JP2002031977A - 加熱定着ロール - Google Patents

加熱定着ロール

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JP2002031977A JP2000214203A JP2000214203A JP2002031977A JP 2002031977 A JP2002031977 A JP 2002031977A JP 2000214203 A JP2000214203 A JP 2000214203A JP 2000214203 A JP2000214203 A JP 2000214203A JP 2002031977 A JP2002031977 A JP 2002031977A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 離型層表面の平滑性及び耐摩耗性を向上させ
つつ、円筒体芯金から離型層表面への電気伝導を良好と
し、且つ、離型層の表面にトナーを固着させることなく
良好な非粘着性を得ることができる加熱定着ロールを提
供する。 【解決手段】 円筒体芯金1の表面にフッ素樹脂を主成
分とするプライマー層2と、フッ素樹脂を主成分とする
離型層3と、を順次有する加熱定着ロール10におい
て、該離型層3が均一に分散された導電性カーボンブラ
ック4(2〜4重量%)及び最大粒径10μm以下の無
機粉末5(0.5〜1.5重量%)を有し、そして、該
離型層3の表面が10点平均粗さRzで1〜4μmに平
滑にされたものとする。前記無機粉末5は、好ましく
は、鱗片状である。前記離型層の表面は、金属コロの押
しあてにより平滑にされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
レーザプリンタ、ファクシミリ等の事務機器において用
いられる加熱定着ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機、レーザプリン
タ、ファクシミリ等の事務機器においてては、加熱定着
ロール及び加圧ロールの2本のロールで転写紙を挟持搬
送しながら、転写紙上の未定着トナーを加熱溶融させて
転写紙に密着させることにより、転写紙上の未定着トナ
ーの定着が行われてきた。
【0003】このような加熱定着ロールとしては、円筒
体芯金の表面に離型層を形成し、該円筒体芯金の略中芯
軸に沿ってハロゲンヒーター等のヒーターを設置したも
のが知られている。かかる加熱定着ロールにおいては、
ヒーターによる熱が円筒体芯金を介してロール表面の離
型層に伝熱されて、未定着トナーが転写紙に定着される
が、近年、事務機器の省エネ対策として、芯金の肉厚を
薄くすると共にハロゲンヒーター等のヒーターへの通電
時間を短くすることが試みられている。また、芯金から
離型層の表面への熱伝達を短くする為、離型層をより薄
くすることが望まれている。
【0004】このような加熱定着ロールは、例えば、次
のような工程を順次経て製造されている。 (1) アルミニウム合金、鉄系金属等の金属からなる円筒
体の表面に切削、研削加工を施して、円筒体の両端部の
外径を中央部より大きくしてなる鼓形状の円筒体芯金と
する。 (2) 円筒体芯金の表面をサンドブラスト、エッチング、
液体ホーニング等の手段により粗らす。このように円筒
体芯金の表面を粗らすのは、離型層に用いられるフッ素
樹脂が非接着性を有している反面、接着しにくいため
に、芯金表面にフッ素樹脂が入り込むようにアンカー効
果を持たせるためである。
【0005】(3) 表面を粗らした芯金の表面には、フッ
素樹脂を主成分とするプライマーを塗布し、これを自然
乾燥又は100〜150℃の雰囲気にて乾燥を行って、
プライマー層を形成する。 (4) プライマー層上にフッ素樹脂塗料を塗布する。フッ
素樹脂塗料には、パーフルオロアルコキシ樹脂(以下、
「PFA」という。)、4フッ化エチレン樹脂(以下、
「PTFE」という。)等のフッ素樹脂が用いられる
が、PFAであれば、形態を粉体として塗装することが
できるので、PFAを回収して再利用することができ
る。このようにプライマー層上に塗布したフッ素樹脂塗
料をフッ素樹脂の融点以上の雰囲気に20〜40分間放
置し、焼成させてフッ素樹脂被膜よりなる離型層を形成
する。
【0006】従来の加熱定着ロールにおいては、離型層
を形成するフッ素樹脂塗料にカーボン、グラファイト、
金属酸化物等の添加剤が添加されている。このような添
加剤がフッ素樹脂塗料に添加されると、加熱定着ロール
に接する転写紙を分離するために該加熱定着ロールに当
接する分離爪によって起こるフッ素樹脂被膜の摩耗やプ
ラス帯電トナーを用いた場合に発生するオフセットが防
止される。
【0007】さらに、従来の加熱定着ロールにおいて
は、焼成した加熱定着ロールの離型層の表面皮膜は、粗
れているので、転写紙に保持されたトナー粒子を良好に
定着できず、そのために、良質の画像を得ることができ
ない。そこで、このような加熱定着ロールの離型層の表
面を研磨して、その表面を出来るだけ平滑にすることが
行われている。
【0008】また、焼成後の剥離槽の表面を押圧ロール
にて平滑に加工することが行われている(特公昭58−
21264号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、加熱定
着ロールにおける離型層表面への導電性を得るための手
段として、離型層のフッ素樹脂に金属酸化物、カーボン
等の導電性物質を添加する手段が取られていたが、フッ
素樹脂に導電性物質を多量に添加した場合、フッ素樹脂
の溶融粘度が著しく上がるので、焼成後の離型層の表面
粗さが粗くなる。そのために、離型層の表面を研磨加工
によって必要以上に削り込まなければならないという問
題があった。
【0010】近年、電子写真複写機、レーザプリンタ、
ファクシミリ等の事務機器においては、高画質化が進
み、微細トナーが用いられるようになってきたが、従来
技術に示したように、離型層の表面を研磨すると、研磨
目の溝内に微細トナーが入り込み、転写紙より発生する
紙粉介在することによって、トナーが離型層の表面に固
着する現象が発生する。そこで、離型層の表面をクリー
ニングしたり、また、離型層の表面にシリコンオイルを
塗布したりして、転写紙の離型がスムースに行われるよ
うにしている。しかしながら、クリーニング部材に加熱
定着ロールから拭き取ったトナーが溜まり、このトナー
が加熱定着ロールに再移転してオフセットを発生させる
ため、加熱定着ロールの離型層に研磨加工を行った後、
離型層の表面を再溶融させて研磨目を除去しているが、
離型層の表面を再溶融させると、離型層を構成するフッ
素樹脂被膜の耐摩耗性が低下したり、また、芯金との密
着性が低下するという問題があった。
【0011】また、このような剥離層の表面に、転写紙
の巻付けを分離する分離爪や、加熱定着ロールの表面温
度を制御するためのサーミスタを、接触させるように固
定していたが、これらの分離爪やサーミスタが加熱定着
ロールの表面に回転方向の接触によるキズを付けてしま
い、それらのキズの部分に前述したトナーが入り込んで
固着すると、オフセットの異常画像を発生させるという
問題があった。
【0012】本発明は、かかる問題を解決することを目
的としている。即ち、本発明は、離型層表面の平滑性及
び耐摩耗性を向上させつつ、円筒体芯金から離型層表面
への電気伝導を良好とし、且つ、離型層の表面にトナー
を固着させることなく良好な非粘着性を得ることができ
る加熱定着ロールを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1に記載さ
れた発明は、上記目的を達成するために、円筒体芯金の
表面にフッ素樹脂を主成分とするプライマー層と、フッ
素樹脂を主成分とする離型層と、を順次有する加熱定着
ロールであって、該離型層が均一に分散された導電性カ
ーボンブラック2〜4重量%及び最大粒径10μm以下
の無機粉末0.5〜1.5重量%を有し、そして、該離
型層の表面が10点平均粗さRzで1〜4μmに平滑に
されていることを特徴とする加熱定着ロールである。
【0014】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載された発明において、前記無機粉末が鱗片状である
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項3に記載された発明は、請求項1又
は2に記載された発明において、前記離型層の表面が金
属コロの押しあてにより平滑にされていることを特徴と
するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態を
示す加熱定着ロールの要部拡大断面図である。
【0017】本発明の加熱定着ロール10は、粗面化さ
れた円筒体芯金1の表面にフッ素樹脂を主成分とするプ
ライマー層2と、フッ素樹脂を主成分とする離型層3
と、を順次有しており、しかも、該離型層3は、均一に
分散された導電性カーボンブラック4(2〜4重量%)
及び最大粒径10μm以下の無機粉末5(0.5〜1.
5重量%)を有し、そして、該離型層3の表面は、10
点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされている。前記
無機粉末5は、好ましくは、マイカのような鱗片状をし
たものである。前記離型層3の表面は、例えば、金属コ
ロの押しあてにより平滑にされる。
【0018】本発明においては、円筒体芯金1は、アル
ミニウム合金、鉄系金属等の金属で構成され、好ましく
は、該円筒体芯金1の表面に切削、研削加工を施して、
円筒体芯金1の両端部の外径を中央部より大きくしてな
る鼓形状とされる。
【0019】円筒体芯金1の表面は、サンドブラスト、
エッチング、液体ホーニング等の手段により粗面化され
ている。プライマー層2及び離型層3に用いられるフッ
素樹脂としては、例えば、PFA樹脂及びPTFE樹脂
がある。
【0020】プライマー層2は、例えば、サンドブラス
トされた芯金1の表面にフッ素樹脂を主成分とするプラ
マーをスプレー塗装にて塗布して形成する。プライマー
層2は、サンドブラストされた芯金1の表面の谷部分に
入り込んで、フッ素樹脂よりなる離型層3との接着を保
持する。
【0021】フッ素樹脂の中でもPTFE樹脂は、溶融
粘度が高いので、これを溶融し、冷却させて、皮膜に形
成したとしても、PTFE樹脂の粒子が流動して皮膜に
なりにくく、そのために、PTFE樹脂を用いて離型層
3を形成するにはバインダーを用いなければならない。
それ故、このようなバインダーを用いないで離型層3を
形成するには、プライマー層2が必要とされている。し
かし、PFA樹脂であれば、熱流動性があるので、プラ
イマー層2、芯金1の形状に倣って皮膜を形成できる。
【0022】本発明においては、離型層3は、プライマ
ー層2の表面に被覆したフッ素樹脂を焼成して皮膜とし
た後、芯金1の両端を保持し回転させながら、この皮膜
の表面に金属性のコロを押し当てて10点平均粗さRz
で1〜4μmに平滑にすることにより形成される。離型
層3は、導電性カーボンブラック4を有している。導電
性カーボンブラック4は、離型層3の抵抗を下げること
ができると共に、離型層3の耐摩耗性を向上させること
ができる。離型層3における導電性カーボンブラック4
の含有量は、好ましくは、全重量に対して2〜4重量%
である。その含有量が2重量%未満では、離型層3の電
気抵抗が高くなり、また、その含有量が4重量%を越え
ると、離型層3を構成するフッ素樹脂皮膜の溶融粘度が
上昇し、その表面粗さが大きくなるので、金属性コロで
押し当てても、所定の平滑な表面が得られない。しか
し、本発明によれば、離型層が均一に分散された導電性
カーボンブラック2〜4重量%を有しているので、離型
層の電気抵抗が高くならない。また、離型層を構成する
フッ素樹脂皮膜の溶融粘度が上昇しないので、形成され
る表面粗さが大きくならず、そのために、離型層の表面
に金属性コロで押し当てても、所定の平滑な表面が得ら
れる。
【0023】無機粉末5は、離型層3の表面部分に析出
しやすく、特に、鱗片状をしたものは、離型層3の表面
部分に配向して析出しやすいが、本発明においては、離
型層3が最大粒径10μm以下の無機粉末5を全重量に
対して0.5〜1.5重量%の割合で含有しているの
で、無機粉末にトナーが付着しにくくなり、しかも、耐
摩耗性が向上すると共に定着時の熱伝導が向上する。
【0024】離型層3が鱗片状の無機粉末5を有してい
ることは、前述のとおりであるが、鱗片状の無機粉末5
は、フッ素樹脂を溶融させて離型層3を形成する際に、
その表層面に倣って配向するので、離型層3の耐摩耗性
をより向上させることができる。
【0025】フッ素樹脂で構成される離型層3の「表面
粗さ」と転写紙上のトナーを密着させる「定着性」とに
は、「表面粗さ」が粗くなると「定着性」が得られなく
なるという関係があるので、「表面粗さ」は、10点平
均粗さRzで1μm未満が望ましいとされていたが、定
着ロール表面、即ち、離型層3の表面に接触する分離爪
やサーミスタは、離型層3の表面が平滑であればあるほ
ど均一な接触をするので、反って、離型層3の表面に摩
耗やキズが付きやすい。また、分離爪やサミスタは、離
型層3の表面への接触面積が小さいので、離型層3の表
面粗さが粗くなればなるほど、離型層3の表面への接触
が減り、摩耗がしにくくなる。これらの関係を実験を積
み重ねて解析した結果、剥離層3の表面の10点平均粗
さRzを1〜4μmとすれば、分離爪、サーミスタ等に
よる摩耗やキズつきを防止することができることがわか
った。
【0026】
【実施例】(実施例1)アルミニウムパイプの両端部の
外径を中央部より大きくして鼓形状とした円筒体芯金の
表面をサンドブラストにより粗らした。この円筒体芯金
の表面にフッ素樹脂(MP902BN、三井・デュポン
社製)を1μmの厚みにスプレー塗装にて塗布して、プ
ライマー層を形成した。このプライマー層上に、導電性
カーボンブラック(ケッチェンブラック、ライオンアク
ド社製)3重量%及びマイカ(日本マイカ社製)0.5
重量%を添加したフッ素樹脂(PFA)(MP102、
三井・デュポン社製)を、塗布し、焼成して、厚さ15
μmの離型層を形成した。そして、芯金の両端を保持
し、回転させながら、離型層の表面に金属コロ(SUS
304、直径40mm)を押し圧0.3Mpaにて押し
当てて離型層の表面をRz1.5μmに仕上げし、加熱
定着ロールとした。このようにして得られた加熱定着ロ
ールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特性及び鉛筆硬度を測
定し、そして、この加熱定着ロールを複写機(Spirio32
00、リコー社製)に搭載して、連続コピー時での定着
性、間欠コピーでのトナー固着、オフセット画像の発生
有無、耐久枚数を測定した。測定結果は、次の表1に示
される。
【0027】(実施例2)実施例1と同様に円筒体芯金
の表面にプライマー層を形成した。このプライマー層上
に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、ラ
イオンアクド社製)3重量%及びマイカ(日本マイカ社
製)1.0重量%を添加したフッ素樹脂(PFA)(M
P102、三井・デュポン社製)を、塗布し、焼成し
て、厚さ16μmの離型層を形成した。そして、芯金の
両端を保持し、回転させながら、離型層の表面に金属コ
ロ(SUS304、直径40mm)を押し圧0.3Mp
aにて押し当てて離型層の表面をRz2.6μmに仕上
げし、加熱定着ロールとした。このようにして得られた
加熱定着ロールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特性及び鉛
筆硬度を測定し、そして、この加熱定着ロールを複写機
(Spirio3200、リコー社製)に搭載して、連続コピー時
での定着性、間欠コピーでのトナー固着、オフセット画
像の発生有無、耐久枚数を測定した。測定結果は、次の
表1に示される。
【0028】(実施例3)実施例1と同様に円筒体芯金
の表面にプライマー層を形成した。このプライマー層上
に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、ラ
イオンアクド社製)3重量%及びマイカ(日本マイカ社
製)1.5重量%を添加したフッ素樹脂(PFA)(M
P102、三井・デュポン社製)を、塗布し、焼成し
て、厚さ18μmの離型層を形成した。そして、芯金の
両端を保持し、回転させながら、離型層の表面に金属コ
ロ(SUS304、直径40mm)を押し圧0.3Mp
aにて押し当てて離型層の表面をRz3.4μmに仕上
げし、加熱定着ロールとした。このようにして得られた
加熱定着ロールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特性及び鉛
筆硬度を測定し、そして、この加熱定着ロールを複写機
(Spirio3200、リコー社製)に搭載して、連続コピー時
での定着性、間欠コピーでのトナー固着、オフセット画
像の発生有無、耐久枚数を測定した。測定結果は、次の
表1に示される。
【0029】(比較例1)実施例1と同様に円筒体芯金
の表面にプライマー層を形成した。このプライマー層上
に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、ラ
イオンアクド社製)5重量%を添加したフッ素樹脂(P
FA)(MP102、三井・デュポン社製)を、塗布
し、焼成して、厚さ17μmの離型層を形成した。そし
て、芯金の両端を保持し、回転させながら、離型層の表
面をサンドブラストで研磨し、その表面粗さをRz3.
4μmにして、加熱定着ロールとした。このようにして
得られた加熱定着ロールの膜厚、表面粗さ、皮膜電気特
性及び鉛筆硬度を測定し、そして、この加熱定着ロール
を複写機(Spirio3200、リコー社製)に搭載して、連続
コピー時での定着性、間欠コピーでのトナー固着、オフ
セット画像の発生有無、耐久枚数を測定した。測定結果
は、次の表1に示される。
【0030】
【表1】
【0031】表1からわかるように、実施例1〜3で
は、各特性共に実施例1〜3の方が良好であり、また、
実施例1〜3では、複写機での間欠コピー時のトナーの
固着がない。
【0032】以上、本発明の利点を挙げると次のとおり
となる。 (イ) 離型層が均一に分散された導電性カーボンブラック
2〜4重量%を有しているので、離型層の電気抵抗が高
くならない。また、離型層を構成するフッ素樹脂皮膜の
溶融粘度が上昇しないので、形成される表面粗さが大き
くならず、そのために、離型層の表面に金属性コロで押
し当てても、所定の平滑な表面が得られる。
【0033】(ロ) 離型層が最大粒径10μm以下の無機
粉末0.5〜1.5重量%を有しているので、無機粉末
にトナーが付着しにくくなり、しかも、耐摩耗性が向上
すると共に定着時の熱伝導が向上する。
【0034】(ハ) 離型層の表面が10点平均粗さRzで
1〜4μmに平滑にされているので、分離爪、サーミス
タ等による摩耗やキズつきを防止することがせきる。
【0035】
【発明の効果】(1)請求項1に記載された発明によれ
ば、離型層が均一に分散された導電性カーボンブラック
2〜4重量%及び最大粒径10μm以下の無機粉末0.
5〜1.5重量%を有し、そして、該離型層の表面が1
0点平均粗さRzで1〜4μmに平滑にされているの
で、(a) 離型層の電気抵抗が高くならず、また、フッ素
樹脂で構成される離型層の表面に金属性コロで押し当て
ても、所定の平滑な表面が得られること、(b) 無機粉末
にトナーが付着しにくくなり、しかも、耐摩耗性が向上
すると共に定着時の熱伝導が向上すること、(c) 分離
爪、サーミスタ等による摩耗やキズつきを防止すること
がせきること、及び、(d) 離型層の離型性が向上するこ
と、といった顕著な効果を奏する。
【0036】(2)請求項2に記載された発明によれ
ば、無機粉末が鱗片状であるので、フッ素樹脂を溶融さ
せて離型層を形成する際にその表層面に倣って配向し、
そのために、離型層の耐摩耗性をより向上させることが
できる。
【0037】(3)離型層の表面が金属コロの押しあて
により平滑にされているので、所定の平滑な表面を得や
すい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す加熱定着ロールの
要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 円筒体芯金 2 プライマー層 3 離型層 4 導電性カーボンブラック 5 無機粉末 10 加熱定着ロール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒体芯金の表面にフッ素樹脂を主成分
    とするプライマー層と、フッ素樹脂を主成分とする離型
    層と、を順次有する加熱定着ロールであって、該離型層
    が均一に分散された導電性カーボンブラック2〜4重量
    %及び最大粒径10μm以下の無機粉末0.5〜1.5
    重量%を有し、そして、該離型層の表面が10点平均粗
    さRzで1〜4μmに平滑にされていることを特徴とす
    る加熱定着ロール。
  2. 【請求項2】 前記無機粉末が鱗片状であることを特徴
    とする請求項1に記載の加熱定着ローラー。
  3. 【請求項3】 前記離型層の表面が金属コロの押しあて
    により平滑にされていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の加熱定着ロール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004086202A (ja) * 2002-08-06 2004-03-18 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用定着部品、電子写真用定着エンドレスベルト、及び加熱ロール・ベルト型定着装置
JP2005037829A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Fuji Xerox Co Ltd 循環体および定着装置
JP2008040059A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置及び画像形成装置

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