JP3826877B2 - 弾性表面波装置およびそれを有する通信装置 - Google Patents

弾性表面波装置およびそれを有する通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遅延線、フィルタ等に用いられる弾性表面波装置およびそれを有する通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化、軽量化により、電子部品に対しても多機能化が要求されている。このような背景の中、携帯電話機等の通信装置に使用される弾性表面波装置としての弾性表面波フィルタ(以下SAWフィルタという)に対しても平衡入力により動作するICに直接接続できるように不平衡型−平衡型変換機能を有することが要求され、盛んに研究されるようになってきた。
【0003】
特に、共振子型フィルタからなる不平衡型−平衡型変換機能を有するSAWフィルタでは、平衡側における振幅差と位相差とが重要な特性(以下、バランス性と呼ぶ)となっており、平衡側において振幅差が0dBであること、および位相差が180°であることが要求される。しかしながら、実際には、SAWフィルタの構成によってもバランス性の傾向が異なっているため、完全に、振幅差を0dB、および位相差を180°にすることはできず、これらSAWフィルタの構成に対してバランス性を改善することが課題となっている。
【0004】
不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置には、ICの種類や目的によって様々な構成があるが、例えば、平衡側の整合インピーダンスが不平衡側の整合インピーダンスのおよそ4倍となる弾性表面波装置には、図12のような構成が広く用いられている。
【0005】
図12に示す弾性表面波装置は、圧電基板(図示せず)上に、共振子型フィルタ100と、それと位相の180°異なる共振子型フィルタ101とを備えている構成である。
【0006】
上記共振子型フィルタ100には、くし型電極部(インターデジタルトランスデューサ、以下、IDTと略記する)101が設けられ、そのIDT101の左右(弾性表面波の伝搬方向に沿った左右)にIDT102・103が配置されている。さらに、上記共振子型フィルタ100では、これらのIDT101・102・103を左右(弾性表面波の伝搬方向に沿った左右)から挟み込むように、反射器104・105がそれぞれ配置されている。
【0007】
IDTは、アルミニウム等の金属薄膜により形成されており、入力した電気信号(交流)を弾性表面波(弾性エネルギー)に変換して圧電基板上に伝搬させ、伝搬した弾性表面波を電気信号に変換して出力する弾性表面波変換部として機能するものである。反射器は、伝搬してきた弾性表面波を来た方向に反射して変換効率を向上させるためのものである。
【0008】
このようなIDTでは、各くし状電極指の長さや幅、隣り合う各くし状電極指の間隔、互いのくし状電極指間での入り組んだ状態の対面長さを示す交叉幅を、それぞれ設定することにより信号変換特性や、通過帯域の設定が可能となっている。また、反射器においては、各反射器電極指の幅や間隔を調整することにより反射特性の設定が可能となっている。
【0009】
また、共振子型フィルタ110は、上記共振子型フィルタ100とは位相を180°異ならせるために、共振子型フィルタ100におけるIDT101とで電極指のホット(信号側)とアース(接地側)とを逆にしたIDT111が設けられており、そのIDT111の左右(弾性表面波の伝搬方向に沿った左右)にIDT112・113が配置されている。さらに、上記共振子型フィルタ110においては、これらの各IDT111・112・113を左右から挟み込むように、弾性表面波を反射して変換効率を向上させるための反射器114・115がそれぞれ配置されている。
【0010】
さらに詳細には、共振子型フィルタ100におけるIDT102・103と、共振子型フィルタ110における112・113とが並列に接続されている不平衡信号用端子170、およびIDT101・111のそれぞれに直列に接続されている平衡信号用端子180・190が設けられている。すなわち、位相の180°異なる2つの共振子型フィルタ100・110の片側を接続し、接続した不平衡信号用端子170を不平衡型、接続しない平衡信号用端子180・190を平衡型として、不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置を構成している。一方で、この弾性表面波装置には通過帯域外の高減衰や減衰の急峻性が要求されている。
【0011】
そこで、図13に示すように、図12で示した弾性表面波装置の各端子170・180・190において、それぞれ直列に共振子131・141・151を備えるトラップ共振子130・140・150を挿入することにより、通過帯域外で高減衰や減衰の急峻性を得ることができる。
【0012】
しかしながら、上記の構成では、共振子型フィルタ100に対して、共振子型フィルタ110の位相を180°異ならせるために、共振子型フィルタ110の中央のIDT111における電極指のホットとアースとを共振子型フィルタ100に対して逆にしているため、共振子型フィルタ100と共振子型フィルタ110とのホットおよびアースの本数が異なってしまう場合や、IDT−IDT境界においてアースとホットとが並び、不要な電界が発生する場合など、バランス性を悪くする要因を含んでいた。このバランス性の改善における対策の1つとして、ホットの電極指をアースにするなどの方法があるが依然としてバランス性には問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示した弾性表面波装置としては、通過帯域内近傍において共振子型フィルタ100と共振子型フィルタ110とは位相差だけが180°となることが理想であるが、結局は前述のような理由により、実際にはインピーダンスなども異なってしまっていた。この結果、バランス性は理想状態である振幅差0dB、位相差180°からのズレが生じていた。このような不都合は位相の180°異なる2系統のフィルタ部からなる不平衡型−平衡型変換機能を有する電性表面波装置が本質的に持っている問題である。また、バランス性が実用上問題となるレベルになる場合に有効な改善方法が無かった。
【0014】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、バランス性がより改善された不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性表面波装置は、上記課題を解決するために、弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、前記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、前記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、上記第1の共振子と第2の共振子とにおける電極指の本数が、互いに異なっていることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、第1の共振子および第2の共振子は、それぞれ第1の弾性表面波素子および第2の弾性表面波素子の特性に応じて設計されたものであるので、それぞれの電極指の本数を互いに異ならせることにより、弾性表面波装置の不平衡型−平衡型変換におけるバランス性を改善することができる。
【0017】
具体的には、本発明の弾性表面波装置は、上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタおよび/またはくし型電極部の電極指の本数が、互いに異なっている
【0018】
これにより、平衡側の出力のバランス性を改善できる。
【0019】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、上記課題を解決するために、弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性 表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、上記第1の共振子と第2の共振子とにおける交叉幅が、互いに異なっていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、第1の共振子および第2の共振子は、それぞれ第1の弾性表面波素子および第2の弾性表面波素子の特性に応じて設計されたものであるので、それぞれの交叉幅を互いに異ならせることにより、弾性表面波装置の不平衡型−平衡型変換におけるバランス性を改善することができる。
【0021】
具体的には、平衡側の出力のバランス性を改善することができる。
【0022】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、上記課題を解決するために、弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるくし型電極部のデューティが、互いに異なっていることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、第1の共振子および第2の共振子は、それぞれ第1の弾性表面波素子および第2の弾性表面波素子の特性に応じて設計されたものであるので、それぞれにおけるくし型電極部のデューティを互いに異ならせることにより、弾性表面波装置の不平衡型−平衡型変換におけるバランス性を改善することができる。
【0024】
具体的には、各共振子におけるデューティにより平衡側の出力のバランス性を改善することができる。
【0025】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、上記課題を解決するために、弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、少なくとも1つのくし型電極部と、くし型電極部を挟むように配置されているリフレクタとからなる弾性表面波共振子である、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタのデューティが、互いに異なっていることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、第1の共振子および第2の共振子は、それぞれ第1の弾性表面波素子および第2の弾性表面波素子の特性に応じて設計されたものであるので、それぞれにおけるリフレクタのデューティを互いに異ならせることにより、弾性表面波装置の不平衡型−平衡型変換におけるバランス性を改善することができる。
【0027】
具体的には、各共振子におけるデューティにより平衡側の出力のバランス性を改善することができる。
【0028】
また、前記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタまたはくし型電極部のデューティをそれぞれx、yとした場合、0<|x−y|≦0.05の関係を満たすことが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、第1の共振子と第2の共振子との比により平衡側の出力のバランス性を改善できる。
【0030】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、上記課題を解決するために、弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、少なくとも1つのくし型電極部と、くし型電極部を挟むように配置されているリフレクタとからなる弾性表面波共振子である、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタとくし型電極部との最外電極指中心間距離が、互いに異なっていることを特徴としている。また、上記弾性表面波素子のくし型電極部の構造によって決まる波長をλとし、第1の共振子と第2の共振子とにおける、リフレクタとくし型電極部との最外電極指中心間距離をそれぞれXλ、Yλとした場合、(0+0.5n)λ<|X−Y|λ≦(0.18+0.5n)λ (n=0、1、2…)の関係を満たすことが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、第1の共振子と第2の共振子との最外電極指中心間距離が異なっているので、第1の共振子と第2の共振子との振幅および位相特性が異なり、第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とにおける通過帯域高域側の平衡度のずれを補正することができる。したがって、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0032】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、上記課題を解決するために、弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、少なくとも1つのくし型電極部と、くし型電極部を挟むように配置されているリフレクタとからなる弾性表面波共振子である、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタとくし型電極部とのピッチ比が、互いに異なっていることを特徴としている。また、第1の共振子と、第2の共振子とにおけるリフレクタとくし型電極部とのピッチ比(くし型電極部のピッチ/リフレクタのピッチ)をそれぞれa、bとした場合、0.984≦a/b<1の関係を満たすことが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、第1の共振子と第2の共振子とにおいてくし型電極部とリフレクタとのピッチ比を異ならせているため、第1の共振子と第2の共振子とにおける振幅および位相特性が異なり、第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とにおける通過帯域高域側の平衡度のずれを補正することができる。したがって、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0034】
また、上記弾性表面波装置は、フェイスダウン工法でパッケージ内に収納されていてもよい。
【0035】
本発明の通信装置は、上記弾性表面波装置のいずれかを有することを特徴としている。上記構成によれば、バランス性の向上した弾性表面波装置を有することで、バランス性を改善できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態に係る不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置(SAWデバイス)は、図1に示すように、共振子型フィルタ(弾性表面波素子、SAWフィルタ)1・2を備えている構成である。これら共振子型フィルタ1・2は、ほぼ等しい通過帯域を有している。また、これら共振子型フィルタ1・2は、圧電基板(図示せず)上に備えられている。上記圧電基板は、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等からなっている。
【0037】
上記共振子型フィルタ1は、IDT11を中央にしてその左右(弾性表面波の伝搬方向に沿った左右)にIDT12・13が配置されている。これらのIDT11・12・13を左右(弾性表面波の伝搬方向に沿った左右)から挟み込むように、反射器14・14をそれぞれ有している。
【0038】
上記共振子型フィルタ2は、IDT21を中央にしてその左右(弾性表面波の伝搬方向に沿った左右)にIDT22・23が配置されている。これらのIDT21・22・23を左右(弾性表面波の伝搬方向に沿った左右)から挟み込むように、反射器24・24をそれぞれ有している。
【0039】
そして、上記IDT11とIDT21とは、それらの電極指のホット(信号側)とアース(接地側)とを逆に配置されており、これにより、上記共振子型フィルタ1と共振子型フィルタ2とは、互いの位相がおよそ180°異なるように設計されている。
【0040】
上記共振子型フィルタ1・2は、不平衡信号用端子7に対して並列に接続されている。また、共振子型フィルタ1は平衡信号用端子8に対して、共振子フィルタ2は平衡信号用端子9に対して、それぞれ直列に接続されている。
【0041】
また、帯域外の減衰量を改善するために、共振子型フィルタ1に対してトラップ共振子3・5が、共振子型フィルタ2に対してトラップ共振子4・6がそれぞれ直列に接続されている。また、上記トラップ共振子3・4は、不平衡信号用端子7に接続されている。トラップ共振子5・6は、それぞれ平衡信号用端子8・9に接続されている。上記ように、不平衡信号用端子7側のトラップ共振子を、トラップ共振子3・4に分割しているので、バランス性をより良好に調節することができる。
【0042】
各トラップ共振子3・4・5・6は、それぞれ共振子31・41・51・61を備え、その弾性表面波の伝搬方向に沿ってそれぞれ反射器32・42・52・62で挟まれている構成である。
【0043】
詳細には、共振子型フィルタ1のIDT12・13は、トラップ共振子3の共振子31と接続されている。共振子型フィルタ1のIDT11は、トラップ共振子5の共振子51と接続されている。共振子型フィルタ2のIDT22・23は、トラップ共振子4の共振子41と接続されている。そして、共振子型フィルタ2のIDT21は、トラップ共振子6の共振子61と接続されている。
【0044】
上記の構成のため、本弾性表面波装置は、不平衡信号用端子7のインピーダンスに対して、平衡信号用端子8・9のそれぞれのインピーダンスが約4倍となるような不平衡型−平衡型変換機能を有している。
【0045】
本実施の形態では、不平衡信号用端子7側を50Ω、平衡信号用端子8・9側を200Ωとなるように設計した場合について説明する。以下、トラップ共振子における電極指の本数によるバランス性を検討するために、具体的な例を挙げて説明する。上記弾性表面波装置における設計パラメータを表1に示す。トラップ共振子3・4における電極指の本数をそれぞれN 、N とし、N ≠N としている。
【0046】
【表1】
Figure 0003826877
表1に示した設計の上記弾性表面波装置において、表2に示すように、トラップ共振子3における電極指の本数N とトラップ共振子4における電極指の本数N との組み合わせ(1) (3)で変更し、弾性表面波装置のバランス性について検討した。また、トラップ共振子3とトラップ共振子4とにおける電極指の本数の比N /N も示している。
【0047】
【表2】
Figure 0003826877
図2に(1) (3)の組み合わせにおける、弾性表面波装置の振幅平衡度のグラフを示す。このグラフから判るように、N /N を大きくすると、極値が下がり高域側の特性は低周波側へシフトする。(1)と(3)において極値の値を比較すると0.65dBから0.85dBへと変化している。
【0048】
一方、図3に(1) (3)の組み合わせにおける、弾性表面波装置の位相平衡度のグラフを示す。このグラフから判るように、位相平衡度はN /N を大きくすると全体的に上に(位相平衡度が大きくなるように)シフトする。特に、高域側の変化量が大きく、(1) (3)との比較では、170°から172.5°へと変化している。
【0049】
以上のように不平衡信号用端子側に接続したトラップ共振子の電極指の本数を変更することで、バランス性が変化することが判る。つまり、共振子型フィルタの設計によってバランス性は異なるが、不平衡信号用端子側に接続したトラップ共振子における共振子の電極指の本数を変更することで、バランス性を調節することができる。本実施の形態の場合、N /N を大きくしていくと位相平衡度は全体的に上へ移動するが、通過帯域内における最小値と最大値との変化量を比較すると、最小値の変化量の方が大きい。
【0050】
さらに、図4、5に、簡単なシミュレーションにおける、不平衡信号用端子側に接続したトラップ共振子における共振子の電極指の本数を変更した場合のバランス性の変化を示す。この結果、振幅平衡度と位相平衡度とは、高域側での変化量が大きいことが判る。このことは、実測値の傾向と一致するものであり、シミュレーションによってパラメータの制御が可能であることを示している。上記シミュレーションは、例えば等価回路法に基づいて行えばよく、等価回路モデルあるいはモード結合理論等が挙げられる。
【0051】
また、上記の弾性表面波装置におけるトラップ共振子3のデューティを0.42、0.62、0.82と変化させた場合のバランス性の変化を図6、7に示す。図6は振幅平衡度を示し、図7は位相平衡度を示す。なお、トラップ共振子4のデューティは0.62としている。N は337であり、またN は305であり、他の設計パラメータは、表1に示したものと同様である。
【0052】
図6、7から、不平衡信号用端子側に接続したトラップ共振子のデューティを変化させることで、バランス性が変化することが判る。つまり、共振子型フィルタの設計によってバランス性は異なるが、不平衡信号用端子側に接続したトラップ共振子の共振子におけるデューティを変化させることで、通過帯域の高域側でバランス性を調節することができる。特に、図7から、位相バランスを調節することができることが判る。
【0053】
また、上記では、3つのIDTにより共振子型フィルタを構成しているが、本実施の形態の設計に関わらず、共振子型フィルタに別の構成、例えば3つに限らず複数のIDTからなる構成を使用している場合であっても応用可能である。
【0054】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図8ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0055】
本実施の形態では、実施の形態1の弾性表面波装置とほぼ同様の設計において、図8に示すように不平衡信号用端子7側に接続されている共振子31とそれを挟む反射器32・32とを備えるトラップ共振子3を、共振子31aとそれを挟む反射器32a・32aとを備えるトラップ共振子3aに変更したものである。上記共振子31は、共振子31aとは交叉幅が異なっている。これにより、トラップ共振子3a・4における交叉幅によるバランス性を検討するために、具体的な例を挙げて説明する。上記弾性表面波装置における設計パラメータを表3に示す。トラップ共振子3a・4における交叉幅をそれぞれA 、A としている。
【0056】
【表3】
Figure 0003826877
図9に弾性表面波装置の振幅平衡度、図10に弾性表面波装置の位相平衡度についての、簡単なシミュレーションにおける、不平衡信号用端子側に接続したトラップ共振子における共振子の交叉幅を変更した場合のバランス性の変化を示す。ここでは、A /A =1.0、0.79、0.62としたときのバランス性の変化(特性)について示す。図9、10から、電極指の本数を変更した際と同様に、不平衡信号用端子側に接続したトラップ共振子における共振子の交叉幅を変更することで、通過帯域内の高域側においてバランス性を調節することができることが判る。
【0057】
このように、不平衡信号用端子側に接続されたトラップ共振子の設計パラメータを、それぞれ異ならせることでバランス性を調節することが可能である。
【0058】
また、電極指の本数、デューティや交叉幅だけでなく、共振子と共振子とのピッチ、電極指の幅、または電極指に対する重み付け方法などでも応用できる。
【0059】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図14ないし図21に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0060】
本実施の形態に係る不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置(SAWデバイス)は、図14に示すように、40±5°YcutX伝搬LiTaO からなる圧電基板(図示せず)上に、Al電極により形成された、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ(弾性表面波素子)501、502を備え、不平衡信号端子のインピーダンスが50Ω、平衡信号端子のインピーダンスが150Ωの平衡−不平衡信号変換機能を有している。また、不平衡信号端子515と縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502それぞれとの間には、弾性表面波共振子(共振子)503、504が直列に接続されている。
【0061】
上記縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501は、IDT506を挟み込むように、IDT505、507が形成され、その両側にリフレクタ508、509が形成されている。図14に示すように、IDT505とIDT506との間、およびIDT506とIDT507との間の数本の電極指のピッチを、IDTの他の部分の電極指のピッチよりも小さくしている(狭ピッチ電極指部518、519)。
【0062】
縦結合共振子型弾性表面波フィルタ502の構成は、IDT511を挟みこむようにIDT510、512が形成され、その両側にリフレクタ513、514が形成されている。また、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501と同様に、IDT510とIDT511との間、およびIDT511とIDT512との間には、狭ピッチ電極指部520、521が設けられている。また、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ502のIDT510およびIDT512の向きは、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501のIDT505およびIDT507に対して、交叉幅方向に反転させている。これにより、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ102における入力信号に対する出力信号の位相は、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ101に対して約180°反転されている。
【0063】
また、本実施の形態においては、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502のIDT506、511が平衡信号端子516、517のそれぞれに接続されている。さらに、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502のIDT505、507およびIDT510、512のそれぞれが、弾性表面波共振子503、504を介して、不平衡信号端子515に接続されている。
【0064】
上記弾性表面波共振子503、504は、共に同じ構成であり、それそれIDT523、526を挟み込むように、リフレクタ522、525と、リフレクタ524、527とが形成されている。
【0065】
次に、本実施の形態におけるパッケージに収納されている弾性表面波装置の断面図を図15に示す。上記弾性表面波装置は、パッケージと弾性表面波フィルタが形成されている圧電基板205との導通を、バンプボンディング206によって取るフリップチップ工法により作られた構造である。
【0066】
上記パッケージは2層構造となっており、底板部201、側壁部202、ダイアタッチ面203およびキャップ204を備えている。この底板部201は例えば長方形状であり、この底板部201の四周辺部からそれぞれ側壁部202が立設されている。キャップ部20は、この各側壁部202により形成される開口を覆って塞いでいる。この底板部201の上面(内表面)には、圧電基板205との導通を取るダイアタッチ部20が形成されている。圧電基板205とダイアタッチ部20は、バンプ206によって結合されている。
【0067】
また、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500では、縦結合共振子型弾性表面波共振子503におけるリフレクタ522、524のそれぞれとIDT523との互いに隣り合う電極指の中心間距離Xλと、弾性表面波共振子504におけるリフレクタ525、527のそれぞれとIDT526との互いに隣り合う電極指の中心間距離Yλとが異なっている。つまり、各弾性表面波共振子503、504においてIDTとリフレクタとの最外電極指中心間距離が異なっている。上記λは、弾性表面波フィルタのIDTにおける電極指ピッチで決まる波長である。例えば、弾性表面波共振子503では、Xλ=0.57λであり、弾性表面波共振子504では、Yλ=0.43λである。
【0068】
本実施の形態にかかる縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502の詳細な設計の一例については、以下の通りである。
【0069】
電極指のピッチを狭くしていない電極指のピッチで決まる波長をλIとすると、
交叉幅:41.8λI
IDT本数:(IDT505、IDT506、IDT507の順):18(3)/(3)33(3)/(3)18本(カッコ内はピッチを狭くした電極指の本数)
リフレクタ本数:60本(リフレクタ508、509)、90本(リフレクタ513、514)
duty(デューティ):0.72(IDT)、0.57(リフレクタ)
電極膜厚:0.092λI
また、上記弾性表面波共振子503、504の詳細な設計の一例については、
以下の通りである。
【0070】
交叉幅:16.5λI
IDT本数:180本
リフレクタ本数:15本
duty:0.60
電極膜厚:0.093λI
また、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500に対する比較として、図18に、比較例1の弾性表面波装置1500の構成を示す。この弾性表面波装置1500は、上記弾性表面波装置500に対して、弾性表面波共振子503におけるリフレクタ522、524のそれぞれとIDT523との互いに隣り合う電極指の中心間距離(最外電極指中心間距離)Xλを0.50λとし、弾性表面波共振子504におけるリフレクタ525、527のそれぞれとIDT526との互いに隣り合う電極指の中心間距離(最外電極指中心間距離)Yλを0.50λとした構成である。その他の設計パラメータは、上記弾性表面波装置500と同様である。
【0071】
図16、図17に、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500における、周波数−挿入損失特性、および周波数−コモンモード減衰量特性を示す。また、比較例1の弾性表面波装置1500における、周波数−挿入損失特性、および周波数−VSWR特性についても示す。
【0072】
図17を見ると、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500では、1880〜1900MHz付近のコモンモード減衰量は約22dBであるのに対し、比較例1の弾性表面波装置1500では、約20dBである。つまり、このコモンモード減衰量が約2dB改善していることがわかる。このとき、コモンモード減衰量などの大きな悪化は見られない。また、図16を見てわかるとおり、通過帯域内の挿入損失の悪化も見られない。このことは、弾性表面波共振子503におけるリフレクタ522、524のそれぞれとIDT523との互いに隣り合う電極指の中心間距離Xλと、弾性表面波共振子504におけるリフレクタ525、527のそれぞれとIDT526との互いに隣り合う電極指の中心間距離Yλとが異なっているため、弾性表面波共振子503と弾性表面波共振子504とにおける振幅および位相特性が異なり、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502における通過帯域高域側の平衡度のずれが補正されたことによる効果である。
【0073】
次に、コモンモード減衰量が改善される範囲を検討した。検討方法は、弾性表面波共振子503におけるリフレクタ522、524のそれぞれとIDT523との互いに隣り合う電極指の中心間距離Xλと、弾性表面波共振子504におけるリフレクタ525、527のそれぞれとIDT526との互いに隣り合う電極指の中心間距離Yλとを変化させていき、その差に対する1880〜1900MHzにおけるコモンモード減衰量を調査することにより検討した。その結果を、図19に示す。この図19より、XλとYλとの差が0.18λまでは、XλとYλとを異ならせない(同じにした)場合よりも大きなコモンモード減衰量を得られることがわかる。つまり、上記弾性表面波装置500では、(0+0.5n)λ<|X−Y|λ≦(0.18+0.5n)λ (n=0,1,2…)であることが好ましいことがわかる。
【0074】
以上説明したように、実施の形態3では弾性表面波共振子を直列接続した2つの縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502を用いて平衡−不平衡変換機能を持たせた弾性表面波装置において、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502と不平衡信号端子515との間にそれぞれ弾性表面波共振子503、504を直列に接続し、各弾性表面波共振子503、504におけるIDTとリフレクタとの最外電極指中心間距離を異ならせることにより、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0075】
本実施の形態では、3つのIDTを有する縦結合共振子型弾性表面波フィルタを2つ用いる例を示したが、5つのIDTを有する縦結合共振子型弾性表面波フィルタを2つ用いる構成でもよい。また、1つの縦結合共振子型弾性表面波フィルタを用いて平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置を構成した場合であっても、弾性表面波共振子のIDTとリフレクタとの最外電極中心間距離を異ならせることで、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0076】
また、本実施の形態では図15のように、バンプボンド法を用いるフェイスダウン工法にて、パッケージ200と圧電基板205上の各電極パッドとの導通を取る方法で弾性表面波装置を作製したが、これはワイヤボンド工法であっても問題はない。
【0077】
また、フェイスダウン工法で作製する構成としては図15の構成に限らず、例えば図20のように集合基板301上に圧電基板302をフリップチップ工法で接合し、その上に樹脂303を覆って封止して、ダイシングにより1パッケージ単位に切断する構成、図21のように同じく集合基板401上に圧電基板402をフリップチップ工法で接合し、その上にシート状の樹脂材403を覆って封止して、ダイシングにより1パッケージ単位に切断する構成で、弾性表面波装置が作製されていてもよい。
【0078】
さらに、本実施の形態では、40±5°YcutX伝搬LiTaO3 からなる圧電基板を用いたが、効果が得られる原理からもわかるとおり、本発明はこの圧電基板に限らず、例えば64°〜72°YcutX伝搬LiNbO3 、41°YcutX伝搬LiNbO3 などの圧電基板でも同様な効果が得られる。
【0079】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について図22ないし図25に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態3にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0080】
本実施の形態にかかる弾性表面波装置500aは、実施の形態3の弾性表面波装置500において、弾性表面波共振子503、504を弾性表面波共振子503a、504aに代えた構成である。上記弾性表面波共振子503a、504aは、それぞれIDT523a、526aを挟み込むように、リフレクタ522a、525aと、リフレクタ524a、527aとが形成されている構成である。この弾性表面波共振子503a、504aでは、弾性表面波共振子503aにおけるIDT523aとリフレクタ522a、524aとのピッチ比aと、弾性表面波共振子504aにおけるIDT526aとリフレクタ525a、527aとのピッチ比bとが異なる構成になっている。なお、上記ピッチ比は、「IDTピッチ/リフレクタピッチ」で表される。上記弾性表面波共振子503、504におけるIDTとリフレクタとのピッチ比は、a=0.994、b=1.006に設定されている。弾性表面波装置500aにおけるその他の設計パラメータは、上記比較例1の弾性表面波装置1500と同じである。
【0081】
図23、図24に、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500aにおける、周波数−挿入損失特性、および周波数−コモンモード減衰量特性を示す。また、比較例1の弾性表面波装置1500における、周波数−挿入損失特性、および周波数−VSWR特性についても示す。
【0082】
図24を見ると、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500aでは、1880〜1900MHz付近のコモンモード減衰量は約20dBであるのに対し、比較例1の弾性表面波装置1500では、約22dBである。つまり、このコモンモード減衰量が約2dB改善していることがわかる。このとき、通過帯域内のコモンモード減衰量などの大きな悪化は見られない。また、図23を見てわかるとおり、通過帯域内の挿入損失の悪化も見られない。このことは、弾性表面波共振子503aと弾性表面波共振子504aとにおいてIDTとリフレクタとのピッチ比を異ならせているため、弾性表面波共振子503aと弾性表面波共振子504aとにおける振幅および位相特性が異なり、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502における通過帯域高域側の平衡度のずれが補正されたことによる効果である。
【0083】
次に、コモンモード減衰量が改善される範囲を検討した。検討方法は、弾性表面波共振子503aにおけるIDT523aとリフレクタ522a、524aとのピッチ比(a)および弾性表面波共振子504aにおけるIDT526aとリフレクタ524a、527aとのピッチ比(b)を変化させていき、そのピッチ比の比(弾性表面波共振子503aのピッチ比/弾性表面波共振子504aのピッチ比(a/b))に対する1880〜1900MHzにおけるコモンモード減衰量を調査することにより検討した。その結果を、図25に示す。この図25より、上記ピッチ比の比が約0.984までは、上記ピッチ比を異ならせない場合よりも大きなコモンモード減衰量を得られることがわかる。つまり、上記弾性表面波装置500では、ピッチ比の比が0.984≦a/b<1の範囲となることが好ましいことがわかる。
【0084】
以上説明したように、実施の形態4では弾性表面波共振子を直列に接続した2つの縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502を用いて平衡−不平衡変換機能を持たせた弾性表面波装置において、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502と平衡信号端子515の間にそれぞれ弾性表面波共振子503a、504aを直列に接続し、各弾性表面波共振子503a、504aにおけるIDTとリフレクタとのピッチ比を異ならせることにより、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0085】
本実施の形態にかかる弾性表面波装置500aでは、3つのIDTを有する縦結合共振子型弾性表面波フィルタを2つ用いる例を示したが、5つのIDTを有する縦結合共振子型弾性表面波フィルタを2つ用いる構成でもよい。また、1つの縦結合共振子型弾性表面波フィルタを用いて平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置を構成してもよい。さらに、少なくとも1つのIDTを、弾性表面波の伝搬方向、または交叉幅方向に分割した弾性表面波フィルタを用いて平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置を構成してもよい。そして、上記の構成において、各弾性表面波共振子におけるIDTとリフレクタとのピッチ比を異ならせることにより、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0086】
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図26ないし図29に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態3および4にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0087】
本実施の形態にかかる弾性表面波装置500bは、実施の形態3の弾性表面波装置500において、弾性表面波共振子503、504を弾性表面波共振子503b、504bに代えた構成である。上記弾性表面波共振子503b、504bは、それぞれIDT523b、526bを挟み込むように、リフレクタ522b、525bと、リフレクタ524b、527bとが形成されている構成である。この弾性表面波共振子503b、504bでは、弾性表面波共振子503bにおけるIDT523bおよびリフレクタ522b、524bのデューティと、弾性表面波共振子504bにおけるIDT526bおよびリフレクタ525b、527bのデューティとが異なる構成になっている。上記弾性表面波共振子503b、504bにおけるデューティは、それぞれ0.620、0.580に設定されている。弾性表面波装置500bにおけるその他の設計パラメータは、上記比較例1の弾性表面波装置1500と同じである。
【0088】
図27、図28に、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500bにおける、周波数−挿入損失特性、および周波数−コモンモード減衰量特性を示す。また、比較例1の弾性表面波装置1500における、周波数−伝送特性、および周波数−VSWR特性についても示す。
【0089】
図28を見ると、本実施の形態にかかる弾性表面波装置500bでは、1880〜1900MHz付近のコモンモード減衰量は約20dBであるのに対し、比較例1の弾性表面波装置1500では、約22dBである。つまり、このコモンモード減衰量が約2dB改善していることがわかる。このとき、通過帯域内のコモンモード減衰量などの大きな悪化は見られない。また、図27を見てわかるとおり、通過帯域内の挿入損失の悪化も見られない。このことは、弾性表面波共振子503bと弾性表面波共振子504bとにおいてIDTおよびリフレクタのデューティを異ならせているため、弾性表面波共振子503bと弾性表面波共振子504bとにおける振幅および位相特性が異なり、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502における通過帯域高域側の平衡度のずれが補正されたことによる効果である。
【0090】
次に、コモンモード減衰量が改善される範囲を検討した。検討方法は、弾性表面波共振子503bにおけるIDT523bおよびリフレクタ522b、524bのデューティ(x)、ならびに弾性表面波共振子504bにおけるIDT526bおよびリフレクタ525b、527bのデューティ(y)を変化させていき、それらのデューティの差(x−y)に対する1880〜1900MHzにおけるコモンモード減衰量を調査することにより検討した。その結果を、図29に示す。この図29より、デューティの差が約0.05までは、弾性表面波共振子503b、504bのデューティを異ならせない場合よりも大きなコモンモード減衰量を得られることがわかる。つまり、上記弾性表面波装置500bでは、デューティが0<|x−y|≦0.05の範囲となることが好ましいことがわかる。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態5では弾性表面波共振子を直列に接続した2つの縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502を用いて平衡−不平衡変換機能を持たせた弾性表面波装置において、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ501、502と平衡信号端子515との間にそれぞれ弾性表面波共振子503b、504bを直列に接続し、各弾性表面波共振子503b、504bにおけるIDTおよびリフレクタのデューティを異ならせることにより、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0092】
また、弾性表面波装置500bにおいて、弾性表面波共振子503bにおけるIDT523bおよびリフレクタ522b、524bのデューティ、ならびに弾性表面波共振子504bにおけるIDT526bおよびリフレクタ525b、527bのデューティ(y)を異ならせるのは、弾性表面波共振子のIDTのみ、あるいは、弾性表面波共振子のリフレクタのみでもよく、これらの構成においても同様の効果を得ることができる、
実施の形態5の弾性表面波装置500bでは、3つのIDTを有する縦結合共振子型弾性表面波フィルタを2つ用いる例を示したが、5つのIDTを有する縦結合共振子型弾性表面波フィルタを2つ用いる構成でもよい。また、1つの縦結合共振子型弾性表面波フィルタを用いて平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置を構成してもよい。さらに、少なくとも1つのIDTを、弾性表面波の伝搬方向、または交叉幅方向に分割した弾性表面波フィルタを用いて平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置を構成してもよい。そして、上記の構成において、各弾性表面波共振子におけるIDTおよびリフレクタのデューティを異ならせることにより、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0093】
また、例えば、比較例1の各弾性表面波共振子503、504において、リフレクタとIDTとの最外電極指中心間距離、リフレクタとIDTとのピッチ比の比、ならびにリフレクタおよびIDTのデューティのうちの少なくとも2つを異ならせることによっても、通過帯域高域側のコモンモード減衰量が大きい、弾性表面波装置が得られる。
【0094】
次に、上記実施の形態に記載の弾性表面波装置(SAWデバイス)を用いた通信装置について図11に基づき説明する。上記通信装置600は、受信を行うレシーバ側(Rx側)として、アンテナ601、アンテナ共用部/RFTopフィルタ602、アンプ603、Rx段間フィルタ604、ミキサ605、1stIFフィルタ606、ミキサ607、2ndIFフィルタ608、1st+2ndローカルシンセサイザ611、TCXO(temperature compensated crystal oscillator(温度補償型水晶発振器))612、デバイダ613、ローカルフィルタ614を備えて構成されている。
【0095】
Rx段間フィルタ604からミキサ605へは、図11に二本線で示したように、バランス性を確保するために各平衡信号にて送信することが好ましい。
【0096】
また、上記通信装置600は、送信を行うトランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ601及び上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ602を共用するとともに、TxIFフィルタ621、ミキサ622、Tx段間フィルタ623、アンプ624、カプラ625、アイソレータ626、APC(automatic power control (自動出力制御))627を備えて構成されている。
【0097】
そして、上記のRx段間フィルタ604、1stIFフィルタ606、TxIFフィルタ621、Tx段間フィルタ623には、上述した本実施の形態に記載のSAWデバイスが好適に利用できる。
【0098】
本発明に係るSAWデバイスは、フィルタ機能と共に不平衡型−平衡型変換機能を備えることができ、その上、各平衡信号間の振幅特性が理想により近いという優れた特性を有するものである。よって、上記SAWデバイスを有する本発明の通信装置は、伝送特性を向上できるものとなっている。
【0099】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0100】
【発明の効果】
本発明の弾性表面波装置は、以上のように、弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、前記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、前記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、上記第1の共振子および第2の共振子は、互いに異なる設計パラメータにより形成されている構成である。
【0101】
上記の構成によれば、第1の共振子および第2の共振子は、それぞれ第1の弾性表面波素子および第2の弾性表面波素子の特性に応じて設計されたものであるので、それぞれの設計パラメータが調節されることにより、弾性表面波装置の不平衡型−平衡型変換におけるバランス性を改善することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係る弾性表面波装置の概略構成図である。
【図2】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子における電極指の本数を変化させたときの振幅平衡度を示すグラフである。
【図3】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子における電極指の本数を変化させたときの位相平衡度を示すグラフである。
【図4】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子における電極指の本数を変化させてシミュレートした振幅平衡度を示すグラフである。
【図5】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子における電極指の本数を変化させてシミュレートした位相平衡度を示すグラフである。
【図6】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子におけるデューティを変化させたときの振幅変化度を示すグラフである。
【図7】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子におけるデューティを変化させたときの位相変化度を示すグラフである。
【図8】 本発明の実施の他の形態に係る弾性表面波装置の概略構成図である。
【図9】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子における交叉幅を変化させてシミュレートしたときの振幅平衡度を示すグラフである。
【図10】 上記弾性表面波装置のトラップ共振子の共振子における交叉幅を変化させてシミュレートした位相平衡度を示すグラフである。
【図11】 上記弾性表面波装置を用いた通信装置の要部ブロック図である。
【図12】 従来の弾性表面波装置の概略構成図である。
【図13】 従来の他の弾性表面波装置の概略構成図である。
【図14】 本発明の実施の形態3に係る弾性表面波装置の概略構成図である。
【図15】 パッケージに収納されている上記実施実施の形態にかかる弾性表面波装置の要部の断面図である。
【図16】 実施の形態3に係る弾性表面波装置および比較例1の弾性表面波装置における、弾性周波数−挿入損失特性を示すグラフである。
【図17】 実施の形態3に係る弾性表面波装置および比較例1の弾性表面波装置における、周波数−コモンモード減衰量特性を示すグラフである。
【図18】 比較例1の弾性表面波装置の概略構成図である。
【図19】 実施の形態3に係る弾性表面波装置の効果が得られる範囲を調査したグラフである。
【図20】 上記実施の形態の弾性表面波装置の一製造プロセスを示す断面図である。
【図21】 上記実施の形態の弾性表面波装置の他の製造プロセスを示す断面図である。
【図22】 本発明の実施の形態4に係る弾性表面波装置の概略構成図である。
【図23】 実施の形態4に係る弾性表面波装置および比較例1の弾性表面波装置における、弾性周波数−挿入損失特性を示すグラフである。
【図24】 実施の形態4に係る弾性表面波装置および比較例1の弾性表面波装置における、周波数−コモンモード減衰量特性を示すグラフである。
【図25】 実施の形態4に係る弾性表面波装置の効果が得られる範囲を調査したグラフである。
【図26】 本発明の実施の形態5に係る弾性表面波装置の概略構成図である。
【図27】 実施の形態5に係る弾性表面波装置および比較例1の弾性表面波装置における、弾性周波数−挿入損失特性を示すグラフである。
【図28】 実施の形態5に係る弾性表面波装置および比較例1の弾性表面波装置における、周波数−コモンモード減衰量特性を示すグラフである。
【図29】 実施の形態5に係る弾性表面波装置の効果が得られる範囲を調査したグラフである。
【符号の説明】
1 共振子型フィルタ(SAWフィルタ)
2 共振子型フィルタ(SAWフィルタ)
3 トラップ共振子
4 トラップ共振子
5 トラップ共振子
6 トラップ共振子
7 不平衡信号用端子
8 平衡信号用端子
9 平衡信号用端子
11 IDT(くし型電極)
12 IDT(くし型電極)
13 IDT(くし型電極)
21 IDT(くし型電極)
22 IDT(くし型電極)
23 IDT(くし型電極)
31 共振子
41 共振子
500 弾性表面波装置
501、502 縦結合共振子型弾性表面波フィルタ(弾性表面波素子)
503、504 弾性表面波共振子(共振子)
515 不平衡信号用端子
516、517 平衡信号用端子

Claims (11)

  1. 弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、
    前記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、前記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、
    上記第1の共振子と第2の共振子とにおける電極指の本数が、互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、
    上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、
    上記第1の共振子と第2の共振子とにおける交叉幅が、互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、
    上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、
    上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるくし型電極部のデューティが、互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置。
  4. 弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、
    少なくとも1つのくし型電極部と、くし型電極部を挟むように配置されているリフレクタとからなる弾性表面波共振子である、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、
    上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタのデューティが、互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置。
  5. 上記第1の共振子と第2の共振子とにおける上記リフレクタのデューティまたは上記くし型電極部のデューティをそれぞれx、yとした場合、
    0<|x−y|≦0.05
    の関係を満たすことを特徴とする請求項3または4に記載の弾性表面波装置。
  6. 弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、
    少なくとも1つのくし型電極部と、くし型電極部を挟むように配置されているリフレクタとからなる弾性表面波共振子である、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、
    上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタとくし型電極部との最外電極指中心間距離が、互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置。
  7. 上記弾性表面波素子のくし型電極部の構造によって決まる波長をλとし、
    第1の共振子と第2の共振子とにおける、リフレクタとくし型電極部との最外電極指中心間距離をそれぞれXλ、Yλとした場合、
    (0+0.5n)λ<|X−Y|λ≦(0.18+0.5n)λ
    (n=0、1、2…)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項6に記載の弾性表面波装置。
  8. 弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された複数のくし型電極部を有する第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とを備え、上記第2の弾性表面波素子は、上記第1の弾性表面波素子とは位相が180°反転して不平衡型−平衡型変換機能を有する弾性表面波装置において、
    少なくとも1つのくし型電極部と、くし型電極部を挟むように配置されているリフレクタとからなる弾性表面波共振子である、上記第1の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第1の共振子と、上記第2の弾性表面波素子の不平衡側に直列に接続されている第2の共振子とを備え、
    上記第1の共振子と第2の共振子とにおけるリフレクタとくし型電極部とのピッチ比が、互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置。
  9. 第1の共振子と、第2の共振子とにおけるリフレクタとくし型電極部とのピッチ比(くし型電極部のピッチ/リフレクタのピッチ)をそれぞれa、bとした場合、
    0.984≦a/b<1
    の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載の弾性表面波装置。
  10. フェイスダウン工法でパッケージ内に収納されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の弾性表面波装置を有することを特徴とする通信装置。
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