JPH09304704A - 双眼鏡 - Google Patents

双眼鏡

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JPH09304704A
JPH09304704A JP12115796A JP12115796A JPH09304704A JP H09304704 A JPH09304704 A JP H09304704A JP 12115796 A JP12115796 A JP 12115796A JP 12115796 A JP12115796 A JP 12115796A JP H09304704 A JPH09304704 A JP H09304704A
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JP
Japan
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binoculars
optical
adjustment
optical axis
lens barrel
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Application number
JP12115796A
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English (en)
Inventor
Hisanori Ishihara
尚紀 石原
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定眼幅式、水平スライド眼幅調整式双眼鏡
において、光軸の左右方向と上下方向の調整作業に熟練
を要する。 【解決手段】 一方の鏡筒15にプリズムホルダー16
を矢印a1で示す上下方向に案内するガイド部16aを形
成し、他方の鏡筒15にプリズムホルダー16を矢印a2
で示す左右方向に案内するガイド部16bを形成するこ
とにより、一方のプリズムホルダー16が鏡筒15に対
して上下方向のみ、他方のプリズムホルダー16が鏡筒
15に対して左右方向のみ動くようにし、これにより左
右の光学系の光軸を上下、左右別々に調整するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定眼幅式双眼鏡
または水平スライド式眼幅調整機構を備えた双眼鏡、特
に、その光軸調整機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、双眼鏡は、比較的簡易な構造
で、左右鏡筒が標準的な眼幅に固定された固定眼幅式の
ものと、眼幅調整可能なものとがある。また、双眼鏡の
眼幅調整機構としては、左右鏡筒を眼幅調整軸回りに二
つ折り状に屈曲させる方式のもの、一方の鏡筒に対して
他方の鏡筒を光軸と直交する方向に直線的にスライドで
きるように構成した水平スライド式のもの等が知られて
いる。このうち、眼幅調整軸を備えた双眼鏡は従来よ
り、2本の鏡筒を1本の回転軸(眼幅調整軸)により連結
するか、あるいは2本の回転軸(眼幅調整軸)を用い、且
つ、中間部材を介して連結することにより、眼幅を調整
できるようにしている。
【0003】また、いずれの方式の双眼鏡においても、
2つの光学系の光軸は、常に平行に保たれなければなら
ないが、眼幅調整を行ったとき常に2つの光軸を平行に
維持するためには、前記眼幅調整軸を備えた双眼鏡の場
合、回転軸と、一方の鏡筒光学系の光軸と、他方の鏡筒
光学系の光軸の、都合3つの軸を常時平行に保持する必
要がある。この軸間平行を精密に保持するための構造と
しては、まず、眼幅調整機構の機械的精度を高くするこ
とが考えられるが、コストや部品精度、組込み精度等の
観点から見て、現実的でないと言える。
【0004】このため、一般的には、眼幅調整軸を備え
た双眼鏡の場合、左右鏡筒の光学系毎に調整機構を設
け、まず、回転軸に対して一方の光学系の光軸を平行に
調整したうえで、その光軸に対して他方の光学系の光軸
を平行に調整するようにしている。ところで、それぞれ
の光学系の光軸の傾きを調整する場合、光軸の左右方向
の傾きと、上下方向の傾きの両方が調整可能でなければ
ならない。なお、ここで言う上下方向、左右方向とは、
予め決められた方向に直線的に調整することを意味して
いる。
【0005】これに対し、眼幅調整機構を備えていない
固定眼幅式双眼鏡や、水平スライド式双眼鏡では、前記
眼幅調整軸を備えた双眼鏡の回転軸のような光軸以外の
軸を備えていないため、光軸調整を行うときは、一方の
光学系の光軸に対して、他方の光学系の光軸を平行に調
整するだけで済む。したがって、光軸調整機構は、一方
の光学系にあるだけでよく、また、左右それぞれの光学
系に光軸調整機構を設けるようにして、調整余裕を小さ
くするようにしてもよい。但し、このような固定眼幅式
あるいは、水平スライド式の双眼鏡もまた、光軸の上下
方向及び左右方向の調整が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、固定眼
幅式や水平スライド式のように該眼幅調整軸を備えてい
ない双眼鏡では、眼幅調整軸を備えた双眼鏡と同様の光
軸調整をする必要はないが、光軸の左右方向を合わせよ
うとすると、上下方向がずれてしまうといったことが起
こるなど、光軸の上下方向と左右方向を同時に調整する
ことが困難で、作業者の熟練を要するところがある。
【0007】また、固定眼幅、水平スライド眼幅調整の
双眼鏡では、視野形状、厳密には入射瞳絞り形状を非円
形、例えば長方形、楕円形などにすることができる。こ
の入射瞳絞りは、双眼鏡光学系を構成する対物系と正立
プリズムと接眼系とのそれぞれの光学素子に光束を決め
るために設けられる。非円形の絞りに限らず、一般的な
円形絞りの場合も同様である。
【0008】光軸調整時には対物系、正立プリズム、接
眼系の各光学素子のうちの1つを偏芯させるため、絞り
も一緒に偏芯することになる。この偏芯のさせ方は、左
右方向、上下方向共に直線的に動かしているのではな
く、ある範囲内で自由に動くようになっており、このこ
とが前述の眼幅調整軸を備えた双眼鏡の光軸調整時にお
ける上下左右同時に調整している理由である。
【0009】従来は、このような構成になっているた
め、光学素子が光軸に対して回転してしまうことにな
り、これと同時にその光学素子に設けられた絞りも回転
してしまう。したがって、固定眼幅式双眼鏡や水平スラ
イド式双眼鏡に見られるように、絞りが非円形であれ
ば、該絞りが回転することにより、正面(双眼鏡対物側)
から見ると傾いて見えることになり、外観上、見苦しい
という不都合があった。
【0010】次に、上記従来の問題点をより明確にする
ために、水平スライド式眼幅調整機構を備えた双眼鏡を
具体例として説明すると、その光軸調整は、光学素子と
しての一方のプリズムを上下左右方向に平行偏芯させて
行っている。しかし、構造的に上下方向、左右方向にま
っすぐ動くようになっておらず、ある範囲を自由な方向
へ動くようになっているため、一つの光学素子で調整は
できるものの、上下方向、左右方向、同時に調整する必
要があり、熟練を要するところがあった。
【0011】また、この双眼鏡は、外観形状を薄型にす
るため、従来の円形視野ではなく、長方形視野にしてお
り、入射瞳絞りが長方形をなしている。この絞りは、前
記プリズムに取り付いており、前述のような光軸調整方
法では、プリズムは光軸に対して回転してしまい、絞り
も同様に回転してしまう。これは双眼鏡を対物レンズ側
から見ると、この長方形の絞りが傾いて見え、外観上の
問題となる。このことは長方形絞りに限られるものでは
なく、楕円など円形絞り以外であれば同様の問題が生じ
る。
【0012】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、固定眼幅式、水平スライド眼幅調
整式双眼鏡において、光軸の左右方向と上下方向を別々
に調整することができて、調整作業に熟練を要すること
なく、また、非円形の入射瞳絞りを用いても絞りが傾か
ず見苦しくない外観が得られる双眼鏡を提供することを
目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、固定眼幅式双眼鏡または水平スライド式
眼幅調整機構を備えた双眼鏡において、左右光学系の光
軸調整の上下方向動作を前記左右光学系の一方の光学系
により行うように構成するとともに、光軸調整の左右方
向動作を前記左右光学系の他方の光学系により行うよう
に構成しており、これにより、左右、上下、別々に調整
することができるため、調整を簡単に行うことができ、
熟練を要さない。また、非円形の入射瞳絞りを用いても
絞りが傾かず見苦しくない外観を得ることができる。こ
の構成は、特に非円形入射瞳絞りを有する双眼鏡に有効
である。
【0014】上記構成において、左右光学系の光軸調整
は光学素子の平行偏芯により行うようにするとよく、且
つ、前記左右光学系の光軸調整時に偏芯させる光学素子
としてはプリズムが好適である。また、水平スライド式
眼幅調整機構を備えた双眼鏡においては、固定側光学系
により左右光学系の光軸上下方向の調整を行うととも
に、可動側光学系により左右光学系の光軸左右方向の調
整を行うようにする。
【0015】また、本発明の他の構成では、固定眼幅式
双眼鏡または水平スライド式眼幅調整機構を備え、且
つ、非円形入射瞳絞りを有する双眼鏡において、光軸調
整の上下左右方向を一方の光学素子を傾き偏芯させて行
うように構成している。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明するが、実施形態の説明に先立っ
て、双眼鏡における光軸の調整についてのより具体的な
説明を行う。図1に、一般的な複数種の双眼鏡の形態を
模式的に示す。同図(A)は、1軸回転式眼幅調整の双眼
鏡を、同図(B)は、2軸回転式眼幅調整の双眼鏡を、同
図(C)は、水平スライド式眼幅調整の双眼鏡を、また、
同図(D)は、固定眼幅の双眼鏡をそれぞれ示す。図中、
1は眼幅調整用回転軸、2は第1の光学系の光軸、3は
第2の光学系の光軸である。
【0017】双眼鏡は、眼幅調整することにより第1の
光学系と第2の光学系の間隔を変化させても、光軸2と
光軸3は常に平行でなければならない。この必須条件を
満足させるためには、図1(A)に示した1軸回転式眼幅
調整方式の双眼鏡、及び図1(B)に示した2軸回転式眼
幅調整方式の双眼鏡では、光軸2,3だけでなく、眼幅
調整用回転軸1にも平行である必要がある。これら3つ
の軸を平行にする手段として、前述のように双眼鏡光学
系に係わる構成の機械的精度を高めることが考えられる
が、製造コスト等の面で現実的でない。また、眼幅調整
用回転軸1に調整機構を設ける手段を採っても、構成が
複雑になるため、一般的には、それぞれの光学系に調整
機構を設けるようにしている。
【0018】この調整機構は、眼幅調整軸に対して一方
の光学系の光軸を平行に調整し、次に、その光軸に対し
て他方の光学系の光軸を平行に調整するためのもので、
前述のように1軸回転式眼幅調整方式及び2軸回転式眼
幅調整方式の双眼鏡の場合、左右の光学系それぞれに対
応して必要なものである。
【0019】これに対して、図1(C)に示した水平スラ
イド式眼幅調整の双眼鏡、及び同図(D)に示した固定眼
幅の双眼鏡では、左右2つの光軸2,3以外に軸を有し
ていないため、一方の軸に対して他方の軸を平行に調整
するだけでよい。つまり、一方の光学系に調整機構があ
ればよいことになる。なお、水平スライド式眼幅調整の
双眼鏡及び固定眼幅の双眼鏡の場合でも、調整余裕を小
さくするために、それぞれの光学系に調整機構を設ける
ようにすることもできる。
【0020】図2に、双眼鏡における左右光学系の光軸
の傾きを模式的に示す。光軸の傾きは上下方向の傾き
と、左右方向の傾きに分けられる。図2(A)は2つの光
軸2,3が平行で、それぞれの光学系によってできる像
4,5(十字線で示す)が重なっている状態を示し、図
2(B)は光軸2,3が上下方向に傾いている状態を示
し、図2(C)は光軸2,3が左右方向に傾いている状態
を示している。本発明では、前記調整機構により、この
光軸の上下方向、左右方向の傾きを共に調整することが
できるようにしている。
【0021】図3に、調整機構の一例を示し、同図(A)
は縦断正面を、(B)は図3(A)のA−A線に沿う断面を
それぞれ示す。この図に示す調整機構は、双眼鏡におい
て、プリズム位置を調整することにより光軸調整を行う
ものであって、7は鏡筒、8は鏡筒7内の一端側に配さ
れたリング状のプリズムホルダーであって、プリズム9
を固定支持している。
【0022】鏡筒7の周壁一端側の3等分部位には、該
周壁を径方向に貫通するネジ孔10が形成されており、
これらのネジ孔10に螺合されたビス11によりプリズ
ムホルダー8の外周面上の3点を固定支持している。そ
して、これら3本のビス11を緩解または締め込むこと
によりプリズム9を動かして平行偏芯させ、光軸の傾き
を調整する。
【0023】図4に、調整機構の他の例を示し、同図
(A)は正面を、(B)は図4(A)のB−B線に沿う断面を
それぞれ示す。この図に示す調整機構は、前記第1の実
施形態と同様に双眼鏡において、プリズム位置を調整す
ることにより調整を行うものであって、プリズムホルダ
ー8はプレート状に形成されており、そのほぼ対角線上
部位にはそれぞれ、厚さ方向に貫通するネジ挿通孔12
が形成されている。
【0024】このネジ挿通孔12には後述するように、
プリズム止めネジ13が挿通されるが、該ネジ挿通孔1
2の孔径は、プリズム止めネジ13のネジ径に対して、
光軸の調整に必要な量だけのクリアランスcが生じるよ
うに、若干大きく形成されている。一方、鏡筒7の一端
側で、プリズムホルダー8の各ネジ挿通孔12に対応す
る部位にはそれぞれネジ穴14が形成されている。
【0025】そして、プリズムホルダー8を鏡筒7の一
端側にセットするときは、2本のプリズム止めネジ14
を、それぞれ対応するプリズムホルダー8のネジ挿通孔
12に挿通し、さらに鏡筒7のネジ穴14に螺合したう
えで、直接プリズムホルダー8を動かすことにより、ク
リアランスcを利用して平行偏芯調整を行い、しかる
後、プリズム止めネジ13をネジ穴14に締着してプリ
ズムホルダー8を鏡筒7に固定する。
【0026】なお、図示してはいないが、光学素子を平
行偏芯させて光軸の調整を行うものとして、プリズムだ
けでなく、対物系、接眼系のいずれを平行偏芯させても
光軸調整は可能である。また、これらの光学素子を傾き
偏芯させて光軸の調整を行うようにしても光軸調整は可
能である。
【0027】しかしながら、いずれの場合にも、光軸を
上下方向、左右方向、同時に調整することになる点に困
難性がある。すなわち、図5(A)に、図1(A)(B)に示
した1軸又は2軸回転式眼幅調整の従来の双眼鏡の光軸
の動きを、図5(B)に、図1(C)(D)に示した水平スラ
イド式眼幅調整の従来の双眼鏡の光軸の動きを示してお
り、これらの図から明らかなように、左右の光学系によ
ってできる像4,5(十字線で示す)を、両方の光学系
の光軸を上下方向、左右方向、同時に調整しなければな
らない。
【0028】図6に、図1(C)に示した水平スライド式
眼幅調整の双眼鏡と、図1(D)に示した固定眼幅の双眼
鏡に適用される本発明による光軸調整時の光軸の動きを
示す。本発明では、一方の光学系で左右方向、他方の光
学系で上下方向を調整する。
【0029】図7に本発明の第1の実施形態の調整機構
を示す。第1実施形態の双眼鏡は図1(C)又は図1(D)
の形状のものである。この図において、15は鏡筒、1
6はプリズムホルダーであって、一方の鏡筒15にはプ
リズムホルダー16を矢印a1で示す上下方向に案内する
ガイド部16aが形成されており、他方の鏡筒15には
プリズムホルダー16を矢印a2で示す左右方向に案内す
るガイド部16bが形成されている。このように本実施
形態では、プリズムホルダー16と鏡筒15とで調整ガ
イドを行う。すなわち、一方のプリズムホルダー16が
鏡筒15に対して上下方向のみ、他方のプリズムホルダ
ー16が鏡筒15に対して左右方向のみ動くようになっ
ているので、左右の光学系の光軸を上下、左右別々に調
整することができる。
【0030】図8に本発明の第2の実施形態の調整機構
を示し、やはり図1(C)又は図1(D)の形状の双眼鏡で
あり、図8(A)は左右の鏡筒を、同図(B)は同図(A)に
おけるC−C線に沿う断面を示す。この図において、1
7は鏡筒、18は鏡筒17内に配されたプリズムホルダ
ーであって、一方の鏡筒17にはプリズムホルダー18
を矢印b1で示す上下方向に案内する縦長孔状のガイド孔
17aが形成されており、他方の鏡筒17にはプリズム
ホルダー18を矢印b2で示す左右方向に案内する横長孔
状のガイド孔17bが形成されている。そして、これら
のガイド孔17a,17bを通してプリズム止めネジ1
9がプリズムホルダー18に設けられたネジ孔18aに
螺合されている。
【0031】このように本実施形態においては、光軸の
調整をプリズム止めねじ19と鏡筒17とでガイドして
いる。すなわち、プリズム止めネジ19及びガイド孔1
7a,17bを介して一方のプリズムホルダー18が鏡
筒17に対して上下方向のみ、他方のプリズムホルダー
18が鏡筒17に対して左右方向のみ動くようになって
いるので、左右の光学系の光軸を上下、左右別々に調整
することができる。
【0032】図9に、本発明の第3の実施形態の調整機
構を示し、やはり図1(C)又は図1(D)の双眼鏡であ
る。図9(A)は左右の鏡筒を、同図(B)は同図(A)にお
けるD−D線に沿う断面を示す。この図において、20
は鏡筒、21は鏡筒20の上面に配されたプリズムホル
ダーであって、一方のプリズムホルダー21には、該ホ
ルダー21を鏡筒上で矢印c1で示す上下方向に案内する
縦長孔状のガイド孔21aが形成されており、他方のプ
リズムホルダー21には該ホルダー21を鏡筒上で矢印
c2で示す左右方向に案内する横長孔状のガイド孔21b
が形成されている。そして、これらのガイド孔21a,
21bを通してプリズム止めネジ22が鏡筒20に設け
られたネジ孔20aに螺合されている。
【0033】このように本実施形態においては、プリズ
ム止めネジ22と、プリズムホルダー21とでガイドし
ている。すなわち、プリズム止めネジ22及びガイド孔
21a,21bを介して一方のプリズムホルダー21が
鏡筒20に対して上下方向のみ、他方のプリズムホルダ
ー21が鏡筒20に対して左右方向のみ動くようになっ
ているので、左右の光学系の光軸を上下、左右別々に調
整することができる。
【0034】上記各実施形態のほか、図示してはいない
が、鏡筒に対して対物鏡筒、または鏡筒に対して接眼鏡
筒を同様にガイドするような構成とすれば、上記各実施
形態と同様の効果が得られ、左右方向と上下方向とを独
立して調整することができ、調整作業が容易化される。
なお、上記構成の各実施形態のものは、光学系の移動量
に対して、調整量(光軸の移動量)が2倍になるプリズム
で行うのが好ましい。
【0035】また、光学素子としてのプリズムを動かす
ための構成としては、前掲の図7〜図9に示したものの
ように、直接、プリズムホルダーを動かし、平行偏芯調
整後、プリズム止めネジで固定するものの他、例えば図
10に示すように、左右鏡筒23のガイド部23a,2
3bの一端壁面と、プリズムホルダー24の対向面間に
付勢バネ25を設ける一方、左右鏡筒23のガイド部2
3a,23bの他端壁にネジ孔26a,26bを形成し
て、該ネジ孔26a,26bに螺合した調整ビス27の
端面をプリズムホルダー24の対向面に当接させること
により、該調整ビス27を螺進させることにより、プリ
ズムホルダー24の平行偏芯の微調整を行うようにする
ことも可能である。
【0036】図7〜図10に示す調整機構では、光学素
子の平行偏芯により光軸を調整する具体例を示したが、
図11に光学素子の傾き偏芯により光軸調整を行う例を
示す。この図において、28はプリズムホルダー、29
は鏡筒であって、プリズムホルダー28の一端側にはネ
ジ挿通孔28aが、他端側にはネジ孔28bがそれぞれ
設けられている。一方、鏡筒29のプリズムホルダー支
持部は逆L字形状に形成されており、プリズムホルダー
28のネジ挿通孔28aに対向する支柱部29aにはネ
ジ穴29bが、プリズムホルダー28のネジ孔28bに
対向する部位にはネジ挿通孔29cがそれぞれ設けられ
ている。
【0037】プリズムホルダー28は、ネジ挿通孔28
aを通してネジ穴29bに螺合する調整ネジ30と、ネ
ジ挿通孔29cを通してネジ孔28bに螺合する調整ネ
ジ30とにより鏡筒29に取り付けられており、各調整
ネジ30にはそれぞれ付勢バネ31が介装されている。
このような構成では、プリズムホルダー28は、付勢バ
ネ31で一方に付勢されて、付勢方向と反対側の調整ネ
ジ30により引きつけており、これにより光学素子とし
てのプリズムの傾き偏芯による光軸調整を行っている。
【0038】なお、図示してはいないが、このような傾
き偏芯による光軸調整機構も、左右方向、上下方向の調
整機構を、それぞれの鏡筒で構成することになる。ま
た、図示してはいないが、上記のような傾き偏芯による
光軸調整機構によって調整される光学素子としては、プ
リズムの他、対物鏡筒、接眼鏡筒等が挙げられ、これら
をプリズムと同様に傾き偏芯させるようにすれば、同様
の光軸調整効果を得ることができる。但し、この場合、
プリズムに適用することが、構成上最も簡単であること
から、好ましいと言える。
【0039】次に、非円形入射瞳絞りを有する双眼鏡に
本発明を適用した場合について説明する。入射瞳絞り
は、光束を決めるため、対物系、正立プリズム、接眼系
に取り付けられる。図12はプリズムホルダー32の前
面に絞り33が取り付けられた図で、絞り形状34は、
非円形の1つである長方形状を成している。以下、プリ
ズムを平行偏芯させて光軸調整する場合について説明す
るが、対物系、接眼系でも同様のことが言える。
【0040】前述した光軸の上下方向、左右方向を同時
に調整するという従来の調整機構を非円形入射瞳絞りを
有する双眼鏡に適用した場合、プリズムが傾いてしま
う。すなわち、図13に図3に示した調整機構によって
傾きを生じた不具合な調整状態を、また、図14に図4
に示した調整機構によって傾きを生じた不具合な調整状
態を示す。上記従来の調整機構による不具合は、いずれ
もプリズムホルダーを案内するための直線的なガイドが
存在しないために生じる。
【0041】図15に、この不具合な状態を双眼鏡の正
面(対物側)から見た図を示す。同図(A)は一方の光学系
で調整した場合、同図(B)は左右の光学系で調整した場
合をそれぞれ示す。いずれも外観上、非常に見苦しくな
ることが避けられない。
【0042】これに対し、図7〜図11に示した本発明
の実施形態による平行偏芯調整の場合、いずれもプリズ
ムは、ガイド部に沿って偏芯するため、従来のような絞
りの傾きが発生しない。図16にその場合の双眼鏡の正
面(対物側)から見た図を示す。この図から明らかなよう
に、長方形の絞り形状34は正立状態を保持しており、
従来のような見苦しい外観とはならない。
【0043】また、水平スライド眼幅調整の双眼鏡ある
いは固定眼幅の双眼鏡において、非円形入射瞳絞りを有
するものについて、調整時に絞りが傾くことを防止する
構成は上述の構成で達成することができるが、その他、
例えば一方の鏡筒により絞りが取り付けられた光学素子
を傾き偏芯により調整する構成によっても達成すること
ができる。この構成では、絞りは光軸回りに回転しない
ので、双眼鏡正面から見ても絞りが傾いて見えることは
なく、外観が見苦しくなることを回避することができ
る。
【0044】図17及び図18に、水平スライド式眼幅
調整の双眼鏡における調整機構の一例を示し、図17
(A)は眼幅を閉じた状態を、図17(B)は眼幅を開いた
状態をそれぞれ示す。また、図18(A)(B)にその内部
の機構を示す。これらの図において、35は固定鏡筒、
36は可動鏡筒であって、固定鏡筒35に対して可動鏡
筒36が左右水平方向にスライドして、眼幅調整を行う
ことができるように構成されている。
【0045】37は上台板、38は下台板であって、こ
れら上下台板37,38は図18(B)に示すように、固
定鏡筒35の上面及び下面に該固定鏡筒35に対して上
下面一になるように取り付けられており、可動鏡筒36
の水平方向への摺動を案内する。このように上下台板3
7,38を固定鏡筒35に対して上下面一に配すること
により、双眼鏡の薄型化が図られている。可動鏡筒28
は、上下台板37,38に挟まれるように組み込まれて
おり、これにより該可動鏡筒36は台板37,38の厚
み分だけ固定鏡筒35よりも薄くなっており、そのため
上下方向の余裕が小さくなっている。
【0046】そこで、前述した光軸調整のための光学素
子の偏芯方向を上下方向に余裕の少ない可動鏡筒36側
に左右方向の調整機構を介装し、上下方向に余裕のある
固定鏡筒35側に上下方向の調整機構を介装する。この
調整機構は図7〜図10に示した機構のいずれをも適用
することができる。このように構成することにより、双
眼鏡全体の厚さを可及的に薄い状態に維持しつつ、左
右、上下の光軸偏芯調整を別々に行うことが可能な調整
機構を介装することができる。また、この構成の場合に
も、対物系、プリズム、接眼系のいずれかを光学素子と
して、光軸を平行あるいは傾き偏芯させるいずれの調整
機構にも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よるときは、固定眼幅式双眼鏡または水平スライド式眼
幅調整機構を備えた双眼鏡において、左右光学系の光軸
調整の上下方向動作を前記左右光学系の一方の光学系に
より行うように構成するとともに、光軸調整の左右方向
動作を前記左右光学系の他方の光学系により行うように
構成したので、光軸を上下方向、左右方向を別々に調整
することができ、光軸の上下方向、左右方向の調整を同
時に行わなければならなかった従来構成と比較して、大
幅に調整作業が簡単、且つ、確実となる。また、光学素
子の偏芯量に対して光軸の変位量が倍になるため、偏芯
スペースを小さくすることができる。
【0048】請求項2によるときは、非円形入射瞳絞り
を有する双眼鏡に上記構成を適用しているので、入射瞳
絞りが傾かず、見苦しくない外観を得ることができる。
【0049】請求項3によるときは、左右光学系の光軸
調整を、光学素子の平行偏芯により行い、且つ、前記左
右光学系の光軸調整時に動かす光学素子としてプリズム
を用いるようにしているので、傾き偏芯機構を用いたも
のと比較して、構成が簡単化され、部品点数も少なくて
済む。また、プリズムを光軸調整の移動系とすることに
より、ピント調整や視度調整を行う対物レンズや接眼レ
ンズを移動系とする場合と比較して、構成を簡単化する
ことができる。
【0050】請求項4によるときは、水平スライド式眼
幅調整機構を備え、固定側光学系により左右光学系の光
軸上下方向の調整を行うとともに、可動側光学系により
左右光学系の光軸左右方向の調整を行うものとしている
ので、上下方向に余裕の少ない可動側で左右方向の調整
をするため、双眼鏡の厚みを薄くできる。
【0051】請求項5によるときは、固定眼幅式双眼鏡
または水平スライド式眼幅調整機構を備え、且つ、非円
形入射瞳絞りを有する双眼鏡において、光軸調整の上下
左右方向を一方の光学素子を傾き偏芯させて行うように
構成しているので、一方の光学系素子のみで調整でき、
入射瞳絞りが傾かないという利点があり、また、厚みの
薄い双眼鏡が得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な双眼鏡の形態を模式的に示し、(A)
は1軸回転式眼幅調整の双眼鏡、(B)は2軸回転式眼幅
調整の双眼鏡、(C)水平スライド式眼幅調整の双眼鏡、
(D)は固定眼幅の双眼鏡をそれぞれ示す斜視図。
【図2】 水平スライド式眼幅調整の双眼鏡及び固定眼
幅の双眼鏡における左右光学系の光軸の傾きを模式的に
示す図。
【図3】 調整機構の一例を示し、(A)は縦断正面図、
(B)はA−A線に沿う断面図。
【図4】 調整機構の他の例を示し、(A)は正面図、
(B)はB−B線に沿う断面図。
【図5】 (A)は1軸回転式眼幅調整の双眼鏡の光軸の
動きを、(B)は2軸回転式眼幅調整の双眼鏡の光軸の動
きをそれぞれ模式的に示す図。
【図6】 本発明による水平スライド式眼幅調整及び固
定眼幅の双眼鏡の調整時における光軸の動きを模式的に
示す図。
【図7】 本発明の第1の実施形態の調整機構を模式的
に示す断面図。
【図8】 本発明の第2の実施形態の調整機構を模式的
に示し、(A)は正面図、(B)はC−C線に沿う断面図。
【図9】 本発明の第3の実施形態の調整機構を模式的
に示し、(A)は正面図、(B)はD−D線に沿う断面図。
【図10】 本発明の第4の実施形態の調整機構を模式
的に示す断面図。
【図11】 本発明の第5の実施形態の調整機構を模式
的に示す断面図。
【図12】 プリズムホルダーの前面に絞りが取り付け
られた状態を示す斜視図。
【図13】 図3に示した調整機構によって傾きを生じ
た不具合な調整状態を示す断面図。
【図14】 図4に示した調整機構によって傾きを生じ
た不具合な調整状態を示す断面図。
【図15】 双眼鏡の不具合な状態の正面視であって、
(A)は一方の光学系で調整した場合、(B)は左右の光学
系で調整した場合をそれぞれ示す図。
【図16】 双眼鏡の正しい状態の正面図。
【図17】 水平スライド式眼幅調整の双眼鏡における
調整機構の一例を示し、(A)は眼幅を閉じた状態を、
(B)は眼幅を開いた状態をそれぞれ示す斜視図。
【図18】 (A)はその内部の機構を示す分解斜視図、
(B)は同じく分解正面図。
【符号の説明】
15 鏡筒 16 プリズムホ
ルダー 16a ガイド部 16b ガイド部 17 鏡筒 17a ガイド孔 17b ガイド孔 18 プリズムホ
ルダー 19 プリズム止めネジ 20 鏡筒 21 プリズムホルダー 21a ガイド孔 21b ガイド孔 22 プリズム止
めネジ 23 鏡筒23 23a ガイド部 23b ガイド部 24 プリズムホ
ルダー 25 付勢バネ 27 調整ビス 28 プリズムホルダー 29 鏡筒 29a 支柱部 30 調整ネジ 31 付勢バネ 32 プリズムホ
ルダー 33 絞り 34 絞り形状 35 固定鏡筒 36 可動鏡筒 c クリアランス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定眼幅式双眼鏡または水平スライド式
    眼幅調整機構を備えた双眼鏡において、左右光学系の光
    軸調整の上下方向動作を前記左右光学系の一方の光学系
    により行うように構成するとともに、光軸調整の左右方
    向動作を前記左右光学系の他方の光学系により行うよう
    に構成したことを特徴とする双眼鏡。
  2. 【請求項2】 非円形入射瞳絞りを有する請求項1の双
    眼鏡。
  3. 【請求項3】 左右光学系の光軸調整は、光学素子の平
    行偏芯により行い、且つ、前記左右光学系の光軸調整時
    に動かす光学素子はプリズムである請求項1の双眼鏡。
  4. 【請求項4】 水平スライド式眼幅調整機構を備え、固
    定側光学系により左右光学系の光軸上下方向の調整を行
    うとともに、可動側光学系により左右光学系の光軸左右
    方向の調整を行う請求項1の双眼鏡。
  5. 【請求項5】 固定眼幅式双眼鏡または水平スライド式
    眼幅調整機構を備え、且つ、非円形入射瞳絞りを有する
    双眼鏡において、光軸調整の上下左右方向を一方の光学
    素子を傾き偏芯させて行うように構成したことを特徴と
    する双眼鏡。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6680805B2 (en) 2001-08-20 2004-01-20 Canon Kabushiki Kaisha Binocular and optical axis adjusting method for binocular

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