JP3823824B2 - 電子楽音発生装置および信号処理特性調整方法 - Google Patents

電子楽音発生装置および信号処理特性調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内等の設置される空間の音響条件を利用して、発生させる楽音にアコースティック感や楽器の鳴り等を付与することができる電子楽音発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の室内音響条件をベースに残響延長などの制御を電気音響的に実現したものとして、図1に原理を示すアコースティック・フィードバック(Acoustic Feedback :音響帰還)系があった。これは、室10内にスピーカ12とマイクロホン14を適宜の距離隔てて配置し、マイクロホン14で収音した音をヘッドアンプ16を介してFIR(Finite Impulse Response :非巡回型)フィルタ18に供給して残響信号(主に初期反射音信号)を生成し、これをアンプ20を介してスピーカ12に出力して再び収音することを繰り返すことにより、音量感の増加(音圧レベルの増加)、残響感の増加(残響時間の延長)、拡がり感の増加(側方反射音エネルギの増強)等を図ったものである。これによれば、実際には小空間の室10でありながらホール等の大空間で演奏しているような音場感を創出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなアコースティックフィードバック原理を用いた音場制御装置では、ハウリングに対する安定性を確保するため、マイクロホン14の収音信号の周波数特性を調整する処理を施している。この際にマイクロホン14の収音信号に施すべき周波数特性調整処理の内容は、マイクロホン14とスピーカ12の設置条件等によって異なるものとなる。したがって、当該周波数特性調整処理の内容が予め決められた内容のものしか実施できない装置であれば、音場制御装置の設置状況が変化した場合には好適な信号処理が行えず、ハウリング等が生じてしまうことになる。一方、上記の周波数特性調整処理が変更できる装置であっても、当該音場制御装置を設置等した後、その設置状況に応じてユーザ等がマニュアル操作により上記の信号処理内容を調整する必要がある。
【0004】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、既存の室内の音響条件等を利用して発生させる楽音にアコースティック感等を付与することができ、かつ設置環境等が変動した場合にもハウリング等の障害が生じることを自動的に抑止できる電子楽音発生装置および信号処理特性調整方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子楽音発生装置は、第1のチャンネルの楽音信号と第2のチャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、当該電子音源によって生成される第1のチャンネルおよび第2のチャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を発生させる第1のスピーカおよび第2のスピーカとを備えた電子楽音発生装置であって、前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1のマイクロホンと、前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2のマイクロホンと、前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号処理手段と、前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号処理手段と、前記第1のスピーカに対応する位置であって、前記第1のマイクロホンとの距離が、前記第1のスピーカと前記第1のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第3のスピーカと、前記第2のスピーカに対応する位置であって、前記第2のマイクロホンとの距離が、前記第2のスピーカと前記第2のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第2の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第4のスピーカと、信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力し、前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピーカおよび前記第4のスピーカから放音されている測定期間中に、前記第1のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号処理内容を設定するとともに、前記測定期間に前記第2のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定する設定手段とを具備することを特徴としている。
【0006】
この構成によれば、2チャンネルの楽音信号に対応した楽音再生、つまりステレオ再生(同一の信号を2系統でモノラル再生する場合を含む)を行うと、その楽音が第1のマイクロホンおよび第2のマイクロホンによって収音され、各々の収音信号が第1の信号処理手段および第2の信号処理手段によって処理され、第3のスピーカおよび第4のスピーカから放音される。すなわち、第1の信号処理手段や第2の信号処理手段が残響付与等を行えば、当該装置が設置された周囲の環境(設置空間形状等)の音響特性を利用した残響付与等、いわゆるアコースティックフィードバックが実現されるので、自然楽器特有の楽器の鳴りや、舞台空間の響き等を再現することができる。また、アコースティックフィードバックを利用する構成においては、装置の設置環境に応じて第1の信号処理手段および第2の信号処理手段の処理内容を調整する必要があるが、本構成によれば、設定手段によって調整指示があった場合に自動的に調整がなされる。この調整の際には、2チャンネルの音をステレオ再生した際に得られる測定結果に基づいて実行される、つまり他チャンネルの信号成分が含まれた測定結果に基づいて各信号処理手段の処理内容の調整を行われるので、クロストーク等に起因する音響障害を考慮した調整がなされる。
【0007】
また、本発明の別態様の電子楽音発生装置は、楽音信号を生成する電子音源と、当該電子音源によって生成される楽音信号に対応した楽音を発生させる主スピーカとを備えた電子楽音発生装置であって、前記主スピーカに対応する位置に設けられるマイクロホンと、
前記マイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する手段であって、第1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライザとを有する信号処理部と、前記マイクロホンとの距離が、前記主スピーカと前記マイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記信号処理部によって処理された信号に対応する音を放音する副スピーカと、信号処理内容の設定指示があった場合に、前記信号処理部による信号処理内容を設定する手段であって、a.前記信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオープンループ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を入力して前記副スピーカに放音させている間、前記マイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第1のイコライザの特性を調整するオープンループ状態での調整と、b.前記信号処理部のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測定用音信号を前記信号処理部の信号経路に入力して前記副スピーカから放音させている間、前記マイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ状態での調整とを行う設定手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、楽音信号に対応した楽音再生を行うと、その楽音がマイクロホンによって収音され、各々の収音信号が信号処理部によって処理され、副スピーカから放音される。すなわち、信号処理部が残響付与等を行えば、当該装置が設置された周囲の環境(設置空間形状等)の音響特性を利用した残響付与等、いわゆるアコースティックフィードバックが実現されるので、自然楽器特有の楽器の鳴りや、舞台空間の響き等を再現することができる。また、アコースティックフィードバックを利用する構成においては、装置の設置環境に応じて信号処理部の処理内容を調整する必要があるが、本構成によれば、調整指示があった場合には設定手段によって自動的に調整がなされる。この調整は、実際に測定用音を発生させたときに得られる測定結果に基づいて実行される。本構成では、当該測定結果を、装置が音を発生させない状態で得られる測定結果、つまり暗騒音の測定結果に基づいて補正した後、信号処理部の処理内容の調整処理に用いているので、より正確な調整処理を行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る信号処理特性調整方法は、第1のチャンネルの楽音信号と第2のチャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、当該電子音源によって生成される第1のチャンネルおよび第2のチャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を発生させる第1のスピーカおよび第2のスピーカと、前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1のマイクロホンと、前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2のマイクロホンと、前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号処理手段と、前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号処理手段と、前記第1のスピーカに対応する位置であって、前記第1のマイクロホンとの距離が、前記第1のスピーカと前記第1のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第3のスピーカと、前記第2のスピーカに対応する位置であって、前記第2のマイクロホンとの距離が、前記第2のスピーカと前記第2のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第2の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第4のスピーカとを備えた電子楽音発生装置における、前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段の信号処理特性を調整する方法であって、信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力させ、前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピーカおよび前記第4のスピーカから放音されている測定期間中に、前記第1のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号処理内容を設定するとともに前記第2のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の別態様の信号処理特性調整方法は、楽音信号を生成する電子音源と、当該電子音源によって生成される楽音信号に対応した楽音を発生させる主スピーカと、前記主スピーカに対応する位置に設けられるマイクロホンと、前記マイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する手段であって、第1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライザとを有する信号処理部と、前記マイクロホンとの距離が、前記主スピーカと前記マイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記信号処理部によって処理された信号に対応する音を放音する副スピーカとを備えた電子楽音発生装置における、前記信号処理部の信号処理特性を調整する方法であって、信号処理内容の設定指示があった場合に、a.前記信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオープンループ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を入力して前記副スピーカに放音させている間、前記マイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第1のイコライザの特性を調整するオープンループ状態での調整と、b.前記信号処理部のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測定用音信号を前記信号処理部の信号経路に入力して前記副スピーカから放音させている間、前記マイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ状態での調整とを行うことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
1.電子鍵盤楽器の外観構成
まず、図2および図3は本発明の一実施形態に係る電子鍵盤楽器の外観を示す。図2に示すように、電子鍵盤楽器100は、脚部105と、脚部105によって支持される筐体部110とを有しており、該筐体部110内部に電子音源等の種々の構成要素が配置されている。
【0012】
筐体部110は、鍵盤120を支持する上方筐体部111と、上方筐体部111の下方側に位置する下方筐体部112とを有している。上方筐体部111には、鍵盤120が支持されるとともに、鍵盤120のやや上方中央部には操作画面やスイッチ群等が配置された操作パネル121が設けられている。また、上方筐体部111の操作パネル121が設けられた左右側(低音側および高音側)には、マイクロホン130,131が配置されている。
【0013】
下方筐体部112の演奏者側の面112aの左右側(低音側および高音側)には、メインスピーカ140,141が配置されており、また各々のメインスピーカ140,141の近傍にはマイクロホン150,151が配置されている。また、図3に示すように、下方筐体部112の演奏者と反対側の面112bには、低音側および高音側にリアスピーカ160,161が配置されている。すなわち、電子鍵盤楽器100では、その低音側の部位といった各々対応関係にある位置にマイクロホン130、メインスピーカ140(Lチャンネル用)、マイクロホン150およびリアスピーカ160(Lチャンネル用)が設けられており、高音側の部位といった各々対応関係にある位置にマイクロホン131、メインスピーカ141(Rチャンネル用)、マイクロホン151およびリアスピーカ161(Rチャンネル用)が設けられている。
【0014】
2.電子鍵盤楽器の構成
次に、図4は電子鍵盤楽器100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この電子鍵盤楽器100は、大別すると、Lチャンネル用AFC(Active Field Control)回路ブロック250と、Rチャンネル用AFC(Active Field Control)回路ブロック350と、電子音源400と、制御部401と、測定回路403とを備えている。
【0015】
電子音源400は、演奏者によって演奏される鍵盤120の操作状態に応じた楽音信号を生成する。より具体的には、鍵盤120の操作状態を検出する押鍵センサ等から供給される操作情報に基づいてLチャンネルおよびRチャンネルの楽音信号L,Rを生成する。これによりメインスピーカ140およびメインスピーカ141は各々LチャンネルおよびRチャンネルの楽音信号に応じた楽音を発生する。なお、電子音源400は、LチャンネルとRチャンネルの信号を生成して各々対応するスピーカに供給してステレオ再生を行うことができるが、同一の信号を各々のメインスピーカ140、140に供給してモノラル再生をするようにしてもよい。すなわち、この電子鍵盤楽器100は、通常の一般的な電子ピアノと同様、鍵盤120の操作に応じたピアノ音を発生する機能を有している。また、電子音源400は制御部401から指示に応じて後述する測定用楽音信号Sを各々Lチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350に出力する。
【0016】
測定回路403は、FFT(Fast Fourier Transform)アナライザ、もしくは1/Nバンドパスフィルタを保有するリアルタイムアナライザ等であり、後述するように供給される測定対象信号の周波数特性を測定し、該測定結果を制御部401に出力する。
【0017】
制御部401は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されており、ROMに格納されたプログラム群を実行することにより、電子鍵盤楽器100の装置各部を制御する。本実施形態における電子鍵盤楽器100においては、制御部401の中枢的な制御の下に実施されるAFC内容調整処理に特徴を有しているが、この処理内容についての詳細は後述する。
【0018】
Lチャンネル用AFC回路ブロック250(第1の信号処理手段)は、マイクロホン130およびマイクロホン150によって収音される収音信号に対して反射音成分の付与等の信号処理を施し、当該処理後の信号をリアスピーカ160に出力して放音させる。すなわち、当該電子鍵盤楽器100が設置された空間の音響条件を利用した残響付与等の処理を行う。より具体的には、Lチャンネル用AFC回路ブロック250は、ヘッドアンプ200,201と、加算器202と、AD(Analog to Digital)変換器203と、Lチャンネル信号処理部204と、DA(Digital to Analog)変換器211とを備えている。
【0019】
ヘッドアンプ200,201は各々マイクロホン130,150によって収音された収音信号のゲイン調整を行い、調整後の収音信号を各々加算器202に出力する。ここで、演奏者によって鍵盤120が操作されてメインスピーカ140,141から演奏音が放音されている際には、これらの演奏音を含む音が低音側に配置されたマイクロホン130,150によって収音され、この収音信号がLチャンネル用AFC回路ブロック250に取り込まれ、後述する処理を施されてリアスピーカ160から出力されるのである。
【0020】
加算器202においては、マイクロホン130,150によって収音された収音信号が加算され、加算後の収音信号がLチャンネル信号処理部204に供給される。Lチャンネル信号処理部204は、減算器205と、プログラマブルイコライザ(EQ)206と、FIRフィルタ207と、プログラマブルイコライザ(EQ)208と、アッテネータ(AT)209と、ハウンリングキャンセラ(HC)210とを有しており、DSP(Digital Signal Processor)によって構成することができる。
【0021】
以上のような構成のLチャンネル信号処理部204においては、次のような処理が行われる。まず、供給された収音信号がプログラマブルイコライザ206で周波数特性が補正される。そして、FIRフィルタ207で初期反射音が生成され、さらにプログラマブルイコライザ208で周波数特性が補正され、アッテネータ209でゲインが調整される。ここで、FIRフィルタ207のパラメータは、図5に示すように、時間軸上で連続かつランダムに変動される。これにより、FIRフィルタ207の周波数特性が平均化され、カラレーションの低減とハウリングマージンの拡大がさらに図られる。ここで、パラメータの時間軸の変動は、例えば0.25msec〜5msecの変動幅でFIRフィルタ207の出力タップを無相関に動かすことで実現される。アッテネータ209の出力は、図示せぬボリウム、ミューティング回路、アンプユニット等を介してリアスピーカ160に出力されて放音される。なお、ユーザは操作パネル121を介して、付与する残響パターン内容や、残響付与のオン/オフを指示することができるようになっており、制御部401は当該指示に応じてFIRフィルタ207が生成する残響パターンを制御する。より具体的には、制御部401は、ユーザの指示に応じてROMに格納されている残響パターンに対応したフィルタ係数を読み出してFIRフィルタ207に設定する。また、プログラマブルイコライザ206、プログラマブルイコライザ208の特性およびアッテネータ209のゲイン調整に関する内容は、ユーザからの自動調整指示を受けた際に制御部401の制御の下に実施されるAFC内容調整処理(詳細は後述する)によって決定される。
【0022】
また、ハウリングキャンセラ210は、当該Lチャンネル用AFC回路ブロック250の収音信号の再生音が直接マイクロホン130およびマイクロホン150に帰還されることによるハウリングの発生を防止するもので、収音信号が再生されるタイミングで、この収音信号を引算器205に帰還して、自己のリアスピーカ160,161から自己のマイクロホン130およびマイクロホン150に直接帰還された信号を打ち消す。
【0023】
Rチャンネル用AFC回路ブロック350(第2の信号処理手段)は、マイクロホン131およびマイクロホン151によって収音される収音信号に対して反射音成分の付与等の信号処理を施し、当該処理後の信号をリアスピーカ161に出力して放音させる。すなわち、当該電子鍵盤楽器100が設置された空間の音響条件を利用した残響付与等の処理を行う。より具体的には、Rチャンネル用AFC回路ブロック350は、ヘッドアンプ300,301と、加算器302と、AD変換器303と、Rチャンネル信号処理部304と、DA変換器311とを備えている。
【0024】
ヘッドアンプ300,301は各々マイクロホン131,151によって収音された収音信号のゲイン調整を行い、調整後の収音信号を各々加算器302に出力する。ここで、演奏者によって鍵盤120が操作されてメインスピーカ140,141から演奏音が放音されている際には、これらの演奏音を含む音が高音側に配置されたマイクロホン131,151によって収音され、この収音信号がRチャンネル用AFC回路ブロック350に取り込まれ、反射音成分付与等の処理を施されてリアスピーカ161から出力されるのである。
【0025】
加算器302においては、マイクロホン130,150によって収音された収音信号が加算され、加算後の収音信号がRチャンネル信号処理部304に供給される。Rチャンネル信号処理部304は、上記Lチャンネル信号処理部204と同様、減算器305と、プログラマブルイコライザ(EQ)306と、FIRフィルタ307と、プログラマブルイコライザ(EQ)308と、アッテネータ(AT)309と、ハウンリングキャンセラ(HC)310とを有しており、DSP(Digital Signal Processor)によって構成することができる。
【0026】
上記構成のRチャンネル信号処理部304は、上記のLチャンネル信号処理部204と同様の処理を行うので、各構成要素の処理についての説明は省略する。なお、Rチャンネル信号処理部304においても、Lチャンネル信号処理部204と同様、ユーザは操作パネル121を介して、付与する残響パターン内容や、残響付与のオン/オフを指示することができるようになっており、該指示にしたがってFIRフィルタ307の特性が設定される。また、プログラマブルイコライザ306、プログラマブルイコライザ308の特性およびアッテネータ309のゲイン調整に関する内容は、ユーザからの自動調整指示を受けた際に制御部401の制御の下に実施されるAFC内容調整処理によって決定される。以下、このAFC調整処理を実施する際の当該電子鍵盤楽器100の動作について説明する。
【0027】
3.AFC内容調整処理
上述したようにAFC内容調整処理は、Lチャンネル信号処理部204およびRチャンネル信号処理部304のプログラマブルイコライザの特性やアッテネータによるゲイン調整量といった各ブロックの信号処理特性を設定することにより行われる。ユーザから操作パネル121を介してAFC内容調整の実行指示を受けると、制御部401は図6に示すような手順にしたがって調整処理を実行する。なお、調整指示を受けた場合、制御部401は、鍵盤120がユーザ等によって誤操作された場合にも、その操作に応じて電子音源400が楽音信号を生成して発音されてしまうことを禁止する制御を実行し、これにより調整処理が円滑に行われるようにしている。
【0028】
まず、制御部401は、電子鍵盤楽器100の装置各部を制御して、オープンループ状態でマイクロホン130,131,150,151によって収音される収音信号の周波数特性を測定する(ステップS1)。すなわち、制御部401は図示せぬスイッチ等をオフに切り換えることにより、例えば図4のアッテネータ209とDA変換器211との間(またはプログラマブルイコライザ208とアッテネータ209との間もしくはFIRフィルタ207とプログラマブルイコライザ208との間)の信号経路を遮断するとともに、アッテネータ309とDA変換器311との間(またはプログラマブルイコライザ308とアッテネータ309との間もしくはFIRフィルタ307とプログラマブルイコライザ308との間)の信号経路を遮断し、Lチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350を含む各々のループ(各ブロックの信号経路およびスピーカとマイクロホンの間の設置空間内の伝達経路をいう)をオープンループ状態とする。
【0029】
以上のようにオープンループ状態とすると、制御部401は電子音源400に対して測定用楽音信号Sを所定の測定期間にわたって出力するように指示する。より具体的には、電子音源400は、Lチャンネル用AFC回路ブロック250の信号経路における上記遮断箇所の後段側(例えばリアスピーカ160の前段の箇所)と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の信号経路における上記遮断箇所の後段側(例えばリアスピーカ161の前段の箇所)とから測定用楽音信号Sを入力する。この結果、Lチャンネル用のリアスピーカ160と、Rチャンネル用のリアスピーカ161とから入力された測定用楽音信号に対応した楽音(ステレオの楽音)が所定の測定期間にわたって放音される。
【0030】
ここで、測定用信号としては、ピンクノイズ、ホワイトノイズ等の周波数特性が比較的平滑な信号を用いるようにしてもよいが、スピーカから放音されるピンクノイズは聴取者にとって心地のよい音とはいえない。そこで、本実施形態では、測定用楽音信号Sとして、所定の和音が放音されるような楽音信号を用い、測定期間中にリアスピーカ160,161から和音を放音させ、測定期間中であっても聴取者に極力不快感を与えないようにしている。
【0031】
また、和音を測定用の楽音として用いる理由は、上記のように不快感を与えないようにするだけではなく、以下のような理由にもよる。すなわち、ある音高の単音を発生させた場合には、その周波数特性が平滑ではなく、その単音の基音成分と倍音成分の周波数帯域の成分のみを多く含む、つまり偏った周波数特性を有する楽音が測定対象となってしまい、より正確な調整処理に支障をきたすことになる。これに対し、本実施形態のように測定音として和音を用いることにより、和音の各構成音の基音成分およびその倍音成分が測定音に含まれることになるので、当該測定音の周波数特性は比較的平滑となり、当該測定結果を利用した調整処理の正確性が向上する。また、和音をコード進行させることにより、広い帯域にわたる音域で放音するとともに、測定時にユーザに不快感を与えないようにしてもよい。このように測定音は、可能な限り広い帯域にわたってある程度均一なスペクトルが得られるものが好ましく、当該測定機能を搭載する装置において発音可能な音域のほぼ全域にわたるスペクトルを含む楽音であることが好ましい。この電子鍵盤楽器の場合には、その電子ピアノ機能において発音可能な音域(88鍵分の音域)のほぼ全域にわたって周波数成分を有する測定音とすることが好ましい。また、このような幅広い音域を含む楽曲を演奏するための信号を測定音信号として利用すれば、ユーザは楽曲を聴きながら測定結果を待つことができ、単に音が発生している状態よりもユーザにとって快適な状況で測定を行うことができる。
【0032】
また、本実施形態では、上記所定の測定期間において、最初は和音全体としての音高(ピッチ)が高い音が放音されるようにし、その後徐々に和音全体として音高の低くなるようにした後、再度和音全体として音高の高くなるといった測定音を放音させることとしている。これは、高音の方が低音よりもエネルギーが大きく、測定音の放音を高音域の音から開始することによって、測定対象のエネルギーの立ち上がりを速くし、より正確な調整処理に資する測定結果を得るためである。なお、測定用楽音としては、以上のような和音に限定されるものではなく、広い帯域にわたる周波数成分を含んだ楽音や楽曲であればよい。
【0033】
本実施形態では、上記のような和音を放音させるための楽音信号を電子音源400からLチャンネルのリアスピーカ160とRチャンネルのスピーカ161に出力し、この楽音信号に対応するステレオ楽音再生時にマイクロホン130,131,150,151によって収音させる収音信号の周波数特性等を測定することとしている。すなわち、測定用のステレオ再生音がLチャンネル用AFC回路ブロック250のマイクロホン130,150と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350のマイクロホン131,151に収音される。そして、マイクロホン130,150によって収音された収音信号の周波数特性等の測定結果(以下、測定結果SOLという)がLチャンネル用AFC回路ブロック250のプログラマブルイコライザ209等の設定に用いられ、マイクロホン131,151の収音信号の測定結果(以下、測定結果SORという)がRチャンネル用AFC回路ブロック350のプログラマブルイコライザ309等の設定に用いられる。
【0034】
より具体的にはLチャンネル用AFC回路ブロック250のマイクロホン130,150によって収音された測定用のステレオ再生音の収音信号は、ヘッドアンプ200,201を経て加算器202で加算された後、AD変換器203によってディジタル信号に変換されてLチャンネル信号処理部204に供給される。そして、プログラマブルイコライザ206を通ってFIRフィルタ207で残響信号が生成される。制御部401は、図示せぬスイッチ等の切換制御を行い、この残響信号をプログラマブルイコライザ208およびアッテネータ209を通して得られる信号(またはプログラマブルイコライザ208の出力もしくはFIRフィルタ207の出力)を測定対象信号として測定回路403に供給する。このようにして測定回路403に測定対象信号が供給されると、測定回路403によって供給された測定対象信号の周波数特性やゲインが測定される。すなわち、Lチャンネル用AFC回路ブロック250の信号経路をオープンループ状態とした際の、設置室空間の伝達特性を含む伝送特性およびゲインが測定され、当該測定結果が制御部401に供給されてRAM等に保持される。
【0035】
ここで、オープンループ状態での伝送特性の測定方法について具体的に説明する。本実施形態では、ユーザによって自動調整が指示されると、制御部401によってプログラマブルイコライザ206およびプログラマブルイコライザ208の特性がフラットに調整され、またアッテネータ209のゲインは0dBにされ、その後段に設けられる図示せぬボリウムは最大に設定される。また、上記のように遮断箇所に設けられたスイッチがオフされてループが遮断され、電子音源400によって生成された測定用楽音信号が経路内に供給される。この測定用楽音信号はスピーカシステム72で再生され、室内空間を通ってマイクユニット78で収音される。収音された信号はFFTアナライザ等で構成される測定回路403に供給され、その周波数特性が測定される。
【0036】
以上のように周波数特性を測定すると、測定回路403によってスムージング処理が行われる。測定回路403による計算結果は例えば図7(a)のようになるが、制御部401による当該結果を用いた処理を容易にするため、図7(b)のようにスムージング化する。スムージング化は、例えばFFTのデータの±10ポイントを平均することで行う。ただし、FFTのデータは、周波数幅がリニアなので、対数軸で見た場合、低域(100Hz以下)では平均を取らず、中域(100Hz〜1kHz)では平均するポイント数を徐々に増し、高域(1kHz 以上)では±10ポイントの平均を取ってスムージング化を行う。なお、±10ポイントを平均するとは、FFTのすべてのデータについてその前後±10データの平均を取ることである。例えば、FFTの元のデータをf(x)、平均後のデータをF(x)とすると、FFT平均データF(x)は次式で求められる。
【数1】
Figure 0003823824
このxを全てのFFTデータf(x)に関して行えば、元のデータf(x)と同じ数のFFT平均データF(x)が算出される。このようにして周波数特性が測定されるのである。
【0037】
また、Rチャンネル用AFC回路ブロック350のマイクロホン131,151によって収音された測定用のステレオ再生音の収音信号は、ヘッドアンプ300,301を経て加算器302で加算された後、AD変換器303によってディジタル信号に変換されてRチャンネル信号処理部304に供給される。そして、プログラマブルイコライザ306を通ってFIRフィルタ307で残響信号が生成される。制御部401は、図示せぬスイッチ等の切換制御を行い、この残響信号をプログラマブルイコライザ308およびアッテネータ309を通して得られる信号(またはプログラマブルイコライザ308の出力もしくはFIRフィルタ307の出力)を測定対象信号として測定回路403に供給する。このようにして測定回路403に測定対象信号が供給されると、測定回路403によって供給された測定対象信号の周波数特性やゲインが測定される。すなわち、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の信号経路をオープンループ状態とした際の、設置室空間の伝達特性を含む伝送特性およびゲインが測定され、当該測定結果が制御部401に供給されてRAM等に保持される。なお、測定方法については上述した通りであるため、その説明を省略する。
【0038】
以上のようにオープンループ状態で測定音を発した際の、Lチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のループの伝送特性等の測定結果が得られると、制御部401はオープンループ状態を維持したまま、暗騒音(部屋の空調音など)測定のための処理を行う(ステップS2)。すなわち、制御部401は、電子音源400による測定用楽音信号Sの出力を停止させ、当該電子鍵盤楽器100からは電子的な楽音を一切発生させない状態で、つまり当該設置室空間の暗騒音のみをマイクロホン130,131,150,151によって収音させ、当該収音信号の周波数特性等を測定する。
【0039】
より具体的には、Lチャンネル用AFC回路ブロック250のマイクロホン130,150によって収音された収音信号が上記測定時と同様の信号経路を経て測定対象信号として測定回路403に供給され、測定回路403によって供給された測定対象信号の周波数特性やゲインが測定される。すなわち、Lチャンネル用AFC回路ブロック250の信号経路をオープンループ状態とした際の、当該電子鍵盤楽器100が楽音を全く発生させていない時の設置室空間の伝達特性を含む伝送特性およびゲインが測定され、当該測定結果(以下、測定結果SBGLという)が制御部401のRAM等に保持される。また、同様にRチャンネル用AFC回路ブロック350についても同様の測定が行われ、当該測定結果(以下、測定結果SBGR)が制御部401のRAM等に保持される。なお、測定方法については上述した通りであるため、その説明を省略する。
【0040】
以上のようにLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350について、オープンループ状態での測定用音を発生させた時の測定結果SOLおよび測定結果SORと、測定用音を発生させない時の測定結果SBGLおよび測定結果SBGRとを取得すると、制御部401は測定結果SBGLおよび測定結果SBGRに基づいて、測定結果SOLおよび測定結果SORを補正する(ステップS3)。
【0041】
より具体的には、各周波数毎に測定結果SOL(dB)−測定結果SBGL(dB)が3dB以上10dB未満、すなわちS/N比が3dB以上10db未満の場合には、次の式により、Lチャンネル用AFC回路ブロック250の測定結果SOLを補正し、補正後の測定結果HSOLを導出する。
【数2】
Figure 0003823824
なお、本実施形態では、S/N比が10dB以上となる周波数については、暗騒音の影響は少ないと考えられるので補正は行わないようにしている。また、S/N比が3dB未満の周波数については、その周波数についての測定結果SOLがほとんど暗騒音によるものと考えられるので、測定結果から除外するようにしている。
【0042】
また、Rチャンネル用AFC回路ブロック350についても、同様に測定結果SOR(dB)−測定結果SBGR(dB)が3dB以上10dB未満、すなわちS/N比が3dB以上10db未満の場合には、次の式により、測定結果SORを補正し、補正後の測定結果HSORを導出する。
【数3】
Figure 0003823824
なお、本実施形態では、S/N比が10dB以上となる周波数については、暗騒音の影響は少ないと考えられるので補正は行わないようにしている。また、S/N比が3dB未満の周波数については、その周波数についての測定結果(SOLまたはSOR)がほとんど暗騒音によるものと考えられるので、測定結果から除外するようにしている。
【0043】
以上のような補正を行うことにより、測定結果SOLおよび測定結果SORから暗騒音の影響をほとんど除去した測定結果HSOLおよび測定結果HSORを得ることができ、これらの測定結果HSOLおよび測定結果HSORを後述する調整処理に用いることができる。なお、本発明者が行った実験によって、暗騒音は測定結果の低周波領域に多く影響を与えており、上記のような補正を行うことにより、暗騒音の影響の少ない測定結果HSOLおよび測定結果HSORが得られることが確認された。
【0044】
暗騒音による影響分を補正した測定結果HSOLおよび測定結果HSORを求めると、制御部401は各々の測定結果に基づいてLチャンネル用AFC回路ブロック250の後段のプログラマブルイコライザ208の特性およびアッテネータ209のゲイン調整量と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の後段のプログラマブルイコライザ308の特性およびアッテネータ309のゲイン調整量との設定を行う(ステップS4)。
【0045】
すなわち、制御部401は、測定結果HSOLから、同様の測定を行った場合(つまりオープンループ状態で測定音を発生させて測定した場合)に当該測定結果である周波数特性がハウリングが生じないレベルの範囲内で平坦化されるようにプログラマブルイコライザ208の特性を調整する。例えば、設定すべきプログラマブルイコライザ208の各周波数毎の特性PAL(dB)は、測定結果HSOL(dB)と、予め用意されている基準特性R(dB)とすると、以下の式を満たす値として求めることができる。
(HSOL−R)−PAL=−15dB
ここで、基準特性Rとは、測定用楽音信号SをFFTすることにより得られる周波数特性である。上記式から、図8に実線で示す測定結果HSOLが得られた場合には、プログラマブルイコライザ208の特性PALは図中破線で示すようなものとなる。なお、−15dBはハウリング等が生じないように予め求められた値であり、基準特性Rや−15dBといった値は制御部401のROMに記憶されている。
【0046】
制御部401は以上のように求めた特性PALにプログラマブルイコライザ208の特性が設定されるよう設定指示を出力する。例えば、プログラマブルイコライザ208を、中心周波数、ゲインおよび選択度Qが設定可能なパラメトリックイコライザで構成した場合には、上記のプログラマブルイコライザ208が求めた特性PALに設定されるよう中心周波数、ゲインおよび選択度Qを含む設定指示を出力する。
【0047】
以上がLチャンネル用AFC回路ブロック250のプログラマブルイコライザ208の特性調整であり、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の後段のプログラマブルイコライザ308の特性調整についても、測定結果HSORを用いて同様の手法により行われる。
【0048】
プログラマブルイコライザ208およびプログラマブルイコライザ308の特性調整が終了すると、制御部401はLチャンネル用AFC回路ブロック250のアッテネータ209と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350のアッテネータ309の調整を行う。以上のようなプログラマブルイコライザ208の調整によってオープンループ状態でのゲインがハウリングを生じさせないレベルとなっているはずであるが、プログラマブルイコライザ208としてIIR(Infinite Impulse Response)型のイコライザを多数使用した場合には、目標となる特性PALに設定されないことがある。そこで、上記のようにプログラマブルイコライザ208の設定を行った後、制御部401は、再度測定用楽音信号Sを電子音源400から出力させて測定用楽音を発生させ、その際にマイクロホン130,150によって取得される収音信号(プログラマブルイコライザ208を通過した収音信号)の周波数特性の測定を測定回路403に行わせる。そして、制御部401は、その測定結果からピーク値がハウリングレベル(これ以上大きくなるとハウリングが生じやすくなるレベル)を超えないようアッテネータ209を調整する。また、制御部401はRチャンネル用AFC回路ブロック350のアッテネータ309についても同様の調整処理を行う。
【0049】
以上のようにプログラマブルイコライザ208、プログラマブルイコライザ308、アッテネータ209およびアッテネータ309の調整が終了すると、制御部401は、電子鍵盤楽器100の装置各部を制御して、クローズドループ状態でマイクロホン130,131,150,151によって収音される収音信号の周波数特性を測定する(ステップS5)。すなわち、制御部401は図示せぬスイッチ等をオンに切り換えることにより、例えば図4のアッテネータ209とDA変換器211との間(またはプログラマブルイコライザ208とアッテネータ209との間もしくはFIRフィルタ207とプログラマブルイコライザ208との間)、およびアッテネータ309とDA変換器311との間(またはプログラマブルイコライザ308とアッテネータ309との間もしくはFIRフィルタ307とプログラマブルイコライザ308との間)といった上記オープンループ状態の測定時に遮断されていた部分を接続し、Lチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350を含む各々のループをクローズドループ状態とする。
【0050】
クローズドループ状態とすると、上記オープンループ状態の測定(ステップS1)と同様、制御部401は電子音源400に対して測定用楽音信号Sを所定の測定期間にわたって出力するように指示する。より具体的には、電子音源400は、Lチャンネル用AFC回路ブロック250の信号経路における任意の箇所と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の信号経路における任意の箇所とから測定用楽音信号Sを入力する。この結果、Lチャンネル用のリアスピーカ160と、Rチャンネル用のリアスピーカ161とから入力された測定用楽音信号に対応した楽音(ステレオの楽音)が所定の測定期間にわたって放音される。
【0051】
クローズドループ状態での測定も、上記オープンループ状態での測定と同様、リアスピーカ160,161によるステレオ楽音再生時にマイクロホン130,131,150,151によって収音させる収音信号の周波数特性等を測定する。より具体的には、測定用のステレオ再生音がLチャンネル用AFC回路ブロック250のマイクロホン130,150と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350のマイクロホン131,151に収音される。そして、マイクロホン130,150によって収音された収音信号の測定結果(以下、測定結果SCLという)がLチャンネル用AFC回路ブロック250のプログラマブルイコライザ206等の設定に用いられ、マイクロホン131,151の収音信号の測定結果(以下、測定結果SCRという)がRチャンネル用AFC回路ブロック350のプログラマブルイコライザ306等の設定に用いられる。
【0052】
そして、Lチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350における測定用楽音信号Sを入力した箇所の直前で取得される信号が、測定対象信号として測定回路403に供給される。すなわち、室空間を含むLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のループを周回した信号が測定対象信号として測定回路403に供給される。測定回路403に測定対象信号が供給されると、測定回路403によって供給された測定対象信号の周波数特性やゲインが測定される。つまり、Lチャンネル用AFC回路ブロック250の信号経路をクローズドループ状態とした際の、設置室空間の伝達特性を含む伝送特性およびゲインが測定され、当該測定結果が制御部401に供給されてRAM等に保持される。また、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の信号経路をオープンループ状態とした際の、設置室空間の伝達特性を含む伝送特性およびゲインが測定され、当該測定結果が制御部401に供給されてRAM等に保持される。なお、測定方法については上述したオープンループ状態の測定時と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
以上のようにLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350について、オープンループ状態での測定用音を発生させた時の測定結果SCLおよび測定結果SCRを求めると、制御部401は、これらの測定結果を上記ステップS3で求めた測定用音を発生させない時の測定結果SBGLおよび測定結果SBGRに基づいて補正し(ステップS6)、補正後の測定結果HSCLおよび測定結果HSCRを取得する。なお、クローズドループ状態での測定結果の補正方法は、上記オープンループ状態での測定結果の補正方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0054】
暗騒音による影響分を補正した測定結果HSCLおよび測定結果HSCRを求めると、制御部401は各々の測定結果に基づいてLチャンネル用AFC回路ブロック250の前段のプログラマブルイコライザ206の特性と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の前段のプログラマブルイコライザ306の特性とを調整する(ステップS7)。ここでの各プログラマブルイコライザの特性調整も、上記オープンループ状態での調整と同様であり、制御部401は測定結果HSOLから、同様の測定を行った場合(つまりクローズドループ状態で測定音を発生させて測定した場合)に当該測定結果である周波数特性がハウリングが生じないレベルの範囲内で平坦化されるようにプログラマブルイコライザ206の特性を調整する。また、同様にRチャンネル用AFC回路ブロック350のプログラマブルイコライザ306の特性についても、測定結果HSCRに基づいた調整を行う。なお、プログラマブルイコライザ206およびプログラマブルイコライザ306の特性調整が終了した後、上記オープンループ状態の調整と同様の手法により、アッテネータ209およびアッテネータ309の調整処理を行うようにしてもよい。
【0055】
以上説明したように本実施形態に係る電子鍵盤楽器100では、鍵盤120の操作に応じて電子音源400が出力するステレオの楽音信号に対応した楽音がメインスピーカ140,141から放音される。この際、上記構成の当該ステレオ再生音がマイクロホン130,131,150,151によって収音され、Lチャンネル信号処理部204およびRチャンネル信号処理部304によって、当該電子鍵盤楽器100の設置された周囲の環境(設置空間形状等)の音響特性を利用した残響付与等がなされるので、自然楽器特有の楽器の鳴りや、舞台空間の響きを再現することができる。また、従来の電子鍵盤楽器にも、自身が生成したピアノの音色の楽音信号に信号処理を施して残響感を付与して放音するといった機能を有するものがあったが、本実施形態に係る電子鍵盤楽器100では、他の楽器から放音された楽音についてもマイクロホン130,131,150,151によって収音されて残響付与等がなされて放音される。したがって、アンサンブル演奏等を行った際のその演奏空間内の楽音の響きが従来の電子鍵盤楽器よりも優れたものとなる。
【0056】
本実施形態に係る電子鍵盤楽器100は、上述したような優れた楽音発生機能を備えている。このような優れた機能を得るためにLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350が残響付与等の信号処理を行う構成を採用している。しかし、電子鍵盤楽器100の設置条件(壁際に設置されている場合、部屋の中央に設置されている場合、もしくは近傍に家具等が配置されている場合などの設置条件)によってはハウリング等の音響障害を招くこともあり、各々の設置条件に応じてLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のイコライザ等の設定を最適なものとしなくてはならない。この電子鍵盤楽器100では、ユーザからの自動調整指示を受けた場合に、上述したように測定用楽音をリアスピーカ160,161といった左右両チャンネルに対応したスピーカから放音させ、このステレオ再生時にマイクロホン130,131,150,151によって収音される収音信号に基づいてイコライザ等の自動調整を行うことができるようになっている。すなわち、電子鍵盤楽器100の設置環境において実測したデータに基づいてそのイコライザ等の自動調整を行っているので、その設置環境に最適な自動調整を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器100のようにLチャンネルおよびRチャンネルといったステレオ再生が可能な楽音発生装置においては、各々のチャンネルの信号成分が他のチャンネルの系統に漏れてしまうといった、いわゆるクロストークが生じてしまうことがある。例えば、Lチャンネルの信号成分がRチャンネル用AFC回路ブロック350のループに侵入してしまうといったクロストークが生じてしまうことがある。本実施形態では、ステレオ再生機能を有するが故に生じるクロストークによる影響を、測定用楽音をステレオ再生する、つまりリアスピーカ160,161から同時にLチャンネルおよびRチャンネルの測定用楽音を再生することによって補正することができる。すなわち、ステレオ再生した楽音を各々がLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のマイクロホンによって収音され、該収音された信号を測定し、他チャンネルの信号成分が含まれた測定結果に基づいて各AFC回路ブロックのイコライザ等の調整を行うようにしている。このような調整を行うことによって上記のようなクロストーク分も補正されるのである。
【0058】
また、本実施形態では、マイクロホン130,131,150,151によって収音される収音信号に基づく測定結果が、暗騒音による影響をほとんど除去されるよう補正された後、Lチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のイコライザ等の自動調整に利用されることになる。したがって、より適正な自動調整を行うことができる。
【0059】
4.変形例
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0060】
(変形例1)
上述した実施形態では、クローズドループ状態での測定結果SCLおよび測定結果SCRをオープンループ状態での暗騒音の測定結果SBGLおよび測定結果SBGRに基づいて補正するようにしていたが(図6のステップS6)、クローズドループ状態で暗騒音の測定を行い、この測定結果に基づいてクローズドループ状態での測定結果SCLおよび測定結果SCRを補正するようにしてもよい。ここで、クローズドループ状態での暗騒音の測定は、Lチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350をクローズドループ状態とし、上述したオープンループ状態での暗騒音の測定方法と同様の方法によって実施すればよい。また、クローズドループ状態での暗騒音の測定結果に基づく補正方法も、上記実施形態と同様の方法で行うようにすればよい。
【0061】
(変形例2)
上述した実施形態では、ユーザ等の自動調整指示に応じて電子鍵盤楽器100がその設置環境において測定用楽音を発生し、実際にその環境での測定結果に基づいて、最適なLイコライザ調整等を行うようにしていたが、図9に示すように、予め複数種類の設置環境と、各設置環境に対応する最適なイコライザやアッテネータの設定情報とを対応付けたテーブルを制御部401のROMに記憶させておき、ユーザから指定された設置環境に応じた設定情報をROMから読み出し、該設定情報にしたがって各イコライザやアッテネータの調整を行うようにしてもよい。
【0062】
ここで、設定情報とは、Lチャンネル用AFC回路ブロック250のプログラマブルイコライザ206、プログラマブルイコライザ208、Rチャンネル用AFC回路ブロック350のプログラマブルイコライザ306およびプログラマブルイコライザ308の特性を設定するための情報と、Lチャンネル用AFC回路ブロック250のアッテネータ209およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のアッテネータ309のゲイン調整量を示す情報である。
【0063】
また、設置環境とは、例えば、図10に示すように、室空間の中央部に電子鍵盤楽器100を設置した場合(設置環境Aとする)と、図の左上側の隅部に電子鍵盤楽器100を設置した場合(設置環境Bとする)と、図の左下側の隅部に電子鍵盤楽器100を設置した場合(設置環境Cとする)と、図の右上側の隅部に電子鍵盤楽器100を設置した場合(設置環境Dとする)と、図の右下側の隅部に電子鍵盤楽器100を設置した場合(設置環境Eとする)といったようにどのような形状の室のどのような場所に設定されているかといった情報である。このような5種類の設置環境に対応する設定情報は、以下のようにして取得することができる。すなわち、電子鍵盤楽器100を実際に上記の設置環境A〜Eの各々に配置した状態で、上述した実施形態と同様にオープンループ状態の調整やクローズドループ状態での調整を含むAFC内容調整処理を行い、この調整処理によって得られた各イコライザやアッテネータの設定を設定情報として取得するのである。
【0064】
以上の構成の下、ユーザが電子鍵盤楽器100の実際の設置環境により近い設置環境を指定すると、指定された設置環境に対応する設定情報にしたがってLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のイコライザやアッテネータが調整される。したがって、電子鍵盤楽器100の設置環境により適した調整が行われることになり、音響障害等がほとんど生じることのない残響付与等を行うことができる。また、この場合、調整処理に上述した実施形態のような測定を行う必要がないので、調整時間を短縮することができるとともに、測定回路403が不要であるため、装置構成を簡易化することもできる。
【0065】
(変形例3)
また、上述した実施形態では、本発明を鍵盤120の操作状態に応じて楽音を発生する電子鍵盤楽器に適用した場合について説明したが、本発明は電子鍵盤楽器に限らず、他の演奏操作子に応じて楽音を発生する電子楽器等の種々の電子的に楽音を発生させる機能を有する電子楽音発生装置に適用することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、既存の室内の音響条件等を利用して発生させる楽音にアコースティック感等を付与することができ、かつ設置環境等が変動した場合にもハウリング等の障害が生じることを自動的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アコースティックフィードバックの原理を説明するための図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る電子鍵盤楽器の外観を示す斜視図である。
【図3】 前記電子鍵盤楽器を示す背面図である。
【図4】 前記電子鍵盤楽器の構成を示すブロック図である。
【図5】 前記電子鍵盤楽器の構成要素であるFIRフィルタの時間軸変動動作を説明するための図である。
【図6】 前記電子鍵盤楽器によるAFC内容調整処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】 前記AFC内容調整処理によって測定される信号の周波数特性を示す図である。
【図8】 前記AFC内容調整処理によって得られる周波数特性であって、前記電子鍵盤楽器の構成要素であるプログラマブルイコライザの特性を示す図である。
【図9】 前記電子鍵盤楽器の変形例における制御部のROMに記憶されるテーブルの内容を説明するための図である。
【図10】 前記テーブルに格納されている設定情報の内容を説明するための図である。
【符号の説明】
100……電子鍵盤楽器、110……筐体部、111……上方筐体部、112……下方筐体部、120……鍵盤、121……操作パネル、130,131,150,151……マイクロホン、140,141……メインスピーカ、160,161……リアスピーカ、204……Lチャンネル信号処理部、205……減算器、206……プログラマブルイコライザ、207……FIRフィルタ、208……プログラマブルイコライザ、209……アッテネータ、250……Lチャンネル用AFC回路ブロック、304……Rチャンネル信号処理部、305……減算器、306……プログラマブルイコライザ、307……FIRフィルタ、308……プログラマブルイコライザ、309……アッテネータ、350……Rチャンネル用AFC回路ブロック、400……電子音源、401……制御部、403……測定回路。

Claims (13)

  1. 第1のチャンネルの楽音信号と第2のチャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、当該電子音源によって生成される第1のチャンネルおよび第2のチャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を発生させる第1のスピーカおよび第2のスピーカとを備えた電子楽音発生装置であって、
    前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1のマイクロホンと、
    前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2のマイクロホンと、
    前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号処理手段と、
    前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号処理手段と、
    前記第1のスピーカに対応する位置であって、前記第1のマイクロホンとの距離が、前記第1のスピーカと前記第1のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第3のスピーカと、
    前記第2のスピーカに対応する位置であって、前記第2のマイクロホンとの距離が、前記第2のスピーカと前記第2のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第2の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第4のスピーカと、
    信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力し、前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピーカおよび前記第4のスピーカから放音されている測定期間中に、前記第1のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号処理内容を設定するとともに、前記測定期間に前記第2のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定する設定手段と
    を具備することを特徴とする電子楽音発生装置。
  2. 前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段は、第1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライザとを有しており、
    信号処理内容の設定指示があった場合、前記設定手段は、
    a.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段の信号経路をいずれかの部分で遮断したオープンループ状態で、当該遮断箇所から前記測定用音信号を入力して前記第3および第4のスピーカに放音させている間、前記第1のマイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の信号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整するとともに、前記第2のマイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第2の信号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整するオープンループ状態での調整と、
    b.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測定用音信号を前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段の信号経路に入力して前記第3および第4のスピーカから放音させている間、前記第1のマイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の信号処理手段の前記第2のイコライザの特性を調整するとともに、前記第2のマイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第2の信号処理手段の前記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ状態での調整とを行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子楽音発生装置。
  3. 前記設定手段は、前記第1、第2、第3および第4のスピーカからの放音を停止した状態で前記第1のマイクロホンによって収音される信号に基づいて、前記オープンループ状態および前記クローズドループ状態の各々において前記第1のマイクロホンから収音される信号から測定した周波数特性を補正し、補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の信号処理手段の前記第1のイコライザおよび前記第2のイコライザの特性を調整するとともに、
    前記第1、第2、第3および第4のスピーカからの放音を停止した状態で前記第2のマイクロホンによって収音される信号に基づいて、前記オープンループ状態および前記クローズドループ状態の各々において前記第2のマイクロホンから収音される信号から測定した周波数特性を補正し、補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第2の信号処理手段の前記第1のイコライザおよび前記第2のイコライザの特性を調整する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子楽音発生装置。
  4. 楽音信号を生成する電子音源と、当該電子音源によって生成される楽音信号に対応した楽音を発生させる主スピーカとを備えた電子楽音発生装置であって、
    前記主スピーカに対応する位置に設けられるマイクロホンと、
    前記マイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する手段であって、第1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライザとを有する信号処理部と、
    前記マイクロホンとの距離が、前記主スピーカと前記マイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記信号処理部によって処理された信号に対応する音を放音する副スピーカと、
    信号処理内容の設定指示があった場合に、前記信号処理部による信号処理内容を設定する手段であって、
    a.前記信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオープンループ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を入力して前記副スピーカに放音させている間、前記マイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第1のイコライザの特性を調整するオープンループ状態での調整と、
    b.前記信号処理部のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測定用音信号を前記信号処理部の信号経路に入力して前記副スピーカから放音させている間、前記マイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ状態での調整とを行う設定手段と
    を具備することを特徴とする電子楽音発生装置。
  5. 前記設定手段によって出力される前記測定用音信号は、前記電子音源が発音可能な音域の周波数成分を含む楽音を発生するための信号であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子楽音発生装置。
  6. 第1のチャンネルの楽音信号と第2のチャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、当該電子音源によって生成される第1のチャンネルおよび第2のチャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を発生させる第1のスピーカおよび第2のスピーカとを備えた電子楽音発生装置であって、
    前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1のマイクロホンと、
    前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2のマイクロホンと、
    前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号処理手段と、
    前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号処理手段と、前記第1のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第3のスピーカと、
    前記第2のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第2の信号処理手段によって処理 された信号に対応する音を放音する第4のスピーカと、
    信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力し、前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピーカおよび前記第4のスピーカから放音されている測定期間中に、前記第1のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号処理内容を設定するとともに、前記測定期間に前記第2のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定する設定手段とを具備し、
    前記設定手段によって出力される前記測定用音信号は、複数の構成音の基音成分及びその倍音成分からなる和音を発生させるための信号であることを特徴とする電子楽音発生装置。
  7. 前記信号処理内容の設定指示があった場合に前記設定手段は、前記測定用音信号として、複数の構成音の基音成分及びその倍音成分からなる和音を発生させるための信号を所定の期間出力し、当該所定の期間中において発生させられる前記和音全体の音高が高音から低音に遷移した後、さらに高音に戻るような信号を出力することを特徴とする請求項6に記載の電子楽音発生装置。
  8. 前記第1の信号処理手段及び前記第2の信号処理手段による信号処理内容を表す設定情報を複数の設置環境に対応付けて記憶し、
    前記第1の信号処理手段及び前記第2の信号処理手段は、ユーザにより指定された設置環境に応じた設置情報の信号処理を行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電子楽音発生装置。
  9. 演奏操作子をさらに具備し、前記電子音源は、前記演奏操作子の操作状態に応じた楽音信号を生成することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の電子楽音発生装置。
  10. 第1のチャンネルの楽音信号と第2のチャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、
    当該電子音源によって生成される第1のチャンネルおよび第2のチャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を発生させる第1のスピーカおよび第2のスピーカと、
    前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1のマイクロホンと、
    前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2のマイクロホンと、
    前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号処理手段と、
    前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号処理手段と、
    前記第1のスピーカに対応する位置であって、前記第1のマイクロホンとの距離が、前記第1のスピーカと前記第1のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第3のスピーカと、
    前記第2のスピーカに対応する位置であって、前記第2のマイクロホンとの距離が、前記第2のスピーカと前記第2のマイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記第2の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第4のスピーカと
    を備えた電子楽音発生装置における、前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段の信号処理特性を調整する方法であって、
    信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力させ、
    前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピーカおよび前記第4のスピーカから放音されている測定期間中に、前記第1のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号処理内容を設定するとともに前記第2のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定する
    ことを特徴とする信号処理特性調整方法。
  11. 前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段は、第1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライザとを有しており、信号処理内容の設定指示があった場合、
    a.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段の信号経路をいずれかの部分で遮断したオープンループ状態で、当該遮断箇所から前記測定用音信号を入力して前記第3および第4のスピーカに放音させている間、前記第1のマイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の信号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整するとともに、前記第2のマイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第2の信号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整するオープンループ状態での調整と、
    b.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測定用音信号を前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段の信号経路に入力して前記第3および第4のスピーカから放音させている間、前記第1のマイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の信号処理手段の前記第2のイコライザの特性を調整するとともに、前記第2のマイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第2の信号処理手段の前記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ状態での調整とを行う
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理特性調整方法。
  12. 第1のチャンネルの楽音信号と第2のチャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、
    当該電子音源によって生成される第1のチャンネルおよび第2のチャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を発生させる第1のスピーカおよび第2のスピーカと、
    前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1のマイクロホンと、
    前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2のマイクロホンと、
    前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号処理手段と、
    前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号処理手段と、前記第1のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第3のスピーカと、
    前記第2のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第2の信号処理手段によって処理された信号に対応する音を放音する第4のスピーカとを備えた電子楽音発生装置における、前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理手段の信号処理特性を調整する方法であって、
    信号処理内容の設定指示があった場合に、複数の構成音の基音成分及びその倍音成分からなる和音を発生させるための測定用音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力させ、
    前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピーカおよび前記第4のスピーカから放音されている測定期間中に、前記第1のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号処理内容を設定するとともに、前記測定期間に前記第2のマイクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定することを特徴とする信号処理特性調整方法。
  13. 楽音信号を生成する電子音源と、
    当該電子音源によって生成される楽音信号に対応した楽音を発生させる主スピーカと、
    前記主スピーカに対応する位置に設けられるマイクロホンと、
    前記マイクロホンによって収音された収音信号に対して設定された信号処理を施して出力する手段であって、第1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライザとを有する信号処理部と、
    前記マイクロホンとの距離が、前記主スピーカと前記マイクロホンとの間の距離よりも遠い位置に設けられ、前記信号処理部によって処理された信号に対応する音を放音する副スピーカとを備えた電子楽音発生装置における、前記信号処理部の信号処理特性を調整する方法であって、
    信号処理内容の設定指示があった場合に、
    a.前記信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオープンループ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を入力して前記副スピーカに放音させている間、前記マイクロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第1のイコライザの特性を調整するオープンループ状態での調整と、
    b.前記信号処理部のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測定用音信号を前記信号処理部の信号経路に入力して前記副スピーカから放音させている間、前記マイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ状態での調整とを行う
    ことを特徴とする信号処理特性調整方法。
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