JP2000260049A - 光ディスク装置の光学系 - Google Patents

光ディスク装置の光学系

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JP2000260049A
JP2000260049A JP11060809A JP6080999A JP2000260049A JP 2000260049 A JP2000260049 A JP 2000260049A JP 11060809 A JP11060809 A JP 11060809A JP 6080999 A JP6080999 A JP 6080999A JP 2000260049 A JP2000260049 A JP 2000260049A
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objective lens
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lens
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Koichi Maruyama
晃一 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録密度の異なる2種類の光ディスクに対
し、必要なサイズのスポットを絞り手段を用いずに得る
ことができる光ディスク装置の光学系を提供すること。 【解決手段】 光学系は、光源部10、ビーム整形・分
離プリズム20、対物レンズ30、そして信号検出系4
0から構成されている。光源部10は、DVDの記録・
再生時に波長の短い第1のレーザー光を発光する第1の
半導体レーザー11と、CDの再生時に波長の長い第2
のレーザー光を発する第2の半導体レーザー12とを備
えている。対物レンズ30は、光源部10からのレーザ
ー光を光ディスクDVD,CDの記録面上に集光させ
る。対物レンズ30の第1面の周辺部には、第1のレー
ザー光に対する透過率が高く、第2のレーザー光に対す
る透過率が低くなるよう波長に依存して透過率が変化す
る輪帯状の透過率調整用回折構造32が形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録密度が異な
る2種類の光ディスクに対して利用可能な光ディスク装
置用の光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスクの記録密度と記録面
上に形成されるスポットの径との間には密接な関係があ
る。すなわち、スポット径は、記録面上のトラック幅を
過不足なくカバーするサイズであることが要求される。
記録密度が高い場合には、トラック幅は狭くなるため、
スポット径を小さくする必要がある。他方、記録密度が
低い場合には、トラック幅が広くなるため、スポット径
を大きくする必要がある。トラック幅に対してスポット
径が大きすぎると、隣接するトラックの情報が混入する
可能性があり、逆にトラック幅に対してスポット径が小
さすぎると、特にCD(コンパクトディスク)のように光
の回折を利用して信号を再生する方式では、十分な回折
効果が得られずに信号を読み落とす可能性がある。
【0003】スポット径は、波長が短いほど、かつ、N
Aが大きいほど小さくなるため、記録密度が高いDVD
(デジタルビデオディスク)用の光学系では比較的短波
長、高NAであること、記録密度の低いCD用の光学系
では比較的長波長、低NAであることが要求される。
【0004】CD,DVD両用の従来の光ディスク装置
は、各ディスク用に上記の条件を満たす専用の光学系を
独立して設けたもの、あるいは、発振波長の異なる2つ
のレーザー光源を有し、対物レンズ等の光学系の一部を
共通化し、使用ディスクに応じてNAを切り替えるため
の絞り手段を設けたもの等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、専用の
光学系を設けた場合には装置全体のサイズが大きくな
り、かつ、コストも高くなる。他方、光学系の一部を共
用する場合には、絞り手段をトラッキング制御のために
駆動される可動部に設けると、可動部の重量増によるト
ラッキング速度の低下を招き、可動部以外に設けると、
特に光を絞ったときに、トラッキング時の対物レンズの
移動により対物レンズに入射する光量が変化し、信号強
度が変化するという問題がある。
【0006】すなわち、一般に光ディスク装置の光源部
は、通常対物レンズの瞳径より大きなビーム径でレーザ
ー光を対物レンズに入射させるため、このビーム径内で
対物レンズがトラッキングのために移動したとしても、
入射光量の変化は大きくない。これに対し、上記のよう
に対物レンズに入射するレーザー光を絞った場合には、
トラッキングのために対物レンズが移動して対物レンズ
の瞳の一部がビーム径から外れると、対物レンズに対す
る入射光量が変化することとなる。
【0007】この発明は、上述した従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、記録密度の異なる2種類の
光ディスクに対し、必要なサイズのスポットを絞り手段
を用いずに得ることができる光ディスク装置の光学系の
提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる光ディ
スク装置の光学系は、波長の比較的短い第1のレーザー
光と波長の比較的長い第2のレーザー光とを選択的に発
する光源部と、光源部からのレーザー光を光ディスクの
記録面上に集光させる対物レンズとを備え、記録密度の
異なる少なくとも2種類の光ディスクに対して記録ある
いは再生が可能な構成において、対物レンズの一つのレ
ンズ面上の周辺部に、第1のレーザー光に対する透過率
が高く、第2のレーザー光に対する透過率が低くなるよ
う波長に依存して透過率が変化する輪帯状の透過率調整
用回折構造を形成したことを特徴とする。透過率調整用
回折構造は、対物レンズ半径方向の断面において光軸に
ほぼ平行な段差を有し、光の通過する面がレンズ面の巨
視的な形状にほぼ一致する微細な凹凸部分として形成さ
れている。また、上記の「周辺部」は、対物レンズ射出
後に記録密度の低い光ディスクに必要なNAに相当する
光が透過する領域より外側の領域として定義される。な
お、上記の「透過率」は、対物レンズの周辺部に入射し
た光量のうち、中央部を透過した光により形成されるス
ポット位置に達する光量の比率をいう。
【0009】上記の構成によれば、記録密度の高い光デ
ィスクの記録・再生時には、波長の短い第1のレーザー
光が用いられる。透過率調整用回折構造は、第1のレー
ザー光に対する透過率が高いため、第1のレーザー光は
対物レンズの中央部及び周辺部を含む広い範囲を透過す
る。したがって、第1のレーザー光に対しては対物レン
ズのNAが比較的大きくなり、スポット径を小さく絞る
ことができる。
【0010】記録密度の低い光ディスクの記録・再生時
には、波長の長い第2のレーザー光が用いられる。第2
のレーザー光は、透過率調整用回折構造により遮られ、
スポットは主として透過率調整用回折構造が形成されて
いない対物レンズの中央部を透過した光により形成され
る。したがって、第2のレーザー光に対しては対物レン
ズのNAが比較的小さくなり、そのスポット径を第1の
レーザー光によるスポット径より大きくすることができ
る。
【0011】なお、この明細書において、「対物レン
ズ」は少なくとも収束作用と透過率調整作用とを有する
レンズをいい、これが単一のレンズ素子であるか、複数
のレンズ素子であるかを問わない。また、収束作用を持
つレンズ素子と透過率調整作用を有する平板状の素子と
を組み合わせたレンズをも含む概念である。
【0012】透過率調整用回折構造は、凹凸部分の段差
による光路長差が第1のレーザー光に対しては波長のほ
ぼp倍(pは整数)になり、第2のレーザー光に対しては
波長のほぼ(q+0.5)倍(qは整数)となるように設定す
ることが望ましい。
【0013】また、光源部は、第1のレーザー光の波長
をλ1、第2のレーザー光の波長をλ2としたときに、
以下の条件(1)を満足するように設定することが望まし
い。
【0014】 0.81 < λ1/λ2 < 0.85 …(1) さらに、透過率調整用回折構造の凹部となる輪帯の光が
入射する面の面積R1と、これに隣接する凸部となる輪
帯の光が入射する面の面積R2との比率が1:1でない
こと、すなわちアンバランスであることが望ましい。具
体的には、周辺部のいずれかの領域について、望ましく
は周辺部の内側半分程度の領域について、以下の条件
(2),(3)のいずれかを満たすことが望ましい。
【0015】 1.2 < R1/R2 < 3.0 …(2) 1.2 < R2/R1 < 3.0 …(3) なお、透過率調整用回折構造の凹凸ピッチは周辺部の全
ての領域において一定にしてもよいが、面積R1と面積
R2との比率を、周辺部のレンズ半径方向の位置により
異ならせる方が望ましい。特に、面積R1と面積R2との
差が、周辺部内の内周側ほど大きく、外周に向かうにし
たがって小さくなるように設定することが望ましい。ま
た、射出成型で金属型のパターンを対物レンズに転写す
ることを想定すると、周辺部のいずれかの領域について
R1<R2を満たすことが望ましい。
【0016】透過率調整用回折構造が形成されたレンズ
面の周辺部より内側が、レンズ半径方向の断面が単一の
曲線で表される屈折面である場合、光源部は、第1のレ
ーザー光をほぼ平行光として、第2のレーザー光を発散
光として対物レンズに対して入射させる。
【0017】一方、透過率調整用回折構造が形成された
レンズ面の周辺部より内側に、波長が長くなるにしたが
って補正不足となる球面収差の波長依存性を対物レンズ
に与える輪帯状の収差補正用回折構造がレンズ半径方向
の断面が鋸歯状となるよう形成されている場合には、光
源部は、第1,第2のレーザー光をいずれも対物レンズ
に対してほぼ平行光として入射させる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる光ディス
ク装置の光学系の実施形態を説明する。実施形態の光学
系は、記録密度の異なる少なくとも2種類の光ディス
ク、この例では記録密度の高いDVD(デジタルビデオ
ディスク)と記録密度の低いCD(コンパクトディスク)
に対して記録あるいは再生が可能である。図1及び図2
は、実施形態にかかる光ディスク装置の光学系を示す説
明図であり、図1はDVDへの記録・再生時、図2はC
Dの再生時をそれぞれ示している。また、図3は、図1
及び図2の光学系で使用される対物レンズの構造を模式
的に示す説明図である。
【0019】図1及び図2に示すように、この光学系
は、光源部10、ビーム整形・分離プリズム20、対物
レンズ30、そして信号検出系40から構成されてい
る。光源部10は、DVDの記録・再生時に波長の短い
第1のレーザー光を発光する第1の半導体レーザー11
と、CDの再生時に波長の長い第2のレーザー光を発す
る第2の半導体レーザー12と、偏光ビームスプリッタ
ー13及びコリメートレンズ14とを備えている。第1
の半導体レーザー11は、発光光がP偏光として偏光ビ
ームスプリッター13に入射するように配置され、第2
の半導体レーザー12は、発光光がS偏光として偏光ビ
ームスプリッター13に入射するよう配置されている。
【0020】なお、コリメートレンズ14は、単体の正
レンズであり、第1の半導体レーザー11からのレーザ
ー光を図1に示すように平行光とするようにそのパワー
が設定されている。したがって、第2の半導体レーザー
12からのレーザー光は、図2に示すように発散光とし
て対物レンズ30に入射する。
【0021】ビーム整形・分離プリズム20は、2つの
プリズム21,22が貼り合わされて構成され、光源部
10から発したレーザー光の断面形状を整形すると共
に、光ディスクDVD,CDからの反射光を貼り合わせ
面で反射させて信号検出系40に導く。
【0022】対物レンズ30は、PMMA等のプラスチ
ック製であり、光源部10側の第1面30a、及びディ
スク側の第2面30bが共に非球面として形成された1
群1枚構成のレンズである。対物レンズ30は、光源部
10からのレーザー光を光ディスクDVD,CDの記録
面上に集光させる。対物レンズ30の第1面30aに
は、その周辺部に透過率調整用回折構造32が形成さ
れ、周辺部より内側は、レンズ半径方向の断面が単一の
曲線で表される屈折面31として形成されている。
【0023】信号検出系40は、ビーム整形・分離プリ
ズム20からの反射光を集光させる集光レンズ41を備
える。第1の半導体レーザー11から発したレーザー光
は、ディスクにより反射された後、偏光ビームスプリッ
ター42を透過し、シリンドリカルレンズ43を介して
第1のセンサ44に入射する。一方、第2の半導体レー
ザー12から発したレーザー光は、ディスクにより反射
された後、偏光ビームスプリッター42により反射さ
れ、シリンドリカルレンズ45を介して第2のセンサ4
6に入射する。
【0024】次に、図3に基づいて対物レンズ30の構
造について詳細に説明する。対物レンズ30は、上記の
ように周辺部に透過率調整用回折構造32が形成され、
周辺部より内側は屈折面31とされている。透過率調整
用回折構造32は、第1のレーザー光に対する透過率が
高く、第2のレーザー光に対する透過率が低くなるよう
波長に依存して透過率が変化する輪帯状の構造を有す
る。この構造は、対物レンズ半径方向の断面において光
軸にほぼ平行な段差を有し、光の通過する面がレンズ面
の巨視的な形状にほぼ一致する微細な凹凸部分として形
成されている。透過率調整用回折構造32の凸部は滑ら
かな曲面に沿っている。この面が第1面30aである。
そして、凹部の底面をつなぐ滑らかな曲面を、破線で示
すような中間面30cとして定義する。屈折面は、図3
に示すように第1面30aに沿って設けてもよいし、中
間面30cに沿って形成されていてもよい。なお、図3
では説明のため段差部分を誇張して示しているが、実際
にはより細かいピッチで多数の凹凸輪帯が形成される。
【0025】透過率調整用回折構造32は、第1のレー
ザー光に対する透過率が高いため、第1のレーザー光は
対物レンズ30の中央部及び周辺部を含む広い範囲を透
過する。したがって、第1のレーザー光に対しては対物
レンズ30のNAが比較的大きくなり、DVDに適した
比較的小径のスポットを形成することができる。また、
第2のレーザー光は、周辺部をほぼ透過せず中央の屈折
面31のみを主として透過するため、対物レンズ30の
NAが小さくなり、CDに適した比較的大径のスポット
を形成することができる。
【0026】上記の「周辺部」は、対物レンズ射出後に
記録密度の低い光ディスク、ここではCDに必要なN
A、例えば0.45に相当する光が透過する領域より外
側の領域として定義される。
【0027】透過率調整用回折構造32は、凹凸部分の
段差による光路長差が第1のレーザー光に対しては波長
のほぼp倍(pは整数)になり、第2のレーザー光に対し
ては波長のほぼ(q+0.5)倍(qは整数)となるように設
定される。段差が波長の整数倍であれば、回折構造は凹
凸のない平面と同一の作用を有し、高い透過率を持つ。
これに対して半波長分の段差を有する場合には、凹部を
通った光と凸部を通った光とが互いに打ち消し合い、透
過率が低くなる。
【0028】透過率調整用回折構造32に要求される性
能は、(a)第1のレーザー光の0次回折光(非回折光)と
しての透過率をできる限り高めること、(b)第2のレー
ザー光の0次回折光としての透過率をできる限り低くす
ること、(c)第2のレーザー光がプラス、あるいはマイ
ナスの次数の回折光としてディスクに向かい、同じ次数
の反対符号の回折光としてセンサ44,46に入射する
のをできる限り防ぐこと、の3点である。
【0029】透過率調整用回折構造32による第2のレ
ーザー光の回折光のうち、ディスクへの入射時における
回折次数と、ディスクからの反射時における回折次数と
が同じ次数で反対符号となると、この回折光は非回折光
と同一の光路でセンサに入射する。例えば、入射時に−
1次回折光として回折され、反射時に+1次回折光とし
て回折された光は、非回折光と同一光路をたどる。回折
光は、ディスク上では非回折光より広がりを持つため、
反射光は多くの記録内容が平均化された強度を持ち、セ
ンサに戻った場合にも特定の情報を表すような強度変化
はない。しかしながら、非回折光と同一光路でセンサに
入射した場合にはセンサ上での強度は比較的大きく、信
号にDC成分となるノイズを与え、SN比を悪化させ
る。したがって、(a)(b)のみでなく(c)の要求を満た
すことも重要となる。
【0030】凹凸の段差が大きいと、たとえ段差による
光路差が波長の整数倍であったとしても、損失が増加し
て透過率が低くなり、かつ、加工が難しくなる。そこ
で、上記(a)の要求を満たし、かつ、加工を容易にする
ためには、凹凸の段差はできる限り小さいことが望まし
い。このため、凹凸の段差を決定するq,pの値は小さ
い方が望ましい。このようにq,pの値を小さくするた
めには、第1のレーザー光の波長λ1と、第2のレーザ
ー光の波長λ2とがある程度離れた値をとる必要があ
り、具体的には以下の条件(1)を満足することが望まし
い。
【0031】 0. 81 < λ1/λ2 < 0.85 …(1) 現実的に選択可能な半導体レーザーの発振波長を考慮す
ると、第1の波長として650nm、第2の波長として
780nmを選択すると、λ1/λ2=0.833とな
って条件(1)を満たし、p=3,q=2のときに光路長
1.95μmという解が存在する。この場合、例えばレ
ンズの屈折率を1.5とし、空気中での使用を前提とす
ると、凹凸の段差は3.90μmとなる。
【0032】上記(b)の要求を満たすためには、透過率
調整用回折構造の凹部となる輪帯の光が入射する面の面
積R1と、これに隣接する凸部となる輪帯の光が入射す
る面の面積R2との比率が1:1に近いことが望まし
い。他方、(c)の要求を満たすためには、上記の比率が
1:1でないこと、すなわちアンバランスであることが
望ましい。したがって、これらの矛盾する(b)及び(c)
の要求の妥協点を見いだす必要がある。下の表1は、第
2のレーザー光に対して半波長分の光路差を有する透過
率調整用回折構造32について、凹凸部分のデューティ
ー比R1:R2の変化と、各デューティー比において発生
する各次数の回折光の強度(入射光量を100%とする%表
示)との関係を示すものである。
【0033】
【表1】 デューティー比 0.5:0.5 0.45:0.55 0.4:0.6 0.35:0.65 0.3:0.7 0.25:0.75 0次 0.0% 1.0 4.0 9.0 16.0 25.0 ±1次 40.5% 39.5 36.7 32.2 26.5 20.3 ±2次 0.0% 1.0 3.5 6.6 9.2 10.1 ±3次 4.5% 3.6 1.6 0.1 0.4 2.2 ±4次 0.0% 0.9 2.3 2.3 0.9 0.0 ±5次 1.6% 0.8 0.0 0.8 1.6 0.8 例えば、透過率調整用回折構造32の凸部と凹部の面積
が等しくなるよう設定した場合(デューティー比0.5:0.
5)には、回折せずに透過する0次回折光は発生せず、デ
ィスク上での集光スポットがCD用として過度に小さく
なることはない。ただし、透過率調整用回折構造32に
入射したうちの81%のレーザー光は、±1次回折光とし
てディスク上で直径100μm程度の円形に広がる。+1次
回折光としてディスクへ向かい、−1次回折光としてセ
ンサに向かうノイズ光と、−1次回折光としてディスク
へ向かい、+1次回折光としてセンサに向かうノイズ光
との総光量は入射光量の約33%になる。一方、凸部と
凹部の面積比が1:3あるいは3:1となるよう設定し
た場合(デューティー比0.25:0.75)には、回折せずに透
過する0次回折光は25%となり、振幅量で50%がデ
ィスク上での集光点に向かい、第2のレーザー光による
スポットはCD用としては小さくなる。ただし、透過率
調整用回折構造32に入射した光のうち、所定の次数の
回折光としてディスクに向かい、逆符号の回折光として
センサに向かうノイズ光の光量は約10%となる。
【0034】そこで、上記(b)(c)の要求の妥協点とし
て、周辺部のいずれかの領域について、望ましくは周辺
部の内側半分程度の領域について、デューティー比が以
下の条件(2),(3)のいずれかを満たすよう設定する。
【0035】 1.2 < R1/R2 < 3.0 …(2) 1.2 < R2/R1 < 3.0 …(3) デューテイー比が1.2より小さいと、センサに入射す
るノイズ光の光量が大きくなり、(c)の要求を満たすこ
とができない。他方、3.0を越える場合には、0次回
折光の振幅が50%を越え、(b)の要求を満たすことか
できず、CD用のスポット径が小さくなり過ぎる。
【0036】なお、透過率調整用回折構造32の凹凸ピ
ッチは周辺部の全ての領域において一定にしてもよい
が、(b)(c)の要求のよりよい妥協点を見いだすために
は、面積R1と面積R2との比率を周辺部のレンズ半径方
向の位置により異ならせることが望ましい。周辺部の中
でも、外側の領域を透過する光ほどスポット径を小さく
するのに寄与するため、第2のレーザー光により形成さ
れるスポット径が小さくなり過ぎるのを防ぐためには、
外側の領域ほど要求(b)をよく満たす必要性が高い。そ
こで、面積R1と面積R2との差が、周辺部内の内周側ほ
ど大きく、外周に向かうにしたがって小さくなるように
設定することが望ましい。
【0037】なお、凹部と凸部との面積比は、R1:R2
=x:yであっても、R2:R1=x:yであっても光学
的な性能には違いがない。そこで、型を精密旋盤で作
り、レプリカをレンズとする場合、周辺部の特に外側の
領域についてR1<R2を満たすことが型の作成を容易に
する上で望ましい。型を作成する際に、凹部の幅が狭い
とバイト先端の幅により最適な形状に加工できない領域
が広くなるため、これを避けるために型の凹部の幅を相
対的に広くしておくこと、すなわちレンズ上の凸部の面
積を広くしておくことが望ましい。
【0038】DVDとCDとは、記録密度が異なるだけ
でなく、記録面をカバーする透明な保護層の厚さが異な
る。DVDは0.6mm、CDは1.2mmである。記
録面の位置の違いについては、光ディスク装置に設けら
れたオートフォーカス機構を利用することにより補償が
可能である。一方、収束光中に配置された平行平面板は
厚さに応じた球面収差補正効果を有するため、保護層の
薄いディスクを用いた際に球面収差が補正されるよう光
学系を設計すると、保護層の厚いディスクを用いた際に
球面収差が補正過剰となる。
【0039】対物レンズ30は、DVD用に球面収差が
補正されているため、同一の状態でCDに対して用いる
と、球面収差が補正過剰となる。そこで、この例では、
DVD使用時には対物レンズ30に対して平行光を入射
させるのに対し、CD再生時には対物レンズ30に対し
て発散光を入射させるようにしている。これにより、平
行光を入射させた場合には補正過剰(オーバー)となる球
面収差を、アンダー側に戻し、適正な値に設定すること
ができる。
【0040】CD再生時の球面収差を補正するために
は、上記のように発散光を入射させる他、周辺部の内側
に、波長が長くなるにしたがって補正不足となる球面収
差の波長依存性を対物レンズに与える輪帯状の収差補正
用回折構造を形成してもよい。図4に示すように、この
対物レンズ50は、周辺部に図3の例と同様の透過率調
整用回折構造52を有すると共に、周辺部の内側に、レ
ンズ半径方向の断面が鋸歯状に形成された収差補正用回
折構造51を有している。対物レンズ50を用いる場合
には、光源部は、第1,第2のレーザー光をいずれも対
物レンズ50に対してほぼ平行光として入射させればよ
い。
【0041】次に、図3、図4にそれぞれ対応する対物
レンズの具体的な実施例を説明する。
【0042】
【実施例1】実施例1は図3に対応する対物レンズであ
り、第1面の周辺部に透過率調整用回折構造が形成さ
れ、その内側は連続した屈折面として形成されている。
図5は対物レンズ30とDVDとを示し、図6はDVD
の記録面上での諸収差を示す。また、図7は対物レンズ
30とCDとを示し、図8はCDの記録面上での諸収差
を示す。なお、レンズ図では、回折構造については図示
しない。
【0043】実施例1の対物レンズ30の具体的な数値
構成は表2に示されている。面番号1、2が対物レンズ
30(Mは中間面)、面番号3、4が媒体であるDVDま
たはCDの保護層を示している。表中、λ1はDVD使
用時の波長、λ2はCD使用時の波長、f1はλ1での全
体の焦点距離(単位:mm)、f2はλ2での全体の焦点距離
(単位:mm)、M1はλ1での倍率、M2はλ2での倍率、rは
レンズ各面の巨視的な曲率半径(単位:mm)、dは各面の
光軸に沿った間隔(単位:mm)、nλは各媒体の波長λnm
での屈折率、νは各媒体のアッベ数である。なお、d
2、d3については、前者がDVD使用時、後者がCD使
用時の値を示している。また、DVD使用時には対物レ
ンズへの入射光は平行光であり、入射光物体距離は第1
面から無限遠の位置にある。一方、CD使用時には、対
物レンズへの入射光は発散光であり、入射光物体距離は
第1面から-84.0mmの位置にある。
【0044】対物レンズ30の第1面30a、第2面3
0b、中間面30cはいずれも非球面であり、その形状
は光軸からの高さがhとなる非球面上の座標点の非球面
の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX、非球面の
光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6
次、8次、10次、12次、0次の非球面係数をA4、
A6、A8、A10、A12、Δとして、以下の式で表され
る。
【0045】X=Ch2/(1+√(1-(1+K)C22))+A
4h4+A6h6+A8h8+A10h10+A12h12+Δ なお、表2における非球面の曲率半径は光軸上の曲率半
径である。非球面を規定する円錐係数と非球面係数は、
表3に示される。
【0046】
【表2】 λ1=650nm f1=4.00mm M1=0.0 λ2=780nm f2=4.03mm M2=-0.050 面番号 r d n650 n780 ν 1 2.49626 0.00361 M 2.49500 2.40000 1.54082 1.53677 55.6 2 -10.78900 2.270/2.115 3 ∞ 0.600/1.200 1.58030 1.57346 29.9 4 ∞
【0047】
【表3】 第1面 中間面 第2面 r 2.49626 2.49500 -10.78900 κ -0.440 -0.440 0.000 A4 -5.865×10-4 -5.867×10-4 7.378×10-3 A6 -2.887×10-5 -2.837×10-5 -9.690×10-4 A8 -2.274×10-5 -2.274×10-5 2.830×10-5 A10 3.393×10-6 3.393×10-6 1.500×10-6 A12 -8.400×10-7 -8.365×10-7 0.000 Δ 0.000 0.000 0.000 図6(A)はDVD使用時の波長650nmにおける球面収差
SAおよび正弦条件SC、(B)はその際の非点収差(S:
サジタル、M:メリディオナル)を示している。グラフ
(A)の縦軸は開口数NA、(B)の縦軸は像高Yである。
また、横軸は各収差の発生量を示し、単位はmmであ
る。図8(A)はCD使用時の波長780nmにおける球面収
差SAおよび正弦条件SC、(B)はその際の非点収差を
それぞれ示す。
【0048】透過率調整用回折構造の凹凸パターンは、
凹部となる輪帯の光が入射する面の面積R1と、これに
隣接する凸部となる輪帯の光が入射する面の面積R2と
のデューティー比R1:R2=0.5:0.5にする場合には、
以下の表4のように形成できる。この表は、光軸からの
距離hの2値で挟まれた範囲(輪帯)が第1面30a上に
位置する凸部であるか、中間面M上に位置する凹部であ
るかを示す。例えば、表4の例では、hが0.000 〜 1.8
72の範囲にある中央の屈折面31は、中間面M上に位置
し、その外側のhが1.872 〜 1.901の範囲にある第1輪
帯は凸部として第1面上に位置することを意味する。デ
ューティー比0.5:0.5の場合には、前述のようにCD使
用時の780nmの光は0次光としては透過しない。そこ
で、NA0.45に相当する半径約1.9mmを境として、これ
より外側の部分に透過率調整用回折構造を設けている。
【0049】
【表4】 また、デューティー比R1:R2=0.7:0.3にする場合に
は、各輪帯の範囲を以下の表5のように定めることがで
きる。デューティー比0.7:0.3の場合には、前述のよう
にCD使用時の780nmの光も0次光として16%透過す
る。そこで、表5の例では、NA0.45に相当する半径約
1.9mmより僅かに内側の半径約1.6mmを境として、これよ
り外側の部分に透過率調整用回折構造を設けている。
【0050】
【表5】 表4,5に示した例は、いずれも透過率調整用回折構造
の全ての領域でデューティー比を一定に設定している。
これに対して、表6の例では、デューティー比を内側の
部分では0.7:0.3とし、外側に向かうにしたがって徐々
に0.5:0.5に近づくように設定している。
【0051】
【表6】
【0052】
【実施例2】実施例2は図4に対応する対物レンズであ
り、第1面の周辺部に透過率調整用回折構造が形成さ
れ、その内側には収差補正用回折構造が形成されてい
る。図9は対物レンズ50とDVDとを示し、図10は
DVDの記録面上での諸収差を示す。また、図11は対
物レンズ50とCDとを示し、図12はCDの記録面上
での諸収差を示す。
【0053】実施例2の対物レンズ50の具体的な数値
構成は表7に示されている。この対物レンズ50の第1
面50aは、中心から第16輪帯までが収差補正用の断
面鋸歯状の回折構造、第17輪帯より外周に透過率調整
用回折構造が形成されている。なお、実施例2では、D
VDとCDの保護層の厚さに基づく球面収差の変化は、
収差補正用回折構造により補正されるため、いずれのデ
ィスクの使用時にも対物レンズには平行光を入射させれ
ばよい。すなわち、光ディスク装置への適用の際には、
コリメートレンズの色収差を補正しておくことが望まれ
る。
【0054】第16輪帯までの第1面50aの輪帯の区
分を表8に示し、第16輪帯までの第1面50aの巨視
的形状及び第2面50bを規定する非球面係数を表9に
示す。
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】 N 光軸からの距離 N 光軸からの距離 0 0.000 〜 0.436 9 1.241 〜 1.283 1 0.436 〜 0.689 10 1.283 〜 1.322 2 0.689 〜 0.833 11 1.322 〜 1.358 3 0.833 〜 0.936 12 1.358 〜 1.391 4 0.936 〜 1.017 13 1.391 〜 1.422 5 1.017 〜 1.085 14 1.422 〜 1.452 6 1.085 〜 1.143 15 1.452 〜 1.480 7 1.143 〜 1.195 16 1.480 〜 1.500 8 1.195 〜 1.241
【0057】
【表9】 収差補正用回折構造は、波長715nmにブレーズ化した回
折型レンズである。回折レンズ構造による光路長の付加
量は、光軸からの高さh、2次、4次、6次、8次、1
0次の光路差関数係数P2、P4、P6、P8、P10、ブレ
ーズ化波長λを用いて、 φ(h)=(P2h2+P4h4+P6h6+P8h8+P10
10)×λ により定義される光路差関数φ(h)により表すことがで
きる。実際のレンズの微細形状は光路長の波長の整数倍
の成分を消去したフレネルレンズ状の光路長付加量φ'
を持つように決定する。
【0058】φ'(h)=(MOD(P2h2+P4h4+P6h6+…+
Const,l)−Const)×λ 定数項Constは輪帯の境界位置の位相を設定する定数で
あり、0≦Const≦1の範囲で任意の数をとる。MOD
(X、Y)はXをYで割った剰余を与える関数である。MOD
(P2h2+P4h4+…+Const,1)の値が0になるhの点が輪
帯の境になる。ベース形状の上に、φ'(h)の光路差を
持つように、勾配、段差を設定する。
【0059】実施例2における収差補正用回折構造を示
す各光路差関数係数の値は、以下の表10に示されると
おりである。
【0060】
【表10】 P2 -2.3272 P4 -1.5269 P6 -5.5184×10-1 P8 1.5292×10-1 P10 -1.6178×10-2 また、第1面50aの第0輪帯から第16輪帯までの光
が入射する面は、輪帯の番号をNとして、以下の表11
に示す曲率半径rN、円錐係数κN、非球面係数A4N〜A12
N、ΔNをそれぞれ以下の非球面式に当てはめることによ
り定義される非球面として表される。
【0061】X=CN2/(1+√(1-(1+κN)CN22))
+A4N4+A6N6+A8N8+A10N10+A12N12N
【0062】
【表11】 rN = 2.08970 +0.000467×N κN =-0.4400 A4N =-7.000×10-4+1.5625×10-6×N A6N = 1.000×10-5 A8N =-1.700×10-4 A10N = 5.100×10-5 A12N =-1.280×10-6+1.8750×10-8×N ΔN =−0.001328×N 第1面50aの第17輪帯より外側の透過率調整用回折
構造の分岐点は実施例1の場合と同様に適当なデューテ
ィー比を選択し、最小輪帯幅が10μmを下回らない程度
の範囲で任意に設定できる。このとき、第17輪帯以降
の透過率調整用回折構造の凸部を規定する第1面50
a、及び凹部を規定する中間面50cは、表12の各係
数により規定される非球面により定義される。
【0063】
【表12】 なお、上記の各実施例では、対物レンズのレンズ面上に
透過率調整用回折構造を形成する構成についてのみ説明
したが、対物レンズに隣接して平面板を配置し、その上
に透過率制御用回折構造を形成することも可能である。
この場合には、回折構造をリソグラフィー手法で作るこ
とができるため、切削によるよりもシャープなエッジ部
が作りやすい。また、対物レンズから離れた平面板上に
透過率調整用回折構造を形成すると、0次以外の回折光
が対物レンズの瞳等でけられてセンサーに戻るノイズ光
を削減することもできる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、対物レンズの周辺部に、波長に依存して透過率が変
化する透過率調整用回折構造を形成することにより、可
動絞り等の可動部品を別途設けることなく、記録密度の
異なるそれぞれの光ディスクに応じて波長を切り替える
ことにより、各光ディスクに適したNAを得ることがで
き、適正なサイズのスポットを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態にかかる光ディスク装置
の光学系を示すDVD使用時の説明図。
【図2】 この発明の実施形態にかかる光ディスク装置
の光学系を示すCD使用時の説明図。
【図3】 この発明の第1の実施形態にかかる対物レン
ズの拡大図。
【図4】 この発明の第2の実施形態にかかる対物レン
ズの拡大図。
【図5】 この発明の実施例1を示すDVD使用時のレ
ンズ図。
【図6】 図5の状態での球面収差、非点収差を示すグ
ラフ。
【図7】 この発明の実施例1を示すCD使用時のレン
ズ図。
【図8】 図7の状態での球面収差、非点収差を示すグ
ラフ。
【図9】 この発明の実施例2を示すDVD使用時のレ
ンズ図。
【図10】 図10の状態での球面収差、非点収差を示
すグラフ。
【図11】 この発明の実施例2を示すCD使用時のレ
ンズ図。
【図12】 図11の状態での球面収差、非点収差を示
すグラフ。
【符号の説明】
10 光源部 11 第1の半導体レーザー 12 第2の半導体レーザー 20 ビーム整形・分離プリズム 30 対物レンズ 31 屈折面 32 透過率調整用回折構造 40 信号検出系 44 第1のセンサ 46 第2のセンサ
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA03 AA57 AA64 BA06 BA46 BB61 BC00 BC21 2H087 KA13 PA01 PB01 QA02 QA07 QA14 QA34 RA05 RA43 RA46 UA01 5D119 AA41 BA01 CA16 EC01 EC45 EC47 FA05 JA44 JA47 JB02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長の比較的短い第1のレーザー光と波
    長の比較的長い第2のレーザー光とを選択的に発する光
    源部と、該光源部からのレーザー光を光ディスクの記録
    面上に集光させる対物レンズとを備え、記録密度の異な
    る少なくとも2種類の光ディスクに対して記録あるいは
    再生が可能な光ディスク装置の光学系において、 前記対物レンズの一つのレンズ面上の周辺部に、前記第
    1のレーザー光に対する透過率が高く、前記第2のレー
    ザー光に対する透過率が低くなるよう波長に依存して透
    過率が変化する輪帯状の透過率調整用回折構造が形成さ
    れ、前記透過率調整用回折構造は、対物レンズ半径方向
    の断面において光軸にほぼ平行な段差を有し、光の通過
    する面がレンズ面の巨視的な形状にほぼ一致する微細な
    凹凸部分として形成され、前記周辺部は、前記対物レン
    ズ射出後に記録密度の低い光ディスクに必要なNAに相
    当する光が透過する領域より外側の領域として定義され
    ることを特徴とする光ディスク装置の光学系。
  2. 【請求項2】 前記透過率調整用回折構造は、凹凸部分
    の段差による光路長差が前記第1のレーザー光に対して
    は波長のほぼp倍(pは整数)になり、第2のレーザー光
    に対しては(q+0.5)倍(qは整数)となることを特徴と
    する請求項1に記載の光ディスク装置の光学系。
  3. 【請求項3】 p=3,q=2であることを特徴とする
    請求項2に記載の光ディスク装置の光学系。
  4. 【請求項4】 前記第1のレーザー光の波長をλ1、前
    記第2のレーザー光の波長をλ2としたときに、以下の
    条件(1)を満足することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の光ディスク装置の光学系。 0.81 < λ1/λ2 < 0.85 …(1)
  5. 【請求項5】 前記透過率調整用回折構造の凹部となる
    輪帯の光が入射する面の面積R1と、これに隣接する凸
    部となる輪帯の光が入射する面の面積R2との比率が、
    前記周辺部のいずれかの領域について以下の条件(2),
    (3)のいずれかを満たすことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の光ディスク装置の光学系。 1.2 < R1/R2 < 3.0 …(2) 1.2 < R2/R1 < 3.0 …(3)
  6. 【請求項6】 前記透過率調整用回折構造の凹部となる
    輪帯の光が入射する面の面積R1と、これに隣接する凸
    部となる輪帯の光が入射する面の面積R2との比率が、
    前記周辺部のレンズ半径方向の位置により異なることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク
    装置の光学系。
  7. 【請求項7】 前記透過率調整用回折構造の凹部となる
    輪帯の光が入射する面の面積R1と、これに隣接する凸
    部となる輪帯の光が入射する面の面積R2との差が、前
    記周辺部内の内周側ほど大きく、外周に向かうにしたが
    って、小さくなることを特徴とする請求項6に記載の光
    ディスク装置の光学系。
  8. 【請求項8】 前記透過率調整用回折構造の凹部となる
    輪帯の光が入射する面の面積R1と、これに隣接する凸
    部となる輪帯の光が入射する面の面積R2とが、前記周
    辺部のいずれかの領域についてR1<R2を満たすことを
    特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置の光学系。
  9. 【請求項9】 前記透過率調整用回折構造が形成された
    レンズ面の前記周辺部より内側は、レンズ半径方向の断
    面が単一の曲線で表される屈折面であり、前記光源部
    は、前記第1のレーザー光をほぼ平行光として、前記第
    2のレーザー光を発散光として前記対物レンズに対して
    入射させることを特徴とする請求項1に記載の光ディス
    ク装置の光学系。
  10. 【請求項10】 前記透過率調整用回折構造が形成され
    たレンズ面の前記周辺部より内側に、波長が長くなるに
    したがって補正不足となる球面収差の波長依存性を前記
    対物レンズに与える輪帯状の収差補正用回折構造が形成
    され、該収差補正用回折構造は、レンズ半径方向の断面
    が鋸歯状に形成され、前記光源部は、前記第1,第2の
    レーザー光をいずれも前記対物レンズに対してほぼ平行
    光として入射させることを特徴とする請求項1に記載の
    光ディスク装置の光学系。
  11. 【請求項11】 正のパワーを有し、一方のレンズ面の
    周辺部に、前記透過率調整用回折構造が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置の光
    学系に用いられる対物レンズ。
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