JP3824403B2 - 3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法 - Google Patents
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相間移動触媒、重合触媒、農薬、医薬などの中間体として有用な3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法としては、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを混酸ニトロ化、還元し、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンとした後、さらにジアゾ化し、ヨウ化カリウムまたはヨウ化水素酸と反応する方法や、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを発煙硫酸中、ヨウ素と反応する方法が知られている。
しかしながら、前者は極めて工程数が多い上に、作業が煩雑且つ爆発の危険性があり、工業化は困難である。また、後者は多量の酸廃物処理が必要なことや、収率が65%以下と低いため、その改良が強く望まれていた。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便、安全、高収率且つ酸廃物などの問題の無い、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの新規な製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、簡便、安全、高収率で、且つ、酸廃物などの問題の無い、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの新規な製造方法を見いだすに至った。
すなわち、本発明は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを、一塩化ヨードと反応させることを特徴とする3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを一塩化ヨードと反応させる、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの簡便、安全、高収率且つ酸廃物などの問題の無い新規な製造方法である。
本発明において、一塩化ヨードの使用量は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンに対して、1倍モル以上であれば良く、経済性の面から、好ましくは1.0〜1.2倍モルである。
【0006】
本発明の反応は、溶媒の存在下に行ってもよい。反応溶媒としては、一塩化ヨードに対して不活性な、酢酸、プロピオン酸、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、ジオキサン等が使用できる。均一系で効率よく反応させるためには、酢酸またはプロピオン酸が特に好ましい。
【0007】
反応温度は、20℃以上であればよく、常圧下では、20℃〜130℃、好ましくは、60℃〜90℃である。20℃以下では反応速度が極めて遅い。
なお、130℃以上では一塩化ヨードの気化がおこるため、加圧下に反応させることが必要である。
また、反応時間を短縮する必要がある場合には、二塩化亜鉛、四塩化チタン、二塩化錫、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸触媒を添加してもよい。
【0008】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に詳しく述べるが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン214g、50%の一塩化ヨード/塩酸水溶液323gを、酢酸300gに加え、75℃〜85℃にて11時間反応した。反応後、室温まで冷却し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液50gを加えた。その後、トルエン300g及び水330gを加え、静置したところ、オイル層と水層に分離した。オイル層を取り、水200gで洗浄した後、20mmHgの減圧下で蒸留し、沸点74℃〜75℃の留出分として、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼン329gを得た(収率:96.8%)。
【0009】
実施例2
実施例1において、酢酸の代わりにプロピオン酸を用いて、同様に反応および後処理を行った。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は97.0%で、良好な結果を得た。
【0010】
実施例3
実施例1において、さらに、触媒として二塩化亜鉛1gを加えて、5時間反応し、同様に後処理した。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は96.5%で、良好な結果を得た。
【0011】
実施例4
実施例2において、反応を窒素雰囲気下、オートクレーブ中3〜3.5気圧下、150℃にて2時間行った後、同様に処理した。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は97.8%で、良好な結果を得た。
【0012】
比較例
特開平9−227421号に記載の実施例1の方法、つまり、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを発煙硫酸中、ヨウ素との反応を追試したが、3,5− ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は61.5%と低かった。また、廃硫酸処理に多量のカセイソーダ水が必要な上に、発熱の為に、作業が困難であった。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、相間移動触媒、重合触媒、農薬、医薬などの中間体として有用な3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの簡便、安全、高収率、且つ、酸廃物などの問題の無い製造方法を提供することを可能にした。
【発明の属する技術分野】
本発明は、相間移動触媒、重合触媒、農薬、医薬などの中間体として有用な3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法としては、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを混酸ニトロ化、還元し、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンとした後、さらにジアゾ化し、ヨウ化カリウムまたはヨウ化水素酸と反応する方法や、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを発煙硫酸中、ヨウ素と反応する方法が知られている。
しかしながら、前者は極めて工程数が多い上に、作業が煩雑且つ爆発の危険性があり、工業化は困難である。また、後者は多量の酸廃物処理が必要なことや、収率が65%以下と低いため、その改良が強く望まれていた。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便、安全、高収率且つ酸廃物などの問題の無い、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの新規な製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、簡便、安全、高収率で、且つ、酸廃物などの問題の無い、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの新規な製造方法を見いだすに至った。
すなわち、本発明は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを、一塩化ヨードと反応させることを特徴とする3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを一塩化ヨードと反応させる、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの簡便、安全、高収率且つ酸廃物などの問題の無い新規な製造方法である。
本発明において、一塩化ヨードの使用量は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンに対して、1倍モル以上であれば良く、経済性の面から、好ましくは1.0〜1.2倍モルである。
【0006】
本発明の反応は、溶媒の存在下に行ってもよい。反応溶媒としては、一塩化ヨードに対して不活性な、酢酸、プロピオン酸、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、ジオキサン等が使用できる。均一系で効率よく反応させるためには、酢酸またはプロピオン酸が特に好ましい。
【0007】
反応温度は、20℃以上であればよく、常圧下では、20℃〜130℃、好ましくは、60℃〜90℃である。20℃以下では反応速度が極めて遅い。
なお、130℃以上では一塩化ヨードの気化がおこるため、加圧下に反応させることが必要である。
また、反応時間を短縮する必要がある場合には、二塩化亜鉛、四塩化チタン、二塩化錫、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸触媒を添加してもよい。
【0008】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に詳しく述べるが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン214g、50%の一塩化ヨード/塩酸水溶液323gを、酢酸300gに加え、75℃〜85℃にて11時間反応した。反応後、室温まで冷却し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液50gを加えた。その後、トルエン300g及び水330gを加え、静置したところ、オイル層と水層に分離した。オイル層を取り、水200gで洗浄した後、20mmHgの減圧下で蒸留し、沸点74℃〜75℃の留出分として、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼン329gを得た(収率:96.8%)。
【0009】
実施例2
実施例1において、酢酸の代わりにプロピオン酸を用いて、同様に反応および後処理を行った。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は97.0%で、良好な結果を得た。
【0010】
実施例3
実施例1において、さらに、触媒として二塩化亜鉛1gを加えて、5時間反応し、同様に後処理した。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は96.5%で、良好な結果を得た。
【0011】
実施例4
実施例2において、反応を窒素雰囲気下、オートクレーブ中3〜3.5気圧下、150℃にて2時間行った後、同様に処理した。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は97.8%で、良好な結果を得た。
【0012】
比較例
特開平9−227421号に記載の実施例1の方法、つまり、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを発煙硫酸中、ヨウ素との反応を追試したが、3,5− ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの収率は61.5%と低かった。また、廃硫酸処理に多量のカセイソーダ水が必要な上に、発熱の為に、作業が困難であった。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、相間移動触媒、重合触媒、農薬、医薬などの中間体として有用な3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの簡便、安全、高収率、且つ、酸廃物などの問題の無い製造方法を提供することを可能にした。
Claims (2)
- 1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを、一塩化ヨードと反応させることを特徴とする3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法。
- 反応溶媒が酢酸であることを特徴とする請求項1記載の3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30905997A JP3824403B2 (ja) | 1997-11-11 | 1997-11-11 | 3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30905997A JP3824403B2 (ja) | 1997-11-11 | 1997-11-11 | 3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11140003A JPH11140003A (ja) | 1999-05-25 |
JP3824403B2 true JP3824403B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=17988391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30905997A Expired - Fee Related JP3824403B2 (ja) | 1997-11-11 | 1997-11-11 | 3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3824403B2 (ja) |
-
1997
- 1997-11-11 JP JP30905997A patent/JP3824403B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11140003A (ja) | 1999-05-25 |
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