板上に分割フォトダイオードが形成されており、その拡散構造は、応答速度の高速化や高周波ノイズの低減が達成できる構造となっている。具体的には、応答の遅い拡散電流成分を低減するため、その高速な応答を改善し、フォトダイオード容量を小さくできる構造である(特開平10−107243号公報の構造、図12参照)。
【0055】
また、反射防止膜は、上記の拡散構造において表面でのリーク電流を低減するため、シリコン熱酸化膜11(膜厚26nm)を表面に形成し、その上に第1シリコン窒化膜であるシリコン窒化膜12(膜厚50nm)を形成した構造となっている。これらの膜厚は、実際に使用されるレーザ波長780nm、650nmに対して反射率が低くなるように設定している。この回路内蔵受光素子の製造方法について、図2A〜図2Hを用いて以下に説明する。
【0056】
まず図2Aに示すように、P型半導体基板1上において、分離部となる領域にP型埋込拡散層2を形成し、その後に分割フォトダイオード部とNPNトランジスタ部とにN型埋込拡散層3を形成し、N型エピタキシャル層4を成長させる。P型半導体基板1として高比抵抗な(比抵抗:500Ωcm程度)基板を使用し、フォトダイオード容量を低減する。同時にN型埋込拡散層3をP型埋込拡散層2の近傍のみに形成し、拡散電流成分を低減する。これらによりフォトダイオードの高速化を達成している。
【0057】
次に図2Bに示すように、シリコン酸化膜6を形成し、その後活性領域を決定するシリコン窒化膜7を形成し、P型分離拡散層5を形成する。
【0058】
次に図2Cに示すように、局所酸化(ロコス酸化)を行い、膜厚の制御されたスルー酸化膜を形成するために局所酸化によって酸化しなかった部分の酸化膜を一度エッチングし、スルー酸化膜となるシリコン酸化膜6A(膜厚数十nm)を再形成し、V−PNPトランジスタのベース領域(図示せず)、NPNトランジスタのコレクタ補償拡散層8、内部ベース領域9をスルー酸化膜となるシリコン酸化膜6A越しのイオン注入により形成する。この時、NPNトランジスタの内部ベース領域9を形成すると同時に分割フォトダイオードのP型拡散層10を形成する。
【0059】
次に図2Dに示すように、分割フォトダイオードの反射防止膜としてシリコン熱酸化膜11(膜厚26nm)と第1シリコン窒化膜であるシリコン窒化膜12(膜厚50nm)とを形成する。更にこれらの反射防止膜を配線エッチングによる膜べりなどから保護するためにCVD系のシリコン酸化膜13を形成する。反射防止膜として、シリコン熱酸化膜11を形成することにより、図12のフォトダイオード拡散構造が採用できる。また、その上にシリコン窒化膜12を形成することによりさらに反射率を低減することができる。集積回路内のシリコン窒化膜容量部には、第2シリコン窒化膜12Aが形成される。
【0060】
これらの膜厚は、光ピックアップで使用される半導体レーザ波長(λ=650nm、780nm)に対して反射率を最も低くできるように選んでいる(図3A、図3B参照)。また、図3A、図3Bよりシリコン酸化膜11の膜厚を10〜40nmにしておけば、反射率を7%以下にすることができる。
【0061】
NPNトランジスタの内部ベース領域9を形成した後、分割フォトダイオードの反射防止膜を形成することにより、反射防止膜の前処理、エッチングによるスルー酸化膜となるシリコン酸化膜6Aの膜厚バラツキがなく、トランジスタ特性バラツキが増加することもない。上記第1シリコン窒化膜であるシリコン窒化膜12は、窒化膜容量部の第2シリコン窒化膜12Aと同時に形成することにより、製造コストアップすることなく形成できる。
【0062】
また、次に図2Eに示すように、V−PNPトランジスタのエミッタ領域(図示せず)、NPNトランジスタの外部ベース領域14および拡散源および電極となる多結晶シリコン16を形成する。この多結晶シリコン16に砒素をイオン注入し、アニールすることによりエミッタ領域15を形成する。分割フォトダイオードの反射防止膜の形成をエミッタ領域15を形成する前に行っているため、トランジスタの歩留り低下を防止できる。
【0063】
次にコンタクトホールを形成し、AlSiなどの導電材料を全面に形成した後、図2Fに示すように、第1層目配線17をパターニングする。第1属目配線17のエッチングは、バリアメタル(TiW)エッチングおよび配線幅縮小のためドライエッチングで行われる。この時、分割フォトダイオード上の反射防止膜を保護するためのCVD系シリコン酸化膜13を形成してあることにより、ドライエッチ時に反射防止膜が膜ベりせず、反射防止膜の膜厚が最適値に維持できると共に、プラズマによりダメージを受けることもなく、フォトダイオードのリーク電流特性の劣化を防止できる。
【0064】
次に図2Gに示すように、層間絶縁膜18を形成した後、第2層目配線19を形成する。これらは、いずれもドライエッチで形成されるが、この時も分割フォトダイオード上の反射防止膜を保讃するためのCVD系シリコン酸化膜13を形成してあることにより、ドライエッチ時に反射防止膜が膜べりせず、反射防止膜の膜厚が最適値に維持できると共に、ブラズマによりダメージを受けることもなく、フォトダイオードのリーク電流特性の劣化を防止できる。
【0065】
図2Hは、本発明の実施の形態1のプロセス完了状態を示している。第2層目配線19を形成した後、カバー絶縁膜となるシリコン窒化膜20を形成する。最後にこのパターニングしたシリコン窒化膜20を保護膜にして、第1ドライエッチング用の保護用CVD系シリコン酸化膜13をウェットエッチする。これにより、フォト工程が削滅でき、コストダウンできる。また、保護用シリコン酸化膜13をすべてのドライエッチ工程が完了してから行うことにより、すべてのドライエッチから反射防止膜を保護することができる。
【0066】
以上の製造方法により、トランジスタ特性を変動させることなく、分割フォトダイオードの反射防止膜であるシリコン熱酸化膜11とシリコン窒化膜12とを形成できる。また、分割フォトダイオードの光感度が低下せず、リーク電流特性が劣化することなく、ドライエッチによる配線幅の小さい配線の形成が可能で、より集積回路の集積度を向上することができる。
【0067】
また、フォトダイオード容量の低減のためには、高比抵抗基板を使うのが望ましいが、基板比抵抗が高すぎるとフォトダイオードの直列抵抗が大きくなり、CR時定数により応答はむしろ低下する。従って、更なる高速化のためには、P型低比抵抗基板(比抵抗:4Ωcm)上にP型高比抵抗エピタキシャル層(比抵抗:1000Ωcm)を形成した基板を使用し、フォトダイオード容量を増加させることなく、フォトダイオードの直列抵抗を下げることが可能である。
【0068】
(実施の形態2)
図4に本発明の実施の形態2による回路内蔵受光素子200の断面図を示す。
【0069】
本発明の実施の形態2による回路内蔵受光素子200の製造方法の特徴は、集積回路部分の素子分離で局所酸化(ロコス酸化)を行うとき、本発明の実施の形態1で生じる、分割フォトダイオードの分割部のロコス段差が生じないことである。これによりクロストーク特性の劣化に対する懸念は解消できる。この回路内蔵受光素子200の製造方法について、図5A〜図5Dを用いて以下に説明する。
【0070】
まず図5Aに示すように、P型半導体基板1上に、分離部となる領域にP型埋込拡散層2を形成し、NPNトランジスタ部にN型埋込拡散層3を形成し、N型エピタキシャル層4を成長させる。P型半導体基板1として高比抵抗な(比抵抗:500Ωcm程度)基板を使用しており、目的は実施の形態1と同じである。
【0071】
次に図5Bに示すように、シリコン酸化膜6を形成し、活性領域を決定するシリコン窒化膜7を形成した後、P型分離拡散層5を形成する。活性領域を決定するシリコン窒化膜7を形成した後、ボロンをイオン注入し、局所酸化(ロコス酸化)で押し込むことにより分離拡散層5を形成するという工程順序は実施の形態1と同じである。
【0072】
しかし、分割フォトダイオードの受光領域全面に局所酸化を行い(図5C参照)、分割部ではロコス段差が生じないようにする。これにより分割フォトダイオードの分割部でのロコス段差によるクロストーク特性劣化の懸念を解消できる。実施の形態1と同様に、局所酸化を行い、シリコン窒化膜7を除去後、膜厚の制御されたスルー酸化膜6Aを形成する。
【0073】
次に図5Dに示すように、NPNトランジスタのコレクタ補償拡散層8、内部ベース領域9をイオン注入により形成する。この時、実施の形態1で内部べース領域と同時に形成していたフォトダイオードのP型拡散層10は、厚い局所酸化膜が受光領域表面にあるため形成できない。また、この後分割フォトダイオードの反射防止膜となるシリコン熱酸化膜11を形成する。実施の形態1と同様にこのシリコン酸化膜11を内部ベース領域の形成後に行うことにより、スルー酸化膜のバラツキを防止できる。
【0074】
この後は、実施の形態1と同様のため図示しないが、反射防止膜であるシリコン窒化膜12およびこれらの反射防止膜を配線エッチングによる膜べりなどから保護するためにCVD系のシリコン酸化膜13を形成する。このシリコン窒化膜12も、窒化膜容量部の第2シリコン窒化膜12Aと同時に形成することにより、コストアップすることもない。
【0075】
次にV−PNPトランジスタのエミッタ領域、NPNトランジスタの外部べース領域14および拡散源および電極となる多結晶シリコン16を形成する。この多結晶シリコン16に砒素をイオン注入し、アニールすることによりエミッタ領域15を形成する。コンタクトホールを形成し、AlSiなどの導電材料を全面に形成した後、第1層目配線17をパターニングする。最後に層間絶縁膜18、第2層目配線19を形成した後、カバー絶縁膜となるシリコン窒化膜20を形成する。最後にこのパターニングしたシリコン窒化膜20を保護膜にして、ドライエッチ保護用CVD系シリコン酸化膜13をウェットエッチする。
【0076】
以上のように実施の形態2では、案施形態1の利点に加えて、分割フォトダイオードの分割部でのロコス段差がないため、ロコス段差によるクロストーク特性の劣化に対する懸念が解消できる。またこの実施の形態2でも更なる高速化のためにP型低比抵抗基板(比抵抗:4Ωcm)上にP型高比抵抗エピタキシャル層(比抵抗:1000Ωcm)を形成した基板を使用し、フォトダイオードの直列抵抗を下げることが可能である。
【0077】
(実施の形態3)
図6に本発明の実施の形態3による回路内蔵受光素子300の断面図を示す。
【0078】
本発明の実施の形態3による回路内蔵受光素子300では、実施の形態2と同様に分割フォトダイオードの分割部にロコス段差が生じない上に、実施の形態2では不可能だったフォトダイオードの応答改善のために必要なP型拡散層10が形成できる。この回路内蔵受光素子300の製造方法について、図7A〜図7Cを用いて以下に説明する。
【0079】
まず実施の形態1と同様に、P型半導体基板1上に、P型埋込拡散層2、N型埋込拡散層3を形成し、N型エピタキシャル層4を成長させる。本発明の実施の形態1、2と同じようにP型半導体基板1として、高比抵抗基板(比抵抗:500Ωcm)を使用する。
【0080】
次に実施の形態1、2と同様に、シリコン酸化膜6、シリコン窒化膜7を形成し、P型分離拡散層5を形成する。この後、実施の形態2と同様に分割フォトダイオードの受光領域全面に局所酸化を行い、分割部ではロコス段差が生じないようにし、分割フォトダイオードの分割部でのロコス段差によるクロストーク特性劣化の懸念を解消できる。
【0081】
次に局所酸化を行って、シリコン窒化膜7を除去した後(図7A参照)、フォトダイオード受光領域の局所酸化膜のエッチングを行い、反射防止膜となるシリコン熱酸化11のみを形成する。その上のシリコン窒化膜12を形成してしまうと、NPNトランジスタの内部ベース領域9と同時に形成する分割フォトダイオードのP型拡散層10が形成できなくなるためである。この時に膜厚の制御されたスルー酸化膜6Aを同時に形成する。これにより、別途スルー酸化膜を形成する必要がなく、工程を削減できるため、コストダウンできる。
【0082】
次に図7Bに示すように、NPNトランジスタのコレクタ補償拡散層8、内部ベース領域9、分割フォトダイオードのP型拡散層10をイオン注入により形成し、さらに分割フォトダイオードの反射防止膜としてのシリコン窒化膜12およびこれらの反射防止膜を配線エッチングによる膜べりなどから保護するためにCVD系のシリコン酸化膜13を形成する。このシリコン窒化膜12も、窒化膜容量部の第2シリコン窒化膜12Aと同時に形成することにより、コストアップすることがない。
【0083】
次に、図7Cに示すように、V−PNPトランジスタのエミッタ領域(図示せず)、NPNトランジスタの外部ベース領域14および拡散源および電極となる多結晶シリコン16を形成する。この多結晶シリコン16に砒素をイオン注入し、アニールすることによりエミッタ領域15を形成する。この実施の形態3でもエミッタ領域の形成より先に反射防止膜を形成しており、トランジスタの歩留り低下がない。
【0084】
以下は実施の形態1、2と同じであるため、図示しないが、次にコンタクトホールを形成し、AlSiなどの導電材料を全面に形成した後、第1層目配線17をパターニングする。この時、分割フォトダイオード上の反射防止膜を保護するためのCVD系のシリコン酸化膜13を形成することにより、このドライエッチ時にシリコン窒化膜12もエッチングされることなく、最適化されたシリコン窒化膜の膜べり、ドライエッチ時のプラズマによるダメージ、フォトダイオードのリーク電流特性の劣化が防止できる。最後に層間絶縁膜18、第2層目配線19を形成した後、カバー絶縁膜となるシリコン窒化膜20を形成する。最後にこのパターニングしたシリコン窒化膜20を保護膜にして、ドライエッチングの保護用CVD系シリコン酸化膜13をウェットエッチする。
【0085】
以上の実施の形態3では、実施の形態1、2の利点に加えて、分割フォトダイオードが高速化できる図12の構造が採用できる。またこの実施の形態3でも更なる高速化のために、P型低比抵抗基板(比抵抗:4Ωcm)上にP型高比抵抗エピタキシャル層(比抵抗:1000Ωcm)を形成した基板を使用し、フォトダイオード容量を増加させることなく、フォトダイオードの直列抵抗を下げることが可能である。
【0086】
(実施の形態4)
図8に本発明の実施の形態4による回路内蔵受光素子400の断面図を示す。
【0087】
本発明の実施の形態4による回路内蔵受光素子400の製造方法の特徴は、集積回路部分の素子分離で局所酸化(ロコス酸化)を行うとき、本発明の実施の形態1で生じる、分割フォトダイオードの分割部のロコス段差が生じないことである。これによりクロストーク特性の劣化に対する懸念は解消できる。実施の形態2、3との違いは、フォトダイオードの分割部を含む受光領域全体に局所酸化を行っていないことである。この回路内蔵受光素子400の製造方法について、図9A〜図9Cを用いて以下に説明する。
【0088】
N型エピタキシャル成長までは、本発明の実施の形態1〜3と全く同じであるが、P型分離拡散層5を形成する工程順が異なる。つまり、図9Aに示すように、シリコン酸化膜6を形成し、P型分離拡散層5を形成した後、活性領域を決定するシリコン窒化膜7を形成する。実施の形態1〜3とは違い、シリコン窒化膜7を形成する前にP型分離拡散層5を形成する。なぜなら、P型分離拡散層5を形成するためにボロンをイオン注入した後、活性領域を決定するシリコン窒化膜7を形成する際に、分割フォトダイオードの分割部を含む受光領域全面には、局所酸化が起こらないようにする。従って実施の形態1〜3と同様の工程順では、シリコン窒化膜7の分にはP型分離拡散層5が形成できず、フォトダイオードが分割できない。また、これにより分割部でロコス段差が生じず、分割フォトダイオードのクロストーク特性の劣化に対する懸念が解消できる。
【0089】
次に図9Bに示すように、局所酸化を行って、シリコン窒化膜7を除去した後、膜厚の制御されたスルー酸化膜を形成するためにロコスによって酸化しなかった部分の酸化膜を一度エッチングし、スルー酸化膜となるシリコン酸化膜6Aを再形成する。
【0090】
次にNPNトランジスタのコレクタ補償拡散層8、内部ベース領域9、分割フォトダイオードのP型拡散層10をイオン注入により形成する。NPNトランジスタの内部ベース領域9と分割フォトダイオードのP型拡散層10とは同時に形成される。
【0091】
実施の形態1〜3と同様に、分割フォトダイオードの反射防止膜であるシリコン熱酸化膜11、シリコン窒化膜12および反射防止膜の保獲用CVD系のシリコン酸化膜13を形成する(図9C参照)。このシリコン窒化膜12は、窒化膜容量部の第2シリコン窒化膜12Aと同時に形成することにより、コストアッブすることなく形成できる。
【0092】
以下は実施の形態1と同じであるため、図示しないが、次にV−PNPトランジスタのエミッタ領域(図示せず)、NPNトランジスタの外部ベース領域14および拡散源および電極となる多結晶シリコン16を形成する。この多結晶シリコン16に砒素をイオン注入し、アニールすることによりエミッタ領域15を形成する。分割フォトダイオードの反射防止膜を先に形成しているため、トランジスタの歩留り低下を防止できる。
【0093】
その後コンタクトホールを形成し、AlSiなどの導電材料を全面に形成した後、第1層目配線17をパターニングする。第1層目配線17のエッチングは、配線幅縮小のためドライエッチングで行われるが、分割フォトダイオード上の反射防止膜を保護するためのCVD系のシリコン酸化膜13を形成することにより、このドライエッチ時にシリコン窒化膜12もエッチングされることなく、最適化されたシリコン窒化膜の膜べり、ドライエッチ時のプラズマによるダメージ、フォトダイオードのリーク電流特性の劣化が防止できる。
【0094】
最後に層間絶縁膜18、第2層目配線19を形成した後、カバー絶縁膜となるシリコン窒化膜20を形成する。最後にこのパターニングしたシリコン窒化膜20を保護膜にして、第1層目配線17のエッチング時の保護用CVD系シリコン酸化膜13をウェットエッチする。
【0095】
以上のように実施の形態4では、実施の形態1の利点に加えて、実施の形態2、3と同様に分割フォトダイオードの分割部とのロコス段差がないため、クロストーク特性の劣化に対する懸念を解消できる。
【0096】
またこの実施の形態4でも更なる高速化のために、P型低比抵抗基板(比抵抗:4Ωcm)上にP型高比抵抗エピタキシャル層(比抵抗:1000Ωcm)を形成した基板を使用し、フォトダイオード容量を増加させることなく、フォトダイオードの直列抵抗を下げることが可能である。
【0097】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、多結晶シリコンエミッタ、ロコス分離を採用した高速な集積回路と高速な分割フォトダイオードとを同一基板上に形成した回路内蔵受光素子の製造方法を提供することができる。
【0098】
また本発明によれば、トランジスタの歩留りの良好な回路内蔵受光素子の製造方法を提供することができる。
【0099】
さらに本発明によれば、スルー酸化膜厚のバラツキによるトランジスタ特性のバラツキの少ない回路内蔵受光素子の製造方法を提供することができる。
【0100】
さらに本発明によれば、反射防止膜の反射率のバラツキの少ない回路内蔵受光素子の製造方法を提供することができる。
【0101】
さらに本発明によれば、クロストーク特性の良好な回路内蔵受光素子の製造方法を提供することができる。
【0102】
本発明の回路内蔵受光素子の製造方法を採用することにより、エミッタの拡散源および電極として多結晶シリコンを使用したエミッタ形成や、素子分離としてのロコス分離を用いて高速な集積回路を形成しつつ、分割フォトダイオードの応答特性、光感度特性、クロストーク特性、リーク電流特性など諸特性を低下させることなく同一シリコン基板上に形成できる。従って、高速な応答性を有し、高感度でノイズの少ない回路内蔵受光素子を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による回路内蔵受光素子(分割フォトダイオード、NPN)の断面図。
【図2A】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図2B】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図2C】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図2D】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図2E】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図2F】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図2G】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図2H】 実施の形態1による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図3A】 波長λ=650nmにおけるSiO2に対する反射率の計算結果を示すグラフ。
【図3B】 波長λ=780nmにおけるSiO2に対する反射率の計算結果を示すグラフ。
【図4】 実施の形態2による回路内蔵受光素子(分割フォトダイオード、NPN)の断面図。
【図5A】 実施の形態2による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図5B】 実施の形態2による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図5C】 実施の形態2による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図5D】 実施の形態2による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図6】 実施の形態3による回路内蔵受光素子(分割フォトダイオード、NPN)の断面図。
【図7A】 実施の形態3による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図7B】 実施の形態3による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図7C】 実施の形態3による回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図8】 実施の形態4による回路内蔵受光素子(分割フォトダイオード、NPN)の断面図。
【図9A】 実施の形態4による回路内蔵受光素子の製造方法を示す図。
【図9B】 実施の形態4による回路内蔵受光素子の製造方法を示す図。
【図9C】 実施の形態4による回路内蔵受光素子の製造方法を示す図。
【図10】 従来の回路内蔵受光素子の断面図。
【図11A】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図11B】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図11C】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図11D】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図11E】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図11F】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図11G】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図11H】 従来の回路内蔵受光素子の製造方法の説明図。
【図12】 応答速度を低下させないで、接合容量を低減するための拡散構造の説明図。
【図13A】 従来の分離拡散、活性領域形成工程を示す図。
【図13B】 従来の分離拡散、活性領域形成工程を示す図。
【図13C】 従来の分離拡散、活性領域形成工程を示す図。
【図14】 フォトダイオード分割部のロコス段差によるクロストーク特性の劣化を説明する図。
【符号の説明】
1 P型半導体基板
2 P型埋込分離拡散層
3 N型埋込拡散層
4 N型エピタキシャル層
5 P型分離拡散層
6 シリコン酸化膜
6A シリコン酸化膜(スルー酸化膜)
7 シリコン窒化膜(活性領域を決定する)
8 NPNトランジスタコレクタ補償拡散層
9 NPNトランジスタ内部ベース拡散層
10 分割フォトダイオード部P型拡散層
11 分割フォトダイオード部反射防止膜シリコン酸化膜
12 分割フォトダイオード部反射防止膜シリコン窒化膜
13 分割フォトダイオード部反射防止膜保護用シリコン酸化膜
14 NPNトランジスタ外部ベース拡散層
15 NPNトランジスタエミッタ拡散層
16 NPNエミッタ拡散源および電極用多結晶シリコン
17 第1層目配線
18 層間絶縁膜
19 第2層目配線
20 カバーシリコン窒化膜
101 P型半導体基板
102 P型埋込分離拡散層
103 N型埋込拡散層
104 N型エピタキシャル層
105 P型分離拡散層
106 NPNトランジスタコレクタ補償拡散層
107 NPNトラニンジスタ内部ベース拡散層
108 NPNトランジスタ外部ベース拡散層
109 分割フォトダイオード部P型拡散層
110 NPNトランジスタエミッタ拡散層
111 分割フォトダイオード部反射防止膜シリコン窒化膜
112 第1層目配線
113 層間絶縁膜
114 第2層目配線
115 カバーシリコン窒化膜
116 分割フォトダイオード部反射防止膜シリコン酸化膜

Claims (10)

  1. 第1導電型半導体基板上に、第2導電型半導体層が積層されており、該第2導電型半導体層が、第1の第1導電型分離拡散層によって集積回路部とフォトダイオード部とに分離されて、前記集積回路部に集積回路が形成されるとともに、前記フォトダイオード部に第2の第1導電型分離拡散層によって分割された複数の分割フォトダイオードが形成された回路内蔵受光素子の製造方法であって、
    前記第2導電型半導体層に前記第1および第2の第1導電型分離拡散層を形成し、該第2導電型半導体層および全ての前記第1導電型分離拡散層の表面上に酸化膜を形成して、前記第1導電型分離拡散層表面上の前記酸化膜部分を局所酸化するステップと、
    次いで、局所酸化されなかった前記酸化膜を全て除去して膜厚が制御された第1シリコン酸化膜を形成するステップと、
    次いで、前記集積回路部において前記第1シリコン酸化膜越しのイオン注入によってベース領域を形成するステップと、
    次いで、前記フォトダイオード部の受光部に存在する全ての酸化膜を、反射防止膜となるシリコン熱酸化膜に置換するステップと、
    次いで、前記集積回路部に、エミッタ拡散源および電極となる多結晶シリコンを用いてトランジスタを形成するステップと、
    を包含することを特徴とする回路内蔵受光素子の製造方法。
  2. 前記ベース領域を形成するステップにおいて、前記フォトダイオード部における前記第1シリコン酸化膜越しのイオン注入によって表面拡散層を同時に形成する請求項1に記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  3. 前記第1のシリコン酸化膜が10nm〜40nmの膜厚に形成される請求項1または2に記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  4. 前記ベース領域を形成するステップに次いで、前記シリコン熱酸化膜上に、前記反射防止膜を構成する第2のシリコン窒化膜を形成するステップをさらに包含する、請求項1に記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  5. 前記第2のシリコン窒化膜の形成と同時に、前記集積回路部にシリコン窒化膜容量部となるシリコン窒化膜を形成する請求項4に記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  6. 前記第2のシリコン窒化膜の形成後に、該第2のシリコン窒化膜を保護する第2のシリコン酸化膜を形成するステップをさらに包含する請求項4に記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  7. 前記トランジスタを形成するステップの後に、前記集積回路部に配線を形成する配線形成工程が実施され、前記第2のシリコン酸化膜は、該配線形成工程の終了後にエッチングされる請求項6に記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  8. 前記第2のシリコン酸化膜のエッチングは、前記配線形成工程にて形成された配線を保護するカバー絶縁膜を形成した後に該カバー絶縁膜を保護膜として実行されるウェットエッチングである請求項7に記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  9. 前記第1導電型半導体基板が、高比抵抗基板からなる請求項1〜8のいずれか一つに記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
  10. 前記第1導電型半導体基板が、低比抵抗基板と、該低比抵抗基板上に形成された高比抵抗エピタキシャル層とからなる請求項1〜9のいずれか一つに記載の回路内蔵受光素子の製造方法。
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