JP2004302183A - 定着ロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状芯金の、山−谷状に粗面化された外表面における該山の先端部と、非導電性のフッ素樹脂層表面との最短距離が10〜0μmであるような導通路を形成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着ロールに関し、さらに詳しくは、プリンタや複写機等における画像定着用の熱定着部に用いられる定着ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機等には、画像定着のための熱定着ロール系が内蔵されている。この熱定着ロール系は一般に、加熱ロールと加圧ロールでニップを形成し、このニップ間をトナーで形成される画像を通過させて加熱加圧し、その後トナーを溶融させて定着させる方式をとっている。この場合、前者の加熱ロール、すなわち定着ロールには、トナーに対する非粘着性が厳しく要求されることから、該ロール表面には離型性に優れた非導電性のフッ素樹脂層(コーティングあるいはチューブ)が採用されている。
しかしながら、この非導電性のフッ素樹脂層は容易に帯電して、静電オフセットが生じるという欠点がある。このため、除電ブラシが付加的に併用されているが、この場合は、装置の複雑化、取扱性、および保守の面での不利は免れない。勿論、帯電防止という観点からすれば、該フッ素樹脂層に導電材を混入して、導電性を付与すればよいが、これに伴い命題とする離型性が悪化する。
したがって、非導電性のフッ素樹脂層固有の優れた離型性を最大限に発揮させながらも帯電防止能を具備した単品の加熱ロールはこれまで提案されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、上記の離型性と帯電防止性との間に横たわっていた二律背反性が克服された定着ロールを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の概念から離反して、円筒状芯金の、山−谷状に粗面化された外表面における該山の先端部と、非導電性のフッ素樹脂層表面との間に絶縁破壊を利用した導通路が形成された、特異な表面構造を採ることにより、上記の課題を一挙に解決するに至った。
かくして、本発明によれば、導電性円筒状芯金の、山−谷状に粗面化された外表面に、プライマー層を介して非導電性のフッ素樹脂層が被覆されてなる定着ロールにおいて、該非導電性フッ素樹脂層表面と芯金の山との最短距離(L)が10〜0μmであるような導通路が形成され、これにより、印加電圧500V時の表面抵抗率(SR)が1010Ω/□以下であることを特徴とする、離型性と帯電防止能とが両立された定着ロールが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
図1は、本発明に係る定着ロールの縦断面図である。
図2は、図1のAの部分拡大図である。
図3は、導通路の散在状態を示す図1の部分拡大図である。
【0006】
図1において、(1)は導電性円筒状芯金、(2)は該円筒状芯金(1)の外周に被覆されたプライマー層、(3)はプライマー層(2)の外周に被覆された非導電性のフッ素樹脂層である。このようなロールの表面構造は図2に示されている。この図において、(4)は導電性円筒状芯金(1)の粗面の山部、(5)は粗面の谷部、そして、(L)は非導電性フッ素樹脂層(3)の表面と該芯金(1)の山部(4)の先端との最短距離である。この最短距離(L)の値は導通路(6)の形成の面から10〜0μmの範囲にあることが必要である。すなわち山部(4)の先端が、プライマー層(2)および非導電性フッ素樹脂層(3)で10μm以下の膜厚で被覆された状態から該山部(4)の先端が非導電性フッ素樹脂層(3)の表面と同一面に露出した状態(L=0)にある時、絶縁破壊を利用した導通路(6)が形成される。
図3では、上記の導通路(6)がロール表面に散在する状態が示されている。
【0007】
本発明で特徴的なことは、図2〜図3からも明らかなように、非導電性のフッ素樹脂層(3)の表面と該芯金(1)の山部(4)の先端との最短距離(L)が10〜0μmであるような導通路(6)を形成し、これにより印加電圧を500Vかけた時に1010Ω/□以下の表面抵抗率(SR)を呈するような定着ロール構造として、非導電性フッ素樹脂層(3)の離型性を確保しながらロール単品での帯電防止機能を実現したことに在る。
【0008】
上記の定着ロールにおいて、導電性円筒状芯金(1)の表面粗度(Rz)は15μm以上であればよいが、好ましくは20〜35μmの範囲から採択される。このような粗度は従来採用されてきた粗度(6.3μm以下)に比べて相当に高い値であり、粒径が#40〜60でのサンドブラスト加工やローレット加工、切削加工により得られる。さらに、この導電性円筒状芯金(1)の材質は、アルミニウム、鉄、SUSなどの導電性を有する材料であればよい。また、そのサイズについては、外径は15〜70mm、肉厚が0.3〜5mm、そして長さが250〜500mm程度であればよい。
本発明においては、この粗面上に、プライマー層(2)および非導電性のフッ素樹脂層(3)が被覆されることから、両者の厚みも重要な要素である。前者のプライマー層(2)の厚さは、5〜15μm、好ましくは7〜13μmの範囲から、また後者の非導電性フッ素樹脂層(3)の厚さは、5〜15μm、好ましくは7〜13μmの範囲から適宜採択される。
さらに、前者の材質としては、「MP−902AL」(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)、「855−021」(デュポン(株)製)等が挙げられるが、中でも導電性の「MP−902AL」(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が特に好ましく用いられる。この理由は、前述の導通路(6)に導電性プライマー層が介在することにより、帯電防止効果がより促進されるからである。また、後者の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)及び両者の混合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。これらの樹脂には、言うまでもないことであるが、その機能、特に離型性を損なわない限りにおいて、導電剤にしろ他の混入成分が含まれていてもよい。
【0009】
以上に述べた定着ロールの製造にあたっては、円筒状芯金(1)の、山−谷状に粗面化された外表面に、プライマー層(2)を塗布した後、非導電性のフッ素樹脂層(3)を被覆する。該フッ素樹脂の被覆に際しては、厚みが15〜25μmのフッ素樹脂チューブを被せるかまたはフッ素樹脂を膜厚で5〜15μm程度コーティングすればよい。次いで、非導電性のフッ素樹脂層(3)の表面を研磨する。この場合、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下の平滑面が形成されるように研磨するのが好ましい。この研磨手段としては、センタレス研磨が好ましく採用されるが、フィニッシャー研磨やテープ研磨を採用しても問題は無い。
【0010】
【実施例】
外径がφ25、肉厚が1.5mm、そして長さが250mmのアルミニウム製芯金(1)の外表面にサンドブラスト加工を施して、粗度(Rz)が28μmの粗面とした。次いで、この粗面にプライマー層(2)として、「MP−902AL」(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)を厚さ10μmに塗布してから非導電性フッ素樹脂(3)「TC−01−V」(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)を厚さ10μmで被覆した。その後、該フッ素樹脂に100℃、30分の乾燥、さらに400℃、30分の焼成を施した。
最後に、ロール表面(非導電性フッ素樹脂の表面)を全周に亘って、センタレス研磨加工(回転数:1000rpm、送り:20mm/sec)を施して、非導電性フッ素樹脂層(3)の表面と芯金(1)の山部(4)の先端との最短距離(L)が10〜0μmの範囲で散在する表面構造を得た。
このようにして得られた定着ロールを市販の複写機に組み込み、静電オフセット(初期、1,000枚後、5,000枚後)と離型性の比較試験を行った。
【比較例1】
実施例と同様の芯金を用意し、サンドブラスト加工を施すことにより、表面粗さをRzで6.3μm以下にした。その他のプライマー、フッ素樹脂の材料及び加工条件は実施例と同様とした。
【比較例2】
比較例1の定着ロールを組み込む際に、徐電ブラシ(φ12μm、長さ15mmほどのステンレス細線を100本束にして、2枚のアルミ板の間に等間隔に並べた)を取り付けた。
【比較例3】
実施例と同様の芯金を用意し、サンドブラスト加工を施すことにより、表面粗さをRzで6.3μm以下にした。次いで、この粗面にプライマー層(2)として、「855−023」(デュポン(株)製)を厚さ10μmに塗布してから導電性フッ素樹脂(3)「855−101」(デュポン(株)製)を厚さ10μm被覆した。その後、該フッ素樹脂に100℃、30分の乾燥、さらに400℃、30分の焼成を施した。
これらの結果は以下の通りだった。
本発明の定着ロールを組み込んだ場合は、静電オフセット、離型性とも何等問題は生じなかった。他方、比較例1においては静電オフセットにおいて、初期(0〜100枚程度)は問題無かったものの、それ以降徐々に静電オフセットが発生し、1,000枚程度からは著しい画像の低下に陥ってしまった。離型性については特に問題の無いレベルであった。比較例2においては静電オフセット、離型性ともに問題無いレベルであった。比較例3において、静電オフセットについては導電のフッ素樹脂を使用していることより発生することは無い。離型性においては、初期から画像にトナー汚れと思われる点が散在した。これは離型性がよくないために、定着ロールへトナーが付着し、次の紙に印字されてしまうからで、2,000枚程度で画像低下に陥ってしまった。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、単品それ自体で、非導電性のフッ素樹脂固有の優れた離型性を最大限に発揮させながらも帯電防止能を具備した定着ロールが提供されるので、除電ブラシ等の付加的部品が省略され、装置の取扱性や保守性の面で極めて有利になる。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着ロールの縦断面図である。
【図2】図1のAの部分拡大図である。
【図3】導通路の散在状態を示す図1の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 導電性円筒状芯金
2 円筒状芯金(1)の外周に設けたプライマー層
3 プライマー層(2)の外周を被覆する非導電性フッ素樹脂層
4 円筒状芯金(1)の表面の山部
5 円筒状芯金(1)の表面の谷部
6 導通路
L 非導電性フッ素樹脂層表面と芯金の山部(先端部)との最短距離
Claims (9)
- 導電性円筒状芯金の、山−谷状に粗面化された外表面に、プライマー層を介して非導電性のフッ素樹脂層が被覆されてなる定着ロールにおいて、該非導電性フッ素樹脂表面と芯金の山の先端との最短距離(L)が10〜0μmであるような導通路が形成され、これにより、印加電圧500V時の表面抵抗率(SR)が1010Ω/□以下であることを特徴とする、離型性と帯電防止能とが両立された定着ロール。
- 該表面抵抗率(SR)が108Ω/□以下である請求項1に記載の定着ロール。
- 該導電性円筒状芯金の表面粗さ(Rz)が15μm以上である請求項1または2に記載の定着ロール。
- 該表面粗さ(Rz)が20〜35μmの範囲にある請求項3に記載の定着ロール。
- 該プライマー層の膜厚が5〜15μmの範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の定着ロール。
- 該プライマー層が導電性である請求項1〜5のいずれかに記載の定着ロール
- 該フッ素樹脂層の膜厚が5〜15μmの範囲にある請求項1〜6のいずれかに記載の定着ロール。
- 該フッ素樹脂層の表面が、表面粗さ(Ra)で0.5μm以下に研磨された平滑面である請求項1〜7のいずれかに記載の定着ロール。
- 該フッ素樹脂層の材質が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)およびテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜8のいずれかに記載の定着ロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095527A JP2004302183A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 定着ロール |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004302183A true JP2004302183A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33407839
Family Applications (1)
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JP2003095527A Pending JP2004302183A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 定着ロール |
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Cited By (3)
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JP2007199130A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Nissei Electric Co Ltd | 定着用ローラ |
US7672633B2 (en) | 2006-10-30 | 2010-03-02 | Kyocera Mita Corporation | Fixing roller with conductive inner layers, and fixing device and image forming apparatus being provided therewith |
JP2012247636A (ja) * | 2011-05-27 | 2012-12-13 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 定着装置および画像形成装置 |
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003095527A patent/JP2004302183A/ja active Pending
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A521 | Written amendment |
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