JP3825256B2 - 帯状物、および帯状物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術的分野】
本発明は、機織された膨張可能な帯状物、とりわけ自動車用の安全ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】
DE−PS2008048(Rutzki)から、ホース状に構成され、部分領域に縫い付けられた引き裂き折り目を有する帯状物が公知である。この引き裂き折り目は、衝突の際にベルトによって及ぼされる張引力により引き裂かれ、これと結合された弁が開放してホース状ベルトの部分領域が膨張するように構成されている。これにより、事故前には扁平なホースとして存在するベルトが部分的に急激に膨張する。この事故前のベルトの幅は膨張したベルトの周囲の半分に相当する。これによりこの帯状物は、単純なベルトに対してある程度有利な「衝突クッション」となる。しかし車両乗員を十分に保護することは、ホース状ベルトの部分的に膨張される程度が不十分であるため満足のいくように保証されない。同様に前記引用された刊行物において、膨張可能なクッション(これはベルト部分においてベルト周囲に配置されている)によりベルトホース周囲を拡大することは欠点である。なぜなら相応のクッションが非常時に必ずしも正しい位置に存在せず、そのため本来の目的のために使用できないからである。
【0003】
国際特許出願PCT/US95/10695(Simula)から、膨張可能なホース状サポートシステムが公知である。ここに示されたサポートシステムは、桶状ベルトとホース状ベルトとからなり、ここで桶状ベルトは例えば膨張可能な風船からなり、この風船は膨張中にその長さを短縮し、これにより衝突機能の他にベルト張引機能も有する。ここではとりわけ乗客の腹部が保護される。しかし肩および頭部領域は、張引されたベルトによる肩の付加的保持の他には考慮されない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ほぼ無制限に、すなわちできるだけ位置に依存しないで、事故状況での最適の衝突保護を保証し、安価にかつ帯状物の確実な製造を可能にするベルトないし帯状物、並びにその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題の解決手段】
この課題は請求項1の方法および/または請求項2の方法、および請求項6の帯状物により解決される。
【0006】
【実施の形態】
請求項1による本発明の帯状物の製造方法は(概略として)次の各ステップを有する:即ち、2層(上側層または第1層、下側層または第2層)の、3つまたはそれ以上の部分(少なくとも左外側部、中央部、少なくとも右外側部)の織布を機織するステップ、2つ以上の外側部をジグザグ状に折り返し、それぞれ一番外側の外側部をそれぞれ一番内側の外側部に重ね合わせ、このことを2つ以上の外側部が、中央部に当接する外側部に重なるまで行うステップ、中央部に当接する外側部を折り目ゾーンの1つに沿って、外側の、第2層から離れる方向を指す中央部の表面まで折り返し、他方の外側部を他の折り目ゾーンに沿って、第1層から離れる方向を指す中央部の他方の外側表面に折り返し、これにより縦糸方向で見て扁平に圧縮されたジクザグの形状が得られるようにするステップ、そして中央部を“左へ”裏返し(まくり返し umstuelpen)、これにより前は相互に離れる方向を指していた、中央部の一方の表面と他方の表面を相互に向き合わせ、これらが折り返された外側部を間に閉じ込めるようにするステップを有する。このようにして製造された帯状物により有利には各任意の帯状物/エアバッグ構成が実現される。選択された外側部の数に依存せずに、衝突の結果生じるベルト風船の膨張により達成されるベルトエアバッグ容積は種々異なる大きさとなる。これにより種々異なる車両形式、座席配置構成、乗客の大きさ、受け止めるべき身体重量等に対応することができる。さらなる利点は、外側部を付加的に個別に、成織状態で外側の縁部から内側の中央部へ“縫い付ける”ことにより、帯状体の長手方向で不均一なベルトバッグ容積を形成することができることである(図6から図8,および図10)。このことにより、通常ドア被覆材に収納されるサイドエアバッグ、および通常ドア上の屋根枠に収納されるヘッドエアバッグを省略することができる。乗客はただ1つの安全ベルトに組み込まれたエアバッグ=ベルトバッグにより、骨盤領域、側面領域、胸部領域、頭部領域で自分の姿勢に依存せず、リラックスした姿勢であろうが、寝ていようが、正しく着座していようが確保され、車両部材の衝突による損傷から保護される。本発明の方法およびこれにより製造された帯状体の特別の利点は、複数の高価なエアバッグシステム(乗客当たり少なくとも1つのドアエアバッグおよび1つのサイド/ヘッドエアバッグ)を省略できることである。上記の“縫い付け”は実際の縫い合わせ、すなわち縫い目を付けることに限定されるものではない。これにより次のような全体的手段が意味されるものである。すなわち、上側織布層を下側織布層と個別に局所的に結合するのに適する一般的な手段を意味するものであり、例えば織り込み、接着、溶着等を意味する。特に有利で安価なのは、上側織布層と下側織布層とをジャカード織り機で所期のように織り込むことにより“縫い付け”を作製することである。
【0007】
請求項2による本発明の帯状物の製造方法は(概略)次のステップを含む。すなわち、2層(上側層、下側層)の3部分(左外側部、中央部、右外側部)の織布を機織するステップ、一方の外側部を一方の折り目ゾーンに沿って中央部の一方の表面に折り返すステップ、他方の外側部を他方の折り目ゾーンに沿って中央部の他方の表面に折り返し、これにより縦糸方向で見て、扁平に圧縮されたZ字形の形態が得られるようにするステップ、中央部を“左へ”裏返し、これにより中央部の以前は一方と他方の表面が相互に向き合うようにし、それが折り返された外側部を間に閉じ込めるようにするステップである。
【0008】
織布ないし成織体(Weben)はジャカードワイド織り機またはニードルバンド織り機で作製することができる。外側部の折り返しは詳細には説明しないが、簡単にそれに適した装置で行われる。中央部を“左へ”裏返(まくり返)すことは、適切な長さに帯状物を2つの中央部層の間で、先端にグリッパの設けられたロッド等を挿入し、グリッパが帯状物の他方の開口端部に再び出現するようにし、グリッパへ内側に裏返された中央部がこの上に畳み込まれた外側部と共に挟み込み、適切に対向保持してロッドをグリッパと共に再び挿入方向とは反対に、中央部の内側から抜き取ることにより行われる。ロッドがグリッパと共に完全に抜き取られると、完全に“左へ”裏返された帯状物が存在し、この帯状物では外側部が中央部の織布層の間に収容されている。従って本発明の方法は非常に簡単で、滑らかな帯状物が得られるので有利である。
【0009】
本発明の帯状物の横糸はマルチフィラメント糸だけ、またはマルチフィラメント糸と単繊維(モノフィラメント)とすることができる。単繊維を横糸として使用することでより硬く、より柔軟な帯状物が得られる。もちろん本発明の帯状物にシャフトおよびシャフトコントロール、さらにモノグラム等を相応に収容して織り込むことができる。ユーザの希望にはここでは何の制限もない。
【0010】
本発明の方法の有利な展開形態は請求項2に記載されている。ここではとりわけ縦糸が細い畳み込みゾーン領域において、中央部の縦糸の繊度ないし細さ(Feinheit)のほぼ半分の繊度を有する。例えば中央部の縦糸がdtex1100の繊度を有するならば、細い畳み込みゾーンの縦糸はdtex550の繊度を有する。このことの利点は、全体的に見て畳み込みゾーンの材料が多重に積層されて存在する畳み込み状態において中央部が2重に存在するのに対し、幅全体にわたって畳み込まれた帯状物の厚さがほぼ均等であることである。なぜなら、畳み込みゾーンの縦糸は中央部の縦糸の約半分の太さだからである。
【0011】
本発明のさらなる有利な構成では、2つの織布層が中央部の中央領域において、実質的に縦糸方向に延在する少なくとも2つの引裂糸により相互に結合されている。
【0012】
本発明の別の有利な構成では、帯状物の織布に折り返しの前に被覆部が設けられる。この被覆部は織布の通気性を格段に低下させ、膨張された帯状物の内圧を長時間にわたって維持する。このことはとりわけ、車両が衝突直後に停止せず、宙返りしたり、またはさらに回転して移動する場合に特に重要である。このような場合には車両乗客を長時間にわたって車両座席に安全に保持しなければならないからである。
【0013】
本発明の有利な改善形態および特徴は従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明を以下、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0015】
図1は、2つの織布層「上層」Oと「下層」Uを有するよう機織(成織)された後の帯状物1を示す。この2つの織布層はさらに3つのほぼ同じ部分「左外側部」LA、「中央部」M、および「右外側部」RAに区分される。二重矢印Kの方向に延在するそれぞれの縦糸の太さ、および個々の縦糸は図示を簡単にするため、概略的に示されている。中央部Mにおいては、縦糸が外側部LAとRAにおける縦糸よりも格段に太いことがわかる。左外側部の左側端縁では上側織布層Oと下側織布層Uとが相互に織り込まれている。この領域は参照符号LKにより示されている。これらに対向して端縁LRがあり、この端縁に沿って上側織布層Oと下側織布層Uの右外側部RAが相互に織り込まれている。中央部Mから外側部RAおよびLAへの移行領域には畳み込みゾーンFZがある。この畳み込みゾーンでは縦糸が中央部Mにおけるよりも細く、外側部LAおよびRAにおけるよりも粗い。細部Xが図2に拡大して示されており、後で説明する。帯状物は図1の示されているようにして織り機から出る。
【0016】
図2は図1の細部Xを概略的に極端に拡大して示す。ここには縦糸の太さの差が示されている。左側には左端縁LKが示されており、この左端縁に沿って上側織布層Oと下側織布層Uとが相互に織り込まれている。織られた帯状物の左外側から図2の右側に示した対称軸までに、帯状物の次の領域が示されている:左側に左外側部LAがあり、それに左畳み込みゾーンFZが続いている。この左畳み込みゾーンはさらに中央部Mに移行する。この実施例では個々の縦糸は図示されておらず、その太さが斜線により示された帯状物の厚さにより表されている。図2の実施例には種々異なる縦糸直径がよく判るように表されている。例えば縦糸直径は左外側部では主要部の縦糸直径の1/10である。畳み込みゾーンFZで縦糸直径は、中央部M領域の縦糸直径の約半分の大きさである。縦糸直径が異なる場合の利点ないし種々の機能の関係が図4の説明に詳細に示されている。畳み込みゾーンFZのほぼ中央に、より詳細には中央部Mに概略的に示した引裂糸AFの位置が示されている。この引裂糸は上側織布部Oと下側織布部Uとを相互に結合し、設定可能な破壊負荷の下で引き裂かれる。これにより個々の織布層は爆発矢印Eの方向(図4)に移動し、帯状物は膨張されたエアバッグへと開放する。外側部LAとRAが比較的厚く選択された適用例に対しては、引裂糸AF(図4)の位置をやや内側にずらすことができ、これにより比較的大きな着ぶくれに対抗することができる。すなわちこの場合、上側織布層と下側織布層は相互にやや遠ざけることができる。なぜなら織布が畳み込みゾーン(図4の上方と下方へ)へやや撓むことができるからである。
【0017】
図3aから図3cは、外側部を中央部へ折り返す様子を概略的に示す。図示を簡単にするため、ここでは縦糸の直径差は示されていない。図3aから図3cで縦糸は一貫して同じ直径により概略的に示されている。図3aは、未だ相互に折り返されていない織布部LA,MおよびRAを示す。図3bでは、すでに左外側部LAが中央部Mに折り返されている。同時に図3bは右側に方向矢印を示し、この矢印は右外側部RAの折り返し方向を表す。参照符号FZはここでは畳み込みゾーンFZの位置を表す。図3cは、両方の外側部を折り返した後の帯状物を示す。その他、左外側部LAが中央部の上方へ、また右外側部RAが中央部の下方へ来るかどうかは重要でない。折り返しは同じように反対方向に行うことができる。このことは技術的に何の差違もない。図3cに示した折り返し図は基本的にS字形の図であるが、Z字形に反対に折り返すこともできる。すでに述べたようにここには何の相違もない。図4の拡大図はここでは文字Z字形の形状による折り返し方向に関連するものである。
【0018】
図4は、大きく拡大した断面図に実際の縦糸直径差を示す。ここには「左へ」裏返された後の本発明の帯状物が簡単に概略化して示されている。ここにも中央部Mと左の畳み込みゾーンFZが示されており、中央部は中央で切断(して図示)されている。本発明の帯状物1は中央軸ないし点PSを中心に点対称に構成されているから、図4では簡素化の理由から実質的に左側にだけ参照符号が付されている。もちろん図4に、裏返された帯状物の実際の構成を図示することはできないことは理解されるであろう。なぜならここに図示した中空部Hは、引裂糸の領域ないし反転個所で見たものであり、実際には存在しないからである。すなわち帯状物は裏返された後に束ねられるか、または他の形式で扁平化され、固定される。このようにして各材料は自分に使用可能なスペースを求め、最適に密の実装が得られる。しかしこれは図示されていない。1つには1つの図に図示するのが非常に困難であり、2つにはここからは有用な情報が殆ど得られないからである。
【0019】
図4の左側に付加的に引裂糸ZRFが示されている。この引裂糸は畳み込みゾーンFZで織布層を相互に結合する。この変形実施例は、容積のあるインレットがはめ込まれた場合に発生し得る「膨らみ」を回避したい場合、および帯状物を小型にしたい場合に使用することができる。
【0020】
図5には本発明の帯状物の一部分が概略的に上からの平面図で示されている。帯状物の中央部には2つの破線SFが示されており、この破線は搬送ガスホースに対する随意のギャザー(縫い縮め Abnaehern)の位置を示す。このギャザーは帯状物に沿って裏返された帯状物へ、ミシンにより縫い込むことができる。2つのギャザーの間には前記の搬送ガスホースが挿入され、このホースは帯状物に爆発の際、爆発ガスを供給する。
【0021】
図6は、請求項9に従って作製された本発明の実施例を示す。図面は簡素化の理由から非常に概略的に示されており、最終製品ではなく種々の方法段階およびそれらの特徴を示す。ここには基本的に、安全ベルトモジュールに取り付けるため準備された安全ベルトが示されている。この安全ベルトの重要な特徴は、これが膨張可能な領域(ABB)と、レトラクタに巻き取られる領域(ARB)を有することである。その結果、安全ベルトは巻き取り領域ARBでは膨張領域ABBよりも薄くなっている。図6の上部部分は、本発明の帯状物の前の実施例からの膨張領域ABBを示す。この領域は、中央部Mと、外側部LAおよびRAと、並びに前の実施例からの畳み込みゾーンに延在する引裂縫い目AFを有する。この形式に織られた帯状物から無限材料の所定の長さが引き出されると、ラインQLに互いに隣接する巻き取り領域ARBと膨張領域ABBが定められる。次に横縫い目LSNとRSNが帯状物の外側部に、裁縫方向のラインQLに一列に設けられる。この縫い目は密な縫い目であり、外側部の成織層を相互に密に閉鎖する。横縫い目LSNおよびRSNを取り付ける前または後に、長手縫い目3と11が取り付けられる。この長手縫い目は巻き取り領域ARBに沿って伸張している。縫い目LSN,RSN,3,および11は左外側部でも右外側部と同じように帯状物の外側縁部と共に、前に切断線によりマークした端縁領域ASを包囲する。この端縁領域はそれぞれ2点鎖線により概略的に示されている。領域ASが切り出されると、残った外側部LAとRAは、前にとりわけ図3a、3b、3cで説明した別の実施例のようにZ字状に折り畳まれ、帯状物全体が方法ステップ「中央部の裏返し」に従い左に裏返される。このことにより、エアバッグ織布を内側に包み込む膨張領域が得られる。一方、巻き取り領域ARBで裏返されたベルトはバッグ織布を含んでいない。次に帯状物の中央部MはラインQLに沿って中央縫い目によりガス密に閉鎖される。こうしてモジュール製造のために取り付け可能な帯状物が得られる。
【0022】
図7は、図6の変形実施例と実質的に同じ本発明の帯状物の構造形態を示す。しかし主要な相違は、ここでは織り込みの後に外側部の上側ウェブ層と下側ウェブ層を結合するために裁縫が使用されるのではなく、上側ウェブ層と下側ウェブ層はこの領域で横断線QLに沿ってすでに機織の際に形成される。すなわち帯状物の外側部LAとRAの上層と下層は横糸方向に延在する横縫い目7,9によって、帯に相互に織り込まれ、これによりすでに機織の際に上側織成層と下側織成層との形状結合が存在する。同じ織り込みは、畳み込みゾーンに沿って巻き取り領域でも行うべきであり、これによりストライプ(帯状部)5と11では畳み込みゾーンに沿って機織の際に上側織成層と下側織成層が形成される。ここでハッチングにより示した、上側織成層と下側織成層との結合領域は図6の実施例で取り付けられた長手縫い目および横縫い目を置換する。モジュールでの取り付け可能状態までの帯状物のさらなる処理は図6の実施例の説明と同じであり、そこから理解される。図6と図7の実施例では領域ARBに引裂糸AFを必要としない。
【0023】
次に図8は概略的に、請求項11の方法により作製された帯状物の実施例を示す。図8の上部には、すでに裏返された本発明の帯状物が示されており、従って外側部LAとRAは内側に来ている。帯状物13には(図8では下方から)、裏返された帯状物の内室へ、すなわち矢印MEにより示された中央面において裏返された双方の外側部LAとRAの間に長さEBだけ挿入される。この長さEBは挿入された帯状物13の終端領域の長さを表すものである。簡単にするため異なる織布厚に異なる線太さは付されておらず、同じ線太さで示されている。とりわけ図2と図4の説明からわかるように、ここには織布(成織物)の重要な厚さの差が存在する。単層の帯状物を2層織布の2つの層の間に収容の後、これらの層は1つまたは複数の縫い目VNにより縫い合わされる。この縫い目は、層の重なり領域EBが湾曲できる程度の間隔をおいている。図8に示された実施例は4つの横縫い目VNを有しており、この横縫い目は帯状物の移行領域EBの撓み柔軟性を損なわない。ここで選択された4つの縫い目VNの数と領域EBないしその長さは単に例として選択されたものである。ユーザの特別の機能に応じて終端領域ないしその長さ/幅比を図8とは別にすることもできる。横縫い目VNの数とその相互間隔もモジュール製造業者の要請に応じて変化することができる。
【0024】
種々異なる領域を有する上記の帯状体を組み立てるために、これは巻き取り領域ARBでレトラクタ(巻込み装置)に向かって配向して取り付けられ、他方の端部は膨張領域ABBと共にガス供給部と接続される。これについての詳細は従来技術から公知であり、ここでは詳細に説明しない。
【0025】
図9には圧縮して機織(成織)された帯状体が示されており、この帯状体は中央部M、右外側部RA1,RA2および左外側部LA1,LA2を有する。図10は、織られた2層帯状物を横断面で(非常に概略的に)示すものである。これによれば外側部は矢印U1,U2の順序で折り返されており、これにより外側部は最終的に中央部Mの上側と下側に来る。これ以降のステップはすでに説明した実施例から明らかである。
【0026】
織り機から送出される帯状物の輪郭は図9に破線で示されている。外側部の領域にある太く縁取りされたライン50は上記の「縫い縮め」(Abnaeher)をマークする。輪郭とライン50との間にあるハッチング領域は切り抜かれる。これについての詳細は図6の説明と同様である。基本的に「切り抜かれた」帯状物バッグ幅の形状全体は例えば頭部領域での大きな容積に対しても可能であり、閉鎖リードの領域での「殆どゼロ」の容積も可能である。それぞれの構成は顧客のプロフィル(体型輪郭)に調和される。
【0027】
図9に示した帯状物の左端部は領域100を有し、この領域は使用時に乗客の頭部周辺で膨張される。また右端部は領域100に対し横断面が比較的に小さな領域200を含む。この領域は乗客の胸部領域および骨盤領域に配置されて、膨張する。
【0028】
図10に示した帯状物は次の5つの部分に分けられる:LA1,LA2,M,RA2およびRA1である。部分LA1とRA1は矢印U1に従い約180゜(図10で)夫々時計方向に折り返され、部分LA2ないしRA2に夫々重なる。次に「パケット」(セット)LA1/LA2とRA1/RA2とがそれぞれ中央部M上に折り返される。これにより個々の部分はジグザグ状に相互に重なる。
【0029】
帯状物のさらに以降の工程は、上記の3つの部分を有する帯状物の変形実施例と同様に経過する。本発明によれば要求に応じて別の外側部LA3,LA4,...RA3,RA4を設けることも可能である(7つの部分、9つの部分等)。これは膨張されるベルト空気バッグの規模をそれぞれの要求に従い個別に構成するためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、方法ステップ「機織」の後の本発明(請求項2)の帯状物の概略的斜視図である。
【図2】 図2は、図1の図示の部分Xを拡大して示す断面図である。
【図3】 図3aから図3cは、外側部を折り返すときおよび折り返した後の、請求項2による本発明の帯状物の概略図である。
【図4】 図4は、方法ステップ「裏返し」の後の、図3aから3cによる本発明の帯状物の概略的拡大図である。
【図5】 図5は、本発明の帯状物(図1)の一部を概略的に示す平面図である。
【図6】 図6は、請求項10により作製された帯状物の別の形態を示す図である。
【図7】 図7は、請求項11により作製された帯状物の別の形態を示す図である。
【図8】 図8は、請求項12により作製された帯状物の別の形態を示す図である。
【図9】 図9は、それぞれ2つの外側部と中央部とを有する適合して織り込まれた帯状物の概略図である。
【図10】 図10は、外側部が最終的に中央部まで順次連続して折り返される様子を概略的に示す図である。

Claims (11)

  1. 全ベルト用の膨張可能な帯状物(1)の製造方法において、
    以下の各ステップ:
    1.1 上側層(O)と下側層(U)とを備える2層織布を下記の構造を有するように機織するステップ:
    a)前記織布は少なくとも1つの左外側部(LA)と、中央部(M)と、少なくとも1つの右外側部(RA)とからなり、ここで少なくとも1つの左外側部(LA)、中央部(M)および少なくとも1つの右外側部(RA)はほぼ同じ幅であり、
    b)外側部の縦糸は中央部の縦糸よりも細く、
    c)縦糸が、幅広の中央部(M)に対して細い畳み込みゾーン(FZ)においては中央部(M)の縦糸よりも細く、しかし外側部(LA,RA)における縦糸よりも太く、ただし前記細い畳み込みゾーンは、中央部(M)とこれに隣接する外側部(LA,RA)との間にそれぞれ存在するものであり、
    d)上側層(O)と下側層(U)とは外側部の最外縁部の領域で相互に織り込まれており、
    e)上側層(O)と下側層(U)とは、2つの細い畳み込みゾーンの領域において少なくとも、縦糸方向に延在する少なくとも1つの引裂糸(AF)によって相互に結合されている構造を有するように機織するステップ;
    1.2 最外の外側部(RA1,LA1)を隣接部分(RA2,M,LA2)に折り返し、重ね合わせ、全ての部分(RA1,RA2,M,LA2,LA1)が順次、中央部(M)の上方ないし下方に来るようにし、これにより縦糸方向で見て、扁平に圧縮されたジグザグ形状が得られるようにするステップ;
    1.3 中央部を「左へ」裏返し、以前は相互に向き合っていた中央部の上側層(O)と下側層(U)とが外側に来て、折れ返された外側部(RA1,RA2,LA2,LA1)と中央部(M)がそれらに間に包囲されるようにするステップ;
    を有することを特徴とする製造方法。
  2. 2層織布は次の構造を有する:すなわち、
    a)織布のバンド幅は左外側部(LA)、中央部(M)、および右外側部(RA)に区分されており、3つの部分はほぼ同じ幅を有し、
    b)外側部(RA,LA)の縦糸は、中央部(M)の縦糸の繊度(dtex)の約1/10の繊度(dtex)を有しており、
    c)それぞれ中央部(M)と外側部(RA,LA)との間にある2つの細い畳み込みゾーン(FZ)においては縦糸が中央部(M)における縦糸よりも細く、中央部(M)の縦糸の繊度(dtex)の約1/2の繊度(dtex)を有しており、
    d)2つの織布層は、外側部(RA,LA)の外側縁部領域では相互に織り込まれており、
    e)2つの織布層(O,U)は2つの細い畳み込みゾーン(FZ)の領域では少なくとも、実質的に縦糸方向に延在する少なくとも1つの引裂糸(AF)によって相互に結合されている構造を2層織布が有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 2つの織布層は中央部(M)の中央領域において、縦糸方向に延在する少なくとも2つの引裂糸によって相互に織り込まれている、ことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 織布は折り返しの前に外側が被覆される、ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 全ベルト用の帯状物であって、機織された2層織布(上側層、下側層)を有し、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法により織られた帯状物において、
    以下の各特徴;
    a)織布のバンド幅は、左外側部(LA)、中央部(M)、右外側部(RA)に区分されており、3つの部分はほぼ同じ幅を有し、
    b)外側部の縦糸は中央部の縦糸よりも細く、
    c)縦糸は、幅広の中央部(M)に対して細い畳み込みゾーン(FZ)においては中央部(M)の縦糸よりも細く、しかし外側部(LA,RA)におけるよりも太く、ただし前記畳み込みゾーンは、中央部(M)とこれに隣接する外側部(LA,RA)との間にそれぞれ存在するものであり、
    d)上側層(O)と下側層(U)は外側部の最外縁部領域で相互に織り込まれており、
    e)上側層(O)と下側層(U)は2つの細い畳み込みゾーン(FZ)の領域では少なくとも、縦糸方向に延在する少なくとも1つの引裂糸(AF)によって相互に結合されており、
    f)左外側部(LA)は左畳み込みゾーン(FZ)に沿って中央部(M)の上側層(O)に折り返されており、
    g)右外側部(RA)は右畳み込みゾーンに沿って中央部(M)の下側層(U)に折り返されており、これにより縦糸方向で見て、扁平に圧縮されたZ字形の形状が得られ、
    h)中央部(M)は「左へ」裏返されており、これにより以前は相互に向き合っていた中央部(M)の上側層(O)と下側層(U)が外側に来て、折り返された外側部(RA,LA)と中央部(M)はそれらの間に包囲されること、
    を有するよう構成されることを特徴とする帯状物。
  6. 2つの細い畳み込みゾーン(FZ)に延在する引裂糸(AF)は織られているか、または縫われている、ことを特徴とする請求項5記載の帯状物。
  7. 織布は外側が被覆されている、ことを特徴とする請求項5または6記載の帯状物。
  8. 横糸はマルチフィラメントおよび単繊維からなる、請求項5から7までのいずれか1項記載の帯状物。
  9. 横糸はマルチフィラメントまたは単繊維からなる、請求項5から7までのいずれか1項記載の帯状物。
  10. ラポールに織られた帯状物の製造方法において、
    ・ステップ「1.1 2層織布の機織」を、2層織布が次のさらなる特徴を有するように実行し:すなわち、
    1.1 f)織布は、一部が異なって織られた2つの部分に区分されており、すなわち帯状物の巻き取り領域(ARB)と帯状物の膨張領域(ABB)とに区分されており、
    g)帯状物の外側部(LA,RA)の上側層(O)と下側層(U)とは織られた横縫い目(7,9)によって横糸方向に、所定の帯に沿って巻き取り領域(ARB)と膨張領域(ABB)との間で相互に織り込まれており、
    h)帯状物の外側部(LA,RA)の上側層(O)と下側層(U)とは縦縫い目(5,11)によって縦糸方向に、巻き取り領域(ARB)において畳み込みゾーン(FZ)に直接並んで延在する帯に沿って相互に織り込まれているように実行し、
    ・ステップ「1.3中央部(M)の裏返し」の前に次のステップを実行する:すなわち、
    1.31 それぞれ織られた縦縫い目(5,11)および横縫い目(7,9)により残りの帯状物から区分された外側部(AS)(図7)を切断するステップを実行する、
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  11. 延長された部分帯状物のステップ「1.3中央部(M)の裏返し」の後に次のステップを実行する:すなわち、
    1.5 延長された帯状物(13)の所定の長さの端部領域(EB)を、2層織布の外側部(LA/RA)を有する上側層(O)と、2層織布の外側部(RA/LA)を有する下側層(U)との間に挿入し、
    1.6 今や重なり合う中央部(M)の上側層を、外側部(RA/LA)、延長された帯状物の所定の長さの端部領域(EB)、外側部(LA/RA)を有する中央部(M)下側層と、1つまたは複数の縫い目(VN)によって縫い合わせ、当該縫い目は層の重なり合う端部領域(EB)の撓み柔軟性が維持される程度に間隔をおかれるようにするステップを実行する、
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
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