JP3827860B2 - 対物レンズ及び光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基盤厚さ又は記録密度などの条件が異なる光ディスクに対する情報の再生又は記録を互換可能に行う光ピックアップ装置用の対物レンズ、当該光ピックアップ装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
光学式記録再生装置には、光情報記録媒体として例えばLD(laser disc)、CD(compact disc )、DVD(Digital video disc又はDigital versatile disc)等の光ディスクから記録情報を読み取る光学式ディスクプレーヤがある。また、これら複数の種類の光ディスクから情報を読み取るコンパチブルディスクプレーヤもある。
そのコンパチディスクプレーヤにおいても光ピックアップは、光ビームを光ディスクへ照射し、光ディスクからの戻り光を読み取る光学系を有している。
しかしながら、上述の光ディスクでは、開口数NA、基板厚さ、最適読取光波長など異なる仕様で設計されている。したがって、例えば、CD/DVDコンパチブルプレーヤの光ピックアップを実現させるためには、少なくとも上記開口数NA及び基板厚さの2つの違いを補正する必要がある。なお、CD開口数及びDVD開口数は、それぞれ0.45及び0.6で、CD基板厚及びDVD基板厚は、それぞれ1.2[mm]及び0.6[mm]である。
【0003】
例えば、DVD用に設計された対物レンズを共通の対物レンズとして使用し、DVDを再生する場合には波長650[nm]の光源を用い、CDを再生する場合には780[nm]の光源を用いると、DVDを再生する場合には、図34(a)に示したような光路となり、記録面上で生じる収差は図35(a)のようにほとんど生じない。しかしながら、CDを再生する場合には、図34(b)に示したような光路となり、記録面上で図35(b)のような収差が生じる。この収差は、基板の厚みが違うことにより発生するものである。なお、図34(b)では、対物レンズの外側を通る光線は大きくデフォーカスしてCDを再生する場合に再生特性に与える影響が小さいので、本図においてはCD再生特性に影響を与える開口数NA(CD)の領域内の光路図のみを表している。
また、図35において縦軸は波長で規格化した収差(図35(a)では650[nm]を1として規格化した値を表し、図35(b)は780[nm]を1として規格化した値)を表し、横軸は対物レンズの直径(光軸からの半径位置)を表している。
この収差を補正するために、現在では、ホログラムを用いた2焦点対物レンズを用いたり、DVDとCDとの読み取り時において焦点距離の異なる2つの対物レンズを切り換えたりするものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホログラムを用いた2焦点対物レンズは製造が難しく、また光量ロスが生じる。また、対物レンズ切換方式はピックアップ自体が大きくコストもかかる。
本発明は上記問題点に鑑み、仕様の異なる少なくとも2つの記録媒体を共通の対物レンズにて再生できる対物レンズ及び当該対物レンズを備えた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の対物レンズは、光記録媒体の表面から情報記録面までの距離が第1の距離を有する第1の光記録媒体を読み取るための第1の波長を有する第1の光ビーム、および前記距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離を有する第2の光記録媒体を読み取るための前記第1の波長とは波長が異なる第2の波長を有する第2の光ビームを集光させ、前記第1の光ビームを最適に集光させる曲率半径を有する対物レンズであって、前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームが入射する面および射出する面のうち少なくとも一方に、輪帯状凹部および輪帯状凸部のうち少なくとも一方を、一の前記面内において複数段差を設けて同心円状に備え、前記輪帯状凹部表面および前記輪帯状凸部表面は、前記光ビームが入射する面又は前記射出する面が光軸に沿って平行移動した際における面と同一の前記曲率半径を有し、前記輪帯状凹部の深さおよび前記輪帯状凸部の高さは、前記一の面を通過した前記光ビームと前記表面を通過した前記光ビームとの光路長差が前記第1の波長の略整数倍となるように設定されることを特徴とする。
【0006】
請求項に記載の発明によれば、光ビームが入射又は/及び射出する対物レンズの表面に複数の輪帯状凹部又は/及び凸部を同心円状に有しているので、光ビームはその通過領域によって位相差が生じる。
【0007】
また、請求項に記載の光ピックアップ装置は、光記録媒体の表面から情報記録面までの距離が第1の距離を有する第1の光記録媒体を読み取るための第1の波長を有する第1の光ビームを出射する第1の光源と、前記距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離を有する第2の光記録媒体を読み取るための前記第1の波長とは波長が異なる第2の波長を有する第2の光ビームを出射する第2の光源と、前記第1の光記録媒体を読み取るために所定の有効開口数及び焦点位置に基づいて設定された対物レンズと、を備える光ピックアップ装置において、前記対物レンズは、前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームが入射する面および射出する面のうち少なくとも一方に、輪帯状凹部および輪帯状凸部のうち少なくとも一方を、一の前記面内において複数段差を設けて同心円状に備え、前記輪帯状凹部表面および前記輪帯状凸部表面は、前記光ビームが入射する面又は前記射出する面が光軸に沿って平行移動した際における面と同一の前記曲率半径を有し、前記輪帯状凹部の深さおよび前記輪帯状凸部の高さは、前記一の面を通過した前記光ビームと前記表面を通過した前記光ビームとの光路長差が前記第1の波長の略整数倍となるように設定されることを特徴とする。
【0010】
請求項に記載の光ピックアップ装置によれば、光ビームが入射又は/及び射出する対物レンズの表面に複数の輪帯状凹部又は/及び凸部を同心円状に有しているので、光ビームはその通過領域によって位相差が生じる。また、その複数の輪帯状凹部又は/及び凸部の深さ又は高さを第1の波長の略整数倍になるように設定したため、例えば、DVD再生時の再生特性を犠牲にすることなく、CD再生時の収差を抑制することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態による光ピックアップ装置の全体構成図を示した。
図1を用いて光ピックアップ装置の構成を説明する。
先ず、本発明の実施の形態による光ピックアップ装置は、第1の波長である650[nm]近傍の波長を有する第1の光ビームを発生する第1の光源としての第1の半導体レーザ30と、第2の波長である780[nm]近傍の波長を有する第2の光ビームを発生する第2の光源としての第2の半導体レーザ31と、ダイクロイックミラー32と、ハーフミラー33と、コリメータレンズ34と、対物レンズ35と、マルチレンズ37と、フォトディテクタ38とから構成される。
上記構成において、光ディスク36として、表面から情報記録面までの距離を第1の距離(約0.6[mm])とする光記録媒体であるDVDが図示しないディスク載置位置に載置された場合、第1の半導体レーザ30から発射した光ビームL1は、ダイクロイックミラー32及びハーフミラー33を透過し、コリメータレンズ34で平行光に変換された後、対物レンズ35に入射する。
対物レンズ35に入射した光ビームL1は、当該レンズにて集光され、DVDの情報記録面上(例えば36a)に照射される。
DVD36aの情報記録面上から反射した光ビームL1は、対物レンズ35、コリメータレンズ34を透過し、ハーフミラー33で反射される。ハーフミラー33で反射された光ビームL1は、マルチレンズ37を経て光検出器であるフォトディテクタ38に照射される。
【0012】
一方、光ディスク36として、表面から情報記録面までの距離を第2の距離(約1.2[mm])とする光記録媒体であるCDまたはCD−Rが図示しないディスク載置位置に載置された場合、第2の半導体レーザ31から発射された光ビームL2は、ダイクロイックミラー32で反射され、ハーフミラー33を透過し、コリメータレンズ34で平行光に変換された後、対物レンズ35に入射する。
対物レンズ35に入射した光ビームL2は、当該レンズにて集光され、CDまたはCD−Rの情報記録面上(例えば36b)に照射される。
CDまたはCD−R36bの情報記録面上から反射した光ビームは対物レンズ35、コリメータレンズ34を透過し、ハーフミラー33で反射される。ハーフミラー33で反射された光ビームL2は、マルチレンズ37を経て光検出器であるフォトディテクタ38に照射される。
このようにして、光ピックアップ装置が構成されている。
【0013】
次に、本発明の特徴部分である光ピックアップ装置に用いられる対物レンズ35について図2を用いて説明する。
本発明における対物レンズ35は、DVD用波長650[nm]で全体として開口数0.6に対応する領域の直径を有する屈折表面35A(以下第1面と称す)と屈折表面35B(以下第2面と称す)を有する。なお、本実施例においては、説明の都合上、対物レンズの有効径の半径を2.00[mm]、焦点距離を3.3[mm]とした。
【0018】
本発明は、上記の対物レンズ35において、DVDを再生する場合に最適となるように設定したレンズの第1面35A又は/及び第2面35Bの所定の場所に輪帯状凹部又は/及び凸部を設けることにより、CD再生時にも収差を抑制することが可能となるのである。
以下に本発明の好適な実施の形態を第1の実施例乃至第6の実施例として詳細に説明する。
本実施例において、第1の実施例乃至第4の実施例は第1面35Aのみに輪帯状凹部又は/及び凸部を設けた場合の1例を示したものである。また、第5の実施例は第2面35Bのみに輪帯状凹部を設けた場合の1例を示したものである。また、第6の実施例は第1面35Aと第2面35Bの両面に輪帯状凹部を設けた場合の1例を示したものである。
なお、本各実施例においては、DVDの記録再生条件として波長650[nm]、開口数NA=0.6、基板厚0.6[mm]とする。また、CD、CD−Rの記録条件として波長780[nm]、開口数NA=0.45、基板厚1.2[mm]とする。
【0019】
(第1の実施例)
第1の実施例においては、ベースとなるDVD用に設定された対物レンズ35にてCDを再生した場合に、まず、当該CDディスク記録面上からの対物レンズの位置を開口数NA=0.45の領域のRMS収差が最小となる位置に設定し、その状態において、RMS収差がさらに減少するように対物レンズの面形状を改善している。
【0020】
図3に本発明の第1の実施例の対物レンズを示す。
図3において対物レンズ35は、第1面35Aに光軸を中心とした内周半径r1、外周半径r2を有し、深さh1を有する第1の輪帯状凹部1と、内周半径r2、外周半径r3を有し、深さh2を有する第2の輪帯状凹部2と、内周半径r3、外周半径r4を有し、深さh3を有する第3の輪帯状凹部3を有する集光用凸レンズである。これら各輪帯状凹部は、その底部が第1面35Aから平行移動した表面、すなわち、第1面35Aと同一の曲率半径を有する屈折表面である。
なお、輪帯状凹部はエッチングなどで一様に形成でき、また、ガラスレンズ体表面に2Pなど薄膜転写などで凹部周囲を一様に形成できる。
【0021】
図4は、第1の実施例の対物レンズ35を光軸方向から見た図であり、本図においては、各領域の直径を示してある。すなわち、NA(DVD)はDVDの再生特性に影響を与える有効開口数(例えば、0.6)に対応する領域の直径、NA(CD)はCDの再生特性に影響を与える有効開口数(例えば、0.45)に対応する領域の直径、Aは輪帯状凹部のうち第1の輪帯状凹部1の内径に対応する直径、Bは輪帯状凹部のうち第2の輪帯状凹部2の内径に対応する直径、Cは輪帯状凹部のうち第3の輪帯状凹部3の内径に対応する直径、Dは輪帯状凹部のうち第3の輪帯状凹部3の外径に対応する直径である。
【0022】
ここで本実施例における対物レンズ35の記録媒体36の記録面上から位置は、CDを再生する場合に、対物レンズの外側(例えば、有効開口数0.45以上の領域)を通る光線が大きくデフォーカスするように設定されている。よって、外側を通る光線に関しては、CDの再生特性に与える影響は小さいため、CDの再生特性に影響を与える開口数NA(CD)の領域内の収差が小さくなるように、輪帯状凹部の数、位置及び深さを求めたのが本発明である。
【0023】
第1の実施例においては、対物レンズ35の各輪帯状凹部(1乃至3)の半径及び深さを(表3)に示すような値により設定した。
【0024】
【表3】
Figure 0003827860
【0025】
ここで、当該輪帯状凹部の深さhは、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されている。
すなわち、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差Lは、
【0026】
【数6】
Figure 0003827860
となる。
また、この時に光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているので、
【0027】
【数7】
Figure 0003827860
となる。
この式に、上述の値を代入すると、
【0028】
【数8】
Figure 0003827860
となる。
この値から輪帯状凹部の深さhが設定されている。
【0029】
図3(a)は、DVDを再生する場合の波長650[nm]の光路の状態を表した図であり、図3(b)は、CDを再生する場合の波長780[nm]の光路の状態を表した図である。なお、本図におけるCD時の光路の状態は従来技術と同条件である。
【0030】
図5(a)及び(b)は、第1の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここで、縦軸及び横軸は、従来技術のところで説明した図35の場合と同様である。
図5(a)は、第1の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図5(b)は、第1の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
この図から明らかなように、第1の実施例の対物レンズを適用した場合には、当該対物レンズの輪帯状凹部に相当する部分では、その収差の形状に変化が見受けられる。
【0031】
すなわち、図5(a)のDVDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部1に相当する部分はρ1からρ2内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凹部2に相当する部分はρ2からρ3内の領域であり、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凹部3に相当する部分はρ3からρ4内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためである。
また、図5(b)のCDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部1に相当する部分はρ1からρ2内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凹部2に相当する部分はρ2からρ3内の領域であり、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凹部3に相当する部分はρ3からρ4内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためであり、すなわち、DVD用の波長の略整数倍で設定された輪帯状凹部に対してCD用の波長で再生を行なうと、その波長の相違により収差が若干減少し、CD用の波長の略整数倍付近に収差が発生することになる。
このようにして、輪帯状凹部に相当する部分の収差がDVD用の波長の略整数倍となるように、輪帯状凹部の数、位置及び深さが設定されている。
【0032】
図6(a)及び(b)は、第1の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここでも縦軸及び横軸は従来技術のところで説明した図35の場合と同様である。
図6(a)は、第1の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図6(b)は、第1の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
すなわち、図5(a)及び(b)の収差において、その収差が波長の整数倍からどのくらいずれているかを表した図である。
【0033】
図6(a)から明らかなように、第1の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも若干収差が増えているが、再生特性に影響を及ぼす程ではない。また、図6(b)から明らかなように、第1の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも大幅に収差が減っていることがわかる。
これらから、輪帯状凹部を設けたことにより、DVDの収差特性にほとんど影響を及ぼさずにCDの収差特性を改善できることがわかる。
【0034】
図7(a)及び(b)は、第1の実施例の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(実線)と従来のDVD用の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。ここで、縦軸は光強度を表しており、収差が生じない状態のスポットの中心強度を1としており、横軸はスポット中心からの距離である。
図7(a)は、第1の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。また、図7(b)は、第1の実施例の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。
図7(a)から明らかなように、第1の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合には、そのスポット形状及びストレール比は従来の場合と略同一で、ほとんど変化が見受けられない。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けた影響はほとんどないことがわかる。
【0035】
また、図7(b)から明らかなように、第1の実施例の対物レンズでCDを再生した場合には、そのストレール比は従来の場合よりも大幅にアップし、かつサイドローブも抑えられていることが分かる。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けたことによりスポットの品位が改善されている。
なお、通常ピックアップの収差はRMS値でマーシャル限界以下に押さえる必要があるため、ストレール比に換算すると0.8以上を維持する必要がある。本実施例においては、CDを再生した場合においても開口数NA:0.45の領域ではそのストレール比が0.8以上を越えることが可能となった。
【0036】
以上のように、対物レンズに輪帯状凹部を図3のように設けることにより、DVDの再生特性にほとんど影響を及ぼさずに、CDの再生特性を大幅に改善することが可能となった。
なお、第1の実施例においては、対物レンズ35の輪帯状凹部を輪帯状凹部1,2,3の3つの輪帯状凹部を設けた例を示したが、その作成方法に関しては特に限定されることはない。
また、第1の実施例においては、輪帯状凹部を図3のように設けたが、これらの数、位置及び深さに限定されることはなく、要は、図6(a)に示したDVDの収差特性を考慮しながら、適宜に輪帯状凹部の数、位置及び深さを設定すれば良い。その際、深さに関しては、(数8)に示したh近傍の値にするのが良い。
また、輪帯状凹部の保護等のために、輪帯状凹部の表面にカバーを施したり、コーティングして埋める場合には、当該保護した物質の屈折率を考慮して、(数7)を適宜変更すれば、適切なhが求まることになる。
また、図8に示したように、輪帯状凸部20及び21を対物レンズ35に貼り付けることにより図3の形状と同じ形にしても良い。要は、図3のような形状になれば良い。その際、輪帯状凸部20及び21は対物レンズ35の材料と同じものを適用するのが良い。
【0037】
(第2の実施例)
図9に本発明の第2の実施例の対物レンズを示す。
第2の実施例においては、ベースとなるDVD用に設定された対物レンズ35にてCDを再生した場合に、まず、当該CDディスク記録面上からの対物レンズの位置を開口数NA=0.45の領域のRMS収差が最小となる位置から7[μm]大きくした位置に設定し、その状態において、RMS収差がさらに減少するように対物レンズの面形状を改善している。
第2の実施例の対物レンズもその構成及び基本特性等は第1の実施例に示した対物レンズと同様であるのでここでは説明を省略する。なお、異なる点は、輪帯状凹部の数、位置及び深さであり、以下に詳述する。
【0038】
図9における対物レンズ35は、各輪帯状凹部(4乃至8)の半径及び深さを(表4)に示すような値により設定した。
【0039】
【表4】
Figure 0003827860
【0040】
ここで、当該輪帯状凹部の深さhは、第1の実施例と同様に輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されている。
【0041】
図9(a)は、DVDを再生する場合の波長650[nm]の光路の状態を表した図であり、図9(b)は、CDを再生する場合の波長780[nm]の光路の状態を表した図である。なお、図9(b)の光路は第1の実施例の条件と同様である。
図10(a)及び(b)は、第2の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここで、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図10(a)は、第2の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図10(b)は、第2の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
この図から明らかなように、第2の実施例の対物レンズを適用した場合には、当該対物レンズの輪帯状凹部に相当する部分では、その形状に変化が見受けられる。
【0042】
すなわち、図10(a)のDVDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部4に相当する部分はρ5からρ6内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凹部5に相当する部分はρ6からρr7内の領域であり、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凹部6に相当する部分はρ7からρ8内の領域であり、その収差は略3波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第4の輪帯状凹部7に相当する部分はρ8からρ9内の領域であり、その収差は略4波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第5の輪帯状凹部8に相当する部分はρ9からρ10内の領域であり、その収差は略5波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためである。
また、図10(b)のCDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部4に相当する部分はρ5からρ6内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凹部5に相当する部分はρ6からρr7内の領域であり、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凹部6に相当する部分はρ7からρ8内の領域であり、その収差は略3波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第4の輪帯状凹部7に相当する部分はρ8からρ9内の領域であり、その収差は略4波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第5の輪帯状凹部8に相当する部分はρ9からρ10内の領域であり、その収差は略5波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためであり、すなわち、DVD用の波長の略整数倍で設定された輪帯状凹部に対してCD用の波長で再生を行なうと、その波長の相違により収差が若干減少し、CD用の波長の略整数倍付近に収差が発生することになる。
このようにして、輪帯状凹部に相当する部分の収差がDVD用の波長の略整数倍となるように、輪帯状凹部の数、位置及び深さが設定されている。
【0043】
図11(a)及び(b)は、第2の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここでも、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図11(a)は、第2の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図11(b)は、第2の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
すなわち、図10(a)及び(b)の収差において、その収差が波長の整数倍からどのくらいずれているかを表したものである。
図11(a)から明らかなように、第2の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも若干収差が増えているが、再生特性に影響を及ぼす程ではない。また、図11(b)から明らかなように、第2の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも大幅に収差が減っていることがわかる。
これらから、輪帯状凹部を設けたことにより、DVDの収差特性にはほとんど影響を及ぼさずにCDの収差特性を改善できることがわかる。
【0044】
図12(a)及び(b)は、第2の実施例の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(実線)と従来のDVD用の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。ここでも縦軸及び横軸は、第1の実施例の場合と同様である。
図12(a)は、第2の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。また、図12(b)は、第2の実施例の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。
図12(a)から明らかなように、第2の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合には、そのスポット形状及びストレール比は従来の場合と略同一で、ほとんど変化が見受けられない。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けた影響はほとんどないことがわかる。
また、図12(b)から明らかなように、第2の実施例の対物レンズでCDディスクを再生した場合には、そのストレール比は従来の場合よりも大幅にアップし、開口数NA:0.45の領域ではそのストレール比が0.8以上になっており、かつサイドロープも抑えられていることがわかる。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けたことによりスポットの品位が改善されている。
【0045】
以上のように、対物レンズに輪帯状凹部を図9のように設けることにより、DVDの再生特性にほとんど影響を及ぼさずに、CDの再生特性を大幅に改善することが可能となった。
なお、第2の実施例においては、輪帯状凹部を図9のように設けたが、第1の実施例と同様に、これらの数、位置及び深さに限定されることなく、図11(a)に示したDVDの収差特性を考慮に入れて、適宜に輪帯状凹部の数、位置及び深さを設定すれば良い。その際、深さに関しては、(数8)に示したh近傍の値に設定するのが良い。
また、輪帯状凹部の保護等のために、輪帯状凹部の表面にカバーを施したり、コーティングして埋める場合には、当該保護した物質の屈折率を考慮して、(数7)を適宜変更すれば、適切なhが求まることになる。
また、図13に示したように、輪帯状凸部22及び23を対物レンズ35に貼り付けることにより図9の形状と同じ形にしても良い。要は、図9のような形状になれば良い。その際、輪帯状凸部22及び23は対物レンズ35の材料と同じものを適用するのが良い。
【0046】
(第3の実施例)
図14に本発明の第3の実施例の対物レンズを示す。
第3の実施例においては、ベースとなるDVD用に設定された対物レンズ35にてCDを再生した場合に、まず、当該CDディスク記録面上からの対物レンズの位置を開口数NA=0.45の領域のRMS収差が最小となる位置から1.5[μm]小さくした位置に設定し、その状態において、RMS収差がさらに減少するように対物レンズの面形状を改善している。
第3の実施例の対物レンズもその構成及び基本特性等は第1の実施例に示した対物レンズと同様であるのでここでは説明を省略する。なお、異なる点は、輪帯状凹部及び凸部の数、位置及び深さ又は高さであり、以下に詳述する。
【0047】
第3の実施例の対物レンズもその構成及び基本特性等は第1実施例に示した対物レンズと同様であるのでここでは説明を省略する。なお、異なる点は、輪帯状凹部及び凸部の数、位置及び深さ又は高さであり、以下に詳述する。
【0048】
図14における対物レンズ35は、各輪帯状凹部及び凸部(9、10)の半径、深さ及び高さは(表5)に示すような値により設定されている。
【0049】
【表5】
Figure 0003827860
【0050】
ここで、当該輪帯状凹部及び凸部の深さ及び高さhは、第1の実施例と同様に輪帯状凹部又は凸部のない部分と輪帯状凹部又は凸部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されている。
【0051】
図14(a)は、DVDを再生する場合の波長650[nm]の光路の状態を表した図であり、図14(b)は、CDを再生する場合の波長780[nm]の光路の状態を表した図である。なお、図14(b)の光路は第1の実施例の条件と同様である。
図15(a)及び(b)は、第3の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここで、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図15(a)は、第3の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部及び凸部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図15(b)は、第3の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部及び凸部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
この図から明らかなように、第3の実施例の対物レンズを適用した場合には、当該対物レンズの輪帯状凹部及び凸部に相当する部分では、その形状に変化が見受けられる。
【0052】
すなわち、図15(a)のDVDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部9に相当する部分はρ11からρ12内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凸部10に相当する部分はρ13からρ14内の領域であり、その収差は略−1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部及び凸部の深さ又は高さが、輪帯状凹部又は凸部がない部分と輪帯状凹部又は凸部の部分との光路長差が波長の略整数倍になるように設定されているためである。
また、図15(b)のCDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部9に相当する部分はρ11からρ12内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凸部10に相当する部分はρ13からρ14内の領域であり、その収差は略−1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部及び凸部の深さ又は高さが、輪帯状凹部又は凸部がない部分と輪帯状凹部又は凸部の部分との光路長差が波長の略整数倍になるように設定されているためであり、すなわち、DVD用の波長の略整数倍で設定された輪帯状凹部に対してCD用の波長で再生を行なうと、その波長の相違により収差が若干減少し、CD用の波長の略整数倍付近に収差が発生することになる。
このようにして、輪帯状凹部及び凸部に相当する部分の収差がDVD用の波長の略整数倍となるように、輪帯状凹部及び凸部の数、位置及び深さ又は高さが設定されている。
【0053】
図16(a)及び(b)は、第3の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここでも、縦軸及び横軸は第1実施例の場合と同様である。
図16(a)は、第3の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部及び凸部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に発生する収差(破線)を表したものである。また、図16(b)は、第3の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に発生する収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部及び凸部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
すなわち、図16(a)及び(b)の収差において、その収差がDVD用の波長の整数倍からどのくらいずれているかを表したものである。
図16(a)から明らかなように、第3の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差よりも若干収差が増えているが、再生特性に影響を及ぼす程ではない。また、第3の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(破線)は、従来の収差よりも大幅に収差が減っていることがわかる。
これらから、輪帯状凹部及び凸部を設けたことにより、DVDの収差特性にほとんど影響を及ぼさずにCDの収差特性を改善できることがわかる。
【0054】
図17(a)及び(b)は、第3の実施例の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(実線)と従来のDVD用の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。ここでも、縦軸及び横軸は、第1の実施例の場合と同様である。
図17(a)は、第3の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部及び凸部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。また、図17(b)は、第3の実施例の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部及び凸部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。
図17(a)から明らかなように、第3の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合には、そのスポット形状及びストレール比は従来の場合と略同一で、ほとんど変化が見受けられない。よって、対物レンズに輪帯状凹部及び凸部を設けた影響はほとんどないことがわかる。
また、図17(b)から明らかなように、第3の実施例の対物レンズでCDを再生した場合には、そのストレール比は従来の場合よりも大幅にアップし、開口数NA:0.45の領域ではそのストレール比が0.8以上になっており、かつサイドローブも抑えられていることがわかる。よって、対物レンズに輪帯状凹部及び凸部を設けたことによりスポットの品位が改善されている。
【0055】
以上のように、対物レンズに輪帯状凹部及び凸部を図14のように設けることにより、DVDの再生特性にほとんど影響を及ぼさずに、CDの再生特性を大幅に改善することが可能となった。
なお、第3の実施例においては、輪帯状凹部及び凸部を図14のように設けたが、第1の実施例と同様に、これらの数、位置及び深さ又は高さに限定されることなく、図16(a)に示したDVDの収差特性を考慮に入れて、適宜に輪帯状凹部及び凸部の数、位置及び深さ又は高さを設定すれば良い。その際、深さ又は高さに関しては、(数8)に示したh近傍の値にするのが良い。
また、輪帯状凹部の保護等のために、輪帯状凹部の表面にカバーを施したり、コーティングして埋める場合には、当該保護した物質の屈折率を考慮して、(数7)を適宜変更すれば、適切なhが求まることになる。
また、図18に示したように、輪帯状凸部24及び25を対物レンズ35に貼り付けることにより図14の形状と同じ形にしても良い。要は、図14のような形状になれば良い。その際、輪帯状凸部24及び25は対物レンズ35の材料と同じものを適用するのが良い。
【0056】
(第4の実施例)
図19に本発明の第4の実施例の対物レンズを示す。
第4の実施例においては、ベースとなるDVD用に設定された対物レンズ35にてCDを再生した場合に、まず、当該CDディスク記録面上からの対物レンズの位置を開口数NA=0.45の領域のRMS収差が最小となる位置から6[μm]小さくした位置に設定し、その状態において、RMS収差がさらに減少するように対物レンズの面形状を改善している。
第4の実施例の対物レンズもその構成及び基本特性等は第1の実施例に示した対物レンズと同様であるのでここでは説明を省略する。なお、異なる点は、輪帯状凸部の数、位置、高さであり、以下に詳述する。
【0057】
図19における対物レンズは各輪帯状凸部(11乃至15)の半径及び高さを(表6)に示すような値により設定した。
【0058】
【表6】
Figure 0003827860
【0059】
ここで、当該輪帯状凸部の高さhは、第1の実施例と同様に輪帯状凸部がない部分と輪帯状凸部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されている。
【0060】
図19(a)は、DVDを再生する場合の波長650[nm]の光路の状態を表した図であり、図19(b)は、CDを再生する場合の波長780[nm]の光路の状態を表した図である。なお、図19(b)の光路は第1の実施例の条件と同様である。
図20(a)及び(b)は、第4の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここで、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図20(a)は、第4の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凸部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図20(b)は、第4の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凸部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
この図から明らかなように、第4の実施例の対物レンズを適用した場合には、当該対物レンズの輪帯状凸部に相当する部分では、その形状に変化が見受けられる。
【0061】
すなわち、図20(a)のDVDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凸部11に相当する部分はρ15からρ16内の領域であり、その収差は略−1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凸部12に相当する部分はρ16からρ17内の領域ではあり、その収差は略−2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凸部13に相当する部分はρ17からρ18内の領域であり、その収差は略−3波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第4の輪帯状凹部14に相当する部分はρ18からρ19内の領域であり、その収差は略−4波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第5の輪帯状凸部15に相当する部分はρ19からρ20内の領域であり、その収差は略−5波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凸部の高さが、輪帯状凸部がない部分と輪帯状凸部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためである。
また、図20(b)のCDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凸部11に相当する部分はρ15からρ16内の領域であり、その収差は略−1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凸部12に相当する部分はρ16からρ17内の領域ではあり、その収差は略−2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凸部13に相当する部分はρ17からρ18内の領域であり、その収差は略−3波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第4の輪帯状凹部14に相当する部分はρ18からρ19内の領域であり、その収差は略−4波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第5の輪帯状凸部15に相当する部分はρ19からρ20内の領域であり、その収差は略−5波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凸部の高さが、輪帯状凸部がない部分と輪帯状凸部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためであり、すなわち、DVD用の波長の略整数倍で設定された輪帯状凹部に対してCD用の波長で再生を行なうと、その波長の相違により収差が若干減少し、CD用の波長の略整数倍付近に収差が発生することになる。
このようにして、輪帯状凸部に相当する部分の収差がDVD用の波長の略整数倍となるように、輪帯状凸部の数、位置及び高さが設定されている。
【0062】
図21(a)及び(b)は、第4の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここでも、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図21(a)は、第4の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凸部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図21(b)は、第4の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凸部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
すなわち、図20(a)及び(b)の収差において、その収差が波長の整数倍からどのくらいずれているかを示した図である。
図21(a)から明らかなように、第4の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差よりも若干収差が増えているが、再生特性に影響を及ぼす程ではない。また、図21(b)から明らかなように、第4の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも大幅に収差が減っていることがわかる。
これらから、輪帯状凸部を設けたことにより、DVDの収差特性にほとんど影響を及ぼさずにCDの収差特性を改善できることがわかる。
【0063】
図22(a)及び(b)は、第4の実施例の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(実線)と従来のDVD用の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。ここでも縦軸及び横軸は、第1の実施例の場合と同様である。
図22(a)は、第4の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凸部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。また、図22(b)は、第4の実施例の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凸部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。
図22(a)から明らかなように、第4の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合には、そのスポット形状及びストレール比は従来の場合と略同一で、ほとんど変化が見受けられない。よって、対物レンズに輪帯状凸部を設けた影響はほとんどないことがわかる。
また、図22(b)から明らかなように、第4の実施例の対物レンズでCDを再生した場合には、そのストレール比は従来の場合よりも大幅にアップし、開口数NA:0.45の領域ではそのストレール比が0.8以上になっており、さらにサイドローブも抑えられていることがわかる。よって、対物レンズに輪帯状凸部を設けたことによりスポットの品位が改善されている。
【0064】
以上のように、対物レンズに輪帯状凸部を図19のように設けることにより、DVDの再生特性にほとんど影響を及ぼさずに、CDの再生特性を大幅に改善することが可能となった。
なお、第4の実施例においては、輪帯状凸部を図19のように設けたが、第1の実施例と同様に、これらの数、位置及び高さに限定されることなく、図21(a)に示したDVDの収差特性を考慮に入れて、適宜に輪帯状凸部の数、位置及び高さを設定すれば良い。その際、高さに関しては、(数8)に示したh近傍の値に設定するのが良い。
また、図23に示したように、輪帯状凸部26を対物レンズ35に貼り付けることにより図19の形状と同じ形にしても良い。要は、図19のような形状とすれば良い。その際、輪帯状凸部26は対物レンズ35の材料と同じものを適用するのが良い。
【0065】
以上に示したように、第1の実施例乃至第4の実施例においては、対物レンズ35の第1面35Aに輪帯状凹部又は/及び凸部を設けた場合の1例を示したものであり、当該輪帯状凹部又は/及び凸部を設けることにより1つの対物レンズにより異なる厚さの記録媒体を再生することが可能となり、特に、DVDとCDのコンパチブルプレーヤにおいては、DVDの再生特性をほとんど犠牲にすることなく、CD再生時の収差を抑制でき、ピックアップの構成が簡略化され、かつ小型化にも適している。
【0066】
次に、対物レンズ35の第2面35Bに輪帯状凹部を設けた場合の1例を第5の実施例として以下に詳述する。
(第5の実施例)
図24に本発明の第5の実施例の対物レンズを示す。
第5の実施例においては、ベースとなるDVD用に設定された対物レンズ35にてCDを再生した場合に、まず、当該CDディスク記録面上からの対物レンズの位置を開口数NA=0.45の領域のRMS収差が最小となる位置に設定し、その状態において、RMS収差がさらに減少するように対物レンズの面形状を改善している。
第5の実施例の対物レンズもその構成及び基本特性等は第1の実施例に示した対物レンズと同様であるのでここでは説明を省略する。なお、異なる点は、輪帯状凸部の数、位置及び深さであり、以下に詳述する。
【0067】
図24における各輪帯状凹部(16乃至18)の半径及び深さを(表7)に示すような値により設定した。
【0068】
【表7】
Figure 0003827860
【0069】
ここで、当該輪帯状凹部の深さhは、第1の実施例と同様に輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているが、第2面35Bに設けるの場合には、対物レンズ35中を通過し各輪帯状凹部に入射する光ビームは、各輪帯状凹部の深さ方向に対して斜めに通過するためその深さhは第1の実施例よりも若干浅く設定されている。
【0070】
図24(a)は、DVDを再生する場合の波長650[nm]の光路の状態を表した図であり、図24(b)は、CDを再生する場合の波長780[nm]の光路の状態を表した図である。なお、図24(b)の光路は第1の実施例の条件と同様である。
図25(a)及び(b)は、第5の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここで、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図25(a)は、第5の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図25(b)は、第5の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
この図から明らかなように、第5の実施例の対物レンズを適用した場合には、当該対物レンズの輪帯状凹部に相当する部分では、その形状に変化が見受けられる。
【0071】
すなわち、図25(a)のDVDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部16に相当する部分はρ21からρ22内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凹部17に相当する部分はρ22からρ23内の領域であり、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凹部18に相当する部分はρ23からρ24内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためである。
また、図25(b)のCDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部16に相当する部分はρ21からρ22内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第2の輪帯状凹部17に相当する部分はρ22からρ23内の領域であり、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第3の輪帯状凹部18に相当する部分はρ23からρ24内の領域であり、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためであり、すなわち、DVD用の波長の略整数倍で設定された輪帯状凹部に対してCD用の波長で再生を行なうと、その波長の相違により収差が若干減少し、CD用の波長の略整数倍付近に収差が発生することになる。
このようにして、輪帯状凹部に相当する部分の収差がDVD用の波長の略整数倍となるように、輪帯状凹部の数、位置及び深さが設定されている。
【0072】
図26(a)及び(b)は、第5の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここでも、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図26(a)は、第5の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図26(b)は、第5の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
すなわち、図25(a)及び(b)の収差において、その収差が波長の整数倍からどのくらいずれているかを表したものである。
図26(a)から明らかなように、第5の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも若干収差が増えているが、再生特性に影響を及ぼす程ではない。また、図26(b)から明らかなように、第5の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも大幅に収差が減っていることがわかる。
これらから、輪帯状凹部を設けたことにより、DVDの収差特性にはほとんど影響を及ぼさずにCDの収差特性を改善できることがわかる。
【0073】
図27(a)及び(b)は、第5の実施例の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(実線)と従来のDVD用の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。ここでも縦軸及び横軸は、第1の実施例の場合と同様である。
図27(a)は、第5の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。また、図27(b)は、第5の実施例の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。
図27(a)から明らかなように、第5の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合には、そのスポット形状及びストレール比は従来の場合と略同一で、ほとんど変化が見受けられない。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けた影響はほとんどないことがわかる。
また、図27(b)から明らかなように、第5の実施例の対物レンズでCDディスクを再生した場合には、そのストレール比は従来の場合よりも大幅にアップし、開口数NA:0.45の領域ではそのストレール比が0.8以上になっており、かつサイドロープも抑えられていることがわかる。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けたことによりスポットの品位が改善されている。
【0074】
以上のように、第5の実施例では対物レンズ35の第2面35Bのみに輪帯状凹部を設けているが、その場合においても、第1実施例乃至第4実施例にて説明した対物レンズ35の第1面35Aに設けた場合と同様の作用効果が得られる。
よって、対物レンズに輪帯状凹部を図24のように設けることにより、DVDの再生特性にほとんど影響を及ぼさずに、CDの再生特性を大幅に改善することが可能となった。
なお、第5の実施例においては、輪帯状凹部を図24のように設けたが、第1の実施例と同様に、これらの数、位置及び深さに限定されることなく、図26(a)に示したDVDの収差特性を考慮に入れて、適宜に輪帯状凹部の数、位置及び深さを設定すれば良い。その際、深さに関しては、(数8)に示したh近傍の値に設定するのが良い。
また、輪帯状凹部の保護等のために、輪帯状凹部の表面にカバーを施したり、コーティングして埋める場合には、当該保護した物質の屈折率を考慮して、(数7)を適宜変更すれば、適切なhが求まることになる。
また、図28に示したように、輪帯状凸部27及び28を対物レンズ35に貼り付けることにより図24の形状と同じ形にしても良い。要は、図24のような形状になれば良い。その際、輪帯状凸部27及び28は対物レンズ35の材料と同じものを適用するのが良い。
【0075】
以上に示したように、第5の実施例においては、対物レンズ35の第2面のみに輪帯状凹部を設けた場合の1例を示したものであり、当該輪帯状凹部を設けることにより1つの対物レンズにより異なる厚さの記録媒体を再生することが可能となり、特に、DVDとCDのコンパチブルプレーヤにおいては、DVDの再生特性を犠牲にすることなく、CD再生時の収差を抑制でき、ピックアップの構成が簡略化され、かつ小型化にも適している。
なお、第2の実施例乃至第4の実施例にて説明したように、CDディスク記録面上からの対物レンズの位置を開口数NA=0.45の領域のRMS収差が最小となる位置からずらした場合の対物レンズの輪帯状凹部又は/及び凸部の形状を、第2面35Bに設けても同様の作用効果を得られる。
【0076】
次に、対物レンズ35の第1面35A及び第2面35Bの両面に輪帯状凹部を設けた場合の1例を第6の実施例として以下に詳述する。
(第6の実施例)
図29に本発明の第6の実施例の対物レンズを示す。
第6の実施例においては、ベースとなるDVD用に設定された対物レンズ35にてCDを再生した場合に、まず、当該CDディスク記録面上からの対物レンズの位置を開口数NA=0.45の領域のRMS収差が最小となる位置に設定し、その状態において、RMS収差がさらに減少するように対物レンズの面形状を改善している。
第6の実施例の対物レンズもその構成及び基本特性等は第1の実施例に示した対物レンズと同様であるのでここでは説明を省略する。なお、異なる点は、輪帯状凸部の数、位置及び深さであり、以下に詳述する。
【0077】
図29における対物レンズ35は各輪帯状凹部(19、20)の半径及び深さを(表8)に示すような値により設定した。
【0078】
【表8】
Figure 0003827860
【0079】
ここで、当該輪帯状凹部の深さhは、第1の実施例と同様に輪帯状凹部がない部分と輪帯状凹部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているが、第2面35Bに設ける場合には、第5の実施例にて説明したように、その深さhは第1面35Aに同様の凹部を設けた時の深さよりも若干浅く設定されている。
【0080】
図29(a)は、DVDを再生する場合の波長650[nm]の光路の状態を表した図であり、図29(b)は、CDを再生する場合の波長780[nm]の光路の状態を表した図である。なお、図29(b)の光路は第1の実施例の条件と同様である。
図30(a)及び(b)は、第6の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここで、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図30(a)は、第6の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図30(b)は、第6の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
この図から明らかなように、第6の実施例の対物レンズを適用した場合には、当該対物レンズの輪帯状凹部に相当する部分では、その形状に変化が見受けられる。
【0081】
すなわち、図30(a)のDVDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部19を光ビームが通過する場合にはρ26からρ28内の領域に収差の変化が生じ、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第1の輪帯状凹部19及び第2の輪帯状凹部20の両輪帯状凹部を光ビームが通過する場合にはρ25からr27内に収差の変化が生じ、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凸部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためである。
また、図30(b)のCDを再生した場合に生じる収差の場合は、第1の輪帯状凹部19を光ビームが通過する場合にはρ26からρ28内の領域に収差の変化が生じ、その収差は略1波長分ずれた位置に発生していることがわかる。また、第1の輪帯状凹部19及び第2の輪帯状凹部20の両輪帯状凹部を光ビームが通過する場合にはρ25からr27内に収差の変化が生じ、その収差は略2波長分ずれた位置に発生していることがわかる。
これは、上述したように各輪帯状凹部の深さが、輪帯状凹部がない部分と輪帯状凸部の部分との光路長差がDVD用の波長の略整数倍になるように設定されているためであり、すなわち、DVD用の波長の略整数倍で設定された輪帯状凹部に対してCD用の波長で再生を行なうと、その波長の相違により収差が若干減少し、CD用の波長の略整数倍付近に収差が発生することになる。
このようにして、輪帯状凹部に相当する部分の収差がDVD用の波長の略整数倍となるように、輪帯状凹部の数、位置及び深さが設定されている。
【0082】
図31(a)及び(b)は、第6の実施例の対物レンズを適用した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と従来のDVD用の対物レンズで生じる収差(破線)を表したものである。ここでも、縦軸及び横軸は第1の実施例の場合と同様である。
図31(a)は、第6の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。また、図31(b)は、第6の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差(破線)を表したものである。
すなわち、図30(a)及び(b)の収差において、その収差が波長の整数倍からどのくらいずれているかを表したものである。
図31(a)から明らかなように、第6の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも若干収差が増えているが、再生特性に影響を及ぼす程ではない。また、図31(b)から明らかなように、第6の実施例の対物レンズでCDを再生した場合に生じる収差から位相飛びを差し引いた収差(実線)は、従来の収差(破線)よりも大幅に収差が減っていることがわかる。
これらから、輪帯状凹部を設けたことにより、DVDの収差特性にはほとんど影響を及ぼさずにCDの収差特性を改善できることがわかる。
【0083】
図32(a)及び(b)は、第6の実施例の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(実線)と従来のDVD用の対物レンズを適用した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。ここでも縦軸及び横軸は、第1の実施例の場合と同様である。
図32(a)は、第6の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでDVDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。また、図32(b)は、第6の実施例の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(実線)と輪帯状凹部がない従来のDVD用の対物レンズでCDを再生した場合のディスク上のスポット形状(破線)を表したものである。
図32(a)から明らかなように、第6の実施例の対物レンズでDVDを再生した場合には、そのスポット形状及びストレール比は従来の場合と略同一で、ほとんど変化が見受けられない。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けた影響はほとんどないことがわかる。
また、図32(b)から明らかなように、第6の実施例の対物レンズでCDディスクを再生した場合には、そのストレール比は従来の場合よりも大幅にアップし、開口数NA:0.45の領域ではそのでストレール比が0.8以上になっており、かつサイドロープも抑えられていることがわかる。よって、対物レンズに輪帯状凹部を設けたことによりスポットの品位が改善されている。
【0084】
以上のように、第6の実施例では対物レンズ35の第1面35A及び第2面35Bの両面に輪帯状凹部を設けているが、その場合においても、第1実施例乃至第4実施例にて説明した対物レンズ35の第1面35Aに設けた場合と同様の作用効果が得られる。
よって、対物レンズに輪帯状凹部を図29のように設けることにより、DVDの再生特性にほとんど影響を及ぼさずに、CDの再生特性を大幅に改善することが可能となった。
なお、第6の実施例においては、輪帯状凹部を図29のように設けたが、第1の実施例と同様に、これらの数、位置及び深さに限定されることなく、図31(a)に示したDVDの収差特性を考慮に入れて、適宜に輪帯状凹部の数、位置及び深さを設定すれば良い。その際、深さに関しては、(数8)に示したh近傍の値に設定するのが良い。
また、輪帯状凹部の保護等のために、輪帯状凹部の表面にカバーを施したり、コーティングして埋める場合には、当該保護した物質の屈折率を考慮して、(数7)を適宜変更すれば、適切なhが求まることになる。
また、図33に示したように、輪帯状凸部29,40乃至42を対物レンズ35に貼り付けることにより図29の形状と同じ形にしても良い。要は、図29のような形状になれば良い。その際、輪帯状凸部29,40乃至42は対物レンズ35の材料と同じものを適用するのが良い。
【0085】
以上に示したように、第6の実施例においては、対物レンズ35の第1面35A及び第2面35Bに輪帯状凹部を設けた場合の1例を示したものであり、当該輪帯状凹部を設けることにより1つの対物レンズにより異なる厚さの記録媒体を再生することが可能となり、特に、DVDとCDのコンパチブルプレーヤにおいては、DVDの再生特性を犠牲にすることなく、CD再生時の収差を抑制でき、ピックアップの構成が簡略化され、かつ小型化にも適している。
なお、第2の実施例乃至第4の実施例にて説明した輪帯状凹部又は/及び凸部の形状を適宜第1面35Aと第2面35Bの両面に分けて設けても同様の作用効果を得られる。
【0086】
以上のように、第1の実施例乃至第6の実施例においては、光源からの光ビームが入射又は射出する対物レンズの表面に複数の輪帯状凹部又は/及び凸部を設けたので、1つの対物レンズにより異なる厚さの記録媒体を再生することが可能となり、特に、DVDとCDのコンパチブルプレーヤにおいては、DVDの再生特性を犠牲にすることなく、CD再生時の収差を抑制でき、ピックアップの構成が簡略化され、かつ小型化にも適している。
なお、本実施例においては、異なる厚さの2つの記録媒体を2波長の光源を用いて再生する場合について述べたが、同じ厚さの記録媒体を2波長の光源を用いて再生する場合に色収差が発生する場合には、本発明の対物レンズを適用することにより当該色収差を補正することも可能である。
【0087】
また、本実施例においては、輪帯状凹部又は/及び凸部の数、位置及び深さ又は高さを、DVDの収差特性に影響を考慮して、適宜に設定すれば良いとしたが、CDの収差特性を優先させても構わない。すなわち、優先させたい記録媒体の収差特性を考慮して適宜設定すれば良い。
【0088】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、光源からの光ビームが入射又は射出する対物レンズの表面に複数の輪帯状凹部又は/及び凸部を設けたので、1つの対物レンズにより異なる厚さの記録媒体を再生することが可能となり、ピックアップの構成が簡略化され、かつ小型化にも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による光学系の全体図である。
【図2】本発明の対物レンズを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例の対物レンズを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例の対物レンズを光軸方向から見た図である。
【図5】 本発明の第1の実施例の収差特性を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例の収差特性から位相飛びを差し引いた収差を示す図である。
【図7】 本発明の第1の実施例のスポット形状を示す図である。
【図8】 本発明の第1の実施例の対物レンズの変形例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例の対物レンズを示す図である。
【図10】 本発明の第2の実施例の収差特性を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例の収差特性から位相飛びを差し引いた収差を示す図である。
【図12】 本発明の第2の実施例のスポット形状を示す図である。
【図13】 本発明の第2の実施例の対物レンズの変形例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施例の対物レンズを示す図である。
【図15】 本発明の第3の実施例の収差特性を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施例の収差特性から位相飛びを差し引いた収差を示す図である。
【図17】 本発明の第3の実施例のスポット形状を示す図である。
【図18】 本発明の第3の実施例の対物レンズの変形例を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施例の対物レンズを示す図である。
【図20】 本発明の第4の実施例の収差特性を示す図である。
【図21】本発明の第4の実施例の収差特性から位相飛びを差し引いた収差を示す図である。
【図22】 本発明の第4の実施例のスポット形状を示す図である。
【図23】 本発明の第4の実施例の対物レンズの変形例を示す図である。
【図24】本発明の第5の実施例の対物レンズを示す図である。
【図25】 本発明の第5の実施例の収差特性を示す図である。
【図26】本発明の第5の実施例の収差特性から位相飛びを差し引いた収差を示す図である。
【図27】 本発明の第5の実施例のスポット形状を示す図である。
【図28】 本発明の第5の実施例の対物レンズの変形例をを示す図である。
【図29】本発明の第6の実施例の対物レンズを示す図である。
【図30】 本発明の第6の実施例の収差特性を示す図である。
【図31】本発明の第6の実施例の収差特性から位相飛びを差し引いた収差を示す図である。
【図32】 本発明の第6の実施例のスポット形状を示す図である。
【図33】 本発明の第6の実施例の対物レンズの変形例をを示す図である。
【図34】 従来の対物レンズを示す図である。
【図35】 従来の収差特性を示す図である。
【主要部分の符号の説明】
1,2,3,4,5,6,7,8,9,
16,17,18,19,20・・・・輪帯状凹部
10,11,12,13,14,15・・・・輪帯状凸部
35A・・・・屈折表面(第1面)
35B・・・・屈折表面(第2面)
r1からr28・・・・対物レンズの光軸からの半径距離
h1からh20・・・・輪帯状凹部又は凸部の深さ又は高さ
30・・・・第1の半導体レーザ
31・・・・第2の半導体レーザ
32・・・・ダイクロイックミラー
33・・・・ハーフミラー
34・・・・コリメータレンズ
35・・・・対物レンズ
36・・・・光ディスク
37・・・・マルチレンズ
38・・・・フォトディテクタ

Claims (4)

  1. 光記録媒体の表面から情報記録面までの距離が第1の距離を有する第1の光記録媒体を読み取るための第1の波長を有する第1の光ビーム、および前記距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離を有する第2の光記録媒体を読み取るための前記第1の波長とは波長が異なる第2の波長を有する第2の光ビームを集光させ、前記第1の光ビームを最適に集光させる曲率半径を有する対物レンズであって、
    前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームが入射する面および射出する面のうち少なくとも一方に、輪帯状凹部および輪帯状凸部のうち少なくとも一方を、一の前記面内において複数段差を設けて同心円状に備え、
    前記輪帯状凹部表面および前記輪帯状凸部表面は、前記光ビームが入射する面又は前記射出する面が光軸に沿って平行移動した際における面と同一の前記曲率半径を有し、
    前記輪帯状凹部の深さおよび前記輪帯状凸部の高さは、前記一の面を通過した前記光ビームと前記表面を通過した前記光ビームとの光路長差が前記第1の波長の略整数倍となるように設定されることを特徴とする対物レンズ。
  2. 光記録媒体の表面から情報記録面までの距離が第1の距離を有する第1の光記録媒体を読み取るための第1の波長を有する第1の光ビームを出射する第1の光源と、
    前記距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離を有する第2の光記録媒体を読み取るための前記第1の波長とは波長が異なる第2の波長を有する第2の光ビームを出射する第2の光源と、
    前記第1の光記録媒体を読み取るために所定の有効開口数及び焦点位置に基づいて設定された対物レンズと、
    を備える光ピックアップ装置において、
    前記対物レンズは、
    前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームが入射する面および射出する面のうち少なくとも一方に、輪帯状凹部および輪帯状凸部のうち少なくとも一方を、一の前記面内において複数段差を設けて同心円状に備え、
    前記輪帯状凹部表面および前記輪帯状凸部表面は、前記光ビームが入射する面又は前記射出する面が光軸に沿って平行移動した際における面と同一の前記曲率半径を有し、
    前記輪帯状凹部の深さおよび前記輪帯状凸部の高さは、前記一の面を通過した前記光ビームと前記表面を通過した前記光ビームとの光路長差が前記第1の波長の略整数倍となるように設定されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 前記光源からの前記光ビームが入射する面に設けられた前記輪帯状凹部又は/及び前記輪帯状凸部は、前記第2の光ビームが前記対物レンズに入射した際に、前記第2の光記録媒体を読み取るための所定の有効開口数に対応する領域の直径内に形成されていることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光源からの前記光ビームが射出する面に設けられた前記輪帯状凹部又は/及び前記輪帯状凸部は、前記第2の光ビームが前記対物レンズに入射した際に、前記第2の光記録媒体を読み取るための所定の有効開口数に対応する領域の直径内を通過した光ビームが前記対物レンズから射出する領域の直径内に形成されていることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
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