JP2009167431A - 予備重合触媒成分の製造方法、予備重合触媒成分および予備重合触媒成分を用いるプロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents

予備重合触媒成分の製造方法、予備重合触媒成分および予備重合触媒成分を用いるプロピレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重合活性の経時変化が小さく且つ重合活性の高い重合触媒が得られる予備重合触媒成分の製造方法を提供する。
【解決手段】下記予備重合用触媒(II)を用いて、プロピレンを単独重合あるいはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合する予備重合触媒成分の製造方法。
予備重合用触媒(II):下記成分(A)と成分(B)と成分(C)とを、成分(B)のチタン原子1モル当たり、成分(C)のアルミニウム原子が1.5モル以下となる接触処理量で接触処理してなる接触処理物(2)に、更に成分(C)を接触処理してなる予備重合用触媒であって、予備重合用触媒中の成分(C)由来のアルミニウム原子含有量が、接触処理物(2)中の成分(B)に由来のチタン原子1モル当たり、1〜30モルである予備重合用触媒
成分(A):電子供与体化合物
成分(B):TiとMgとハロゲンとを含有する固体触媒成分
成分(C):トリアルキルアルミニウム
【選択図】なし

Description

本発明は、予備重合触媒成分の製造方法、予備重合触媒成分および該予備重合触媒成分を用いるプロピレン系重合体の製造方法に関するものである。
プロピレン系重合体は、耐熱性、剛性に優れるため、バンパーやドアトリムなどの自動車部品、食品包装容器などの各種包装容器など、種々の用途に用いられている。該プロピレン系重合体の製造方法としては、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与性化合物を含有する固体成分に、有機アルミニウム、次いでt−ブチルエチルジメトキシシランを接触させて得られた予備重合用触媒を用いてプロピレンの予備重合を行った後、該予備重合により得られた固体触媒成分を重合触媒成分として用いて、プロピレンとエチレンとを共重合する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−168142号公報
しかしながら、予備重合により得られた固体触媒成分(以下、予備重合触媒成分と称する。)を重合触媒成分として用いた従来のプロピレン系重合体の製造では、重合経過により、触媒の重合活性が低下することがあり、また、重合活性が低いことがあった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、重合活性の経時変化が小さく、かつ重合活性の高い重合触媒が得られる予備重合触媒成分の製造方法、該製造方法により製造されてなる予備重合用触媒成分、および、該予備重合触媒成分を用いるプロピレン系重合体の製造方法を提供することにある。
本発明の第一は、下記成分(A)と成分(B)と成分(C)とを接触処理してなる接触処理物であって、成分(C)の接触処理量が成分(B)中のチタン原子1モル当たり1.5モル以下である接触処理物(2)に、更に成分(C)を接触処理してなる予備重合用触媒を用いて、プロピレンの単独重合あるいはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合する予備重合触媒成分の製造方法にかかるものである。
成分(A):電子供与体化合物
成分(B):チタンとマグネシウムとハロゲンとを含有する固体触媒成分
成分(C):トリアルキルアルミニウム
本発明の第二は、上記製造方法により製造されてなる予備重合触媒成分にかかるものである。
本発明の第三は、上記予備重合触媒成分を用いるプロピレン系重合体の製造方法にかかるものである。
本発明により、重合活性の経時変化が小さく、かつ重合活性に優れる重合触媒が得られる予備重合触媒成分の製造方法、該製造方法により製造されてなる予備重合触媒成分、および、該予備重合触媒成分を用いるプロピレン系重合体の製造方法を提供することができる。
成分(A)の電子供与体化合物成分としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体等の一般的に使用されるものをあげることができる。これらの電子供与体成分のうち好ましくは無機酸のエステル類およびエ−テル類である。これらは、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
該無機酸のエステル類として好ましくは、一般式R1 nSi(OR24-n(式中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子、R2は炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0≦n<4である)で表されるケイ素化合物である。具体例としては、テトラブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
該エ−テル類として好ましくは、ジアルキルエーテル、一般式
Figure 2009167431
(式中、R3〜R6は炭素数1〜20の線状または分岐状のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはアラルキル基であり、R3およびR4は水素原子であってもよい。)で表されるジエーテル化合物があげられる。具体例としては、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等をあげることができる。
これらの電子供与体成分のうち一般式R78Si(OR92で表される有機ケイ素化合物が特に好ましく用いられる。ここで式中、R7はSiに隣接する炭素原子が2級もしくは3級である炭素数3〜20の炭化水素基であり、具体的には、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。また式中、R8は炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。さらに式中、R9は炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基である。このような電子供与体成分として用いられる有機ケイ素化合物の具体例としては、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
成分(B)としては、一般にチタン・マグネシウム複合型触媒と呼ばれているものとして使用することができ、下記のようなチタン化合物およびマグネシウム化合物、電子供与体を接触させることにより得ることができる。
成分(B)の調整に用いられるチタン化合物としては、例えば、一般式Ti(OR10a4-a(R10は炭素数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0≦a≦4の数を表す。)で表されるチタン化合物があげられる。具体的には、四塩化チタン等のテトラハロゲン化チタン化合物;エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド等のトリハロゲン化アルコキシチタン化合物;ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン化合物;トリエトキシチタンクロライド、トリブトキシチタンクロライド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン化合物;テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン化合物をあげることができる。これらチタン化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を組合せて用いてもよい。
成分(B)の調整に用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、マグネシウム−炭素結合やマグネシウム−水素結合を持ち、還元能を有するマグネシウム化合物、あるいは、還元能を有さないマグネシウム化合物等があげられる。還元能を有するマグネシウム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムクロライド等のアルキルマグネシウムハライド化合物;ブチルエトキシマグネシム等のアルキルアルコキシマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムハイドライド等のアルキルマグネシウムハイドライド等があげられる。これらの還元能を有するマグネシウム化合物は、有機アルミニウム化合物との錯化合物の形態で用いてもよい。
一方、還元能を有さないマグネシウム化合物の具体例としては、マグネシウムジクロライド等のジハロゲン化マグネシウム化合物;メトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド等のアルコキシマグネシウムハライド化合物;ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム等のジアルコキシマグネシウム化合物;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これらの還元能を有さないマグネシウム化合物は、予め或いは成分(B)の調製時に、還元能を有するマグネシウム化合物から公知の方法で合成したものであってもよい。
成分(B)の調整に用いられる電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体;有機酸ハライド類をあげることが出来る。これらの電子供与体のうち、好ましくは、無機酸のエステル類、有機酸のエステル類およびエーテル類が用いられる。
無機酸のエステル類としては好ましくは、一般式R11 nSi(OR124-n(R11は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表し、R12は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、nは0≦n<4の数を表す。)で表されるケイ素化合物があげられる。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等があげられる。
有機酸のエステル類として好ましくは、モノおよび多価のカルボン酸エステルが用いられ、それらの例として脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルがあげられる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル等があげられる。好ましくはメタクリル酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステルおよびマレイン酸エステル等のフタル酸エステルであり、さらに好ましくはフタル酸ジエステルである。
エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル等のジアルキルエーテルがあげられる。好ましくはジブチルエーテルと、ジイソアミルエーテルである。
有機酸ハライド類としては、モノおよび多価のカルボン酸ハライド等があげられ、例えば、脂肪族カルボン酸ハライド、脂環式カルボン酸ハライド、芳香族カルボン酸ハライド等があげられる。具体例としては、アセチルクロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、吉草酸クロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、アニス酸クロライド、コハク酸クロライド、マロン酸クロライド、マレイン酸クロライド、イタコン酸クロライド、フタル酸クロライド等をあげることができる。好ましくは塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、フタル酸クロライド等の芳香族カルボン酸クロライドであり、さらに好ましくはフタル酸クロライドである。
成分(B)の調整方法としては、例えば、下記の方法があげられる。
(1)液状のマグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物を析出化剤と反応させたのち、チタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(2)固体のマグネシウム化合物、あるいは固体のマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物をチタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(3)液状のマグネシウム化合物と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて固体状のチタン・マグネシウム複合体を析出させる方法。
(4)(1)、(2)あるいは(3)で得られた反応生成物をチタン化合物、あるいは電子供与体およびチタン化合物でさらに処理する方法。
(5)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下アルコキシチタン化合物をグリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物、エーテル化合物および四塩化チタンで処理する方法。
(6)有機ケイ素化合物または有機ケイ素化合物およびエステル化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エーテル化合物と四塩化チタンの混合物、次いで有機酸ハライド化合物の順で加えて処理したのち、該処理固体をエーテル化合物と四塩化チタンの混合物もしくはエーテル化合物と四塩化チタンとエステル化合物の混合物で処理する方法。
(7)金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハロゲン含有アルコ−ルとの接触反応物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(9)(1)〜(8)で得られる化合物を、ハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。
これらの成分(B)の調整方法のうち、好ましくは、(1)〜(6)の方法である。これらの調整は通常、全て窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行われる。
成分(B)の調整において、チタン化合物、有機ケイ素化合物およびエステル化合物は、適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。かかる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロへキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物等があげられる。
成分(B)の調整において、有機マグネシウム化合物を用いる還元反応の温度は、通常、−50〜70℃であり、触媒活性およびコストを高める観点から、好ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35℃である。有機マグネシウム化合物の滴下時間は、特に制限はないが、通常30分〜12時間程度である。また、還元反応終了後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
成分(B)の調整において、還元反応の際に、無機酸化物、有機ポリマー等の多孔質物質を共存させ、固体生成物を多孔質物質に含浸させてもよい。かかる多孔質物質としては、細孔半径20〜200nmにおける細孔容積が0.3ml/g以上であり、平均粒径が5〜300μmであるものが好ましい。該多孔質無機酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZrO2又はこれらの複合酸化物等があげられる。また、多孔質ポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等のポリスチレン系多孔質ポリマー;ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体等のポリアクリル酸エステル系多孔質ポリマー;ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系多孔質ポリマーがあげられる。これらの多孔質物質のうち、好ましくはSiO2、Al23、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体である。
成分(C)の有機アルミニウム化合物は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものであり、代表的なものを一般式で下記に示す。
13 mAlY3-m
1415Al−O−AlR1617
(R13〜R17は炭素数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素またはアルコキシ基を表す。R13〜R17はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、mは2≦m≦3で表される数である。)
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド;トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物;テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサン等があげられる。これらの有機アルミニウム化合物のうち、好ましくはトリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、アルキルアルモキサンであり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。これらは、1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の予備重合触媒成分の製造方法では、下記予備重合用触媒(I)および/または予備重合用触媒(II)を用いて、プロピレンを単独重合あるいはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合する。
予備重合用触媒(I):下記成分(A)と成分(B)とを、成分(C)の不存在下で接触処理してなる接触処理物(1)に、成分(C)を接触処理してなる予備重合用触媒であって、予備重合用触媒中の成分(C)由来のアルミニウム原子含有量が、接触処理物(1)中の成分(B)に由来のチタン原子1モル当たり、1〜30モルである予備重合用触媒 予備重合用触媒(II):下記成分(A)と成分(B)と成分(C)とを、成分(B)のチタン原子1モル当たり、成分(C)のアルミニウム原子が1.5モル以下となる接触処理量で接触処理してなる接触処理物(2)に、必要に応じて更に成分(C)を接触処理してなる予備重合用触媒であって、予備重合用触媒中の成分(C)由来のアルミニウム原子含有量が、接触処理物(2)中の成分(B)に由来のチタン原子1モル当たり、1〜30モルである予備重合用触媒
接触処理物(1)の製造において、成分(A)の接触処理量と成分(B)の接触処理量との割合としては、成分(B)のチタン原子1モル当たり、通常、成分(A)は0.5〜30モルである。該値量は、重合活性の経時変化をより小さくする観点から、好ましくは0.9モル以上であり、より好ましくは1.2モル以上であり、更に好ましくは1.5モル以上である。また、該値は、重合活性を高める観点から、好ましくは20モル以下であり、より好ましくは10モル以下である。
予備重合用触媒(I)の製造における成分(C)の接触処理量としては、予備重合用触媒中の成分(C)由来のアルミニウム原子含有量が、接触処理物(1)中の成分(B)由来のチタン原子1モル当たり、1〜30モルである。該値は、重合活性の経時変化をより小さくする観点および重合活性を高める観点から、好ましくは20モル以下であり、より好ましく15モル以下であり、更に好ましくは10モル以下である。また、該値は、重合活性を高める観点から、好ましくは2モル以上である。
接触処理物(2)の製造において、成分(C)の接触処理量は、成分(B)中のチタン原子1モル当たり、成分(C)のアルミニウム原子として、1.5モル以下であり、好ましくは1モル以下であり、より好ましくは0.5モル以下であり、更に好ましくは0.1モル以下である。該値が大きすぎると、重合活性の経時劣化が大きくなることがある。
接触処理物(2)の製造において、成分(A)の接触処理量と成分(B)の接触処理量との割合としては、成分(B)のチタン原子1モル当たり、通常、成分(A)は0.5〜30モルである。該値量は、重合活性の経時変化をより小さくする観点から、好ましくは0.9モル以上であり、より好ましくは1.2モル以上であり、更に好ましくは1.5モル以上である。また、該値は、重合活性を高める観点から、好ましくは20モル以下であり、より好ましくは10モル以下である。
接触処理物(2)の製造において、成分(A)と成分(B)と成分(C)とを接触処理する方法としては、成分(A)と成分(B)と成分(C)とを同時に接触処理する方法;成分(A)と成分(B)を接触処理した後、成分(C)を接触処理する方法;成分(A)と成分(C)を接触処理した後、成分(B)を接触処理する方法;成分(B)と成分(C)を接触処理した後、成分(A)を接触処理する方法などを挙げることができ、好ましくは、成分(A)と成分(B)を接触処理した後、成分(C)を接触処理する方法;成分(A)と成分(C)を接触処理した後、成分(B)を接触処理する方法である。
予備重合用触媒(II)の製造における成分(C)の総接触処理量としては、予備重合用触媒中の成分(C)由来のアルミニウム原子含有量が、接触処理物(2)中の成分(B)由来のチタン原子1モル当たり、1〜30モルである。該値は、重合活性の経時変化をより小さくする観点および重合活性を高める観点から、好ましくは20モル以下であり、より好ましく15モル以下であり、更に好ましくは10モル以下である。また、該値は、重合活性を高める観点から、好ましくは2モル以上である。
予備重合用触媒(I)および(II)の製造において、成分(A)と成分(B)とを接触処理後に成分(C)を接触させる場合は、成分(A)と成分(B)とを接触後、エージング処理を行なうことが好ましい。
予備重合用触媒の製造において、成分(A)、成分(B)、成分(C)、接触処理物(1)および接触処理物(2)の接触処理は、通常、−15〜70℃で行われる。好ましくは−10〜30℃であり、より好ましくは−5〜15℃である。
本発明の予備重合触媒成分の製造方法において、予備重合用触媒を用いたプロピレン単独重合あるいはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)との共重合は(以下、該単独重合および該共重合を予備重合と称する。)、公知の重合方法、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの不活性飽和炭化水素を溶媒とした溶媒重合法;塊状重合法;気相重合法などで行われる。また、これら重合法は、回分式でも、半回分式でもよく、連続式でもよい。溶媒を用いて予備重合を行う場合、溶媒単位体積当たりの成分(C)の使用量は、通常5〜100mmol/Lであり、好ましくは10mmol/L〜80mmol/Lであり、さらに好ましくは15mmol/L〜60mmol/Lである。
予備重合に用いられるオレフィンとしては、通常、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜12(ただし3を除く)のオレフィンが用いられ、好ましくはエチレンである。
予備重合における重合体の重合量は、予備重合用触媒中の成分(B)1g当たり、通常0.1〜200gであり、好ましくは0.2〜50g、より好ましくは0.5〜10g、更に好ましくは1.0〜5である。予備重合圧力は、通常2.0MPa以下であり、好ましくは1.0MPa以下である。予備重合温度は、通常−20〜80℃であり、好ましくは−10〜40℃、更に好ましくは−10℃〜20℃である。また、予備重合では、水素などの連鎖移動剤を用いてもよい。
本発明の予備重合触媒成分(I)および/または(II)を用いるプロピレン系重合体の製造では、通常、該予備重合触媒成分と有機アルミニウム化合物と電子供与体化合物とを接触処理してなる重合触媒が用いられる。該有機アルミニウム化合物の例示および好適な有機アルミニウム化合物は、成分(C)の説明で記載した化合物と同様である。また、該電子供与体化合物の例示および好適な電子供与体化合物は、成分(B)の説明で記載した化合物と同様である。
予備重合触媒成分(I)および/または(II)を用いるプロピレン系重合体の製造において、有機アルミニウム化合物の使用量は、予備重合触媒成分中の成分(B)のチタン原子1モル当たり、通常1〜1000モルであり、好ましくは5〜800モルである。また、電子供与体化合物の使用量は、予備重合触媒成分中の成分(B)のチタン原子1モル当たり、通常0.03〜500モルであり、好ましくは0.05〜200モルであり、より好ましくは0.1〜100モルである。予備重合触媒成分、有機アルミニウム化合物および電子供与体化合物との接触処理は、通常、−30〜150℃で行われる。好ましくは−15〜120℃であり、より好ましくは−15〜100℃である。また、予備重合触媒成分、有機アルミニウム化合物および電子供与体化合物は、あらかじめ接触処理してから重合反応器に供給してもよく、各成分を個別に、あるいは、任意の成分をあらかじめ接触してから供給してもよい。
本発明の予備重合触媒成分(I)および/または(II)を用いるプロピレン系重合体の製造方法としては、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法および気相重合法があげられる。該バルク重合法とは、液状のオレフィンを媒体として重合を行なう方法であり、該溶液重合法もしくは該スラリー重合法とは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行なう方法である。
また該気相重合法とは、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中で気体状態の単量体を重合する方法である。これらの重合法を任意に組合せてもよく、これらの重合法は、回分式、半回分式、連続式のいずれでもよい。また、重合温度は、通常、0〜200℃であり、好ましくは、20〜100℃であり、重合圧力は、通常、常圧〜10MPa、好ましくは0.2〜8MPaである。なお、重合体の分子量を調整するために、水素などの連鎖移動剤を用いることができる。
本発明の予備重合触媒成分(I)および/または(II)を用いるプロピレン系重合体の製造方法は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体などのプロピレンに基づく単量体単位の含有量が50重量%以上(ただし、当該重合体を100重量%とする。)であるプロピレン系重合体の製造に用いられる。該プロピレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体は、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体であってもよい。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例中における物性測定および評価は、下記の方法で行った。
(1)固体触媒成分中のチタン含有量(単位:重量%)
固体触媒成分約20ミリグラムに、2規定の希硫酸約30ミリリットルを加え、攪拌、超音波処理を行った後、更に3%過酸化水素水約3ミリリットルと2規定の希硫酸約17ミリリットルを加え、攪拌、超音波処理を行い、液状試料を得た。該液状試料を分光光度法により分析し、410nmの特性吸収からチタン原子含有量を求めた。
(2)失活速度定数(Kd)
重合中のプロピレン供給量(単位:g)を重合体生成量(単位:g)として、下記式より失活速度定数(Kd)を算出した。該値が小さいほど、重合時間の経過による触媒の重合活性の低下が小さい。
PP/Y = A0×(1−exp(−Kd×t))/Kd
PP :重合体生成量 (単位:g)
Y :固体触媒成分使用量(単位:g)
0 :初期重合速度 (単位:g/g/時間)
Kd :失活速度定数 (単位:1/時間)
t :重合時間 (単位:時間)
(3)重合体生成量(単位:g/g)
ポリプロピレンの生成量を、予備重合触媒成分の成分(B)の単位重量当たりの量として表した。本値が大きいほど、重合活性に優れる。
(4)極限粘度(単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて、テトラリン溶媒および温度135℃の条件で、濃度0.1、0.2、および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。次に、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版会社刊)第491頁に記載の計算法に従い、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって極限粘度を求めた。
実施例1
[固体触媒成分(成分(B))の準備]
内容積200Lの攪拌機付きSUS製反応容器を窒素で置換した後、脱水・脱気処理したヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次ぎに、濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、室温で1時間攪拌し、室温で固液分離した後、トルエン70Lで3回洗浄を行った。次いで、スラリー濃度が0.2Kg/Lになるようにトルエンを加えた後、フタル酸ジイソブチル47.6モルを加え、95℃で30分間反応を行なった。反応後、固液分離し、トルエンで2回洗浄を行なった。次いで、フタル酸ジイソブチル3.13モル、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン274モルを加え、105℃で3時間反応を行なった。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度にてトルエン90Lで2回洗浄を行なった。次いで、スラリー濃度を0.4Kg/Lに調整した後、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行なった。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行なった後、さらにヘキサン70Lで3回洗浄し、減圧乾燥して固体触媒成分11.4Kgを得た。該固体触媒成分のチタン原子含有量は2.0重量%であった。
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン0.816mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.63g(チタン原子換算で0.680mmol)を添加し、5分間エージングさせて、シクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、トリエチルアルミニウム2.72mmolを添加し、液温度を15℃に保ちながらプロピレン4.08gを約20分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(1)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(1)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(1)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
内容積3Lの攪拌機付きSUS製反応容器を真空状態にした後、20℃で、脱水・脱気処理したn−ヘキサン1Lを仕込み、攪拌し、トリエチルアルミニウム2.6mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン0.26mmolとを添加し、次に、上記予備重合触媒成分(1)のスラリーを予備重合触媒成分(1)として17.3mg添加した。水素を分圧で0.03MPaと、プロピレン100gとを仕込み、次に、75℃に約10分間で昇温し、圧力が0.6MPaとなるようにプロピレンを連続供給し、2時間重合を行った。重合によりポリプロピレン210gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
実施例2
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン1.92mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.53g(チタン原子換算で0.639mmol)を添加し、5分間エージングさせて、シクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、トリエチルアルミニウム2.56mmolを添加し、液温度を15℃に保ちながらプロピレン3.83を約22分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(2)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(2)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(2)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(2)のスラリーを、予備重合触媒成分(2)として15.1mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。重合によりポリプロピレン152gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
実施例3
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン150ccを仕込み、液温度を15℃で、トリエチルアルミニウム0.250mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン0.626mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.50g(チタン原子換算で0.626mmol)を添加し5分間エージングさせて、トリエチルアルミニウムとシクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、トリエチルアルミニウム2.25mmolを添加し、液温度を15℃に保ちながらプロピレン3.75gを約22分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(3)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(3)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(3)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(3)のスラリーを、予備重合触媒成分(3)として13.0mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。重合によりポリプロピレン166gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
実施例4
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、トリエチルアルミニウム0.217mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン1.74mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.30g(チタン原子換算で0.543mmol)を添加し、5分間エージングさせて、トリエチルアルミニウムとシクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、トリエチルアルミニウム1.95mmolを添加し、液温度を15℃に保ちながらプロピレン3.25gを約19分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(4)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(4)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(4)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(4)のスラリーを、予備重合触媒成分(4)として16.5mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。重合によりポリプロピレン158gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
実施例4
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、トリエチルアルミニウム0.229mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン2.75mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.37g(チタン原子換算で0.572mmol)を添加し、5分間エージングさせて、トリエチルアルミニウムとシクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、トリエチルアルミニウム2.06mmolを添加し、液温度を15℃に保ちながらプロピレン3.43gを約25分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(5)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(5)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(5)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(5)のスラリーを、予備重合触媒成分(5)として16.7mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。重合によりポリプロピレン159gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
比較例1
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、トリエチルアルミニウム2.17mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン0.217mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.30g(チタン原子換算で0.543mmol)を添加して、トリエチルアルミニウムとシクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、液温度を15℃に保ちながらプロピレン3.25gを約25分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(6)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(6)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(6)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(6)のスラリーを、予備重合触媒成分(6)として16.5mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。重合によりポリプロピレン195gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
比較例2
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、トリエチルアルミニウム2.5mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン2.5mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.50g(チタン原子換算で0.626mmol)を添加して、トリエチルアルミニウムとシクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、液温度を15℃に保ちながらプロピレン3.75gを約19分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(7)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(7)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(7)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(7)のスラリーを、予備重合触媒成分(7)として19mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。
重合によりポリプロピレン162gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
比較例3
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、トリエチルアルミニウム1.78mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン5.68mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分1.70g(チタン原子換算で0.710mmol)を添加し、トリエチルアルミニウムとシクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、液温度を15℃に保ちながらプロピレン4.25を約29分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(8)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(8)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(8)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.5g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(8)のスラリーを、予備重合触媒成分(8)として20.5mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。重合によりポリプロピレン165gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
比較例4
[予備重合触媒成分の製造]
内容積200ccの攪拌機付きガラス製丸底フラスコに、攪拌させながら、脱水・脱気処理したn−ヘキサン100ccを仕込み、液温度を15℃で、トリエチルアルミニウム0.501mmolとシクロヘキシルエチルジメトキシシラン0.625mmolを添加し、更に、上記固体触媒成分3.00g(チタン原子換算で1.25mmol)を添加し、トリエチルアルミニウムとシクロヘキシルエチルジメトキシシランと上記固体触媒成分とを接触処理した。次に、液温度を15℃に保ちながらプロピレン7.5gを約40分間かけて連続的に供給した後、30分間エージングして予備重合を行ない、予備重合体(以下、予備重合触媒成分(9)と称する。)のスラリーを得た。該スラリーから予備重合触媒成分(9)の一部を取り出して脱灰処理して、予備重合触媒成分(9)中のポリプロピレンの割合を求めたところ、2.4g−ポリプロピレン/g−固体触媒成分であった。
[重合]
予備重合触媒成分(1)のスラリーに代えて、予備重合触媒成分(9)のスラリーを、予備重合触媒成分(9)として20mg用いる以外は、実施例1の重合と同様に行った。
重合によりポリプロピレン131gを得た。得られたポリプロピレンの物性および重合中のプロピレン供給速度から求めた失活速度定数(Kd)の算出結果を表1に示す。
Figure 2009167431

Claims (6)

  1. 下記予備重合用触媒(II)を用いて、プロピレンを単独重合あるいはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合する予備重合触媒成分の製造方法。
    予備重合用触媒(II):下記成分(A)と成分(B)と成分(C)とを、成分(B)のチタン原子1モル当たり、成分(C)のアルミニウム原子が1.5モル以下となる接触処理量で接触処理してなる接触処理物(2)に、更に成分(C)を接触処理してなる予備重合用触媒であって、予備重合用触媒中の成分(C)由来のアルミニウム原子含有量が、接触処理物(2)中の成分(B)に由来のチタン原子1モル当たり、1〜30モルである予備重合用触媒
    成分(A):電子供与体化合物
    成分(B):チタンとマグネシウムとハロゲンとを含有する固体触媒成分
    成分(C):トリアルキルアルミニウム
  2. 接触処理物(2)が、成分(B)のチタン原子1モル当たり、成分(A)を0.5〜30モル接触処理してなる接触処理物である請求項1に記載の予備重合触媒成分の製造方法。
  3. プロピレンの単独重合量あるいはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。
    )との共重合量が、成分(B)1g当たり0.1〜200gである請求項1または2に記載の予備重合触媒成分の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されてなる予備重合触媒成分。
  5. 請求項4に記載の予備重合触媒成分を用いるプロピレン系重合体の製造方法。
  6. 有機アルミニウム化合物と電子供与体化合物と請求項4に記載の予備重合触媒成分とを接触処理してなる重合触媒を用いるプロピレン系重合体の製造方法。
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