JP2003248168A - 光ピックアップ装置、および光学素子 - Google Patents

光ピックアップ装置、および光学素子

Info

Publication number
JP2003248168A
JP2003248168A JP2002320391A JP2002320391A JP2003248168A JP 2003248168 A JP2003248168 A JP 2003248168A JP 2002320391 A JP2002320391 A JP 2002320391A JP 2002320391 A JP2002320391 A JP 2002320391A JP 2003248168 A JP2003248168 A JP 2003248168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical element
information recording
wavelength
pickup device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002320391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003248168A5 (ja
Inventor
Seino Ikenaka
清乃 池中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002320391A priority Critical patent/JP2003248168A/ja
Priority to CNB021571481A priority patent/CN1280649C/zh
Priority to TW091136541A priority patent/TWI258760B/zh
Priority to US10/321,564 priority patent/US20030133394A1/en
Priority to EP02258717A priority patent/EP1321933A3/en
Priority to KR1020020080995A priority patent/KR20030053009A/ko
Publication of JP2003248168A publication Critical patent/JP2003248168A/ja
Publication of JP2003248168A5 publication Critical patent/JP2003248168A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B7/1374Objective lenses
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1365Separate or integrated refractive elements, e.g. wave plates
    • G11B7/1367Stepped phase plates
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1392Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration
    • G11B7/13922Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration passive
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B2007/0003Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
    • G11B2007/0006Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier adapted for scanning different types of carrier, e.g. CD & DVD

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ピックアップ装置の温度が、使用基準温度
0に対して変化した場合に、波面収差を抑え、光情報
記録媒体へのデータの読み書き時のエラーを防止でき
る、光ピックアップ装置、およびこれに用いられる光学
素子を提供する。 【解決手段】 使用基準波長λ0の光束が入射する時に
情報記録面上の集光スポットの球面収差をオーバー又は
最適にする屈折機能と、光軸を中心とする同心環状の複
数の輪帯が互いに異なる厚さを持つように形成されてい
るとともに、ある一つの輪帯を通過する光線の光路長を
この輪帯より光軸に近い他の輪帯を通過する光線の光路
長より使用基準波長λ0のほぼ整数倍だけ長くする光路
差付与機能とを有する光学素子を配置する。また、使用
基準温度T0の上下60(30)[℃]の範囲で、集光
スポットにおける波面収差を、0.14λ(0.07
λ)以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体の
情報記録面に光束を集光させる光ピックアップ装置、お
よび光ピックアップ装置に用いられる光学素子(レン
ズ)に関する。
【0002】
【従来の技術】MO、CD、DVDなどの光ディスク
(光情報記録媒体)に対してデータを記録し、また再生
するための光ピックアップ装置が開発され、様々な用途
で用いられている(例えば、特許文献1参照)。これら
の光ピックアップ装置では、波面が均一にそろえられた
レーザ光束(光束)が用いられ、このレーザ光束を光情
報記録媒体の記録面上に収差がない状態に集光して集光
スポットを形成するためのレンズ(光学素子)が用いら
れている。このレンズには、素材やその成型にかかるコ
ストが小さいなどの面で、ガラスよりもプラスチックで
形成されるのが好ましい。
【0003】ここで、光ピックアップ装置は、その設置
箇所の気温の変動や、装置の動作時の発熱などにより、
温度の変化にさらされる。光ピックアップ装置の温度が
上昇すると、一般に、レーザ発振器から出射されるレー
ザ光束の波長が長くなる。また、プラスチックレンズ
は、その温度が上昇すると屈折率が下がる特性を持って
いる。この2つの要因により、光ピックアップ装置を設
計する際に想定した使用基準温度T0から温度が上昇す
ると、光ピックアップ装置の光学系の焦点距離が長くな
って、集光スポットが光情報記録媒体の記録面からずれ
てしまう(光線収差が発生する)とともに、集光スポッ
トにおける波面収差が大きくなり、光情報記録媒体にデ
ータを読み書きするのに支障を生じる。
【0004】このような光ピックアップ装置の温度の変
化は急激に生じるものではないため、温度の変化に対応
してプラスチックレンズをアクチュエータで光軸方向に
移動させ、光情報記録媒体の情報記録面上で、集光スポ
ットの波面収差が最小となるようにすることができる。
しかし、アクチュエータによって波面収差を最小として
も、この波面収差の最小値が一定値以下、具体的には
0.07λrms以下に抑えられない場合には光情報記
録媒体にデータを読み書きするのに依然として支障を生
じてしまう。従って、集光スポットの波面収差は0.0
7λrms以下となることが望ましく、この場合には光
情報記録媒体の読み書きに好適な集光スポットを形成す
ることができる。なお、温度の変化が使用基準温度T0
の上下60[℃]の範囲で波面収差の最小値が0.14
λrms以下となる場合には、実使用環境と想定される
使用温度範囲、即ち使用基準温度T0の上下30℃の範
囲では、波面収差の最小値は凡そ0.07λrms以下
となる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−287948号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光ピックア
ップ装置の温度が、使用基準温度T0に対して変化した
場合に、波面収差を抑え、光情報記録媒体へのデータの
読み書き時のエラーを防止できる、光ピックアップ装
置、および光ピックアップ装置に用いられる光学素子を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光情報記録媒体の情報記録面に光束を集光させる光
ピックアップ装置に用いられる光学素子であって、光軸
に対して同心円に区分され、互いに光軸方向に異なる厚
みを有する複数の輪帯を備え、前記複数の輪帯における
所定の輪帯を通過する光線の光路長を、前記所定の輪帯
に対して前記光軸側に隣り合う他の輪帯を通過する光線
の光路長よりも使用基準波長λ0の略整数倍だけ長くす
る光路差付与機能と、前記使用基準波長λ0の光束が前
記情報記録面に集光される集光スポットの球面収差を最
適にする屈折機能とを有し、使用基準温度T0において
前記使用基準波長λ0の光束をほぼ波面収差なく前記情
報記録面に集光し、使用基準温度T0とは異なる使用温
度T(|T−T0|<60[℃])において、使用基準
波長λ0とは異なる使用波長λの光束を、波面収差が
0.14λrms以下となるように前記情報記録面に集
光することを特徴とする。
【0008】ここで、請求項1記載の発明は、光情報記
録媒体の情報記録面に光束を集光させる光ピックアップ
装置に用いられる光学素子であって、光ピックアップ装
置の光学系における光軸上に配置され、光軸を中心とす
る同心円で複数の輪帯に区分され、これら各輪帯は、互
いに異なる光軸方向の厚みを持つように形成されている
とともに、ある一つの輪帯を通過する光線の光路長を、
この輪帯に隣接し、かつこの輪帯より光軸に近い他の輪
帯を通過する光線の光路長よりも、使用基準波長λ0
ほぼ整数倍だけ長くする光路差付与機能と、同光学系の
光軸上に配置され、使用基準波長λ0の光束が入射する
際に前記情報記録面上に形成される集光スポットの球面
収差を最適にする屈折機能とを備え、使用基準温度T0
において、この光学素子を通過する使用基準波長λ0
光束は、前記情報記録面にほぼ収差なく集光し、使用基
準温度T0とは異なる使用温度T(|T−T0|<60
[℃])において、この光学素子を通過する使用基準波
長λ0とは異なる使用波長λの光束によって形成される
集光スポットにおける波面収差は、0.14λrms以
下であることを特徴とするものとしても良い。
【0009】また、使用基準温度T0とは、光ピックア
ップ装置が使用される環境の温度変化範囲内にある、常
温(10〜40[℃]程度)のことである。また、使用
基準波長λ0とは、光ピックアップ装置に用いられる光
源が使用基準温度T0において出射する光束の波長であ
り、使用波長λとは、同光源が使用温度Tにおいて出射
する光束の波長である。また、ここで言う「球面収差を
最適にする」とは、光線収差がほぼ無収差(縦球面収差
の変動幅が0.01mmより小)であることを意味す
る。また、使用基準波長λ0の略整数倍とは、光路差付
与量をΔL、kを任意の整数とした場合に、 (k−0.2)λ0≦ΔL≦(k+0.2)λ0 で表される範囲を意味する。また、情報記録面にほぼ波
面収差なく集光するとは、集光スポットの波面収差の大
きさが0.030λrms以下であることを示す。ま
た、光学素子とは、例えばプラスチックなど、屈折率が
温度依存性を持つ材料などから形成された光学素子であ
る。なお、以下の説明においては、便宜的に光学素子
を、光路差付与機能を有する部分(以下、第一光学素子
部とする)と屈折機能を有する部分(以下、第二光学素
子部とする)とに分けて説明を行うが、第一光学素子部
と第二光学素子部とは一体に形成されていても良いし、
別体として形成されていても良い。
【0010】請求項1記載の発明によれば、使用基準温
度T0においては、使用基準波長λ0の光束が入射する際
に、第一光学素子部によって付与される位相差はほぼな
く、第二光学素子部の屈折機能により集光される光の球
面収差が最適であるため、第一光学素子と第二光学素子
とを通過した光束は、ほぼ収差なく集光する。
【0011】使用基準温度T0とは異なる使用温度T
(|T−T0|<60[℃])においては、使用基準波
長λ0とは異なる使用波長λの光束が入射すると、第二
光学素子部の分散の影響と、第二光学素子部の屈折率の
温度依存性から、第二光学素子部を備える光学系による
集光スポットでは、波面収差が生じる。このように温度
が使用基準温度T0に対して変化した際に生じる波面収
差は、例えば以下のようにして形成された第一光学素子
部によって0.14λrms以下に抑えられる。
【0012】第一光学素子部の光路差付与機能による位
相差付与量Ψ(λ0,T0)と、輪帯の光軸方向の厚みの
差dとの関係は、n(λ0,T0)を屈折率、kを整数と
して、次式
【数1】 と表される。ここで言う、輪帯の厚みの差dとは、図1
に示すように、ある輪帯と、光軸を含む第1輪帯の延長
との、光軸方向の厚みの差を意味している。第1輪帯
は、非球面式で表され、その式にしたがって延長され
る。光学系の置かれる環境の温度と、光学系に入射する
光束の使用波長とが、それぞれ使用基準温度T0から使
用温度Tに、使用基準波長λ0から使用波長λに変化す
ることによる、位相差付与量の変化量ΔΨ(T)は、温
度が単位温度だけ上昇したときの、光学素子の線膨張率
をα、入射波長の変化量をβ、光学素子の屈折率の変化
(入射波長の変化量βによる屈折率の変化を含む)をγ
として、次式
【数2】 と表される。第一光学素子部がプラスチックでできてい
る場合、第一光学素子部の輪帯の厚みの差dがガラスに
比べて熱膨張により変化しやすく、この変化によって位
相差付与量に変化が生じる。しかしながら、この変化量
は、第一光学素子部の屈折率の温度依存性による位相差
付与量の変化量や、入射波長の温度依存性による位相差
付与量の変化量に比べると、無視できるほど小さい。こ
の位相差付与量の変化量ΔΨ(T)と、第二光学素子部
の屈折率の変化で生じる波面収差とが打ち消し合う方向
に、第一光学素子部の輪帯の厚みを形成した結果、形成
される集光スポットの波面収差が最小となる光軸上の位
置には自由度がある。その位置を、使用基準温度T0
おいて使用基準波長λ0の光束が入射した場合の最適な
集光スポット位置よりもアンダー側に設定すると、第一
光学素子部の光路差付与機能によって付与される位相差
は、入射光束が光軸から遠ざかるにつれて、長くなる。
また、輪帯の厚みの差dと、各輪帯の、光軸に垂直な方
向の内径および外径は、対象とする光学系の使用基準波
長λ0、光学素子を構成する素材、開口数によって決ま
る。なお、ここで言う「アンダー」とは、入射光線が光
軸から離れるにつれて、入射光線が光軸と交わる位置が
第二光学素子部に近づくことを意味する。ただし、局所
的に、あるいは開口数の高い一部の領域において、光学
素子より遠い側で光軸と交わる場合も含む。
【0013】つまり、温度が使用基準温度T0の上下6
0[℃]の範囲で変化した際に生じる波面収差は、第一
光学素子部の光路差付与機能により付与される位相差に
よって打ち消される結果、0.14λrms以下に抑え
られることとなる。従って、実使用環境と想定される使
用温度範囲、即ち使用基準温度T0の上下30[℃]の
範囲では、波面収差は凡そ0.07λrms以下とな
る。よって、光ピックアップ装置の温度が使用基準温度
0の場合は勿論のこと、使用基準温度T0に対して変化
した場合であっても波面収差を抑えることができるた
め、光情報記録媒体へのデータの読み書き時のエラーを
防止することができる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
学素子において、前記使用温度Tが|T−T0|<30
[℃]の場合、前記使用基準波長λ0とは異なる使用波
長λの光束を、波面収差が0.07λrms以下となる
ように前記情報記録面に集光することを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明によれば、請求項1に
記載の発明と同様の効果が得られるとともに、使用温度
Tが|T−T0|<30[℃]の場合に、使用波長λの
光束は、波面収差が0.07λrms以下となるように
集光される。このように、光ピックアップ装置の温度が
使用基準温度T0に対して変化した場合であっても波面
収差を確実に抑えることができるため、光情報記録媒体
へのデータの読み書き時のエラーを確実に防止すること
ができる。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の光ピックアップ装置において、前記使用基準
波長λ0は、 400nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、
使用基準波長λ0は400nm<λ0<800nmである
ので、CD−RWやDVD、高密度DVD等にデータを
読み書きするのに適する。なお、高密度DVDとは、D
VDと同程度の大きさで、DVDよりも大容量の光情報
記録媒体である。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
光学素子において、前記使用基準波長λ0は、 700nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、使用基
準波長λ0は、700nm<λ0<800nmであるの
で、特にCD−RWにデータを読み書きするのに適す
る。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に
記載の光ピックアップ装置において、前記輪帯の数は3
〜60の何れかであることを特徴とする。
【0021】使用基準温度T0において使用基準波長λ0
の光束が入射した場合の最適な集光スポットよりアンダ
ー側において、温度、波長変化時に屈折機能によって生
じる波面誤差は開口数が大きくなるにつれて増大する。
ここで言う「波面誤差」とは、近軸光線の波面のずれと
特定の開口数に相当する光線の波面のずれとの差のこと
である。開口数が小さいと、波面誤差を補正するのに必
要となる輪帯の数は、波面誤差の最大値を位相差付与量
の変化量ΔΨ(T)で割ったものにほぼ等しい。しか
し、第一光学素子部と第二光学素子部とが一体に形成さ
れている場合には、特に開口数が大きくなるにつれて、
その値からのずれが大きくなる。使用基準波長λ0の光
束が入射したときに波面収差が最小となる集光スポット
の位置における、波長が変化した場合の波面収差を、光
情報記録媒体にデータを読み書きするのに必要な範囲で
幅を持たせることにより、輪帯の数が波面誤差の最大値
を位相差付与量の変化量ΔΨ(λ)で割った数より小さ
くても、温度変化時に読み取りエラーを生じることはな
い。CD−RWにデータを読み書きするためには、輪帯
の数が3〜60であるのが望ましい。つまり、輪帯の数
を3〜60とすることにより、特にCD−RWに確実に
データを読み書きすることができる。また、一般に、輪
帯数が少ないほど波面収差は大きくなるが、光学素子の
加工が容易になるという利点がある。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
何れか一項に記載の光学素子において、入射する発散光
を前記情報記録面に集光可能であるように形成されたこ
とを特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜
5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られると
ともに、半導体レーザー等のレーザー光源から発散して
出射されるレーザー光束を情報記録面に集光することが
できるため、レーザー光源と第一光学素子との間に、発
散光を平行光束に変換するためのコリメータレンズ等を
設ける必要がない。従って、コリメータレンズ等を必要
としない分、光ピックアップ装置の構成を小型化するこ
とができる。
【0024】請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何
れか一項に記載の光学素子において、前記光軸にほぼ平
行に入射する光線からなる光束を前記情報記録面に集光
可能であり、この光束のうち最も光軸から離れた位置で
光学機能面を通過する光線が前記屈折機能により光軸と
交わる位置と、近軸光線が前記屈折機能により光軸と交
わる位置との距離が0.03mm以下であることを特徴
とする。ここで「光学機能面を通過する光線」とは、光
学素子を通過する光線を意味する。また、「最も光軸か
ら離れた位置で光学機能面を通過する光線」とは、光学
素子の開口数に相当する光線のことを示す。
【0025】請求項7記載の発明によれば、請求項1〜
5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られると
ともに、光軸にほぼ平行に入射する光線からなる光束を
情報記録面に集光可能であり、この光束のうち、最も光
軸から離れた位置で前記光学素子を通過する光線が、前
記屈折機能により光軸と交わる位置と、近軸光線が前記
屈折機能により光軸と交わる位置との距離が0.03m
m以下であるので、使用基準温度T0において使用基準
波長λ0の光束が入射した場合、光路差付与機能と屈折
機能とにより、ほぼ無収差となる。また、使用基準温度
0とは異なる使用温度T(|T−T0|<60[℃]、
または、|T−T0|<30[℃])において使用基準
波長λ0とは異なる使用波長λの光束が入射した場合、
光路差付与機能と屈折機能とにより、ほぼ無収差とな
る。したがって、光情報記録媒体にデータを読み書きす
るために必要な回折限界以下に抑えることができる。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項6または7
記載の光学素子において、前記光軸に対して12.5度
以下の光線からなる光束が入射された場合、この光束の
うち前記光軸から最も離れた位置で光学機能面を通過す
る光線が前記屈折機能により前記光軸と交わる位置と、
近軸光線が前記屈折機能により前記光軸と交わる位置と
の距離が0.02mm以下であることを特徴とする。こ
こで「光学機能面を通過する光線」とは、光学素子を通
過する光線を意味する。また、「最も光軸から離れた位
置で光学機能面を通過する光線」とは、光学素子の開口
数に相当する光線のことを示す。
【0027】請求項8に記載の発明によれば、請求項6
または7に記載の発明と同様の効果が得られるととも
に、光軸に対して12.5度以下の光線からなる光束が
光学素子に入射された場合、この光束のうち、最も光軸
から離れた位置で光学素子を通過する光線が、前記屈折
機能により光軸と交わる位置と、近軸光線が前記屈折機
能により光軸と交わる位置との距離が0.02mm以下
であるので、使用基準温度T0において使用基準波長λ0
の光束が入射した場合、光路差付与機能と屈折機能とに
より、ほぼ無収差となる。また、使用基準温度T0とは
異なる使用温度T(|T−T0|<60[℃]、また
は、|T−T0|<30[℃])において使用基準波長
λ0とは異なる使用波長λの光束が入射した場合、光路
差付与機能と屈折機能とにより、ほぼ無収差となる。し
たがって、集光スポットの波面収差最小値を、光情報記
録媒体にデータを読み書きするために必要な回折限界以
下に抑えることができる。
【0028】請求項9記載の発明は、請求項1〜8の何
れか一項に記載の光学素子において、所定の基板厚を有
する第一光情報記録媒体の情報記録面に使用波長λ1
光束を、情報の記録または再生可能に集光するととも
に、前記所定の基板厚以上の基板厚を有する第二光情報
記録媒体の情報記録面に使用波長λ2(λ1<λ2)の光
束を、情報の記録または再生可能に集光することを特徴
とする。
【0029】請求項9記載の発明によれば、請求項1〜
8の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られると
ともに、互いに基板厚の異なる第一光情報記録媒体と第
二光記録媒体とにデータを読み書きすることができる。
即ち、光ピックアップ装置に、第一光情報記録媒体と第
二光記録媒体とに対する互換性を持たせることができ
る。
【0030】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
光学素子において、前記使用波長λ1と前記使用波長λ2
とは、それぞれ 600nm≦λ1≦700nm 700nm≦λ2≦800nm であり、前記使用波長λ1の光による集光スポットの開
口数NA1と、前記使用波長λ2の光による集光スポッ
トの開口数NA2とは、 NA1>NA2 であることを特徴とする。
【0031】請求項10記載の発明によれば、使用波長
λ1と前記使用波長λ2とがそれぞれ600nm≦λ1
700nm、700nm≦λ2≦800nmであるの
で、DVDを第一光情報記録媒体として用いるととも
に、CD−RWを第二光情報記録媒体として用い、請求
項1〜8の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得る
ことができる。
【0032】請求項11記載の発明は、請求項9または
10記載の光学素子において、前記複数の輪帯は、光学
機能面の一部の領域に形成されており、前記使用波長λ
1の光束のうち前記複数の輪帯を通過した光束は、前記
第一光情報記録媒体の情報記録面に形成される第一の集
光スポットが情報を記録または再生可能な状態となるよ
うに集光され、前記使用波長λ2の光束のうち前記複数
の輪帯を通過した光束は、前記第二光情報記録媒体の情
報記録面に形成される第二の集光スポットが情報を記録
または再生可能な状態となるようには集光されないこと
を特徴とする。ここで、「光学機能面の一部」とは、例
えば光学機能面上において、開口数NA2より大きく開
口数NA1以下の光線が通過する領域の一部である。
【0033】請求項11記載の発明によれば、請求項9
または10記載の発明と同様の効果が得られるととも
に、前記複数の輪帯は光学機能面の一部の領域に形成さ
れ、使用波長λ1の光束のうちこれら複数の輪帯を通過
した光束は、第一光情報記録媒体の情報記録面に形成さ
れる第一の集光スポットが情報を記録または再生可能な
状態となるように集光され、使用波長λ2の光束のうち
複数の輪帯を通過した光束は第二光情報記録媒体の情報
記録面に形成される第二の集光スポットが情報を記録ま
たは再生可能な状態となるようには集光されない。従っ
て、第二光情報記録媒体へのデータの読み書きに影響を
与えることなく、第一光情報記録媒体へのデータの読み
書きの際のみに、光ピックアップ装置の温度変化に起因
して生じる波面収差を抑えることができる。つまり、第
一光情報記録媒体へのデータの読み書きの確実性を変化
させずに、第二光情報記録媒体へのデータの読み書きの
確実性を高めることができる。
【0034】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の光学素子において、前記光学機能面のうち前記一部の
領域以外の領域には、情報を記録または再生可能に前記
第一光情報記録媒体の情報記録面に前記使用波長λ1
光束を集光するとともに、情報を記録または再生可能に
前記第二光情報記録媒体の情報記録面に前記使用波長λ
2の光束を集光する互換用構造が形成されていることを
特徴とする。
【0035】請求項12記載の発明によれば、請求項1
1記載の発明と同様の効果が得られるとともに、互換用
構造を通過する使用波長λ1の光束は情報を記録または
再生可能に第一光情報記録媒体の情報記録面に集光さ
れ、かつ互換用構造を通過する使用波長λ2の光束は情
報を記録または再生可能に第二光情報記録媒体の情報記
録面に集光されるので、互換用構造に使用波長λ1,λ2
の光束をそれぞれ入射させることにより、第一光情報記
録媒体と第二光記録媒体とに確実にデータを読み書きす
ることができる。
【0036】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の光学素子において、前記互換用構造は、回折構造であ
ることを特徴とする。
【0037】請求項13記載の発明によれば、回折構造
を有する光学素子によって請求項12に記載の発明と同
様の効果が得られる。
【0038】請求項14記載の発明は、請求項12記載
の光学素子において、前記互換用構造は、前記光学機能
面のうち前記一部の領域以外の領域に、前記光軸に対し
て同心円に区分され、互いに光軸方向に異なる厚みを有
する複数の輪帯によって形成され、この互換用構造に入
射する光線は各輪帯の表面によって屈折され、前記集光
スポットの波面収差が最小となる像面位置における、前
記互換用構造の各輪帯を通過した光線の位相と、前記情
報記録面上の集光スポットの平均位相との位相差φは、 −0.5π≦φ≦0.5π (ここで、π:円周率)となることを特徴とする。
【0039】ここで、集光スポットとは、情報の記録ま
たは再生可能に光が集められた集光部分をいう。請求項
14記載の発明によれば、請求項12記載の発明と同様
の効果が得られるとともに、前記位相差φは−0.5π
≦φ≦0.5πとなるので、光ピックアップ装置の温度
変化に起因して生じる波面収差を、記録再生に問題ない
程度に抑えることができる。
【0040】請求項15記載の発明は、請求項1〜14
の何れか一項に記載の光学素子において、前記使用波長
λと屈折率nとの温度変化による変化率dλ/dT、d
n/dTは、それぞれ、 0.05[nm/℃]<dλ/dT<0.5[nm/
℃]−0.0002[/℃]<dn/dT<−0.00
005[/℃] であることを特徴とする。
【0041】請求項15記載の発明によれば、請求項1
〜14の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られ
るとともに、この光学系に入射する光束の使用波長λ
と、前記第2の光学素子の屈折率nとの、温度変化によ
る変化率dλ/dT、dn/dTは、それぞれ、 0.05[nm/℃]<dλ/dT<0.5[nm/
℃]−0.0002[/℃]<dn/dT<−0.00
005[/℃] であるので、光情報記録媒体に対する情報の読み書きの
精度がいっそう高まる。
【0042】請求項16に記載の発明は、請求項1〜1
5のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、プ
ラスチックからなることを特徴とする。
【0043】請求項16に記載の発明によれば、請求項
1〜15のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られ
るとともに、光学素子がプラスチックからなるので、成
形を行いやすく、ガラスなどに比較して素材のコストも
低く、軽いため、光ピックアップ装置を軽量かつ安価な
ものにできる。
【0044】請求項17記載の発明は、請求項1〜16
の何れか一項に記載の光学素子において、前記光軸上に
それぞれ配置された、前記光路差付与機能を有する第一
光学素子と、前記屈折機能を有する第二光学素子とを備
えることを特徴とする。
【0045】請求項17記載の発明によれば、請求項1
〜16のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られる
とともに、光路差付与機能と屈折機能とを独立して設計
を行うことができるため、より設計が容易となる。ま
た、第二光学素子に更なる光学的機能を持たせることも
できる。
【0046】請求項18記載の発明によれば、光情報記
録媒体の情報記録面に光束を集光させる光ピックアップ
装置であって、光学系における光軸上に配置された光学
素子を備え、この光学素子は、前記光軸に対して同心円
に区分され、互いに光軸方向に異なる厚みを有する複数
の輪帯を備えるとともに、前記複数の輪帯における所定
の輪帯を通過する光線の光路長を、前記所定の輪帯に対
して前記光軸側に隣り合う他の輪帯を通過する光線の光
路長よりも使用基準波長λ0の略整数倍だけ長くする光
路差付与機能と、前記使用基準波長λ0の光束が前記情
報記録面に集光される集光スポットの球面収差を最適に
する屈折機能とを有し、かつ使用基準温度T0において
前記使用基準波長λ0の光束をほぼ波面収差なく前記情
報記録面に集光し、使用基準温度T0とは異なる使用温
度T(|T−T0|<60[℃])において、使用基準
波長λ0とは異なる使用波長λの光束を、波面収差が
0.14λrms以下となるように前記情報記録面に集
光することを特徴とする。
【0047】ここで、請求項18記載の発明は、光情報
記録媒体の情報記録面に光束を集光させる光ピックアッ
プ装置であって、この光ピックアップ装置の光学系にお
ける光軸上に配置され、光軸を中心とする同心円で複数
の輪帯に区分され、これら各輪帯は、光軸方向に互いに
異なる厚さを持つように形成されているとともに、ある
一つの輪帯を通過する光線の光路長を、この輪帯に隣接
し、かつこの輪帯より光軸に近い他の輪帯を通過する光
線の光路長よりも、使用基準波長λ0のほぼ整数倍だけ
長くする光路差付与機能を有する第1の光学素子と、同
光学系の光軸上に配置され、使用基準波長λ0の光束が
入射する際に前記情報記録面上に形成される集光スポッ
トの球面収差を最適にする屈折機能を有する第2の光学
素子とを有し、使用基準温度T0において、使用基準波
長λ0の光束は、前記情報記録面にほぼ収差なく集光
し、使用基準温度T0とは異なる使用温度T(|T−T0
|<60[℃])において、使用基準波長λ0とは異な
る使用波長λの光束によって形成される集光スポットに
おける波面収差は、0.14λrms以下であることを
特徴とするものとしても良い。
【0048】請求項18記載の発明においては、使用基
準温度T0において使用基準波長λ0の光束が入射する際
に、この光学素子の屈折機能による球面収差はオーバー
になるように設計される。しかしながら、この光学素子
は、屈折機能と光路差付与機能との双方を有するため、
入射光線に対して、実質的に光学素子が厚くなった場合
と同様の効果が生じる。図1に示すように、屈折機能の
みを備える光学素子を通過する光線に比べて、光学素子
が屈折機能と光路差付与機能とを備える光学素子を通過
する光線の、光学素子内における光路長は長くなり、そ
の結果として、光学素子の屈折機能によりオーバーであ
った球面収差が、アンダーとなる作用を受け、ほぼ無収
差になるのである。ここで言う「オーバー」とは、入射
光線が光軸から離れるにつれて、入射光線が光軸と交わ
る位置が光学素子に近づくことを意味する。また、ここ
で言う「アンダー」とは、オーバーの逆であり、入射光
線が光軸から離れるにつれて、入射光線が光軸と交わる
位置が光学素子に近づくことを意味する。ただし、局所
的に、あるいは開口数の高い一部の領域において、光学
素子より遠い側で光軸と交わる場合も含む。
【0049】請求項18記載の光学素子において、光路
差付与機能による位相差付与量と輪帯の光軸方向の厚み
の差dとの関係式には、光学素子の入射面に入射した光
線の屈折角などの要素も含まれ、複雑な式となるが、基
本的な技術は請求項1記載の発明と同様である。屈折機
能を有する非球面の面形状を、単に光路長差分だけ光軸
方向にシフトさせることにより、単体の光学素子として
光路差付与機能と屈折機能とを兼ね備えるものが得られ
る場合がある。しかしながら、開口数が大きくなり、光
学素子の面の曲率半径が小さくなると、光路長を厳密に
考慮する必要が生じるため、屈折機能を有する非球面の
面形状を、光路長差分だけ光軸方向にシフトさせるだけ
では、上記の機能を達成できない場合がある。このよう
な場合には、屈折機能を果たす屈折面の形状をも変化さ
せることで、光路差付与機能と屈折機能とを兼ね備える
光学素子となる。このようにして、光学系の置かれる環
境の温度、光学系に入射する使用波長が変化した際の、
集光スポットの波面収差が最小となる光軸方向の位置に
おける波面収差が0.14λrms以下であることによ
り、集光スポットの強度を、光情報記録媒体にデータを
読み書きするために好適なものとすることができる。つ
まり、光ピックアップ装置の温度が使用基準温度T0
上下60[℃]の範囲内で変化した際に生じる波面収差
は、光学素子によって0.14λrms以下となるの
で、実使用環境と想定される使用温度範囲、即ち使用基
準温度T0の上下30[℃]の範囲では、波面収差は凡
そ0.07λrms以下となる。これにより、光ピック
アップ装置の温度が使用基準温度T0の場合は勿論のこ
と、使用基準温度T0に対して変化した場合であっても
波面収差を抑えることができるため、光情報記録媒体へ
のデータの読み書き時のエラーを防止することができ
る。
【0050】請求項19の発明は、請求項18記載の光
ピックアップ装置において、前記光学素子は、前記使用
温度Tが|T−T0|<30[℃]の場合、前記使用基
準波長λ0とは異なる使用波長λの光束を、波面収差が
0.07λrms以下となるように前記情報記録面に集
光することを特徴とする。
【0051】請求項19記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0052】請求項20記載の発明は、請求項18また
は19記載の光ピックアップ装置において、前記使用基
準波長λ0は、 400nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする。請求項20記載の発明によれ
ば、請求項3に記載の発明と同様の効果を得ることがで
きる。
【0053】請求項21記載の発明は、請求項20記載
の光ピックアップ装置において、前記使用基準波長λ0
は、 700nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする。請求項21記載の発明によれ
ば、請求項4に記載の発明と同様の効果を得ることがで
きる。
【0054】請求項22記載の発明は、請求項18〜2
1記載の光ピックアップ装置において、前記光学素子に
形成された前記輪帯の数は3〜60の何れかであること
を特徴とする。請求項22記載の発明によれば、請求項
5に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0055】請求項23記載の発明は、請求項18〜2
2の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記光学素子には発散光が入射されることを特徴とす
る。請求項23記載の発明によれば、請求項6に記載の
発明と同様の効果を得ることができる。
【0056】請求項24記載の発明は、請求項18〜2
3の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記光学素子は、前記光軸にほぼ平行に入射する光線か
らなる光束を前記情報記録面に集光可能であり、この光
束のうち最も光軸から離れた位置で前記光学素子を通過
する光線が、前記屈折機能により光軸と交わる位置と、
近軸光線が前記屈折機能により光軸と交わる位置との距
離が0.03mm以下であることを特徴とする。請求項
24記載の発明によれば、請求項7記載の発明と同様の
効果を得ることができる。
【0057】請求項25記載の発明は、請求項23また
は24記載の光ピックアップ装置において、前記光軸に
対して12.5度以下の光線からなる光束が前記光学素
子に入射された場合、この光束のうち前記光軸から最も
離れた位置で前記光学素子を通過する光線が前記屈折機
能により前記光軸と交わる位置と、近軸光線が前記屈折
機能により前記光軸と交わる位置との距離が0.02m
m以下であることを特徴とする。請求項25記載の発明
によれば、請求項8記載の発明と同様の効果を得ること
ができる。
【0058】請求項26記載の発明は、請求項18〜2
5の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
使用波長λ1の光束を出射する第一光源と、使用波長λ2
(λ1<λ2)の光束を出射する第二光源とを有し、所定
の基板厚を有する第一光情報記録媒体に前記使用波長λ
1の光束を集光することにより情報の記録または再生を
行うとともに、前記所定の基板厚以上の基板厚を有する
第二光情報記録媒体に前記使用波長λ 2の光束を集光す
ることにより情報の記録または再生を行うことを特徴と
する。
【0059】請求項26記載の発明によれば、請求項9
に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0060】請求項27記載の発明は、請求項26記載
の光ピックアップ装置において、前記使用波長λ1と前
記使用波長λ2とは、それぞれ 600nm≦λ1≦700nm 700nm≦λ2≦800nm であり、前記使用波長λ1の光による集光スポットの開
口数NA1と、前記使用波長λ2の光による集光スポッ
トの開口数NA2とは、 NA1>NA2 であることを特徴とする。請求項27記載の発明によれ
ば、請求項10に記載の発明と同様の効果を得ることが
できる。
【0061】請求項28記載の発明は、請求項26また
は27記載の光ピックアップ装置において、前記複数の
輪帯は、前記光学素子の光学機能面の一部の領域に形成
されており、前記使用波長λ1の光束のうち前記複数の
輪帯を通過した光束は、前記第一光情報記録媒体の情報
記録面に形成される第一の集光スポットが情報を記録ま
たは再生可能な状態となるように集光され、前記使用波
長λ2の光束のうち前記複数の輪帯を通過した光束は、
前記第二光情報記録媒体の情報記録面に形成される第二
の集光スポットが情報を記録または再生可能な状態とな
るようには集光されないことを特徴とする。
【0062】請求項28記載の発明によれば、請求項1
1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0063】請求項29記載の発明は、請求項28記載
の光ピックアップ装置において、前記光学素子の前記光
学機能面のうち前記一部の領域以外の領域には、情報を
記録または再生可能な状態に前記第一光情報記録媒体の
情報記録面に前記使用波長λ1の光束を集光するととも
に、情報を記録または再生可能な状態に前記第二光情報
記録媒体の情報記録面に前記使用波長λ2の光束を集光
する互換用構造が形成されていることを特徴とする。請
求項29記載の発明によれば、請求項12に記載の発明
と同様の効果を得ることができる。
【0064】請求項30記載の発明は、請求項29記載
の光ピックアップ装置において、前記光学素子の前記互
換用構造は、回折構造であることを特徴とする。請求項
30記載の発明によれば、請求項13に記載の発明と同
様の効果を得ることができる。
【0065】請求項31記載の発明は、請求項29記載
の光ピックアップ装置において、前記光学素子の前記互
換用構造は、前記光学機能面のうち前記一部の領域以外
の領域に、前記光軸に対して同心円に区分され、互いに
光軸方向に異なる厚みを有する複数の輪帯によって形成
され、この互換用構造に入射する光線は各輪帯の表面に
よって屈折され、前記集光スポットの波面収差が最小と
なる像面位置における、前記互換用構造の各輪帯を通過
した光線の位相と、前記情報記録面上の集光スポットの
平均位相との位相差φは、 −0.5π≦φ≦0.5π (ここで、π:円周率)となることを特徴とする。
【0066】請求項31記載の発明によれば、請求項1
4に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0067】請求項32記載の発明は、請求項18〜3
1の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記使用波長λと前記光学素子の屈折率nとの温度変化
による変化率dλ/dT、dn/dTは、それぞれ、 0.05[nm/℃]<dλ/dT<0.5[nm/
℃]−0.0002[/℃]<dn/dT<−0.00
005[/℃] であることを特徴とする。
【0068】請求項32記載の発明によれば、請求項1
5に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0069】請求項33記載の発明は、請求項18〜3
2の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記光学素子はプラスチックからなることを特徴とす
る。請求項33記載の発明によれば、請求項16に記載
の発明と同様の効果を得ることができる。
【0070】請求項34記載の発明は、請求項18〜3
3の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記光学素子は、前記光軸上にそれぞれ配置された、前
記光路差付与機能を有する第一光学素子と、前記屈折機
能を有する第二光学素子とを備えることを特徴とする。
請求項34記載の発明によれば、請求項17に記載の発
明と同様の効果を得ることができる。
【発明の実施の形態】本発明の光ピックアップ装置、お
よび光学素子の実施の形態を、図面を参照して説明す
る。図2、図3は、後述する第1および第2の実施の形
態の光ピックアップ装置1,2の全体構成の概略図であ
る。第1および第2の実施の形態の光ピックアップ装置
1,2は、レーザー発振器L1から出射される使用基準
波長λ0がそれぞれ785nm、または780nmのレ
ーザー光束を、第1の実施の形態では、コリメータレン
ズ14と後述する多輪帯位相差レンズ11とを通過さ
せ、第2の実施の形態では、多輪帯位相差レンズ21を
通過させて、光軸6上でCD−RW(光情報記録媒体)
8の情報記録面8aに集めて集光スポットを形成し、C
D−RW8の情報記録面8aからの反射光を、偏光ビー
ムスプリッタ13,23で取り込み、検出器L2の受光
面に再びビームスポットを形成するものである。多輪帯
位相差レンズ11,21は、アクチュエータ12,22
によって、光軸6方向に可動とされている。
【0071】図4、図5は、第1および第2の実施の形
態における多輪帯位相差レンズ11,21の概略を示す
側面図、正面図である。第1および第2の実施の形態に
おける多輪帯位相差レンズ11,21は、本発明に係る
光ピックアップ装置における第一光学素子と第二光学素
子とが一体に形成されたもの、または本発明に係る光学
素子の一例である。
【0072】〔第1の実施の形態〕本実施の形態の光ピ
ックアップ装置1は、CD−RWの読み書きを行うため
に設計されたものであって、使用基準温度T0=25
[℃]、使用基準波長λ0=785nmである。また、
各使用温度T=T0−60〜T0+60[℃]において、
CD−RW8の情報記録面8aに形成される集光スポッ
ト7aにおける波面収差が最小になるように、光学系1
の多輪帯位相差レンズ11がアクチュエータ12により
光軸6方向に移動されるようになっている。使用基準温
度T0において、使用基準波長λ0=785nm、光学系
の開口数NAは0.5、焦点距離は3.4mmに設計さ
れている。
【0073】この光ピックアップ装置1に用いられてい
る多輪帯位相差レンズ11の輪帯最外半径は1.720
mmであり、屈折面(第1面11A、第2面11B)の
形状、屈折率が、以下のように設定されている。
【0074】多輪帯位相差レンズ11のレンズデータを
表1に示す。
【表1】 表1において、面番号1,2はそれぞれ、多輪帯位相差
レンズ11の第1面11A、第2面11Bである。面番
号3,4はそれぞれ、CD−RW8のディスク表面、記
録層8aである。
【0075】多輪帯位相差レンズ11の第1面11Aと
第2面11Bの形状を以下に示す。第1面11Aは、図
4に破線で示す母非球面を、11a光軸方向に、光軸6
を中心とした同心円上の輪帯101〜131に分割され
ていて、光軸6から離れるにしたがって、厚みが増すよ
うに形成されている。隣り合う2つの輪帯の間の段差
は、ある一つの輪帯を通過する光線と、その隣の輪帯を
通過する光線との間に使用基準波長λ0のほぼ整数倍の
光路差を生じ、かつ波面のずれが生じない長さに設定さ
れている。
【0076】多輪帯位相差レンズ11の第1面11Aの
母非球面と、第2面11Bとは、それぞれ、次式に、表
2に示す係数を代入した数式で規定される、光軸6周り
に対称な非球面に形成されている。
【数3】
【表2】
【0077】多輪帯位相差レンズ11の第1面11Aに
形成された、各輪帯101〜131の母非球面11aに
対する光軸方向の変位量を、表3に示す。表3におい
て、第1輪帯に対する光軸6方向の変位量は、多輪帯位
相差レンズ11の第1面11Aから第2面11Bに向か
う方向を正としている。
【表3】
【0078】このように、多輪帯位相差レンズ11は、
1つの非球面式で表される光学面形状(母非球面)を光
軸を中心とする同心円により複数の輪帯に分割し、隣り
合う輪帯を通過する光線が使用基準波長λ0のほぼ整数
倍の光路差を生じるように、各輪帯の面を光軸方向にシ
フトすることによって得られる形状のレンズである。使
用基準温度T0において使用基準波長λ0の入射光束に対
し波面収差がほぼ無収差となるレンズを、表3に示すよ
うに、第0012段落で述べた方法に従って、各輪帯の
内径および外径を決定し、各輪帯の面を光軸方向に平行
移動させる。輪帯を形成することによって光束の光路長
が変化するが、使用基準波長λ0、使用波長λの光束に
対して波面収差が最小となるように、各輪帯の変位量、
面形状を調整する(レンズを再設計する)。これを繰り
返し行うことにより、使用基準波長λ0、使用波長λの
光束に対して最適な各輪帯の変位量、内径、外径、およ
び母非球面の形状が決定される。
【0079】この多輪帯位相差レンズ11に使用基準温
度T0において使用基準波長λ0(785nm)のレーザ
ー光束7が入射したときの、多輪帯位相差レンズ11の
屈折機能による縦球面収差図を図6に示す。また、多輪
帯位相差レンズ11に使用基準温度T0において使用基
準波長λ0(785nm)のレーザー光束7が入射した
ときの、多輪帯位相差レンズ11の光路差付与機能と屈
折機能とによる縦球面収差図を図7に示す。
【0080】また、多輪帯位相差レンズ11に、使用基
準温度T0±60[℃]の範囲の使用温度Tにおいて、
使用波長λの光束が入射したときの、集光スポットにお
ける波面収差の変化を、上記「母非球面レンズ」の場合
と比較して、図8に示す。
【0081】図8に示すように、集光スポットにおける
波面収差の変動は、「母非球面レンズ」については、最
大で0.027λ程度であるのに対し、多輪帯位相差レ
ンズ11については、0.001λ程度に収まってい
る。
【0082】〔第2の実施の形態〕本実施の形態の光ピ
ックアップ装置2は、CD−RWの読み書きを行うため
に設計されたものであって、使用基準温度T0=25
[℃]、使用基準波長λ0=780nmである。また、
各使用温度T=T0−60〜T0+60[℃]において、
CD−RW8の情報記録面8aに形成される集光スポッ
ト7aにおける波面収差が最小になるように、光学系2
の多輪帯位相差レンズ21がアクチュエータ22により
光軸6方向に移動されるようになっている。使用基準温
度T0において、使用基準波長λ0=780nm、光学系
の開口数NAは0.5、焦点距離は2.72mmに設計
されている。また、多輪帯位相差レンズ21には、1
2.5度以下で光線が入射するようになっている。
【0083】この光ピックアップ装置2に用いられてい
る多輪帯位相差レンズ21の輪帯最外半径は1.821
mmであり、屈折面(第1面21A、第2面21B)の
形状、屈折率が、以下のように設定されている。
【0084】多輪帯位相差レンズ21のレンズデータを
表4に示す。
【表4】 表4において、面番号1,2はそれぞれ、多輪帯位相差
レンズ21の第1面21A、第2面21Bである。面番
号3,4はそれぞれ、CD−RW8のディスク表面、記
録層8aである。
【0085】多輪帯位相差レンズ21の第1面21Aと
第2面21Bの形状を以下に示す。第1面21Aは、図
4に破線で示す母非球面を、21a光軸方向に、光軸6
を中心とした同心円上の輪帯201〜231に分割され
ていて、光軸6から離れるにしたがって、厚みが増すよ
うに形成されている。隣り合う2つの輪帯の間の段差
は、ある一つの輪帯を通過する光線と、その隣の輪帯を
通過する光線との間に使用基準波長λ0のほぼ整数倍の
光路差を生じ、かつ波面のずれが生じない長さに設定さ
れている。
【0086】多輪帯位相差レンズ21の第1面21Aの
母非球面と、第2面21Bとは、それぞれ、上記(数
1)式に、表5に示す係数を代入した数式で規定され
る、光軸6周りに対称な非球面に形成されている。
【表5】
【0087】多輪帯位相差レンズ21の第1面21Aに
形成された、各輪帯201〜231の母非球面21aに
対する光軸方向の変位量を、表6に示す。表6におい
て、第1輪帯に対する光軸6方向の変位量は、多輪帯位
相差レンズ21の第1面21Aから第2面21Bに向か
う方向を正としている。
【表6】
【0088】このように、多輪帯位相差レンズ21は、
1つの非球面式で表される光学面形状(母非球面)を光
軸を中心とする同心円により複数の輪帯に分割し、隣り
合う輪帯を通過する光線が使用基準波長λ0のほぼ整数
倍の光路差を生じるように、各輪帯の面を光軸方向にシ
フトすることによって得られる形状のレンズである。使
用基準温度T0において使用基準波長λ0の入射光束に対
し波面収差がほぼ無収差となるレンズを、表6に示すよ
うに、第0012段落で述べた方法に従って、各輪帯の
内径および外径を決定し、各輪帯の面を光軸方向に平行
移動させる。輪帯を形成することによって光束の光路長
が変化するが、使用基準波長λ0、使用波長λの光束に
対して波面収差が最小となるように、各輪帯の変位量、
面形状を調整する(レンズを再設計する)。これを繰り
返し行うことにより、使用基準波長λ0、使用波長λの
光束に対して最適な各輪帯の変位量、内径、外径、およ
び母非球面の形状が決定される。
【0089】この多輪帯位相差レンズ21に使用基準波
長λ0(780nm)のレーザー光束7が入射したとき
の、多輪帯位相差レンズ21の屈折機能による縦球面収
差図を図9に示す。また、多輪帯位相差レンズ21に使
用基準波長λ0(780nm)のレーザー光束7が入射
したときの、多輪帯位相差レンズ21の光路差付与機能
と屈折機能とによる縦球面収差図を図10に示す。
【0090】また、多輪帯位相差レンズ21に、使用基
準温度T0±60[℃]の範囲の使用温度Tにおいて、
使用波長λの光束が入射したときの、集光スポットにお
ける波面収差の変化を、上記「母非球面レンズ」の場合
と比較して、図11に示す。
【0091】図11に示すように、集光スポットにおけ
る波面収差の変動は、「母非球面レンズ」については、
最大で0.217λ程度であるのに対し、多輪帯位相差
レンズ21については、0.022λ程度に収まってい
る。
【0092】なお、本発明の光ピックアップ装置、およ
び光学素子は、上記の各実施の形態に限定されることな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、以下のよ
うに種々の改良ならびに設計の変更を行ってもよい。な
お、以下の説明においては、上記実施の形態と同様の構
成要素には同一の符号を付け、その説明を省略する。例
えば、図12に示すように、光路差付与機能を有する第
一光学素子31と、屈折機能を有する第二光学素子41
とを別体として形成し、光ピックアップ装置3を構成し
ても良い。このような構成とすることにより、光路差付
与機能と屈折機能とをそれぞれ独立して考慮した設計を
行うことができるため、その分、設計の自由度を広くす
ることができる。
【0093】また、2種類の光源(第一光源及び第二光
源)L55,L56と、図13に示した本発明の多輪帯
位相差レンズ51等とを用いて、図14に示した光ピッ
クアップ装置4を構成することとしても良い。光源L5
5は780nmの使用波長のレーザー光束を出射するレ
ーザー光源であり、光源L56は650nmの使用波長
のレーザー光束を出射するレーザー光源である。多輪帯
位相差レンズ51は、光軸を中心とした複数の輪帯51
1〜517が入射面に形成されたものである。光源L5
6から出射されるレーザー光束は入射面に入射し、情報
の記録または再生可能な状態でDVD9の情報記録面9
aに集光されるようになっている。また光源L55から
出射されるレーザー光束は多輪帯位相差レンズ51に入
射するが、このレーザー光のうち輪帯511〜514の
領域(互換用構造)515aを通過した光束はCD−R
W8の情報記録面8aに集光して情報の記録または再生
可能な集光スポットとなり、輪帯515〜517を通過
した光束はCD−RW8の情報記録面8aに集光しな
い。この輪帯515よりも内側の領域は回折によって光
束を屈折させることとしても良いし、表面での屈折作用
によって光束を屈折させることとしても良い。輪帯51
5よりも内側の領域が表面での屈折作用によって光束を
屈折する場合には、集光スポットの波面収差が最小とな
る像面位置における、各輪帯511〜514を通過した
光線の位相と、情報記録面上の集光スポットにおける平
均位相との位相差φは、−0.5π≦φ≦0.5π(こ
こで、π:円周率)となっている。なお、偏光ビームス
プリッタ23と検出器L2との間にはコリメータレンズ
100及びセンサーレンズ101が配設されている。こ
のような多輪帯位相差レンズ51を備える光ピックアッ
プ装置4によれば、CD−RW8とDVD9とに対する
記録または再生が可能となる。更に、光源L55,L5
6と、多輪帯位相差レンズ51等とを用いて、図15に
示した光ピックアップ装置5を構成することも可能であ
る。この光ピックアップ装置5によってもCD−RW8
とDVD9とに対する記録または再生を可能にしてい
る。この光ピックアップ装置5は、多輪帯位相差レンズ
51に発散光が入射する点で上記光ピックアップ装置4
と異なっている。この光ピックアップ装置5によれば、
光源L55,L56から出射される発散光を平行光束に
変換するためのコリメータレンズ14等を用いる必要が
ないため、光ピックアップ装置5全体を小型化すること
ができる。また、具体的な細部構造についても適宜に変
更可能であることは勿論である。
【0094】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、温度が使
用基準温度T0の上下60[℃]の範囲で変化した際に
生じる波面収差は、第一光学素子部の光路差付与機能に
より付与される位相差によって打ち消される結果、0.
14λrms以下に抑えられることとなる。従って、実
使用環境と想定される使用温度範囲、即ち使用基準温度
0の上下30[℃]の範囲では、波面収差は凡そ0.
07λrms以下となる。よって、光ピックアップ装置
の温度が使用基準温度T0の場合は勿論のこと、使用基
準温度T0に対して変化した場合であっても波面収差を
抑えることができるため、光情報記録媒体へのデータの
読み書き時のエラーを防止することができる。
【0095】請求項2記載の発明によれば、光ピックア
ップ装置の温度が使用基準温度T0に対して変化した場
合であっても波面収差を確実に抑えることができるた
め、光情報記録媒体へのデータの読み書き時のエラーを
確実に防止することができる。
【0096】請求項3に記載の発明によれば、使用基準
波長λ0は400nm<λ0<800nmであるので、C
D−RWやDVD、高密度DVD等にデータを読み書き
するのに適する。
【0097】請求項4に記載の発明によれば、特にCD
−RWにデータを読み書きするのに適する。
【0098】請求項5に記載の発明によれば、輪帯の数
を3〜60とすることにより、特にCD−RWに確実に
データを読み書きすることができる。また、光学素子の
加工が容易になるという利点がある。
【0099】請求項6に記載の発明によれば、レーザー
光源と第一光学素子との間に、発散光を平行光束に変換
するためのコリメータレンズ等を設ける必要がない。従
って、コリメータレンズ等を必要としない分、光ピック
アップ装置の構成を小型化することができる。
【0100】請求項7に記載の発明によれば、光情報記
録媒体にデータを読み書きするために必要な回折限界以
下に抑えることができる。
【0101】請求項8に記載の発明によれば、集光スポ
ットの波面収差最小値を、光情報記録媒体にデータを読
み書きするために必要な回折限界以下に抑えることがで
きる。
【0102】請求項9に記載の発明によれば、光ピック
アップ装置に、第一光情報記録媒体と第二光記録媒体と
に対する互換性を持たせることができる。
【0103】請求項10に記載の発明によれば、CD−
RWを第二光情報記録媒体として用い、請求項1〜8の
何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができ
る。
【0104】請求項11に記載の発明によれば、第一光
情報記録媒体へのデータの読み書きの確実性を変化させ
ずに、第二光情報記録媒体へのデータの読み書きの確実
性を高めることができる。
【0105】請求項12に記載の発明によれば、第一光
情報記録媒体と第二光記録媒体とに確実にデータを読み
書きすることができる。
【0106】請求項13に記載の発明によれば、回折構
造を有する光学素子によって請求項12に記載の発明と
同様の効果が得られる。
【0107】請求項14に記載の発明によれば、光ピッ
クアップ装置の温度変化に起因して生じる波面収差を、
記録再生に問題ない程度に抑えることができる。
【0108】請求項15に記載の発明によれば、光情報
記録媒体に対する情報の読み書きの精度がいっそう高ま
る。
【0109】請求項16に記載の発明によれば、光学素
子がプラスチックからなるので、成形を行いやすく、ガ
ラスなどに比較して素材のコストも低く、軽いため、光
ピックアップ装置を軽量かつ安価なものにできる。
【0110】請求項17に記載の発明によれば、光路差
付与機能と屈折機能とを独立して設計を行うことができ
るため、より設計が容易となる。また、第二光学素子に
更なる光学的機能を持たせることもできる。
【0111】請求項18に記載の発明によれば、光ピッ
クアップ装置の温度が使用基準温度T0の場合は勿論の
こと、使用基準温度T0に対して変化した場合であって
も波面収差を抑えることができるため、光情報記録媒体
へのデータの読み書き時のエラーを防止することができ
る。
【0112】請求項19に記載の発明によれば、請求項
2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。請求
項20に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と
同様の効果を得ることができる。請求項21記載の発明
によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果を得るこ
とができる。
【0113】請求項22記載の発明によれば、請求項5
に記載の発明と同様の効果を得ることができる。請求項
23記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様
の効果を得ることができる。請求項24記載の発明によ
れば、請求項7に記載の発明と同様の効果を得ることが
できる。
【0114】請求項25記載の発明によれば、請求項8
に記載の発明と同様の効果を得ることができる。請求項
26記載の発明によれば、請求項9に記載の発明と同様
の効果を得ることができる。請求項27記載の発明によ
れば、請求項10に記載の発明と同様の効果を得ること
ができる。
【0115】請求項28記載の発明によれば、請求項1
1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。請求
項29記載の発明によれば、請求項12に記載の発明と
同様の効果を得ることができる。請求項30記載の発明
によれば、請求項13に記載の発明と同様の効果を得る
ことができる。請求項31記載の発明によれば、請求項
14に記載の発明と同様の効果を得ることができる。請
求項32記載の発明によれば、請求項15に記載の発明
と同様の効果を得ることができる。請求項33記載の発
明によれば、請求項16に記載の発明と同様の効果を得
ることができる。請求項34記載の発明によれば、請求
項17に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置の一例におけ
る、第一光学素子と第二光学素子、または本発明に係る
光学素子の、屈折機能による光線の光路と、光路差付与
機能と屈折機能とによる光線の光路の概略図である。
【図2】本発明に係る光ピックアップ装置の一例の全体
構成の概略図である。
【図3】本発明に係る光ピックアップ装置の他の一例の
全体構成の概略図である。
【図4】本発明に係る光ピックアップ装置における、第
一光学素子と第二光学素子、または本発明に係る光学素
子の一例の概略を示す、側面図である。
【図5】本発明に係る光ピックアップ装置における、第
一光学素子と第二光学素子、または本発明に係る光学素
子の一例の概略を示す、正面図である。
【図6】本発明に係る光ピックアップ装置の一例におけ
る第一光学素子、または本発明に係る光学素子の一例で
ある多輪帯位相差レンズに、使用基準波長λ0の光束が
入射したときの、屈折機能による縦球面収差図である。
【図7】本発明に係る光ピックアップ装置の一例におけ
る第一光学素子と第二光学素子、または本発明に係る光
学素子の一例である多輪帯位相差レンズに、使用基準波
長λ0の光束が入射したときの、光路差付与機能と屈折
機能とによる縦球面収差図である。
【図8】本発明に係る光ピックアップ装置の一例におけ
る第一光学素子と第二光学素子、または本発明に係る光
学素子の一例である多輪帯位相差レンズに、使用基準温
度T0±60[℃]の範囲の使用温度Tにおいて、使用
波長λの光束が入射したときの、集光スポットにおける
波面収差を示す図である。
【図9】本発明に係る光ピックアップ装置の他の一例に
おける第一光学素子と第二光学素子、または本発明に係
る光学素子の他の一例である多輪帯位相差レンズに、光
軸上に配置された光源から光軸に対して12.5度の範
囲内で出射された使用基準波長λ0の光束が入射したと
きの、屈折機能による縦球面収差図である。
【図10】本発明に係る光ピックアップ装置の他の一例
における第一光学素子と第二光学素子、または本発明に
係る光学素子の他の一例である多輪帯位相差レンズに、
光軸上に配置された光源から光軸に対して12.5度の
範囲内で出射された使用基準波長λ0の光束が入射した
ときの、光路差付与機能と屈折機能とによる縦球面収差
図である。
【図11】本発明に係る光ピックアップ装置の他の一例
における第2の光学素子、または本発明に係る光学素子
の一例である多輪帯位相差レンズに、使用基準温度T0
±60[℃]の範囲の使用温度Tにおいて、光軸上に配
置された光源から光軸に対して12.5度の範囲内で出
射された使用波長λの光束が入射したときの、集光スポ
ットにおける波面収差を示す図である。
【図12】本発明に係る光ピックアップ装置の他の一例
の全体構成を示す概略図である。
【図13】本発明に係る光学素子の他の一例を示す側面
図である。
【図14】本発明に係る光ピックアップ装置の他の一例
の全体構成を示す概略図である。
【図15】本発明に係る光ピックアップ装置の他の一例
の全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5 光ピックアップ装置 6 光軸 7 光束(レーザー光束) 7a 集光スポット 8 光情報記録媒体(CD−R
W) 8a,9a 情報記録面 9 光情報記録媒体(DVD) 11,21,51 光学素子(多輪帯位相差レ
ンズ) 31 第一光学素子 41 第二光学素子 51a 互換用構造 101〜131,201〜231,511〜517
輪帯 L55 第一光源(レーザー光源) L56 第二光源(レーザー光源)

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光情報記録媒体の情報記録面に光束を集
    光させる光ピックアップ装置に用いられる光学素子であ
    って、 光軸に対して同心円に区分され、互いに光軸方向に異な
    る厚みを有する複数の輪帯を備え、 前記複数の輪帯における所定の輪帯を通過する光線の光
    路長を、前記所定の輪帯に対して前記光軸側に隣り合う
    他の輪帯を通過する光線の光路長よりも使用基準波長λ
    0の略整数倍だけ長くする光路差付与機能と、前記使用
    基準波長λ0の光束が前記情報記録面に集光される集光
    スポットの球面収差を最適にする屈折機能とを有し、 使用基準温度T0において前記使用基準波長λ0の光束を
    ほぼ波面収差なく前記情報記録面に集光し、 使用基準温度T0とは異なる使用温度T(|T−T0|<
    60[℃])において、使用基準波長λ0とは異なる使
    用波長λの光束を、波面収差が0.14λrms以下と
    なるように前記情報記録面に集光することを特徴とする
    光学素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学素子において、 前記使用温度Tが|T−T0|<30[℃]の場合、前
    記使用基準波長λ0とは異なる使用波長λの光束を、波
    面収差が0.07λrms以下となるように前記情報記
    録面に集光することを特徴とする光学素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光学素子におい
    て、 前記使用基準波長λ0は、 400nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする光学素子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光学素子において、 前記使用基準波長λ0は、 700nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする光学素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項に記載の光学
    素子において、 前記輪帯の数は3〜60の何れかであることを特徴とす
    る光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項に記載の光学
    素子において、 入射する発散光を前記情報記録面に集光可能であるよう
    に形成されたことを特徴とする光学素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の何れか一項に記載の光学
    素子において、 前記光軸にほぼ平行に入射する光線からなる光束を前記
    情報記録面に集光可能であり、 この光束のうち最も光軸から離れた位置で光学機能面を
    通過する光線が、前記屈折機能により光軸と交わる位置
    と、近軸光線が前記屈折機能により光軸と交わる位置と
    の距離が0.03mm以下であることを特徴とする光学
    素子。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の光学素子におい
    て、 前記光軸に対して12.5度以下の光線からなる光束が
    入射された場合、この光束のうち前記光軸から最も離れ
    た位置で光学機能面を通過する光線が前記屈折機能によ
    り前記光軸と交わる位置と、近軸光線が前記屈折機能に
    より前記光軸と交わる位置との距離が0.02mm以下
    であることを特徴とする光学素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか一項に記載の光学
    素子において、 所定の基板厚を有する第一光情報記録媒体の情報記録面
    に使用波長λ1の光束を、情報の記録または再生可能に
    集光するとともに、 前記所定の基板厚以上の基板厚を有する第二光情報記録
    媒体の情報記録面に使用波長λ2(λ1<λ2)の光束
    を、情報の記録または再生可能に集光することを特徴と
    する光学素子。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の光学素子において、 前記使用波長λ1と前記使用波長λ2とは、それぞれ 600nm≦λ1≦700nm 700nm≦λ2≦800nm であり、前記使用波長λ1の光による集光スポットの開
    口数NA1と、前記使用波長λ2の光による集光スポッ
    トの開口数NA2とは、 NA1>NA2 であることを特徴とする光学素子。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の光学素子に
    おいて、 前記複数の輪帯は、光学機能面の一部の領域に形成され
    ており、 前記使用波長λ1の光束のうち前記複数の輪帯を通過し
    た光束は、前記第一光情報記録媒体の情報記録面に形成
    される第一の集光スポットが情報を記録または再生可能
    な状態となるように集光され、 前記使用波長λ2の光束のうち前記複数の輪帯を通過し
    た光束は、前記第二光情報記録媒体の情報記録面に形成
    される第二の集光スポットが情報を記録または再生可能
    な状態となるようには集光されないことを特徴とする光
    学素子。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の光学素子において、 前記光学機能面のうち前記一部の領域以外の領域には、
    情報を記録または再生可能な状態に前記第一光情報記録
    媒体の情報記録面に前記使用波長λ1の光束を集光する
    とともに、情報を記録または再生可能な状態に前記第二
    光情報記録媒体の情報記録面に前記使用波長λ2の光束
    を集光する互換用構造が形成されていることを特徴とす
    る光学素子。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の光学素子において、 前記互換用構造は、回折構造であることを特徴とする光
    学素子。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の光学素子において、 前記互換用構造は、前記光学機能面のうち前記一部の領
    域以外の領域に、前記光軸に対して同心円に区分され、
    互いに光軸方向に異なる厚みを有する複数の輪帯によっ
    て形成され、 この互換用構造に入射する光線は各輪帯の表面によって
    屈折され、 前記集光スポットの波面収差が最小となる像面位置にお
    ける、前記互換用構造の各輪帯を通過した光線の位相
    と、前記情報記録面上の集光スポットの平均位相との位
    相差φは、 −0.5π≦φ≦0.5π (ここで、π:円周率)となることを特徴とする光学素
    子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14の何れか一項に記載の
    光学素子において、 前記使用波長λと屈折率nとの温度変化による変化率d
    λ/dT、dn/dTは、それぞれ、 0.05[nm/℃]<dλ/dT<0.5[nm/
    ℃]−0.0002[/℃]<dn/dT<−0.00
    005[/℃] であることを特徴とする光学素子。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れか一項に記載の
    光学素子において、 プラスチックからなることを特徴とする光学素子。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16の何れか一項に記載の
    光学素子において、 前記光軸上にそれぞれ配置された、前記光路差付与機能
    を有する第一光学素子と、前記屈折機能を有する第二光
    学素子とを備えることを特徴とする光学素子。
  18. 【請求項18】 光情報記録媒体の情報記録面に光束を
    集光させる光ピックアップ装置であって、 光学系における光軸上に配置された光学素子を備え、 この光学素子は、前記光軸に対して同心円に区分され、
    互いに光軸方向に異なる厚みを有する複数の輪帯を備え
    るとともに、 前記複数の輪帯における所定の輪帯を通過する光線の光
    路長を、前記所定の輪帯に対して前記光軸側に隣り合う
    他の輪帯を通過する光線の光路長よりも使用基準波長λ
    0の略整数倍だけ長くする光路差付与機能と、前記使用
    基準波長λ0の光束が前記情報記録面に集光される集光
    スポットの球面収差を最適にする屈折機能とを有し、か
    つ使用基準温度T0において前記使用基準波長λ0の光束
    をほぼ波面収差なく前記情報記録面に集光し、使用基準
    温度T0とは異なる使用温度T(|T−T0|<60
    [℃])において、使用基準波長λ0とは異なる使用波
    長λの光束を、波面収差が0.14λrms以下となる
    ように前記情報記録面に集光することを特徴とする光ピ
    ックアップ装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の光ピックアップ装置
    において、 前記光学素子は、前記使用温度Tが|T−T0|<30
    [℃]の場合、前記使用基準波長λ0とは異なる使用波
    長λの光束を、波面収差が0.07λrms以下となる
    ように前記情報記録面に集光することを特徴とする光ピ
    ックアップ装置。
  20. 【請求項20】 請求項18または19記載の光ピック
    アップ装置において、 前記使用基準波長λ0は、 400nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の光ピックアップ装置
    において、 前記使用基準波長λ0は、 700nm≦λ0≦800nm であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  22. 【請求項22】 請求項18〜21記載の光ピックアッ
    プ装置において、 前記光学素子に形成された前記輪帯の数は3〜60の何
    れかであることを特徴とする光ピックアップ装置。
  23. 【請求項23】 請求項18〜22の何れか一項に記載
    の光ピックアップ装置において、 前記光学素子には発散光が入射されることを特徴とする
    光ピックアップ装置。
  24. 【請求項24】 請求項18〜23の何れか一項に記載
    の光ピックアップ装置において、 前記光学素子は、前記光軸にほぼ平行に入射する光線か
    らなる光束を前記情報記録面に集光可能であり、 この光束のうち最も光軸から離れた位置で前記光学素子
    を通過する光線が、前記屈折機能により光軸と交わる位
    置と、近軸光線が前記屈折機能により光軸と交わる位置
    との距離が0.03mm以下であることを特徴とする光
    ピックアップ装置。
  25. 【請求項25】 請求項23または24記載の光ピック
    アップ装置において、 前記光軸に対して12.5度以下の光線からなる光束が
    前記光学素子に入射された場合、この光束のうち前記光
    軸から最も離れた位置で前記光学素子を通過する光線が
    前記屈折機能により前記光軸と交わる位置と、近軸光線
    が前記屈折機能により前記光軸と交わる位置との距離が
    0.02mm以下であることを特徴とする光ピックアッ
    プ装置。
  26. 【請求項26】 請求項18〜25の何れか一項に記載
    の光ピックアップ装置において、 使用波長λ1の光束を出射する第一光源と、使用波長λ2
    (λ1<λ2)の光束を出射する第二光源とを有し、 所定の基板厚を有する第一光情報記録媒体に前記使用波
    長λ1の光束を集光することにより情報の記録または再
    生を行うとともに、 前記所定の基板厚以上の基板厚を有する第二光情報記録
    媒体に前記使用波長λ 2の光束を集光することにより情
    報の記録または再生を行うことを特徴とする光ピックア
    ップ装置。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の光ピックアップ装置
    において、 前記使用波長λ1と前記使用波長λ2とは、それぞれ 600nm≦λ1≦700nm 700nm≦λ2≦800nm であり、 前記使用波長λ1の光による集光スポットの開口数NA
    1と、前記使用波長λ2の光による集光スポットの開口
    数NA2とは、 NA1>NA2 であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  28. 【請求項28】 請求項26または27記載の光ピック
    アップ装置において、 前記複数の輪帯は、前記光学素子の光学機能面の一部の
    領域に形成されており、 前記使用波長λ1の光束のうち前記複数の輪帯を通過し
    た光束は、前記第一光情報記録媒体の情報記録面に形成
    される第一の集光スポットが情報を記録または再生可能
    な状態となるように集光され、 前記使用波長λ2の光束のうち前記複数の輪帯を通過し
    た光束は、前記第二光情報記録媒体の情報記録面に形成
    される第二の集光スポットが情報を記録または再生可能
    な状態となるようには集光されないことを特徴とする光
    ピックアップ装置。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の光ピックアップ装置
    において、 前記光学素子の前記光学機能面のうち前記一部の領域以
    外の領域には、情報を記録または再生可能な状態に前記
    第一光情報記録媒体の情報記録面に前記使用波長λ1
    光束を集光するとともに、情報を記録または再生可能な
    状態に前記第二光情報記録媒体の情報記録面に前記使用
    波長λ2の光束を集光する互換用構造が形成されている
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  30. 【請求項30】 請求項29記載の光ピックアップ装置
    において、 前記光学素子の前記互換用構造は、回折構造であること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  31. 【請求項31】 請求項28記載の光ピックアップ装置
    において、 前記光学素子の前記互換用構造は、前記光学機能面のう
    ち前記一部の領域以外の領域に、前記光軸に対して同心
    円に区分され、互いに光軸方向に異なる厚みを有する複
    数の輪帯によって形成され、この互換用構造に入射する
    光線は各輪帯の表面によって屈折され、 前記集光スポットの波面収差が最小となる像面位置にお
    ける、前記互換用構造の各輪帯を通過した光線の位相
    と、前記情報記録面上の集光スポットの平均位相との位
    相差φは、 −0.5π≦φ≦0.5π (ここで、π:円周率)となることを特徴とする光ピッ
    クアップ装置。
  32. 【請求項32】 請求項18〜31の何れか一項に記載
    の光ピックアップ装置において、 前記使用波長λと前記光学素子の屈折率nとの温度変化
    による変化率dλ/dT、dn/dTは、それぞれ、 0.05[nm/℃]<dλ/dT<0.5[nm/
    ℃]−0.0002[/℃]<dn/dT<−0.00
    005[/℃] であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  33. 【請求項33】 請求項18〜32の何れか一項に記載
    の光ピックアップ装置において、 前記光学素子はプラスチックからなることを特徴とする
    光ピックアップ装置。
  34. 【請求項34】 請求項18〜32の何れか一項に記載
    の光ピックアップ装置において、 前記光学素子は、前記光軸上にそれぞれ配置された、前
    記光路差付与機能を有する第一光学素子と、前記屈折機
    能を有する第二光学素子とを備えることを特徴とする光
    ピックアップ装置。
JP2002320391A 2001-12-21 2002-11-01 光ピックアップ装置、および光学素子 Pending JP2003248168A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002320391A JP2003248168A (ja) 2001-12-21 2002-11-01 光ピックアップ装置、および光学素子
CNB021571481A CN1280649C (zh) 2001-12-21 2002-12-17 激光头装置中的光学元件
TW091136541A TWI258760B (en) 2001-12-21 2002-12-18 Optical pickup apparatus and optical element
US10/321,564 US20030133394A1 (en) 2001-12-21 2002-12-18 Optical pickup apparatus and optical element
EP02258717A EP1321933A3 (en) 2001-12-21 2002-12-18 Optical pickup apparatus and optical element
KR1020020080995A KR20030053009A (ko) 2001-12-21 2002-12-18 광학 소자 및 광픽업 장치

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001389984 2001-12-21
JP2001-389984 2001-12-21
JP2002320391A JP2003248168A (ja) 2001-12-21 2002-11-01 光ピックアップ装置、および光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003248168A true JP2003248168A (ja) 2003-09-05
JP2003248168A5 JP2003248168A5 (ja) 2005-12-15

Family

ID=26625218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002320391A Pending JP2003248168A (ja) 2001-12-21 2002-11-01 光ピックアップ装置、および光学素子

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20030133394A1 (ja)
EP (1) EP1321933A3 (ja)
JP (1) JP2003248168A (ja)
KR (1) KR20030053009A (ja)
CN (1) CN1280649C (ja)
TW (1) TWI258760B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040563A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Konica Minolta Opto, Inc. 対物光学素子および光ピックアップ装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7902363A (nl) * 1979-03-27 1980-09-30 Philips Nv Registratiedrager met een optisch uitleesbare informa- tiestruktuur.
US5926450A (en) * 1995-03-15 1999-07-20 U.S. Philips Corporation Device for optically scanning record carriers of different thicknesses
US5757758A (en) * 1995-12-19 1998-05-26 Konica Corporation Optical pickup apparatus objective lens and converging optical system for optical pickup and optical disk apparatus
KR100386518B1 (ko) * 1996-09-27 2003-09-26 산요 덴키 가부시키가이샤 광픽업장치및파장선택성회절격자
US6091691A (en) * 1997-02-13 2000-07-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Optical pickup having an objective lens compatible with a plurality of optical disk formats
JP3827860B2 (ja) * 1998-03-31 2006-09-27 パイオニア株式会社 対物レンズ及び光ピックアップ装置
JP3906958B2 (ja) * 1999-08-11 2007-04-18 ソニー株式会社 光ディスク装置及び光ディスク装置のフォーカス制御方法
US6594222B2 (en) * 1999-12-28 2003-07-15 Pentax Corporation Objective lens for optical pick-up

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040563A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Konica Minolta Opto, Inc. 対物光学素子および光ピックアップ装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP1321933A2 (en) 2003-06-25
CN1427278A (zh) 2003-07-02
TWI258760B (en) 2006-07-21
EP1321933A3 (en) 2008-05-28
TW200301471A (en) 2003-07-01
CN1280649C (zh) 2006-10-18
KR20030053009A (ko) 2003-06-27
US20030133394A1 (en) 2003-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20010107658A (ko) 광 픽업 장치, 대물 렌즈, 광 정보 기록 매체 재생 장치및/또는 기록 장치
KR20060115879A (ko) 대물 광학계, 광픽업 장치 및 광정보 기록 재생 장치
JP2002055274A (ja) 光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置
JP4259067B2 (ja) 光ピックアップ装置の対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP2004319062A (ja) 光ピックアップ装置
JP2002006210A (ja) 光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置
KR20020037691A (ko) 광 픽업 장치용 대물 렌즈 및 광 픽업 장치
JP2003344759A (ja) 光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置
KR20030041783A (ko) 광 픽업 장치용 대물 렌즈 및 광 픽업 장치
JP2001194581A (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
JP2005158089A (ja) 光ディスク用の対物レンズとそれを用いた光ヘッド装置
JP4070941B2 (ja) 光ヘッド用対物レンズ
JP2005209325A (ja) 光ピックアップ装置
JP4775610B2 (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
EP1302938A2 (en) Optical pickup device and objective lens used in the same
JP4958022B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2003248168A (ja) 光ピックアップ装置、および光学素子
JP2003151164A (ja) 光ピックアップ装置用の対物レンズ及び光ピックアップ装置
JP2003296961A (ja) 光ピックアップ装置及び光ピックアップ装置用対物レンズ
JP5170588B2 (ja) 光ピックアップ装置の対物光学素子、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP4488334B2 (ja) 光ディスク用対物レンズ
JP4279485B2 (ja) 対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2004103093A (ja) 光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置
WO2004097818A1 (ja) 光ピックアップ装置
JP2007087479A (ja) 対物光学系及び光ピックアップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051028

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090407