JP3403776B2 - ハイドロフルオロカーボンの製造方法 - Google Patents

ハイドロフルオロカーボンの製造方法

Info

Publication number
JP3403776B2
JP3403776B2 JP25723693A JP25723693A JP3403776B2 JP 3403776 B2 JP3403776 B2 JP 3403776B2 JP 25723693 A JP25723693 A JP 25723693A JP 25723693 A JP25723693 A JP 25723693A JP 3403776 B2 JP3403776 B2 JP 3403776B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
reactor
hydrofluorocarbon
iodofluorocarbon
alcohol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP25723693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07112943A (ja
Inventor
一也 大春
清作 熊井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP25723693A priority Critical patent/JP3403776B2/ja
Priority to DE69420654T priority patent/DE69420654T2/de
Priority to EP94115623A priority patent/EP0646560B1/en
Priority to US08/318,258 priority patent/US5557017A/en
Priority to KR1019940025481A priority patent/KR100220259B1/ko
Publication of JPH07112943A publication Critical patent/JPH07112943A/ja
Priority to US08/642,615 priority patent/US5618986A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3403776B2 publication Critical patent/JP3403776B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイドロフルオロカー
ボンの製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】ヨードフルオロカーボンを出発物質とし
てハイドロフルオロカーボンを合成する方法に関して
は、以下の報告がなされている。
【0003】(1)亜鉛の存在下に還元する方法(J.Flu
orine Chem.,6,297,1975)。 (2)グリニヤール試薬を用いた反応により合成する方
法(J.Fluorine Chem.,3,247,1973) 。 (3)水素とラネーニッケル触媒を用いた液相還元反応
により合成する方法(Ger.Offen.2,060,041,J.Chem.So
c.,3761,1953)。 (4)次亜リン酸ナトリウムとパラジウムまたは白金触
媒を用いた還元反応により合成する方法(J.Fluorine Ch
em.,55,101,1991)。 (5)アルコール性水酸化カリウムと反応させる方法
(J.Chem.Soc.,3761,1953)。 (6)メタノール中で、アルカリ金属水酸化物と反応さ
せる方法(EP 0,449,516A1 )。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法は、亜鉛
および反応により生成する亜鉛スラリーの取り扱いや処
理の問題点がある。(2)の方法は、水分等によりグリ
ニヤール試薬が発火する恐れがある。また、溶媒とし
て、低沸点のエーテル系の溶媒を用いるために危険性が
高く、廃液処理の点でも問題点がある。(3)の方法
は、60〜80気圧という高圧条件で反応させなければ
ならないため、危険性が高い。(4)の方法は、高価な
触媒を要するという問題点がある。(5)の方法は、1
00〜130℃の高温条件での反応であり、かつ、収率
が低い問題点がある。
【0005】(6)のメタノールとアルカリ金属水酸化
物を用いる方法で、原料のヨードフルオロカーボンの転
化率を実際に99.9%以上にするのは困難であり、高
純度のハイドロフルオロカーボンを得る上で問題点があ
る。また、アルカリ金属水酸化物中に水が含まれている
こと、または、反応により水が生成することから、反応
系中の水分量が多くなり、系がフルオロカーボン層とメ
タノール水層の二層系に分離してしまい、撹拌の条件等
によって、反応収率の再現性が低くなる問題点がある。
【0006】また、(6)には、イソプロピルアルコー
ルとアルカリ金属水酸化物を用いる反応も記載されてい
るが、転化率、選択率とも低く、収率も低い。また、反
応副生物が、アルカリ金属水酸化物の存在でアルドール
縮合等の反応をおこし、タール状物質が副生する問題点
もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ヨードフル
オロカーボンを出発物質として、ハイドロフルオロカー
ボンを効率的に製造する方法について鋭意検討を行っ
た。その結果、ヨードフルオロカーボンを、水分量が特
定量以下の1級アルコールおよび/または2級アルコー
ルの作用のもとに、アルカリ金属アルコキシドと反応さ
せることにより、安定に、かつ、高転化率、高選択率で
ハイドロフルオロカーボンが得られることを見いだし
た。また、反応系が二層系とならないために、反応成績
の再現性が非常に良く、タール状の副生物も生成しない
ことを見いだした。
【0008】すなわち本発明は、一般式Inf I(た
だし、式中、nは0または1であり、nが0のとき、R
f は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリフル
オロアルキル基であり、nが1のとき、Rf は炭素数2
〜12個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレ
ン基である。)で表されるヨードフルオロカーボンを、
含まれる水分量が300ppm以下の1級アルコールお
よび/または含まれる水分量が300ppm以下の2級
アルコールの作用のもとに、アルカリ金属アルコキシド
と反応させることを特徴とする一般式Hnf H(ただ
し、式中、nとRf は、上記と同じ意味である。)で表
されるハイドロフルオロカーボンの製造方法である。
【0009】本発明の反応は、必ずしも明確ではない
が、下式で表すことができる。
【0010】
【化1】
【0011】化1において、Rf とnは上記と同じ意味
であり、R1 は水素原子またはアルキル基、R2 とR3
はアルキル基であり、Mはアルカリ金属原子を示す。
【0012】本発明の原料であるヨードフルオロカーボ
ンは、一般式Inf Iで表される化合物である。ただ
し、式中、nは0または1である。nが0のとき、Rf
は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオ
ロアルキル基であるが、炭素数3〜8個の場合が好まし
く、特にCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 −であ
る場合が好ましい。nが1のとき、Rf は炭素数2〜1
2個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基
であるが、炭素数3〜8個の場合が好ましく、特に−C
2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好ましい。
【0013】上記ヨードフルオロカーボンの具体例とし
ては、1−ヨード−1,1,2,2,2−ペンタフルオ
ロエタン、1−ヨード−1,1,2,2,3,3,4,
4,4−ノナフルオロブタン、1−ヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−トリデ
カフルオロヘキサン、1−ヨード−1,1,2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−ヘプタデカフルオロオクタン、2−ヨード−1,1,
1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、4−ヨ
ード−1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオ
ロ−2−トリフルオロメチルブタン、6−ヨード−1,
1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカ
フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサン、1,2−
ジヨード−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、
1,4−ジヨード−1,1,2,2,3,3,4,4−
オクタフルオロブタン、1,6−ジヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフル
オロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0014】本発明は、上記ヨードフルオロカーボン
、1)1級アルコール、2)2級アルコール、または
3)1級アルコールおよび2級アルコールの両者の作
用のもとにアルカリ金属アルコキシドと反応させること
が特徴である。
【0015】1級アルコールおよび2級アルコールとし
ては、特に限定されず、公知または周知のものが採用で
きる。通常の場合は、1級アルコールとしてはメタノー
ル、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ル等を用いるのが好ましく、特にメタノールが好まし
い。また、2級アルコールとしてはイソプロピルアルコ
ールが好ましい。
【0016】上記の1級アルコールおよび2級アルコー
ル中に、水が大量に含まれていると、反応系が二層系に
なったり、アルカリ金属アルコキシドが分解する恐れが
あるため、含まれる水の量は300ppm以下とする
該水分量は通常の市販の試薬を採用する場合には、ほと
んど問題とならない量であるが、必要に応じて脱水処理
を行うことが好ましい。
【0017】上記の1級アルコールと2級アルコールの
量は、それぞれを単独で用いる場合、混合して用いる場
合のいずれにおいても、通常の場合、原料のハイドロフ
ルオロカーボンの1重量部に対して0.1〜10重量
部、特に0.2〜2重量部好ましい。また、混合し
て用いる場合の各々の割合は特に限定されないが、通常
の場合1級アルコール:2級アルコールの重量比が10
00:1〜0.5:1程度の範囲が好適であり、特に1
00:1〜1:1の範囲が好適である。
【0018】前記化1に示すように、1級アルコールお
よび/または2級アルコールは、ハイドロフルオロカー
ボンの水素源として作用すると考えられる。また、過剰
の1級アルコールおよび/または2級アルコールは、反
応溶媒としても作用すると考えられる。さらに、反応に
おいては、アルコール化合物(化1におけるR3 OH)
が副生するが、該アルコール化合物は、反応系において
ハイドロフルオロカーボンの水素源、または溶媒として
再び作用すると考えられる。
【0019】アルカリ金属アルコキシドとしては、通常
の場合、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、tert−ブトキシカリウム等が好ましい。
【0020】アルカリ金属アルコキシドの量は、通常の
場合、原料のヨードフルオロカーボンのヨウ素の1モル
に対し、1モル以上が好ましく、特に系への溶解度等の
点から、1〜2モル程度が好適である。
【0021】上記反応の反応条件は、反応物の種類、量
等によって適宜変更できるが、温度は、低ぎると反応
しにくくなり、高すぎると危険なので、系を還流させる
程度の温度に調節するのが好ましく、通常は40〜80
℃程度が好ましい。また反応圧力は常圧、減圧、または
加圧のいずれであってもよく、常圧が好ましい。反応時
間は通常1〜10時間程度である。
【0022】反応粗生成物中のハイドロフルオロカーボ
ンは、反応粗生成物を水洗することにより、または蒸留
精製することにより、高純度のものとして得ることがで
きる。
【0023】上記反応により生成するハイドロフルオロ
カーボンは、一般式Hnf Hで表される化合物であ
る。ただし、式中、nは0または1である。nが0のと
き、Rf は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポ
リフルオロアルキル基であるが、炭素数3〜8個の場合
が好ましく、特にCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF
2 −である場合が好ましい。nが1のとき、Rf は炭素
数2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオロアル
キレン基であるが、炭素数3〜8個の場合が好ましく、
特に−CF2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好まし
い。
【0024】ハイドロフルオロカーボンの具体例として
は、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,
1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタ
ン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8
−ヘプタデカフルオロオクタン、1,1,1,2,3,
3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,
3,3,4,4−オクタフルオロ−2−トリフルオロメ
チルブタン、1,1,1,2,3,3,4,4,5,
5,6,6−ドデカフルオロ−2−トリフルオロメチル
ヘキサン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6
−ドデカフルオロヘキサン等が挙げられる。
【0025】本発明によれば、極めて高い転化率で高純
度のハイドロフルオロカーボンを得ることができる。ま
た、本発明の反応は、反応成績の再現性にも優れてい
る。
【0026】得られたハイドロフルオロカーボンは、従
来用いられてきた塩素化炭化水素または塩素化フッ素化
炭化水素に比べて、環境への影響が少ないだけでなく、
同様の用途、例えば、発泡剤、冷媒、洗浄剤等にも用い
ることもできる。
【0027】また、本発明における反応は、転化率が極
めて高いために、生成物中に残留する未反応のヨードフ
ルオロカーボンの量を極めて少なくすることができる。
したがって、本発明の製造方法で合成したハイドロフル
オロカーボンを溶媒として重合反応を行う場合にも、重
合体を着色させることなしに、反応を行うことができ
る。
【0028】この場合の重合体としては特に限定されな
いが、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルの共
重合体、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体
等のフッ素系の重合体が好ましい。
【0029】また、本発明で合成したハイドロフルオロ
カーボンを出発物質としてブロモフルオロカーボン等を
合成して、人工血液や造影剤として用いる場合において
も、ヨウ素化合物に由来すると推定される着色現象は認
められない利点がある。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、これらによって本発明限定されない。
【0031】[実施例1] 撹拌機と還流冷却器と滴下ロートと温度計を備えた1リ
ットルの4つ口フラスコに、メタノールの400cc
(メタノール中の水分量は200ppm以下。以下の実
施例においても同様である。)とナトリウムメトキシド
の64.8g(1.2モル)を仕込んだ。反応器を加熱
し内温を65℃とした後、C613Iの446g(1モ
ル)を1時間で滴下した。滴下終了2時間後の反応器の
内温は57℃であった。反応転化率は99.9%以上で
あった。反応器を室温まで冷却した後、水の300gを
加え析出したヨウ化ナトリウムを溶かした。反応粗液を
二層分離し、フルオロカーボン層(下層)をさらに30
0gの水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
蒸留により沸点が71℃のC613Hを301g(純度
99.9%)得た。反応器内にタールの生成は認められ
なかった。
【0032】[実施例2] 撹拌機と留出装置付き還流冷却器と滴下ロートと温度計
を備えた1リットルの4つ口フラスコに、イソプロピル
アルコールの400cc(イソプロピルアルコール中の
水分量は50ppm以下。以下の実施例においても同様
である。)、tert−ブトキシカリウムの84.2g
(0.75モル)を仕込んだ。反応器を加熱し、内温を
60℃とした後、C613Iの223g(0.5モル)
を2時間で滴下した。滴下終了後加熱還流を1時間続け
た。この時の反応転化率は、100%であった。反応器
より蒸留により沸点75℃までの留分を回収し、さらに
200gの水で5回洗浄して、純度99.8%のC6
13Hを151g得た。反応器内にタールの生成は認めら
れなかった。
【0033】[実施例3] 撹拌機と還流冷却器と滴下ロートと温度計を備えた50
0ccの4つ口フラスコに、メタノールの200cc、
ナトリウムメトキシドの32.4g(0.6モル)を仕
込んだ。反応器の内温を30〜35℃に維持しながらI
48 Iの113.5g(0.25モル)を2時間で
滴下した。滴下終了後5時間35℃で撹拌を続けた。こ
の時の反応転化率は99.9%であった。反応器を室温
まで冷却した後、水の300gを加え析出したヨウ化ナ
トリウムを溶かした。反応粗液を二層分離し、フルオロ
カーボン層(下層)をさらに100gの水で洗浄し、純
度99.7%のHC48 Hを43g得た。反応器内に
タールの生成は認められなかった。
【0034】[実施例4] 撹拌機と還流冷却器と滴下ロートと温度計を備えた50
0ccの4つ口フラスコに、メタノールの200cc、
ナトリウムメトキシドの32.4g(0.6モル)を仕
込んだ。反応器を加熱し内温を60℃とした後、C8
17Iの273g(0.5モル)を1時間で滴下した。滴
下終了後10時間加熱還流を続けた。この時の反応転化
率は99.8%であった。反応器を室温まで冷却した
後、水の300gを加え析出したヨウ化カリウムを溶か
した。反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン層(下
層)をさらに300gの水で洗浄し、純度99.4%の
817Hを201g得た。反応器内にタールの生成は
認められなかった。
【0035】[実施例5] 撹拌機と還流冷却器と滴下ロートと温度計を備えた1リ
ットルの4つ口フラスコに、メタノールの200ccと
イソプロピルアルコールの10ccとナトリウムメトキ
シドの32.4g(0.6モル)を仕込んだ。反応器を
加熱し内温を65℃とした後、C613Iの223g
(0.5モル)を1時間で滴下した。滴下終了2時間後
の反応器の内温は57℃であった。この時の反応転化率
は99.9%以上であった。反応器を室温まで冷却した
後、水の300gを加え析出したヨウ化カリウムを溶か
した。反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン層(下
層)をさらに300gの水で2回洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。蒸留により、沸点71℃のC6
13Hを149g(純度99.9%)を得た。反応器内に
タールの生成は認められなかった。
【0036】[比較例1] 撹拌機と還流冷却器と滴下ロートと温度計を備えた1リ
ットルの4つ口フラスコに、メタノールの400ccと
85%水酸化カリウムの99g(1.5モル)を仕込ん
だ。反応器を加熱し内温を65℃とした後、C613
の446g(1モル)を1時間で滴下した。滴下終了2
時間後の反応器の内温は60℃であった。反応器を室温
まで冷却した後、水の300gを加え析出したヨウ化カ
リウムを溶かした。転化率は74%であった。反応粗液
を二層分離し、フルオロカーボン層(下層)をさらに3
00gの水で洗浄し、342gのフルオロカーボン層を
得た。フルオロカーボン層をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、大量のC613Iが検出された。
【0037】[比較例2] 撹拌機と還流冷却器と滴下ロートと温度計を備えた1リ
ットルの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールの
350ccと85%水酸化カリウム49.5g(0.7
5モル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を65℃とし
た後、C613Iの223g(0.5モル)を1時間で
滴下した。滴下終了後加熱還流を1時間続けた。反応転
化率は99.9%であったが、反応粗液を蒸留して留分
を回収した後の反応器内には、真っ黒なタール状の残渣
が大量に残されていた。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、高転化率、かつ高選択
率で、ヨードフルオロカーボンからハイドロフルオロカ
ーボンを製造できる。また本発明は、反応条件の点から
も、安全かつ効率的で、工業的に非常に有利な方法であ
る。
【0039】特に、本発明によれば、高純度のハイドロ
フルオロカーボンが得られ、反応成績の再現性にも優れ
ている。さらに、原料の転化率が非常に高いことから、
未反応原料のヨードフルオロカーボン、および、ヨード
フルオロカーボンから生成する種々のヨウ素化合物に由
来する様々な不都合を回避できる。
【0040】得られたハイドロフルオロカーボンは、オ
ゾン層に悪影響を及ぼさない有用な化合物であり、クロ
ロフルオロカーボン化合物の代替化合物として発泡剤、
冷媒、洗浄剤等の用途に用いることができる。
【0041】特に重合溶媒に用いた場合には、連鎖移動
性が高いヨードフルオロカーボンによる、不必要な分子
量分布の広がりや、未反応のヨードフルオロカーボンの
混入による重合生成物の着色を防止できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Inf I(ただし、式中、nは0
    または1であり、nが0のとき、Rf は炭素数2〜12
    個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキル基であ
    り、nが1のとき、Rf は炭素数2〜12個の直鎖
    たは分岐したポリフルオロアルキレン基である。)で表
    されるヨードフルオロカーボンを、含まれる水分量が3
    00ppm以下の1級アルコールおよび/または含まれ
    る水分量が300ppm以下の2級アルコールの作用の
    もとに、アルカリ金属アルコキシドと反応させることを
    特徴とする一般式Hnf H(ただし、式中、nとRf
    は、上記と同じ意味である。)で表されるハイドロフル
    オロカーボンの製造方法。
  2. 【請求項2】nが0でありかつf がCF3 CF2 CF
    2 CF2 CF2 CF2 −であるか、または、nが1であ
    りかつR f が−CF 2 CF 2 CF 2 CF 2 −である請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】反応温度が40〜80℃である請求項1
    たは2に記載の製造方法。
JP25723693A 1993-10-05 1993-10-14 ハイドロフルオロカーボンの製造方法 Expired - Lifetime JP3403776B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25723693A JP3403776B2 (ja) 1993-10-14 1993-10-14 ハイドロフルオロカーボンの製造方法
DE69420654T DE69420654T2 (de) 1993-10-05 1994-10-04 Verfahren zur Herstellung eines Hydrofluorokohlenwasserstoffs
EP94115623A EP0646560B1 (en) 1993-10-05 1994-10-04 Method for producing a hydrofluorocarbon
US08/318,258 US5557017A (en) 1993-10-05 1994-10-05 Method for producing a hydrofluorocarbon
KR1019940025481A KR100220259B1 (ko) 1993-10-05 1994-10-05 히드로플루오로카본의 제조방법
US08/642,615 US5618986A (en) 1993-10-05 1996-05-03 Method for producing a hydrofluorocarbon

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25723693A JP3403776B2 (ja) 1993-10-14 1993-10-14 ハイドロフルオロカーボンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07112943A JPH07112943A (ja) 1995-05-02
JP3403776B2 true JP3403776B2 (ja) 2003-05-06

Family

ID=17303580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25723693A Expired - Lifetime JP3403776B2 (ja) 1993-10-05 1993-10-14 ハイドロフルオロカーボンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3403776B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07112943A (ja) 1995-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1740521B1 (en) Processes for synthesis of 1,3,3,3-tetrafluoropropene
AU688925B2 (en) Process for the manufacture of 1,1,1,3,3-pentafluoropropane
JP5554643B2 (ja) フルオロプロペンを製造する方法
JP3889039B2 (ja) フッ素化オレフィンの製造方法およびフッ素化オレフィンを用いるヒドロフルオロカーボンの製造方法
EP2348007B1 (en) Process for the preparation of cf3cf2ch2cl
JP2012233001A (ja) フルオロオレフィンの製造方法
CN103193584A (zh) 制备氟化有机化合物的方法
EP3339280A1 (en) Process for making tetrafluoropropene
WO1996032364A1 (en) Producing cf3ch2cf3 and/or cf3ch=cf2 by the conversion of alpha-hydroperfluoroisobutyric acid compounds
ZA200703958B (en) Process for production of 1,2,2,2-tetrafluoro ethyl difluoro methyl ether
EP0690834B1 (en) Method for preparing 1,1-dichloro-1-fluoroethane
JP3403776B2 (ja) ハイドロフルオロカーボンの製造方法
US6235950B1 (en) Method of making hydrofluorocarbons
JPS62228492A (ja) フツ化水素と五ハロゲン化アンチモンとの混合物による腐食を防止する方法
JP3134312B2 (ja) 1,1,1,2,2,4,4,5,5,5‐デカフルオロペンタンの製造方法及びその製造用中間体
JP3403777B2 (ja) ハイドロフルオロカーボンの製造方法
EP0646560B1 (en) Method for producing a hydrofluorocarbon
JP3403770B2 (ja) ハイドロフルオロカーボンの製造方法
JP3482677B2 (ja) ヒドロフルオロカーボンの製造方法
WO1995009140A1 (en) Preparation of 1,1,2,3,3-pentafluoropropane
JP2023545387A (ja) トリフルオロヨードメタンの製造に有用なトリフルオロアセチルヨージド組成物
EP4234529A1 (en) Method for producing composition containing purified fluorine-containing ether compound
JPH11100335A (ja) 1−クロロ−1−フルオロエチレンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080229

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 10