JP3825482B2 - 二軸延伸フィルム用ポリプロピレンおよび二軸延伸フィルム - Google Patents

二軸延伸フィルム用ポリプロピレンおよび二軸延伸フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、二軸延伸フィルムに関する。特に、良好な延伸加工性を持つ二軸延伸フィルム用ポリプロピレンを延伸加工して得られる剛性および寸法安定性にも優れる二軸延伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリプロピレンフィルムはその優れた透明性、光沢、剛性、および水蒸気バリヤー性等を生かして包装材料として広く用いられている。通常二軸延伸フィルムに用いられるポリプロピレンとしてはプロピレンの単独重合体が一般的であり、二軸延伸フィルムの剛性等のフィルム物性を改良すべく、高規則性触媒による高結晶性プロピレン単独重合体が用いられていたが、該高規則性プロピレン単独重合体は延伸加工性が悪く、延伸時に膜割れ等の問題が発生しやすいという欠点を持っていた。従って、高結晶性ポリプロピレンの延伸加工性を改良する方法が従来から種々提案されており、例えば少量のエチレンを共重合させるという技術が知られている。
具体的には特公昭46−11027号公報には、配位触媒を用い、炭化水素または塩素化炭化水素溶媒の存在下でプロピレンを重合する際に微量のエチレンを添加して重合し、生成ポリマーのモノマー単位1モルあたり0.01モル以下のエチレン単位を含ませるように重合させることを特徴とするフィルム用ポリプロピレンの製造法が提案されている。また、特公昭64−6211号公報には、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、更に錯化剤処理、有機アルミニウム化合物処理、または四塩化チタン処理あるいは、その組み合わせにより高活性化した三塩化チタンおよび有機アルミニウム化合物からなる触媒を用い、生成重合体のエチレン含有量が0.1〜1.0重量%になるように、少量のエチレンをプロピレンとともに重合系へ供給することを特徴とする、延伸性の改善されたポリプロピレンの製造方法が提案されている。さらに特公平3−4371号公報には、ポリプロピレン二軸延伸フィルムの製造方法においてエチレン含有量が0.1〜2mol%で、アイソタクチック値が特定の範囲を満足するポリプロピレンを用いることにより透明性、剛性、および耐衝撃性の良好な二軸延伸ポリプロピレンフィルムおよびその製造方法が提案されている。しかしながら、いずれの方法においても良好な延伸加工性を持ちつつ、優れた剛性および寸法安定性を併せ持つ二軸延伸ポリプロピレンとしては、未だ不満足なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、延伸性に優れる二軸延伸フィルム用ポリプロピレンを延伸加工して得られる剛性および寸法安定性に優れる二軸延伸フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる現状に鑑み鋭意検討した結果、特定の触媒系で得られる特定範囲の20℃キシレン可溶部(「CXS」ともいう。単位;重量%)を持ち、該キシレン可溶部と105℃キシレン不溶部(「XIS」ともいう。単位;重量%)が特定の関係式を持ち、さらに特定の複素弾性率を示す温度が特定範囲であり、特定範囲のメルトフローレイト(「MFR」ともいう。単位;g/10分)をもつ、延伸加工性が良好なポリプロピレンを用いることにより、特に、剛性および寸法安定性に優れる二軸延伸フィルムを見いだすに至り、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、
(B)有機アルミニウム化合物、及び
(C)ノルマルプロピルメチルジメトキシシランである電子供与体からなる触媒系を用いて、本重合時に電子供与体を有機アルミニウム化合物に対し0.15〜1モルを使用して重合されたものであって、
下記の条件(1)〜(4)を満足する二軸延伸フィルム用ポリプロピレンを延伸加工してなることを特徴とする二軸延伸フィルム。
(1)20℃キシレン可溶部(CXS)が、3.5重量%以下であること
(2)20℃キシレン可溶部(CXS)と105℃キシレン不溶部(XIS、重量%)との関係が、XIS≦70.00−3.64CXSであること
(3)230℃のメルトフローレイト(MFR)が、1.0〜8.0g/10分であること
(4)JIS K6758−81に従い、厚み0.25mmのプレスシートに成形し、次にシートから長さ40mm、幅2mm、厚み0.25mmの試験片を採取し、該試験片に自動動的粘弾性測定機を用いて110Hzの振動数を与えた時の複素弾性率が1×109dyne/cm2を示す温度が137〜145℃であること
【0009】
本発明で用いられる二軸延伸フィルム用ポリプロピレンは、製膜時に良好な延伸加工性を示し、これを製膜して得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特徴は、剛性および寸法安定性に優れている点にある。以下、本発明について具体的に説明する。
【0010】
本発明で用いられる二軸延伸フィルム用ポリプロピレンは特定量の20℃キシレン可溶部(CXS)を含む。該ポリプロピレンの20℃キシレン可溶部(CXS)は3.5重量%以下、好ましくは3.0重量%以下、より好ましくは2.5重量%以下である。該ポリプロピレンの20℃キシレン可溶部が3.5重量%を上まわると、該二軸延伸フィルムの剛性および寸法安定性が不充分となる。
【0011】
次に、本発明で用いられるポリプロピレンの20℃キシレン可溶部(CXS)と105℃キシレン不溶部(XIS)との関係が、XIS≦70.00−3.64CXSであり、好ましくはXIS≦63.64−3.64CXS、より好ましくはXIS≦57.28−3.64CXSである。特に好ましくは、20.00−3.64CXS≦XIS≦57.28−3.64CXSである。同関係式を満足しない場合は、良好な延伸加工性をもつ二軸延伸フィルム用ポリプロピレンが得られず、また、それを延伸加工して、剛性および寸法安定性に優れた二軸延伸フィルムは得られない。
【0012】
また、本発明で用いられるポリプロピレンの230℃におけるメルトフローレイト(MFR)は0.5〜10.0g/10分であり、1.0〜8.0g/10分がより好ましい。MFRは重合体の平均分子量を示すパラメーターであり、その値が大きいことは平均分子量が小さいことを意味している。
該ポリプロピレンのMFRが該上限を上まわると延伸加工性が悪化し、該下限を下まわると押出加工時の流動性不良等の問題を起こすことがあり好ましくない。
【0013】
なお、本発明で用いられるポリプロピレンは110Hzの振動を与えたときの複素弾性率が1×109dyne/cm2を示す温度は、本発明の延伸加工性、剛性および寸法安定性のバランスのとれた二軸延伸フィルムを得る上で、137〜145℃の範囲である。
【0014】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、例えば次のような方法により製造することができる。二軸延伸ポリプロピレンフィルムに供するポリプロピレンの製造に使用される触媒系は(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物、及び(C)電子供与体成分からなるものが好適に使用できる。
【0015】
(a)固体触媒成分(A)
本発明のマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分(A)は、一般にチタン・マグネシウム複合型触媒と呼ばれているものを用いることができ、下記のようなマグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体を接触させることにより得ることができる。
【0016】
固体触媒成分(A)の合成に用いられるチタン化合物は、例えば一般式Ti(OR1 a 4-a (R1 は炭素数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0≦a≦4の数字を表す。)で表されるようなチタン化合物を挙げることができる。具体的には、四塩化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン等のテトラハロゲン化チタン化合物、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド、フェノキシチタントリクロライド、エトキシチタントリブロマイド等のトリハロゲン化アルコキシチタン化合物、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド、ジフェノキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジブロマイド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン化合物、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリブトキシチタンクロライド、トリフェノキシチタンクロライド、トリエトキシチタンブロマイド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン化合物、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラフェノキシチタン等のテトラアルコキシチタン化合物を挙げることができる。これらチタン化合物は、単独で用いても良いし、二種類以上を組み合わせて用いても良い。更に、これらのチタン化合物は、炭化水素化合物あるいはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈して用いることもできる。
【0017】
固体触媒成分(A)の合成に用いられるマグネシウム化合物としては、マグネシウム−炭素結合やマグネシウム−水素結合を持った還元能を有するマグネシウム化合物、あるいは、還元能を持たないマグネシウム化合物を用いることができる。還元能を有するマグネシウム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、ブチルエトキシマグネシム、ブチルマグネシウムハイドライド等を挙げることができる。これら還元能を有するマグネシウム化合物は、有機アルミニウム化合物との錯化合物の形態で用いてもよい。一方、還元能を持たないマグネシウム化合物の具体例としては、マグネシウムジクロライド、マグネシウムジブロマイド、マグネシウムジアイオダイド等のジハロゲン化マグネシウム化合物、メトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド、イソプロポキシマグネシウムクロライド、フェノキシマグネシウムクロライド等のアルコキシマグネシウムハライド化合物、ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジフェノキシマグネシウム等のジアルコキシマグネシウム化合物、ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩等を挙げることができる。これら還元能を持たないマグネシウム化合物は、予め或いは固体触媒成分の調製時に還元能を持ったマグネシウム化合物から公知の方法で合成したものであってもよい。
【0018】
固体触媒成分(A)の合成に用いられる電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体、アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体等を挙げることができる。これらの電子供与体のうち好ましくは有機酸または無機酸のエステル類およびエーテル類が用いられる。
【0019】
有機酸のエステル類として好ましくは、モノおよび多価のカルボン酸エステルが用いられ、それらの例として脂肪族カルボン酸エステル、オレフィンカルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを挙げることができる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができる。
【0020】
また、無機酸のエステル類として好ましくは、一般式R2 n Si(OR3 4-n (R2 は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表し、R3 は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、nは0≦n<4の数字を表す。)で表されるようなケイ素化合物を挙げることができる。具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルエチルジメトキシシラン、ドデシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロペンチル−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−t−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、ヘキシルエチルジエトキシシラン、ドデシルメチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、フェニルトリ−t−ブトキシシラン、2−ノルボルナントリメトキシシラン、2−ノルボルナントリエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシシラン等を挙げることができる。
【0021】
さらに、エーテル類として好ましくは、一般式
Figure 0003825482
(R4 〜R7 は炭素数1〜20の線状または分岐状のアルキル、脂環式、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル基を表し、R4 〜R7 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、R4 またはR5 は水素原子であってもよい。)で表されるようなジアルキルエーテル化合物を挙げることができる。具体例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジネオペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等を挙げることができる。
【0022】
これらの電子供与体のうちエステル化合物が特に好ましく用いられる。
【0023】
かかる固体触媒成分を製造する方法としては、例えば、特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特開昭54−94590号公報、特開昭55−36203号公報、特開昭56−41206号公報、特開昭57−63310号公報、特開昭57−59916号公報、特開昭58−83006号公報、特開昭61−218606号公報、特開平1−319508号公報特開平3−706号公報等に開示された方法を挙げることができる。
【0024】
これらの方法としては、次のものが例示できる。
(1)液状のマグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物を析出化剤と反応させたのち、チタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(2)固体のマグネシウム化合物、あるいは固体のマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物をチタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(3)液状のマグネシウム化合物と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて固体状のチタン複合体を析出させる方法。
(4)(1)、(2)あるいは(3)で得られた反応生成物をチタン化合物、あるいは電子供与体およびチタン化合物でさらに処理する方法。
(5)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下アルコキシチタン化合物をグリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物、エーテル化合物およびTiCl4 で処理する方法。
(6)金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハロゲン含有アルコ−ルとの接触反応物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(7)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(8)(1)〜(7)で得られる化合物を、ハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。
これらの固体触媒の合成方法のうち(1)〜(5)に挙げた方法が好ましく用いられ、(5)に挙げた方法が特に好ましく用いられる。
【0025】
また、このような固体触媒成分(A)は、単独でも使用することができるが、無機酸化物、有機ポリマー等の、多孔質物質に含浸させて使用することも可能である。 かかる多孔質無機酸化物としては、SiO2 ,Al2 3 ,MgO,TiO2 ,ZrO2 ,SiO2 −Al2 3 複合酸化物,MgO−Al2 3 複合酸化物,MgO−SiO2 −Al2 3 複合酸化物等が挙げられ、多孔質有機ポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−n,n’−アルキレンジメタクリルアミド共重合体、スチレン−エチレングリコールジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、アクリル酸エチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリエチレングリコールジメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリジン、ポリビニルピリジン、エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ポリプロピレン等に代表されるポリスチレン系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィン系のポリマーを挙げることができる。
これらの多孔質物質のうち、SiO2 ,Al2 3 ,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体が好ましく用いられる。
【0026】
(b)有機アルミニウム化合物(B)
本発明の(B)成分として使用される有機アルミニウム化合物は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものである。
代表的なものを一般式で下記に示す。
8 m AlY3-m
9 10Al−O−AlR1112
(R8 〜R12は炭素数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン、水素またはアルコキシ基を表す。R8 〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、mは2≦m≦3で表される数字である。)有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサンが例示できる。
【0027】
これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、アルキルアルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
【0028】
(c)電子供与体触媒成分(C)
本発明の電子供与体触媒成分(C)は、ノルマルプロピルメチルジメトキシシランである。
【0032】
本発明に供するポリプロピレンを製造するための重合方法において各触媒成分を重合槽に供給する方法としては、チッソ、アルゴン等の不活性ガス中で水分の無い状態で供給する以外は、特に制限すべき条件はない。
【0033】
本発明に供するポリプロピレンを得るための重合方法において重合(本重合)の実施前に以下に述べる予備重合を行ってもかまわない。
【0034】
予備重合は、例えば固体触媒成分(A)および有機アルミニウム化合物(B)の存在下、少量のプロピレンを供給して実施され、スラリー状態で行うのが好ましい。スラリー化するのに用いる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような不活性炭化水素を挙げることができる。また、スラリー化するに際し、不活性炭化水素溶媒の一部または全部に変えて液状のプロピレンを用いることができる。
【0035】
予備重合時の有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、0.5〜700モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、0.8〜500モルが好ましく、1〜200モルが特に好ましい。
【0036】
また、予備重合されるプロピレンの量は、固体触媒成分1g当たり0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
【0037】
予備重合を行う際のスラリー濃度は、1〜500g−固体触媒成分/l−溶媒が好ましく、特に3〜300g−固体触媒成分/l−溶媒が好ましい。予備重合温度は、−20〜100℃が好ましく、特に0〜80℃が好ましい。また、予備重合中の気相部でのプロピレンの分圧は、0.01〜20kg/cm2 が好ましく、特に0.1〜10kg/cm2 が好ましいが、予備重合の圧力、温度において液状であるプロピレンについては、この限りではない。さらに、予備重合時間に特に制限はないが、通常2分から15時間が好適である。
【0038】
予備重合を実施する際、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、プロピレンを供給する方法としては、固体触媒成分と有機アルミニウム化合物を接触させておいた後プロピレンを供給する方法、固体触媒成分とプロピレンを接触させておいた後有機アルミニウム化合物を供給する方法のいずれの方法を用いても良い。また、プロピレンの供給方法としては、重合槽内が所定の圧力になるように保持しながら順次プロピレンを供給する方法、或いは所定のプロピレン量を最初にすべて供給する方法のいずれの方法を用いても良い。また、得られる重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
【0039】
さらに、有機アルミニウム化合物の存在下、固体触媒成分を少量のプロピレンで予備重合するに際し、必要に応じて電子供与体を共存させても良い。使用される電子供与体は、上記の電子供与体触媒成分(C)の一部または、全部である。その使用量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対し、0.01〜400モル、好ましくは0.02〜200モル、特に好ましくは、0.03〜100モルであり、有機アルミニウム化合物に対し、0.003〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜2モルである。
【0040】
予備重合の際の電子供与体の供給方法に特に制限なく、有機アルミニウム化合物と別個に供給しても良いし、予め接触させて供給しても良い。また、予備重合で使用されるプロピレンは、後述する本重合で使用されるプロピレンと同一であっても異なっていても良い。
【0041】
上記のように予備重合を行った後、あるいは、予備重合を行うことなく、例えば前述の固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与体触媒成分(C)からなる重合用触媒の存在下に、プロピレンの本重合を行うことができる。
【0042】
固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および電子供与体触媒成分は、個別に供給しても良いし、いずれか二者を予め接触させて供給しても良い。
【0043】
本重合時の有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、1〜1000モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、特に5〜600モルの範囲が好ましい。
【0044】
また、本重合時に使用される電子供与体触媒成分(C)は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対し、0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、特に好ましくは、0.5〜800モルであり、有機アルミニウム化合物に対し、0.15〜1モルである
【0045】
本重合は、−30〜300℃までにわたって実施することができるが、20〜180℃が好ましい。重合圧力に関しては特に制限は無いが、工業的かつ経済的であるという点で、一般に、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは2〜50kg/cm2 程度の圧力が採用される。重合形式としては、バッチ式、連続式いずれでも可能である。また、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンの如き不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合もしくは溶液重合、重合温度において液状のオレフィンを媒体としたバルク重合または気相重合も可能である。
【0046】
本重合時には重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
【0047】
本発明で用いられるポリプロピレンには本発明の目的を損なわない範囲でエチレンおよびまたは炭素数4以上のα−オレフィンを共重合させることが可能である。
【0048】
本発明で用いられるポリプロピレンには本発明の目的を損なわない範囲で安定剤、滑剤、帯電防止剤、およびアンチブロッキング剤等を添加できる。また、無機および有機の各種充填剤も本発明の目的を損なわない範囲で添加できる。
【0049】
本発明で用いられるポリプロピレンは通常以下に述べる方法にて製膜、延伸加工され二軸延伸フィルムとなる。すなわち、該ポリプロピレンを押出機にて溶融後、Tダイより押出し、冷却ロールにてシート状に冷却固化する。次いで得られたシートを多数の加熱ロールにて縦方向に予熱、延伸し、続いて予熱部、延伸部、および熱処理部からなる加熱炉にて横方向に延伸し、必要に応じてコロナ処理等を実施し、巻き取る。該ポリプロピレンの溶融温度は、分子量によるが、通常230℃〜290℃の範囲で行われる。縦延伸温度は130〜150℃、縦延伸倍率は、4〜6倍で通常行われ、横延伸温度は150〜165℃、横延伸倍率は8〜10倍で通常行われる。
【0050】
以上のようにして製造された二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、従来の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに比較し、良好な延伸性を持ちつつ、優れた剛性および寸法安定性を持つものである。
【0051】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に限定されるものではない。なお実施例および比較例における各項目の測定は以下の方法に従って行った。
【0052】
(1)20℃キシレン可溶部(CXS);重量%
ポリプロピレン5gを沸騰キシレン500mlに完全に溶解させた後20℃に降温し、4時間以上放置する。その後これを析出物と溶液とに濾別し、濾液を乾固して減圧下70℃で乾燥し、その重量を測定して求めた。
(2)105℃キシレン不溶部(XIS);重量%
角五らによりMacromolecules,21,314〜319(1988)に発表された論文に記載の方法に基づいてポリプロピレンを130℃キシレンに溶解させた後、海砂を投入して20℃まで冷却し、更に再加熱した際、105℃では抽出されず、105を越え135℃までで抽出された部分の重量%を求めた。
(3)110Hzの振動数を与えた時の複素弾性率が、1×109 dyne/cm2 を示す温度(T1);℃
ポリプロピレンをJIS K6758−81に従い、厚み0.25mmのプレスシートに成形し、次にシートから長さ40mm、幅2mm、厚み0.25mmの試験片を採取し、該試験片に自動動的粘弾性測定機(RHEOBIBRON
DV-II-EA、オリエンテック(株)製)を用いて110Hzの振動数を与えた時の複素弾性率が1×109 dyne/cm2 を示す温度を測定して求めた。
【0053】
(4)メルトフローレイト(MFR);g/10分
JIS K7210に従い、条件−14の方法で測定した。
(5)ヘイズ;%
ASTM D1103に従い、測定した。
(6)ヤング率;kg/cm2
幅20mmの試験片を縦方向(MD)および横方向(TD)より採取し、引張試験機によりチャック間隔60mm、引張速度5mm/分でS−S曲線をとり、初期弾性率を測定した。
(7)寸法安定性;%
長さ200mm、幅100mmのフィルム試験片を縦方向(MD)より採取し、縦方向に1kgの加重をかけ、40℃で120hr保持した後の伸び率を測定し、寸法安定性とした。
(8)延伸加工性
ポリプロピレンをJIS K6758−81に従い、厚み500μのプレスシートに成形し、次にシートから90mm×90mmの試料を採取し以下の条件で2軸延伸を行い、延伸ムラ、または延伸割れのため良好なフィルムが得られない場合を延伸性不良(×)とし、良好なフィルムが得られる場合を延伸加工性良好(○)とした。
延伸機:東洋精機製二軸延伸試験装置
温度:135℃
余熱時間:3分間
延伸倍率:5×5倍
延伸速度:5m/分
【0054】
実施例1
(a) 有機マグネシウム化合物の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた1000mlのフラスコをアルゴンで置換したのち、グリニャール用削状マグネシウム32.0gを投入した。滴下ロートにブチルクロリド120gとジブチルエーテル500mlを仕込み、フラスコ中のマグネシウムに約30ml滴下し、反応を開始させた。反応開始後、50℃で4時間かけて滴下を続け、滴下終了後、60℃で更に1時間反応を続けた。その後、反応溶液を室温に冷却し、固形分を濾別した。サンプリングした反応溶液中のブチルマグネシウムクロリドを1規定硫酸で加水分解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定して濃度を決定したところ(指示薬としてフェノールフタレインを使用)、濃度は2.1モル/リットルであった。
【0055】
(b) 固体生成物の合成
撹拌機、滴下ロートを備えた500mlのフラスコをアルゴンで置換した後、ヘキサン290ml、テトラブトキシチタン7.7g(23ミリモル)およびテトラエトキシシラン75.0g(360ミリモル)を投入し、均一溶液とした。次に、(a)で合成した有機マグネシウム化合物溶液181mlを、フラスコ内の温度を5℃に保ちながら、滴下ロートから3.5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、室温でさらに1時間撹拌した後室温で固液分離し、ヘキサン300mlで3回、トルエン300mlで3回洗浄を繰り返した後トルエン300mlを加えた。
【0056】
固体生成物スラリーの一部をサンプリングし、組成分析を行ったところ固体生成物中にはチタン原子が2.1重量%、エトキシ基が36.2重量%、ブトキシ基が3.8重量%含有されていた。またスラリー濃度は、0.125g/mlであった。
【0057】
(c) エステル処理固体の合成
スラリーの上澄み液を125mlを抜き取り、フタル酸ジイソブチル45.8ml(171ミリモル)を加え、95℃で30分反応を行った。反応後、固液分離し、トルエン287mlで2回洗浄を行った。
【0058】
(d) 固体触媒成分の合成(活性化処理)
上記(c)での洗浄終了後、フラスコにトルエン74.5ml、フタル酸ジイソブチル2.9ml(11ミリモル)、ブチルエーテル6.3ml(37ミリモル)、および四塩化チタン99ml(0.90モル)を加え、100℃で3時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離した後、同温度でトルエン287mlで2回洗浄を行った。次いで、トルエン74.5ml、ブチルエーテル6.3ml(37ミリモル)、および四塩化チタン50ml(0.45モル)を加え、100℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離した後、同温度でトルエン287mlで4回洗浄を行ったのち、ヘキサン287mlで3回洗浄し、さらに減圧乾燥して固体触媒成分46gを得た。
【0059】
固体触媒成分中には、チタン原子が2.2重量%、フタル酸エステルが10.7重量%、エトキシ基が0.7重量%、ブトキシ基が0.3重量%含まれていた。
【0060】
(e)予備重合
内容積3LのSUS製撹拌機付きオートクレーブに、充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5mmol、ノルマルプロピルメチルジメトキシシラン3.75mmol、および(d)にて調製した固体触媒成分30gを投入し、槽内温度を15℃に保ちながらプロピレン30gを45分間かけて連続的に供給して予備重合を行った。得られた予備重合体スラリーを内容積150LのSUS製撹拌機付きオートクレーブに移送した後、充分に精製された液状ブタン100Lを加えて、10℃以下の温度に保持して保存した。
【0061】
(f)プロピレンの重合
内容積1m3 の撹拌機つき流動床反応器において、重合温度75℃、重合圧力18kg/cm2 G、気相部の水素濃度を0.1%に保持するようにプロピレンおよび水素を供給する条件下で、トリエチルアルミニウム(以下TEAと略す)50mmol/Hr、ノルマルプロピルメチルジメトキシシラン(以下nPMDMSと略す)15mmol/Hrおよび(e)にて調製した予備重合体スラリーを固体触媒成分として2.0g/Hr供給してプロピレンの連続気相重合を行い18.1kg/Hrの粉末重合体を得た。重合槽内保持量と重合体生成量より計算した平均滞留時間は3.3時間であり、固体触媒成分あたりの重合体量(PP/cat)は9050g/gであった。
【0062】
次に該粉末重合体に酸化防止剤を加えて、押出機により造粒し、ペレットを得た。このペレットの基本物性を表1に示す。
【0063】
次に該重合体ペレットを直径65mmのスクリューを有するTダイ押出機を用いて270℃で溶融押出を行い、次いで30℃の冷却ロールで急冷してシートを得た。このシートを145℃で加熱しながら縦延伸し、次いで157℃の熱風で加熱しながら横延伸した後、165℃で緊張熱処理して厚さ20μの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムの物性を表2に示す。
【0064】
実施例2
実施例1(f)のプロピレンの重合においてnPMDMSの供給量を変えた以外は実施例1と同様の方法でペレットを得た。このペレットの基本物性を表1に示す。
実施例1と同様の条件で延伸加工を行った二軸延伸フィルムの物性を表2に示す。
【0065】
実施例3
(a)有機マグネシウム化合物の合成、(b)固体触媒成分の合成、(c)エステル処理固体の合成、(d)固体触媒成分の合成(活性化処理)、および(e)予備重合は実施例1と同様の方法で予備重合体スラリーを得た。
(f)プロピレンの重合
液状プロピレンを媒体としてスラリー重合を行う方法において内容積300Lの撹拌機付き重合反応槽に液状プロピレン57kg/Hr、TEA50mmol/Hr、nPMDMS15mmol/Hr、および実施例1−(e)にて調製した予備重合体スラリーを固体触媒成分として1.0g/Hr供給し、更に重合槽気相部分の水素濃度を0.3%に保持するように水素を供給し、重合温度を70℃に保ち、重合槽内液面レベルが一定に保持されるように重合体スラリーを抜き出す方法で連続重合を行い粉末重合体を得た。
実施例1と同様の条件で押出機により造粒し、ペレットを得た。このペレットの基本物性を表1に示す。
実施例1と同様の条件で延伸加工を行った二軸延伸フィルムの物性を表2に示す。
【0066】
比較例1
実施例1(f)のプロピレンの重合においてnPMDMSの供給量を1.0mmol/Hrに変えた以外は実施例1と同様の方法でペレットを得た。このペレットの基本物性を表1に示す。
実施例1と同様の条件で延伸加工を行った二軸延伸フィルムの物性を表2に示す。
【0067】
比較例2
実施例1(e)の予備重合においてnPMDMSの代わりにシクロヘキシルエチルジメトキシシラン(以下CHEDMSと略す)を用い、実施例1(f)のプロピレンの重合においてnPMDMSの代わりにCHEDMSを用い、供給量を5.0mmol/Hrに変えた以外は実施例1と同様の方法でペレットを得た。このペレットの基本物性を表1に示す。
実施例1と同様の条件で延伸加工を行った二軸延伸フィルムの物性を表2に示す。
【0068】
比較例3
実施例3(e)の予備重合においてnPMDMSの代わりにCHEDMSを用い、実施例3(f)のプロピレンの重合においてnPMDMSの代わりにCHEDMSを用い、供給量を1.25mmol/Hrに変えた以外は実施例3と同様の方法でペレットを得た。このペレットの基本物性を表1に示す。
実施例1と同様の条件で延伸加工を行った二軸延伸フィルムの物性を表2に示す。
【0069】
比較例4
(a)還元生成物の調製
200mlの反応容器をアルゴン置換した後、乾燥ヘキサン40L、四塩化チタン10Lを投入し、この溶液を−5℃に保ち乾燥ヘキサン30L、エチルアルミニウムセスキクロライド23.2Lよりなる溶液を反応系の温度が−30℃以下に保たれるような条件で滴下した。ついで、そのままの温度で2時間攪拌を続けた。反応後静置して得られた還元生成物を0℃で固液分離し、40Lのヘキサンで2回洗浄し16kgの還元生成物を得た。
【0070】
(b)三塩化チタン組成物の調製
(a)で得られた還元生成物をn−デカリンにスラリー化し、スラリー濃度を0.2g/ccとして140℃で2時間熱処理した。反応後上澄み液を抜き出し、40Lのヘキサンで2回洗浄し、三塩化チタン組成物(A)を得た。
【0071】
(c)三塩化チタン固体触媒の調製
(b)で得られた三塩化チタン組成物(A)11kgをトルエン55Lにスラリー化し、三塩化チタン組成物(A)/ヨウ素/ジイソアミルエーテル=1/0.1/1.0モル比になるようにヨウ素及びイシアミルエーテルを投入し、80℃で1時間反応させることにより三塩化チタン固体触媒(B)を得た。
【0072】
(d)プロピレンの重合
内容積200Lの攪拌機付き重合器を充分にプロピレンで置換した後、ヘプタン68L、プロピレン13.6kgを送入した。重合器を60℃に昇温し、圧力が10kg/cm2 G、気相中の水素の濃度が0.5モル%になるようにプロピレン、および水素を送入した。前記三塩化チタン固体触媒(B)を3.1g、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を25g投入して、ヘプタン2Lで洗い込み重合を開始した。以後、温度、圧力、気相組成が一定に維持されるようにモノマーを連続的に供給して8時間重合を続けた。イソブタノールを投入して重合を停止したのち、60℃のヘプタン70Lを加え、30分間攪拌した。遠心分離器で粉末重合体を分離し、乾燥して26.5kgの粉末重合体を得た。次に実施例1と同様な方法でペレットを得た。このペレットの基本物性を表1に示す。次に該重合体ペレットを実施例1と同様の条件で延伸加工を行った二軸延伸フィルムの物性を表2に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0003825482
【0074】
【表2】
Figure 0003825482
【0075】
【発明の効果】
本発明により提供される二軸延伸フィルム用ポリプロピレンを延伸加工して得られる二軸延伸フィルムは剛性および寸法安定性に優れており、包装材料等に好適に使用できる。

Claims (1)

  1. (A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、
    (B)有機アルミニウム化合物、及び
    (C)ノルマルプロピルメチルジメトキシシランである電子供与体からなる触媒系を用いて、本重合時に電子供与体を有機アルミニウム化合物に対し0.15〜1モルを使用して重合されたものであって、
    下記の条件(1)〜(4)を満足する二軸延伸フィルム用ポリプロピレンを延伸加工してなることを特徴とする二軸延伸フィルム。
    (1)20℃キシレン可溶部(CXS)が、3.5重量%以下であること
    (2)20℃キシレン可溶部(CXS)と105℃キシレン不溶部(XIS、重量%)との関係が、XIS≦70.00−3.64CXSであること
    (3)230℃のメルトフローレイト(MFR)が、1.0〜8.0g/10分であること
    (4)JIS K6758−81に従い、厚み0.25mmのプレスシートに成形し、次にシートから長さ40mm、幅2mm、厚み0.25mmの試験片を採取し、該試験片に自動動的粘弾性測定機を用いて110Hzの振動数を与えた時の複素弾性率が1×109dyne/cm2を示す温度が137〜145℃であること
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