JP2005091921A - 定着部材、定着装置、定着方法及び画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置、定着方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 定着ローラ等の定着部材において、耐摩耗性を向上し、熱伝導を均一化して、静電オフセットをはじめオフセットを全般的に防止し、離型層の剥離を防止し、画質を向上できる定着部材、定着装置、定着方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 耐熱性基材と該耐熱性基材表面に設けられた離型層とを有する定着部材において、前記離型層は、フッ素樹脂と、ASTM D648、1.82MPaによる荷重たわみ温度が、定着時の定着部材の温度より大きい耐熱樹脂との混合物によって形成され、該耐熱樹脂は離型層の内部において耐熱樹脂同士が互いに連結された状態の複数の領域を形成し、かつ前記離型層の水に対する接触角が80°以上であることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、静電転写プロセスなどを利用する定着部材に関し、さらに詳しくは、静電複写機、静電複写プリンタなどのローラ定着部材それを使用した定着装置、定着方法、画像形成装置に関するものである。
従来の一般的な電子写真複写機等の画像形成装置用の定着装置としては様々な定着方式のものが提案され、また実施されているが、そのうちでもローラ定着タイプのもの、特に、ローラ対の少なくとも一方が熱源によって加熱される加熱ローラである加熱ローラ定着装置(ヒートロール定着方式)が主流をなしている。
ここで一対のローラのうち、記録材の画像担持側の面に接するローラを定着ローラ又は加熱ローラと、他方のローラを加圧ローラと記す。
ローラ定着タイプの定着装置において、定着ローラは記録材の画像担持面に直接に接触するため、記録材上の画像を構成している顕画剤(以下、トナーと記す)の一部が該定着ローラの表面に粘着して付着し、この付着トナーがローラの回転に伴い再び記録材上に転写されるいわゆる「オフセット現象」を発生しやすい。
このオフセット現象を防止する手段として従来より定着ローラの外周面にポリテトラフロロエチレン樹脂(以下、PTFEと記す)などのフッ素樹脂やシリコンゴム等の高離型性材料(非粘着性材料)のオフセット防止被覆層を設けて定着ローラ表層の離型性(非粘着性)を向上させる手段が採択されている。
しかしながら上記従来のオフセット防止手段についても下記のような問題があった。
前記オフセット防止層の配設では、PTFE等のフッ素樹脂の被覆層を設けたローラは優れた非粘着性を示すが、トナー樹脂の種類によっては離型性の悪いものもあり、トナーの一部が粘着してローラ表面を汚染することがある。
また近年、低コスト化傾向、サービス性の向上、産業廃棄物の規制等から定着ローラ等の各種部品の高耐久化が強く求められているが、純粋なフッ素樹脂は耐摩耗性に関してはそれ程強靭さを備えておらず、PTFE等のフッ素樹脂の被覆層を設けた定着ローラの耐摩耗性は十分でなく寿命が短いという欠点を有する。
即ち、定着ローラの表面はブレード等のクリーニング手段、離型剤塗布手段、記録材分離爪、温度検出素子、加圧ローラ等で摺擦を受けて摩耗する。また定着ローラと加圧ローラの間を通過する記録材の摺擦も受ける。そして大量の紙(記録材)を通した時、紙から紙粉が発生し定着ローラに付着する。この紙粉は定着ローラに当接させたクリーニングブレード等で除去されることになるが、特に紙のエッジ部では紙粉の発生が顕著であり、紙粉に含まれる種々の無機充填剤によりローラ表面は摩耗する。
そして定着ローラは表面の摩耗により平滑性を失うことで本来の離型性が低下する傾向にある。
また被覆層が高抵抗であるため、その表面が、記録材・加圧ローラ等の対ローラ当接部材との摺擦による摩擦帯電により大きく帯電して記録材上のトナーが静電作用により定着ローラ表層に吸着されて、いわゆる静電オフセット現象が発生しやすい。
フッ素樹脂は記録材等との摺擦により負に大きく帯電する。トナーが正の極性を持つ場合、トナーは負帯電のフッ素樹脂被覆層の電界にひきつけられ定着ローラ表面に静電オフセット現象で付着しやすくなる。
前記の耐摩耗性改善手段として、一般にフッ素樹脂等の耐摩耗性はこれにガラス粉、シリカ、炭化ケイ素粉末、ダイヤモンド粉末、コランダム粉、ニッケルや鉄などの金属粉等の比較的高い硬度をもつ無機充填剤を混入することにより向上させることができるが、混合量が少ないと耐摩耗性向上の効果が十分でなく、混合量を増加していくと、離型性が悪くなり、また定着ローラの表面性も悪くなり、オフセット防止効果が低下する。
またこれ等の充填剤はフッ素樹脂中への分散性が悪く、また分散できたとしても充填剤とフッ素樹脂との接着性が悪く、耐久等により定着ローラ被覆層の充填剤の一部が離脱する等の現象が生じた。
分散が不良の場合は耐久により充填剤の少ない部分が先にスジ状あるいはまだら状に削れたりして削れた部分にトナーが埋め込まれ定着ローラの非粘着性の低下をきたす場合が多かった。
また充填剤が離脱した場合は離脱した部分にトナーが埋まり込んだり、あるいは離脱した充填剤が逆に研摩剤として作用し、摩耗を加速するなどの問題が生じた。
充填剤の粒径を細かくする等の試みもされたが、充填剤とフッ素樹脂との接着性が悪く、逆にフッ素樹脂層全面が摩耗するという結果となった。
さらに、離型層が前述のような状態になった場合、定着部材はそれ以上は使用不可能となるため新たな定着部材に交換する必要が生じ、資源の浪費につながるため、近年問題視されている環境への負荷が増大することとなる。
これらの問題に対し、以下の解決案が提案されているが、それぞれ以下に示すような欠点があり完全な解決には至っていない。
一つの方法として、耐久性と密着性に優れた樹脂を混合したものを成膜することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これら混合して成膜しているものは、製造条件によっては、表面構造にムラができやすく、ローラにより寿命が変動し安いという欠点があった。
また、表面張力を制御していないために必ずしも離型性が十分とは言い難く、特に近年主流となっている予め定着部材に離型剤を塗布せずトナー中の離型剤のみで離型を行う定着方式であるオイルレス定着ではオフセットが発生しやすいという問題を潜在的に抱えていた。
また、加熱によりフッ素樹脂層が表面に浮いてくることを期待している方法を開示しているものもある(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、その層が薄く、また離型に適した表面張力を維持できるように構造を制御されてはいないため、何らかの形で表面に傷が付くと、離型性が悪いポリイミド層が露出し、そこがトナー付着の核になり、ジャムへとつながることがあった。特に近年主流となっているオイルレス定着ではこの傾向が顕著であった。
さらに、耐久性と密着性に優れた樹脂と混合したものを成膜することも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、表面張力を制御していないために必ずしも離型性が十分とは言い難かった。特に近年主流となっているオイルレス定着(予め定着部材に離型剤を塗布せずトナー中の離型剤のみで離型を行う定着方式)ではオフセットが発生しやすいという問題を潜在的に抱えていた。
また、バインダ樹脂中にフッ素樹脂粒子もしくは一度溶融させたフッ素樹脂粒子が混合されて離型性を維持しつつ耐摩耗性が改善されることを期待した開示もある(例えば、特許文献4参照)。
これでは紙分離用の分離爪などによる強い摺擦や掘り起こしの力を受けた際にフッ素樹脂粒子の成分がバインダ樹脂から脱離してしまい、そこに発生した孔からオフセットが発生してしまうという問題があった。
また、耐久性と密着性に優れた樹脂にフッ素樹脂を混合したものを成膜することも提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、フッ素樹脂のように比重が大きい樹脂を混合した液体を成膜している場合は、液の調整条件や製造条件によっては、塗工中のフッ素樹脂の沈降により離型層のフッ素樹脂の比率にムラができやすく、ローラにより寿命が変動し安いという欠点があった。
特に近年主流となっているオイルレス定着(予め定着部材に離型剤を塗布せずトナー中の離型剤のみで離型を行う定着方式)ではオフセットが発生しやすいという問題を潜在的に抱えていた。
特開平4−243287号公報 特開2000−298411号公報 特開2001−312170号公報 特開2001−331049号公報 特許第3261166号公報
上述のように、上記従来技術には、表面構造にムラができ、離型性が不十分、表面に傷が付き易い、表面張力が制御されていない、フッ素樹脂の脱離孔からオフセット発生し、寿命が変動、特にオイルレス定着ではオフセットが発生しやすい等という問題がある。
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、耐摩耗性を向上し、熱伝導を均一化して、静電オフセットをはじめオフセットを全般的に防止し、離型層の剥離を防止し、画質を向上できる定着部材、定着装置、定着方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、耐熱性基材と該耐熱性基材表面に設けられた離型層とを有する定着部材において、前記離型層は、フッ素樹脂と、ASTM D648、1.82MPaによる荷重たわみ温度が、定着時の定着部材の温度より大きい耐熱樹脂との混合物によって形成され、該耐熱樹脂は離型層の内部において耐熱樹脂同士が互いに連結された状態の複数の領域を形成し、かつ前記離型層の水に対する接触角が80°以上である定着用部材を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記耐熱樹脂からなる複数の領域が、離型層の内部において連結された構造がフッ素樹脂と耐熱樹脂の共連続構造である請求項1記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記耐熱樹脂からなる複数の領域が、少なくとも離型層の内部において連結された構造が網目構造である請求項1または2記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記離型層の耐熱樹脂によって隔てられたフッ素樹脂同士の間隔がトナー粒径よりも小さい請求項1から3のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記耐熱樹脂を含む離型層の表面が、すべてフッ素樹脂により覆われている請求項1から4のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記離型層の耐熱樹脂中に導電性充填剤を含有する請求項1から5のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記耐熱樹脂を含む離型層とその下地層の間に接着層を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明では、連結された前記耐熱樹脂の一部が離型層の下地に対して接着力を有し、一部が下地に接着している請求項1から7のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記離型層が離型層に用いられている樹脂と同じ耐熱樹脂からなる基材上に直接形成されている請求項1から8のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項10記載の発明では、前記耐熱樹脂を含む離型層は基材との間に弾性層を有する請求項1から9のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項11記載の発明では、前記耐熱樹脂は成膜前に室温で液状化可能な樹脂である請求項1から10のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項12記載の発明では、前記離型層の耐熱樹脂中に熱伝導性充填剤を含有する請求項1から11のいずれか1項に記載の定着部材を主要な特徴とする。
請求項13記載の発明では、耐熱性基材と該耐熱性基材表面に設けられた離型層とを有する定着部材において、前記離型層は、フッ素樹脂と、ASTM D648、1.82MPaによる荷重たわみ温度が、定着時の定着部材の温度より大きい耐熱樹脂との混合物によって形成され、該耐熱樹脂は離型層の内部において耐熱樹脂同士が互いに連結された状態の複数の領域を形成し、かつ前記離型層の水に対する接触角が80°以上である請求項1から12のいずれか1項に記載の定着部材を用いる定着装置を主要な特徴とする。
請求項14記載の発明では、請求項13の定着装置を用いた定着方法において、離型層表面に離型剤を供給する電子写真画像の定着方法を主要な特徴とする。
請求項15記載の発明では、請求項13の定着装置において、離型層表面に離型剤を供給する手段を具備した定着装置を主要な特徴とする。
請求項16記載の発明では、請求項13又は15の定着装置を用いた定着方法において、離型層表面をクリーニングする定着方法を主要な特徴とする。
請求項17記載の発明では、請求項13又は15の定着装置において、離型層表面をクリーニングする手段を有する定着装置を主要な特徴とする。
請求項18記載の発明では、請求項13、15又は16の定着装置を用いる画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項1によれば、耐熱性基材と該耐熱性基材表面に設けられた離型層とを有する定着部材において、前記離型層はフッ素樹脂と、ASTM D648、1.82MPaによる荷重たわみ温度が、定着時の定着部材の温度より大きい耐熱樹脂との混合物によって形成され、該耐熱樹脂は離型層の内部において耐熱樹脂同士が互いに連結された状態の複数の領域を形成し、かつ前記離型層の水に対する接触角が80°以上であることを特徴とする定着用部材により、定着用部材がブレード等で押圧されても変形しにくいため押圧部材が食い込まず、耐摩耗性が良好となり、紙粉による摩耗も減少させることができる。
請求項2によれば、前記耐熱樹脂からなる複数の領域が、離型層の内部において連結された構造がフッ素樹脂と耐熱樹脂の共連続構造であることを特徴とする請求項1記載の定着部材により、通常の粒子状耐熱樹脂の分散に比べて離型層表面の耐熱樹脂が分離爪等により掘り起こしの力を受けても容易には脱離しないために孔が開きにくく、ひいては画像欠陥の発生や摩耗が起こりにくい。
請求項3によれば、前記耐熱樹脂からなる複数の領域が、少なくとも離型層の内部において連結された構造が網目構造であることを特徴とする請求項1または2記載の定着部材により、網目構造は特に耐熱樹脂が脱離しにくい構造のため、特に有利である
請求項4によれば、トナーが直接接触する面積が小さくなるため、オフセット防止に対して有利な構造となる。
請求項5によれば、前記耐熱樹脂を含む離型層の表面が、すべてフッ素樹脂により覆われていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の定着部材により、耐熱樹脂とフッ素樹脂の混合比率によらずに耐久性とオフセット防止に有利な構造を形成できる。
請求項6によれば、前記離型層の耐熱樹脂中に導電性充填剤を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の定着部材により、静電オフセットを防止することができ、フッ素樹脂には離型性に影響を与える充填剤を添加しないため、離型性を維持することができる。
請求項7によれば、前記耐熱樹脂を含む離型層とその下地層の間に接着層を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の定着部材により、接着層により、ブレード等で摺擦を受ける際の離型層の剥離を防止することが可能となる。
請求項8によれば、連結された前記耐熱樹脂の一部が離型層の下地に対して接着力を有し、一部が下地に接着していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の定着部材により、接着層を使用しなくとも耐熱性基材と、離型層との接着性を高めることができ、工程数の低減が可能となる。
請求項9によれば、前記離型層が離型層に用いられている樹脂と同じ耐熱樹脂からなる基材上に直接形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の定着部材により、接着層を使用しなくとも耐熱性基材と、離型層との接着性を高めることができ、塗布、乾燥工程の必要が無く、工程数の低減が可能となる。
請求項10によれば、前記耐熱樹脂を含む離型層は基材との間に弾性層を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の定着部材により、離型層がフッ素樹脂のみで形成されている場合に比べて、耐熱樹脂が混合されていることにより、トナーを均一に加熱したり、ニップ幅をより大きくし通紙の線速を上げるために有利な弾性層に対して密着性を向上させることが可能となる。
請求項11によれば、前記耐熱樹脂は成膜前に室温で液状化可能な樹脂であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の定着部材により、溶液化可能な樹脂を使用することにより粉体での塗装に比べて、塗装後のレベリングが行われるため塗膜の平滑性が良好であり、定着時に離型層の面形状が画像に転写されても画質の劣化を押さえることができ、基材の微細な凹凸があっても液状であるために十分に覆うことができ、接触面積が増大するために基材への密着性を向上させることが可能となる。
請求項12によれば、前記離型層の耐熱樹脂中に熱伝導性充填剤を含有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の定着部材により、熱伝導性充填剤を耐熱樹脂中に含有させた場合に熱伝導性を良好とすることができ、この場合フッ素樹脂には離型性に影響を与える充填剤を添加しないため、離型層の離型性を維持することが可能となる。
請求項13によれば、耐熱性基材と該耐熱性基材表面に設けられた離型層とを有する定着部材において、前記離型層はフッ素樹脂と、ASTM D648、1.82MPaによる荷重たわみ温度が、定着時の定着部材の温度より大きい耐熱樹脂との混合物によって形成され、該耐熱樹脂は離型層の内部において耐熱樹脂同士が互いに連結された状態の複数の領域を形成し、かつ前記離型層の水に対する接触角が80°以上である請求項1から12のいずれか1項に記載の定着部材を用いることを特徴とする定着装置により、定着用部材がブレード等で押圧されても変形しにくいため押圧部材が食い込まず、耐摩耗性が良好となり、紙粉による摩耗も減少さすことができ、該耐熱樹脂からなる複数の領域が、少なくとも離型層の内部において連結されてあることから、通常の粒子状耐熱樹脂の分散に比べて離型層表面の耐熱樹脂が分離爪等により掘り起こしの力を受けても容易には脱離しないために孔が開きにくく、ひいては画像欠陥の発生や摩耗が起こりにくい定着装置を得ることができる。
請求項14によれば、請求項13の定着装置を用いた定着方法において、離型層表面に離型剤を供給することを特徴とする電子写真画像の定着方法により、離型層に離型剤を塗布すると、耐熱樹脂部分にオイル成分が保持されてオフセット防止被覆層は長期にわたり安定した非粘着性を示すことが可能となる。
請求項15によれば、請求項13の定着装置において、離型層表面に離型剤を供給する手段を具備したことを特徴とする定着装置により、離型層に離型剤を塗布すると、耐熱樹脂部分にオイル成分が保持されてオフセット防止被覆層は長期にわたり安定した非粘着性を示すことができる。
請求項16によれば、請求項13又は15の定着装置を用いた定着方法において、離型層表面をクリーニングすることを特徴とする定着方法により、ブレード等のクリーニング手段で押圧されても変形しにくいためこれらが食い込みにくく、摩耗しにくくなっており、離型層表面の摺擦による摩耗性も改良される。
請求項17によれば、請求項13又は15の定着装置において、離型層表面をクリーニングする手段を有することを特徴とする定着装置により、ブレード等のクリーニング手段で押圧されても変形しにくいためこれらが食い込みにくく、そのため摩耗しにくくなっており、大量の記録紙を通した時、紙粉が発生し、紙粉に含まれる種々の無機充填剤により離型層表面が摺擦を受けても同様の理由で摩耗性が改良される。
請求項18によれば、請求項13、15又は17の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置により、定着部材の使用可能な期間が大幅に伸びるため、省資源化につながるため、近年問題視されている環境への負荷を減少させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、図1〜図9により、耐熱樹脂同士がロール離型層内部で連結するよう構成することによる効果と作用を実施例により説明する(請求項1、2、3)。
本発明においては、定着部材の最外表面上に設ける離型層を、フッ素樹脂と、荷重たわみ温度(ASTM D648、1.82MPa)が定着時の定着部材の温度よりも大きい耐熱樹脂との混合物で形成し、且つ離型層の水に対する接触角が80°以上となるように調整することを特徴とする。
即ち、本発明においては、定着部材の表面に、フッ素樹脂と耐熱樹脂の混合物によって離型層が形成されているため、離型層が耐熱性に優れている。
また、前記耐熱樹脂の荷重たわみ温度が定着時の定着部材の温度よりも大きく設定されているため、ブレード等のクリーニング手段、離型剤塗布手段、記録材分離爪、温度検出素子、加圧ローラ等で押圧されても変形しにくく、従って食い込みにくく、摩耗し難くなっている。
また大量の記録紙を通した時、紙から紙粉が発生し定着部材に付着して紙粉に含まれる種々の無機充填剤により離型層表面が摺擦を受けても同様の理由で摩耗しにくい。
これに対して、図1や図2のような粒子状耐熱樹脂102の従来例の分散では、フッ素樹脂のみの場合に比べては摩耗はし難いが、離型層表面に露出した粒子状樹脂が分離爪等により掘り起こしの力を受けた場合に脱離してしまい孔が空き、そこからオフセットが発生してしまうという別の不具合がある。
これに対し、前記耐熱樹脂102からなる複数の領域が、図3、図4の如く少なくとも離型層の内部において連結されている本発明の構造の場合には、従来例の粒子状耐熱樹脂の分散に比べて離型層表面の耐熱樹脂102が分離爪等により掘り起こしの力を受けても容易には脱離しないために孔が開きにくく、ひいては画像欠陥の発生や摩耗が起こりにくい。
また、トナー中から出て離型層表面に付着したワックスが、離型層上ではじかれることがないため、直接トナーの樹脂等が離型層に触れてしまい、オフセットしたり、ホットメルト接着剤のように機能して定着ローラに被記録材が巻きつくといったことが生じない。
水に対する接触角が、80°未満であると濡れ性が大きくなるため、トナー樹脂の接着力が急激に増大してワックスによる付着防止効果を上回り、トナー全体が離型層表面に接着し、定着不良を生じる。
尚、本発明における接触角の測定は、加熱定着部材の表層材料の平面状の試験片を形成し、協和界面科学社製のCA−X型で室温において液滴法によって測定した。
離型層の厚さは5〜100μmが好ましく、10〜50μmに設定するのが更に好ましい。5μm未満では通紙を行った時に、オフセットが発生するまでの期間が短くなり、100μmを越えるとクラックが発生する傾向がある。
離型層のフッ素樹脂としては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定されるものではない。
具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(TFE/VdF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられる。
耐熱樹脂としては、定着時の定着部材の温度よりも荷重たわみ温度(ASTM:D648、1.82MPa)が大きい物を使用すればよいが、例えば定着部材の温度が150℃の場合は、具体的にはポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等の樹脂が使用可能である。これらは組み合わせ使用してもよい。
上記のフッ素樹脂および耐熱樹脂を用いて本発明の離型層を形成するには、予め耐熱樹脂粉体を凝集の状態でフッ素樹脂粉体に混合し、両者とも溶融させた後に冷却すると図3、図4、図5、図6のような耐熱粒子102の連結構造、あるいは図7のような共連続構造を形成できる。
また、耐熱樹脂からなる網目状繊維をフッ素樹脂粉体に混合し、両者とも溶融させると図8、図9のような耐熱樹脂102の網目構造を形成できる。
図7の共連続構造、図8、図9の網目構造は特に耐熱樹脂102が脱離しにくい構造のため、特に有利である。
なお、定着部材上に形成される離型層の水に対する接触角を、80°以上の範囲内に調整する方法としては、離型層の形成材料であるフッ素樹脂と耐熱樹脂との混合比を変化させ、水に対する接触角を制御する方法がある。
この場合、フッ素樹脂と耐熱樹脂の種類、混合方法、加熱温度の組合せで前述のいずれかの構造とすることができる。
例えばフッ素樹脂がPFAであり、耐熱樹脂がPEEKの場合、接触角を80°以上にする方法としては、PEEKの割合を50wt%以下の範囲で混合し離型層を形成すればよい。この場合はPFAの融点が310℃で、PEEKの融点が332℃でPEEKの融点が高く、両者とも380℃で溶融させた後に冷却することにより、図6のような耐熱粒子102の連結構造を形成できる。
なお、本発明において、定着部材の形態は定着ローラ、定着ベルト等の任意の形態に適用可能である。
次に、フッ素樹脂の間隔をトナー粒径よりも小さくすることによる効果と作用を実施例により説明する。
フッ素樹脂の間隔をトナー104の粒径よりも小さくして離型層を形成し、間隔がトナー粒径よりも小さくした場合、仮にフッ素樹脂よりも離型性に劣る耐熱樹脂が表面に露出したとしても、図10の如くトナー104が直接接触する面積が小さくなるため、フッ素樹脂の静電オフセット防止に対する効果が有利な構造となる。
次に、上記の構成における離型層の表面の離型性について説明する。
上記の構成において、耐熱樹脂とフッ素樹脂の割合によっては、離型層の水に対する接触角が80°よりも小さくなる場合もあるが、その場合は例えば一旦形成した離型層の上層にさらにフッ素樹脂のみからなる層111を積層することにより接触角を80°以上にすることが可能であり、図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17のようにオフセット防止に対して有利な構造を形成できる。
次に、導電性充填剤を耐熱樹脂中に含有させることによる構成、作用、実施例を説明する。
耐熱樹脂中に1010Ω・cm以下の抵抗を有する導電性充填剤を含有させることにより、静電オフセットを防止することができる。
この場合、フッ素樹脂には離型性に影響を与える充填剤を添加しないため、離型層の離型性を維持することができる。
ここで耐熱樹脂は複数の領域が、少なくとも離型層の内部において連結されてあり、連続性を有していることにより、耐熱樹脂が粒子状に分散している場合に比べて電気伝導性が良好となっている。
導電性充填剤の量は、フッ素樹脂に対し1〜50wt%含まれ、耐熱樹脂との合計で5〜75wt%となるのが離型性を維持する上で好ましい。
電気導電性粒子としては、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマー、ケッチンブラック、アセチレンブラック等のカーボンやグラファイト、銀、ニッケル、銅等の金属やこれら合金及びマイカ、カーボン、ガラス等にメッキした複合金属、酸化錫、酸化インジウム等の酸化金属、アニオン、カチオン、ノニオン、両性を有する界面活性剤が挙げられる。
離型層とその下地の構成、作用、実施例について説明する(請求項7)。
離型層とその下地の間に接着層を設けることにより、ブレード等のクリーニング手段、離型剤塗布手段、記録材分離爪、温度検出素子、加圧ローラ等で摺擦を受ける際の離型層の剥離を防止することが可能となる。
ここで接着層としては、耐熱性基材と、離型層との接着性を高める各種市販の耐熱性プライマーが使用でき、例えば、アルミニウム製ローラに対してはポリイミド系プライマー、ポリアミドイミド系プライマー、ポリエーテルスルホン系プライマー、更にこれら混合系プライマーが好適に使用される。また、例えばポリイミド樹脂の耐熱性エンドレスベルト層に対しては、ポリイミド系プライマーやフッ素系プライマー、更にこれら混合系プライマーが好適に使用される。
下地との接着性を有する耐熱性樹脂を使用する場合の構成、作用、実施例を説明する(請求項8)。
離型層の樹脂として、耐熱性と金属製円筒状芯金上に接着性を有するものが選ばれる。ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等が挙げられる。これらの耐熱樹脂は、例えば粉体として用いる。これらの耐熱樹脂粉体をフッ素樹脂粉体に混合・分散させ、静電塗装等により簡便に金属製円筒状芯金上に被覆する。
接着性のあるフッ素樹脂としては、焼成による溶融成膜性のよい、比較的融点の低いもの、好ましくは250〜310℃のものが選択される。
具体的には、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアアルキアルビニルエーテル共重合体(PFA)の粉体が挙げられる。低分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体は、ルブロンL−5、L−2(ダイキン工業)、MP1100、1200、1300、TLP−10F−1(三井デュポンフロロケミカル)が知られている。テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)粉末は、532−8000(デュポン)が知られている。テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)粉体は、MP−10、MP102、(三井デュポンフロロケミカル)が知られている。
上記の樹脂使用により、接着層を使用せず耐熱性基材と、離型層との接着性を高めることができ、ブレード等のクリーニング手段、離型剤塗布手段、記録材分離爪、温度検出素子、加圧ローラ等で摺擦されても離型層の剥離を防止することができ、接着層の塗布および乾燥が必要が無く、工程数の低減が可能となる。
離型層と基材に同一の樹脂を使用する構成、作用、実施例を説明する(請求項9)。
例えばポリイミド樹脂やPEEK樹脂の耐熱性エンドレスベルト層上に、離型層を構成する耐熱樹脂にもポリイミド樹脂やPEEK樹脂を使用し、直接耐熱性エンドレスベルト層上に離型層を形成することによって接着層を使用しなくとも耐熱性基材と、離型層との接着性を高めることができ、ブレード等のクリーニング手段、離型剤塗布手段、記録材分離爪、温度検出素子、加圧ローラ等で摺擦を受ける際の離型層の剥離を防止することができ、接着層の塗布および乾燥を行う必要が無く、工程数の低減が可能となる。
この場合、金属製円筒状芯金上に離型層を形成する場合に比べて、さらに接着性を高めることができる。
離型層と基材間に弾性層を設ける構成、作用、実施例を説明する(請求項10)。
トナーを均一に加熱したり、ニップ幅をより大きくし通紙の線速を上げるためには弾性層を設けて、その上に形成された離型層が記録材表面の凹凸形状に追随できる定着部材が有利であるが、離型層がフッ素樹脂のみで形成されている場合に比べて、耐熱樹脂が混合されていることにより前記弾性層に対して密着性を向上させることが可能となり、ブレード等のクリーニング手段、離型剤塗布手段、記録材分離爪、温度検出素子、加圧ローラ等で摺擦を受ける際の離型層の弾性層からの剥離を防止することができる。
耐熱樹脂として室温で溶液化可能な樹脂を使用する構成、作用、実施例を説明する(請求項11)。
耐熱樹脂として室温で溶液化可能な樹脂を使用することにより粉体での塗装に比べて、塗装後のレベリングが行われるため塗膜の平滑性が良好となり、定着時に離型層の面形状が画像に転写されても画質の劣化を押さえることができる。また、基材の微細な凹凸があっても液状であれば十分に被覆することができ、接着面積が増大するために基材への密着性が向上する。
耐熱樹脂被覆層として用いる耐熱樹脂は、例えばポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等が挙げられる。これらの耐熱樹脂は前駆体の溶液として、あるいは溶剤に溶解して用いるのが好適である。これらの溶液にフッ素樹脂粉末を混合・分散することは容易であり、浸漬や塗布により簡便に金属製円筒状芯金上に表面平滑性よく被覆可能となる。樹脂が熱可塑性の場合は溶剤を蒸発させるだけで、また、樹脂が熱硬化性の場合は溶剤を蒸発させた後に熱硬化させることによって金属製円筒状芯金上に耐熱樹脂層を形成することができる。ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)の前駆体溶液は知られており、さらに、ポリベンゾイミダゾール(PBI)はジメチルアセトアミド(DMA)に溶解、ポリエーテルスルホン(PES)は、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、N−メチル−2−ピロリドンに可溶であることが知られており、これらの溶液を用いることができる。
耐熱樹脂に熱伝導性充填剤を含有させた場合の構成、作用、実施例を説明する(請求項12)。
本発明では、耐熱樹脂が複数の領域が連結されて連続性を有していることにより、熱伝導性充填剤を耐熱樹脂中に含有させることにより、熱伝導性を良好とすることができる。
この場合フッ素樹脂には離型性に影響を与える充填剤を添加しないため、離型層の離型性を維持することができる。
具体的には、熱伝導性粒子としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス、ボロンナイトライド、アルミナ、炭化ケイ素、チタン酸カリウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、マイカ、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化べリリウム、タルク、炭酸カルシウム等、およびこれら2種以上の混合物を挙げることができる。これらの添加量は、耐熱樹脂に対して10〜50wt%の範囲が離型性を維持する上で好ましい。
本発明の定着部材を使用する定着装置の構成、作用、実施例を説明する(請求項13)。
図18は本発明の定着ローラを使用した定着装置の概略構成図である。定着ローラ1、加圧ローラ2は互いに並行に上下に所定の押圧力をもって圧接している。定着ローラ1にはハロゲンヒーター等の発熱源3、定着ローラ1の表面にはサーミスタ等の温度検知素子4が接触しており、定着ローラ1の表面温度がこの素子4により検知され、その検知情報に応じて不図示の制御回路により発熱源3の通電が制御されて定着ローラ1の表面温度が所定の温度に管理される。
定着ローラ1に、ばね7で付勢して当接させた記録材分離爪6があり、定着ローラ1の面に巻き付く記録材を定着ローラ1から分離する。
加圧ローラ2は芯金2bの表面にシリコンゴム層2aを被覆されている。
上記のローラ対は不図示の駆動手段により所定の速度で回転駆動される。不図示の作像手段部で未定着トナー画像Tを形成担持させた記録材Pを、上記ローラ対の挟圧部(定着ニップ部、ニップ幅5〜6mm)Nに導入し、挟持搬送され熱と圧力でトナー像を定着する。
定着部材の表面は、フッ素樹脂と耐熱樹脂の混合物の離型層が形成され耐熱性が優れている。
また、前記耐熱樹脂の荷重たわみ温度(ASTM D648、1.82MPa)が定着時の定着部材の温度よりも大きく設定されているため、分離爪、温度検出素子、加圧ローラ等で押圧されても変形、食い込みがなく、そのため摩耗し難い。
また大量の紙(記録材)を通して、紙粉が発生し、紙粉に含まれる種々の無機充填剤により離型層表面が摺擦を受けても摩耗し難い。
また、トナー中から出て離型層側に付着したワックスが、離型層上ではじかれることがないため、直接、トナーの樹脂等が離型層に触れて、オフセットしたり、ホットメルト接着剤のように機能して定着ローラに被記録材が巻きつくことがない。
本発明の定着部材を用いた定着方法、定着装置、その周辺機器、画像形成装置の構成、作用、実施例を説明する(請求項14、15、16、17、18)。
図19は本実施例の定着装置の概略構成図である。前記図18のものと共通の構成部材部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
定着ローラ1に対するオイル供給部材兼クリーニング部材としてローラ体5がある。ローラ体5は芯金5aとオイル含浸耐熱性フェルト5bより構成され、不図示の偏心カム等により定着ローラ1に対して接離制御される。
本発明においては、耐熱樹脂の荷重たわみ温度(ASTM D648、1.82MPa)が定着時の定着部材の温度よりも大きく設定されているため、クリーニング手段、離型剤塗布手段で押圧された場合でも変形し難く、これらが食い込み難く、そのため摩耗し難い。
また、離型層に塗布された離型剤がはじかれることがないよう接触角が制御されているため、直接トナーの樹脂等が離型層に触れてオフセットしたり、ホットメルト接着剤のように機能して定着ローラに被記録材が巻きつくことがない。
さらに本実施例における定着ローラ1の離型層に離型剤を塗布すると、耐熱樹脂部分にオイル成分が保持されてオフセット防止被覆層は長期にわたり安定した非粘着性を示すことができる。
本発明による定着装置を装備した実機による実験結果を表1示す。
表1は本発明と従来の充填剤を使用した場合との比較結果を示すものである。
帯電電位、オフセット性、耐久寿命について実機評価を行った。
使用機種:Spirio3550((株)リコー)
帯電電位:表面電位計Trek製 Model347により通紙中の定着ローラ表面を測定し、時間平均を算出。
オフセット性:罫線状チャートを連続100枚複写して4段階評価
(良→◎→○→△→×→悪)
耐摩耗性:連続通紙し表面の削れ量により4段階評価
(良→◎→○→△→×→悪)
耐熱樹脂の脱離:連続通紙し脱離による孔の量により4段階評価
(良→◎→○→△→×→悪)
温度分布:定着ローラ軸方向の中央部と両端部の3個所にサーミスタを取り付け温度差を測定し4段階評価
(温度差小→◎→○→△→×→大)
Figure 2005091921
なお、表1において、定着時の定着部材の温度は150℃であり、実施例1の耐熱樹脂の荷重たわみ温度(ASTM D648、1.82MPa)は、203℃、実施例2の耐熱樹脂の荷重たわみ温度は152℃、実施例3の耐熱樹脂の荷重たわみ温度は203℃、実施例4の耐熱樹脂の荷重たわみ温度は152℃であり、離型層の水に対する接触角は、実施例1は105°、実施例2は107°、実施例3は104°、実施例4は106°、比較例1は108°、比較例2は109°、比較例3は105°、比較例4は107°、比較例5は104°、比較例6は106°である。また、離型層は、耐熱性基材としてアルミ製円筒形芯金の上部に、30μmの厚さに形成したものである。
従来の耐熱性樹脂粒子がフッ素樹脂中に個々に分散した離型層の説明図である。 従来のフッ素樹脂粒子が耐熱性樹脂中に個々に分散した離型層の説明図である。 本発明の離型層の耐熱樹脂粒子が連結構造である場合の平面及び断面図である。 本発明の離型層の耐熱樹脂粒子が他の連結構造の場合の平面及び断面図である。 本発明の離型層の耐熱樹脂粒子が連結構造である場合の断面図である。 本発明の離型層の耐熱樹脂粒子が他の連結構造である場合の断面図である。 本発明の離型層の耐熱樹脂粒子が共連続構造である場合の断面図である。 本発明の離型層の耐熱樹脂が網目構造の場合の断面図である。 本発明の離型層の耐熱樹脂の脱離し難い構造の網目構造の模式断面図である。 本発明の耐熱樹脂間のフッ素樹脂の長さとトナー径の関係の説明断面図である。 本発明の離型層の表面をフッ素樹脂で被覆した場合の例の断面図である。 本発明の離型層の表面をフッ素樹脂で被覆した場合の他の例の断面図である。 本発明の離型層の表面をフッ素樹脂で被覆した場合の他の例の断面図である。 本発明の離型層の表面をフッ素樹脂で被覆した場合の他の例の断面図である。 本発明の離型層の表面をフッ素樹脂で被覆した場合の他の例の断面図である。 本発明の離型層の表面をフッ素樹脂で被覆した場合の他の例の断面図である。 本発明の離型層の表面をフッ素樹脂で被覆した場合の他の例の断面図である。 本発明の定着ローラにクリーニング装置を装備した定着装置の構成図である。 本発明の定着ローラに離型剤塗布装置を装備した定着装置の概略構成図である。
符号の説明
1 定着ローラ
1a
1b 芯金
2 加圧ローラ
2a シリコンゴム層
2b 芯金
3 発熱源
4 温度検知素子
5 クリーニングローラ
5a 芯金
5b オイル含浸耐熱性フェルト
6 分離爪
7 ばね
101 フッ素樹脂
102 耐熱性樹脂
103 離型剤
104 トナー
111 フッ素樹脂層

Claims (18)

  1. 耐熱性基材と該耐熱性基材表面に設けられた離型層とを有する定着部材において、前記離型層は、フッ素樹脂と、荷重たわみ温度(ASTM D648、1.82MPa)が定着時の定着部材の温度より大きい耐熱樹脂との混合物によって形成され、該耐熱樹脂は少なくとも離型層の内部において耐熱樹脂同士が互いに連結された状態の複数の領域を形成し、かつ前記離型層の水に対する接触角が80°以上であることを特徴とする定着用部材。
  2. 前記耐熱樹脂からなる複数の領域の少なくとも離型層の内部において連結された構造が、フッ素樹脂と耐熱樹脂の共連続構造であることを特徴とする請求項1記載の定着部材。
  3. 前記耐熱樹脂からなる複数の領域の少なくとも離型層の内部において連結された構造が、網目構造であることを特徴とする請求項1または2記載の定着部材。
  4. 前記離型層の耐熱樹脂によって隔てられたフッ素樹脂の間隔がトナー粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の定着部材。
  5. 前記耐熱樹脂を含む離型層の表面が、すべてフッ素樹脂により覆われていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の定着部材。
  6. 前記離型層の耐熱樹脂中に導電性充填剤を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の定着部材。
  7. 前記耐熱樹脂を含む離型層とその下地層の間に接着層を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の定着部材。
  8. 連結された前記耐熱樹脂の一部が離型層の下地に対して接着力を有し、一部が下地に接着していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の定着部材。
  9. 前記離型層が離型層に用いられている樹脂と同じ耐熱樹脂からなる基材上に直接形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の定着部材。
  10. 前記耐熱樹脂を含む離型層は基材との間に弾性層を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の定着部材。
  11. 前記耐熱樹脂は成膜前に室温で液状化可能な樹脂であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の定着部材。
  12. 前記離型層の耐熱樹脂中に熱伝導性充填剤を含有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の定着部材。
  13. 耐熱性基材と該耐熱性基材表面に設けられた離型層とを有する定着部材において、前記離型層は、フッ素樹脂と、荷重たわみ温度(ASTM D648、1.82MPa)が、定着時の定着部材の温度より大きい耐熱樹脂との混合物によって形成され、該耐熱樹脂は離型層の内部において耐熱樹脂同士が互いに連結された状態の複数の領域を形成し、かつ前記離型層の水に対する接触角が80°以上である請求項1から12のいずれか1項に記載の定着部材を用いることを特徴とする定着装置。
  14. 請求項13の定着装置を用いた定着方法において、離型層表面に離型剤を供給することを特徴とする電子写真画像の定着方法。
  15. 請求項13の定着装置において、離型層表面に離型剤を供給する手段を具備したことを特徴とする定着装置。
  16. 請求項13又は15の定着装置を用いた定着方法において、離型層表面をクリーニングすることを特徴とする定着方法。
  17. 請求項13又は15の定着装置において、離型層表面をクリーニングする手段を有することを特徴とする定着装置。
  18. 請求項13、15又は17の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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