JP3838128B2 - 弾性表面波装置、および、これを搭載した通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波装置に関し、詳しくは、通過帯域内の平衡度、特に振幅平衡度を改善した弾性表面波装置、および、これを搭載した通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯電話機の小型化、軽量化に対する技術的進歩は目覚しいものがある。これを実現するための手段として、各構成部品の削減ならびに小型化はもとより、複数の機能を複合した部品の開発も進んできた。
【0003】
このような状況を背景に、携帯電話機のRF段に使用する弾性表面波フィルタ装置として、平衡−不平衡変換機能、いわゆるバランの機能を兼ね備えたものが、近年盛んに研究されている。そして、GSM(global system for mobile communications)などを中心に使用されるようになってきている。さらに今後も、PCS(personal communication services)やDCS(digital communication system)などにも使用される可能性が非常に高い。
【0004】
このような平衡−不平衡変換機能を備えた弾性表面波フィルタ装置に関して、例えば、公開特許公報「特開平6−204781号公報(公開日:平成6年(1994)7月22日)」や、公開特許公報「特開平11−145772号公報(公開日:平成11年(1999)5月28日)」が公開されている。
【0005】
ここで、図17は、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタ装置として広く用いられている構成を示す模式的平面図である。
【0006】
図17に示すように、弾性表面波フィルタ装置1Rは、圧電基板上(圧電基板は省略)に形成された第1の弾性表面波フィルタ100と、第1の弾性表面波フィルタ100とは位相が180度異なる第2の弾性表面波フィルタ200とを備えて構成されている。
【0007】
第1の弾性表面波フィルタ100は、中央のIDT(interdigital transducer)101の左右にIDT102・103を配置し、これらのIDTを挟み込むように反射器104・105が配置された、3つのIDTを有する縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。第2の弾性表面波フィルタ200は、第1の弾性表面波フィルタ100の中央IDT101の電極106・107の極性を逆にした構造にすることで、位相を180度異ならせている。端子52および端子53が平衡信号端子であり、端子112・212を電気的に並列接続させた端子51が不平衡信号端子である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
平衡−不平衡変換機能を有するフィルタにおいては、不平衡信号端子と平衡信号端子のそれぞれの端子との間の通過帯域内での伝送特性において、振幅特性が等しく、かつ位相が180度異なり、また通過帯域外では振幅特性、位相特性とも等しいことが要求される。
【0009】
振幅平衡度および位相平衡度とは、平衡−不平衡変換機能を有するフィルタ装置を3ポートのデバイスと考え、例えば不平衡入力端子をポート1、平衡出力端子のそれぞれをポート2、ポート3としたときの、
で定義する。ただし、上記のS21、S31は、3ポートデバイスを散乱行列で表現したときの行列成分であり、それぞれポート2とポート1との間、ポート3とポート1との間の伝送特性を示す。
【0010】
このような平衡度は、理想的にはフィルタの通過帯域内では振幅平衡度が0dB、位相平衡度は0度、通過帯域外では振幅平衡度が0dB、位相平衡度は180度である。
【0011】
しかし、図17に示す従来例である弾性表面波フィルタ装置1Rの構成では、理想平衡度とのずれが存在し、そのレベルは実際に使用する上で問題となるレベルであった。
【0012】
第1の弾性表面波フィルタ100では、3つのIDT101・102・103の境界箇所の電極指が属する電極107・108・110は、いずれも接地されている。一方、第2の弾性表面波フィルタ200では、3つのIDT201・202・203の境界箇所の電極指が属する電極については、電極206は信号端子に接続され、電極208・210は接地されている。
【0013】
そのため、第1の弾性表面波フィルタ100のIDTの境界箇所では、接地された電極指が並んでいるために、弾性表面波は励振されない。一方、第2の弾性表面波フィルタ200のIDTの境界箇所では、信号端子に接続されている電極指と接地端子に接続されている電極指が並んでいるために、弾性表面波は励振される。
【0014】
また、第1の弾性表面波フィルタ100のIDT101と、第2の弾性表面波フィルタ200のIDT201では、信号端子に接続されている電極指の本数が異なる。そのため、第1の弾性表面波フィルタ100と第2の弾性表面波フィルタ200とでは、フィルタ特性が大きく異なる。
【0015】
このことは、平衡度、特に通過帯域内の平衡度を大きく悪化させる原因となる。
【0016】
また、公開特許公報「特開昭59−107620号公報(公開日:昭和59年(1984)6月21日)」には、平衡度を改善するために、平衡信号端子に抵抗、コイル、コンデンサから成るインピーダンス素子を接続する技術が開示されている。
【0017】
しかしながら、弾性表面波フィルタ装置の内部に所望のインピーダンス素子を内蔵することは困難であり、また外部素子としてインピーダンス素子を接続するには、搭載面積を必要とし、またコストも高くなってしまう。
【0018】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、平衡機能を有する弾性表面波装置において、インピーダンス素子を外部に接続することなく、平衡度、特に通過帯域内の振幅平衡度に優れた弾性表面波装置およびこれを搭載した通信装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の弾性表面波装置は、平衡信号端子と、平衡信号端子に接続された弾性表面波フィルタとを有する弾性表面波装置であって、少なくとも一方の平衡信号端子と接地端子との間に、少なくとも1つの弾性表面波共振子が接続されていることを特徴としている。
【0020】
また、本発明の弾性表面波装置は、平衡信号端子と、平衡信号端子に接続された弾性表面波フィルタとを有する弾性表面波装置であって、少なくとも一方の平衡信号端子に、少なくとも1つの弾性表面波共振子が並列に接続されていることを特徴としている。
【0021】
上記の構成により、平衡機能を有する弾性表面波装置において、インピーダンス素子の代わりに圧電基板上の弾性表面波共振子を用いて、フィルタのバランス性を改善することが可能となる。具体的には、挿入損失の差を小さくして、その結果として、振幅平衡度を改善できる。
【0022】
よって、弾性表面波装置の内部にインピーダンス素子を内蔵したり、外部のインピーダンス素子と接続する必要がなくなる。また、上記弾性表面波共振子は、弾性表面波フィルタ部分をフォトリソグラフィー法によって製造する工程において同時に作製できる。
【0023】
したがって、上記の構成によれば、振幅平衡度、特に通過帯域内の振幅平衡度に優れた弾性表面波装置を得ることができる。そして、この弾性表面波装置は、サイズ的にもコスト的にも従来のものより有利である。
【0024】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波共振子の共振点が、上記弾性表面波フィルタの通過帯域内に設定されていることを特徴としている。
【0025】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波共振子の共振点が、通過帯域内で上記弾性表面波フィルタの振幅平衡度が理想値から外れた周波数にほぼ一致する、もしくは近傍に位置するように設定されていることを特徴としている。
【0026】
上記の構成により、さらに、弾性表面波共振子の共振点が、振幅平衡度が理想値(0dB)から外れた周波数にほぼ一致、もしくは近傍に位置するように設定されている。
【0027】
これにより、2つの平衡信号端子における挿入損失の差がある周波数で大きくなっても、この周波数と共振周波数が一致した弾性表面波共振子を、一方の平衡信号端子に電気的に並列に接続できる。
【0028】
したがって、弾性表面波共振子が並列接続された平衡信号端子の上記周波数付近での挿入損失を大きくして、他方の平衡信号端子の挿入損失に近づけることにより、2つの平衡信号端子の挿入損失の差を小さくして、振幅平衡度を改善できる。
【0029】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、第1および第2の平衡信号端子と、該第1および第2の平衡信号端子にそれぞれ接続され、位相が互いに180度異なる第1および第2の弾性表面波フィルタとを有し、上記弾性表面波共振子が、上記第1および第2の平衡信号端子のうち挿入損失がより小さい方の平衡信号端子に接続されていることを特徴としている。
【0030】
上記弾性表面波装置において、2つの平衡信号端子での挿入損失に差がある場合、上記弾性表面波共振子を、挿入損失がより小さい方の平衡信号端子に接続さることが好ましい。
【0031】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波共振子のQ値が160以下に設定されていることを特徴としている。
【0032】
上記の構成により、さらに、弾性表面波フィルタの少なくとも一方の平衡信号端子に並列接続する弾性表面波共振子のQ値を160以下に設定する。これにより、振幅平衡度が効果的に改善される。なお、平衡信号端子に複数の弾性表面波共振子を並列に接続する場合でも、複数の弾性表面波共振子の合成したQ値が160以下であれば、同様の効果が得られる。
【0033】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、平衡−不平衡変換機能を有することを特徴としている。
【0034】
上記の構成は、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置に好適である。
【0035】
また、本発明の通信装置は、上記の弾性表面波装置を搭載したことを特徴としている。
【0036】
上記の構成により、平衡信号端子を有する弾性表面波装置を搭載した通信装置において、当該弾性表面波装置は、挿入損失の差を小さくして、振幅平衡度を改善するために、圧電基板上に弾性表面波共振子が形成されている。
【0037】
よって、搭載する弾性表面波装置は、内部にインピーダンス素子を内蔵したり、外部のインピーダンス素子と接続する必要がない。また、上記弾性表面波装置は、弾性表面波共振子を、弾性表面波フィルタ部分をフォトリソグラフィー法によって製造する工程において同時に作製できる。それゆえ、上記弾性表面波装置は、サイズ的にもコスト的にも従来のものより有利である。
【0038】
したがって、このような弾性表面波装置を搭載することにより、フィルタ特性の優れた通信装置を小型かつ安価に実現できる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1から図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0040】
本実施の形態では、本発明に係る弾性表面波フィルタ装置(弾性表面波装置)をDCS(digital communication system)受信用フィルタに適用した例について説明する。
【0041】
〔実施例1〕
図1は、本発明の一実施例である弾性表面波フィルタ装置1の構成の概略を示す模式的平面図である。
【0042】
図1に示すように、弾性表面波フィルタ装置1は、40±5°YcutX伝搬LiTaO3基板上(図示せず)に、Al電極からなる第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ(以下、「第1の弾性表面波フィルタ」と記す)100と、この縦結合共振子型弾性表面波フィルタ100とは位相が180度異なる第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ(以下、「第2の弾性表面波フィルタ」と記す)200と、弾性表面波共振子61とを備えて構成されている。
【0043】
第1および第2の弾性表面波フィルタ100・200は、一方では信号端子112・212が並列接続されて不平衡信号端子51となり、他方では信号端子113・114が並列接続されて平衡信号端子53に、もしくは信号端子213・214が並列接続されて平衡信号端子52になっている。さらに、第1および第2の弾性表面波フィルタ100・200は、弾性表面波共振子61が、平衡信号端子53に電気的に並列に接続されている。
【0044】
第1の弾性表面波フィルタ100は、IDT(interdigital transducer)101を挟み込むようにIDT102・103が形成され、その両側にリフレクタ104・105が形成されている。また、IDT101と102の間(IDT101の隣接するIDT102との境界の近傍部位、および、IDT102の隣接するIDT101との境界の近傍部位)、およびIDT101と103の間(IDT101の隣接するIDT103との境界の近傍部位、および、IDT103の隣接するIDT101との境界の近傍部位)の数本の電極指(狭ピッチ電極指)のピッチを、IDTの他の部分より小さくしている(図1)。なお、図1では、図を簡潔にするために電極指の本数を少なく示している。
【0045】
また、第2の弾性表面波フィルタ200は、中央のIDT201の電極206・207の極性が第1の弾性表面波フィルタ100の中央のIDT101の電極106・107の極性を反転させた構造を備え、このような構造にすることで位相が180度異なるように設定されている。
【0046】
また、弾性表面波共振子61は、その共振点が、上記弾性表面波フィルタ100の通過帯域内で、弾性表面波フィルタ100の振幅平衡度が理想値から外れた周波数にほぼ一致する、もしくは近傍に位置するように設定されている。
【0047】
これにより、平衡信号端子52,53における挿入損失の差が大きい周波数付近において、弾性表面波共振子61が並列接続された平衡信号端子53の挿入損失を大きくして、平衡信号端子52の挿入損失に近づけることができる。その結果、2つの平衡信号端子52,53の挿入損失の差が小さくなるため、弾性表面波フィルタ装置1の振幅平衡度が改善される。
【0048】
〔実施例2〕
図2は、本発明の他の実施例である弾性表面波フィルタ装置2の構成の概略を示す模式的平面図である。なお、説明の便宜上、前記の実施例1において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
図2に示すように、弾性表面波フィルタ装置2は、第1の弾性表面波フィルタ100と不平衡信号端子51との間、および、第2の弾性表面波フィルタ200と不平衡信号端子51との間に、それぞれ弾性表面波共振子からなる第1のトラップ1100が電気的に直列接続されている。また、弾性表面波フィルタ装置2は、第1の弾性表面波フィルタ100と平衡信号端子53との間、および、第2の弾性表面波フィルタ200と平衡信号端子52との間に、それぞれ弾性表面波共振子からなる第2のトラップ1200が電気的に直列接続されている。さらに、弾性表面波フィルタ装置2は、弾性表面波フィルタ装置1と同様に、弾性表面波共振子62が平衡信号端子53に電気的に並列接続されている。
【0050】
上記の第1および第2のトラップ1100・1200は、通過帯域外の減衰量を確保するために設けたものである。なお、第1および第2のトラップ1100・1200は、平衡度改善の効果には影響しない。
【0051】
次に、上記弾性表面波フィルタ装置2の設計値の一例を示せば次のとおりである。なお、この設計値は、実施例1で説明した弾性表面波フィルタ装置1の設計値の一例でもある。
【0052】
(1)第1および第2の弾性表面波フィルタ100・200
狭ピッチ電極指のピッチで決まる波長をλI2(IDT101・102の境界付近、および、IDT101・103の境界付近)とし、その他の電極指のピッチで決まる波長をλI1とする。
【0053】
次に、図3は、上記弾性表面波フィルタ装置2の不平衡信号端子51と平衡信号端子52・53との間の挿入損失を示すグラフである。なお、図3中、S21およびS31はそれぞれ、不平衡信号端子51と平衡信号端子52との間の挿入損失、および不平衡信号端子51と平衡信号端子53との間の挿入損失を示す。また、図4は、上記弾性表面波フィルタ装置2の振幅平衡度を示すグラフである。
【0054】
また、図18に示す弾性表面波フィルタ装置2Rを、上記弾性表面波フィルタ装置2の比較例として考える。この弾性表面波フィルタ装置2Rは、平衡信号端子53に電気的に並列接続されている弾性表面波共振子62を取り除いた他は、弾性表面波フィルタ装置2と全く同じ構成を備えている。
【0055】
そして、図19は、弾性表面波フィルタ装置2Rの不平衡信号端子51と平衡信号端子52・53との間の挿入損失を示すグラフである。また、図20は、弾性表面波フィルタ装置2Rの振幅平衡度を示すグラフである。
【0056】
図3と図19とを比較すると、弾性表面波フィルタ装置2の方が、S21およびS31における通過帯域内の挿入損失の差が小さくなっており、その結果として、図4および図20に示すように振幅平衡度が改善されている。特に、DCS受信帯域である1805MHz〜1880MHz(図中では点線で表示)での振幅平衡度が改善され、1830MHz付近では0.8dB程度から0.35dB程度にまで改善されている。
【0057】
ここで、弾性表面波フィルタ装置2および弾性表面波フィルタ装置2Rの動作について説明する。
【0058】
第1の弾性表面波フィルタ100では、3つのIDT101・102・103の境界箇所の電極指が属する電極107・108・110がいずれも接地されている。一方、第2の弾性表面波フィルタ200では、3つのIDT201・202・203の境界箇所の電極指が属する電極については、電極206が信号端子に接続されており、電極208・210が接地されている。
【0059】
よって、第1の弾性表面波フィルタ100のIDTの境界箇所では、接地された電極指が並んでいるために、弾性表面波は励振されない。一方、第2の弾性表面波フィルタ200のIDTの境界箇所では、信号端子に接続されている電極指と接地端子に接続されている電極指とが並んでいるために、弾性表面波は励振される。
【0060】
また、第1の弾性表面波フィルタ100と第2の弾性表面波フィルタ200とでは、信号端子に接続されている電極指の本数も異なる。よって、第1の弾性表面波フィルタ100と第2の弾性表面波フィルタ200とでは、フィルタ特性が大きく異なる。
【0061】
この点、比較例である弾性表面波フィルタ装置2Rでは、平衡信号端子52・53それぞれに対応する挿入損失S21・S31を比較すると、挿入損失の差が大きく異なっている(図19)。特に、1830MHz付近ではS31の方が、S21よりも0.8dB程度挿入損失が小さくなっており、このことが弾性表面波フィルタ装置2Rの振幅平衡度を悪化させている(図20)原因である。
【0062】
このように、弾性表面波フィルタ装置2Rでは、挿入損失S21・S31の差が1830MHz付近で大きくなっているが、これに対して、弾性表面波フィルタ装置2では、挿入損失が小さいS31に対応した平衡信号端子53に、ほぼ1830MHzに共振周波数が一致した弾性表面波共振子62が電気的に並列接続されている。これにより、S31の1830MHz付近での挿入損失を大きくして、S21およびS31の挿入損失を近づけ(図3)、振幅平衡度を改善している(図4)。
【0063】
上記の説明でわかるように、弾性表面波フィルタ装置2の平衡信号端子53に電気的に並列に付加する弾性表面波共振子62は、従来用いている弾性表面波共振子よりもQ値を小さくする必要がある。Q値の大きな弾性表面波共振子を用いると、帯域内の挿入損失が必要以上に増加することで逆に振幅平衡度が悪化したり、帯域内の伝送特性にリップルが入ったりする。
【0064】
ただし、Q値が変化する設計パラメータは、IDTの本数、交叉幅、リフレクタ、IDTのメタライゼーションレシオ、Al膜厚、また、基板材料など、様々な条件がある。よって、これらすべてのパラメータについて最適範囲を調査することは実際上不可能である。
【0065】
そこで、図5に示すように、並列接続する弾性表面波共振子のQ値による振幅平衡度の変化を調査して、弾性表面波フィルタの最適範囲をQ値で設定した。具体的には、弾性表面波共振子を並列接続しない弾性表面波フィルタ装置2Rを基準とし、これよりも振幅平衡度が改善されるQ値の範囲を調査した。その結果、Q値が160以下の場合に、振幅平衡度が改善されることがわかる。すなわち、弾性表面波フィルタの少なくとも一方の平衡信号端子に並列接続する弾性表面波共振子のQ値が160以下の場合に、特に効果的に振幅平衡度が改善される。
【0066】
〔変形例〕
以下、図6から図15を参照しながら、本発明の変形例について説明する。
【0067】
本発明に係る弾性表面波フィルタ装置は、平衡信号端子に並列接続される弾性表面波共振子が1つに限定されるものではない。例えば、複数の弾性表面波共振子63・64,65・66・67を平衡信号端子53に並列に接続した弾性表面波フィルタ装置3,4(図6,図9)、複数の弾性表面波共振子68・69を直列に接続したものを平衡信号端子53に並列に接続した弾性表面波フィルタ装置5(図12)、それぞれの平衡信号端子52,53に弾性表面波共振子70・71・72を並列に接続した弾性表面波フィルタ装置6(図13)などのように構成することもできる。
【0068】
これらの場合でも、それぞれの平衡信号端子に並列接続される複数の弾性表面波共振子の合成したQ値が160以下であればよい。これにより、上記の各変形例の構成によっても、弾性表面波フィルタ装置2と同様な効果が得られる。
【0069】
具体的には、図6に示した弾性表面波フィルタ装置3は、比較例である弾性表面波フィルタ装置2R(図18)の平衡信号端子53に、2つの弾性表面波共振子63・64を並列接続した構造を有している。
【0070】
そして、上記弾性表面波フィルタ装置3の設計値の一例を示せば次のとおりである。なお、弾性表面波共振子63・64以外の電極は、弾性表面波フィルタ装置2について上述したとおりである。
【0071】
(5)弾性表面波共振子64
交叉幅W :2.4λI
IDT対数 :10
IDT波長λI :2.12μm
リフレクタ波長λR :2.12μm
リフレクタ本数 :0本
IDT Duty :0.60
電極膜厚 :0.097λI
(6)弾性表面波共振子64
交叉幅W :2.4λI
IDT対数 :10
IDT波長λI :2.10μm
リフレクタ波長λR :2.10μm
リフレクタ本数 :0本
IDT Duty :0.60
電極膜厚 :0.097λI
また、図9に示した弾性表面波フィルタ装置4は、比較例である弾性表面波フィルタ装置2R(図18)の平衡信号端子53に、3つの弾性表面波共振子65・66・67を並列接続した構造を有している。
【0072】
そして、上記弾性表面波フィルタ装置4の設計値の一例を示せば次のとおりである。なお、弾性表面波共振子65・66・67以外の電極は、弾性表面波フィルタ装置2について上述したとおりである。
【0073】
(7)弾性表面波共振子65
交叉幅W :2.3λI
IDT対数 :5
IDT波長λI :2.13μm
リフレクタ波長λR :2.13μm
リフレクタ本数 :0本
IDT Duty :0.60
電極膜厚 :0.096λI
(8)弾性表面波共振子66
交叉幅W :2.4λI
IDT対数 :10
IDT波長λI :2.11μm
リフレクタ波長λR :2.11μm
リフレクタ本数 :0本
IDT Duty :0.60
電極膜厚 :0.097λI
(9)弾性表面波共振子67
交叉幅W :2.4λI
IDT対数 :5
IDT波長λI :2.09μm
リフレクタ波長λR :2.09μm
リフレクタ本数 :0本
IDT Duty :0.60
電極膜厚 :0.098λI
図7および図8は、上記設計値での弾性表面波フィルタ装置3の平衡信号端子の挿入損失、および振幅平衡度を示すグラフである。また、図10および図11は、上記設計値での弾性表面波フィルタ装置4の平衡信号端子の挿入損失、および振幅平衡度を示すグラフである。
【0074】
図7および図8、ならびに図10および図11に示すように、弾性表面波フィルタ装置3,4では、弾性表面波フィルタ装置2と同様に、弾性表面波フィルタ装置2Rと比較して、平衡信号端子の通過帯域内の挿入損失S21・S31が小さくなっており、振幅平衡度が改善されている。
【0075】
さらに、本発明に係る弾性表面波フィルタ装置は、上述のような3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタを2個有する構成に限定されるものではない。すなわち、本発明に係る弾性表面波フィルタ装置は、所望の周波数特性を得るために、IDT数やフィルタ数、交叉幅やIDT本数などを変更したり、必要に応じてトラップ等を増減、変更してもよい。例えば、弾性表面波フィルタを縦続接続させたフィルタの平衡信号端子53に弾性表面波共振子73を並列に接続した弾性表面波フィルタ装置7(図14)や、フロート型の構造に弾性表面波共振子74を並列に接続した弾性表面波フィルタ装置8(図15)のように構成することもできる。これらの場合でも、弾性表面波フィルタ装置2と同様な効果が得られる。
【0076】
また、本実施の形態では、40±5度YcutX伝搬LiTaO3基板を用いた場合について説明したが、本発明はこの基板に限らず、64度〜72度YcutX伝搬LiNbO3、41度YcutX伝搬LiNbO3などの基板であっても同様な効果が得られる。
【0077】
なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下のように構成することができる。
【0078】
本発明に係る弾性表面波フィルタ装置は、平衡信号端子を有する弾性表面波フィルタ装置であって、少なくとも1つの弾性表面波共振子を弾性表面波フィルタの少なくとも一方の平衡信号端子に並列接続した構成を備えていてもよい。すなわち、本発明に係る弾性表面波フィルタ装置は、平衡機能を有する弾性表面波フィルタの少なくとも一方の平衡信号端子に、少なくとも1つの弾性表面波共振子を電気的に並列に接続して構成されていてもよい。
【0079】
これにより、平衡度、特に通過帯域内の振幅平衡度を改善できるため、平衡度の優れた弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。また、このような弾性表面波共振子は、弾性表面波フィルタ部分をフォトリソグラフィー法によって製造する際に同時に作製可能である。また、弾性表面波フィルタ装置内部にインピーダンス素子を内蔵する必要や外部にインピーダンス素子を接続する必要がない。よって、コスト的にも、サイズ的にも従来の方法と比較して有利である。
【0080】
さらに、上記弾性表面波フィルタ装置は、並列接続された弾性表面波共振子の共振点を、通過帯域内であって、振幅平衡度が理想とは外れた周波数にほぼ一致させた構成を備えていてもよい。すなわち、上記弾性表面波フィルタ装置は、平衡機能を有する弾性表面波フィルタの、通過帯域内の振幅平衡度が理想と外れた周波数と、電気的に並列接続する弾性表面波共振子の共振周波数とをほぼ一致させた構成を備えていてもよい。
【0081】
さらに、上記弾性表面波フィルタ装置は、2つの平衡信号端子の伝送特性を比較したときの、挿入損失が小さい端子側に弾性表面波共振子を接続した構成を備えていてもよい。
【0082】
さらに、上記弾性表面波フィルタ装置は、並列接続される弾性表面波共振子のQ値が160以下に設定されていてもよい。
【0083】
さらに、上記弾性表面波フィルタ装置は、平衡−不平衡変換機能を有する構成であってもよい。
【0084】
また、本発明に係る通信装置は、上記の弾性表面波フィルタ装置を搭載して構成されている。
【0085】
最後に、図16を参照しながら、上記の弾性表面波フィルタ装置1〜8を搭載した通信装置10について説明する。
【0086】
上記通信装置10は、受信を行うレシーバとして、アンテナ11、アンテナ共用部/RFTopフィルタ12、アンプ13、Rx段間フィルタ14、ミキサ15、1stIFフィルタ16、ミキサ17、2ndIFフィルタ18、1st+2ndローカルシンセサイザ21、TCXO(temperature compensated crystal oscillator(温度補償型水晶発振器))22、デバイダ23、ローカルフィルタ24を備えて構成されている。また、上記通信装置10は、送信を行うトランシーバとして、上記アンテナ11および上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ12を共用するとともに、TxIFフィルタ31、ミキサ32、Tx段間フィルタ33、アンプ34、カプラ35、アイソレータ36、APC(automatic power control (自動出力制御))37を備えて構成されている。なお、Rx段間フィルタ14とミキサ15との間は平衡信号であることが望ましい。
【0087】
そして、上記のアンテナ共用部/RFTopフィルタ12、Rx段間フィルタ14、1stIFフィルタ16、TxIFフィルタ31、Tx段間フィルタ33には、上述した弾性表面波フィルタ装置1〜8が好適に利用できる。
【0088】
上述したように、上記弾性表面波フィルタ装置1〜8は、挿入損失の差を小さくして、振幅平衡度を改善するために、圧電基板上に弾性表面波共振子が形成されている。よって、通信装置10は、搭載する弾性表面波フィルタ装置が、内部にインピーダンス素子を内蔵したり、外部のインピーダンス素子と接続する必要がない。また、この弾性表面波フィルタ装置は、弾性表面波共振子を、弾性表面波フィルタ部分をフォトリソグラフィー法によって製造する工程において同時に作製できる。それゆえ、弾性表面波フィルタ装置は、サイズ的にもコスト的にも従来のものより有利である。したがって、通信装置10は、このような弾性表面波フィルタ装置1〜8を搭載することにより、フィルタ特性に優れるとともに、小型かつ安価に実現することできる。
【0089】
なお、上記通信装置10は、DCSのほか、GSMやPCS等を含む他の方式の通信装置にも好適である。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明の弾性表面波装置は、平衡信号端子と、平衡信号端子に接続された弾性表面波フィルタとを有する弾性表面波装置であって、少なくとも一方の平衡信号端子と接地端子との間に、少なくとも1つの弾性表面波共振子が接続されている構成である。
【0091】
また、本発明の弾性表面波装置は、平衡信号端子と、平衡信号端子に接続された弾性表面波フィルタとを有する弾性表面波装置であって、少なくとも一方の平衡信号端子に、少なくとも1つの弾性表面波共振子が並列に接続されている構成である。
【0092】
それゆえ、弾性表面波装置の内部にインピーダンス素子を内蔵したり、外部のインピーダンス素子と接続する必要がなくなる。また、上記弾性表面波共振子は、弾性表面波フィルタ部分をフォトリソグラフィー法によって製造する工程において同時に作製できる。
【0093】
したがって、上記の構成によれば、振幅平衡度、特に通過帯域内の振幅平衡度に優れた弾性表面波装置を得ることができるという効果を奏する。そして、この弾性表面波装置は、サイズ的にもコスト的にも従来のものより有利であるという効果を奏する。
【0094】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波共振子の共振点が、上記弾性表面波フィルタの通過帯域内に設定されている構成である。
【0095】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波共振子の共振点が、通過帯域内で上記弾性表面波フィルタの振幅平衡度が理想値から外れた周波数にほぼ一致する、もしくは近傍に位置するように設定されている構成である。
【0096】
それゆえ、さらに、2つの平衡信号端子における挿入損失の差がある周波数で大きくなっても、この周波数と共振周波数が一致した弾性表面波共振子を、一方の平衡信号端子に電気的に並列に接続できる。
【0097】
したがって、弾性表面波共振子が並列接続された平衡信号端子の上記周波数付近での挿入損失を大きくして、他方の平衡信号端子の挿入損失に近づけることにより、2つの平衡信号端子の挿入損失の差を小さくして、振幅平衡度を改善できるという効果を奏する。
【0098】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波共振子が、挿入損失がより小さい方の平衡信号端子に接続されている構成である。
【0099】
上記弾性表面波装置において、2つの平衡信号端子での挿入損失に差がある場合、上記弾性表面波共振子を、挿入損失がより小さい方の平衡信号端子に接続さることが好ましい。
【0100】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波共振子のQ値が160以下に設定されている構成である。
【0101】
それゆえ、さらに、弾性表面波フィルタの少なくとも一方の平衡信号端子に並列接続する弾性表面波共振子のQ値を160以下に設定することにより、振幅平衡度が効果的に改善されるという効果を奏する。
【0102】
さらに、本発明の弾性表面波装置は、平衡−不平衡変換機能を有する構成である。
【0103】
上記の構成は、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波装置に好適である。
【0104】
また、本発明の通信装置は、上記の弾性表面波装置を搭載した構成である。
【0105】
それゆえ、搭載する弾性表面波装置は、内部にインピーダンス素子を内蔵したり、外部のインピーダンス素子と接続する必要がない。また、上記弾性表面波装置は、弾性表面波共振子を、弾性表面波フィルタ部分をフォトリソグラフィー法によって製造する工程において同時に作製できる。それゆえ、上記弾性表面波装置は、サイズ的にもコスト的にも従来のものより有利である。
【0106】
したがって、このような弾性表面波装置を搭載することにより、フィルタ特性の優れた通信装置を小型かつ安価に実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図2】本発明の他の実施例に係る弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図3】図2に示した弾性表面波フィルタ装置における平衡信号端子の挿入損失を示すグラフである。
【図4】図2に示した弾性表面波フィルタ装置における振幅平衡度を示すグラフである。
【図5】図2に示した弾性表面波フィルタ装置における弾性表面波共振子のQ値と振幅平衡度との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の一変形例である弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図7】図6に示した弾性表面波フィルタ装置における平衡信号端子の挿入損失を示すグラフである。
【図8】図6に示した弾性表面波フィルタ装置における振幅平衡度を示すグラフである。
【図9】本発明の他の変形例である弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図10】図9に示した弾性表面波フィルタ装置における平衡信号端子の挿入損失を示すグラフである。
【図11】図9に示した弾性表面波フィルタ装置における振幅平衡度を示すグラフである。
【図12】本発明のさらに他の変形例である弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図13】本発明のさらに他の変形例である弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図14】本発明のさらに他の変形例である弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図15】本発明のさらに他の変形例である弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る弾性表面波フィルタ装置を搭載した通信装置の概略を示すブロック図である。
【図17】従来の技術に係る弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図18】図2に示した弾性表面波フィルタ装置の比較例である弾性表面波フィルタ装置の構成の概略を示す模式的平面図である。
【図19】図18に示した弾性表面波フィルタ装置における平衡信号端子の伝送特性を示すグラフである。
【図20】図18に示した弾性表面波フィルタ装置における振幅平衡度を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6,7,8 弾性表面波フィルタ装置(弾性表面波装置)
10 通信装置
52,53 平衡信号端子
61,62,63,64,65,66,67,
68,69,70,71,72,73,74 弾性表面波共振子
100,200 弾性表面波フィルタ
Claims (7)
- 平衡信号端子と、平衡信号端子に接続された弾性表面波フィルタとを有する弾性表面波装置であって、
少なくとも一方の平衡信号端子と接地端子との間に、少なくとも1つの弾性表面波共振子が接続され、該弾性表面波共振子の共振点が、上記弾性表面波フィルタの通過帯域内に設定されていることを特徴とする弾性表面波装置。 - 上記弾性表面波共振子の共振点が、上記弾性表面波フィルタの振幅平衡度が理想値から外れた周波数にほぼ一致する、もしくは近傍に位置するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
- 上記弾性表面波装置が、第1および第2の平衡信号端子と、該第1および第2の平衡信号端子にそれぞれ接続され、位相が互いに180度異なる第1および第2の弾性表面波フィルタとを有し、
上記弾性表面波共振子が、上記第1および第2の平衡信号端子のうち挿入損失がより小さい方の平衡信号端子に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性表面波装置。 - 上記第1の弾性表面波フィルタと上記第1の平衡信号端子との間に第3の弾性表面波フィルタを縦続接続し、
上記第2の弾性表面波フィルタと上記第2の平衡信号端子との間に第4の弾性表面波フィルタを縦続接続したことを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波装置。 - 上記弾性表面波共振子のQ値が160以下に設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
- 上記弾性表面波装置が平衡−不平衡変換機能を有するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の弾性表面波装置を搭載したことを特徴とする通信装置。
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