JP3828724B2 - 加熱定着ロール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の事務機器において用いられる加熱定着ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の事務機器においては、加熱定着ロール及び加圧ロールの2本のロールで転写紙を挟持搬送しながら、転写紙上の未定着トナーを加熱溶融させて転写紙に密着させることにより、転写紙上の未定着トナーの定着が行われてきた。
【0003】
このような加熱定着ロールとしては、円筒体芯金の表面に離型層を形成し、該円筒体芯金の略中芯軸に沿ってハロゲンヒーター等のヒーターを設置したものが知られている。かかる加熱定着ロールにおいては、ヒーターによる熱が円筒体芯金を介してロール表面の離型層に伝熱されて、未定着トナーが転写紙に定着されるが、近年、事務機器の省エネ対策として、芯金の肉厚を薄くすると共にハロゲンヒーター等のヒーターへの通電時間を短くすることが試みられている。また、芯金から離型層の表面への熱伝達を短くする為、離型層をより薄くすることが望まれている。
【0004】
このような加熱定着ロールは、例えば、次のような工程を順次経て製造されている。
(1)アルミニウム合金、鉄系金属等の金属からなる円筒体の表面に切削、研削加工を施して、円筒体の両端部の外径を中央部より大きくしてなる鼓形状の円筒体芯金とする。
(2)円筒体芯金の表面をサンドブラスト、エッチング、液体ホーニング等の手段により粗らす。このように円筒体芯金の表面を粗らすのは、離型層に用いられるフッ素樹脂が非接着性を有している反面、接着しにくいために、芯金表面にフッ素樹脂が入り込むようにアンカー効果を持たせるためである。
【0005】
(3)表面を粗らした芯金の表面には、フッ素樹脂を主成分とするプライマーを塗布し、これを自然乾燥又は100〜150℃の雰囲気にて乾燥を行って、プライマー層を形成する。
(4)プライマー層上にフッ素樹脂塗料を塗布する。フッ素樹脂塗料には、パーフルオロアルコキシ樹脂(以下、「PFA」という。)、4フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」という。)等のフッ素樹脂が用いられるが、PFAであれば、形態を粉体として塗装することができるので、PFAを回収して再利用することができる。このようにプライマー層上に塗布したフッ素樹脂塗料をフッ素樹脂の融点以上の雰囲気に20〜40分間放置し、焼成させてフッ素樹脂被膜よりなる離型層を形成する。
【0006】
従来の加熱定着ロールにおいては、離型層を形成するフッ素樹脂塗料にカーボン、グラファイト、金属酸化物等の添加剤が添加されている。このような添加剤がフッ素樹脂塗料に添加されると、加熱定着ロールに接する転写紙を分離するために該加熱定着ロールに当接する分離爪によって起こるフッ素樹脂被膜の摩耗やプラス帯電トナーを用いた場合に発生するオフセットが防止される。
【0007】
さらに、従来の加熱定着ロールにおいては、焼成した加熱定着ロールの離型層の表面皮膜は、粗れているので、転写紙に保持されたトナー粒子を良好に定着できず、そのために、良質の画像を得ることができない。そこで、このような加熱定着ロールの離型層の表面を研磨して、その表面を出来るだけ平滑にすることが行われている。
【0008】
また、焼成後の剥離槽の表面を押圧ロールにて平滑に加工することが行われている(特公昭58−21264号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、加熱定着ロールにおける離型層表面への導電性を得るための手段として、離型層のフッ素樹脂に金属酸化物、カーボン等の導電性物質を添加する手段が取られていたが、フッ素樹脂に導電性物質を多量に添加した場合、フッ素樹脂の溶融粘度が著しく上がるので、焼成後の離型層の表面粗さが粗くなる。そのために、離型層の表面を研磨加工によって必要以上に削り込まなければならないという問題があった。
【0010】
近年、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の事務機器においては、高画質化が進み、微細トナーが用いられるようになってきたが、従来技術に示したように、離型層の表面を研磨すると、研磨目の溝内に微細トナーが入り込み、転写紙より発生する紙粉介在することによって、トナーが離型層の表面に固着する現象が発生する。そこで、離型層の表面をクリーニングしたり、また、離型層の表面にシリコンオイルを塗布したりして、転写紙の離型がスムースに行われるようにしている。しかしながら、クリーニング部材に加熱定着ロールから拭き取ったトナーが溜まり、このトナーが加熱定着ロールに再移転してオフセットを発生させるため、加熱定着ロールの離型層に研磨加工を行った後、離型層の表面を再溶融させて研磨目を除去しているが、離型層の表面を再溶融させると、離型層を構成するフッ素樹脂被膜の耐摩耗性が低下したり、また、芯金との密着性が低下するという問題があった。
【0011】
また、このような剥離層の表面に、転写紙の巻付けを分離する分離爪や、加熱定着ロールの表面温度を制御するためのサーミスタを、接触させるように固定していたが、これらの分離爪やサーミスタが加熱定着ロールの表面に回転方向の接触によるキズを付けてしまい、それらのキズの部分に前述したトナーが入り込んで固着すると、オフセットの異常画像を発生させるという問題があった。
【0012】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、離型層表面の平滑性及び耐摩耗性を向上させつつ、円筒体芯金から離型層表面への電気伝導を良好とし、且つ、離型層の表面にトナーを固着させることなく良好な非粘着性を得ることができる加熱定着ロールを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に記載された発明は、円筒体芯金の表面にフッ素樹脂を主成分とするプライマー層と、フッ素樹脂を主成分とする離型層と、を順次有する加熱定着ロールにおいて、
(イ)前記離型層が、均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%及び最大粒径10μm以下の鱗片状の無機粉末0.5〜1.5重量%を有し、
(ロ)前記導電性カーボンブラック及び鱗片状の無機粉末を有する離型層の表面が、金属コロの押しあてにより10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされ、かつ、
(ハ)前記鱗片状の無機粉末が、前記離型層の表面に倣って配向している
ことを特徴とする加熱定着ロールである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す加熱定着ロールの要部拡大断面図である。
【0015】
本発明の加熱定着ロール10は、円筒体芯金1の表面にフッ素樹脂を主成分とするプライマー層2と、フッ素樹脂を主成分とする離型層3と、を順次有している。そして、(イ)前記離型層が、均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%及び最大粒径10μm以下の鱗片状の無機粉末0.5〜1.5重量%を有し、(ロ)前記導電性カーボンブラック及び鱗片状の無機粉末を有する離型層の表面が、金属コロの押しあてにより10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされ、かつ、(ハ)前記鱗片状の無機粉末が、前記離型層の表面に倣って配向している。
【0016】
本発明においては、円筒体芯金1は、アルミニウム合金、鉄系金属等の金属で構成され、好ましくは、該円筒体芯金1の表面に切削、研削加工を施して、円筒体芯金1の両端部の外径を中央部より大きくしてなる鼓形状とされる。
【0017】
円筒体芯金1の表面は、サンドブラスト、エッチング、液体ホーニング等の手段により粗面化されている。プライマー層2及び離型層3に用いられるフッ素樹脂としては、例えば、PFA樹脂及びPTFE樹脂がある。
【0018】
プライマー層2は、例えば、サンドブラストされた芯金1の表面にフッ素樹脂を主成分とするプラマーをスプレー塗装にて塗布して形成する。プライマー層2は、サンドブラストされた芯金1の表面の谷部分に入り込んで、フッ素樹脂よりなる離型層3との接着を保持する。
【0019】
フッ素樹脂の中でもPTFE樹脂は、溶融粘度が高いので、これを溶融し、冷却させて、皮膜に形成したとしても、PTFE樹脂の粒子が流動して皮膜になりにくく、そのために、PTFE樹脂を用いて離型層3を形成するにはバインダーを用いなければならない。それ故、このようなバインダーを用いないで離型層3を形成するには、プライマー層2が必要とされている。しかし、PFA樹脂であれば、熱流動性があるので、プライマー層2、芯金1の形状に倣って皮膜を形成できる。
【0020】
本発明においては、離型層3は、プライマー層2の表面に被覆したフッ素樹脂を焼成して皮膜とした後、芯金1の両端を保持し回転させながら、この皮膜の表面に金属性のコロを押し当てて10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にすることにより形成される。離型層3は、導電性カーボンブラック4を有している。導電性カーボンブラック4は、離型層3の抵抗を下げることができると共に、離型層3の耐摩耗性を向上させることができる。離型層3における導電性カーボンブラック4の含有量は、好ましくは、全重量に対して2〜4重量%である。その含有量が2重量%未満では、離型層3の電気抵抗が高くなり、また、その含有量が4重量%を越えると、離型層3を構成するフッ素樹脂皮膜の溶融粘度が上昇し、その表面粗さが大きくなるので、金属性コロで押し当てても、所定の平滑な表面が得られない。しかし、本発明によれば、離型層が均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%を有しているので、離型層3の電気抵抗が高くならない。また、離型層3を構成するフッ素樹脂皮膜の溶融粘度が上昇しないので、形成される表面粗さが大きくならず、そのために、離型層3の表面に金属性コロで押し当てても、所定の平滑な表面が得られる。
【0021】
鱗片状の無機粉末5は、離型層3の表面部分に配向して析出しやすいが、本発明においては、離型層3が最大粒径10μm以下の鱗片状の無機粉末5を全重量に対して0.5〜 1.5重量%の割合で含有しているので、鱗片状の無機粉末5にトナーが付着しにくくなる。また、離型層3に鱗片状の無機粉末5が含有されていると、離型層3の耐摩耗性が向上すると共に定着時の熱伝導が向上する。
【0022】
離型層3が鱗片状の無機粉末5を有していることは、前述のとおりであるが、鱗片状の無機粉末5は、フッ素樹脂を溶融させて離型層3を形成する際に、その表層面に倣って配向するので、離型層3の耐摩耗性をより向上させることができる。
【0023】
フッ素樹脂で構成される離型層3の「表面粗さ」と転写紙上のトナーを密着させる「定着性」とには、「表面粗さ」が粗くなると「定着性」が得られなくなるという関係があるので、「表面粗さ」は、10点平均粗さRzで1μm未満が望ましいとされていたが、定着ロール表面、即ち、離型層3の表面に接触する分離爪やサーミスタは、離型層3の表面が平滑であればあるほど均一な接触をするので、反って、離型層3の表面に摩耗やキズが付きやすい。また、分離爪やサミスタは、離型層3の表面への接触面積が小さいので、離型層3の表面粗さが粗くなればなるほど、離型層3の表面への接触が減り、摩耗がしにくくなる。これらの関係を実験を積み重ねて解析した結果、剥離層3の表面の10点平均粗さRzを1〜4μmとすれば、分離爪、サーミスタ等による摩耗やキズつきを防止することができることがわかった。
【0024】
【実施例】
(実施例1)
アルミニウムパイプの両端部の外径を中央部より大きくして鼓形状とした円筒体芯金の表面をサンドブラストにより粗らした。この円筒体芯金の表面にフッ素樹脂(MP902BN、三井・デュポン社製)を1μmの厚みにスプレー塗装にて塗布して、プライマー層を形成した。このプライマー層上に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、ライオンアクド社製)3重量%及びマイカ(日本マイカ社製)0.5重量%を添加したフッ素樹脂(PFA)(MP102、三井・デュポン社製)を、塗布し、焼成して、厚さ15μmの離型層を形成した。
そして、芯金の両端を保持し、回転させながら、離型層の表面に金属コロ(SUS304、直径40mm)を押し圧0.3Mpaにて押し当てて離型層の表面をRz1.5μmに仕上げし、加熱定着ロールとした。
このようにして得られた加熱定着ロールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特性及び鉛筆硬度を測定し、そして、この加熱定着ロールを複写機(Spirio3200、リコー社製)に搭載して、連続コピー時での定着性、間欠コピーでのトナー固着、オフセット画像の発生有無、耐久枚数を測定した。測定結果は、次の表1に示される。
【0025】
(実施例2)
実施例1と同様に円筒体芯金の表面にプライマー層を形成した。このプライマー層上に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、ライオンアクド社製)3重量%及びマイカ(日本マイカ社製)1.0重量%を添加したフッ素樹脂(PFA)(MP102、三井・デュポン社製)を、塗布し、焼成して、厚さ16μmの離型層を形成した。そして、芯金の両端を保持し、回転させながら、離型層の表面に金属コロ(SUS304、直径40mm)を押し圧0.3Mpaにて押し当てて離型層の表面をRz2.6μmに仕上げし、加熱定着ロールとした。 このようにして得られた加熱定着ロールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特性及び鉛筆硬度を測定し、そして、この加熱定着ロールを複写機(Spirio3200、リコー社製)に搭載して、連続コピー時での定着性、間欠コピーでのトナー固着、オフセット画像の発生有無、耐久枚数を測定した。測定結果は、次の表1に示される。
【0026】
(実施例3)
実施例1と同様に円筒体芯金の表面にプライマー層を形成した。このプライマー層上に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、ライオンアクド社製)3重量%及びマイカ(日本マイカ社製)1.5重量%を添加したフッ素樹脂(PFA)(MP102、三井・デュポン社製)を、塗布し、焼成して、厚さ18μmの離型層を形成した。そして、芯金の両端を保持し、回転させながら、離型層の表面に金属コロ(SUS304、直径40mm)を押し圧0.3Mpaにて押し当てて離型層の表面をRz3.4μmに仕上げし、加熱定着ロールとした。 このようにして得られた加熱定着ロールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特性及び鉛筆硬度を測定し、そして、この加熱定着ロールを複写機(Spirio3200、リコー社製)に搭載して、連続コピー時での定着性、間欠コピーでのトナー固着、オフセット画像の発生有無、耐久枚数を測定した。測定結果は、次の表1に示される。
【0027】
(比較例1)
実施例1と同様に円筒体芯金の表面にプライマー層を形成した。このプライマー層上に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、ライオンアクド社製)5重量%を添加したフッ素樹脂(PFA)(MP102、三井・デュポン社製)を、塗布し、焼成して、厚さ17μmの離型層を形成した。そして、芯金の両端を保持し、回転させながら、離型層の表面をサンドブラストで研磨し、その表面粗さをRz3.4μmにして、加熱定着ロールとした。
このようにして得られた加熱定着ロールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特性及び鉛筆硬度を測定し、そして、この加熱定着ロールを複写機(Spirio3200、リコー社製)に搭載して、連続コピー時での定着性、間欠コピーでのトナー固着、オフセット画像の発生有無、耐久枚数を測定した。測定結果は、次の表1に示される。
【0028】
【表1】
Figure 0003828724
【0029】
表1からわかるように、実施例1〜3では、各特性共に実施例1〜3の方が良好であり、また、実施例1〜3では、複写機での間欠コピー時のトナーの固着がない。
【0030】
以上、本発明の利点を挙げると次のとおりとなる。
(イ)離型層が均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%を有しているので、離型層の電気抵抗が高くならない。また、離型層が均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%を有していると、離型層を構成するフッ素樹脂皮膜の溶融粘度が上昇しないので、形成される表面粗さが大きくならず、そのために、離型層の表面に金属性コロで押し当てても、所定の平滑な表面が得られる。
【0031】
(ロ)離型層が最大粒径10μm以下の鱗片状の無機粉末0.5〜1.5重量%を有しているので、鱗片状の無機粉末にトナーが付着しにくくなり、しかも、離型層の耐摩耗性が向上すると共に定着時の熱伝導が向上する。
【0032】
(ハ)離型層の表面が10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされているので、分離爪、サーミスタ等による摩耗やキズつきを防止することができる。
【0033】
ニ)無機粉末が鱗片状であるので、フッ素樹脂を溶融させて離型層を形成する際に、鱗粉状の無機粉末を離型層の表層面に倣って配向させて、離型層の耐摩耗性をより向上させることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、円筒体芯金の表面にフッ素樹脂を主成分とするプライマー層と、フッ素樹脂を主成分とする離型層と、を順次有する加熱定着ロールにおいて、(イ)前記離型層が、均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%及び最大粒径10μm以下の鱗片状の無機粉末0.5〜1.5重量%を有し、(ロ)前記導電性カーボンブラック及び鱗片状の無機粉末を有する離型層の表面が、金属コロの押しあてにより10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされ、かつ、(ハ)前記鱗片状の無機粉末が、前記離型層の表面に倣って配向しているので、
(a)離型層が均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%を有していることによって、フッ素樹脂で構成される離型層の電気抵抗が高くならず、しかも、離型層を構成するフッ素樹脂皮膜の溶融粘度が上昇せず、そのために、離型層の表面に金属性コロで押し当てても、所定の平滑な表面が得られ、
(b)離型層が最大粒径10μm以下の鱗片状の無機粉末0.5〜1.5重量%を有し、かつ、前記鱗片状の無機粉末が、前記離型層の表面に倣って配向していることによって、フッ素樹脂を溶融させて離型層を形成する際に鱗粉状の無機粉末が離型層の表層面に倣って配向して離型層の耐摩耗性をより向上させることができ、しかも、鱗片状の無機粉末にトナーが付着しにくくなり、
(c)前記導電性カーボンブラック及び鱗片状の無機粉末を有する離型層の表面が、金属コロの押しあてにより10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされ、かつ、前記鱗片状の無機粉末が、前記離型層の表面に倣って配向していることによって、分離爪、サーミスタ等による摩耗やキズつきを防止することができ、
よって、離型層表面の平滑性及び耐摩耗性を向上させつつ、円筒体芯金から離型層表面への電気伝導を良好とし、且つ、離型層の表面にトナーを固着させることなく良好な非粘着性を得ることができる加熱定着ロールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す加熱定着ロールの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 円筒体芯金
2 プライマー層
3 離型層
4 導電性カーボンブラック
5 無機粉末
6 加熱定着ロール

Claims (1)

  1. 円筒体芯金の表面にフッ素樹脂を主成分とするプライマー層と、フッ素樹脂を主成分とする離型層と、を順次有する加熱定着ロールにおいて、
    (イ)前記離型層が、均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量%及び最大粒径10μm以下の鱗片状の無機粉末0.5〜1.5重量%を有し、
    (ロ)前記導電性カーボンブラック及び鱗片状の無機粉末を有する離型層の表面が、金属コロの押しあてにより10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされ、かつ、
    (ハ)前記鱗片状の無機粉末が、前記離型層の表面に倣って配向している
    ことを特徴とする加熱定着ロール。
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