JP2002111442A - 弾性表面波共振器及びこれを用いた弾性表面波フィルタ - Google Patents
弾性表面波共振器及びこれを用いた弾性表面波フィルタInfo
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Abstract
共振周波数と反共振周波数とを接近させて、従来よりも
高角型比のラダータイプの弾性表面波フィルタを提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 圧電基板と、圧電基板上に形成され、励
振すべき弾性表面波の波長にほぼ等しい周期piを持つ複
数の電極指からなるくし形電極部と、くし形電極部に近
接配置され、かつくし形電極部で励振された弾性表面波
の進行方向と平行な方向に前記弾性表面波を反射するよ
うに配置された少なくとも1つ以上の反射器とからな
り、前記くし形電極部が、周期piの中に3本以上の電極
指を備え、前記反射器が、反射器を進行する弾性表面波
の波長の半分に等しい周期prを持つ複数のグレーティン
グからなることを特徴とする。
Description
器、及びこれを用いた弾性表面波素子、特に、ラダータ
イプフィルタに関する。
ィルタや共振回路は、小型かつ安価に提供することがで
きる。したがって、今日の携帯電話をはじめとする通信
機器の小型化をするために、弾性表面波共振器は必要不
可欠な構成要素となっている。
器の構成図を示す。弾性表面波共振器は、圧電基板1上
に、アルミ合金等で形成された所望の周波数に対応した
周期のくし形電極2と、そのくし形電極2で励振された
弾性表面波を反射する反射器3-1,3-2とからなる。くし
形電極2の電極周期piは、基板のくし形電極部分での弾
性表面波速度viと、所望の周波数fiから pi=vi/fi で求まる。
対の共振器であり、くし形電極2の端部のうち、一方が
入力信号が与えられる入力電極2-1であり、他方が出力
信号を取り出す出力電極2-2となる。反射器3-1,3-2
は、一般に周期性を持つグレーティング等で形成され
る。グレーティングは圧電基板にグルーブ(溝)を作る
ことによって形成することもできるが、一般には、くし
形電極と同時に形成が可能なアルミ合金のグレーティン
グが用いられる。
極と同様に反射器部分での弾性表面波速度vrと所望の周
波数frから 2×pr=vr/fr で求まる。一般に、fi=frとして、viとvrほほぼ等しい
と考え、pi=2×prで設計されることが多い。ここで、
グレーティングの周期prの2倍を反射器の周期と呼ぶこ
ともある。この場合の反射器は「2分の1周期の反射
器」とも呼ばれる。
に2本の電極指があるシングル電極で形成されていた。
また、反射器も同様に、piと同じグレーティング周期pr
の2倍の中に、2本のグレーティング電極指3-3がある
ことから、くし形電極2と同じシングル電極で形成され
ていた。
電極指が入力電極2-1の端部から出た1本の電極指と出
力電極2-2の端部から出た1本の電極指が交互に配置さ
れているものをいう。すなわち、入力電極2-1の端部か
ら出た隣接する2本の電極指の間に、必ず出力電極2-2
の端部から出た1本の電極指が配置されている。また、
交互に配置された電極指のそれぞれを、シングル電極指
という。
なる2端子対共振器の構成図を示す。ここで、2-3,2-4
は、接地端子である。図19に、水晶、LiTaO3等の圧電
基板1上に形成された1端子対の弾性表面波共振器の最
も簡単な電気的等価回路を示す。1端子対の弾性表面波
共振器は、図20,図21のように、電気的に直列、あ
るいは並列に接続して用いられる。
パシタンス、L1はインダクタンス、Tiは入力電極2−1
の端子、Toは出力電極2−2の端子である。ここで、R
1,C1,L1は圧電基板の材料によって決まる値であり、C
0はくし形電極の対数等によって変化する値である。
は、図20(b)に示す等価回路のように、入力Tiと出
力Toとの間に、1端子対の弾性表面波共振器Rが直列に
配置される。図21(a)に示すように並列接続の場合
は、図21(b)に示す等価回路のように、入力Ti及び
出力Toと、グランドGとの間に1端子対の弾性表面波共
振器Rが配置される。
器を直列接続した場合の一般的な帯域通過特性を示す。
ここで、横軸が周波数[Hz]であり、縦軸が減衰量[d
B]である。これによれば、ある周波数で減衰量が極大
となっているが、この周波数は反共振周波数fasと呼ば
れる。
器を直列接続した場合のインピーダンス特性を示す。こ
こで、横軸が周波数であり、縦軸が共振器のインピーダ
ンスの絶対値(log値)である。これによれば、周波数
の低い方にインピーダンスが最小となる共振周波数frs
が現れ、周波数の高い方にインピーダンスが最大となる
反共振周波数fasが現れるという二重共振特性を持つこ
とがわかる。
グラフを示す。この図において、ラダータイプフィルタ
の通過域となる部分と、ラダータイプフィルタの抑圧域
となる部分を示している。図25に、1端子対の弾性表
面波共振器を並列接続した場合の帯域通過特性を、図2
6に1端子対の弾性表面波共振器を並列接続した場合の
インピーダンス特性を示す。ここで、図25の縦軸はア
ドミタンスの絶対値(log値)を示している。
周波数が共振周波数frpであり、アドミタンスの最大値
を示す周波数が共振周波数frpであり、アドミタンスの
最小値を示す周波数が反共振周波数fapである。この並
列接続の場合も、2つの共振周波数frp,fapを持つ二重
共振特性を示す。
て、あるいはラダータイプフィルタのように、いくつか
が組み合わせて用いられる。図27に、ラダータイプフ
ィルタの一実施例の構成図を示す。ラダータイプフィル
タの場合、図27のように、弾性表面波共振器(S1,
S2,R1,R2)を並列と直列にいくつか接続する。このと
き、並列共振器R1,R2の反共振周波数fapと直列共振器S
1,S2の共振周波数frsがほぼ一致するように、各共振器
のくし形電極の設計が行われる。
な通過帯域特性図を示す。ラダータイプフィルタは、あ
る特定の周波数帯域を通過させるバンドパスフィルタで
ある。バンドパスフィルタに求められる特性値として
は、図28に示すような通過帯域幅BW1,抑圧域の幅BWa
tt1,BWatt2,抑圧域の抑圧度ATT1,ATT2などがある。
W1との比(BW1/BW2)を角型比と呼ぶが、これは帯域の
急峻な特性を要求する場合の特性値として使われる。一
般に、角型比が1に近いほどよく、高角型のフィルタで
ある。
f0とすると、BW1,BW2を中心周波数f0で規格化した値
(BW1/f0,BW2/f0)を比帯域幅と呼ぶ。図24に示し
たように、直列共振器の特性図でみると、反共振周波数
fasの右側部分が、ラダーフィルタの抑圧域となる部分
であり、図28のBWatt2の部分に相当する。また、図2
4の反共振周波数frsの左側部分で共振周波数frs近傍
の、通過特性がフラットな部分がラダーフィルタの通過
域となる部分であり、図28のBW1の部分に相当する。
2及び図25とからわかるように、通過帯域幅BW1及びB
W2は、直列共振器の反共振周波数fasと、並列共振器の
共振周波数frpの間隔によってほぼ決定される。また、
弾性表面波共振器の共振周波数frsと反共振周波数fasと
は、圧電基板1の材料によっておおよそ決定される。特
に、使用する圧電基板材料の特性のうち、電気機械結合
係数によって、ラダータイプフィルタの帯域幅がほぼ決
定されていた。
one Service)では、f0=836.5MHzの周波数が用いられ
ているが、その仕様の特性値として、通過帯域は25MHz
であり、比帯域幅が約3%であることが要求される。こ
のような広帯域バンドパスフィルタは、36°Y-cut X伝
搬LiTaO3など、電気機械結合係数が大きなものでしか実
現されていない。
きな圧電基板を用いると、弾性表面波共振器の共振・反
共振周波数間隔が離れているため、広帯域なバンドパス
フィルタを実現することが可能である。しかし、同時
に、角型比が悪くなる。すなわち、比帯域幅が大きくな
ると、角型比が小さくなる傾向がある。前記したように
電気機械結合係数は物質特有の値のため、圧電基板によ
り、共振、反共振周波数間隔でほぼ決定し、任意の値を
得ることができない。このため、比帯域幅と角型比を所
望の値に調整することが、難しかった。
なされたものであり、弾性表面波共振器のくし形電極の
構造を工夫することにより、従来と同じ圧電基板材料を
用いた場合であっても、弾性表面波共振器の共振周波数
と反共振周波数の間隔を近づけ、ラダータイプフィルタ
においては、要求される比帯域幅において、より高角型
なフィルタを実現することを課題とする。
と、圧電基板上に形成され、励振すべき弾性表面波の波
長にほぼ等しい周期piを持つ複数の電極指からなるくし
形電極部と、くし形電極部に近接配置され、かつくし形
電極部で励振された弾性表面波の進行方向と平行な方向
に前記弾性表面波を反射するように配置された少なくと
も1つ以上の反射器とからなり、前記くし形電極部が、
周期piの中に3本以上の電極指を備え、前記反射器が、
反射器を進行する弾性表面波の波長の半分に等しい周期
prを持つ複数のグレーティングからなることを特徴とす
る弾性表面波共振器を提供するものである。
器のグレーティングとが、同じ材料及び同じ膜厚の電極
からなるようにしてもよい。また、前記周期prが、周期
piの半分となるようにしてもよい。さらに、前記くし形
電極部の電極指及び反射器のグレーティングの材料は、
アルミニウムまたはアルミニウム合金のうちいずれかを
用いることができる。また、前記圧電基板は、42°Yカ
ットLiTaO3を用いてもよい。なお、反射器のグレーティ
ングは、電極で構成したグレーティング電極の他、圧電
基板上に形成した溝で形成することもできる。
ティングのうち前記くし形電極部に最も近いグレーティ
ングの弾性表面波の伝搬方向の幅の中心位置と、くし形
電極の電極指のうち前記反射器の最も近くに存在する電
極指がシングル電極指と仮定した場合に、そのシングル
電極指の弾性表面波の伝搬方向の幅の中心位置との距離
が、くし形電極部で励振される弾性表面波の波長λの
(n/2+5/16)倍から(n/2+6/16)倍、(nは、0及び
正の整数)とすることが、その通過帯域の特性上好まし
い。
列接続および/または並列接続して構成されたラダータ
イプの弾性表面波フィルタであって、少なくとも1つ以
上の弾性表面波共振器が、前記したような構成を持つ弾
性表面波共振器からなる弾性表面波フィルタを提供する
ものである。また、前記弾性表面波共振器のうち、直列
接続された弾性表面波共振器のみが前記したような構成
をもつ弾性表面波共振器からなるラダータイプの弾性表
面波フィルタを提供するものである。
づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。
弾性表面波共振器の構成図を示したが、この従来の構成
では、くし形電極の周期pi内に存在する電極指の本数は
2本である。くし形電極2の周期Piと反射器3-1,3-2の
周期Prは、くし形電極と反射器がAl薄膜などの同じ構造
でできている場合、pi=2×prという関係となるように
設計していた。
ィング電極のうちくし形電極2に最も近いもの3-4の伝
搬方向の中心Aと、くし形電極2を形成する電極指のう
ち、最も反射器に近い電極指2-3の伝搬方向の中心に相
当する部分Bとの距離Lが、伝搬する弾性表面波の波長
λに対し、λ/2(ここでλ=pi)である。また、くし形
電極の電極指及び反射器のグレーティング電極の幅はpi
/4であり、各電極指間の間隔もλ/4である。
て、くし形電極の周期pi内に3本の電極指が存在する1
端子対共振器の一実施例の構成図を示す。ここで、この
発明では、反射器のグレーティング電極の周期prは、く
し形電極指で励振された後、反射器に進行してきた弾性
表面波の波長λrの半分に等しくする(pr=λr/2)。
波の波長λiは、くし形電極の電極指の周期piに等しく
設計される(pi=λi)。また、くし形電極と反射器と
が同じ材料及び膜厚で形成されてている場合は、この波
長λiと反射器に進行してきた弾性表面波の波長λrとは
等しい(λi=λr)。したがって、くし形電極と反射器
がAl薄膜などの同じ構造で形成されている場合、くし形
電極の周期piと反射器の周期prとは、pi=2×prという
関係にある。
極のうちくし形電極に最も近いもの3-4の弾性表面波の
伝搬方向の中心位置Aと、くし形電極を形成する電極指
のうち、もっとも反射器に近い電極指2-4に関して、そ
の電極指2-4がシングル電極指と仮定した場合の弾性表
面波の伝搬方向の幅の中心位置に相当する部分Bとの距
離Lは、励振された弾性表面波の波長をλiとすると、
λi/2である。ここで、くし形電極の周期Piは、励振さ
れた弾性表面波の波長λiに等しく設計されるので、λi
=Piより、L=Pi/2である。
ィング電極3-4の幅はpi/4であり、くし形電極2の電極
指(2-4,2-5,2-6,2-7)はpi/6である。くし形電極2
において、その周期piの中に、下方の電極端部から上に
出た2本の電極指2-5,2-6と、上方の電極端部から下に
出た2本の電極指2-4,2-7のそれぞれの半分に相当する
部分が存在し、結局、3本の電極指に相当する部分がく
し形電極2の周期pi内に存在することになる。
下部に、図17に示した従来のシングル電極指からなる
くし形電極2を示した。ここで、図1の上部のくし形電
極2の中で点線で示した電極指が、下部に示した従来の
シングル電極指2-3及び2-3′に相当する。
pi内に4本の電極指が存在する1端子対共振器の一実施
例の構成図を示す。この実施例でも、反射器のグレーテ
ィング電極の周期prは、反射器に進行してきた弾性表面
波の波長λrの半分に等しくする(pr=λr/2)。
prは、くし形電極と反射器がAl薄膜などの同じ構造でで
きている場合、pi=2×prという関係にある。さらに、
反射器3-2を構成するグレーティング電極のうちくし形
電極に最も近いもの3-4の弾性表面波の伝搬方向の中心
位置Aと、くし形電極2を形成する電極指のうち、最も
反射器3-2に近い電極指2-8に関して、その電極指2-8が
シングル電極指と仮定した場合の弾性表面波の伝搬方向
の中心位置に相当する部分Bとの距離Lが、伝搬する弾
性表面波の波長λに対し、λ/2(ここでλ=pi)であ
る。
ィング電極3-4の幅はpi/4であり、くし形電極2の電極
指(2-8,2-9,2-10,2-11,2-12)の幅はpi/8である。
また、くし形電極では、その周期piの中に、4本の電極
指(2-9,2-10,2-11,2-12)が存在する。
と仮定した場合の中心位置Bは、隣接した2つの電極指
2-8,2-9の弾性表面波の伝搬方向の中心位置と一致す
る。すなわち、この実施例では、反射器3-2に最も近く
に存在する隣接した2つの電極指2-8,2-9を、この2つ
の電極指が占有する領域の幅と同じ幅を持つ一つの電極
指で置換したと仮定したときに、この一つの電極指の弾
性表面波の伝搬方向の幅の中心位置と、隣接した2つの
電極指2-8,2-9の弾性表面波の伝搬方向の中心位置と一
致する。
たぐように示した点線は、図1に示した従来例の電極指
2-3に相当する位置を示したものであり、電極指2-10,2
-11をまたぐように示した点線は、図1に示した従来例
の電極指2-3′に相当する位置を示したものである。ま
た、反射器3-1,3-2のグレーティング電極の間隔はpi/4
であり、くし形電極2の電極指の間隔はpi/8である。
のグレーティング電極とが異なる材料の薄膜で形成され
たり、同じ材料でも膜厚が異なる場合には、くし形電極
で励振された弾性表面波の速度viと反射器に進行してき
た弾性表面波の速度vrとは、わずかではあるが異なる
(vi≠vr)。すなわち、くし形電極で励振された弾性表
面波の波長λiと反射器に進行してきた弾性表面波の波
長λrとは少し異なる。ここで一般にv=fλであって、v
i≠vrであるので、fが一定ならば、λi≠λrとなるから
である。したがって、この発明ではλr=2×prなの
で、材料が異なる場合等は、くし形電極で励振された弾
性表面波の波長λiに等しいくし形電極の周期piと、グ
レーティング電極の周期prの2倍とは同一ではなく、少
し異なる値となる(pi=λi≠λr=2×pr)。
に、周期pi=4.6μm,膜厚300nmのAl薄膜のくし形電極
を形成した場合、直列共振器の共振周波数fは819.5MHz
である。このときvi=f×Piより、くし形電極の電極指
で励振された弾性表面波の速度viは3769.7m/sである。
一方、反射器のグレーティング電極を、くし形電極と同
じ材料のAl薄膜、くし形電極とは異なる膜厚230nmで形
成した場合、反射器に進行してきた弾性表面波の反射器
内での速度vrは3808.8m/sとなる。よって、vi≠vrであ
る。
長λiとは等しい。すなわち、pi=λi=vr/f(=4.6)
である。一方、vr=f×λrより、反射器内での弾性表面
波の波長λrは、おおよそ4.6477μmであり、波長λiと
異なる(λr≠λi)。
グレーティング電極の周期prは、反射器を進行する弾性
表面波の波長λrの半分とすることを特徴とするが、周
期pr=λr/2より、周期pr=2.3239μm程度とすればよ
い。したがって、くし形電極と反射器の電極の膜厚が異
なる場合には、pi=2×prとはならない場合もある。
pi内に6本の電極指が存在する1端子対共振器の一実施
例の構成図を示す。くし形電極の周期piと反射器の周期
prは、くし形電極と反射器がAl薄膜などの同じ構造でで
きている場合、pi=2×prである。また、反射器3-2を
構成するグレーティング電極のくし形電極に最も近いも
の3-4の弾性表面波の伝搬方向の中心位置Aと、くし形
電極2を形成する電極指のうち、反射器3-2に近い電極
指(2-13,2-14,2-15)に関して、その電極指(2-13,
2-14,2-15)が、1つのシングル電極指と仮定した場合
の弾性表面波の伝搬方向の中心位置に相当する部分Bと
の距離Lが、伝搬する弾性表面波の波長λに対し、λ/2
(ここでλ=pi)である。
ィング電極3-4の幅はpi/4であり、くし形電極2の電極
指(2-13から2-20)の幅はpi/12である。反射器3-1,3-
2のグレーティング電極の間隔はpi/4であり、くし形電
極2の電極指の間隔はpi/12である。ここで電極指をシ
ングル電極と仮定した場合の中心位置Bは、隣接する3
つの電極指2-13,2-14,2-15の伝搬方向の中心位置と一
致し、結局電極指2-14の中心位置と一致する。
接する3つの電極指2-13,2-14,2-15を、その占有領域
の幅と同一の幅を持つ一つの電極指で置換した場合の、
この一つの電極指の弾性表面波の伝搬方向の幅の中心位
置と一致すると言うことができる。
に、5つの電極指2-15,2-16,2-17,2-18,2-19と、2
つの電極指2-14,2-20の半分が存在し、合計6本分の電
極指が存在する。なお、図3の下部に示したように、従
来例の電極指2-3の中心位置と、電極指2-14の中心位置
とが一致する。
弾性表面波共振器の3つの実施例の構成図を示したが、
このような構成をとることにより、弾性表面波共振器の
共振周波数と反共振周波数の間隔を接近させて従来のラ
ダータイプフィルタと同じ帯域幅を持ちながら、従来よ
りも角型比の高い特性を持つラダータイプフィルタを得
ることができる。
のような効果が生じることを、弾性表面波共振器のいく
つかの具体的な設計例と特性図によって説明する。な
お、この発明においては、くし形電極の周期piの中に3
本以上の電極指(n≧3)が存在すればよく、前記したよ
うに電極指の本数がn=3,4,6のみに限定されるもので
はない。
振器を直列接続(図20参照)した場合の帯域通過特性
図を示す。図4において、実線は周期piの中に電極指を
4本設けたこの発明の図2の場合の特性グラフであり、
破線は周期piの中に電極指を2本設けた図17の場合の
従来の特性グラフである。
のLiTaO3基板を用いた。くし形電極の電極膜はAl-Cu合
金、膜厚は340nm、くし形電極の周期piは、pi内の電極
指が2本の場合はpi=4.6μm、pi内の電極指が4本の場
合はpi=4.656μmである。グレーティング反射器の周期
prは、pi内の電極指が2本の場合pr=2.3μm、pi内の電
極指が4本の場合pr=2.328μmであり、くし形電極と同
じ膜厚のAl-Cu合金で作成した。
ちくし形電極に最も近いものの伝搬方向の中心位置A
と、くし形電極を形成する電極指のうち最も反射器に近
い電極指に関して、その電極指が、シングル電極指と仮
定した場合の伝搬方向の中心に相当する部分の位置Bと
の距離Lは、両方ともpi/2とした。この図4では、比較
がしやすいように、実線と破線の両特性グラフの反共振
周波数fasが一致するように、pi内の電極指が2本の場
合の特性グラフを高周波側に50.3MHzずらした。
振周波数frs(図のF2)は880.73MHzである。ま
た、破線で示した従来の共振周波数frs(図のF1)は8
19.43MHzであるが、図4のグラフでは、50.3
MHzずらしているので、869.73MHzである。この
図によれば、周期pi内の電極指の本数が4本の場合、く
し形電極の励振効率が落ち、共振周波数frsと反共振周
波数fasとが接近し、2本の場合に比べてグラフの挿入
損失の下がり方が急峻であること、すなわち角型化が大
きいことがわかる。しかし、この図4の特性を持つ共振
器をそのままラダータイプフィルタに用いた場合、帯域
となる部分にリップルが現れるので、帯域特性上好まし
いものではない。
との距離L(以下、くし形反射器距離、またはAB間距
離という)が、伝搬する弾性表面波の波長λに対して、
(n/2+3/8)λ、(nは、0または正の整数)とする
と、リップルがなくなる。これはくし形電極によるサイ
ドカーブと反射器による共振のサイドローブの極がほぼ
一致するという理由による。また、L=(n/2+5/16)
λ,(nは0または正の整数)としても同様に、リップ
ルがなくなる。
いて、n=1の場合のくし形電極と反射器との位置関係を
説明するための部分構成図を示す。ここで、AB間の距
離L=(7/8)piである。また、くし形電極の電極指幅
及びその間隔はpi/8であり、反射器の電極指幅及びその
間隔はpi/4(=pr/2)である。破線は、前記したように
従来のシングル電極の場合の電極指の位置である。
場合のくし形電極と反射器との位置関係を説明するため
の部分構成図を示す。ここで、AB間距離L=(3/8)p
iである。また、一般に、くし形電極の最外部の電極指2
-30は弾性表面波の励振に関係ないので、取り除いても
帯域特性に影響はない。図7は、電極指2-30を取り除
き、最外部の電極指を符号2-31としたものである。した
がって、図7のように、くし形電極の最外部の電極指2-
30を取り除いても、図5,図6と同様にリップルのない
急峻な帯域特性を得ることができる。この図6及び図7
の場合は、AB間距離Lが図5に比べて短いので、共振
器全体の幅を小さくすることができる。
列接続した弾性表面波共振器の帯域通過特性図を示す。
ここで、実線のグラフは、くし形電極の周期pi内の電極
指が4本の場合であって、AB間距離Lは、図5に示し
たようにL=(7/8)piとした。破線のグラフは、従来
と同様に、くし形電極の周期pi内の電極指が2本の場合
である。
LiTaO3基板を用いた。くし形電極の電極膜はAl-Cu合
金、膜厚は340nm、くし形電極の周期piは、pi内の電極
指が2本の場合はpi=4.6μm、pi内の電極指が4本の場
合はpi=4.656μmである。グレーティング反射器のグレ
ーティング電極の周期prは、pi内の電極指が2本の場合
はpr=2.3μm、pi内の電極指が4本の場合はpr=2.328
μmであり、くし形電極と同じ膜厚のAl-Cu合金で作成し
た。また、比較がしやすいように、両グラフの反共振周
波数fasが一致するように、pi内の電極指が2本の場合
の特性を高周波側に50.3MHzずらしている。この実線グ
ラフによれば、従来の破線のグラフよりも急峻な帯域通
過特性を示しており、図4と比較してもリップルがほと
んど現れていないことがわかる。
ときの直列接続した弾性表面波共振器の帯域通過特性図
を示す。図10に、AB間距離Lを(5/16)piとしたと
きの直列接続した弾性表面波共振器の帯域通過特性図を
示す。これによれば、両グラフとも、従来よりも急峻な
帯域通過特性が得られている。ただし、図9と図10と
を比べると、共振器を直接接続したときに、ラダータイ
プフィルタのパスバンドを規定する共振周波数frs付近
のリップルが小さくなるのは、図9のAB間距離Lが
(6/16)piの場合である。
piとしたときの並列接続した弾性表面波共振器の帯域通
過特性図,図12に、AB間距離Lを(5/16)piとした
ときの並列接続した弾性表面波共振器の帯域通過特性図
を示す。図11と図12とを比較すると、共振器を並列
接続したときに、ラダータイプフィルタのパスバンドを
規定する反共振周波数fas付近のリップルが小さくなる
のは、図12のAB間距離Lが(5/16)piの場合であ
る。
性表面波共振器を直列及び並列に組み合わせて構成した
ラダータイプフィルタの一実施例の構成図を示す。図1
3は、従来の図27の構成と対応するものであるが、す
べての共振器S1′,S2′,R1′及びR2′に、図1ないし
図3に示したこの発明の弾性表面波共振器を用いた点が
異なる。なお、直列共振器及び並列共振器のそれぞれの
数が2つのみの場合を図示しているが、これに限るもの
ではなく3以上であってもよい。また、直列共振器と並
列共振器の対数も2以上であればよい。
TaO3基板を使用し、すべての電極の電極膜は膜厚400nm
のAl-Cu合金を使用する。ただし、図13では、くし形
電極の周期piの中に4本の電極指を有する共振器を示し
ている。
ィルタの帯域通過特性図を示す。ここで、実線は、この
発明においてくし形電極の周期pi内の電極指が4本の場
合(図2参照)の帯域通過特性であり、破線は、従来の
周期pi内の電極指が2本の場合の帯域通過特性である。
に接続した共振器(直列共振器)と並列に接続した共振
器(並列共振器)のそれぞれの周期pisとpipをずらすこ
とで、並列共振器の反共振周波数fapと直列共振器の共
振周波数frsをほぼ一致させて、パスバンドを形成す
る。このときの並列共振器と直列共振器の周期差をΔpi
=pis−pipとする。
損失が3dBでの帯域幅を23〜25MHzになるように設計した
例である。pi内の電極指が2本の場合は、pip=4.8μ
m,pis=4.68μm,Δpi=0.12μm,グレーティング反射
器は、それぞれのくし形電極周期の1/2の周期で、pi内
の電極指が4本の場合は、pip=4.94μm,pis=4.82μ
m,Δpi=0.12μm,グレーティング反射器は、それぞれ
のくし形電極周期の1/2の周期、AB間の距離は直列共
振器が7pis/8、並列共振器が5pip/16である。
3dBでの帯域幅(3dB帯域幅)は25.25MHzであった。挿入
損失が20dBでの帯域幅(20dB帯域幅)は、37.75dBで、
このときの角型比は0.67であった。従来の破線のグラフ
では、3dB帯域幅が23.25MHz、20dB帯域幅が47.25MHz、
角型比は0.49であった。角型比によれば、従来の電極構
成の共振器よりも、図2のこの発明の共振器を用いた方
が、同様な帯域幅において急峻な特性が得られたことが
わかる。
れた直列共振器S1′及びS2′に、この発明の弾性表面波
共振器を用い、並列接続された並列共振器R1及びR2に
は、従来の構成の弾性表面波共振器を用いたラダータイ
プフィルタの一実施例の構成図を示す。図15におい
て、直列共振器S1′,S2′は、くし形電極の周期piの中
に電極指が4本あるものであり、並列共振器R1,R2は、
周期piの中に電極指が2本あるものである。なお、図1
3と同様に、直列共振器と並列共振器の数及び対数はこ
の図に示されたものに限るものではない。圧電基板,電
極膜の材料については、図13のものと同様とする。
ータイプフィルタの帯域通過特性図を示す。実線は図1
5に示したこの発明のラダータイプフィルタのグラフで
あり、破線は従来の周期pi内の電極指が2本の場合のグ
ラフである。
で、周期pip=4.8μm、そのグレーティング反射器は、
くし形電極周期の1/2の周期で、直列共振器S1′,S2′
はpi内の電極指が4本で、pis=4.75μm,Δpi=0.05μ
m,グレーティング反射器は、くし形電極周期の1/2の周
期、AB間の距離Lは直列共振器がpis×7/8、並列共振
器が従来と同じpip×1/2である。
が、38MHz、20dB帯域幅が50.50MHzで、角型比は0.75で
あった。一方、従来の電極構成による破線のグラフで
は、38.75MHz、20dB帯域幅が56.25MHzで、角型比は0.69
である。この場合においても従来の電極構成と比べて、
角型比が大きくなり、急峻な帯域通過特性が得られる。
くし形電極を構成する電極指を、くし形電極の1周期の
中に3本以上設けているので、その共振周波数と反共振
周波数とが接近した帯域通過特性を得ることができる。
また、共振周波数と反共振周波数とを接近させることが
できるので、この発明の弾性表面波共振器を用いて構成
したラダータイプの弾性表面波フィルタにおいて、従来
よりも高角型比を持つバンドパスフィルタを実現するこ
とができる。
施例の構成図である。
施例の構成図である。
施例の構成図である。
の比較図である。
の部分構成図である。
の部分構成図である。
の部分構成図である。
域通過特性図である。
域通過特性図である。
帯域通過特性図である。
帯域通過特性図である。
帯域通過特性図である。
イプフィルタの一実施例の構成図である。
イプフィルタの一実施例の通過帯域特性図である。
使用したラダータイプフィルタの一実施例の構成図であ
る。
使用したラダータイプフィルタの一実施例の通過帯域特
性図である。
である。
である。
路である。
共振器である。
共振器である。
したときの通過帯域特性図である。
したときのインピーダンス特性図である。
圧域を示したグラフである。
したときの通過帯域特性図である。
したときのインピーダンス特性図である。
続の構成図である。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 圧電基板と、圧電基板上に形成され、か
つ励振すべき弾性表面波の波長にほぼ等しい周期piを持
つ複数の電極指からなるくし形電極部と、くし形電極部
に近接配置され、かつくし形電極部で励振された弾性表
面波の進行方向と平行な方向に前記弾性表面波を反射す
るように配置された少なくとも1つ以上の反射器とから
なり、前記くし形電極部が、周期piの中に3本以上の電
極指を備え、前記反射器が、反射器を進行する弾性表面
波の波長の半分に等しい周期prを持つ複数のグレーティ
ングからなることを特徴とする弾性表面波共振器。 - 【請求項2】 前記くし形電極部の電極指及び反射器の
グレーティングとが、同じ材料及び同じ膜厚の電極から
なることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波共振
器。 - 【請求項3】 前記周期prが、周期piの半分であること
を特徴とする請求項2記載の弾性表面波共振器。 - 【請求項4】 前記くし形電極部の電極指及び反射器の
グレーティングの材料が、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金のうちいずれかであることを特徴とする請求項
2記載の弾性表面波共振器。 - 【請求項5】 前記反射器のグレーティングのうち前記
くし形電極部に最も近いグレーティングの弾性表面波の
伝搬方向の幅の中心位置と、くし形電極の電極指のうち
前記反射器の最も近くに存在する電極指がシングル電極
指と仮定した場合に、そのシングル電極指の弾性表面波
の伝搬方向の幅の中心位置との距離Lが、くし形電極部
で励振される弾性表面波の波長λの(n/2+5/16)倍か
ら(n/2+6/16)倍、(nは、0または正の整数)である
ことを特徴とする前記請求項1記載の弾性表面波共振
器。 - 【請求項6】 弾性表面波共振器を直列接続および/ま
たは並列接続して構成されたラダータイプの弾性表面波
フィルタであって、少なくとも1つ以上の前記弾性表面
波共振器が、前記請求項1ないし5に記載された弾性表
面波共振器からなることを特徴とするラダータイプの弾
性表面波フィルタ。 - 【請求項7】 前記弾性表面波共振器のうち、直列接続
された弾性表面波共振器のみが、前記請求項1ないし5
に記載された弾性表面波共振器からなることを特長とす
るラダータイプの弾性表面波フィルタ。
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