JP3828014B2 - 加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に優れた塗装鋼板 - Google Patents

加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に優れた塗装鋼板 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、塗装鋼板に関するものであり、特に成形加工して使用される建材や器物外板などに適した加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に優れた塗装鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建材や器物外板などに使用されている塗覆装鋼板としては、上塗りとしてポリエステル系塗料を塗装したカラー鋼板、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂からなるフッ素塗料を塗装したフッ素塗装鋼板、塩化ビニル樹脂塗料を塗装するか塩化ビニル樹脂フィルムをラミネートした塩ビ鋼板が主に使用されている。
これらの中で、塩ビ鋼板は、皮膜が軟質で伸びが大きいので密着曲げなど厳しい加工を加えてもクラックが入ることがなく、優れた加工部耐食性を示す。また、皮膜厚みが約150〜300μmと厚いため、成形加工時および長期間屋根等で使用されても、加工部に経時変化による塗膜割れが発生することもなく、加工部耐食性に優れている。そのため、耐食性が要求される建材用途に塩ビ鋼板が広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、塩化ビニル樹脂を焼却したときにダイオキシンが発生する可能性があることが指摘され、種々の分野で塩化ビニル樹脂の代替品開発が推進されている。塗覆装鋼板の分野でも、塩化ビニル樹脂を使用しない塗装鋼板が求められるようになってきた。
塩ビ鋼板に替わる加工性に優れた塗装鋼板としては、近年、ウレタン塗装鋼板が注目されている。ウレタン塗膜はイソシアネート硬化である為、厚膜塗装が可能であり、塗膜も軟質である為、加工性に優れる特性を有している。そこで、このウレタン塗料を下塗り、上塗りに使用した場合、または、下塗りに加工性に優れた高分子ポリエステルを使用した系について検討した結果、初期加工性は優れており、2tノークラックを満足するが、その後、加工部の経時変化を調査する目的で行った70℃加熱試験(外装、特に屋根に使用された場合、70℃以上の温度まで上がることはよく知られている)の結果で、塗膜割れの発生が認められた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、下塗り塗膜および上塗り塗膜に使用される樹脂塗料のゴム弾性領域開始温度と軟化開始温度を調整することにより、塩ビ鋼板を代替することができる加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に優れた塗装鋼板を提供することを目的とする。
そして、本発明の塗装鋼板は、ゴム弾性領域開始温度が70℃以上の下塗り塗膜とウレタン樹脂を主体とした軟化開始温度が30℃以下の上塗り塗膜とが鋼板表面に積層されていることを特徴とする。
【0005】
【作用】
本発明者等は、塗装鋼板の加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に及ぼす塗膜物性の影響を種々調査検討した。その結果、塗膜の熱的挙動を表す物性値として従来から使用されてきたガラス転移温度(Tg)では、加工性および耐加工部経時塗膜割れ性を的確に把握できないことを解明した。
ガラス転移温度(Tg)は動的粘弾性測定の損失弾性率E′やtanδの極大値を示す温度で一般的に表され、温度−貯蔵弾性率の曲線上では変曲点近傍に位置する。しかし、塗膜に使用される高分子樹脂は、ガラス転移温度(Tg)の狭い温度範囲で物性が変化するものではなく、広い温度範囲で物性が変化する性質をもっている。しかも、物性が変化する温度範囲は樹脂の種類や添加剤に応じて異なることから、加工性および耐加工部経時塗膜割れ性をガラス転移温度(Tg)で適確に評価できない。
【0006】
この点、軟化開始温度とゴム弾性領域開始温度に基づき塗膜物性を評価すると、加工性および耐加工部経時塗膜割れ性を適確に把握できることを本発明者等は確認した。
まず、このゴム弾性領域開始温度、軟化開始温度について定義しておく。
塗膜の粘弾性を動的粘弾性測定装置により低温(−50℃位)から温度を上昇させながら測定すると、低温域では、貯蔵弾性率E′の値の高いガラス領域を示し、徐々(3℃/分)に温度を上昇させて測定すると、ある温度から貯蔵弾性率E′の減少率△1ogE′が大幅に大きくなり、転移領域へと変化する。この大きく低下する点の温度について、貯蔵弾性率E′の減少率△1ogE′が0.01℃-1を越えた時の温度を軟化開始温度(T2)とした。
測定温度をさらに上昇させて測定すると、ある温度から貯蔵弾性率E´の減少率△1ogE′が大幅に小さくなり、ゴム弾性領域に移行する。この移行開始点について、貯蔵弾性率E′の減少率△1ogE′が0.01℃-1を下回った時の温度をゴム弾性領域開始温度(T1)とした。
【0007】
下塗り塗膜のゴム弾性領域開始温度T1を70℃以上とすることで成形加工後、屋外で使用しても、経時的に塗膜割れを生じないことを見いだした。すなわち、屋外で使用された場合、特に屋根に使用された時の材料温度より下塗り塗膜のゴム弾性開始温度を高くすることで、外部からの温度上昇に対して下塗り塗膜の収縮変形を少なくし、経時の塗膜割れ発生を防止出来るものと考えられる。ゴム弾性開始温度が70℃未満であると、経時の耐塗膜割れ性が低下してしまう。すなわち、下塗り塗膜は、鋼板温度がゴム弾性領域開始温度以上になった時、ゴム弾性を示し、塗膜に収縮応力が働く、その為、特に、初期加工によって下塗り塗膜に亀裂が入っている部分および下塗り塗膜が伸ばされて薄くなっている部分は、下塗り塗膜の亀裂の広がりおよび亀裂の発生、広がりが起こり、上塗り塗膜へ伝搬する。結果として加工部に塗膜割れが発生する(経時塗膜割れ)。
【0008】
上塗り塗膜は、ウレタン樹脂を主体とし塗膜の軟化開始温度を30℃以下とする。軟化開始温度を30℃以下とすることで、塗装鋼板を通常雰囲気で加工する際には塗膜成分の一部または全てが軟化、すなわち樹脂を構成する分子の自由度が大きくなっているため、塗膜が変形しやすく、塗膜のクラックが発生しにくくなる。軟化開始温度が30℃を超える場合には、塗膜が変形しにくく、クラックが入りやすくなる。
また、上塗り塗膜としてはウレタン樹脂を使用する。ウレタン樹脂を用いることにより、塗膜にしたときの伸びおよび強度が大きく、加工性が優れるとともに耐侯性も優れた塗膜が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の塗装鋼板は、鋼板の上に下塗り塗膜を形成し、その上に上塗り塗膜を形成してなるものである。
本発明に使用される鋼板は、特に限定されることはなく、例えば、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融5%Al−Zn合金めっき鋼板、溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板、溶融A1−Zn−Mg金めっき鋼板、溶融アルミめっき鋼板、ステンレス鋼板などを挙げることができる。下塗り塗料の塗装に先立ち、鋼板と下塗り塗膜との密着性を上げるとともに耐食性を高めるために、鋼板に表面調整処理、クロメート処理などの塗装前処理を施すことが好ましい。
【0010】
下塗り塗膜は、樹脂の種類には特に限定されることはなく塗膜のゴム弾性領域開始温度が70℃以上のものであれば十分である。
下塗り塗膜の樹脂をエポキシ樹脂とすることで下地鋼板およびウレタン樹脂を主体とした上塗り塗膜との密着性をさらに高めることができ、耐加工部経時塗膜割れ性をより向上することができる。好適なエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂およびこれらを変性したポリエステル変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。硬化剤には、エーテル化メラミン樹脂で代表されるアミノ樹脂やヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネートを使用する。ポリイソシアネートは、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ε−カプロラクタムなどのラクタム類、ホルムアミドオキシム、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム類、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチルなどの活性メチレン類でブロック化したものが好ましい。
【0011】
下塗り塗膜には、ストロンチウムクロメートで代表される防錆顔料や、シリカ、タルク、硫酸バリウムなどの体質顔料、無機粒子、有機樹脂などの骨剤など適宜配合することができる。
下塗り塗膜の膜厚は特に限定されないが、2〜30μmにすることが好ましい。本発明の下塗り塗膜は軟化温度が室温より高く、室温では硬質で伸びが少ないため、加工性の観点から、膜厚が薄い方が加工性が良好となるため、膜厚は3〜15μmとすることがより好ましい。
【0012】
上塗り塗膜は、ウレタン樹脂を主体とし塗膜の軟化開始温度を30℃以下のものとする。
ウレタン樹脂は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートを反応させた樹脂が好ましい。ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多塩基酸の重縮合物である。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどを挙げることができ、これらから選ばれる1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
多塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができ、これらから選ばれる1種または2種以上を混合して使用することができる。
以上の、多価アルコールと多塩基酸の中で、ネオペンチルグリコールおよび1,6−ヘキサンジオールを主体とした多価アルコールとシクロヘキサンジカルボン酸を主体とした多塩基酸からなるポリエステルポリオールとすることが加工性および耐侯性の観点からより好ましい。
【0014】
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4ユ−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを挙げることができ、これらはプレポリマー、アダクト、ビウレット、イソシアヌレート体などでもよい。ポリイソシアネートは、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ε−カプロラクタムなどのラクタム類、ホルムアミドオキシム、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム類、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチルなどの活性メチレン類でブロック化したものが好ましい。
この組み合わせにより、加工性、耐疵付き性および耐候性に優れたウレタン樹脂塗膜を形成することができる。ポリエステルポリオールとポリイソシアネートはそれぞれ、1種を組み合わせるかまたは2種以上を併用することができる。塗膜の軟化開始温度は、ポリエステルポリオールを構成する多価アルコールとジカルボン酸の種類および配合割合、ポリイソシアネートの種類、配合量によって調整することができる。
【0015】
上塗り塗膜の膜厚は、10〜50μmとすることが好ましい。加工性と塗装外観(ワキ)をバランスさせるためには、15〜40μmとすることがより好ましい。膜厚が薄い場合は、加工性が不十分となり、厚い場合は塗装焼付時のワキの発生が懸念され、塗装外観が低下する場合もある。
上塗り塗膜には、従来塗装鋼板で実施されている各種添加剤を配合することができる。例えば、着色顔料、メタリック顔料、体質顔料、シリカなどのつや消し剤、ガラスビーズ、ガラス繊維、ガラスフレーク、アクリルビーズ、ポリアクリロニトリルビーズ、ナイロンビーズなどの骨剤、ポリオレフィン系、フッ素樹脂系などのワックスなどを配合することができる。
【0016】
本発明の塗装鋼板は、従来の塗装鋼板と同様の方法で製造することができる。すなわち、塗装前処理した鋼板に、下塗り塗料をロールコータ、カーテンコータなどの定法により塗装し、190℃〜240℃で焼付ける。続いて上塗り塗料を同様の方法で塗装し、200℃〜250℃で焼付ける。
【0017】
【実施例】
板厚0.5mm、めっき付着量両面150g/m2(付着量規格AZ150)の溶融55%A1−Znめっき鋼板にアルカリ脱脂を施した後、塗布型クロメート処理をクロム付着量が40mg/m2となるように施し、塗装用原板とした。
【0018】
(実施例1〜4)
防錆顔料としてストロンチウムクロメートを配合したエポキシ樹脂プライマー塗料を乾燥膜厚が10μmになるように塗装し、最高到達板温215℃で焼き付けた。塗膜のゴム弾性領域開始温度は75℃であった。その上に、ネオペンチルグリコールおよび1,6−ヘキサンジオールを主体とした多価アルコールとシクロヘキサンジカルボン酸を主体とした多塩基酸からなるポリエステルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートからなるウレタン樹脂上塗り塗料をカーボンブラックで黒色に調色し、乾燥膜厚が30μmとなるように塗装した後、最高到達板温240℃で焼付けた。塗膜の軟化温度は20℃であった。これを実施例1とした。
【0019】
次に同様にストロンチウムクロメート顔料を配合したビスフェノール型エポキシ樹脂プライマーで、その塗膜のゴム弾性領域開始温度が、80℃、100℃、110℃の塗料を、乾燥膜厚が10μmとなるよう塗装し、最高到達板温215℃で焼付けた。その上に実施例1と同様の軟化開始温度が20℃のウレタン樹脂上塗り塗料を、それぞれ乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、最高到達板温240℃でそれぞれ焼付けた、これを実施例2,3,4とした。
【0020】
(比較例1)
防錆顔料としてストロンチウムクロメートを配合したポリエステル樹脂プライマー塗料を乾燥膜厚が10μmとなるよう塗装し、最高到達板温220℃で焼付けた。塗膜のゴム弾性領域開始温度は50℃であった。その上に実施例1と同様にして、軟化開始温度が20℃のウレタン樹脂上塗り塗膜を設けた。
【0021】
(比較例2)
防錆顔料としてストロンチウムクロメートを配合したウレタン樹脂プライマー塗料を乾燥膜厚が10μmとなるよう塗装し、最高到達板温220℃で焼付けた。塗膜のゴム弾性領域開始温度は60℃であった。その上に実施例5と同様にして、軟化開始温度が50℃のウレタン樹脂上塗り塗膜を設けた。
【0022】
(試験方法)
1.塗膜のゴム弾性領域開始温度および軟化開始温度の測定
実施例および比較例に用いた塗膜の軟化開始温度は、フッ素樹脂を被覆した鋼板に各塗料を塗装し、所定温度で焼付け、遊離塗膜を作製した。この塗膜を所定の大きさに切断して、動的粘弾性測定装置にて周波数10Hzで貯蔵弾性率の変化を測定し、図1に示す通り、貯蔵弾性率の低下開始点を軟化開始温度とした。また、転移領域からゴム弾性領域への移行点をゴム弾性領域開始温度とした。
【0023】
2.加工性
塗装鋼板の塗膜面を外側にして180°折り曲げ試験を行い、曲げ部の塗膜のクラックの有無を10倍ルーペで観察した。加工性評価用塗装鋼板と同一の板を内側に挟んで180°折り曲げ試験を行い、塗膜にクラックが入らなくなる挟む鋼板の最小枚数nをノークラック限界とし、ntノークラックと表記した。2tノークラック以上の加工性が得られれば、良好である。試験温度は、20℃とした。
3.耐加工部経時塗膜割れ性
180度折り曲げ試験で、2t折り曲げサンプルを70℃の雰囲気温度オーブンに24時間放置後、取り出し、2t加工部の塗膜割れの発生の有無を観察した。
【0024】
(試験結果)
試験結果を表1に示す。
実施例に示すとおり、下塗り塗膜のゴム弾性領域開始温度を70℃以上にし、上塗り塗膜の軟化開始温度を30℃以下にすることにより、加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に優れた塗装鋼板を得ることができた。
一方、比較例1のように上塗り塗膜の軟化開始温度を20℃で、下塗り塗膜のゴム弾性領域開始温度が70℃より低くなった場合は、初期加工性は満足するが、耐加工部経時塗膜割れ性は低下し、70℃加熱試験により、2t加工部に塗膜割れが発生した。
また、比較例2のように、上塗り塗膜の軟化開始温度を50℃で、下塗り塗膜のゴム弾性領域開始温度が70℃より低くなった場合は、初期加工性でも塗膜割れが認められ、70℃加熱試験により、その塗膜割れが増大した。
【0025】
Figure 0003828014
【0026】
【発明の効果】
以上のように、下塗り塗料として、その塗膜のゴム弾性領域開始温度が70℃以上の塗料を使用し、上塗り塗料として、その塗膜の軟化開始温度が30℃以下のウレタン塗料を使用することにより、加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に優れた塗装鋼板を得ることができる。
このような塗装鋼板は、住宅の屋根、壁に使用されても、加工部に経時塗膜割れが発生することもなく、長期間、加工部の耐食性を保ち続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 動的粘弾性測定によるゴム弾性領域開始温度および軟化開始温度の測定方法を説明する図
【符号の説明】
1:ゴム弾性領域開始温度 T2:軟化開始温度
ΔlogE′:貯蔵弾性率の減少率

Claims (1)

  1. ゴム弾性領域開始温度が70℃以上の下塗り塗膜とウレタン樹脂を主体とした軟化開始温度が30℃以下の上塗り塗膜とが鋼板表面に積層されていることを特徴とする加工性および耐加工部経時塗膜割れ性に優れた塗装鋼板。
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