JP2005290101A - プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィッシュアイの数が低減したプロピレン系ブロック共重合体を連続重合で製造する方法を提供すること。
【解決手段】付加重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィンとを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が95重量%以上である重合体成分(a)を製造する工程(1)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィンとを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が30〜90重量%である重合体成分(b)を製造する工程(2)を行うプロピレン系ブロック共重合体の連続重合による製造方法であって、工程(1)から工程(2)に移行する際の付加重合用触媒の残余活性が50%以上であるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プロピレン系ブロック共重合体の製造方法に関するものである。
自動車部品、家電部品などに用いられているポリプロピレン系樹脂には、高剛性および高耐衝撃性が求められるため、一般には、結晶性プロピレン系重合体部と非晶性プロピレン系重合体部とを有するプロピレン系ブロック共重合体が用いられている。該プロピレン系ブロック共重合体の製造方法としては、プロピレンを単独重合する第1重合工程を行った後、プロピレンとエチレンとを共重合する第2重合工程を行う方法が多く行われており、例えば、第1重合工程と第2重合工程とをそれぞれバッチ重合で行う方法(例えば、特許文献1参照。)、第1重合工程を連続重合で行い、第2重合工程をバッチ重合で行う方法(例えば、特許文献2参照。)、第1重合工程と第2重合工程とを連続重合で行う方法(例えば、特許文献3参照。)などが知られている。
特開平6−136018号公報 特開昭61−101511号公報 特開平10−168142号公報
経済性の観点から、連続重合による製造方法が好ましいが、従来の連続重合により製造されたプロピレン系ブロック共重合体は、プロピレン系ブロック共重合体中のフィッシュアイにより、製品外観や機械的強度が低下することがあり、十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、フィッシュアイの数が低減したプロピレン系ブロック共重合体を連続重合で製造する方法を提供することにある。
本発明は、付加重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が95重量%以上(但し、当該重合体成分の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)である重合体成分(a)を製造する工程(1)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が30〜90重量%(但し、当該重合体成分の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)である重合体成分(b)を製造する工程(2)を行うプロピレン系ブロック共重合体の連続重合による製造方法であって、工程(1)から工程(2)に移行する際の付加重合用触媒の残余活性が50%以上であるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法にかかるものである。
本発明により、フィッシュアイの数が低減したプロピレン系ブロック共重合体を連続重合で製造する方法を提供することができる。
本発明に用いる付加重合用触媒としては、オレフィン重合に用いられる公知の付加重合用触媒を使用することができ、例えば、チタンとマグネシウムとハロゲンおよび電子供与体を含有する固体触媒成分(以下、触媒成分(A)と称する。)、有機アルミニウム化合物成分および電子供与体成分を接触してなる付加重合用触媒があげることができる。
該触媒成分(A)としては、一般にチタン・マグネシウム複合型と触媒と呼ばれているものとして使用することができ、下記のようなチタン化合物およびマグネシウム化合物、電子供与体を接触させることにより得ることができる。
触媒成分(A)の調整に用いられるチタン化合物としては、例えば、一般式Ti(OR1a4-a(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0≦a≦4の数を表す。)で表されるチタン化合物があげられる。具体的には、四塩化チタン等のテトラハロゲン化チタン化合物;エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド等のトリハロゲン化アルコキシチタン化合物;ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン化合物;トリエトキシチタンクロライド、トリブトキシチタンクロライド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン化合物;テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン化合物をあげることができる。これらチタン化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を組合せて用いてもよい。
触媒成分(A)の調整に用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、マグネシウム−炭素結合やマグネシウム−水素結合を持ち、還元能を有するマグネシウム化合物、あるいは、還元能を有さないマグネシウム化合物等があげられる。還元能を有するマグネシウム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムクロライド等のアルキルマグネシウムハライド化合物;ブチルエトキシマグネシム等のアルキルアルコキシマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムハイドライド等のアルキルマグネシウムハイドライド等があげられる。これらの還元能を有するマグネシウム化合物は、有機アルミニウム化合物との錯化合物の形態で用いてもよい。
一方、還元能を有さないマグネシウム化合物の具体例としては、マグネシウムジクロライド等のジハロゲン化マグネシウム化合物;メトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド等のアルコキシマグネシウムハライド化合物;ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム等のジアルコキシマグネシウム化合物;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これらの還元能を有さないマグネシウム化合物は、予め或いは触媒成分(A)の調製時に、還元能を有するマグネシウム化合物から公知の方法で合成したものであってもよい。
触媒成分(A)の調整に用いられる電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体;有機酸ハライド類をあげることが出来る。これらの電子供与体のうち、好ましくは、無機酸のエステル類、有機酸のエステル類およびエーテル類が用いられる。
無機酸のエステル類としては好ましくは、一般式R2 nSi(OR34-n(R2は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表し、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、nは0≦n<4の数を表す。)で表されるケイ素化合物があげられる。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等があげられる。
有機酸のエステル類として好ましくは、モノおよび多価のカルボン酸エステルが用いられ、それらの例として脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルがあげられる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル等があげられる。好ましくはメタクリル酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステルおよびマレイン酸エステル等のフタル酸エステルであり、さらに好ましくはフタル酸ジエステルである。
エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル等のジアルキルエーテルがあげられる。好ましくはジブチルエーテルと、ジイソアミルエーテルである。
有機酸ハライド類としては、モノおよび多価のカルボン酸ハライド等があげられ、例えば、脂肪族カルボン酸ハライド、脂環式カルボン酸ハライド、芳香族カルボン酸ハライド等があげられる。具体例としては、アセチルクロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、吉草酸クロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、アニス酸クロライド、コハク酸クロライド、マロン酸クロライド、マレイン酸クロライド、イタコン酸クロライド、フタル酸クロライド等をあげることができる。好ましくは塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、フタル酸クロライド等の芳香族カルボン酸クロライドであり、さらに好ましくはフタル酸クロライドである。
触媒成分(A)の調整方法としては、例えば、下記の方法があげられる。
(1)液状のマグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物を析出化剤と反応させたのち、チタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(2)固体のマグネシウム化合物、あるいは固体のマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物をチタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(3)液状のマグネシウム化合物と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて固体状のチタン複合体を析出させる方法。
(4)(1)、(2)あるいは(3)で得られた反応生成物をチタン化合物、あるいは電子供与体およびチタン化合物でさらに処理する方法。
(5)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下アルコキシチタン化合物をグリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物、エーテル化合物および四塩化チタンで処理する方法。
(6)有機ケイ素化合物または有機ケイ素化合物およびエステル化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エーテル化合物と四塩化チタンの混合物、次いで有機酸ハライド化合物の順で加えて処理したのち、該処理固体をエーテル化合物と四塩化チタンの混合物もしくはエーテル化合物と四塩化チタンとエステル化合物の混合物で処理する方法。
(7)金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハロゲン含有アルコ−ルとの接触反応物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(9)(1)〜(8)で得られる化合物を、ハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。
これらの触媒成分(A)の調整方法のうち、好ましくは、(1)〜(6)の方法である。これらの調整は通常、全て窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行われる。
触媒成分(A)の調整において、チタン化合物、有機ケイ素化合物およびエステル化合物は、適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。かかる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロへキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物等があげられる。
触媒成分(A)の調整において、有機マグネシウム化合物を用いる還元反応の温度は、通常、−50〜70℃であり、触媒活性およびコストを高める観点から、好ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35℃である。有機マグネシウム化合物の滴下時間は、特に制限はないが、通常30分〜12時間程度である。また、還元反応終了後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
触媒成分(A)の調整において、還元反応の際に、無機酸化物、有機ポリマー等の多孔質物質を共存させ、固体生成物を多孔質物質に含浸させてもよい。かかる多孔質物質としては、細孔半径20〜200nmにおける細孔容積が0.3ml/g以上であり、平均粒径が5〜300μmであるものが好ましい。該多孔質無機酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZrO2又はこれらの複合酸化物等があげられる。また、多孔質ポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等のポリスチレン系多孔質ポリマー;ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体等のポリアクリル酸エステル系多孔質ポリマー;ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系多孔質ポリマーがあげられる。これらの多孔質物質のうち、好ましくはSiO2、Al23、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体である。
触媒成分(A)は、重合に供する前に、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)し、予備重合触媒成分としてもよい。予備重合されるオレフィンの量は、触媒成分(A)1g当たり、通常、0.1〜200gであり、該予備重合の方法としては、公知の方法があげられ、例えば、触媒成分(A)および有機アルミニウム化合物の存在下、少量のプロピレンを供給して溶媒を用いてスラリー状態で実施する方法があげられる。予備重合に用いられる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの不活性飽和炭化水素及び液状のプロピレンがあげられ、これらは2種類以上混合して用いてもよい。また、予備重合におけるスラリー濃度は、溶媒1L当たりに含まれる触媒成分(A)の重量として、通常1〜500gであり、好ましくは3〜150gである。
予備重合における有機アルミニウム化合物の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり0.1〜700モルであり、好ましくは0.2〜200モルであり、より好ましくは0.2〜100モルである。予備重合において、必要に応じて電子供与体を共存させてもよく、電子供与体の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり、好ましくは0.01〜400モルであり、より好ましくは0.02〜200モルであり、さらに好ましくは0.03〜100モルである。また、予備重合では、水素などの連鎖移動剤を用いてもよい。
予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。また、予備重合時間は、通常2分〜15時間である。
付加重合用触媒の調整に用いられる有機アルミニウム化合物成分は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものであり、代表的なものを一般式で下記に示す。
4 mAlY3-m
56Al−O−AlR78
(R4〜R8は炭素数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素またはアルコキシ基を表す。R4〜R8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、mは2≦m≦3で表される数である。)
有機アルミニウム化合物成分の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド;トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物;テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサン等があげられる。これらの有機アルミニウム化合物のうち、好ましくはトリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、アルキルアルモキサンであり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
付加重合用触媒の調整に用いられる電子供与体成分としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体等の一般的に使用されるものをあげることができる。これらの電子供与体成分のうち好ましくは無機酸のエステル類およびエ−テル類である。
該無機酸のエステル類として好ましくは、一般式R9 nSi(OR104-n(式中、R9は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子、R10は炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0≦n<4である)で表されるケイ素化合物である。具体例としては、テトラブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、 ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
該エ−テル類として好ましくは、ジアルキルエーテル、一般式
Figure 2005290101
(式中、R11〜R14は炭素数1〜20の線状または分岐状のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはアラルキル基であり、R11またはR12は水素原子であってもよい。)で表されるジエーテル化合物があげられる。具体例としては、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等をあげることができる。
これらの電子供与体成分のうち一般式R1516Si(OR172で表される有機ケイ素化合物が特に好ましく用いられる。ここで式中、R15はSiに隣接する炭素原子が2級もしくは3級である炭素数3〜20の炭化水素基であり、具体的には、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。また式中、R16は炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。さらに式中、R17は炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基である。このような電子供与体成分として用いられる有機ケイ素化合物の具体例としては、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
付加重合用触媒の調整において、有機アルミニウム化合物成分の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり、通常、1〜1000モルであり、好ましくは5〜800モルである。また、電子供与体成分の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり、通常、0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、さらに好ましくは0.5〜800モルである。
工程(1)は、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合してなり、プロピレンに基づく単量体単位(プロピレン単位)の含有量が95重量%以上(但し、当該重合体成分の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)である重合体成分(a)を製造する工程である。該オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数が2〜8のオレフィン(但し、プロピレンを除く。)をあげることができ、これらは、1種または2種以上組み合わせて用いられ、好ましくはエチレンである。なお、該プロピレン単位の含有量は、赤外分光法により測定される。
工程(1)は連続重合法で行われ、連続バルク重合法、連続溶液重合法、連続スラリー重合法および連続気相重合法があげられる。該連続バルク重合法とは、液状のオレフィンを媒体として重合を行う方法であり、該連続溶液重合法もしくは該連続スラリー重合法とは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法である。また、該連続気相重合法とは、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中で気体状態の単量体を重合する方法である。これらの重合法は多段で行ってもよく、これらの重合法を任意に組合せてもよい。これら重合法においては、重合体の分子量を調整するために、水素などの連鎖移動剤を用いることができる。
工程(1)は、付加重合用触媒の残余活性が50%以上となる範囲で行う必要がある。ここで残余活性とは、重合体成分(a)の製造後の付加重合用触媒は、重合体成分(a)の製造前の付加重合用触媒に比べ、どの程度の重合活性を有するかを示す指標であり、下記式(1)から求められる値である。該残余活性は、好ましくは55%以上であり、より好ましくは60%以上である。
r = a1/a0×100 (1)
r:残余活性(単位:%)
0:重合体成分(a)製造での付加重合用触媒の初期重合活性
(単位:g/g/hr)
1:重合体成分(a)製造後の付加重合用触媒の重合活性
(単位:g/g/hr)
0およびa1を求める方法としては、重合時間毎の重合体生成量を用いて求める方法や重合時間毎の重合発熱量を用いて求める方法などがある。
重合時間毎の重合体生成量を用いてa0およびa1を求める方法としては、スラリー重合での一例として、以下の方法があげられる。
(イ):バッチ重合であることと重合時間を種々変更すること以外は連続スラリー重合と同重合条件で、重合時間を種々変更したバッチ重合を相当数行い、各バッチ重合での重合体生成量を求める。
(ロ):触媒が一次失活しているとして、上記(イ)での測定結果と下記式(2)から、失活速度定数Kdを求める。
A= a×(1−exp(−Kd×t))/Kd (2)
Kd :失活定数(単位:1/hr)
t :各バッチ重合の重合時間(単位:hr)
A :各バッチ重合での重合触媒1g当たりの重合ポリマー生成量
(単位:g/g)
a :重合速度定数(単位:g/g/hr)
(ハ):上記(ロ)で求めた失活速度定数Kdと下記式(3)および(4)より、a0およびa1を求める。
0 = AI×(1+Kd×tI)/tI (3)
1 = a0×exp(−Kd×tI) (4)
I :連続スラリー重合時での重合触媒1g当たりの重合ポリマー生成量
(単位:g/g)
I :連続スラリー重合での滞留時間(単位:hr)
また、重合発熱量を用いてa0およびa1を求める方法としては、気相重合での一例として、以下の方法があげられる。
(イ):連続気相重合中、触媒の供給および重合体の抜き出しを停止して、所定時間バッチ重合を行い、バッチ重合を開始してからの時間と、その時間における反応器内の温度及び循環ガスの温度を測定する。
(ロ):触媒が一次失活しているとして、上記(イ)での測定結果と下記式(5)から、失活速度定数Kdを求める。
ΔT= ΔTini×exp(−Kd×t) (5)
Kd :失活定数(単位:1/hr)
t :バッチ重合時間(単位:hr)
ΔT :反応器内温度と循環ガス温度との差(単位:℃)
ΔTini:t=0におけるΔT(単位:℃)
(ハ):上記(ロ)で求めた失活速度定数Kdと下記式(6)および(7)より、a0およびa1を求める。
0 = AI×(1+Kd×tI)/tI (6)
1 = a0×exp(−Kd×tI) (7)
I :連続気相重合時での重合触媒1g当たりの重合ポリマー生成量
(単位:g/g)
I :連続気相重合での滞留時間(単位:hr)
なお、重合体成分(a)の製造を多段重合で行った場合、各重合工程での残余活性の積が、重合体成分(a)の製造後の残余活性となる。
工程(1)において、重合温度は、通常0〜300℃であり、好ましくは30〜80℃、より好ましくは50〜70℃である。また、平均滞留時間は、通常0.5〜15時間であり、好ましくは0.5〜5時間である。なお、残余活性を高めるには、重合温度を下げる方が好ましく、平均滞留時間を短くする方が好ましい。
工程(2)は、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合してなり、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が30〜90重量%(但し、当該重合体成分の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)である重合体成分(b)を製造する工程である。該オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数が2〜8のオレフィン(但し、プロピレンを除く。)をあげることができ、これらは、1種または2種以上組み合わせて用いられ、好ましくはエチレンである。なお、該プロピレン単位の含有量は、赤外分光法により測定される。
工程(2)は、重合体成分(a)の存在下に、重合体成分(a)の製造に用いた遷移金属含有の触媒成分(上述の付加重合用触媒では、触媒成分(A)が該当する。)の作用下に共重合を行う。工程(2)は、工程(1)に引き続いて連続重合法で行われ、連続バルク重合法、連続溶液重合法、連続スラリー重合法および連続気相重合法があげられる。該連続バルク重合法とは、液状のオレフィンを媒体として重合を行う方法であり、該連続溶液重合法もしくは該連続スラリー重合法とは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法である。また、該連続気相重合法とは、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中で気体状態の単量体を重合する方法である。これらの重合法は多段で行ってもよく、これらの重合法を任意に組合せてもよい。好ましくは、連続気相重合法である。これら重合法においては、重合体の分子量を調整するために、水素などの連鎖移動剤を用いることができる。
重合体成分(b)の製造において、重合温度は、通常0〜200℃であり、好ましくは50〜90℃である。また、平均滞留時間は、通常0.5〜15時間である。
プロピレン系ブロック共重合体の製造においては、重合体成分(a)の含有量が90〜65重量%であり、重合体成分(b)の含有量が10〜35重量%であるプロピレン系ブロック共重合体の製造が好ましく、重合体成分(a)の含有量が85〜70重量%であり、重合体成分(b)の含有量が15〜30重量%であるプロピレン系ブロック共重合体の製造がより好ましい。但し、重合体成分(a)と重合体成分(b)との合計量を100重量%とする。
本製造方法により得られるプロピレン系ブロック共重合体は、フィッシュアイの数が低減しているため、外観および耐衝撃性に優れ、自動車部品、家電部品などに好適に用いられる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例中における物性測定および評価は、下記の方法で行った。
(1)融解熱量(単位:J/g)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約10mgを50℃から200℃/分の昇温速度で220℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、220℃から70℃/分の降温速度で180℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。
(iii)次いで、180℃から200℃/分の降温速度で50℃まで降温し、降温完了後、1分間、保持した。
(iv)次いで、50℃から16℃/分の昇温速度で180℃まで昇温した。
この(iv)で得られる曲線が融解曲線であり、融解熱量は、融解曲線の95℃の点と、融解曲線が高温側のベースラインに戻る点(約175℃)とを直線で結んだ線を用いて求めた。
(2)極限粘度(単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて、テトラリン溶媒および温度135℃の条件で、濃度0.1、0.2、および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。次に、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版会社刊)第491頁に記載の計算法に従い、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって極限粘度を求めた。
(3)プロピレン単位含有量(単位:重量%)
赤外吸収スペクトル法により求めた。
(4)各重合工程での重合体生成量(単位:重量%)
重合工程(I)で生成した重合体成分量Wa(重量%)および重合工程(II)で生成した重合体成分量Wb(重量%)は、下記式により算出した。
Wa=ΔH2/ΔH1×100
Wb=100−Wa
ΔH1:重合工程(I)後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH2:重合工程(II)後の重合体の融解熱量(J/g)
(5)各重合工程で生成した重合体の極限粘度(単位:dl/g)
重合工程(I)で生成した重合体成分の極限粘度[η]a(dl/g)、重合(II)で生成した重合体成分の極限粘度[η]b(dl/g)は、下記式により算出した。
[η]a=[η]1
[η]b=([η]2−[η]a×Wa/100)×100/Wb
[η]1:重合工程(I)後の重合体の極限粘度(dl/g)
[η]2:重合工程(II)後の重合体の極限粘度(dl/g)
(6)各重合工程で生成した重合体成分のプロピレン単位含有量(単位:重量%)
重合工程(I)で生成した重合体成分のプロピレン単位含有量(単位:重量%)および重合工程(II)で生成した重合体成分のプロピレン単位含有量(単位:重量%)は、下記式により算出した。
Pa=P1
Pb=(P2−Pa×Wa/100)×100/Wb
P1:重合工程(I)後の重合体のプロピレン単位含有量(単位:重量%)
P2:重合工程(II)後の重合体のプロピレン単位含有量(単位:重量%)
(7)残余活性(ar、単位:%)
後述の各重合工程(I)に記載の連続重合において、予備重合触媒成分のスラリーの供給および、重合体粒子の抜き出しを停止し、3時間バッチ重合を行った。重合中、反応器内温度を一定に保つよう調整しながら、バッチ重合を開始してからの時間、反応器内の温度及び循環ガスの温度を測定した。反応器内の温度と循環ガス温度の差をΔTとバッチ重合時間tとが下記式(8)に従うとし、数値解析プログラム(Wave Metrics社製 「IGOR Pro」)を用いて、非線形最小二乗法によって失活速度定数Kd求めた。該Kd値と重合工程(I)での滞留時間とから、下記式(9)により、残余活性arを算出した。
ΔT= ΔTini×exp(−Kd×t) (8)
r = a1/a0×100
= exp(−Kd×tI)×100 (9)
Kd :失活定数(単位:1/hr)
t :バッチ重合時間(単位:hr)
ΔT :反応器内温度と循環ガス温度との差(単位:℃)
ΔTini:t=0におけるΔT(単位:℃)
r:残余活性(単位:%)
0:重合体成分(a)製造での付加重合用触媒の初期重合活性
(単位:g/g/hr)
1:重合体成分(a)製造後の付加重合用触媒の重合活性
0×exp(−Kd×tI)(単位:g/g/hr)
I :重合工程(I)での滞留時間(単位:hr)
(8)フィッシュアイ数(単位:個/100cm2
得られた重合体を、Tダイフィルム成形機(田辺プラスチック(株)製20mmφ押出機、100mm幅Tダイ)を用いて、温度220℃で、厚み80μmのフィルムに成形した。スキャナー(セイコーエプソン(株)製)を用いて、該フィルムの画像をコンピューターに取り込み、次に、画像解析プログラム(旭エンジニアリング社製)を用いて、該画像を解析し、直径200μm以上のフィッシュアイの数を測定した。なお、フィッシュアイの数は、フィルム100cm2あたりの量として表した。
実施例1
[固体触媒成分の準備]
内容積200Lの攪拌機付きSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次ぎに、濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、室温で1時間攪拌し、室温で固液分離した後、トルエン70Lで3回洗浄を行った。次いで、スラリー濃度が0.2Kg/Lになるようにトルエンを加えた後、フタル酸ジイソブチル47.6モルを加え、95℃で30分間反応を行った。反応後、固液分離し、トルエンで2回洗浄を行った。次いで、フタル酸ジイソブチル3.13モル、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン274モルを加え、105℃で3時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで2回洗浄を行った。次いで、スラリー濃度を0.4Kg/Lに調整した後、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った後、さらにヘキサン70Lで3回洗浄し、減圧乾燥して固体触媒成分11.4Kgを得た。
[予備重合]
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン3.75ミリモルと上記固体触媒成分15gを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン15gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った後、予備重合スラリーを内容積150Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン100Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
[重合工程(I)]
内容積1440Lと980Lの攪拌機付き流動床反応器を2基連結してなる装置の前段の流動床反応器に、プロピレン、水素、トリエチルアルミニウム、シクロヘキシルエチルジメトキシシランおよび予備重合触媒成分のスラリーを連続的に供給し、重合温度:65℃、重合圧力:1.8MPa、循環ガス風量:100m3/時間、反応器内のプロピレン濃度:82体積%、水素濃度:6体積%、トリエチルアルミニウムの供給量:36.6ミリモル/時間、シクロヘキシルエチルジメトキシシランの供給量:5.4ミリモル/時間、予備重合触媒成分のスラリーの供給量:固体触媒成分換算として1.07g/時間の条件で重合を行い、平均滞留時間が2.9時間となるように、前段の流動床反応器から後段の流動床反応器へ連続的に重合体粒子を移送した。
[重合工程(II)]
後段の流動床反応器に、プロピレン、エチレン、水素、トリエチルアルミニウムおよびシクロヘキシルエチルジメトキシシランを連続的に供給し、重合温度:65℃、重合圧力:1.4MPa、循環ガス風量:150m3/時間、反応器内のプロピレン濃度:79体積%、エチレン濃度:15体積%、水素濃度:3.4体積%の条件で重合を行い、平均滞留時間:2.3時間となるように、後段の流動床反応器から連続的に重合体粒子を抜き出し、プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子を得た。該プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子と重合工程(I)で得られた重合体粒子(前段の流動床反応器から移送した重合体粒子)の評価結果、および用いた触媒の残余活性評価結果を表1に示す。
実施例2
重合工程(I)での平均滞留時間を3.3時間、重合工程(II)での平均滞留時間を2.8時間とする以外は、実施例1と同様に行い、プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子を得た。該プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子と重合工程(I)で得られた重合体粒子の評価結果、および用いた触媒の残余活性評価結果を表1に示す。
比較例1
[重合工程(I)]
内容積1440Lと980Lの攪拌機付き流動床反応器を2基連結してなる装置の前段の流動床反応器に、プロピレン、水素、トリエチルアルミニウム、シクロヘキシルエチルジメトキシシランおよび予備重合触媒成分のスラリーを連続的に供給し、重合温度:90℃、重合圧力:1.8MPa、循環ガス風量:100m3/時間、反応器内のプロピレン濃度:87体積%、水素濃度:3体積%、トリエチルアルミニウムの供給量:37.4ミリモル/時間、シクロヘキシルエチルジメトキシシランの供給量:5.5ミリモル/時間、予備重合触媒成分のスラリーの供給量:固体触媒成分換算として1.03g/時間の条件で重合を行い、平均滞留時間が3.3時間となるように、前段の流動床反応器から後段の流動床反応器へ、連続的に重合体粒子を移送した。
[重合工程(II)]
後段の流動床反応器に、プロピレン、エチレン、水素、トリエチルアルミニウムおよびシクロヘキシルエチルジメトキシシランを連続的に供給し、重合温度:65℃、重合圧力:1.4MPa、循環ガス風量:150m3/時間、反応器内のプロピレン濃度:73体積%、エチレン濃度:23体積%、水素濃度:3.5体積%の条件で重合を行い、平均滞留時間:3.0時間となるように、後段の流動床反応器から連続的に重合体粒子を抜き出し、プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子を得た。該プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子と重合工程(I)で得られた重合体粒子の評価結果、および用いた触媒の残余活性評価結果を表1に示す。
比較例2
重合工程(I)での平均滞留時間を7.5時間、重合工程(II)での平均滞留時間を4.3時間とする以外は、比較例1と同様に行い、プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子を得た。該プロピレン−エチレンブロック共重合体粒子と重合工程(I)で得られた重合体粒子の評価結果、および用いた触媒の残余活性評価結果を表1に示す。
Figure 2005290101
実施例での残余活性とフィッシュアイ数の関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 付加重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が95重量%以上(但し、当該重合体成分の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)である重合体成分(a)を製造する工程(1)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が30〜90重量%(但し、当該重合体成分の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)である重合体成分(b)を製造する工程(2)を行うプロピレン系ブロック共重合体の連続重合による製造方法であって、工程(1)から工程(2)に移行する際の付加重合用触媒の残余活性が50%以上であるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  2. プロピレン系ブロック共重合体中の重合体成分(a)の含有量が90〜65重量%であり、重合体成分(b)の含有量が10〜35重量%である(但し、重合体成分(a)と重合体成分(b)との合計量を100重量%とする。)請求項1に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。



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