JP3825999B2 - 双眼鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、双眼鏡に関し、さらに詳しくは左右の光軸調整を可能とした双眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
双眼鏡には、左右一対の対物光学系と、正立プリズムやミラーからなる正立光学系および接眼光学系を一体的に保持した左右一対の接眼ユニットとが備えられている。そして、左右一対の対物光学系の全群同士或いは一部の群同士が一体的に保持されていたり、双眼鏡使用時に対物光学系の全群同士或いは一部の群同士が間隔を変えずに連動するように保持されていたりする双眼鏡などにおける左右の光軸調整方法としては、
▲1▼ 特開平8−211303号公報にて提案されているように、左右の対物レンズの全群が固定部に一体的に保持され、正立光学系と接眼光学系とが合せて接眼ユニットとして構成されている双眼鏡において、対物光学系を光軸直交方向に移動調整して固定する方法。
【0003】
▲2▼ 特開平10−319325号公報や特開2000−56351号公報にて提案されているように、左右の対物光学系の全群が可動部に一体的に保持されており、正立光学系と接眼光学系とが合せて接眼ユニットとして構成されている双眼鏡において、対物光学系の一方を固定し、他方を光軸直交方向に移動調整して固定する方法。
【0004】
▲3▼ 特開平10−213733号公報にて提案されているように、左右の対物レンズが、目幅調整で間隔が変わらないように保持されているものの、互いに回転するように構成されており、左右それぞれが望遠鏡として構成されている双眼鏡において、目幅調整のために対物光学系の光軸を中心に各望遠鏡部全体を回転させ、このための回転軸の方向を調整移動して望遠鏡部全体を傾ける方法。
【0005】
▲4▼ 特開平9−281411号公報にて提案されているように、目幅調整時(双眼鏡使用時)に対物光学系の光軸間隔が変わる、いわゆる「薄型の双眼鏡」であって、正立光学系と接眼光学系とが一体化されている双眼鏡において、対物光学系と接眼光学系のうち一方を上下に、他方を左右に独立に移動させて調整する方法。
【0006】
▲5▼ 特開平9−304704号公報にて提案されているように、「薄型の双眼鏡」において、左右の正立光学系ユニットのうち一方を上下に、他方を左右に独立に移動させて調整する方法。
【0007】
▲6▼ 「中折れ式双眼鏡」などで古くから実施されている光軸調整方法として、対物レンズの鏡枠の外形をレンズの光軸に対し偏芯させ、この外側に鏡枠とほぼ等しい偏芯量を有するスペーサを嵌合配置し、上記鏡枠をスペーサに対する回転位相で光軸の偏芯量を、またスペーサを固定部(受け部)に対する回転位相で偏芯方向の光軸を調整設定する方法。
等が知られている。
【0008】
なお、これら従来の光軸調整方法では、対物光学系の光軸と接眼光学系の光軸の平行度における関係が、調整作業後にも調整前と同じ状態を維持できるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の光軸調整方法のうち、▲1▼,▲2▼においては、対物光学系を、調整時や調整後に固定するためには光軸の付近で作業をする必要があり、作業時や調整の確認の際に光路を横切らないように注意する必要があり、作業を行いにくいという問題ある。
【0010】
また、▲2▼においては、調整する対物光学系自体が焦点調整で移動する対物台に固定されていたり、像振れ補正機構の一部である対物レンズホルダに固定されていたりするために、調整作業や調整後の固定作業のためには工具などを用いて対物レンズ固定部をしっかりと保持しないと、調整作業や固定作業ができず、手間がかかるという問題がある。
【0011】
また、▲3▼においては、使用時(目幅調整時)に、対物光学系付近の第1鏡筒が回転するために、双眼鏡の前半部分に像振れ補正や自動焦点調整等の付加機能を持たせるための機構を配置することが難しくなるという問題がある。
【0012】
さらに、▲4▼,▲5▼のいわゆる「薄型の双眼鏡」や▲6▼のいわゆる「中折れ式双眼鏡」では、ともに対物光学系が左右一体化されておらず、目幅調整時に対物光学系が左右に移動してしまうために、従来の双眼鏡の機能としては問題ないが、特に付加機能のための機構を追加しようとすると、スペース上或いは機能上でそれぞれ大きな制約があるという問題がある。
【0013】
そこで、本発明では、従来の双眼鏡としての主たる機能に加えて、双眼鏡の観察性能や利用範囲を拡大するための付加機能を追加するために障害とならずに、左右の光軸調整を容易に行えるようにした双眼鏡を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、第1および第2の対物光学系と、正立光学系および接眼光学系をそれぞれ一体的に保持した第1および第2の接眼ユニットとを有する双眼鏡において、前記第1の接眼ユニットを保持する第1保持部分と前記第2の接眼ユニットを保持する第2保持部分とを有し、前記第1および第2の対物光学系の光軸を含む平面に直交する方向を上下方向とするときに該第1および第2保持部分が上下方向の一部で連結された保持部材と、前記第1保持部分が前記第2保持部分に対して光軸方向に変位するように前記保持部材を変形させ、前記第1の接眼ユニットの光軸を前記第2の接眼ユニットの光軸に対して傾き移動させる調整機構とを有している。
【0016】
このように、一方の接眼ユニットの他方の接眼ユニットに対する光軸調節のための傾き移動を可能とすることにより、対物光学系側に付加機能追加のための機構の配置に支障が生じたり、目幅調整機構を損なったりすることなく、左右の光軸調整を容易に行うことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。第1実施形態は、像振れ補正のためのいわゆるバリアングルプリズム機構を搭載した防振双眼鏡の実施形態であり、左右の対物光学系が一体的に保持されているものである。
【0018】
また、第2実施形態は、像振れ補正のための回動レンズ機構を搭載した防振双眼鏡の実施形態であり、対物光学系の一部のレンズが連動機構によって左右同時に同量だけ回動駆動されるようになっている。さらに、第3実施形態では、第1および第2実施形態の双眼鏡とは異なる光軸調整機構を備えた双眼鏡について説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態である双眼鏡を上方から見た断面図、図2は双眼鏡を側方から見た縦断面図、図3は図2のA−A断面図および調整機構を下方から見た図、図4は上記A−A断面の要部を拡大した図である。
【0020】
双眼鏡の光学系は、左右一対の対物レンズ1L,1R、左右一対のポロII型正立プリズム2L,2R、左右一対の接眼レンズ3L,3Rおよび液体を封入したバリアングルプリズム4L,4Rにより構成されている。
【0021】
対物レンズ1L,1Rは、それぞれ左右に一対の平行な光軸01L,01Rを有し、光軸01L,01Rはそれぞれバリアングルプリズム4L,4Rの中心を通過し、それぞれ左右一対の正立プリズム2L,2Rの入射面に至る。
【0022】
この左右一対の正立プリズム2L,2Rの各射出面には、対物レンズの光軸01L,01Rに平行でかつ同軸でない左右一対の接眼レンズ3L,3Rの光軸02L,02Rが連なる。
【0023】
双眼鏡の基体(保持部材)10は丈夫な金属板で作られており、左右の光軸01L,01Rを含む平面に平行な水平部11と、この水平部11の後端から下方に向かって直角に屈曲し、接眼ユニット12L,12Rを保持するための保持部13とから構成されている。また、水平部11には、摺動を目的とした4個所のエンボス14が突出形成され、保持部13にはそれぞれ光軸01L,01Rを中心とした摺動孔部15L,15Rが形成されている。
【0024】
なお、基体10の後端における左右方向中央には、上方に延びる突出部16が設けられており、この突出部16にはフォーカスネジ17を定位置で回転自在に保持する回転保持穴部18が形成されている。
【0025】
また、対物台19も丈夫な金属板で作られ、基体10の4個所のエンボス14に対応して摺動する4個所の摺動部20を含む水平部21と、この水平部21の前端から直角に下方に屈曲し、かつ光軸01L,01Rを中心とする孔部22L,22Rを有する保持部23L,23Rとから構成されている。
【0026】
水平部21の後端における左右方向中央部には、上方に延びる突出部24が設けられており、この突出部24には、基体10の突出部16に形成された回転保持孔部18に対応して、フォーカスネジ17と螺合する雌ねじ25が形成されている。
【0027】
対物台19の水平部21には、光軸01L,01Rの方向にガイド孔部26,27と、これより幅のやや大きいガイド逃げ孔部28,29とが形成されている。そして、ガイド孔部26,27に対しては嵌合し、ガイド逃げ孔部28,29に対してはやや逃げるように寸法設定された4個の同形状のガイド部材30と、対物台19の水平部21を基体10の水平部11に圧接するためにガイド孔部26,27およびガイド逃げ孔部28,29の周囲に作用する4個のガイドばね31とが、基体10の水平部11にビスにより共締されている。
【0028】
対物台19は、ガイド孔部26,27に嵌合する2個のガイド部材30により、基体10を基準として光軸方向に移動可能にガイドされ、摺動部20同士は4個のガイドばね31の付勢力によって密着状態で保持される。
【0029】
また、フォーカスネジ17は基体10の突出部16に形成された回転保持孔部18に回転自在に保持され、その後端部にはフォーカス摘み32がビス止めされて光軸方向の抜け止めとされている。このフォーカスネジ17は、基体10に対して定位置で回転し、かつフォーカスネジ17のネジ部は対物台19の突出部24の雌ねじ25と螺合しているので、フォーカス摘み32を回転させることによって、対物台19全体を基体10に対して圧接した状態で光軸方向に移動させることができる。
【0030】
左右一対の接眼ユニット12L,12Rは互いに対称形状となるよう構成されており、その内部には、接眼レンズ3L,3Rと、光軸01L,01Rに対応する入射面および接眼レンズ3L,3Rの光軸02L,02Rに対応する射出面を有するポロII型の正立プリズム2L,2Rとが保持されている。また、接眼ユニット12L,12Rの後端部には一対の眼当接眼ゴム33L,33Rが取り付けられている。
【0031】
接眼ユニット12L,12Rの前端面には、基体10の水平部11に対して直角に屈曲した保持面13から若干突き出るように、フランジ部34L,34Rが設けられている。これらフランジ部34L,34Rは、光軸01L,01Rのそれぞれを中心とする摺動孔部15L,15Rに係合している。
【0032】
また、接眼ユニット12L,12Rには、図3(A)に示すように略対称な形状の左右一対の連動板35L,35Rが取り付けられており、連動板35L,35Rは内側のギア部36L,36Rで互いに噛み合っている。
【0033】
そして、連動板35L,35Rはそれぞれ、4本のビス37L,37Rにより、左右一対の接眼ユニット12L、12Rの前端面のフランジ部34L,34Rにビス止めされており、このビス止め部分の外周部38L,38Rは円周方向に延出し、連動板35L,35Rがビス止されたときに基体10の保持部13にチャージする状態となるように適度に光軸01L,01Rの方向に屈曲している。
【0034】
さて、左右一対の対物鏡筒40L,40Rは、左右一対の対物レンズ1L,1Rをそれぞれ後端部付近で保持し、フランジ部41L,41Rにおいて対物台19の光軸01Lに対して直角に屈曲し、光軸01Lを中心とする孔部22Lを有する保持部23L,23Rにそれぞれビス止めされている。
【0035】
ここまでは、双眼鏡の基本部分である、左右一対の対物レンズと、正立プリズムおよび接眼レンズとを一体的に保持した左右一対の接眼ユニットと、これらの位置関係を説明したが、次に、左右一対の接眼ユニットの12L,12Rの一方の接眼ユニットを他方の接眼ユニットに対して傾き移動させて光軸調整を行う部分の構成について説明する。
【0036】
なお、本実施形態では、正立光学系としてプリズムを用いた場合について説明しているが、これに代えてミラーを用いてもよい。
【0037】
前述したように丈夫な金属板で作られた基体10における光軸に垂直な保持部13には、図3(A)に示すように、左右方向中央部の下端から上方に延びる切り込み42が形成されており、保持部13における切り込み42の右側の部分(第1保持部分)には右側の接眼ユニット12Rが、切り込み42の左側の部分(第2保持部分)には左側の接眼ユニット12Lが保持されている。なお、図3(A)の右側が双眼鏡の左側Lに、図3(A)の左側が双眼鏡の右側Rを示す。
【0038】
さらに、保持部13における切り込み42の右側の部分と左側の部分のそれぞれの下端には前方に屈曲する曲げ部43L,43Rが形成されている。
【0039】
調整板44は、上記曲げ部43L,43Rの双方に接しており、曲げ部43L,43Rを合わせた大きさと略同等の大きさを有する。調整板44の左側部分における曲げ部43Lに形成されたビス穴部に対応する位置には、固定用のビス45C、45Dと係合する穴部46C,46Dが形成されている。
【0040】
また、調整板44の右側部分における曲げ部43Rに形成されたビス穴部に対応する位置には、光軸調整用の偏芯コロ47A,47Bの偏芯コロ部に係合するする、左右方向にやや伸びた同形状の長円穴部46A,46Bが形成されている。
【0041】
図4に示すように、光軸調整用の偏芯コロ47A,47Bは偏芯コロ部の長さが調整板44の板厚より若干短く設定されていると共に、外径部48A,48Bがやや大きく設定されている。このため、ビス45A,45Bを締めこむことでそのあご部が調整板44に引っかかり、これを曲げ部43Rに対して固定することが可能となる。
【0042】
また、偏芯コロ47A,47Bは外径部にスリ割部49A,49Bが設けられており、ビス45A,45Bを若干緩めつつマイナスドライバーなどによって容易に回転調整可能となっている。
【0043】
このように構成された調整機構において、まず、固定用のビス45C,45Dを締めこんで調整板44の左側部分を、曲げ部43Lに対して固定(一体化)する。偏芯コロ47A,47Bは、回転させることにより、この付近において調整板44に対して(或いは一体化されている左側部分の曲げ部43Lの延長部としての調整板44に対して)曲げ部43Rを光軸方向に微小に前後させることが出来る。これは、基体10および保持部13は丈夫な金属板で作られているが、上記記載の構成により微小に撓ませることが可能だからである。
【0044】
保持部13の下端部から中央部の切り込み42の効果で、例えば、偏芯コロ47A,47Bを同方向に回転させて曲げ部43Rを調整板44に対し相対的に前方に微小移動させたときは、保持部13の右側部分が前方に撓むと同時に若干下に傾く。このため、保持部13の右側部分に保持されている接眼ユニット12Rは対物レンズ1Rの光軸に対してアイカップ33Rが下がる方向に傾く。
【0045】
一方、調整板44が曲げ部43Rに対して後方に力を受けるということは、自然状態に対して後方に力を受けることに概ね等しく、調整板44を固定保持している左側の曲げ部43Lも同方向に、また保持部13の左側部分も後方に撓むことなり、結局、ここに保持されている接眼ユニット12Lはアイカップ33Lが上がる方向に傾くこととなる。
【0046】
つまり、偏芯コロ47A、47Bを同方向に回転させて、曲げ部43Rを調整板44に対して相対的に前方に微小移動させたときは、接眼ユニット12Lに対して接眼ユニット12Rは相対的にアイカップ33Lが上がる方向に傾くこととなる。
【0047】
一方、今度は、調整板44から見て偏芯コロ47A,47Bが互いに反対方向に動いた場合の動きもこの延長として説明することができる。接眼ユニット12Rは、概ね水平面に対して首を振るような振る舞いをし、接眼ユニット12Lに対して概ね左右方向の動きをする。
【0048】
結局、偏芯コロと双眼鏡における左右の光軸合わせの関係は、▲1▼偏芯コロ47A,47Bを互いに同方向に移動するように回転させることで上下方向の光軸合せを、▲2▼偏芯コロ47A,47Bを互いに異なる方向に移動するように回転させることで、左右方向の光軸合せを実現することが可能となる。
【0049】
図2に示す上カバー50と下カバー51は、光軸01L,01Rを含む平面でほぼ全体が上下にかみ合わさるように構成されている。上カバー50は基体10、フォーカスネジ17、対物台19、左右の対物鏡筒40、42などを覆い、内面の天井から図示しない3個所の位置決め部に対して、取付孔部52,53,54を介して基体10をビス止めしている。
【0050】
また、下カバー51は対物鏡筒40L,40R回り、接眼ユニット12L,12R回り、フォーカスネジ17回り以外で、上カバー50と全周に渡って係合し、取付孔55L,55Rの2個所で上カバー50にビス止めされている。
【0051】
また、下カバー51の筒状に伸びた先端部56L,56Rと上カバー50の筒状に伸びた先端部57L,57Rは、互いに係合して円筒部を形成し、この円筒部は断面形状が横U字型のリング状の対物カバー58L,58Rに嵌め込まれて、接着などによって固定されている。
【0052】
さらに、対物鏡筒40L,40Rの先端外周部の外周溝に係合するように、防塵シート59L,59Rが嵌め込まれ、防塵シート59L,59Rの外径と対物カバー58L,58Rの内径とが嵌合している。また、対物カバー58L,58Rを覆うように、対物カバー58L,58Rの先端部に対物ゴム60L,60Rが取り付けられている。
【0053】
また、対物レンズ1L,1Rの奥側には、バリアングルプリズム4L,4Rを内蔵する防振ユニット61が配置されている。防振ユニット61には付属する電気回路基板62が取り付けられている。さらに、対物鏡筒40L,40Rの間には2個のバッテリ63が配置され、上カバー50の内面にはこれらのバッテリ63に対応してばね性を備えた2個の電極64が配置されており、電極64は図示しないリード線によって電気回路基板62に接続されている。
【0054】
そして、バッテリ63は収納状態で作動するように、2個の電極64と、下カバー51に取り付けた蓋65に固定されている共通電極66とによって挟持されつつ、双眼鏡内に保持されている。
【0055】
以上のような構成により、左右一対の接眼ユニット12L,12Rは、それぞれ基体10の水平部11に対して直角に屈曲した保持部13に密着した状態で、互いに反対回りに回転運動して、接眼レンズ3L,3Rの光軸02L,02Rの間隔を変更することが可能である。
【0056】
左右の光軸調整に関しては、前述したように上下と左右(内目外目)方向の調整が、偏芯コロ47A,47Bの2つのコロの回転で実現でき、しかも調整は図から明らかなように何ら光軸を横切ることなく下面方向から作業が可能である。また、必要であれば、下カバー51を取りつけたまま、下カバー51の所定の位置に設けた工具穴からの調整作業も可能となる。
【0057】
なお、防振ユニット61については、例えば特開平6−43365号公報にて提案されているような、光学機器の振れ量を検出する振れセンサと、この振れセンサからの出力信号に基づいて、対物レンズ1L、1Rによって形成される物体像の振れを抑制するように内部に液体を封入した可変頂角プリズムを駆動する駆動制御回路とを内蔵するユニットを用いることができる。
【0058】
また、特開平6−250099号公報にて提案されているような、対物レンズの光束を透過して偏向する2つの偏角プリズムを厚み方向に配列した補正光学系と、2つの偏角プリズムをこれらの共通軸を中心として互いに反対方向に等角度だけ回転する偏角プリズム回転駆動回路と、振れセンサや駆動制御回路等を内蔵するユニットを用いることも可能である。
【0059】
(第2実施形態)
図5および図6には、本発明の第2実施形態である双眼振の構成を示している。この双眼鏡では、左右一対の対物レンズがそれぞれ2つの群で構成され、それぞれの後群をそれぞれの回転軸を持ちながら手ぶれ補正のために連動させて光軸直交方向にシフト駆動させる方式の防振ユニットを搭載している。また、本実施形態の双眼鏡は、対物レンズの前群は左右が一体的に保持されている。
【0060】
なお、本実施形態において基体110に保持される接眼ユニット、接眼ユニットの保持と目幅関係、調整機構部の構成と機能、焦点調節機構部などは、第1実施形態と同様であるため、これらについての詳細説明は省略する。
【0061】
図5は、本実施形態の双眼鏡を左右の光軸を含む平面で切断した場合の断面を、図6は上記双眼鏡を中央の平面で切断した場合の垂直断面をそれぞれ示している。なお、本実施形態では、双眼鏡本体を覆う外装部材については図示していない。
【0062】
上記双眼鏡の光学系の概略構成について説明する。双眼鏡の光学系は、左右一対の対物レンズ101L,101Rと、左右一対のポロII型正立プリズム102L,102Rと、左右一対の接眼レンズ103L,103Rとから構成されている。対物レンズ101Lおよび正立プリズム102Lと接眼レンズ103Lにより左側の望遠光学系が構成され、対物レンズ101Rおよび正立プリズム102Lと接眼レンズ103Rにより右側の望遠光学系が構成されている。
【0063】
また、接眼ユニット112R,112Lは、正立プリズム102L、102Rと接眼レンズ103L、103Rのそれぞれの光学系が一体的に保持されて構成されているとともに、それぞれに眼当接眼ゴムおよび連動板135L,135Rなどが一体的に取り付けられている。さらに、接眼ユニット112R,112Lは、基体110の保持部113により、第1実施形態と同様に目幅調整のために連動回転可能に保持されている。
【0064】
対物レンズ101L,101Rは互いに平行な光軸03L,03Rを有する。対物レンズ101L,101Rに入射した光束はそれぞれ、接眼ユニット112R、112Lに入射して拡大像を両眼視可能となる。
【0065】
対物レンズ101L,101Rは、それぞれ前群101LA,101RAと後群101LB,101RBとからなり、観察時の像振れ補正は、後群(振れ補正レンズ)101LB,101RBを双眼鏡の観察時のヨー方向およびピッチ方向に回動させることで行う。
【0066】
次に、対物レンズ部の構成についてさらに詳しく説明する。まず、104は光軸03L,03Rと直交してヨー方向に延びるピッチ回動支軸であり、光軸03L,03Rに直交する第1の平面(図5のH1)内にある。
【0067】
105L,105Rは、光軸1L,1Rと直交してピッチ方向に延びる左右のヨー回動支軸であり、前述した第1の平面H1内にある。すなわち、ピッチ回動支軸104とヨー回動支軸105L,105Rはいずれも上記第1の平面H1内にある。
【0068】
106L,106Rは、ヨー回動支軸105L,105Rと平行に延びる左右の連結回動支軸であり、上記第1の平面H1と平行な、すなわち光軸03L,03Rと直交し第1の平面H1から光軸03L,03R方向前方に離れた第2の平面H2内にある。
【0069】
107L,107Rは、対物レンズ101L,101Rの前群101LA,101RAをそれぞれ保持する左右一対の対物固定筒である。これら対物固定筒107L,107Rは、光軸03L,03Rが平行で、かつ所定の間隔になるように、後述するIS本体109にビス等を用いて固定されている。
【0070】
108L,108Rは、対物レンズ101L,101Rの後群101LB、101RBをそれぞれ保持する左右一対のヨー保持枠である(本実施形態では、対物レンズ後群101LB、101RBをそれぞれかしめ保持する)。これらヨー保持枠108L,108Rにはヨー回動支軸105L,105Rが一体的に取り付けられている。
【0071】
また、ヨー保持枠108Lの上部であってヨー回動支軸105Lの後側には、後述する不図示のヨー方向検出器126を構成する不図示の永久磁石126aが接着剤等で固定されている。
【0072】
また、ヨー保持枠108L,108Rの前側上下には、連結支軸106L,106Rがそれぞれ一体的に取り付けられている。
【0073】
109はピッチ回動支軸104が回動可能に嵌合保持される嵌合穴部が形成されたIS本体である。このIS本体109は、対物レンズ101L,101R側に大きく開口するように形成され、また接眼ユニット112L,112R側にはヨー保持枠108L,108Rの後部が通る孔部が形成されている。さらに、後側端面には、後述する駆動制御基板129を取り付けるための取り付け座109aが4ヶ所設けられている。
【0074】
このIS本体109の中央部には、後述するピッチ方向駆動機構125を構成する永久磁石125aとヨーク125bとを支持するための支持部109eが設けられている。また、IS本体109の中央部の右側には、後述するピッチ方向検出器124を構成するホール素子124bが接着剤等で固定されている。
【0075】
IS本体109の上部中央には、後述するフォーカス連動板138に対して位置決めを行うための不図示の位置決めピン2本と、フォーカス連動板138を取り付けるための4箇所不図示の取り付け座とが設けられている。また、IS本体109の上部前側には、後述するISロック部材128を支持するための支持部109lが設けられている。
【0076】
120はピッチ保持枠であり、ピッチ回動支軸104が一体的に取り付けられている。前述したように、ピッチ回動支軸104はIS本体109によりピッチ方向に所定角度回転可能に保持されている。これにより、ピッチ保持枠120はIS本体109に対してピッチ方向に所定角度回転可能となっている。
【0077】
また、ピッチ保持枠120には、IS本体109と同様にヨー保持枠108L,108Rの略中央部までが通る様に孔部が左右に形成されている。そして、ピッチ保持枠120は、ヨー回動支軸105L,105Rを所定角度ヨー方向に回動可能に保持している。これにより、後群101LB,101RBを保持するヨー保持枠108L,108Rは、ピッチ保持枠120およびIS本体109に対して所定角度ヨー方向に回動可能となっている。
【0078】
また、ピッチ保持枠120の中央部には、ピッチ方向検出器124を構成する永久磁石124aが接着剤等により固定されている。
【0079】
さらに、ピッチ保持枠120には、コイル支持部材121が取り付けられており、このコイル支持部材121には、後述するピッチ方向駆動機構125を構成するコイル125cが固着されている。
【0080】
122は連結支軸106L,106Rに回動可能に取り付けられ、ヨー保持枠108L,108Rに保持された後群101LB,101RBの光軸が前群101LA,111RAの光軸と一致するようにヨー保持枠108L、108Rを保持するヨーブリッジである。
【0081】
このヨーブリッジ122には、IS本体109およびピッチ保持枠120と同様にヨー保持枠108L,108Rが通る孔部が左右に形成されている。
【0082】
また、ヨーブリッジ122は、ヨー保持枠108L,108Rがヨー回動支軸105L,105R回りで回動したときに、後群101LB,101RBの光軸と略直交する方向にのみ移動可能であり、ヨー保持枠108L,108Rとピッチ保持枠120とでいわゆる平行リンク機構を形成している。このため、後群101LB,101RBの光軸は常に平行関係に維持される。
【0083】
さらに、ヨーブリッジ122の略中央部には、後述するヨー方向駆動機構127を構成する駆動コイル127cが固着されている。
【0084】
128はヨーブリッジ122を一時的に所定の位置に固定するISロック部材である。このISロック部材128によってヨーブリッジ122を所定の位置に固定することにより、後群101LB,101RBの光軸を前群101LA,101RAの光軸と一致させることができる。
【0085】
130はISロックスイッチであり、観察者が本双眼鏡を使用する時に、このISロックスイッチ130が操作されて、ISロック部材128に設けられた突起部128aが押し下げられ、ヨーブリッジ122の固定が解除される。すなわち、ヨー保持枠108L,108Rに保持された後群101LB,101RBはヨー方向およびピッチ方向に回動することができるようになる。
【0086】
123は後述するヨー方向駆動機構127を構成する永久磁石127aとヨーク127bを支持するヨーク支持部材であり、IS本体109にビス等を用いて固定されている。
【0087】
124はピッチ保持枠120の回動位置(角度)を検出するピッチ方向検出器であり、永久磁石124aとホール素子124bとから構成されている。
【0088】
125はピッチ保持枠120をピッチ回動支軸104回りに回転駆動するピッチ方向駆動機構であり、永久磁石125a、ヨーク125bおよびコイル125cから構成されている。また、本実施形態では、コイル125cおよびコイル支持部材121をピッチ回動支軸104に対して後群101LB,101RBの反対側に設け、後群101LB,101RBとの重量バランスをとるようにしている。
【0089】
126はヨー保持枠108Lの回転位置(角度)を検出する不図示のヨー方向検出器であり、不図示の永久磁石126aと不図示のホール素子126bとから構成されている。
【0090】
127はヨーブリッジ122を駆動するヨー方向駆動機構であり、永久磁石127a、ヨーク127bおよびコイル127cから構成されている。
【0091】
次に、上記振れ補正装置の制御を行う電気的構成について説明する。この振れ補正装置は、観察時における双眼鏡の振れ量を検出する振れ検出器と、この振れ検出器からの出力信号に基づいて、対物レンズによって形成される焦点像の移動を抑制して観察像の振れを少なくするように、振れ補正光学系としての後群101LB,101RBを駆動制御する駆動制御回路とを有している。なお、振れ検出器は、ピッチ方向の振れを検出するピッチ方向振れセンサとヨー方向の振れを検出するヨー方向振れセンサとから構成される。
【0092】
129は上記振れ検出器やその他の制御回路、駆動回路を有する駆動制御基板である。この駆動制御基板129に実装されている制御回路は、振れ検出器の検出信号にもとづいて双眼鏡の振れによる像振れを打ち消す方向にピッチ方向駆動機構125とヨー方向駆動機構127とを駆動制御する。
【0093】
双眼鏡の使用者が、振れ補正機能を使用する際には、ISロックスイッチ130を押し下げる。これにより、ISロック部材128に設けられた突起部128aが押し下がるとともに、不図示の電気的なON、OFF信号を出力するスイッチが作動する。さらに観察者がISロックスイッチ130を押し下げると、ISロック部材128は、ヨーブリッジ122の固定を解除する。すなわち、ヨー保持枠108L,108Rはピッチ方向およびヨー方向に回動可能となり、後群101LB,101RBがピッチ方向およびヨー方向に回動可能となる。
【0094】
このとき、観察者の手振れにより双眼鏡に振れが生じたときは、振れ検出器の検出信号に基づいてピッチ方向駆動機構125又はヨー方向駆動機構127を構成するコイル125c,127cに駆動制御基板129から制御電圧が印加される。ここで、コイル125c,127cに印加される制御電圧は、後群101LB,101RBを双眼鏡の振れによる像振れを打ち消すことができる方向に打ち消すことができる角度分回動させるために必要な電圧として決定されたものである。
【0095】
そしてこれにより、コイル125c又はコイル127cにフレミングの法則に基づく駆動力(励磁力)が発生し、コイル125c又はコイル127cを保持するピッチ保持枠120又はヨーブリッジ122がヨー方向又はピッチ方向に移動することになる。こうしてヨー保持枠108L,108Rに保持された後群101LB,101RBがヨー方向およびピッチ方向に回動し、観察者は振れのない左右像を観察することができる。
【0096】
なお、図6に示すように、ヨーブリッジ122の中央右にはISロック部材128を係止する係止部が設けられており、この係止部にISロック部材128を係止させることでヨーブリッジ122の移動を阻止することができる。つまり、観察者が像振れ補正を必要としないときには、ISロックスイッチ130を押し下げないことにより、像振れ補正動作を行わないようにすることができる。
【0097】
このように、本実施形態の双眼鏡では、観察者の手ぶれにかかわらず観察像のぶれを補正する機構と光学系が搭載されているが、本実施形態の双眼鏡においては上述した防振機構を搭載しているため、対物レンズ101L,101Rの一対の光軸03L,03Rを希望の位置に微小変更調整することが容易でない。すなわち、双眼鏡の左右の観察像を一致させるための光軸合わせをするためには、前述した対物レンズ101L,101Rを前群と後群のペアで微小移動させる必要があるからである。
【0098】
ところが、対物レンズ101L,101Rは、それぞれ前群101LA,101RAと後群101LB,101RBとからなり、それぞれのレンズ群は別の機構に保持されており同時に同方向へ同量微小移動させることが極めて困難である。
【0099】
この対処法として簡易的には、例えば、前記対物レンズ101L,101Rの前群101LA,101RAはこれを保持する左右一対の対物固定筒107L,107RがIS本体109にビス等を用いて固定されているため、比較的容易に光軸調整移動が可能であるが、対物レンズを構成する前群と後群の関係が調整移動することによって崩れてしまうために対物レンズ自体の光学性能が低下してしまう、という問題が発生する。或いは、前記対物レンズ101L,101Rの後群101LB,101RBを調整移動する場合には、光学性能が低下してしまう前記前群と同様の問題に加え、今度は調整機構の複雑化を発生させてしまう、という問題が発生してしまう。
【0100】
そこで、本実施形態では、観察像の左右の光軸合わせは対物レンズ部で行うのではなく、第1実施形態で示したように、接眼ユニット112L,112Rの一方を他方に対して微小に傾ける光軸調整機構を採用し、対物レンズの光学性能の低下を発生させることなく、左右の光軸調整を容易に行えるようにしている。
【0101】
(第3実施形態)
図7および図8には、本発明の第3実施形態である双眼鏡の構成を示している。
【0102】
本実施形態では、第1および第2実施形態の双眼鏡に採用した光軸調整機構に代えて、丈夫な金属板で作られた基体10の光軸に垂直な保持部13の下端部に曲げ部を形成しないものを用いている。なお、本実施形態では、第1および第2実施形態と異なる光軸調整機構のみを説明する。
【0103】
図7は、第1実施形態の基体10の光軸に垂直な保持部13に相当する保持部213の要部を後ろ側(接眼ユニット側)から見た図である。また、図8は、図7に対応して、光軸調整機構を下から見た図である。
【0104】
保持部213には、中央の下端部から上方所定位置までの切り込み242が形成されることで、不図示の左右一対の接眼ユニットを取り付ける左右の保持部分243L,243Rが設けられている。
【0105】
調整板244は、図7、図8に示すように、保持部213の下端部付近に、中央の切り込み242をまたいで調整ビス245A,245Bと固定ビス245C、245Dの4本で固定されている。
【0106】
但し、これら4本のビスにより調整板244を保持部213の下端部付近に取り付ける際には調整の基準状態を作り出すために、あらかじめ調整スペーサ247A,247Bと基準スペーサ247C,247Dの4個のスペーサを保持部213と調整板244の間にそれぞれ挟持させておくものとする。
【0107】
次に、上記構成における左右の光軸調整方法について説明する。また、本実施形態では、調整時の基準状態を仮に左保持部分243Lとして説明するが、特に問題がなければ右保持部分243R側でもかまわない。
【0108】
さて、双眼鏡の組み立て後などに左右の光軸が上記初期調整状態で、ぴったり合致していれば調整スペーサ247A,247Bを変更せずこのままでよいが、左右の光軸間に上下方向のずれがある場合には、調整スペーサ247A,247Bを必要に応じて同時に増減させることで上下方向の光軸調整が可能となる。
【0109】
すなわち、調整スペーサ247A,247Bの厚みを減少するか無くした場合を考えると、右保持部分243Rは調整板244に近づく方向に移動するので後に引っ張られ、右保持部分243Rよりも相対的に対物レンズ側から遠ざかるように微小移動する。
【0110】
これにより、右保持部分243Rに保持されている不図示の右接眼ユニットは左接眼ユニットに対して見口の部分が上方に移動するために、右の観察系が左の観察系に対して逆に下方を観察するようになる。
【0111】
また、調整スペーサ247A,247Bを基準よりも厚くなるように増加させた場合は、右保持部分243Rは調整板244から遠ざかるように前に押され、左保持部分243Lよりも相対的に対物レンズ側に近づくように微小移動する。
【0112】
これにより、右保持面243Rに保持されている不図示の右接眼ユニットは左接眼ユニットに対して見口の部分が下方に移動するために、右の観察系は左の観察系に対して逆に上方を観察するようになる。このように、上下方向の光軸調整は調整スペーサ247Aと247Bの厚みを同時に増減させることで実現できる。
【0113】
次に、左右の光軸間に左右方向のずれがある場合の調整方法について説明する。今、調整スペーサ247Aを厚く、調整スペーサ247Bを薄くした場合を考えると、右保持面243Rの外側は調整板244から遠ざかる方向に前に押されるが、右保持面243Rの内側は調整板244に近づくように引っ張られる。
【0114】
これにより、右保持面243Rは図8において、右回り(時計回り)に微小回転し、右保持部分243Rに保持されている不図示の右接眼ユニットは左接眼ユニットに対して見口の部分が外方に移動するために、右の観察系は左の観察系に対して逆に内側を観察するようになる。
【0115】
一方、調整スペーサ247Aを薄く、調整スペーサ247Bを厚くした場合は逆に、右の観察系は左の観察系に対して外側を観察するようになる。このように、左右方向の光軸調整は調整スペーサ247A、247Bの厚みを同時に逆の関係で変化させることで実現できる。
【0116】
第1実施形態又は第3実施形態のように、左右の接眼ユニットの一方の基準接眼ユニットに対して、相対的に微小に傾ける調整機構を構成すれば、結果的に双眼鏡の左右の光軸調整を実現することが可能となる。
【0117】
また、第3実施形態に示したように、右保持部分243Rの外側(調整スペーサ247Aに対応)と内側(調整スペーサ247Bに対応)の2つの場所を独立に前後移動させることができるようにすれば、調整スペーサ247A、247Bを使わない他の方法も考えられる。
【0118】
例えば、古くから光学機器の光軸調整に用いられている「押し引きねじ」による調整などもこの部分に応用すれば、接眼ユニットを他方の接眼ユニットに対して微小に傾けることによる左右の光軸調整を容易に行うことができる。
【0119】
さらに、第1および第2実施形態では、調整作業は、対物レンズの光軸に対して直角方向から行うことができ、第3実施形態にて説明した調整作業も接眼ユニット側から行うことができる。そしていずれの場合も、接眼レンズの光軸から十分に離れた場所で調整作業が行えるので、従来に比べて調整作業を容易に行うことができる。
【0120】
なお、本発明は、上記各実施形態にて説明した双眼鏡以外の双眼鏡、特に左右一対の対物光学系の全群同士或いは一部の群同士が一体的に保持されていたり、双眼鏡使用時に対物光学系の全群同士或いは一部の群同士が間隔を変えずに連動するように保持されていたりする双眼鏡に適用することができる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一方(第1)の接眼ユニットの他方(第2)の接眼ユニットに対する光軸傾き移動させる構成としているので、対物光学系側に付加機能追加のための機構の配置に支障が生じたり、目幅調整機構を損なったりすることなく、第1および第2の接眼ユニットの光軸調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である双眼鏡の平面断面図である。
【図2】上記第1実施形態の双眼鏡の側面断面図である。
【図3】図2のA−A断面部の正面図と下面図である。
【図4】上記第1実施形態の双眼鏡の調整機構の要部拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態である双眼鏡の平面断面図である
【図6】上記第2実施形態の双眼鏡の側面断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態である双眼鏡の調整機構の後面図である。
【図8】上記第3実施形態の調整機構の下面図である。
【符号の説明】
1L、1R:対物レンズ
2L、2R:正立プリズム
3L、3R:接眼レンズ
10:基体
12L、12R:接眼ユニット
17:フォーカスネジ
19:対物台
35L、35R:連動板
40L、40R:対物鏡筒
42:中央部の切り込み
43L、43R:曲げ部
44:調整板
ビス45C、45D:固定用のビス
46A、46B:長円穴
47L、47R:偏芯コロ
61:防振ユニット
62:電気回路基板
63:バッテリ
101L,101R:対物レンズ
101LA,101RA:前群
101LB,101RB:後群
112R、112L:接眼ユニット
104:ピッチ回動支軸
H1:第1の平面
105L,105R:ヨー回動支軸
106L,106R:連結回動支軸
107L,107R:対物固定筒
108L,108R:ヨー保持枠
109:IS本体
120:ピッチ保持枠
122:ヨーブリッジ
124:ピッチ方向検出器
125:ピッチ方向駆動機構
127:ヨー方向駆動機構
128:ISロック部材
129:駆動制御基板
130:ISロックスイッチ
243L,243R:左右の保持面
244:調整板
245A,245B:調整ビス
245C、245D:固定ビス
247A,247B:調整スペーサ
245C,245D:基準スペーサ

Claims (3)

  1. 第1および第2の対物光学系と、正立光学系および接眼光学系をそれぞれ一体的に保持した第1および第2の接眼ユニットとを有する双眼鏡であって、
    前記第1の接眼ユニットを保持する第1保持部分と前記第2の接眼ユニットを保持する第2保持部分とを有し、前記第1および第2の対物光学系の光軸を含む平面に直交する方向を上下方向とするときに該第1および第2保持部分が前記上下方向の一部で連結された保持部材と、
    前記第1保持部分が前記第2保持部分に対して光軸方向に変位するように前記保持部材を変形させ、前記第1の接眼ユニットの光軸を前記第2の接眼ユニットの光軸に対して傾き移動させる調整機構とを有することを特徴とする双眼鏡。
  2. 前記第1保持部分を前記第2保持部分に対して光軸方向に変位させる偏芯コロ機構を有することを特徴とする請求項1に記載の双眼鏡。
  3. 前記偏芯コロ機構は、該双眼鏡の下方から調整操作可能であることを特徴とする請求項2に記載の双眼鏡。
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