JP2000312125A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP2000312125A
JP2000312125A JP11120868A JP12086899A JP2000312125A JP 2000312125 A JP2000312125 A JP 2000312125A JP 11120868 A JP11120868 A JP 11120868A JP 12086899 A JP12086899 A JP 12086899A JP 2000312125 A JP2000312125 A JP 2000312125A
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Koichi Maruta
幸一 丸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、良好な減衰特性を有するととも
に、良好バランス出力信号を得られる弾性表面波装置を
提供する。 【解決手段】 圧電基板1上に、反射器電極13(2
3)、一対の櫛状電極指が交叉して成る入力用交叉指状
電極11(21)出力用交叉指状電極12(22)及び
反射器電極14(24)を並設し成る複数のフィルタ素
子10、20を接続してなる弾性表面波装置である。前
記一方のフィルタ素子10の入力用交叉指状電極11の
いずれかの櫛状電極指11a、11bと、他方のフィル
タ素子の入力用交叉指状電極21のいずれかの櫛状電極
指21a、21bとを静電容量成分32を介して接続す
るとともに、前記他方のフィルタ素子20の出力用交叉
指状電極22の一対の櫛状電極指22a、22bからバ
ランス信号の出力を行なうようにした弾性表面波装置で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波装置、
特に出力用交叉指状電極より互いに位相が180°ずれ
た2つの平衡信号(バランス信号)を出力させる弾性表
面波装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波装置は、圧電基板上に、一対
の櫛状電極指が交叉して成る入力用交叉指状電極(以
下、入力用IDTという)、出力用交叉指状電極(以
下、出力用IDTという)及び一対の反射器電極(以
下、反射器という)を配置して、弾性表面波フィルタ素
子を構成していた。そして、減衰特性の改善のため、複
数のフィルタ素子を直列接続し、低挿入損失、高帯域化
のため、複数のフィルタ素子を並列接続していた。
【0003】従来の弾性表面波装置としては、特開平3
−222512号公報や特開平9−172342公報で
開示されている弾性表面波装置がある。
【0004】特開平3−222512号公報は、複数の
フィルタ素子が互いに接続しあう横結合共振器型弾性表
面波装置において、入出力間を容量を介して接続したも
のである。また、特開平9一172342公報は、複数
のフィルタ素子を多段従属接続した弾性表面波装置にお
いて、2つのフィルタ素子を接続する段間接続部分を中
心に、入力側フィルタ素子の入力用IDT、出力用ID
T、出力側フィルタ素子の入力用IDT、出力用IDT
との間の各々に静電容量成分を介して接続したものであ
る。
【0005】このように、静電容量成分を挿入配置する
ことにより、フィルタ特性の通過帯域の近傍、例えば高
周波領域側に減衰極を形成し、減衰特性の改善を実現し
ていた。
【0006】また、弾性表面波装置の出力信号の形態に
おいては、不平衡信号出力と平衡信号(バランス信号)
出力との2形態がある。通常、出力用IDTを構成する
一対の櫛歯電極指は、グランド電位に接続されおり、他
方がホット側となる。この場合、不平衡信号出力とな
る。しかし、出力信号を処理するIC素子に対応して、
バランス信号を導出させる場合がある。即ち、出力用I
DTを構成する一対の櫛歯電極指の両方とも浮かせて出
力することにより、両櫛歯電極指から各々か得られる出
力信号の位相が180°ずれた信号となる。この位相が
180°ずれた交流波形の2つの平衡信号を合わせて平
衡信号という。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のバランス信号を
出力する弾性表面波装置において、通過帯域外の減衰特
性を向上せしめるために、静電容量成分を配置した場合
には、その静電容量成分の配置次第で、出力用IDTを
構成する一対の櫛状電極指から各々得られる信号間にレ
ベルの差が生じ、両信号のバランス度が悪くなるという
欠点があった。
【0008】例えば、図6において、一方の櫛状電極指
から出力される信号の減衰特性をG、位相をI、他方の
櫛状電極指から出力される信号の減衰特性をH、位相を
Jである。図6では、特性G、Hの間にレベル差が生じ
てしまい、その結果、バンラス信号のIC素子への対応
ができなくなる。また、位相I、Jについても位相差が
発生してしまい、180°ずれた信号となってしまう。
【0009】これは、バランス信号を出力する出力用I
DTに、弾性表面波の信号のみが伝搬せず、通過帯域の
高周波側の減衰量を大きくするために挿入する静電容量
成分を介して信号が供給されることによるものと考えら
れる。
【0010】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は良好な減衰特性を有するとと
もに、出力側フィルタ素子の出力用IDTを構成する各
櫛状電極指から得られる出力信号の間にレベル差が発生
することがなく、位相差も180度からずれていない良
好なバランス出力信号を得られる弾性表面波装にの提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電基
板上に、反射器電極と、一対の櫛状電極指が交叉して成
る入力用交叉指状電極と、出力用交叉指状電極とからな
るフィルタ素子を複数配置するとともに、一つのフィル
タ素子の出力用交叉指状電極の一方櫛状電極指を他のフ
ィルタ素子の入力用交叉指状電極の他方櫛状電極指に接
続してなる弾性表面波装置において、前記一つのフィル
タ素子の入力用交叉指状電極のいずれかの櫛状電極指
と、他のフィルタ素子の入力用交叉指状電極のいずれか
の櫛状電極指とを静電容量成分を介して接続するととも
に、前記他方のフィルタ素子の出力用交叉指状電極の一
対の櫛状電極指より互いに位相が180°ずれた2つの
平衡信号を出力させるようになしたことを特徴とする弾
性表面波装置である。
【0012】
【作用】本発明では、例えば出力を行なう他方(出力
側)のフィルタ素子の出力用IDTの一対の櫛状電極指
はそれぞれ交流波形のバランス信号が出力されるため、
この信号に対応したIC素子に容易に対応できる。
【0013】そして、2つのフィルタ素子とが従属接続
しあう弾性表面波装置との間に、静電容量成分を配置し
ているため、通過帯域の高周波側に大きな減衰極が形成
でき、選択性に優れたフィルタ特性の弾性表面波装置と
なる。
【0014】しかも、この容量成分が、入力側となる一
方のフィルタ素子の入力用交叉指状電極の一方の櫛状電
極指と、前記一方のフィルタ素子と他方のフィルタ素子
との接続部分との間に接続されている。即ち、バランス
信号を出力する他方のフィルタ素子の出力用交叉指状電
極に、この容量成分を介して電流信号が流れ込むことが
ないため、バランス信号の出力レベルに差異が発生せ
ず、180°位相のずれた安定したバランス信号の出力
を行なうことができる。
【0015】即ち、本発明によれば、バランス信号の出
力が可能となるとともに、通過帯域外の減衰特性に優れ
た弾性表面波装置となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の弾性表面波装置を
図面に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明の弾性表面波装置の実施例の
構成を示した概略平面図である。
【0018】図において、1は圧電基板であり、10は
一方(入力側)の弾性表面波フィルタ素子(以下、単に
フィルタ素子という)であり、11は入力用交叉指状電
極(以下、単に入力用IDTという)、12は出力用交
叉指状電極(以下、単に出力用IDTという)、13は
入力用IDT11に近接した第1のすだれ状反射器電極
(以下、単に反射器という)、14は出力用IDT12
に近接した第2のすだれ状反射器電極(以下、単に反射
器という)である。
【0019】また、20は他方(出力側)のフィルタ素
子であり、21は入力用IDT、22は出力用IDT、
23は入力用IDT21に近接したすだれ状反射器、2
4は出力用IDT22 に近接したすだれ状反射器であ
る。
【0020】上述の圧電基板1は、ニオブ酸リチウム、
タンタル酸リチウム、四ホウ酸リチウムなどの圧電単結
晶基板、水晶基板、PZ(ジルコン酸鉛)、PZT(チ
タン酸ジルコン酸鉛)などの圧電セラミック基板などか
ら成る。この圧電単結晶基板、水晶基板においては、結
晶軸及び伝搬方向に応じて所定カットが施されており、
また、圧電セラミック基板においては伝搬方向に応じて
所定方向の分極処理が施されている。
【0021】このような圧電基板1上には、弾性表面波
の伝搬方向にそって、例えば一方の弾性表面波フィルタ
素子10においては、反射器13、入力用IDT11、
出力用IDT12、反射器14が配置されており、また
他方の弾性表面波フィルタ素子20においては、反射器
23、入力用IDT21、出力用IDT22、反射器2
4が配置されている。尚、両フィルタ素子10、20
は、互いに弾性表面波の伝搬方向にそって平行になるよ
うに配置されている。
【0022】また、弾性表面波フィルタ素子10、20
の反射器13、14、23、24は、電極指と所定間隔
をおいて配置されたスダレ状となっている。また、弾性
表面波フィルタ素子10、20の入力用IDT11、2
1、出力用IDT12、22は、互いに異なる電位の一
対の櫛状電極指が互いに噛み合って構成されている。
【0023】例えば、入力側のフィルタ素子10の入力
用IDT11においては、一方の櫛状電極指11aと他
方の櫛状電極指11bとから構成され、出力用IDT1
2においては、一方の櫛状電極指12aと他方の櫛状電
極指12bとから構成され、例えば、出力側のフィルタ
素子20の入力用IDT21においては、一方の櫛状電
極指21aと他方の櫛状電極指21bとから構成され、
出力用IDT22においては、一方の櫛状電極指22a
と他方の櫛状電極指22bとから構成されている。
【0024】また、両弾性表面波フィルタ10、20
は、入力側のフィルタ素子10の出力用IDT12の一
方の櫛状電極指12bと出力側のフィルタ素子20の入
力用IDT21の他方の櫛状電極指21aとが、接続導
体バー31で接続されている。
【0025】また、入力側のフィルタ素子10の入力用
IDT11の一方または他方の櫛状電極指11aまたは
11bと、出力側のフィルタ素子20の入力用IDT2
1の一方または他方の櫛状電極指21aまたは21bと
の間には静電容量成分32が配置されている。尚、図1
では、入力側のフィルタ素子10の入力用IDT11の
他方の櫛状電極指11bと、出力側のフィルタ素子20
の入力用IDT21の一方の櫛状電極指21a(接続導
体バー31)との間に、静電容量成分32が配置されて
いる。
【0026】この容量成分32は、互いに異なる電位の
一対の櫛状電極指32a、32bが互いに噛み合って構
成されて、図においては、一方の櫛状電極指32aが入
力用IDT11の一方の櫛状電極指11bに接続され、
他方の櫛状電極指32bが接続導体バー31に接続され
ている。尚、静電容量成分は、一対の櫛状電極指32
a、32bの対向距離、対向間隔によって所定値に設定
される。
【0027】圧電基板1上に形成される反射器13、1
4、23、24、入力用IDT11、21、出力用ID
T12、22、接続導体バー31及び容量成分32を構
成する一対の櫛状電極指32a、32bは、例えばアル
ミニウムなどの薄膜金属をフォトリソグラフィ技術を用
いて所定形状にパターンニングされている。
【0028】また、例えば、各電極11、12、21、
22は、例えばアルミニウムからなり、その膜厚は弾性
表面波の波長λ(1次モードの定在波)及び基板の特性
によって概略規定される膜厚(規格化膜厚)に設定され
ている。
【0029】入力用IDT11、21、出力用IDT1
2、22は、互いに異なる電位の一対の電極指が互いに
噛み合うようにして構成されており、例えば、隣接しあ
う異なる電位の電極指の幅、電極指間の間隔は、原則的
に各々1/4λ(波長)に設定されている。
【0030】図1に示す弾性表面波装置は、少なくとも
出力側のフィルタ素子20の出力用IDT22からバン
ランス出力されるものであり、出力用IDT22を構成
する一対の櫛状電極指22a、22bは電気構造的には
浮いている。
【0031】また、図1において、入力側のフィルタ素
子10の入力用IDT11も同様に、バンランス入力さ
れるものである。従って、入力用IDT11を構成する
一対の櫛状電極指11a、11bは、グランド電位(基
準電位)に接続されていない。尚、バンランス信号に対
応するIC素子は、出力信号形態のみが問われ、入力用
信号とは関係ないため、一方の櫛状電極指をグランド電
位としたアンバランス信号であってもよい。
【0032】また、入力側のフィルタ素子10の出力用
IDT12の他方の櫛状電極指12aはグランド電位に
接続され、出力側のフィルタ素子20の入力用IDT2
1の一方の櫛状電極指21bはグランド電位に接続され
ている。
【0033】上述の弾性表面波装置では、入力側のフィ
ルタ素子10の入力用IDT11に入力した信号が、こ
のフィルタ素子10と従属接続された出力側のフィルタ
素子20の出力用IDT22からバランス信号(一対の
櫛状電極指22a、22bから互いに大きさが互いに等
しく180°位相のずれた信号)が出力されることにな
り、全体で一つのフィルタ回路を構成している。
【0034】この弾性表面波装置において、前記入力側
のフィルタ素子10の入力用IDT11の一方の櫛状電
極指11bと、前記出力側のフィルタ素子20の入力用
交叉指状電極21の一方の櫛状電極指21の一方の櫛状
電極指21aとの間に、櫛状電極指32a、32bから
なるが静電容量32が接続されているため、図2に示す
ように通過帯域の高周波側に減衰極を形成している。
尚、図2において、本発明のように静電容量成分32を
接続した状態の特性を線Aで、静電容量32を省力した
場合の特性を線Bで示す。
【0035】図2から明らかなように、静電容量成分3
2を用いることにより、通過帯域の高周波側に充分な減
衰量を有する減衰極が形成されることになり、選択性が
向上する。
【0036】また、本発明の弾性表面波装置では、出力
側フィルタ素子20の出力用IDT22には、入力用I
DT21から伝搬される弾性表面波のみが供給される。
即ち、出力側フィルタ素子20の出力用IDT22に
は、容量成分を介して電流信号が直接流れ込まないの
で、出力用IDT22を構成する一対の櫛歯電極指22
a、22bから導出される2つの出力信号は、夫々位相
が180度異なり、且つ大きさ(レベル)が略等しいバ
ランス信号となる。
【0037】図3に図1に示した実施例の弾性表面波装
置の出力用IDT電極22を構成する例えば一方の櫛状
電極指22aから出力される信号の減衰(大きさの周波
数応答)特性をC、位相特性(位相の周波数応答特性)
をE、他方の例えば一方の櫛状電極指22bから出力さ
れる信号の減衰特性をD、位相特性をFである。
【0038】図3から明らかなように、出力用IDT2
2を構成する櫛状電極指22a及び櫛状電極指22bか
ら導出される出力信号の減衰特性C、Dとは、略同一の
特性であり、略等しいバランス状態となり、例えば、通
過帯域内において2つの出力信号ではレベル差は発生し
ない。
【0039】また、線E、線Fに示すように、両出力信
号が夫々位相が180°だけずれた信号となる。即ち、
出力側のフィルタ素子20の出力用IDT22を構成す
る各櫛状電極指22a、22bから得られる出力信号の
間にレベル差が発生することがなく、位相差も180度
からずれていない良好なバランス信号が得られることに
なる。
【0040】本発明の弾性表面波装置の比較例として、
図4〜図6に示す。
【0041】図4(a)は、1つのフィルタ素子40の
みで構成されており、入力用IDT41の一方の櫛状電
極指41aと、出力用IDT42の一方の櫛状電極指4
2a間に静電容量成分Cを挿入している。この場合、入
力用IDT41の櫛状電極指42b、出力用IDT42
の一方の櫛状電極指42bがグランド電位に接続されて
おり、バランス処理に対応するIC素子に用いることが
できない。
【0042】図4(b)は、出力用IDT42の一対の
櫛状電極指42a、42bからバランス出力を行なっい
る。しかし、一方の櫛状電極指42aのみに静電容量成
分Cを介して直接電気信号が流れ込むために、出力信号
の間にレベル差が発生し、位相差も180°からずれて
しまう出力信号となる。
【0043】図5(a)は、従属接続された2つのフィ
ルタ素子10、20で構成されており、両フィルタ素子
10、20を直列接続する接続導体バー31と、出力側
のフィルタ素子20の出力用IDT22の一方の櫛状電
極指22aとの間に容量成分Cを挿入している。この場
合、出力用IDT22の一方の櫛状電極指22bがグラ
ンド電位に接続されている。
【0044】図5(b)は、出力用IDT22の一対の
櫛状電極指22a、22bからバランス出力を行なっい
る。このような構造において、出力用IDT22の一対
の櫛状電極指22aに静電容量成分Cを介して直接電気
信号がが流れ込む為、その分だけ2つの出力信号にレベ
ル差が生じてしまう。例えば、通過帯域内においても2
つの出力端子からの出力信号に0.7dB程度のレベル
差が発生してしまう。
【0045】また、出力信号の位相差も180°からズ
レてしまい、バランス出力にならない。
【0046】以上のように、本発明では、弾性表面波装
置の出力をバランス出力するにあたり、最終的に出力を
行なう出力用IDT22の一対の櫛状電極指22a、2
2bには、出力側のフィルタ素子20の入力用IDT2
1からの表面弾性波による伝搬信号のみとなり、2つの
出力信号が互いにバンラスの取れた安定した出力信号と
なる。
【0047】しかも、入力側のフィルタ素子と出力側の
フィルタ素子との間が、静電容量成分を介して接続され
るため、通過帯域の高周波側近傍に大きな減衰極を形成
することができるため、選択性に優れた弾性表面波装置
となる。
【0048】尚、図1では、入力側のフィルタ素子の入
力用IDT11の櫛状電極指11bと、出力のフィルタ
素子20の入力用IDT21の櫛状電極指21aとを静
電容量成分32を介して接続しているが、例えは、入力
用IDT電極11の櫛状電極指11aと、入力用IDT
21の櫛状電極指21bとの間に静電容量成分を介して
接続しても構わない。
【0049】また、上述の弾性表面波装置では、2つの
フィルタ素子を用いた弾性表面波装置で説明したが、3
つのフィルタ素子を多段に接続しても構わない。この
時、静電容量を、少なくとも出力側のフィルタ素子の出
力用IDTを構成する一対の櫛状電極指以外に接続され
るように構成すれば、安定したバランス出力ができるこ
とになる。
【0050】また、夫々のフィルタ素子に横結合共振器
型弾性表面波フィルタ素子を用いても構わない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
圧電基板上に、反射器電極、入力用IDT、出力用ID
T、反射器電極からなる複数のフィルタ素子を従属接続
するとともに、出力側のフィルタ素子の出力用IDTか
らバランス出力を行っている。
【0052】この時、静電容量成分が、出力側のフィル
タ素子の出力用IDTに接続されないように、入力側の
フィルタ素子の入力用IDTと出力側のフィルタ素子の
入力用IDTとの間に配置されているため、上述の安定
したバランス出力を維持しつつ、さらに、通過帯域の高
周波側に減衰量が充分に大きい減衰極が形成されること
になり、非常に選択性に優れた弾性表面波装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波装置を示す概略平面図であ
る。
【図2】図1に示す弾性表面波装置のフィルタ特性図で
ある。
【図3】図1に示すフィルタの出力信号のバランス状態
を示す特性図である。
【図4】従来の1素子型の弾性表面波装置を示す概略平
面図であり、(a)は不平衡入出力を行なう場合の回路
を含めた概略平面図であり、(b)はバランス出力を行
なう場合の概略平面図である。
【図5】従来の2素子型の弾性表面波装置を示す概略平
面図であり、(a)は不平衡入出力を行なう場合の回路
を含めた概略平面図であり、(b)はバランス出力を行
なう場合の概略平面図である。
【図6】図5(b)に示すフィルタの出力信号のバラン
ス状態を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・・圧電基板 10・・・一方のフィルタ素子 20・・・他方のフィルタ素子 11、21・・・入力用IDT 12、22・・・出力用IDT 13、14、23、24・・・反射器 32・・・・・・静電容量成分 11a、11b、21a、21b 12a、12b、12a、12b・・・櫛状電極指

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に、反射器電極と、一対の櫛
    状電極指が交叉して成る入力用交叉指状電極と、出力用
    交叉指状電極とからなるフィルタ素子を複数配置すると
    ともに、一つのフィルタ素子の出力用交叉指状電極の一
    方櫛状電極指を他のフィルタ素子の入力用交叉指状電極
    の他方櫛状電極指に接続してなる弾性表面波装置におい
    て、 前記一つのフィルタ素子の入力用交叉指状電極のいずれ
    かの櫛状電極指と、他のフィルタ素子の入力用交叉指状
    電極のいずれかの櫛状電極指とを静電容量成分を介して
    接続するとともに、前記他方のフィルタ素子の出力用交
    叉指状電極より位相が180°ずれた2つ平衡信号を出
    力させるようになしたことを特徴とする弾性表面波装
    置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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