JP2004048675A - 弾性表面波装置及びそれを有する通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入損失の劣化を抑制しながら、平衡−不平衡変換が可能で、不平衡と平衡との間のインピーダンスが1:2ないし1:3に設定できて、簡素な構成の弾性表面波装置及びそれを有する通信装置を提供する。
【解決手段】平衡−不平衡変換機能を有するように複数のくし型電極部303、304、305、308、309、310を設ける。平衡信号端子314、314側に接続されたくし型電極部304、305、309、310の電極指総本数をN1、不平衡信号端子313側に接続されたくし型電極部303、308の電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1を50〜70%に設定する。くし型電極部303、304、305、308、309、310の電極交叉幅(W)を弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲に設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】平衡−不平衡変換機能を有するように複数のくし型電極部303、304、305、308、309、310を設ける。平衡信号端子314、314側に接続されたくし型電極部304、305、309、310の電極指総本数をN1、不平衡信号端子313側に接続されたくし型電極部303、308の電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1を50〜70%に設定する。くし型電極部303、304、305、308、309、310の電極交叉幅(W)を弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲に設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の小型無線通信装置のフィルタに好適に使用される弾性表面波装置、特に平衡−不平衡変換機能を有し、入出力インピーダンスが異なる弾性表面波装置及びそれを有する通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の小型無線通信装置の小型化、軽量化に対する技術的進歩は目覚しいものがある。これを実現するための手段として、各構成部品の削減、小型化はもとより、複数の機能を複合した部品の開発も進んできた。
【0003】
このような状況を背景に、携帯電話のRF段に使用する弾性表面波フィルタに対して、平衡−不平衡変換機能、いわゆるバランの機能を備えることへの要求が強くなってきており、平衡−不平衡信号変換を容易に対応できる縦結合共振子型表面波フィルタが、携帯電話のRF段のバンドパスフィルタとして主流になってきている。
【0004】
この平衡−不平衡変換機能を備えた縦結合共振子型表面波フィルタは、平衡あるいは差動入出力を備えたミキサIC(以下、平衡型ミキサICという)に接続されて用いられることが多い。この平衡型ミキサICを用いた場合、ノイズの影響の低減及び出力の安定化を図ることができ、携帯電話の特性向上を図ることができるため、近年、多く使われるようになった。
【0005】
この平衡型ミキサICのインピーダンスは、RF段に使用する弾性表面波フィルタが、通常50Ωのインピーダンスを有するのに対し、多くの場合100Ω〜200Ω程度と高い。中でも、これまでの主流は200Ωであったため、平衡型ミキサICと併用される縦結合共振子型表面波フィルタには、入力インピーダンスと出力インピーダンスが約4倍異なる特性を要求されていた。
【0006】
入力インピーダンスと出力インピーダンスとが互いに約4倍異なる特性を得るには、図28に示すように、特開2001−267885号公報に開示されている構成が広く用いられている。図28の構成は、縦結合共振子型の各弾性表面波素子101、102が、端子の一方を電気的に並列に、一方を直列に接続されている。
【0007】
弾性表面波素子101と弾性表面波素子102との間にて互いに異なる点は、くし型電極部(以下、IDTと記す)103とIDT108とが、位相の点で互いに反転していることである。これにより、端子114と端子115とから出力される信号の位相は、ほぼ180度異なり、端子113から入力される不平衡信号が端子114と端子115とから出力される平衡信号に変換される。
【0008】
また、図28の構成での周波数特性及びインピーダンス特性をそれぞれ図29、図30(a)及び(b)に示す。図29の特性は、EGSM(Enhanced Global System for Mobile communications)送信用フィルタとして設計されたもので、通過帯域に必要な周波数範囲は880MHz〜915MHzである。f=880MHzのポイントをX、f=915MHzのポイントをYとして、図30(a)及び(b)にプロットする。
【0009】
図30(a)及び(b)から分かるように、図1の構成にて設計した場合通過帯域におけるインピーダンスは不平衡側(S11)50Ωに対し、平衡側(S22)200Ωの終端インピーダンスは、ほぼ整合が取れており、平衡信号側のインピーダンスが不平衡信号側のインピーダンスの約4倍となる特性が得られる。
【0010】
一方で、前述したが平衡型ミキサICによってはインピーダンスが100Ω付近の場合もあり、それに応じて縦結合共振子型表面波フィルタも、不平衡信号端子側のインピーダンスと平衡信号端子側のインピーダンスが約2倍異なる特性を要求される場合もある。
【0011】
日本国特許第3224202号公報では、図31の様な不平衡−平衡入出力対応フィルタを構成してその解決法を提示している。図31の構成を説明すると、2つの縦結合共振子型の各弾性表面波素子201、202をそれぞれIDT204とIDT209、IDT205とIDT210にてカスケード接続した構成となっており、端子213が不平衡信号端子であり、端子213から入力した信号はIDT208にて位相がそれぞれ約180度異なる信号として各平衡信号端子214、215に出力される。
【0012】
日本国特許第3224202号公報においては、図31の構成にて各弾性表面波素子201、202の交叉幅Wを互いに異ならせることで、不平衡信号端子側のインピーダンスと平衡信号端子側のインピーダンスが異なる場合でも、所望の特性を得る事が出来るとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図31の構成では、広帯域、低損失かつ高平衡度という近年の要求を満足する特性を得る事はできない。一つは、2つの各弾性表面波素子201、202をカスケード接続した場合、挿入損失は当然のことながら2素子分の値となる。その上、1段目と2段目の交叉幅を変えるため、段間部での不整合が発生し、更に挿入損失が大きくなる。
【0014】
参考に1つの弾性表面波素子での周波数特性を図32に、その弾性表面波素子を2つ用い、カスケード接続した場合の周波数特性を図33に示す。一つは、図31の構成の場合、IDT208にて位相が180度異なる信号を平衡信号端子214及び端子215に出力する構成となっているが、IDT電極あるいは基板上における配線を非対称に構成せざるを得ず、出力信号の振幅・位相平衡度に影響するため、図28の構成に比べて平衡度は悪化する。
【0015】
以上の事から、図31の構成は低損失かつ平衡度の要求レベルの高い不平衡−平衡入出力対応フィルタには不向きであり、専ら図28の構成が用いられる。
【0016】
以下では、図28の構成において不平衡信号端子113を入力側、平衡信号端子114、115を出力側として説明する。図28の構成にて弾性表面波素子101、102の入出力端子のインピーダンスをRi、Roとした場合、不平衡信号端子側のインピーダンスは弾性表面波素子101、102の入力側の端子が電気的に並列に接続されるためRi/2、平衡信号端子側のインピーダンスは弾性表面波素子101、102の出力側の端子が電気的に直列に接続されるため2Roとなる。
【0017】
通常、3つのIDTにて弾性表面波素子101、102を設計した場合、入出力のインピーダンスは近い値になることから、Ri≒Roが成り立つ。従って、前述した様な平衡信号端子側のインピーダンスが不平衡側のインピーダンスに対して約4倍異なる不平衡−平衡入出力フィルタを構成するためには、4×Ri/2≒2Ro、すなわちRi≒Roとなり、設計は容易である。
【0018】
一方、平衡信号端子側のインピーダンスが不平衡信号端子側のインピーダンスに対し約2倍異なる不平衡−平衡変換機能を構成するためには、2×Ri/2≒2Ro、すなわち2Ri≒Roとなるような弾性表面波素子101、102を設計する必要があり、設計上困難であると言える。
【0019】
従来の方法の一つに、Ri≒Roとなっている弾性表面波素子にて平衡信号端子側のインピーダンスが不平衡信号端子側のインピーダンスに対して約4倍異なる不平衡−平衡変換機能を有する弾性表面波装置を構成し、平衡信号端子側にインダクタンス素子を並列に、さらにキャパシタンス素子を直列に付加する(もしくはキャパシタンス素子を並列に、インダクタンス素子を並列に付加)など、弾性表面波装置の外にマッチング素子を付加することで不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるように整合を取るという方法も用いられてきた。
【0020】
図30の特性を不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるように整合を取った時の周波数特性を図34、インピーダンス特性(880MHz〜915MHzの範囲)を図35(a)、(b)に、外部素子を付加した測定回路を図36に示す。尚、図34、図35(a)、(b)では、比較のために外部素子無しのときの特性も示した。図34、図35(a)、(b)に示すように、この方法にて、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるようにすることは可能であるが、外部素子の付加による構成部品の増加、それに伴う小型化の弊害になるといった問題があった。
【0021】
このような問題は、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるようにするときだけではなく、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約3倍異なるようにするときにおいても同様に生じる。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性表面波装置は、上記課題を解消するために、平衡−不平衡変換機能を有するように複数のIDTを備えた弾性表面波装置において、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲に設定されていることが特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、上記設定により、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を、新たな外部素子等の付加を省いて、簡素な構成により1:2ないし1:3にできる。
【0024】
上記弾性表面波装置では、前記IDTのうち反射器に隣り合うIDTと前記反射器とが互いに隣り合う箇所において、隣り合う電極指の中心間距離が前記反射器の電極周期λrに対して0.46λr〜0.54λrであることが好ましい。
【0025】
上記弾性表面波装置においては、前記IDTの電極周期により決まる周波数fidtが、前記反射器の電極周期により決まる周波数frefに対して、(fref/fidt)=0.993〜1.008の範囲にて設定されていてもよい。
【0026】
上記弾性表面波装置では、圧電基板上に弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された3つ以上の奇数個のIDTを有する第1の弾性表面波フィルタと、入力信号に対し出力信号の位相が約180度異なる第2の弾性表面波フィルタを有し、前記第1、第2の弾性表面波フィルタにおけるそれぞれ一方の端子を電気的に並列に接続し、もう一方を電気的に直列に接続し、前記並列に接続した端子を不平衡信号端子、直列に接続した端子を平衡信号端子とすることで平衡−不平衡変換機能を有していてもよい。
【0027】
上記弾性表面波装置においては、IDTの数をkとするとき、[(k−1)/2]個のIDTが、不平衡信号端子に接続され、{[(k−1)/2]+1}個のIDTが、平衡信号端子にそれぞれ接続されていてもよい。
【0028】
上記弾性表面波装置では、圧電基板上に弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された1つの弾性表面波フィルタにおいて、入力信号に対し出力信号の位相の差が約0度となる第1の端子と、入力信号に対し出力信号の位相の差が約180度となる第2の端子とを有し、上記第1の端子と第2の端子とを互いに直列に接続することで、平衡−不平衡変換機能を有していてもよい。
【0029】
上記弾性表面波装置においては、複数のIDTは、3つのIDTを有する縦結合共振子型フィルタに設けられていてもよい。
【0030】
上記弾性表面波装置では、少なくとも平衡信号端子側に接続されるIDTに、少なくとも一つの弾性表面波共振子が電気的に直列に接続されていてもよい。
【0031】
上記構成によれば、少なくとも平衡信号端子側に接続されるIDTに、少なくとも一つの弾性表面波共振子を電気的に直列に接続したことにより、さらに、通過帯域外の減衰量を大きくできるから、フィルタ特性を向上できる。
【0032】
上記弾性表面波装置においては、各IDTにおける共振モードの内、0次モードの励振周波数をf0、及びIDT−IDTの間に弾性表面波の強度分布のピークをもつ定在波共振モードの励振周波数をfNとし、弾性表面波共振子の共振周波数をf1、反共振周波数をf2としたとき、少なくとも両端に位置するIDTに接続される端子に、それぞれ少なくとも一つの弾性表面波共振子が、f1<f0<fN<f2となるように、電気的に直列に接続されていてもよい。
【0033】
上記弾性表面波装置では、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となるように設定されていることが望ましい。
【0034】
本発明の通信装置は、前記の課題を解消するために、上記の何れかに記載の弾性表面波装置を有していることを特徴としている。
【0035】
上記構成によれば、用いた弾性表面波装置は、フィルタ機能と共に平衡型−不平衡変換機能を備えることができ、その上、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を1:2ないし1:3にでき、また、通過帯域外の減衰量に優れた特性を有するものである。よって、上記弾性表面波装置を有する本発明の通信装置は、伝送特性を向上できるものとなっている。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の各形態の弾性表面波装置及びそれを備えた通信装置を図1ないし図27、並びに図37ないし図42に基づいて以下に説明する。
【0037】
本発明に係る弾性表面波装置における実施の第一形態は、図1に示すように、不平衡信号端子313側の終端インピーダンスが50Ω、各平衡信号端子314、315側の終端インピーダンスが100Ωで、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスが約2倍となる構成のEGSM送信用フィルタとして設計したものである。なお、EGSM送信用フィルタの通過帯域に必要な周波数範囲は880MHz〜915MHzであり、中心周波数は897.5MHzである。
【0038】
実施の第一形態では、40±5°YcutX伝搬LiTaO3 からなる圧電基板300上に弾性表面波フィルタがAl電極により形成されている。実施の第一形態の構成を詳細に説明すると、IDT303の左右(弾性表面波の伝搬方向に沿ってIDT303を挟むように)に各IDT304、305を配置し、さらにこれらのIDT304、303、305を左右から挟み込むように、各リフレクタ306、307が形成された縦結合共振子型弾性表面波素子301が形成されている。
【0039】
同様に、IDT308の左右に各IDT309、310を配置し、これらのIDT309、308、310を挟み込むように、リフレクタ311、312が形成された縦結合共振子型弾性表面波素子302が弾性表面波素子301に対し、出力信号の位相関係が180度異なるように形成されている。
【0040】
ここで、IDT303、304、305、308、309、310は一部箇所の電極指のピッチがIDTの他の箇所より小さくなっている(狭ピッチ電極指)。ちなみに図1では図を簡潔にするために電極指の本数を少なく示している。端子313は不平衡信号端子、端子314と端子315は平衡信号端子である。
【0041】
次に、図1の構成において、各弾性表面波素子301、302の交叉幅をW[μm]、IDTのピッチで決まる波長をλI[μm]としたとき、交叉幅の波長比W/λI、また、不平衡信号端子313に接続されたIDT303、308の電極指総数をN1、平衡信号端子314、315に接続されたIDT304、305、309、310の電極指総数をN2としたとき、不平衡信号端子313、各平衡信号端子314、315に接続された電極指の比率はN2/N1[%](以下、電極指数比とする)となる。
【0042】
図2及び図3は、交叉幅W/λIをX軸とし、比帯域幅の依存性、及び複数の電極指数比N2/N1でみた時のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)をそれぞれ示している。EGSM送信用フィルタの場合、必要通過帯域幅が35MHzであるのに対し、温度変化マージン、製造公差マージンを考慮すると44MHzの帯域幅を必要とする。つまり、比帯域幅は44MHz/892.5MHz=4.9%以上であることが望ましい。
【0043】
また、通過帯域におけるインピーダンスは、できる限り終端インピーダンスに近いことが望ましい。終端インピーダンスをZL 、弾性表面波装置の特性インピーダンスをZ0 とすると、反射係数Γ=(ZL −Z0 )/(ZL +Z0 )で表され、VSWRは(1+|Γ|)/(1−|Γ|)となる。したがって、弾性表面波装置の終端インピーダンスからのずれの指標としてVSWRを用いた。VSWRは市場からの要求レベルから考えても多くとも2.0(つまり2.0以下)とする必要がある。
【0044】
図2において、求められる比帯域幅4.9%以上を満たすのは、電極指数比N2/N1が50%よりも上であるか、50%で交叉幅Wが43λI以上のときである。ここから、電極指数比N2/N1が50%以上、交叉幅Wでは43λI以上が好ましいことを導き出すことができる。
【0045】
次に、図3において、求められるVSWR=2以下を満たすのは、上記の電極指数比N2/N1が50%以上ということから、交叉幅は、58λI以下が好ましく、かつ、上記の交叉幅Wが43λI以上ということから、電極指数比N2/N1では70%以下が望ましいことが分かる。
【0046】
よって、要求される比帯域幅が4.9%以上、かつVSWRが2以下を満たすのは、電極指数比N2/N1が50%以上、70%以下、かつ交叉幅は43λI以上、58λI以下のときである。
【0047】
次に、電極指数比N2/N1をX軸とし、複数のIDT−リフレクタ間隔[I−R gap(λr)]でみた時のVSWR及び比帯域幅の依存性を図4、図5に示す。この時、交叉幅W/λIは50.5λIに固定している。図4を見ると、電極指数比N2/N1は50%以上70%以下の範囲において、VSWRが2.0以下となるのは、リフレクタのピッチで決まる波長をλr[μm]とした時、IDT−リフレクタ間隔0.54λr以下のときである。また、図5に注目すると、比帯域幅が4.9%以上となるのは、IDT−リフレクタ間隔0.46λr以上の時である。
【0048】
以上のことから、電極指数比N2/N1が、50%以上、70%以下の範囲において、IDT−リフレクタ間隔は、0.46λr以上、0.54λr以下であることが望ましいと言える。
【0049】
また、リフレクタの音速、ピッチにより決まる周波数をfref、IDTの音速、ピッチにより決まる周波数をfidtとしたときIDTの周波数に対するリフレクタの周波数の比(以下、周波数比という)をfref/fidtとする。図6、図7BにIDT−リフレクタ間隔をX軸とし、複数の周波数比fref/fidtでみた時のVSWR及び比帯域幅の依存性にそれぞれ示す。この時、交叉幅W/λIは50.5λI、電極指数比N2/N1は約60%に固定している。
【0050】
図6に注目すると、IDT−リフレクタ間隔が大きくなるにつれVSWRは大きくなる傾向があり、IDT−リフレクタ間隔が0.46λr以上、0.54λr以下の範囲にてVSWR2.0以下を満足するためには、周波数比fref/fidtは0.993以上、1.008以下であることが好ましいと言える。
【0051】
次に図7に注目すると、IDT−リフレクタ間隔に対して比帯域幅は上に凸な放物線状に変化する傾向にある。IDT−リフレクタ間隔が0.46λr以上0.54λr以下の範囲においては、周波数比fref/fidtが0.993以上、1.003以下の範囲で最も安定し、それ以外では勾配の大きい領域にあるため、IDT−リフレクタ間隔に対する特性の変化が大きく不安定になる。以上のことより、周波数比fref/fidtは、0.993以上、1.003以下の範囲であることがより望ましいと言える。
【0052】
本実施の第一形態の構成にて、上記した最適な範囲内のパラメータを用いて設計した時の周波数特性を図8に、インピーダンス特性を図9(a)、図9(b)に、反射特性(VSWR)を図10にそれぞれ示す。なお、このときの規格化インピーダンスは不平衡端子側が50Ω、平衡端子側が100Ωであり、1:2の関係になっている。
【0053】
また、図8ないし図10の特性が得られた時の縦結合共振子型の各弾性表面波素子301、302の詳細な設計を以下に示す。尚、以下では狭ピッチ電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλi、その他の電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλI、リフレクタの波長をそれぞれλRとする。
・交叉幅W:228μm(51λI)
・IDT本数(304、303、305の順):29(4)/(3)35(3)/(4)29本(カッコ内は狭ピッチ電極指の本数、309、308、310も同じ)
・平衡信号端子に接続された電極指の本数N1:132本
・不平衡信号端子側に接続された電極指の本数N2:82本(N2/N1=62.1%)
・不平衡信号端子側に接続された電極指の本数N2:82本(N2/N1=62.1%)
・リフレクタ本数:90本
・(リフレクタ周波数fref)/(IDT周波数fidt):0.998
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λR
f=880MHzのポイントをX、f=915MHzのポイントをYとして、図9(a)及び図9(b)に示すインピーダンス特性にプロットすると、通過帯域のインピーダンスはS11が43Ω〜46Ωで50Ωからやや低めだが、ほぼ規格化インピーダンスにて整合が取れている。また、S22は整合点に対してX〜Y点のインピーダンスはやや高めにずれた格好になってはいるが、ほぼ規格化インピーダンスにて整合が取れていると言える。これにより、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係はほぼ1:2となることになる。
【0054】
また、図1の構造において、図8ないし図10の特性が得られた条件にて、規格化インピーダンスを不平衡信号端子側が50Ω、平衡信号端子側が150Ωとし、1:3の関係としたときの周波数特性を図37に、インピーダンス特性を図38(a)及び図38(b)に、反射特性(VSWR)を図39に、それぞれ示す。
【0055】
S22のインピーダンスに着目すると、整合点に対してX〜Y点のインピーダンスはやや低めにずれているが、VSWRは2.0以内に収まっており、ほぼ規格化インピーダンスで整合がとれている。これにより、前記した最適な範囲内のパラメータを用いて設計すれば、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3とすることも可能と言える。
【0056】
このときの各弾性表面波素子301、302の詳細な設計を下記に示す。なお、以下では狭ピッチ電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλi、その他の電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλI、リフレクタの波長をそれぞれλRとする。
・交叉幅W:228μm(51λI)
・IDT本数(304、303、305の順):29(4)/(3)35(3)/(4)29本(カッコ内は狭ピッチ電極指の本数、309、308、310も同じ)
・平衡信号端子に接続された電極指の本数N1:132本
・不平衡信号端子側に接続された電極指の本数N2:82本(N2/N1=62.1%)
・リフレクタ本数:90本
・(リフレクタ周波数fref)/(IDT周波数fidt):0.998
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λR
このように不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となるような特性を得るためには、IDTの個数をn個とした場合に、第1、第2の弾性表面波素子における(n−1)/2個のIDTにてそれぞれを電気的に並列に接続して不平衡信号端子とし、{[(n−1)/2]+1}個のIDTにて電気的に直列に接続し、直列に接続した端子を平衡信号端子とした図1のような構成は、一つの弾性表面波素子における入出力IDTの対数関係が通常の設計の場合により近い状態に保てることから、より望ましいと言える。
【0057】
なお、上記では、弾性表面波素子として3つのIDTを用いた縦結合共振子型の例を挙げたが、図11に示すように、5つのIDTを用いた縦結合共振子型の弾性表面波素子をそれぞれ用いてもよい。また、実施の第一形態では2つの弾性表面波素子を用いているが、図23もしくは図24のように1つの弾性表面波フィルタによる平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波素子においても同じことが言える。
【0058】
以上説明したように実施の第一形態では、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置において、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50%〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲にて構成することで、さらに望ましくは、IDT−リフレクタ間隔は0.46λr以上、0.54λr以下、もしくは周波数比fref/fidtが0.993以上、1.003以下の範囲にて構成することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となる弾性表面波装置が得られる。
【0059】
以下に、実施の第二形態に係る弾性表面波装置について説明する。実施の第二形態では、図1に示す実施の第一形態と同一の機能を有する部材については、図12に示すように、同一の部材番号を付与して、それらの説明を省いた。
【0060】
実施の第二形態の構成においては、図12に示すように、弾性表面波素子301におけるIDT304とIDT305が並列に接続される点428にて、弾性表面波共振子431が直列に接続されている。
【0061】
同様に、弾性表面波素子302についても点429にて、弾性表面波共振子432が直列に接続されている。弾性表面波共振子431(432)は伝搬路に沿ってIDT433(436)を配置し、このIDTを挟み込むように、リフレクタ434(437)、435(438)を配置することで形成されている。尚、弾性表面波共振子431、432の詳細な設計は、弾性表面波共振子のIDTのピッチで決まる波長をそれぞれλti、リフレクタのピッチで決まる波長をそれぞれλtrとすると、以下の通りである。
・交叉幅:100μm
・IDT本数:161本
・リフレクタ本数:10本
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λtr
・IDTduty:0.70
・リフレクタduty:0.70
・(IDT周波数fti)/(リフレクタ周波数ftr)=1.0
実施の第二形態の構成での周波数特性を図13に、インピーダンス特性を図14(a)、図14(b)に、反射特性(VSWR)を図15にそれぞれ示す。なお、このときの規格化インピーダンスは不平衡端子側が50Ω、平衡端子側が100Ωであり、1:2の関係になっている。f=880MHzのポイントをX、f=915MHzのポイントをYとして、インピーダンス特性にプロットすると、図14(a)、図14(b)、図15に示すように、通過帯域のインピーダンスはS11、S22ともに規格化インピーダンスにて整合が取れていると言える。これにより、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係はほぼ1:2となることになる。
【0062】
また、図12の構造において、図13ないし図15の特性が得られた条件にて、規格化インピーダンスを不平衡信号端子側が50Ω、平衡信号端子側が150Ωとし、1:3の関係としたときの周波数特性を図40に、インピーダンス特性を図41(a)及び図41(b)に、反射特性(VSWR)を図42に、それぞれ示す。
【0063】
図40ないし図42に示すように、平衡信号端子側の規格化インピーダンスを150Ωとした場合でも、比較的、S11、S22ともに整合がとれている。このことにより、本実施の第二形態の構成にて設計すれば、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3とすることも可能と言える。
【0064】
このときの各弾性表面波共振子431、432の詳細な設計は、弾性表面波共振子のIDTのピッチで決まる波長をそれぞれλti、リフレクタのピッチで決まる波長をそれぞれλtrとすると、以下の通りである。
・交叉幅:100μm
・IDT本数:161本
・リフレクタ本数:10本
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λtr
・IDTduty:0.70
・リフレクタduty:0.70
・(IDT周波数fti)/(リフレクタ周波数ftr)=1.0
次に、実施の第二形態の効果が得られた理由を説明する。まず、弾性表面波共振子431、432の周波数−インピーダンス特性を図16に示す。図16において、インピーダンスが極小になる周波数を共振周波数f1、極大になる点を反共振周波数f2すると、各弾性表面波共振子431、432はf1=895.5MHz、f2=928.5MHzとなっている。直列に弾性表面波共振子を付加した場合、付加された側のインピーダンスは共振周波数f1から反共振周波数f2までの周波数領域は誘導性に働き、それ以外の領域では容量性に働く。
【0065】
また、本実施の形態のような3IDT型の縦結合共振子型の弾性表面波素子では通過帯域を形成するために、図17及び図18に示すように3つの共振モードを用いている。図17は実施の第二形態の構成における弾性表面波素子301と弾性表面波素子402のみでの特性の共振モードを分かりやすくするため、故意にインピーダンスを外して測定した周波数特性である。また、図18にそれぞれの有効電流の強度分布を示す。
【0066】
A点にあたる最も周波数の低いレスポンスは2次モードと呼ばれ、有効電流分布において2つの節をもつ共振モードである。B点にあたる帯域中央のレスポンスは0次モードと呼ばれ、有効電流強度分布において節をもたないモードである。C点の最も周波数の高いレスポンスは、IDT−IDT間隔部に弾性表面波の強度分布のピークをもつ定在波共振モード(以下、高域側のモードとする)である。
【0067】
実施の第二形態の場合、2次モード周波数は876MHz、0次モード周波数は901MHz、高域側のモードは922.5MHzである。つまり、弾性表面波素子401と弾性表面波素子402の0次モード周波数及び高域側のモードは、弾性表面波共振子431、432の共振周波数f1、反共振周波数f2の間に位置することになる。
【0068】
ここで、実施の第二形態の構成にて、各弾性表面波素子401、402のみの状態から、弾性表面波共振子431、432を付加した時のインピーダンス特性の変化を周波数域に分けて見ていく。図19(a)及び図19(b)は880MHzから895.5MHz(共振周波数f1)にかけてのインピーダンス特性の変化を、図20(a)及び図20(b)は895.5MHz(共振周波数f1)から928・5MHz(反共振周波数f2)にかけてのインピーダンスの変化を示している。
【0069】
図19及び図20に注目すると、通過帯域低域側の880MHz〜895.5MHzにかけては、弾性表面波共振子は容量性に働くため、S22のインピーダンスは容量性にシフトする。一方、通過帯域高域側にあたる895.5MHzから928.5MHzにかけては、弾性表面波共振子は誘導性に働くため、S22のインピーダンスは実軸上に持ち上がる格好になり、整合状態がよくなる。つまり、通過帯域高域側を形成するための0次、高域モードにかけての周波数帯に、弾性表面波共振子が誘導性に働くように挿入することで、入出力のインピーダンスの関係はほぼ1:2ないし1:3となり、かつ通過帯域外において高減衰な特性を得ることができる。
【0070】
本実施の形態では、平衡信号端子側のみに各弾性表面波共振子431、432をそれぞれ接続して構成しているが、弾性表面波共振子は平衡信号側、不平衡信号側の両方に、また複数個ずつ接続してもかまわない。本実施の形態における別の例を図21、図22にそれぞれ示す。
【0071】
また、実施の第二形態では2つの弾性表面波フィルタを用いているが、図25及び図26のように1つの弾性表面波フィルタによる平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波素子においても同じことが言える。
【0072】
以上説明したように実施の第二形態では、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置において、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λIに対して43λI〜58λIの範囲にて構成することで、さらに望ましくはIDT−リフレクタ間隔は0.46λr以上、0.54λr以下、もしくは周波数比fref/fidtが0.993以上1.003以下の範囲にて構成し、少なくと平衡側端子に接続されたIDTに少なくとも一つの弾性表面波共振子を電気的に直列に接続することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となり、また、通過帯域外の減衰量に優れた特性の弾性表面波装置が得られる。
【0073】
次に、上記実施の各形態に記載の弾性表面波装置を搭載した通信装置について図27に基づき説明する。上記通信装置600は、受信を行うレシーバ側(Rx側)として、アンテナ601、アンテナ共用部/RFTopフィルタ602、アンプ603、Rx段間フィルタ604、ミキサ605、1stIFフィルタ606、ミキサ607、2ndIFフィルタ608、1st+2ndローカルシンセサイザ611、TCXO(temperature compensated crystal oscillator(温度補償型水晶発振器))612、デバイダ613、ローカルフィルタ614を備えて構成されている。
【0074】
Rx段間フィルタ604からミキサ605へは、図27に二本線で示したように、バランス性を確保するために各平衡信号にて送信することが好ましい。
【0075】
また、上記通信装置600は、送信を行うトランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ601及び上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ602を共用するとともに、TxIFフィルタ621、ミキサ622、Tx段間フィルタ623、アンプ624、カプラ625、アイソレータ626、APC(automatic power control (自動出力制御))627を備えて構成されている。
【0076】
そして、上記のRx段間フィルタ604、1stIFフィルタ606、TxIFフィルタ621、Tx段間フィルタ623には、上述した本実施の形態に記載の弾性表面波装置が好適に利用できる。
【0077】
本発明に係る弾性表面波装置は、フィルタ機能と共に平衡型−不平衡変換機能を備えることができ、その上、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を1:2ないし1:3にでき、また、通過帯域外の減衰量に優れた特性を有するものである。よって、上記弾性表面波装置を有する本発明の通信装置は、伝送特性を向上できるものとなっている。
【0078】
【発明の効果】
本発明の弾性表面波装置は、以上のように、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲にて構成することで、さらに望ましくはIDT−リフレクタ間隔は0.46λr以上0.54λr以下もしくは周波数比fref/fidtが0.993以上1.003以下の範囲にて構成することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3にできる弾性表面波装置が得られる。
【0079】
さらには、少なくと平衡側端子に接続されたIDTに一つの弾性表面波共振子を電気的に直列に接続することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を1:2ないし1:3にでき、また、帯域外減衰量の優れた特性の弾性表面波装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の第一形態における弾性表面波装置の構成図である。
【図2】上記実施の第一形態の構成にて交叉幅W/λIをX軸とし、複数の電極指数比N2/N1でみた時の比帯域幅の依存性を示すグラフである。
【図3】上記実施の第一形態の構成にて交叉幅W/λIをX軸とし、複数の電極指数比N2/N1でみた時のVSWRの依存性を示すグラフである。
【図4】上記実施の第一形態の構成にて電極指数比N2/N1をX軸とし、複数のIDT−リフレクタ間隔でみた時のVSWRの依存性を示すグラフである。
【図5】上記実施の第一形態の構成にて電極指数比N2/N1をX軸とし、複数のIDT−リフレクタ間隔でみた時の比帯域幅の依存性を示すグラフである。
【図6】上記実施の第一形態の構成にてIDT−リフレクタ間隔をX軸とし、複数の周波数比fref/fidtでみた時のVSWRの依存性を示すグラフである。
【図7】上記実施の第一形態の構成にてIDT−リフレクタ間隔をX軸とし、複数の周波数比fref/fidtでみた時の比帯域幅の依存性を示すグラフである。
【図8】上記実施の第一形態の構成での代表的な周波数特性を示すグラフである。
【図9】上記実施の第一形態の構成での代表的なインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図10】上記実施の第一形態の構成での代表的な反射(VSWR)特性を示すグラフである。
【図11】上記実施の第一形態における別の変形例の弾性表面波装置を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係る実施の第二形態における弾性表面波装置の概略構成図である。
【図13】上記実施の第二形態の構成での代表的な周波数特性を示すグラフである。
【図14】上記実施の第二形態の構成での代表的なインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図15】上記実施の第二形態の構成での代表的な反射(VSWR)特性を示すグラフである。
【図16】上記実施の第二形態における弾性表面波装置に用いた弾性表面波共振子の周波数−インピーダンス特性を示すグラフである。
【図17】上記実施の第二形態における弾性表面波装置に用いた弾性表面波素子の各共振モードを示すグラフである。
【図18】上記各共振モードの有効電流分布を示すものであって、(a)はIDTの概略構成図、(b)は上記IDTの配置に対応させた各共振モードを示すグラフである。
【図19】上記実施の第二形態の構成(共振子有)と実施の第二形態の構成から共振子を省いた構成(共振子無)の時の各インピーダンス特性(880MHz〜895.5MHz、低域側)を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図20】上記実施の第二形態の構成(共振子有)と実施の第二形態の構成から共振子を省いた構成(共振子無)の時の各インピーダンス特性(895.5MHz〜928.5MHz、高域側)を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図21】上記実施の第二形態における別の変形例に係る弾性表面波装置の概略構成図である。
【図22】上記実施の第二形態におけるさらに別の例の概略構成図である。
【図23】前記実施の第一形態のさらに別の例の概略構成図である。
【図24】上記実施の第一形態のさらに別の例の概略構成図である。
【図25】上記実施の第二形態のさらに別の例の概略構成図である。
【図26】上記実施の第二形態におけるさらに別の例の概略構成図である。
【図27】本発明の通信装置の回路ブロック図である。
【図28】従来の、不平衡−平衡入出力対応の弾性表面波装置の概略構成図である。
【図29】上記従来(入出カインピーダンスが約4倍異なる特性の例)での周波数特性を示すグラフである。
【図30】上記従来(入出カインピーダンスが約4倍異なる特性の例)でのインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが200Ωのときである。
【図31】従来の他の、入出力のインピーダンスが異なる弾性表面波装置の概略構成図である。
【図32】上記図31の構成のうち、1つの弾性表面波フィルタのみの時の周波数特性を示すグラフである。
【図33】上記図31の構成での周波数特性を示すグラフである。
【図34】従来のさらに他の弾性表面波装置(入出力インピーダンスが約2倍異なる特性の例)と外部素子付加時の周波数特性を示すグラフである。
【図35】上記従来(入出力インピーダンスが約2倍異なる特性の例)と外部素子付加時のインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図36】上記従来において、外部素子付加時の回路図である。
【図37】前記実施の第一形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、周波数特性を示すグラフである。
【図38】前記実施の第一形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、インピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが150Ωのときである。
【図39】前記実施の第一形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、反射特性(VSWR)を示すグラフである。
【図40】前記実施の第二形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、周波数特性を示すグラフである。
【図41】前記実施の第二形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、インピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが150Ωのときである。
【図42】前記実施の第二形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、反射特性(VSWR)を示すグラフである。
【符号の説明】
303、304、305、308、309、310 IDT(くし型電極部)313 不平衡信号端子
314、314 平衡信号端子側
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の小型無線通信装置のフィルタに好適に使用される弾性表面波装置、特に平衡−不平衡変換機能を有し、入出力インピーダンスが異なる弾性表面波装置及びそれを有する通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の小型無線通信装置の小型化、軽量化に対する技術的進歩は目覚しいものがある。これを実現するための手段として、各構成部品の削減、小型化はもとより、複数の機能を複合した部品の開発も進んできた。
【0003】
このような状況を背景に、携帯電話のRF段に使用する弾性表面波フィルタに対して、平衡−不平衡変換機能、いわゆるバランの機能を備えることへの要求が強くなってきており、平衡−不平衡信号変換を容易に対応できる縦結合共振子型表面波フィルタが、携帯電話のRF段のバンドパスフィルタとして主流になってきている。
【0004】
この平衡−不平衡変換機能を備えた縦結合共振子型表面波フィルタは、平衡あるいは差動入出力を備えたミキサIC(以下、平衡型ミキサICという)に接続されて用いられることが多い。この平衡型ミキサICを用いた場合、ノイズの影響の低減及び出力の安定化を図ることができ、携帯電話の特性向上を図ることができるため、近年、多く使われるようになった。
【0005】
この平衡型ミキサICのインピーダンスは、RF段に使用する弾性表面波フィルタが、通常50Ωのインピーダンスを有するのに対し、多くの場合100Ω〜200Ω程度と高い。中でも、これまでの主流は200Ωであったため、平衡型ミキサICと併用される縦結合共振子型表面波フィルタには、入力インピーダンスと出力インピーダンスが約4倍異なる特性を要求されていた。
【0006】
入力インピーダンスと出力インピーダンスとが互いに約4倍異なる特性を得るには、図28に示すように、特開2001−267885号公報に開示されている構成が広く用いられている。図28の構成は、縦結合共振子型の各弾性表面波素子101、102が、端子の一方を電気的に並列に、一方を直列に接続されている。
【0007】
弾性表面波素子101と弾性表面波素子102との間にて互いに異なる点は、くし型電極部(以下、IDTと記す)103とIDT108とが、位相の点で互いに反転していることである。これにより、端子114と端子115とから出力される信号の位相は、ほぼ180度異なり、端子113から入力される不平衡信号が端子114と端子115とから出力される平衡信号に変換される。
【0008】
また、図28の構成での周波数特性及びインピーダンス特性をそれぞれ図29、図30(a)及び(b)に示す。図29の特性は、EGSM(Enhanced Global System for Mobile communications)送信用フィルタとして設計されたもので、通過帯域に必要な周波数範囲は880MHz〜915MHzである。f=880MHzのポイントをX、f=915MHzのポイントをYとして、図30(a)及び(b)にプロットする。
【0009】
図30(a)及び(b)から分かるように、図1の構成にて設計した場合通過帯域におけるインピーダンスは不平衡側(S11)50Ωに対し、平衡側(S22)200Ωの終端インピーダンスは、ほぼ整合が取れており、平衡信号側のインピーダンスが不平衡信号側のインピーダンスの約4倍となる特性が得られる。
【0010】
一方で、前述したが平衡型ミキサICによってはインピーダンスが100Ω付近の場合もあり、それに応じて縦結合共振子型表面波フィルタも、不平衡信号端子側のインピーダンスと平衡信号端子側のインピーダンスが約2倍異なる特性を要求される場合もある。
【0011】
日本国特許第3224202号公報では、図31の様な不平衡−平衡入出力対応フィルタを構成してその解決法を提示している。図31の構成を説明すると、2つの縦結合共振子型の各弾性表面波素子201、202をそれぞれIDT204とIDT209、IDT205とIDT210にてカスケード接続した構成となっており、端子213が不平衡信号端子であり、端子213から入力した信号はIDT208にて位相がそれぞれ約180度異なる信号として各平衡信号端子214、215に出力される。
【0012】
日本国特許第3224202号公報においては、図31の構成にて各弾性表面波素子201、202の交叉幅Wを互いに異ならせることで、不平衡信号端子側のインピーダンスと平衡信号端子側のインピーダンスが異なる場合でも、所望の特性を得る事が出来るとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図31の構成では、広帯域、低損失かつ高平衡度という近年の要求を満足する特性を得る事はできない。一つは、2つの各弾性表面波素子201、202をカスケード接続した場合、挿入損失は当然のことながら2素子分の値となる。その上、1段目と2段目の交叉幅を変えるため、段間部での不整合が発生し、更に挿入損失が大きくなる。
【0014】
参考に1つの弾性表面波素子での周波数特性を図32に、その弾性表面波素子を2つ用い、カスケード接続した場合の周波数特性を図33に示す。一つは、図31の構成の場合、IDT208にて位相が180度異なる信号を平衡信号端子214及び端子215に出力する構成となっているが、IDT電極あるいは基板上における配線を非対称に構成せざるを得ず、出力信号の振幅・位相平衡度に影響するため、図28の構成に比べて平衡度は悪化する。
【0015】
以上の事から、図31の構成は低損失かつ平衡度の要求レベルの高い不平衡−平衡入出力対応フィルタには不向きであり、専ら図28の構成が用いられる。
【0016】
以下では、図28の構成において不平衡信号端子113を入力側、平衡信号端子114、115を出力側として説明する。図28の構成にて弾性表面波素子101、102の入出力端子のインピーダンスをRi、Roとした場合、不平衡信号端子側のインピーダンスは弾性表面波素子101、102の入力側の端子が電気的に並列に接続されるためRi/2、平衡信号端子側のインピーダンスは弾性表面波素子101、102の出力側の端子が電気的に直列に接続されるため2Roとなる。
【0017】
通常、3つのIDTにて弾性表面波素子101、102を設計した場合、入出力のインピーダンスは近い値になることから、Ri≒Roが成り立つ。従って、前述した様な平衡信号端子側のインピーダンスが不平衡側のインピーダンスに対して約4倍異なる不平衡−平衡入出力フィルタを構成するためには、4×Ri/2≒2Ro、すなわちRi≒Roとなり、設計は容易である。
【0018】
一方、平衡信号端子側のインピーダンスが不平衡信号端子側のインピーダンスに対し約2倍異なる不平衡−平衡変換機能を構成するためには、2×Ri/2≒2Ro、すなわち2Ri≒Roとなるような弾性表面波素子101、102を設計する必要があり、設計上困難であると言える。
【0019】
従来の方法の一つに、Ri≒Roとなっている弾性表面波素子にて平衡信号端子側のインピーダンスが不平衡信号端子側のインピーダンスに対して約4倍異なる不平衡−平衡変換機能を有する弾性表面波装置を構成し、平衡信号端子側にインダクタンス素子を並列に、さらにキャパシタンス素子を直列に付加する(もしくはキャパシタンス素子を並列に、インダクタンス素子を並列に付加)など、弾性表面波装置の外にマッチング素子を付加することで不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるように整合を取るという方法も用いられてきた。
【0020】
図30の特性を不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるように整合を取った時の周波数特性を図34、インピーダンス特性(880MHz〜915MHzの範囲)を図35(a)、(b)に、外部素子を付加した測定回路を図36に示す。尚、図34、図35(a)、(b)では、比較のために外部素子無しのときの特性も示した。図34、図35(a)、(b)に示すように、この方法にて、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるようにすることは可能であるが、外部素子の付加による構成部品の増加、それに伴う小型化の弊害になるといった問題があった。
【0021】
このような問題は、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約2倍異なるようにするときだけではなく、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスの関係を約3倍異なるようにするときにおいても同様に生じる。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性表面波装置は、上記課題を解消するために、平衡−不平衡変換機能を有するように複数のIDTを備えた弾性表面波装置において、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲に設定されていることが特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、上記設定により、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を、新たな外部素子等の付加を省いて、簡素な構成により1:2ないし1:3にできる。
【0024】
上記弾性表面波装置では、前記IDTのうち反射器に隣り合うIDTと前記反射器とが互いに隣り合う箇所において、隣り合う電極指の中心間距離が前記反射器の電極周期λrに対して0.46λr〜0.54λrであることが好ましい。
【0025】
上記弾性表面波装置においては、前記IDTの電極周期により決まる周波数fidtが、前記反射器の電極周期により決まる周波数frefに対して、(fref/fidt)=0.993〜1.008の範囲にて設定されていてもよい。
【0026】
上記弾性表面波装置では、圧電基板上に弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された3つ以上の奇数個のIDTを有する第1の弾性表面波フィルタと、入力信号に対し出力信号の位相が約180度異なる第2の弾性表面波フィルタを有し、前記第1、第2の弾性表面波フィルタにおけるそれぞれ一方の端子を電気的に並列に接続し、もう一方を電気的に直列に接続し、前記並列に接続した端子を不平衡信号端子、直列に接続した端子を平衡信号端子とすることで平衡−不平衡変換機能を有していてもよい。
【0027】
上記弾性表面波装置においては、IDTの数をkとするとき、[(k−1)/2]個のIDTが、不平衡信号端子に接続され、{[(k−1)/2]+1}個のIDTが、平衡信号端子にそれぞれ接続されていてもよい。
【0028】
上記弾性表面波装置では、圧電基板上に弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された1つの弾性表面波フィルタにおいて、入力信号に対し出力信号の位相の差が約0度となる第1の端子と、入力信号に対し出力信号の位相の差が約180度となる第2の端子とを有し、上記第1の端子と第2の端子とを互いに直列に接続することで、平衡−不平衡変換機能を有していてもよい。
【0029】
上記弾性表面波装置においては、複数のIDTは、3つのIDTを有する縦結合共振子型フィルタに設けられていてもよい。
【0030】
上記弾性表面波装置では、少なくとも平衡信号端子側に接続されるIDTに、少なくとも一つの弾性表面波共振子が電気的に直列に接続されていてもよい。
【0031】
上記構成によれば、少なくとも平衡信号端子側に接続されるIDTに、少なくとも一つの弾性表面波共振子を電気的に直列に接続したことにより、さらに、通過帯域外の減衰量を大きくできるから、フィルタ特性を向上できる。
【0032】
上記弾性表面波装置においては、各IDTにおける共振モードの内、0次モードの励振周波数をf0、及びIDT−IDTの間に弾性表面波の強度分布のピークをもつ定在波共振モードの励振周波数をfNとし、弾性表面波共振子の共振周波数をf1、反共振周波数をf2としたとき、少なくとも両端に位置するIDTに接続される端子に、それぞれ少なくとも一つの弾性表面波共振子が、f1<f0<fN<f2となるように、電気的に直列に接続されていてもよい。
【0033】
上記弾性表面波装置では、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となるように設定されていることが望ましい。
【0034】
本発明の通信装置は、前記の課題を解消するために、上記の何れかに記載の弾性表面波装置を有していることを特徴としている。
【0035】
上記構成によれば、用いた弾性表面波装置は、フィルタ機能と共に平衡型−不平衡変換機能を備えることができ、その上、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を1:2ないし1:3にでき、また、通過帯域外の減衰量に優れた特性を有するものである。よって、上記弾性表面波装置を有する本発明の通信装置は、伝送特性を向上できるものとなっている。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の各形態の弾性表面波装置及びそれを備えた通信装置を図1ないし図27、並びに図37ないし図42に基づいて以下に説明する。
【0037】
本発明に係る弾性表面波装置における実施の第一形態は、図1に示すように、不平衡信号端子313側の終端インピーダンスが50Ω、各平衡信号端子314、315側の終端インピーダンスが100Ωで、不平衡−平衡信号端子のインピーダンスが約2倍となる構成のEGSM送信用フィルタとして設計したものである。なお、EGSM送信用フィルタの通過帯域に必要な周波数範囲は880MHz〜915MHzであり、中心周波数は897.5MHzである。
【0038】
実施の第一形態では、40±5°YcutX伝搬LiTaO3 からなる圧電基板300上に弾性表面波フィルタがAl電極により形成されている。実施の第一形態の構成を詳細に説明すると、IDT303の左右(弾性表面波の伝搬方向に沿ってIDT303を挟むように)に各IDT304、305を配置し、さらにこれらのIDT304、303、305を左右から挟み込むように、各リフレクタ306、307が形成された縦結合共振子型弾性表面波素子301が形成されている。
【0039】
同様に、IDT308の左右に各IDT309、310を配置し、これらのIDT309、308、310を挟み込むように、リフレクタ311、312が形成された縦結合共振子型弾性表面波素子302が弾性表面波素子301に対し、出力信号の位相関係が180度異なるように形成されている。
【0040】
ここで、IDT303、304、305、308、309、310は一部箇所の電極指のピッチがIDTの他の箇所より小さくなっている(狭ピッチ電極指)。ちなみに図1では図を簡潔にするために電極指の本数を少なく示している。端子313は不平衡信号端子、端子314と端子315は平衡信号端子である。
【0041】
次に、図1の構成において、各弾性表面波素子301、302の交叉幅をW[μm]、IDTのピッチで決まる波長をλI[μm]としたとき、交叉幅の波長比W/λI、また、不平衡信号端子313に接続されたIDT303、308の電極指総数をN1、平衡信号端子314、315に接続されたIDT304、305、309、310の電極指総数をN2としたとき、不平衡信号端子313、各平衡信号端子314、315に接続された電極指の比率はN2/N1[%](以下、電極指数比とする)となる。
【0042】
図2及び図3は、交叉幅W/λIをX軸とし、比帯域幅の依存性、及び複数の電極指数比N2/N1でみた時のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)をそれぞれ示している。EGSM送信用フィルタの場合、必要通過帯域幅が35MHzであるのに対し、温度変化マージン、製造公差マージンを考慮すると44MHzの帯域幅を必要とする。つまり、比帯域幅は44MHz/892.5MHz=4.9%以上であることが望ましい。
【0043】
また、通過帯域におけるインピーダンスは、できる限り終端インピーダンスに近いことが望ましい。終端インピーダンスをZL 、弾性表面波装置の特性インピーダンスをZ0 とすると、反射係数Γ=(ZL −Z0 )/(ZL +Z0 )で表され、VSWRは(1+|Γ|)/(1−|Γ|)となる。したがって、弾性表面波装置の終端インピーダンスからのずれの指標としてVSWRを用いた。VSWRは市場からの要求レベルから考えても多くとも2.0(つまり2.0以下)とする必要がある。
【0044】
図2において、求められる比帯域幅4.9%以上を満たすのは、電極指数比N2/N1が50%よりも上であるか、50%で交叉幅Wが43λI以上のときである。ここから、電極指数比N2/N1が50%以上、交叉幅Wでは43λI以上が好ましいことを導き出すことができる。
【0045】
次に、図3において、求められるVSWR=2以下を満たすのは、上記の電極指数比N2/N1が50%以上ということから、交叉幅は、58λI以下が好ましく、かつ、上記の交叉幅Wが43λI以上ということから、電極指数比N2/N1では70%以下が望ましいことが分かる。
【0046】
よって、要求される比帯域幅が4.9%以上、かつVSWRが2以下を満たすのは、電極指数比N2/N1が50%以上、70%以下、かつ交叉幅は43λI以上、58λI以下のときである。
【0047】
次に、電極指数比N2/N1をX軸とし、複数のIDT−リフレクタ間隔[I−R gap(λr)]でみた時のVSWR及び比帯域幅の依存性を図4、図5に示す。この時、交叉幅W/λIは50.5λIに固定している。図4を見ると、電極指数比N2/N1は50%以上70%以下の範囲において、VSWRが2.0以下となるのは、リフレクタのピッチで決まる波長をλr[μm]とした時、IDT−リフレクタ間隔0.54λr以下のときである。また、図5に注目すると、比帯域幅が4.9%以上となるのは、IDT−リフレクタ間隔0.46λr以上の時である。
【0048】
以上のことから、電極指数比N2/N1が、50%以上、70%以下の範囲において、IDT−リフレクタ間隔は、0.46λr以上、0.54λr以下であることが望ましいと言える。
【0049】
また、リフレクタの音速、ピッチにより決まる周波数をfref、IDTの音速、ピッチにより決まる周波数をfidtとしたときIDTの周波数に対するリフレクタの周波数の比(以下、周波数比という)をfref/fidtとする。図6、図7BにIDT−リフレクタ間隔をX軸とし、複数の周波数比fref/fidtでみた時のVSWR及び比帯域幅の依存性にそれぞれ示す。この時、交叉幅W/λIは50.5λI、電極指数比N2/N1は約60%に固定している。
【0050】
図6に注目すると、IDT−リフレクタ間隔が大きくなるにつれVSWRは大きくなる傾向があり、IDT−リフレクタ間隔が0.46λr以上、0.54λr以下の範囲にてVSWR2.0以下を満足するためには、周波数比fref/fidtは0.993以上、1.008以下であることが好ましいと言える。
【0051】
次に図7に注目すると、IDT−リフレクタ間隔に対して比帯域幅は上に凸な放物線状に変化する傾向にある。IDT−リフレクタ間隔が0.46λr以上0.54λr以下の範囲においては、周波数比fref/fidtが0.993以上、1.003以下の範囲で最も安定し、それ以外では勾配の大きい領域にあるため、IDT−リフレクタ間隔に対する特性の変化が大きく不安定になる。以上のことより、周波数比fref/fidtは、0.993以上、1.003以下の範囲であることがより望ましいと言える。
【0052】
本実施の第一形態の構成にて、上記した最適な範囲内のパラメータを用いて設計した時の周波数特性を図8に、インピーダンス特性を図9(a)、図9(b)に、反射特性(VSWR)を図10にそれぞれ示す。なお、このときの規格化インピーダンスは不平衡端子側が50Ω、平衡端子側が100Ωであり、1:2の関係になっている。
【0053】
また、図8ないし図10の特性が得られた時の縦結合共振子型の各弾性表面波素子301、302の詳細な設計を以下に示す。尚、以下では狭ピッチ電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλi、その他の電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλI、リフレクタの波長をそれぞれλRとする。
・交叉幅W:228μm(51λI)
・IDT本数(304、303、305の順):29(4)/(3)35(3)/(4)29本(カッコ内は狭ピッチ電極指の本数、309、308、310も同じ)
・平衡信号端子に接続された電極指の本数N1:132本
・不平衡信号端子側に接続された電極指の本数N2:82本(N2/N1=62.1%)
・不平衡信号端子側に接続された電極指の本数N2:82本(N2/N1=62.1%)
・リフレクタ本数:90本
・(リフレクタ周波数fref)/(IDT周波数fidt):0.998
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λR
f=880MHzのポイントをX、f=915MHzのポイントをYとして、図9(a)及び図9(b)に示すインピーダンス特性にプロットすると、通過帯域のインピーダンスはS11が43Ω〜46Ωで50Ωからやや低めだが、ほぼ規格化インピーダンスにて整合が取れている。また、S22は整合点に対してX〜Y点のインピーダンスはやや高めにずれた格好になってはいるが、ほぼ規格化インピーダンスにて整合が取れていると言える。これにより、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係はほぼ1:2となることになる。
【0054】
また、図1の構造において、図8ないし図10の特性が得られた条件にて、規格化インピーダンスを不平衡信号端子側が50Ω、平衡信号端子側が150Ωとし、1:3の関係としたときの周波数特性を図37に、インピーダンス特性を図38(a)及び図38(b)に、反射特性(VSWR)を図39に、それぞれ示す。
【0055】
S22のインピーダンスに着目すると、整合点に対してX〜Y点のインピーダンスはやや低めにずれているが、VSWRは2.0以内に収まっており、ほぼ規格化インピーダンスで整合がとれている。これにより、前記した最適な範囲内のパラメータを用いて設計すれば、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3とすることも可能と言える。
【0056】
このときの各弾性表面波素子301、302の詳細な設計を下記に示す。なお、以下では狭ピッチ電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλi、その他の電極指のピッチで決まる波長をそれぞれλI、リフレクタの波長をそれぞれλRとする。
・交叉幅W:228μm(51λI)
・IDT本数(304、303、305の順):29(4)/(3)35(3)/(4)29本(カッコ内は狭ピッチ電極指の本数、309、308、310も同じ)
・平衡信号端子に接続された電極指の本数N1:132本
・不平衡信号端子側に接続された電極指の本数N2:82本(N2/N1=62.1%)
・リフレクタ本数:90本
・(リフレクタ周波数fref)/(IDT周波数fidt):0.998
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λR
このように不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となるような特性を得るためには、IDTの個数をn個とした場合に、第1、第2の弾性表面波素子における(n−1)/2個のIDTにてそれぞれを電気的に並列に接続して不平衡信号端子とし、{[(n−1)/2]+1}個のIDTにて電気的に直列に接続し、直列に接続した端子を平衡信号端子とした図1のような構成は、一つの弾性表面波素子における入出力IDTの対数関係が通常の設計の場合により近い状態に保てることから、より望ましいと言える。
【0057】
なお、上記では、弾性表面波素子として3つのIDTを用いた縦結合共振子型の例を挙げたが、図11に示すように、5つのIDTを用いた縦結合共振子型の弾性表面波素子をそれぞれ用いてもよい。また、実施の第一形態では2つの弾性表面波素子を用いているが、図23もしくは図24のように1つの弾性表面波フィルタによる平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波素子においても同じことが言える。
【0058】
以上説明したように実施の第一形態では、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置において、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50%〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲にて構成することで、さらに望ましくは、IDT−リフレクタ間隔は0.46λr以上、0.54λr以下、もしくは周波数比fref/fidtが0.993以上、1.003以下の範囲にて構成することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となる弾性表面波装置が得られる。
【0059】
以下に、実施の第二形態に係る弾性表面波装置について説明する。実施の第二形態では、図1に示す実施の第一形態と同一の機能を有する部材については、図12に示すように、同一の部材番号を付与して、それらの説明を省いた。
【0060】
実施の第二形態の構成においては、図12に示すように、弾性表面波素子301におけるIDT304とIDT305が並列に接続される点428にて、弾性表面波共振子431が直列に接続されている。
【0061】
同様に、弾性表面波素子302についても点429にて、弾性表面波共振子432が直列に接続されている。弾性表面波共振子431(432)は伝搬路に沿ってIDT433(436)を配置し、このIDTを挟み込むように、リフレクタ434(437)、435(438)を配置することで形成されている。尚、弾性表面波共振子431、432の詳細な設計は、弾性表面波共振子のIDTのピッチで決まる波長をそれぞれλti、リフレクタのピッチで決まる波長をそれぞれλtrとすると、以下の通りである。
・交叉幅:100μm
・IDT本数:161本
・リフレクタ本数:10本
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λtr
・IDTduty:0.70
・リフレクタduty:0.70
・(IDT周波数fti)/(リフレクタ周波数ftr)=1.0
実施の第二形態の構成での周波数特性を図13に、インピーダンス特性を図14(a)、図14(b)に、反射特性(VSWR)を図15にそれぞれ示す。なお、このときの規格化インピーダンスは不平衡端子側が50Ω、平衡端子側が100Ωであり、1:2の関係になっている。f=880MHzのポイントをX、f=915MHzのポイントをYとして、インピーダンス特性にプロットすると、図14(a)、図14(b)、図15に示すように、通過帯域のインピーダンスはS11、S22ともに規格化インピーダンスにて整合が取れていると言える。これにより、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係はほぼ1:2となることになる。
【0062】
また、図12の構造において、図13ないし図15の特性が得られた条件にて、規格化インピーダンスを不平衡信号端子側が50Ω、平衡信号端子側が150Ωとし、1:3の関係としたときの周波数特性を図40に、インピーダンス特性を図41(a)及び図41(b)に、反射特性(VSWR)を図42に、それぞれ示す。
【0063】
図40ないし図42に示すように、平衡信号端子側の規格化インピーダンスを150Ωとした場合でも、比較的、S11、S22ともに整合がとれている。このことにより、本実施の第二形態の構成にて設計すれば、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3とすることも可能と言える。
【0064】
このときの各弾性表面波共振子431、432の詳細な設計は、弾性表面波共振子のIDTのピッチで決まる波長をそれぞれλti、リフレクタのピッチで決まる波長をそれぞれλtrとすると、以下の通りである。
・交叉幅:100μm
・IDT本数:161本
・リフレクタ本数:10本
・IDT−リフレクタ間隔:0.50λtr
・IDTduty:0.70
・リフレクタduty:0.70
・(IDT周波数fti)/(リフレクタ周波数ftr)=1.0
次に、実施の第二形態の効果が得られた理由を説明する。まず、弾性表面波共振子431、432の周波数−インピーダンス特性を図16に示す。図16において、インピーダンスが極小になる周波数を共振周波数f1、極大になる点を反共振周波数f2すると、各弾性表面波共振子431、432はf1=895.5MHz、f2=928.5MHzとなっている。直列に弾性表面波共振子を付加した場合、付加された側のインピーダンスは共振周波数f1から反共振周波数f2までの周波数領域は誘導性に働き、それ以外の領域では容量性に働く。
【0065】
また、本実施の形態のような3IDT型の縦結合共振子型の弾性表面波素子では通過帯域を形成するために、図17及び図18に示すように3つの共振モードを用いている。図17は実施の第二形態の構成における弾性表面波素子301と弾性表面波素子402のみでの特性の共振モードを分かりやすくするため、故意にインピーダンスを外して測定した周波数特性である。また、図18にそれぞれの有効電流の強度分布を示す。
【0066】
A点にあたる最も周波数の低いレスポンスは2次モードと呼ばれ、有効電流分布において2つの節をもつ共振モードである。B点にあたる帯域中央のレスポンスは0次モードと呼ばれ、有効電流強度分布において節をもたないモードである。C点の最も周波数の高いレスポンスは、IDT−IDT間隔部に弾性表面波の強度分布のピークをもつ定在波共振モード(以下、高域側のモードとする)である。
【0067】
実施の第二形態の場合、2次モード周波数は876MHz、0次モード周波数は901MHz、高域側のモードは922.5MHzである。つまり、弾性表面波素子401と弾性表面波素子402の0次モード周波数及び高域側のモードは、弾性表面波共振子431、432の共振周波数f1、反共振周波数f2の間に位置することになる。
【0068】
ここで、実施の第二形態の構成にて、各弾性表面波素子401、402のみの状態から、弾性表面波共振子431、432を付加した時のインピーダンス特性の変化を周波数域に分けて見ていく。図19(a)及び図19(b)は880MHzから895.5MHz(共振周波数f1)にかけてのインピーダンス特性の変化を、図20(a)及び図20(b)は895.5MHz(共振周波数f1)から928・5MHz(反共振周波数f2)にかけてのインピーダンスの変化を示している。
【0069】
図19及び図20に注目すると、通過帯域低域側の880MHz〜895.5MHzにかけては、弾性表面波共振子は容量性に働くため、S22のインピーダンスは容量性にシフトする。一方、通過帯域高域側にあたる895.5MHzから928.5MHzにかけては、弾性表面波共振子は誘導性に働くため、S22のインピーダンスは実軸上に持ち上がる格好になり、整合状態がよくなる。つまり、通過帯域高域側を形成するための0次、高域モードにかけての周波数帯に、弾性表面波共振子が誘導性に働くように挿入することで、入出力のインピーダンスの関係はほぼ1:2ないし1:3となり、かつ通過帯域外において高減衰な特性を得ることができる。
【0070】
本実施の形態では、平衡信号端子側のみに各弾性表面波共振子431、432をそれぞれ接続して構成しているが、弾性表面波共振子は平衡信号側、不平衡信号側の両方に、また複数個ずつ接続してもかまわない。本実施の形態における別の例を図21、図22にそれぞれ示す。
【0071】
また、実施の第二形態では2つの弾性表面波フィルタを用いているが、図25及び図26のように1つの弾性表面波フィルタによる平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波素子においても同じことが言える。
【0072】
以上説明したように実施の第二形態では、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置において、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λIに対して43λI〜58λIの範囲にて構成することで、さらに望ましくはIDT−リフレクタ間隔は0.46λr以上、0.54λr以下、もしくは周波数比fref/fidtが0.993以上1.003以下の範囲にて構成し、少なくと平衡側端子に接続されたIDTに少なくとも一つの弾性表面波共振子を電気的に直列に接続することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となり、また、通過帯域外の減衰量に優れた特性の弾性表面波装置が得られる。
【0073】
次に、上記実施の各形態に記載の弾性表面波装置を搭載した通信装置について図27に基づき説明する。上記通信装置600は、受信を行うレシーバ側(Rx側)として、アンテナ601、アンテナ共用部/RFTopフィルタ602、アンプ603、Rx段間フィルタ604、ミキサ605、1stIFフィルタ606、ミキサ607、2ndIFフィルタ608、1st+2ndローカルシンセサイザ611、TCXO(temperature compensated crystal oscillator(温度補償型水晶発振器))612、デバイダ613、ローカルフィルタ614を備えて構成されている。
【0074】
Rx段間フィルタ604からミキサ605へは、図27に二本線で示したように、バランス性を確保するために各平衡信号にて送信することが好ましい。
【0075】
また、上記通信装置600は、送信を行うトランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ601及び上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ602を共用するとともに、TxIFフィルタ621、ミキサ622、Tx段間フィルタ623、アンプ624、カプラ625、アイソレータ626、APC(automatic power control (自動出力制御))627を備えて構成されている。
【0076】
そして、上記のRx段間フィルタ604、1stIFフィルタ606、TxIFフィルタ621、Tx段間フィルタ623には、上述した本実施の形態に記載の弾性表面波装置が好適に利用できる。
【0077】
本発明に係る弾性表面波装置は、フィルタ機能と共に平衡型−不平衡変換機能を備えることができ、その上、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を1:2ないし1:3にでき、また、通過帯域外の減衰量に優れた特性を有するものである。よって、上記弾性表面波装置を有する本発明の通信装置は、伝送特性を向上できるものとなっている。
【0078】
【発明の効果】
本発明の弾性表面波装置は、以上のように、平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたIDTの電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50〜70%であり、かつ前記IDTの電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲にて構成することで、さらに望ましくはIDT−リフレクタ間隔は0.46λr以上0.54λr以下もしくは周波数比fref/fidtが0.993以上1.003以下の範囲にて構成することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3にできる弾性表面波装置が得られる。
【0079】
さらには、少なくと平衡側端子に接続されたIDTに一つの弾性表面波共振子を電気的に直列に接続することで、不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係を1:2ないし1:3にでき、また、帯域外減衰量の優れた特性の弾性表面波装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の第一形態における弾性表面波装置の構成図である。
【図2】上記実施の第一形態の構成にて交叉幅W/λIをX軸とし、複数の電極指数比N2/N1でみた時の比帯域幅の依存性を示すグラフである。
【図3】上記実施の第一形態の構成にて交叉幅W/λIをX軸とし、複数の電極指数比N2/N1でみた時のVSWRの依存性を示すグラフである。
【図4】上記実施の第一形態の構成にて電極指数比N2/N1をX軸とし、複数のIDT−リフレクタ間隔でみた時のVSWRの依存性を示すグラフである。
【図5】上記実施の第一形態の構成にて電極指数比N2/N1をX軸とし、複数のIDT−リフレクタ間隔でみた時の比帯域幅の依存性を示すグラフである。
【図6】上記実施の第一形態の構成にてIDT−リフレクタ間隔をX軸とし、複数の周波数比fref/fidtでみた時のVSWRの依存性を示すグラフである。
【図7】上記実施の第一形態の構成にてIDT−リフレクタ間隔をX軸とし、複数の周波数比fref/fidtでみた時の比帯域幅の依存性を示すグラフである。
【図8】上記実施の第一形態の構成での代表的な周波数特性を示すグラフである。
【図9】上記実施の第一形態の構成での代表的なインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図10】上記実施の第一形態の構成での代表的な反射(VSWR)特性を示すグラフである。
【図11】上記実施の第一形態における別の変形例の弾性表面波装置を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係る実施の第二形態における弾性表面波装置の概略構成図である。
【図13】上記実施の第二形態の構成での代表的な周波数特性を示すグラフである。
【図14】上記実施の第二形態の構成での代表的なインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図15】上記実施の第二形態の構成での代表的な反射(VSWR)特性を示すグラフである。
【図16】上記実施の第二形態における弾性表面波装置に用いた弾性表面波共振子の周波数−インピーダンス特性を示すグラフである。
【図17】上記実施の第二形態における弾性表面波装置に用いた弾性表面波素子の各共振モードを示すグラフである。
【図18】上記各共振モードの有効電流分布を示すものであって、(a)はIDTの概略構成図、(b)は上記IDTの配置に対応させた各共振モードを示すグラフである。
【図19】上記実施の第二形態の構成(共振子有)と実施の第二形態の構成から共振子を省いた構成(共振子無)の時の各インピーダンス特性(880MHz〜895.5MHz、低域側)を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図20】上記実施の第二形態の構成(共振子有)と実施の第二形態の構成から共振子を省いた構成(共振子無)の時の各インピーダンス特性(895.5MHz〜928.5MHz、高域側)を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図21】上記実施の第二形態における別の変形例に係る弾性表面波装置の概略構成図である。
【図22】上記実施の第二形態におけるさらに別の例の概略構成図である。
【図23】前記実施の第一形態のさらに別の例の概略構成図である。
【図24】上記実施の第一形態のさらに別の例の概略構成図である。
【図25】上記実施の第二形態のさらに別の例の概略構成図である。
【図26】上記実施の第二形態におけるさらに別の例の概略構成図である。
【図27】本発明の通信装置の回路ブロック図である。
【図28】従来の、不平衡−平衡入出力対応の弾性表面波装置の概略構成図である。
【図29】上記従来(入出カインピーダンスが約4倍異なる特性の例)での周波数特性を示すグラフである。
【図30】上記従来(入出カインピーダンスが約4倍異なる特性の例)でのインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが200Ωのときである。
【図31】従来の他の、入出力のインピーダンスが異なる弾性表面波装置の概略構成図である。
【図32】上記図31の構成のうち、1つの弾性表面波フィルタのみの時の周波数特性を示すグラフである。
【図33】上記図31の構成での周波数特性を示すグラフである。
【図34】従来のさらに他の弾性表面波装置(入出力インピーダンスが約2倍異なる特性の例)と外部素子付加時の周波数特性を示すグラフである。
【図35】上記従来(入出力インピーダンスが約2倍異なる特性の例)と外部素子付加時のインピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが100Ωのときである。
【図36】上記従来において、外部素子付加時の回路図である。
【図37】前記実施の第一形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、周波数特性を示すグラフである。
【図38】前記実施の第一形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、インピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが150Ωのときである。
【図39】前記実施の第一形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、反射特性(VSWR)を示すグラフである。
【図40】前記実施の第二形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、周波数特性を示すグラフである。
【図41】前記実施の第二形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、インピーダンス特性を示すグラフであって、(a)は規格化インピーダンスが50Ωのとき、(b)は規格化インピーダンスが150Ωのときである。
【図42】前記実施の第二形態において、不平衡信号端子と平衡信号端子とのインピーダンスの関係をほぼ1:3としたときの、反射特性(VSWR)を示すグラフである。
【符号の説明】
303、304、305、308、309、310 IDT(くし型電極部)313 不平衡信号端子
314、314 平衡信号端子側
Claims (11)
- 平衡−不平衡変換機能を有するように複数のくし型電極部を備えた弾性表面波装置において、
平衡信号端子側に接続されたくし型電極部の電極指総本数をN1、不平衡信号端子側に接続されたくし型電極部の電極指総本数N2とした場合、比率N2/N1が50%〜70%であり、かつ前記くし型電極部の電極交叉幅(W)が弾性表面波の波長λに対して43λ〜58λの範囲に設定されていることを特徴とする弾性表面波装置。 - 前記くし型電極部の内、反射器に隣り合うくし型電極部と前記反射器とが互いに隣り合う箇所において、隣り合う電極指の中心間距離が前記反射器の電極周期λrに対して0.46λr〜0.54λrであることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
- 前記くし型電極部の電極周期により決まる周波数fidtが、前記反射器の電極周期により決まる周波数frefに対して、(fref/fidt)=0.993〜1.008の範囲にて設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性表面波装置。
- 圧電基板上に弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された3つ以上の奇数個のくし型電極部を有する第1の弾性表面波フィルタと、入力信号に対し出力信号の位相が約180度異なる第2の弾性表面波フィルタを有し、前記第1、第2の弾性表面波フィルタにおけるそれぞれ一方の端子を電気的に並列に接続し、もう一方を電気的に直列に接続し、前記並列に接続した端子を不平衡信号端子、直列に接続した端子を平衡信号端子とすることで平衡−不平衡変換機能を有することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の弾性表面波装置。
- くし型電極部の数をkとするとき、[(k−1)/2]個のくし型電極部が、不平衡信号端子に接続され、{[(k−1)/2]+1}個のくし型電極部が、平衡信号端子にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の弾性表面波装置。
- 圧電基板上に弾性表面波の伝搬方向に沿って形成された1つの弾性表面波フィルタにおいて、入力信号に対し出力信号の位相の差が約0度となる第1の端子と、入力信号に対し出力信号の位相の差が約180度となる第2の端子とを有し、上記第1の端子と第2の端子とを互いに直列に接続することで、平衡−不平衡変換機能を有していることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の弾性表面波装置。
- 複数のくし型電極部は、3つのくし型電極部を有する縦結合共振子型フィルタに設けられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の弾性表面波装置。
- 少なくとも平衡信号端子側に接続されるくし型電極部に、少なくとも一つの弾性表面波共振子が電気的に直列に接続されていることを特徴とする、請求項1ないし7の何れか1項に記載の弾性表面波装置。
- 各くし型電極部における共振モードの内、0次モードの励振周波数をf0、及びくし型電極部−くし型電極部の間に弾性表面波の強度分布のピークをもつ定在波共振モードの励振周波数をfNとし、弾性表面波共振子の共振周波数をf1、反共振周波数をf2としたとき、少なくとも両端に位置するくし型電極部に接続される端子に、それぞれ少なくとも一つの弾性表面波共振子が、f1<f0<fN<f2となるように、電気的に直列に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の弾性表面波装置。
- 不平衡信号端子と平衡信号端子のインピーダンスの関係が1:2ないし1:3となるように設定されていることを特徴とする、請求項1ないし9の何れか1項に記載の弾性表面波装置。
- 請求項1ないし10の何れか1項に記載の弾性表面波装置を有することを特徴とする通信装置。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070724 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071204 |