JP2726030B2 - 二重焦点の光ピックアップ - Google Patents

二重焦点の光ピックアップ

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JP2726030B2 JP8055190A JP5519096A JP2726030B2 JP 2726030 B2 JP2726030 B2 JP 2726030B2 JP 8055190 A JP8055190 A JP 8055190A JP 5519096 A JP5519096 A JP 5519096A JP 2726030 B2 JP2726030 B2 JP 2726030B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は情報を光学的に記録
又は再生するための二重焦点の光ピックアップに係り、
特に厚さの異なるディスクの記録面に光スポットを形成
する二重焦点の光ピックアップに関する。
【０００２】
【従来の技術】光記録媒体として現在までに広く知られ
たコンパクトディスクは、１．２ｍｍの厚さの基板を有
する。また、最近では高密度貯蔵用として０．６ｍｍの
厚さを有するディスクも開発されつつある。高密度に貯
蔵された情報を読み取るためには光スポットの大きさを
縮めるべきであるが、このためには短波長の光源及び開
口数（ＮＡ：numerical aperture）の大きい対物レンズ
を使用しなければならない。
【０００３】しかしながら、ＮＡの大きいレンズはディ
スクが傾斜した場合の収差に対して極めて不安定なの
で、再生時に、そのディスクの傾斜に対する厳格な規制
が求められる。ディスクの基板の収差は、その基板の厚
さ及び傾斜程度に比例して増加する。したがって、基板
の厚さをできるだけ薄くし、ディスクの傾斜に対する許
容エラーを大とすることにより、実用的な高密度の再生
が実現できる。このような厚さの異なるディスクの開発
により、厚さの異なる各種ディスクに共用されうる光ピ
ックアップが求められた。
【０００４】図６は、０．６ｍｍのディスク及び１．２
ｍｍのディスクのための従来の二重焦点の光ピックアッ
プを示したものであり、ディスクの厚さの差による収差
が補正されている。ここで、１は０．６ｍｍのディスク
を、２は１．２ｍｍのディスクを示す。実質的にはディ
スクドライブ（図示せず）内に上記ディスク１，２のい
ずれか一つがロードされる。
【０００５】図６を参照すれば、従来の二重焦点の光ピ
ックアップは、レーザ光ビームを発生するレーザダイオ
ード３と、光ビームを部分的に反射、部分的に透過させ
るハーフミラー４と、このハーフミラー４からディスク
１，２に向かうように反射される光ビームを平行に進行
させるコリメーティングレンズ５と、この平行光を回折
させるためのホログラムレンズ６と、このホログラムレ
ンズ６の０次光ビーム７及び１次回折光ビーム８を上記
ディスク１，２それぞれに集束させる対物レンズ９と、
ディスク１，２の情報を有する反射光ビームを受光する
ために配置されたセンサレンズ１０と、これを検出する
ための光検出器１１とから構成されている。
【０００６】一般に、ホログラムレンズ６は入射する光
を＋１次回折光ビーム及び−１次回折光ビームに回折さ
せるが、このうちのいずれか一つの回折光を利用しない
場合、光の効率が極めて劣化される。これに対して従来
の技術では、＋１次回折光ビーム及び−１次回折光ビー
ムのうち、いずれか一つの回折が抑制されるようにブレ
ージング（blazing）されたホログラムレンズが使用さ
れる。
【０００７】ホログラムレンズ６の０次光ビーム７と１
次回折光ビーム８との出射角の差を用いて０．６ｍｍの
ディスク１は、図７に示したように、ホログラムレンズ
６の０次光ビーム７によって読み取られ、１．２ｍｍの
ディスク２は、図８に示したように、ホログラムレンズ
６の１次回折光ビーム８によって読み取られる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにブレージングされたホログラムレンズ６は、製作及
び組立の調整が困難であり、使用中にも光軸のわずかの
移動や傾斜が生じた場合、その回折特性の変化が激し
く、エラーを頻繁に誘発するなどの実用上の問題点があ
った。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、
光の効率を高めると共に光軸の変動に対する影響が少な
い二重焦点の光ピックアップを提供することを目的とす
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、厚さの異なるディスクの反射光から信号
を検出する手段を有する二重焦点の光ピックアップにお
いて、単一波長の光を発生する光源と、前記光を±１次
回折光ビームに同時に回折させるホログラムレンズと、
前記ホログラムレンズから＋１次回折光ビームを厚さが
相対的に薄いディスクに集束し、−１次回折光を厚さが
相対的に厚いディスクに集束する対物レンズとを具備す
ることを特徴とするものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づいて、
本発明をさらに詳細に説明する。図１において、２１は
０．６ｍｍのディスクであり、２２は１．２ｍｍのディ
スクである。勿論、これらのディスク２１，２２のうち
いずれか一つがドライブ（図示せず）内に装着される。
【００１１】図１に示したように、本発明による二重焦
点の光ピックアップは、レーザ光ビームを発生するレー
ザダイオード２３と、光ビームを部分的に反射、透過さ
せるハーフミラー２４と、ハーフミラー２４からディス
ク２１，２２に向かうように反射される光ビームを平行
に進行させるコリメーティングレンズ２５と、平行光を
回折させるためのホログラムレンズ２６と、ホログラム
レンズ２６の回折光を集束してディスク２１，２２それ
ぞれに光スポットを形成する対物レンズ２７と、ディス
ク２１，２２の反射光からの信号を検出するために配置
されたセンサレンズ２８と、光検出器２９とにより構成
される。
【００１２】このような本発明による二重焦点の光ピッ
クアップにおいて、上記ホログラムレンズ２６は、図１
中の抜粋部分のように、凹凸状のホログラムパターンを
有するものであり、入射光３０を、収束される＋１次回
折光ビーム及び発散される−１次回折光ビーム３２に回
折させる。そして、対物レンズ２７はホログラムレンズ
２６の収束される＋１次回折光ビーム３１を、図２のよ
うに薄いディスク２１に集束させ、かつ、発散される−
１次回折光ビーム３２を図３のように厚いディスク２２
に集束させる。
【００１３】以下に、０．６ｍｍのディスク２１と、
１．２ｍｍのディスク２２に対して、シミュレーション
検証による上記ホログラムレンズ２６及び対物レンズ２
７の設計のためのレンズデータを示す。
【００１４】・ホログラムレンズ２６ 厚さ：１ｍｍ 屈折率：１．５１５ ホログラムの物点：−７５ｍｍ 参照光の物点：∞ 非球面係数：０．１１ｅ-3，０．２０ｅ-4，０．１１ｅ
-4，−０．５５ｅ-5，−０．１７ｅ-5，−０．１８
ｅ-7，０．１８ｅ-6，−０．２１ｅ-7
【００１５】・対物レンズ２７ 中心厚さ：２．８５ｍｍ 屈折率：１．５１５ 入射面： 曲率半径：２．１４ｍｍ 円錐定数：−０．１６５６８ 非球面係数：−０．６２ｅ-2，−０．２３ｅ-2，０．４
７ｅ-3，０．４９ｅ-4 出射面： 曲率半径：−６．５６ｍｍ 円錐定数：１３．２２ 非球面係数：−０．２２ｅ-1，０．１９ｅ-1，−０．４
３ｅ-2，０．２７ｅ-2 ホログラムレンズ２６と対物レンズ２７との間隔：５．
１１ｍｍ 対物レンズ２７と０．６ｍｍのディスク２１との間隔：
１．３６ｍｍ 対物レンズ２７と１．２ｍｍのディスク２２との間隔：
１．６０ｍｍ
【００１６】図４及び図５は、上記レンズデータを適用
した結果として、０．６ｍｍのディスク２１及び１．２
ｍｍのディスク２２それぞれに形成される光スポットの
光の強度分布を示すプロファイルを表す図であり、横軸
は光スポットの大きさを示し、縦軸は光の強度を示す。
【００１７】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、二重焦
点の光ピックアップを形成するためにホログラムレンズ
の＋１次回折光ビーム及び−１次回折光ビームを同時に
用いるので、光の効率が低下する問題を解決できるとい
う効果がある。かつ、本発明によれば、単純な凹凸状の
ホログラムパターンを使用することができ、製作及び組
立が容易である一方、使用中の光軸の変動に対する影響
が少なく、安定した動作に寄与しうるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による二重焦点の形成方法に基づく光ピ
ックアップの光学的な構成を示す図であり、図中抜粋部
分は光路を説明するための部分拡大図である。
【図２】図１に示した光ピックアップにおいて、０．６
ｍｍのディスクに対する光路を示す図である。
【図３】図１に示した光ピックアップにおいて、１．２
ｍｍのディスクに対する光路を示す図である。
【図４】本発明により０．６ｍｍのディスクに形成され
る光スポットの大きさとその強度分布とを示すプロファ
イルを表す図である。
【図５】本発明により１．２ｍｍのディスクに形成され
る光スポットの大きさとその強度分布とを示すプロファ
イルを表す図である。
【図６】従来の二重焦点の光ピックアップの光学的な構
成を示す図である。
【図７】従来の二重焦点の光ピックアップにおいて、厚
さが０．６ｍｍのディスクに対する光路を示す図であ
る。
【図８】従来の二重焦点の光ピックアップにおいて、厚
さが１．２ｍｍのディスクに対する光路を示す図であ
る。
【符号の説明】
２１ ディスク（０．６ｍｍディスク） ２２ ディスク（１．２ｍｍディスク） ２３ レーザダイオード（光源） ２４ ホログラムレンズ ２７ 対物レンズ ２９ 光検出器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 厚さの異なるディスクの反射光から信号
    を検出する手段を有する二重焦点の光ピックアップにお
    いて、単一波長の 光を発生する光源と、 前記光を±１次回折光ビームに同時に回折させるホログ
    ラムレンズと、 前記ホログラムレンズから＋１次回折光ビームを厚さが
    相対的に薄いディスクに集束し、−１次回折光を厚さが
    相対的に厚いディスクに集束する対物レンズとを具備す
    ることを特徴とする二重焦点の光ピックアップ。
  2. 【請求項２】 前記ホログラムレンズは凹凸状であるこ
    とを特徴とする請求項１記載の二重焦点の光ピックアッ
    プ。
  3. 【請求項３】 前記ホログラムレンズ及び対物レンズ
    が、０．６ｍｍディスクと１．２ｍｍディスクとに対し
    て、 ・ホログラムレンズ 厚さ：１ｍｍ 屈折率：１．５１５ ホログラムの物点：−７５ｍｍ 参照光の物点：∞ 非球面係数： ０．１１ｅ−３，０．２０ｅ−４，０．１１ｅ−４，−０．５５ｅ−５， −０．１７ｅ−５，−０．１８ｅ−７，０．１８ｅ−６，−０．２１ｅ−７ ・対物レンズ 中心厚さ：２．８５ｍｍ くつ折率：１．５１５ 入射面： 曲率半径：２．１４ｍｍ 円錐定数：−０．１６５６８ 非球面係数：−０．６２ｅ−２，−０．２３ｅ−２， ０．４７ｅ−３，０．４９ｅ−４ 出射面： 曲率半径：−６．５６ｍｍ 円錐定数：１３．２２ 非球面係数：−０．２２ｅ−１，０．１９ｅ−１， −０．４３ｅ−２，０．２７ｅ−２ ホログラムレンズと対物レンズとの間隔：５．１１ｍｍ 対物レンズと０．６ｍｍディスクとの間隔：１．３６ｍｍ 対物レンズと１．２ｍｍディスクとの間隔：１．６０ｍｍ なる条件を充足することを特徴とする請求項１記載の二
    重焦点の光ピックアップ。
JP8055190A 1995-06-26 1996-03-12 二重焦点の光ピックアップ Expired - Lifetime JP2726030B2 (ja)

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