JP3829497B2 - 衛生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は人体臀部を温水で洗浄したり、温風で乾燥するための衛生装置に係り、特に着座センサからの信号に基づいて作動可能状態に置かれるようにした衛生装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
便座に着座していない状態における吐水や吐風を防止するために着座センサから着座信号が入力されている場合にのみ吐水、吐風が行われ得るようにした衛生装置が広く用いられている。
【0003】
この着座センサが故障した場合や、体重が軽い等の理由により着座センサがONしない場合のために、着座信号と同等の信号を出力させるスイッチを設け、このスイッチを操作することにより実際に着座していないときあるいは軽体重者の着座時にも衛生装置を作動可能状態におくようにした衛生装置が実公平7−14462号、特許第2669064号に記載されている。なお、この着座センサの着座信号と同等の信号を本明細書において「擬似着座信号」ということがある。
【0004】
上記の実公平7−14462号の第2頁左欄には、店舗等の営業時間中あるいは客が多い時間帯のみこの擬似着座信号を発生させるように擬似着座信号発生スイッチをタイマースイッチとして構成することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
擬似着座信号は、不意の吐水や吐風を避けるために、真に必要なときだけ出力されるのが好ましい。実公平7−14462号のように擬似着座信号出力スイッチをタイマーとしたのでは、このタイマーがONとなっている時間帯は常に擬似着座信号が出力されており、この時間帯にあっては非着座時の吐水、吐風の禁止という本来の機能が全く働かない。
【0006】
本発明は、排便用の車椅子椅乗状態においても使い勝手が良い衛生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)の衛生装置は、人体洗浄水を噴出するノズルを有した洗浄機構と、便座に着座したことを検知して着座信号を出力する着座センサと、擬似着座信号を出力する擬似着座信号出力スイッチと、該着座センサ又は擬似着座信号出力スイッチからの信号に基づいて該洗浄機構を作動可能状態におく制御器と、該洗浄機構を作動させるための洗浄スイッチとを有する衛生装置において、該ノズルの位置又は水噴出方向を変更するためのノズル変動装置を備えており、該ノズル変動装置は、洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合のノズルの位置又は水噴出方向を、該洗浄機構が着座センサからの着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合のノズルの位置又は水噴出方向よりも後方とするものであることを特徴とするものである。
【0008】
この請求項1及び次の請求項2〜の衛生装置は排便用車椅子椅乗者にとって使用勝手が良くなるよう改良されたものである。
【0009】
車椅子椅乗者の臀部は便座に直接に着座した場合の臀部よりも高位に位置しているから、臀部洗浄ノズルを通常の位置又は方向とした場合、水が臀部の目的箇所よりも前方に注ぎ掛けられることになる。また、車椅子椅乗者によっては、ノズル位置を前方へ動かして使用する場合もある。そこで、この請求項1の衛生装置にあっては、擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合のノズルの位置又は水噴出方向を通常の場合(即ち便座着座信号により作動可能状態におかれた場合)よりも後方とし、臀部の目的箇所の洗浄を行い易くしたものである。
【0010】
本発明(請求項2)の衛生装置は、人体洗浄水を噴出するノズルを有した洗浄機構と、便座に着座したことを検知して着座信号を出力する着座センサと、擬似着座信号と同等の信号を出力する擬似着座信号出力スイッチと、該着座センサ又は擬似着座信号出力スイッチからの信号に基づいて該洗浄機構を作動可能状態におく制御器と、該洗浄機構を作動させるための洗浄スイッチとを有する衛生装置において、該ノズルの位置又は水噴出方向を変更するためのノズル変動装置及び該ノズルの位置又は水噴出方向を記憶する記憶装置を備えており、該ノズル変動装置は、洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合のノズルの位置又は水噴出方向を、該記憶装置に記憶されている該ノズルの位置又は水噴出方向とするものであることを特徴とするものである。
【0011】
この衛生装置も車椅子椅乗者に使用勝手が良くなるように改良されたものである。即ち、この請求項2の衛生装置にあっては、擬似着座信号によって作動可能状態におかれた場合、ノズルの位置又は水噴出方向を予め記憶された位置とすることにより車椅子椅乗者の場合であっても臀部の目的箇所を確実に洗浄することが可能となる。
【0012】
本発明(請求項3)の衛生装置は、請求項1又は2において、人体乾燥用の温風を吹き出す乾燥機構と、該乾燥機構を作動させるための乾燥スイッチと、該温風の吹出方向を変更するための風向変更装置とを備えており、該風向変更装置は、該洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた状態の温風吹出方向を、該洗浄機構が着座センサからの着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合の温風吹出方向よりも後方とするものであることを特徴とするものである。
【0013】
この衛生装置も車椅子椅乗者に使用勝手が良くなるように改良されたものである。即ち、この請求項3の衛生装置は温水洗浄後の臀部を温風で乾燥させる場合、この温風の吹出方向を通常の場合よりも後方とすることにより、車椅子椅乗者にとって温風が効率良く臀部の目的箇所に当るようになる。
【0014】
本発明(請求項4)の衛生装置は、請求項1又は2において、人体乾燥用の温風を吹き出す乾燥機構と、該乾燥機構を作動させるための乾燥スイッチと、該温風の吹出方向を変更するための風向変更装置と、該乾燥機構の温風吹出方向を記憶する温風吹出方向記憶装置とを備えており、該風向変更装置は、該洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた状態の温風吹出方向を、該温風吹出方向記憶装置に記憶されている方向とするものであることを特徴とするものである。
【0015】
この衛生機器も車椅子椅乗者に使用勝手が良くなるように改良されたものである。即ち、この請求項4の衛生装置にあっては、温風を予め記憶された方向に吹き出すことにより、車椅子椅乗者にとっても臀部の目的箇所の温風乾燥が効率良く行われるようになる
【0016】
【発明の実施の形態】
下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は請求項1〜4の実施の形態を説明するブロック図である。なお、図1の乾燥スイッチ8及び臀部乾燥用温風ファン50は後述の請求項3,4の実施の形態において採用されるものであり、この請求項1及び次に述べる請求項2の実施の形態においては用いられていない。
【0018】
制御器としてのマイコン10に対し臀部洗浄スイッチ1、洗浄停止スイッチ2及び擬似着座信号出力スイッチ3の信号が入力されている。また、マイコン10には便器使用者を検知する人体検知センサ4と、便器の便座に着座したことを検知するための便座着座センサ5からの信号も入力されている。
【0019】
このマイコン10は、便蓋13を開閉するためのモータ12に駆動電流を与えるための便蓋開閉駆動回路11に制御信号を出力している。また、このマイコン10は、温水源(例えば温水タンクや給湯配管など)からの温水を洗浄ノズル22に供給するためのバルブ21の駆動用回路20にも制御信号を与えている。
【0020】
この洗浄ノズル22は、シリンダ23と、該シリンダ23から突出可能なノズル本体24とを備えており、リターンスプリング(図示略)により該ノズル本体24は後退方向に押圧されている。バルブ21が開弁し、温水がシリンダ23に供給されると、この水圧によってノズル本体24が前進し、その先端から温水が噴出し、便座に座った人体の臀部、もしくは排便用車椅子の椅乗者の臀部に向って温水が注ぎ掛けられ、該臀部の温水洗浄が行われる。
【0021】
請求項1の実施の形態においては、洗浄ノズル22のノズル本体24の位置又は角度を調整するためのノズル変動装置60が設置されている。また、マイコン10に対し、このノズル変動装置60によってノズルの位置又は方向を調節するためのノズル調節スイッチ7の制御信号が入力されている。
【0022】
この実施の形態にあっては、着座センサ5が着座を検知している場合、或いは擬似着座信号出力スイッチ3が操作されることにより洗浄スタンバイモードにおかれている場合において、臀部洗浄スイッチ1が操作されると、ノズル22から水が噴出する。
【0023】
この実施の形態にあっては、擬似着座信号出力スイッチ3を押すことによって洗浄スタンバイモードにしてある場合の洗浄ノズル22の位置又は噴出方向は、着座センサ5が着座を検知することにより洗浄スタンバイモードとなっている場合における該位置又は方向よりも後方となっている。従って、車椅子椅乗者の臀部が便座着座者の臀部よりも高位に存在している場合であっても、ノズル本体24からの噴出水が該車椅子椅乗者の臀部の所要箇所を十分に洗浄することが可能となる。なお、この洗浄ノズル22の位置又は噴出方向は、ノズル調節スイッチ7によって調節することが可能である。
【0024】
請求項2の実施の形態にあっては、マイコン10にこのノズル調節スイッチ7で調節された洗浄ノズル22の位置又は角度を記憶する記憶メモリが設けられている。そして、擬似着座信号出力スイッチ3が押されて洗浄スタンバイモードにあるときに臀部洗浄スイッチ1が押されると、マイコン10はノズル変動装置60に対しこのメモリに蓄えられているデータに従って制御信号を与え、洗浄ノズル22が予め設定された位置又は角度とされる。
【0025】
請求項3,4の実施の形態にあっては図1に示す温風ファン50がさらに設置される。この温風ファン50は、送風機51と、この送風機51からの風を加熱するためのヒータ52と、温風の向きを変更するための電動ルーバ等の風向変更装置53とが設けられている。マイコン10には乾燥スイッチ8からこの温風ファン50の作動制御信号が入力される。
【0026】
この実施の形態にあっては、擬似着座信号出力スイッチ3をON操作するか、又は便座着座センサ5が着座検知信号を出力している状態において、乾燥スイッチ8が操作されると、温風ファン50が作動し、人体臀部に温風が吹き付けられ、すぐ乾燥が行われる。擬似着座信号出力スイッチ3を操作して洗浄スタンバイモードとしている場合に乾燥スイッチ8が操作されたときの温風吹出方向は、着座センサ5が着座を検知しているときに乾燥スイッチ8が操作されたときの温風吹出方向よりも後方となっている。これにより、便座よりも高位に位置している車椅子椅乗者の臀部の目的箇所に温風が吹き付けられ、効率良く乾燥が行われる。
【0027】
図示はしないが、この風向変更装置53による風向吹出方向を調節するためのスイッチを設けても良い。また、請求項4の通り、マイコン10にこの調節された風向方向を記憶するためのメモリを設けておき、擬似着座信号出力スイッチ3のON操作により洗浄スタンバイモードが設定された状態にあるときに乾燥スイッチ8が操作された場合には、このメモリで設定された方向に温風を吹き出すように風向変更装置53を作動させても良い
【0028】
【発明の効果】
求項1,2によると、車椅子椅乗者が衛生洗浄装置を使用する場合にノズルの水の噴出位置又は噴出方向を車椅子椅乗者に好適なものとすることが可能である。請求項3,4によると、さらに温風の吹出方向を車椅子椅乗者にとって好適なものとすることが可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る衛生洗浄装置のブロック図である
【符号の説明】
1 臀部洗浄スイッチ
2 洗浄停止スイッチ
3 擬似着座信号出力スイッチ
4 人体検知センサ
5 便座着座センサ
7 ノズル調節スイッチ
8 乾燥スイッ
0 マイコン
11 便蓋開閉駆動回路
12 モータ
13 便蓋
20 バルブ駆動回路
21 バルブ
22 洗浄ノズル
23 シリンダ
24 ノズル本体
30 電動フラッシュバルブ
50 温風ファン
60 ノズル変動装置

Claims (4)

  1. 人体洗浄水を噴出するノズルを有した洗浄機構と、
    便座に着座したことを検知して着座信号を出力する着座センサと、
    擬似着座信号を出力する擬似着座信号出力スイッチと、
    該着座センサ又は擬似着座信号出力スイッチからの信号に基づいて該洗浄機構を作動可能状態におく制御器と、
    該洗浄機構を作動させるための洗浄スイッチとを有する衛生装置において、
    該ノズルの位置又は水噴出方向を変更するためのノズル変動装置を備えており、
    該ノズル変動装置は、洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合のノズルの位置又は水噴出方向を、該洗浄機構が着座センサからの着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合のノズルの位置又は水噴出方向よりも後方とするものであることを特徴とする衛生装置。
  2. 人体洗浄水を噴出するノズルを有した洗浄機構と、
    便座に着座したことを検知して着座信号を出力する着座センサと、
    擬似着座信号を出力する擬似着座信号出力スイッチと、
    該着座センサ又は擬似着座信号出力スイッチからの信号に基づいて該洗浄機構を作動可能状態におく制御器と、
    該洗浄機構を作動させるための洗浄スイッチとを有する衛生装置において、
    該ノズルの位置又は水噴出方向を変更するためのノズル変動装置及び該ノズルの位置又は水噴出方向を記憶する記憶装置を備えており、
    該ノズル変動装置は、洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合のノズルの位置又は水噴出方向を、該記憶装置に記憶されている該ノズルの位置又は水噴出方向とするものであることを特徴とする衛生装置。
  3. 請求項1又は2において、人体乾燥用の温風を吹き出す乾燥機構と、該乾燥機構を作動させるための乾燥スイッチと、該温風の吹出方向を変更するための風向変更装置とを備えており、
    該風向変更装置は、該洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた状態の温風吹出方向を、該洗浄機構が着座センサからの着座信号に基づいて作動可能状態におかれた場合の温風吹出方向よりも後方とするものであることを特徴とする衛生装置。
  4. 請求項1又は2において、人体乾燥用の温風を吹き出す乾燥機構と、該乾燥機構を作動させるための乾燥スイッチと、該温風の吹出方向を変更するための風向変更装置と、該乾燥機構の温風吹出方向を記憶する温風吹出方向記憶装置とを備えており、
    該風向変更装置は、該洗浄機構が擬似着座信号出力スイッチからの擬似着座信号に基づいて作動可能状態におかれた状態の温風吹出方向を、該温風吹出方向記憶装置に記憶されている方向とするものであることを特徴とする衛生装置。
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