JP3482677B2 - ヒドロフルオロカーボンの製造方法 - Google Patents
ヒドロフルオロカーボンの製造方法Info
- Publication number
- JP3482677B2 JP3482677B2 JP06854194A JP6854194A JP3482677B2 JP 3482677 B2 JP3482677 B2 JP 3482677B2 JP 06854194 A JP06854194 A JP 06854194A JP 6854194 A JP6854194 A JP 6854194A JP 3482677 B2 JP3482677 B2 JP 3482677B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iodofluorocarbon
- reaction
- reaction step
- alcohol
- alkali metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/582—Recycling of unreacted starting or intermediate materials
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
ンの製造方法に関する。
−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンなどの
クロロフルオロカーボン化合物の代替化合物であり、オ
ゾン層を破壊しない有用な化合物である。ヒドロフルオ
ロカーボンをヨードフルオロカーボンを出発物質として
合成する方法に関しては以下の報告がなされている。
orine Chem.,6,297,1975)。(2)グリニヤール試薬を
用いた反応により合成する方法(J.Fluorine Chem.,3,24
7,1973) 。(3)水素とラネーニッケル触媒を用いた液
相還元反応により合成する方法(Ger.Offen.2,060,041,
J.Chem.Soc.,3761,1953)。(4)次亜リン酸ナトリウム
とパラジウムまたは白金触媒を用いた還元反応により合
成する方法(J.Fluorine Chem.,55,101,1991)。(5)ア
ルコール性KOHと反応させる方法(J.Chem.Soc.,3761,
1953) 。(6)メタノール中で、アルカリ金属水酸化物
と反応させる方法(EP 0,449,516A1)。
および反応により生じる亜鉛スラリーの取り扱いおよび
処理の問題がある。(2)の方法は、水分等によりグリ
ニヤール試薬が発火する恐れがある。また、溶媒とし
て、低沸点のエーテル系の溶媒を用いるために危険性が
高く、廃液処理の点でも問題がある。(3)の方法は、
65℃で60〜80気圧という高温高圧条件で反応させ
なければならないため、危険性が高い。(4)の方法
は、高価な触媒を要するという問題がある。
いて、100〜130℃の高温で反応させているが、収
率が低い問題がある。(6)のメタノールのみを用いる
方法で、原料のヨードフルオロカーボンの転化率を実際
に99.9%以上にするのは困難であり、高純度のヒド
ロフルオロカーボンを得るうえで問題がある。また、ア
ルカリ金属水酸化物として、通常工業用に用いられる安
価なアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いた場合には、
転化率がさらに低下する。また(6)には、2−プロパ
ノールのみを用いる反応も記載されているが、転化率、
選択率とも低く、収率も22.6%と低い。また、ター
ル状物質が副生する問題がある。
オロカーボンを原料として、工業的に効率よく高純度の
ヒドロフルオロカーボンを製造する方法について検討し
た。その結果、ヨードフルオロカーボンを、1級アルコ
ールと2級アルコールからなるアルコール混合物の作用
のもとにアルカリ金属水酸化物と反応せしめる反応工程
を、2回行うことにより、高転化率かつ高選択率で高純
度のヒドロフルオロカーボンが得られることを見いだし
た。
0または1であり、nが0のとき、Rf は炭素数2〜1
2個の直鎖のまたは分岐したポリフルオロアルキル基で
あり、nが1のとき、Rf は炭素数2〜12個の直鎖の
または分岐したポリフルオロアルキレン基である。)で
表されるヨードフルオロカーボンを、1級アルコールと
2級アルコールからなるアルコール混合物の作用のもと
に、アルカリ金属水酸化物と反応させてヨードフルオロ
カーボンの還元物とせしめる工程、 (反応工程2)ヨードフルオロカーボンの還元物を1級
アルコールと2級アルコールからなるアルコール混合物
の作用のもとにアルカリ金属水酸化物と反応させて一般
式Hn Rf H(ただし、式中nとRf は上記と同じであ
る。)で表されるヒドロフルオロカーボンとせしめる工
程、の2工程からなることを特徴とする一般式Hn Rf
H(ただし、式中nとRf は上記と同じである。)で表
されるヒドロフルオロカーボンの製造方法である。
ンは、一般式In Rf Iで表される化合物である。ただ
し、式中、nは0または1である。nが0のとき、Rf
は炭素数2〜12個の直鎖のまたは分岐したポリフルオ
ロアルキル基であり、炭素数3〜8個の場合が好まし
い。また、nが1のとき、Rf は炭素数2〜12個の直
鎖のまたは分岐したポリフルオロアルキレン基であり、
炭素数3〜8個の場合が好ましい。
子の数+水素原子の数)が80〜100%である場合の
ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロアルキレン
基が好ましく、特にペルフルオロアルキル基またはペル
フルオロアルキレン基が好ましい。またRf は直鎖の構
造が好ましく、直鎖のペルフルオロアルキル基として
は、CF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 −が好まし
く、直鎖のペルフルオロアルキレン基としては、−CF
2 CF2 CF2 CF2 −が好ましい。
ては、次のものなどが挙げられるが、これらに限定され
ない。
フルオロエタンICF2 CF3 、1−ヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタンI
(CF2 )4 F、1−ヨード−1,1,2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,6−トリデカフルオロヘ
キサンI(CF2 )6 F、1−ヨード−1,1,2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,8−ヘプタデカフルオロオクタンI(CF2 )8
F、2−ヨード−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタ
フルオロプロパンCF3 CFICF3 、4−ヨード−
1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−2
−トリフルオロメチルブタン(CF3 )2 CF(CF
2 )2 I、6−ヨード−1,1,1,2,3,3,4,
4,5,5,6,6−ドデカフルオロ−2−トリフルオ
ロメチルヘキサン(CF3 )2 CF(CF2 )4I、
1,2−ジヨード−1,1,2,2−テトラフルオロエ
タンI(CF2 )2I、1,4−ジヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンI(C
F2 )4 I、1,6−ジヨード−1,1,2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキサン
I(CF2 )6 I。
ドフルオロカーボンを1級アルコールと2級アルコール
からなるアルコール混合物の作用のもとにアルカリ金属
水酸化物と反応せしめる。
アルコールとは、1価または多価の炭化水素基と、1級
水酸基または2級水酸基とを有する化合物を意味する。
炭化水素基としては、アルキル基またはアリル基が好ま
しく、特にアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数
は1〜6程度が好ましく、特に1〜3が好ましい。1級
アルコールおよび2級アルコールとしては、公知または
周知のものを採用できるが、1級アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−メチル−1−プロパノールなどが好ましく、
特にメタノールが好ましい。また、2級アルコールとし
ては、2−プロパノール、2−ブタノールなどが好まし
く、特に2−プロパノールが好ましい。
特に限定されないが、通常の場合1級アルコール:2級
アルコールの重量比が0.5:1〜1000:1程度の
範囲が好ましく、特に1:1〜200:1の範囲が好ま
しい。2級アルコールの割合が大きすぎると、高沸点化
合物の生成量が多くなる恐れがある。一方、2級アルコ
ールの割合があまりに小さいときには、反応速度が遅く
なる恐れがある。1級アルコールの量としては、通常の
場合、原料のヨードフルオロカーボンの1重量部に対し
て0.1〜10重量部程度が好ましい。
合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好まし
い。アルカリ金属水酸化物は、そのまま用いてもよく、
水溶液としてもよい。水溶液とする場合には、水の10
0重量部に対して、アルカリ金属水酸化物が5〜60重
量部程度が好ましく、さらに30〜55重量部程度の量
が好ましく、特に、飽和水溶液程度である場合が好まし
い。
もよいが、工業用に市販されている安価なアルカリ金属
水酸化物水溶液をそのまま採用してもよい。工業用に市
販されている安価なアルカリ金属水酸化物水溶液を採用
することは、特に、本発明の反応を工業的なスケールで
実施する場合に経済的な点からも非常に効率的であり、
かつ、有利である。
剰量を使用すると反応速度が速くなるため好ましく、反
応系中に溶解できる範囲で、可及的高濃度となる量を用
いるのが好ましい。通常の場合は、原料のヨードフルオ
ロカーボンの1当量に対し、1.5当量以上が好まし
く、特に1.5〜3当量程度が好ましい。
媒を存在させてもよいが、反応器の複雑化、廃触媒の処
理、および反応コスト等を考慮するとむしろ存在させな
いのが好ましい。相間移動触媒を用いる場合の例として
は、次のものなどが挙げられる。
ラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニ
ウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テ
トラブチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチル
アンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミ
ド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリドなどの4
級アンモニウム塩類およびテトラブチルホスホニウムブ
ロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミドなどの4
級ホスホニウム塩類。
ル混合物の100重量部に対し0.01〜10重量部が
好適であり、さらに望ましくは0.1〜5重量部であ
る。相間移動触媒の量が多いときには、後処理時に生成
物の回収率が低下し、少ないときには反応速度が低下す
る。
アルコールと2級アルコールからなるアルコール混合物
の作用のもとにアルカリ金属水酸化物と反応させる場合
の反応条件は、反応物およびアルコールの種類、相間移
動触媒の有無および種類、量等によって適宜変更され得
る。通常の場合、反応温度は、低すぎると反応しにくく
なり、高すぎると危険なので、反応液を還流させる程度
の温度に調節するのが好ましく、40〜70℃程度が好
ましい。また反応圧力は常圧、減圧、加圧のいずれであ
ってもよく、常圧が好ましい。反応時間は通常1〜10
時間程度である。反応は、加圧下高温の条件で実施して
も、何ら問題はない。
フルオロカーボンの還元物は、原料のヨードフルオロカ
ーボンのヨウ素原子の一部または全部が水素原子に置き
換わった構造の化合物と原料のヨードフルオロカーボン
との混合物である。
料のヨードフルオロカーボンが分子中にヨウ素原子を1
個含む場合(すなわち、nが0である場合)、ヨードフ
ルオロカーボンの還元物は、原料のヨードフルオロカー
ボン中のヨウ素原子が水素原子となったヒドロフルオロ
カーボンと原料との混合物を意味する。また、原料のヨ
ードフルオロカーボンが分子中にヨウ素原子を2個含む
場合(すなわち、nが1である場合)、ヨードフルオロ
カーボンの還元物は、原料のヨードフルオロカーボン中
のヨウ素原子の1個が水素原子となった化合物(部分還
元物)、ヨウ素原子の2個が水素原子となったヒドロフ
ルオロカーボン、および原料から選ばれる少なくとも2
種の化合物の混合物(ただし、理論的には、部分還元物
のみの場合もあるが、通常は混合物である。)を意味す
る。該ヨードフルオロカーボンの還元物において、還元
率=(ヨードフルオロカーボンの還元物中に含まれるヨ
ウ素と置換された水素原子のモル数)/(原料の分子中
に含まれるヨウ素原子のモル数)は、50%〜99%程
度が好ましく、特に60〜95%程度が好ましく、さら
に70〜90%が好ましい。
ヨードフルオロカーボンの還元物をさらに反応工程2で
同様に反応せしめることにより、きわめて高純度のヒド
ロフルオロカーボンとせしめることが最大の特徴であ
る。
ロカーボンの還元物を1級アルコールと2級アルコール
からなるアルコール混合物の作用のもとにアルカリ金属
水酸化物と反応させて一般式Hn Rf H(ただし、式中
nとRf は上記と同じである)で表されるヒドロフルオ
ロカーボンとせしめる工程である。
ンの還元物は、通常の場合、上記の反応工程1で得られ
るものをそのまま用いてもよいが、通常は、水洗などの
処理を行ったものを用いるのが好ましい。
と2級アルコールからなるアルコール混合物、およびア
ルカリ金属水酸化物としては、反応工程1と同様のもの
が例示され、好ましい態様も反応工程1におけるものと
同様である。1級アルコールと2級アルコールからなる
アルコール混合物、およびアルカリ金属水酸化物として
は、反応工程1とそれぞれ同一のものを用いてもよく、
または、異なるものを用いてもよい。
1で用いたアルコール混合物およびアルカリ金属水酸化
物を反応工程2のアルコール混合物およびアルカリ金属
水酸化物としてふたたび用いるか、反応工程1に用いた
ものにさらに必要な化合物を含ませて用いるのが好まし
い。また、本発明に係る反応を複数回実施する場合、前
回の反応工程2で用いた1級アルコールと2級アルコー
ルからなるアルコール混合物、およびアルカリ金属水酸
化物を、つぎの回の反応工程1に再利用してもよい。ま
た、反応工程2においても、反応工程1と同様の相間移
動触媒を存在させてもよい。
カーボンは、一般式Hn Rf Hで表される化合物であ
る。ただし、式中、nは0または1である。nが0のと
き、Rf は炭素数2〜12個の直鎖のまたは分岐したポ
リフルオロアルキル基であり、炭素数3〜8個の場合が
好ましく、特にCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2
−である場合が好ましい。nが1のとき、Rf は炭素数
2〜12個の直鎖のまたは分岐したポリフルオロアルキ
レン基であり、炭素数3〜8個の場合が好ましく、特
に、−CF2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好まし
い。
は、次のものなどが挙げられる。
ンF(CF2 )2 H、1,1,1,2,2,3,3,
4,4−ノナフルオロブタンF(CF2 )4 H、1,
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ト
リデカフルオロヘキサンF(CF2 )6 H、1,1,
1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8−ヘプタデカフルオロオクタンF(CF2 )
8 H、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプ
ロパンCF3 CFHCF3 、1,1,1,2,3,3,
4,4−オクタフルオロ−2−トリフルオロメチルブタ
ン(CF3 )2 CF(CF2 )2 H、1,1,1,2,
3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロ−2
−トリフルオロメチルヘキサン(CF3 )2 CF(CF
2 )4 H、1,1,2,2−テトラフルオロエタンH
(CF2 )2 H、1,1,2,2,3,3,4,4−オ
クタフルオロブタンH(CF2 )4 H、1,1,2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロ
ヘキサンH(CF2 )6 H。
ロカーボンは、水洗することにより高純度のものとして
得られる。
2回の工程で実施することにより、ヨードフルオロカー
ボンのトータルの転化率をきわめて高くすることができ
る。また、得られるヒドロフルオロカーボンの純度は、
通常の場合、99.9%以上、好ましくは99.99%
以上であるため、数ppmオーダ程度のごく微量のヨウ
素化合物を除く必要があるような特殊な用途を除いて、
生成物を蒸留精製することなしに、さまざまな用途に使
用できる。また、本発明に係る反応は、高選択率である
ため、反応の収率もきわめて高い。
ーボンは、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリ
フルオロエタン等のクロロフルオロカーボン化合物の代
替化合物として使用でき、しかもオゾン層を破壊しない
安全な化合物である。また、本発明に係る反応は、原料
の転化率および選択率がきわめて高いことから、得られ
るヒドロフルオロカーボンは高純度であり、かつ、原料
のヨードフルオロカーボンに由来すると推定される様々
な不都合も回避できる。たとえば、本発明で得られるヒ
ドロフルオロカーボンを重合溶媒として、重合反応を行
った場合には、重合体を着色させる恐れがない利点があ
る。
素系の重合体が好ましく、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリペルフルオロブテニルビニルエーテル、テトラ
フルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテ
ルの共重合体、テトラフルオロエチレンとエチレンの共
重合体などが例示できる。すなわち、重合溶媒として用
いた場合には、環境に対する悪影響を回避するだけでな
く、重合体を着色させない利点があり、好ましい。
カーボンは、従来用いられてきた塩素化炭化水素または
塩素化フッ素化炭化水素と同様に、発泡剤、冷媒、洗浄
剤などの用途にも使用できる。また、本発明で得られる
ヒドロフルオロカーボンを出発物質としてブロモフルオ
ロカーボン等を合成して、人工血液または造影剤として
用いる場合においても、ヨウ素化合物に由来すると推定
される着色現象は認められない利点がある。
するが、これらによって本発明が限定されるものではな
い。
ステロイC製オートクレーブに、メタノールの2400
g、2−プロパノールの45g、48%水酸化カリウム
水溶液の1970g(16.88モル)を仕込んだ。反
応器を加熱し内温を60℃とした後、F(CF2 )6 I
の3345g(7.5モル)を3時間でフィードした。
反応器の内温を60〜63℃に保持し、5時間撹拌を続
けた。転化率は85.0%であった。反応器を室温まで
冷却した後、水の2400gを加え析出したヨウ化カリ
ウムを溶かした。反応粗液を二層分離し、フルオロカー
ボン層(下層)2540gを得た。フルオロカーボン層
には、F(CF2 )6 Hの2040gとF(CF2 )6
Iの500gが含まれていた。
ステロイC製オートクレーブに、メタノールの2670
g、2−プロパノールの50g、48%水酸化カリウム
水溶液の2190g(18.77モル)を仕込んだ。反
応器を加熱し内温を60℃とした後、反応工程1で得た
フルオロカーボン層2540gを1時間でフィードし
た。反応器の内温を60〜63℃に保持し、5時間撹拌
を続けた。転化率は100.0%であった。反応器を室
温まで冷却した後、静置し二層分離して上層は反応器に
残したまま下層のフルオロカーボン層(2430g)の
みを抜き出した。この液を2400gの水で2回洗浄し
たところ、有機ヨウ素化合物をまったく含まない純度9
9.95%のF(CF2 )6 Hの2380gを得た。
ン層を抜き出した残り(上層)のメタノール、2−プロ
パノール、および水酸化カリウム水溶液の混合物が残留
している反応器を加熱し、内温を60℃とした後、F
(CF2 )6 Iの3345g(7.5モル)を3時間で
フィードした。反応器の内温を60〜63℃に保持し、
5時間撹拌を続けた。転化率は85.2%であった。反
応器を室温まで冷却した後、水の2400gを加え析出
したヨウ化カリウムを溶かした。反応粗液を二層分離
し、フルオロカーボン層(下層)2540gを得た。こ
の液には、F(CF2 )6 Hの2045gとF(CF
2 )6 I495gが含まれていた。
ステロイC製オートクレーブに、メタノールの2670
g、2−プロパノールの50g、48%水酸化カリウム
水溶液の2190g(18.77モル)を仕込んだ。反
応器を加熱し内温を60℃とした後、反応工程1で得た
フルオロカーボン層2540gを1時間でフィードし
た。反応器の内温を60〜63℃に保持し、5時間撹拌
を続けた。転化率は100.0%であった。反応器を室
温まで冷却した後、静置し二層分離して上層は反応器に
残したまま下層のフルオロカーボン層(2425g)の
みを抜き出した。この液を2400gの水で2回洗浄し
たところ、有機ヨウ素化合物をまったく含まない純度9
9.95%のF(CF2 )6 Hの2375gを得た。
を備えた1リットルの4つ口フラスコに、メタノールの
256gと48%水酸化カリウム水溶液の131g
(1.12モル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を5
5℃とした後、F(CF2 )6 Iの223g(0.5モ
ル)を1時間で滴下した。さらに加熱還流を5時間続け
た後の反応転化率は45.8%であった。反応器を室温
まで冷却した後、水の200gを加え析出したヨウ化カ
リウムを溶かした。反応粗液を二層分離し、フルオロカ
ーボン層(下層)193gを得た。
を備えた1リットルの4つ口フラスコに、メタノールの
256gと48%水酸化カリウム水溶液の131gを仕
込んだ。反応器を加熱し内温を55℃とした後、反応工
程1で得たフルオロカーボン層193gを1時間で滴下
した。さらに加熱還流を5時間続けた。反応器を室温ま
で冷却した後、静置し、下層のフルオロカーボンのみを
取り出し、200gの水で2回洗浄した。この液にはF
(CF2 )6 Hの88gとF(CF2 )6 Iの101g
が含まれていた。
ットルの4つ口フラスコに、2−プロパノールの960
gと85%水酸化カリウムの99g(1.5モル)を仕
込んだ。反応器を加熱し、内温を65℃とした後、F
(CF2 )6 Iの446g(1モル)を1時間で滴下し
た。滴下終了2時間後の反応器の内温は60℃であっ
た。反応終了後の反応器内は、タール状の物質でまっ黒
になっていた。ここに水を加えたが、全く二層分離でき
なかった。
し、実施例1で合成したF(CF2 )6 Hの1200
g、連鎖移動剤としてn−ペンタンの0.8gを仕込
み、テトラフルオロエチレンの45g、エチレンの3.
7g、(ペルフルオロブチル)エチレンの0.8gを仕
込み、温度を65℃に保持して、重合開始剤として10
重量%のt−ブチルペルオキシイソブチレートの1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
溶液の3ccを加え、反応を開始させた。反応中にテト
ラフルオロエチレンとエチレンの混合ガス(モル比53
/47)を導入し、反応圧力を17.5g/cm2 に保
持した。6時間後、85gの白色共重合体がスラリー状
態で得られた。得られた重合体は、融点が271℃、熱
分解開始点が341℃であった。重合体を300℃で成
形したところ、着色のない圧縮成形品を得た。さらに2
50℃で3日間保持しても着色は認められなかった。
F2 )6 Iを含むF(CF2 )6 Hを得た。これを重合
溶媒として、参考例1と同様の方法で重合させたとこ
ろ、10時間後に63gの白色共重合体がスラリー状態
で得られた。該重合体の融点は269℃、熱分解開始点
は313℃であった。重合体を300℃で成形したとこ
ろ、著しい着色が認められた。
や試薬を用いずに、かつ、効率的にヨードフルオロカー
ボンからヒドロフルオロカーボンを製造できる。本発明
に係る反応は、高転化率、高選択率であるために、蒸留
操作を特に実施しなくても、高純度のヒドロフルオロカ
ーボンが得られる。また、反応試薬として、安価な工業
用のアルカリ金属水酸化物の水溶液を使用できるため、
経済的な方法でもある。さらに、反応試薬はつぎの反応
工程に再利用できるため、廃液の量を少なくできる。し
たがって本発明の製造方法は、工業的に実施する場合に
は、特に優れた方法である。
は、オゾン層に悪影響をおよぼさない有用な化合物であ
り、クロロフルオロカーボン化合物の代替化合物として
発泡剤、冷媒、洗浄剤等の用途に広く使用できる。特
に、本発明で得られるヒドロフルオロカーボンは高純度
であるため、未反応原料のヨードフルオロカーボン、お
よび、ヨードフルオロカーボンから生成する種々のヨウ
素化合物に由来する種々の不都合を回避できる。たとえ
ば、重合溶媒に用いた場合には、連鎖移動性が高いヨー
ドフルオロカーボンによる、不必要な分子量分布の広が
りや、未反応のヨードフルオロカーボンの混入による重
合生成物の着色を防止できる。
Claims (5)
- 【請求項1】(反応工程1)一般式In Rf I(ただ
し、式中、nは0または1であり、nが0のとき、Rf
は炭素数2〜12個の直鎖のまたは分岐したポリフルオ
ロアルキル基であり、nが1のとき、Rf は炭素数2〜
12個の直鎖のまたは分岐したポリフルオロアルキレン
基である。)で表されるヨードフルオロカーボンを、1
級アルコールと2級アルコールからなるアルコール混合
物の作用のもとに、アルカリ金属水酸化物と反応させて
ヨードフルオロカーボンの還元物とせしめる工程、 (反応工程2)ヨードフルオロカーボンの還元物を1級
アルコールと2級アルコールからなるアルコール混合物
の作用のもとにアルカリ金属水酸化物と反応させて一般
式Hn Rf H(ただし、式中nとRf は上記と同じであ
る。)で表されるヒドロフルオロカーボンとせしめる工
程、の2工程からなることを特徴とする一般式Hn Rf
H(ただし、式中nとRf は上記と同じである。)で表
されるヒドロフルオロカーボンの製造方法。 - 【請求項2】ヨードフルオロカーボンの還元物が一般式
In Rf I(ただし、式中nとRfは上記と同じであ
る)で表されるヨードフルオロカーボンを含む請求項1
に記載の製造方法。 - 【請求項3】反応工程2のアルコール混合物およびアル
カリ金属水酸化物を、反応工程1のアルコール混合物お
よびアルカリ金属水酸化物としてふたたび用いる請求項
1または2に記載の製造方法。 - 【請求項4】反応工程1および/または反応工程2を無
触媒で行う請求項1、2または3に記載の製造方法。 - 【請求項5】nが0かつRf が炭素数3〜8個の直鎖の
または分岐したポリフルオロアルキル基、または、nが
1かつRf が炭素数3〜8個の直鎖のまたは分岐したポ
リフルオロアルキレン基、である請求項1、2、3また
は4に記載の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06854194A JP3482677B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | ヒドロフルオロカーボンの製造方法 |
DE69420654T DE69420654T2 (de) | 1993-10-05 | 1994-10-04 | Verfahren zur Herstellung eines Hydrofluorokohlenwasserstoffs |
EP94115623A EP0646560B1 (en) | 1993-10-05 | 1994-10-04 | Method for producing a hydrofluorocarbon |
US08/318,258 US5557017A (en) | 1993-10-05 | 1994-10-05 | Method for producing a hydrofluorocarbon |
KR1019940025481A KR100220259B1 (ko) | 1993-10-05 | 1994-10-05 | 히드로플루오로카본의 제조방법 |
US08/642,615 US5618986A (en) | 1993-10-05 | 1996-05-03 | Method for producing a hydrofluorocarbon |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06854194A JP3482677B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | ヒドロフルオロカーボンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278023A JPH07278023A (ja) | 1995-10-24 |
JP3482677B2 true JP3482677B2 (ja) | 2003-12-22 |
Family
ID=13376715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06854194A Expired - Fee Related JP3482677B2 (ja) | 1993-10-05 | 1994-04-06 | ヒドロフルオロカーボンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3482677B2 (ja) |
-
1994
- 1994-04-06 JP JP06854194A patent/JP3482677B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07278023A (ja) | 1995-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5093972B2 (ja) | フルオロオレフィンの製造方法 | |
AU688925B2 (en) | Process for the manufacture of 1,1,1,3,3-pentafluoropropane | |
JP3889039B2 (ja) | フッ素化オレフィンの製造方法およびフッ素化オレフィンを用いるヒドロフルオロカーボンの製造方法 | |
JP4864878B2 (ja) | 1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの合成法 | |
JP4314321B2 (ja) | Tfpxジクロライドの製造方法 | |
WO1998058892A2 (en) | Preparation of fluoroalkyl compounds and their derivatives | |
JP3482677B2 (ja) | ヒドロフルオロカーボンの製造方法 | |
EP0646560B1 (en) | Method for producing a hydrofluorocarbon | |
JP3403770B2 (ja) | ハイドロフルオロカーボンの製造方法 | |
US5648568A (en) | Method for producing a hydrofluorocarbon | |
US6703533B1 (en) | Preparation of selected fluoroolefins | |
US4533762A (en) | Preparation of chlorotrifluoroethylene telomers with bisfluoroxydifluoromethane | |
JPH0552295B2 (ja) | ||
JP3403777B2 (ja) | ハイドロフルオロカーボンの製造方法 | |
JP3403776B2 (ja) | ハイドロフルオロカーボンの製造方法 | |
US6072088A (en) | Chemical compounds having two trifluoromethyl groups | |
JP3489179B2 (ja) | ハイドロフルオロカーボンの製造方法 | |
JP3953098B2 (ja) | モノマー前駆体異性化 | |
US5824826A (en) | Process for the preparation of 1,1,2,3,3,4-hexafluorobutane | |
JPS6210080A (ja) | 含フツ素環式化合物およびその製法 | |
JP2001031595A (ja) | 1,3−シクロアルカジエンの製造法 | |
JPH0133457B2 (ja) | ||
JPH10212260A (ja) | フルオロビニルエーテル類の製造方法 | |
JPH04338341A (ja) | 塩化ビニリデンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017 Year of fee payment: 9 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017 Year of fee payment: 9 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017 Year of fee payment: 9 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |