JPH11100335A - 1−クロロ−1−フルオロエチレンの製造方法 - Google Patents

1−クロロ−1−フルオロエチレンの製造方法

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JPH11100335A
JPH11100335A JP26219797A JP26219797A JPH11100335A JP H11100335 A JPH11100335 A JP H11100335A JP 26219797 A JP26219797 A JP 26219797A JP 26219797 A JP26219797 A JP 26219797A JP H11100335 A JPH11100335 A JP H11100335A
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JP
Japan
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reaction
basic compound
alcohol
chloro
fluoroethane
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JP26219797A
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English (en)
Inventor
Keiichi Onishi
啓一 大西
Shuichi Okamoto
秀一 岡本
Akihiro Wada
明宏 和田
Yuuki Mitsui
有規 三井
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/25Preparation of halogenated hydrocarbons by splitting-off hydrogen halides from halogenated hydrocarbons

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】穏和な条件下に短時間で、きわめて良好な収率
で1−クロロ−1−フルオロエチレンを製造する。 【解決手段】塩基性化合物を含むアルコール水溶液中
で、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンを脱塩化水
素反応させ、1−クロロ−1−フルオロエチレンを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業上重要な含フッ
素高分子の原料モノマーとして、または医農薬の分野に
おいて含フッ素官能基を導入するための化合物としての
用途が期待される1−クロロ−1−フルオロエチレンの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1−クロロ−1−フルオロエチレンの合
成法としては、(1)対応するハロゲン化エタンから水
またはアルコール中で亜鉛粉末を使って脱ハロゲンを行
うことによる方法(USP2,344,061)、
(2)1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンや1−ク
ロロ−1,1−ジフルオロエタンをアルミナや弗化アル
ミに担持した弗化ニッケルなどの触媒の存在下に200
〜700℃で接触させる脱ハロゲン化水素による方法
(USP2,478,933、USP2,627,52
9、EP407,711)、(3)1,1−ジクロロ−
1−フルオロエタンをニッケル管中で494〜520℃
で熱分解する方法(USP2,894,043)、
(4)1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンをアルカ
リ存在化に脱塩化水素反応させる方法(特開平6−27
9330)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方法は、
化学当量の亜鉛を使うことや反応後にハロゲン化亜鉛が
生成するために、その処理が煩雑であるばかりでなく、
多くの副生物が生成するといった欠点を有する。
【0004】上記(2)の方法は、目的物の選択率が低
いばかりでなく、触媒の劣化が著しく早いという欠点を
有する。
【0005】上記(3)の方法は、目的物である1−ク
ロロ−1−フルオロエチレンの他に多くの副生成物を生
成するといった欠点を有する。
【0006】上記(4)の方法において、工業的な製造
方法として有効な水を溶媒とした液相反応では、反応を
比較的穏和な条件下で高い原料転化率で進行させるた
め、相間移動触媒の存在が必要であることが述べられて
いるが、このような相間移動触媒は反応終了後に水中に
残存してしまうため、工業的な製造では排水処理などの
欠点を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来例の
欠点がない1−クロロ−1−フルオロエチレンの製造方
法を提供するものであり、塩基性化合物を含むアルコー
ル水溶液中で、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
を脱塩化水素反応させ、1−クロロ−1−フルオロエチ
レンを得ることを特徴とする1−クロロ−1−フルオロ
エチレンの製造方法である。
【0008】1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
(以下、R141bと略す)の脱塩化水素反応は塩基性
化合物を含むアルコール水溶液中で行われる。R141
bに対する塩基性化合物の使用量は、化学当量以上であ
ることが反応収率を高める点から好ましく、化学当量の
1.1〜2倍であることがより好ましい。
【0009】塩基性化合物としては、アルカリ金属の水
酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。
一般式NR1234 OH(R1 、R2 、R3 、R
4 はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の1
価の炭化水素基を表す)で表される塩基性化合物、アル
コキシルアミン類、アルカリ金属の炭酸塩やリン酸塩、
アルカリ土類金属の炭酸塩やリン酸塩、一般式NR1
234 OH(R1、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独
立に水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基
を表す)で表される塩基性化合物の炭酸塩などの塩基性
化合物でもよい。また、前記水酸化物、炭酸塩またはリ
ン酸塩を、金属酸化物または複合酸化物に担持させた塩
基性化合物も使用できる。
【0010】アルカリ金属の水酸化物としては、LiO
H、NaOH、KOH、RbOH、CsOHが、アルカ
リ土類金属の水酸化物としては、Be(OH)2 、Ca
(OH)2 、Sr(OH)2 などが挙げられる。
【0011】NaOHまたはKOHは、強アルカリで水
に対する溶解度が高く、脱塩化水素反応の反応性が高い
ことおよび安価であることから、より好ましい塩基性化
合物である。
【0012】アルコール水溶液に使用するアルコールは
炭素数1〜10の直鎖状または分岐状脂肪族アルコール
類が好ましく、炭素数20以下の芳香族アルコール類で
もよい。アルコール類/水の混合割合は、重量比で1/
50〜10/1が好ましく、1/20〜5/1がより好
ましく、1/10〜2/1が特に好ましい。フェノール
類やクレーゾール類をアルコール類の代わりにまたはア
ルコール類とともに使用してもよい。
【0013】上記アルコール類、フェノール類およびク
レーゾール類はそれぞれの類から選ばれる1種類を使用
してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0014】炭素数1〜10の直鎖状または分岐状脂肪
族アルコール類としては、メタノール、エタノール、1
−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、
2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、
1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノー
ル、2−メチル−1−ブタノール、イソペンタノール、
tert−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、ネ
オペンタノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−
ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エ
チル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタ
ノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オ
クタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。こ
れらのなかで、特に、価格や排水中の許容濃度などの観
点からメタノール、エタノール、イソプロパノールが好
ましい。
【0015】反応温度は、使用する塩基性化合物やアル
コールの種類または濃度によって異なるが、30〜20
0℃の範囲が好ましく、50〜150℃の範囲がより好
ましい。
【0016】原料や反応試剤の供給方法は、必要量を初
期に一括に仕込んで反応生成物を連続的に抜き出しなが
ら行うバッチ反応であっても、原料や反応試剤を連続的
に供給しながら、生成物を連続的に抜き出す連続法であ
ってもよい。
【0017】
【実施例】以下の例1〜7は実施例である。以下の例に
おいて1−クロロ−1−フルオロエチレンをR1131
aと略す。
【0018】「例1」内容積2リットルのハステロイC
製オートクレーブに、水240g、KOH220g
(3.92mol)、メタノール244g、R141b
の339g(2.90mol)を仕込み、反応器内部を
窒素置換した後、反応器を95℃のオイルバスに浸漬し
撹拌を行った(反応器の内温は81℃であった)。
【0019】反応器内圧が15kg/cm2 (ゲージ)
を超えたら、14kg/cm2 (ゲージ)になるまで−
78℃に冷却したトラップ中に反応器上部よりガスを抜
き出し再び撹拌を続け、12時間反応を行った。反応終
了後に反応器を60℃まで冷却し6kg/cm2 (ゲー
ジ)で気化する有機物を冷却トラップ中に回収した。こ
うして反応粗液238gを回収した。この反応粗液をガ
スクロマトグラフィを用いて分析した結果を表1に示
す。表1から計算されるR141bの反応率は90.4
%、R1131aの選択率は99.4%である。
【0020】
【表1】
【0021】「例2」例1に示した反応器中に、メタノ
ール244gを加える代わりに、エタノール250gを
加える以外は、例1と同様に反応を行った。
【0022】反応終了後に冷却トラップ中に反応粗液と
して230gの有機物が回収された。この反応粗液をガ
スクロマトグラフィを用いて分析した結果を表2に示
す。表2から計算されるR141bの反応率は89.3
%、R1131aの選択率は99.4%である。
【0023】
【表2】
【0024】「例3」例1に示した反応器中に、メタノ
ール244gを加える代わりに、イソプロパノール25
0gを加える以外は、例1と同様に反応を行った。
【0025】反応終了後に冷却トラップ中に反応粗液と
して228gの有機物が回収された。この反応粗液をガ
スクロマトグラフィを用いて分析した結果を表3に示
す。表3から計算されるR141bの反応率は87.6
%、R1131aの選択率は99.0%である。
【0026】
【表3】
【0027】「例4〜6」内容積2リットルのハステロ
イC製オートクレーブに、R141bの339g(2.
90mol)を仕込んだ後に、表4に示した組成比にな
るように水、KOHおよびメタノールを仕込んだ。反応
器内部を窒素置換した後に反応器を95℃のオイルバス
に浸漬し撹拌を行った(反応器の内温は81℃であっ
た)。
【0028】反応器内圧が表4に示した反応圧力内に調
整されるように発生ガスを、−78℃に冷却したトラッ
プ中に反応器上部より抜き出しながら、12時間反応を
行った。反応終了後に反応器を60℃まで冷却し6kg
/cm2 (ゲージ)で気化する有機物を冷却トラップ中
に回収した。回収した反応粗液を、ガスクロマトグラフ
ィを用いて分析し、粗液の組成からR141bの反応率
と、R1131aの選択率を計算した。この結果を表4
に示す。
【0029】
【表4】
【0030】「例7」例1に示した反応器中に、KOH
の220g(3.92mol)を仕込む代わりに、Ca
(OH)2 の290g(3.92mol)を仕込む以外
は、例1と同様に反応を行った。
【0031】反応終了後に冷却トラップ中に反応粗液と
して290gの有機物が回収された。この反応粗液をガ
スクロマトグラフィを用いて分析した結果を表5に示
す。
【0032】
【表5】
【0033】表5から計算されるR141bの反応率は
46.2%、R1131aの選択率は98.5%であ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明は実施例に示した如く、穏和な条
件下に短時間で、きわめて良好な収率で1−クロロ−1
−フルオロエチレンを製造できる。
フロントページの続き (72)発明者 三井 有規 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社千葉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性化合物を含むアルコール水溶液中
    で、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンを脱塩化水
    素反応させ、1−クロロ−1−フルオロエチレンを得る
    ことを特徴とする1−クロロ−1−フルオロエチレンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンに
    対して、化学当量以上の塩基性化合物を使用する請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】塩基性化合物がアルカリ金属の水酸化物ま
    たはアルカリ土類金属の水酸化物である請求項1または
    2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】アルコールが炭素数1〜10の直鎖状また
    は分岐状脂肪族アルコール類である請求項1、2または
    3記載の製造方法。
JP26219797A 1997-09-26 1997-09-26 1−クロロ−1−フルオロエチレンの製造方法 Pending JPH11100335A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012502084A (ja) * 2008-09-11 2012-01-26 アルケマ フランス フルオロオレフィン化合物の製造方法
WO2019176151A1 (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 株式会社クレハ アルケンの製造方法

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