JP2003195859A - 電子楽音発生装置および信号処理特性調整方法 - Google Patents

電子楽音発生装置および信号処理特性調整方法

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JP2003195859A JP2001398103A JP2001398103A JP2003195859A JP 2003195859 A JP2003195859 A JP 2003195859A JP 2001398103 A JP2001398103 A JP 2001398103A JP 2001398103 A JP2001398103 A JP 2001398103A JP 2003195859 A JP2003195859 A JP 2003195859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の室内の音響条件等を利用して発生させ
る楽音にアコースティック感等を付与することができ、
かつ設置環境等が変動した場合にもハウリングやクロス
トーク等の障害が生じることを自動的に抑制する。 【解決手段】 電子鍵盤楽器100では、演奏操作に応
じた電子楽音が発生させられると、該楽音がL,Rチャ
ンネルに対応するマイクロホン130,131等によっ
て収音され、室空間の音響条件を利用した残響付与等の
信号処理がなされてリアスピーカ160,161から放
音されるようになっている。そして、ユーザから自動調
整指示があった場合には、測定用楽音をステレオ再生
し、該再生時に左右チャンネルのマイクロホン130,
131等によって収音された収音信号の測定結果に基づ
いて、各チャンネルの信号処理内容が調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内等の設置され
る空間の音響条件を利用して、発生させる楽音にアコー
スティック感や楽器の鳴り等を付与することができる電
子楽音発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】既存の室内音響条件をベースに残響延長
などの制御を電気音響的に実現したものとして、図1に
原理を示すアコースティック・フィードバック(Acoust
ic Feedback :音響帰還)系があった。これは、室10
内にスピーカ12とマイクロホン14を適宜の距離隔て
て配置し、マイクロホン14で収音した音をヘッドアン
プ16を介してFIR(Finite Impulse Response :非
巡回型)フィルタ18に供給して残響信号(主に初期反
射音信号)を生成し、これをアンプ20を介してスピー
カ12に出力して再び収音することを繰り返すことによ
り、音量感の増加(音圧レベルの増加)、残響感の増加
(残響時間の延長)、拡がり感の増加(側方反射音エネ
ルギの増強)等を図ったものである。これによれば、実
際には小空間の室10でありながらホール等の大空間で
演奏しているような音場感を創出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなアコースティックフィードバック原理を用いた音場
制御装置では、ハウリングに対する安定性を確保するた
め、マイクロホン14の収音信号の周波数特性を調整す
る処理を施している。この際にマイクロホン14の収音
信号に施すべき周波数特性調整処理の内容は、マイクロ
ホン14とスピーカ12の設置条件等によって異なるも
のとなる。したがって、当該周波数特性調整処理の内容
が予め決められた内容のものしか実施できない装置であ
れば、音場制御装置の設置状況が変化した場合には好適
な信号処理が行えず、ハウリング等が生じてしまうこと
になる。一方、上記の周波数特性調整処理が変更できる
装置であっても、当該音場制御装置を設置等した後、そ
の設置状況に応じてユーザ等がマニュアル操作により上
記の信号処理内容を調整する必要がある。
【0004】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
ものであり、既存の室内の音響条件等を利用して発生さ
せる楽音にアコースティック感等を付与することがで
き、かつ設置環境等が変動した場合にもハウリング等の
障害が生じることを自動的に抑止できる電子楽音発生装
置および信号処理特性調整方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る電子楽音発生装置は、第1のチャンネ
ルの楽音信号と第2のチャンネルの楽音信号とを生成す
る電子音源と、当該電子音源によって生成される第1の
チャンネルおよび第2のチャンネルの楽音信号の各々に
対応した楽音を発生させる第1のスピーカおよび第2の
スピーカとを備えた電子楽音発生装置であって、前記第
1のスピーカに対応する位置に設けられる第1のマイク
ロホンと、前記第2のスピーカに対応する位置に設けら
れる第2のマイクロホンと、前記第1のマイクロホンに
よって収音された収音信号に対して設定された信号処理
を施して出力する第1の信号処理手段と、前記第2のマ
イクロホンによって収音された収音信号に対して設定さ
れた信号処理を施して出力する第2の信号処理手段と、
前記第1のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第
1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音
を放音する第3のスピーカと、前記第2のスピーカに対
応する位置に設けられ、前記第2の信号処理手段によっ
て処理された信号に対応する音を放音する第4のスピー
カと、信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用
音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに
出力し、前記測定用音信号に対応する音が前記第3のス
ピーカおよび前記第4のスピーカから放音されている測
定期間中に、前記第1のマイクロホンによって収音され
る収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による
信号処理内容を設定するとともに、前記測定期間に前記
第2のマイクロホンによって収音される収音信号に基づ
いて、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設
定する設定手段とを具備することを特徴としている。
【0006】この構成によれば、2チャンネルの楽音信
号に対応した楽音再生、つまりステレオ再生(同一の信
号を2系統でモノラル再生する場合を含む)を行うと、
その楽音が第1のマイクロホンおよび第2のマイクロホ
ンによって収音され、各々の収音信号が第1の信号処理
手段および第2の信号処理手段によって処理され、第3
のスピーカおよび第4のスピーカから放音される。すな
わち、第1の信号処理手段や第2の信号処理手段が残響
付与等を行えば、当該装置が設置された周囲の環境(設
置空間形状等)の音響特性を利用した残響付与等、いわ
ゆるアコースティックフィードバックが実現されるの
で、自然楽器特有の楽器の鳴りや、舞台空間の響き等を
再現することができる。また、アコースティックフィー
ドバックを利用する構成においては、装置の設置環境に
応じて第1の信号処理手段および第2の信号処理手段の
処理内容を調整する必要があるが、本構成によれば、設
定手段によって調整指示があった場合に自動的に調整が
なされる。この調整の際には、2チャンネルの音をステ
レオ再生した際に得られる測定結果に基づいて実行され
る、つまり他チャンネルの信号成分が含まれた測定結果
に基づいて各信号処理手段の処理内容の調整を行われる
ので、クロストーク等に起因する音響障害を考慮した調
整がなされる。
【0007】また、本発明の別態様の電子楽音発生装置
は、楽音信号を生成する電子音源と、当該電子音源によ
って生成される楽音信号に対応した楽音を発生させる主
スピーカとを備えた電子楽音発生装置であって、前記主
スピーカに対応する位置に設けられるマイクロホンと、
前記マイクロホンによって収音された収音信号に対して
設定された信号処理を施して出力する手段であって、第
1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライ
ザとを有する信号処理部と、前記信号処理部によって処
理された信号に対応する音を放音する副スピーカと、信
号処理内容の設定指示があった場合に、前記信号処理部
による信号処理内容を設定する手段であって、a.前記
信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオープンル
ープ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を入力して
前記副スピーカに放音させている間、前記マイクロホン
によって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の周
波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主ス
ピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で前
記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補正
し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性となる
ように前記信号処理部の前記第1のイコライザの特性を
調整するオープンループ状態での調整と、b.前記信号
処理部のループを閉じたクローズドループ状態で、前記
測定用音信号を前記信号処理部の信号経路に入力して前
記副スピーカから放音させている間、前記マイクロホン
によって収音される信号の周波数特性を測定し、当該測
定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカか
らの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって収
音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数特
性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の前
記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドルー
プ状態での調整とを行う設定手段とを具備することを特
徴としている。
【0008】この構成によれば、楽音信号に対応した楽
音再生を行うと、その楽音がマイクロホンによって収音
され、各々の収音信号が信号処理部によって処理され、
副スピーカから放音される。すなわち、信号処理部が残
響付与等を行えば、当該装置が設置された周囲の環境
(設置空間形状等)の音響特性を利用した残響付与等、
いわゆるアコースティックフィードバックが実現される
ので、自然楽器特有の楽器の鳴りや、舞台空間の響き等
を再現することができる。また、アコースティックフィ
ードバックを利用する構成においては、装置の設置環境
に応じて信号処理部の処理内容を調整する必要がある
が、本構成によれば、調整指示があった場合には設定手
段によって自動的に調整がなされる。この調整は、実際
に測定用音を発生させたときに得られる測定結果に基づ
いて実行される。本構成では、当該測定結果を、装置が
音を発生させない状態で得られる測定結果、つまり暗騒
音の測定結果に基づいて補正した後、信号処理部の処理
内容の調整処理に用いているので、より正確な調整処理
を行うことができる。
【0009】また、本発明に係る信号処理特性調整方法
は、第1のチャンネルの楽音信号と第2のチャンネルの
楽音信号とを生成する電子音源と、当該電子音源によっ
て生成される第1のチャンネルおよび第2のチャンネル
の楽音信号の各々に対応した楽音を発生させる第1のス
ピーカおよび第2のスピーカと、前記第1のスピーカに
対応する位置に設けられる第1のマイクロホンと、前記
第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2のマイ
クロホンと、前記第1のマイクロホンによって収音され
た収音信号に対して設定された信号処理を施して出力す
る第1の信号処理手段と、前記第2のマイクロホンによ
って収音された収音信号に対して設定された信号処理を
施して出力する第2の信号処理手段と、前記第1のスピ
ーカに対応する位置に設けられ、前記第1の信号処理手
段によって処理された信号に対応する音を放音する第3
のスピーカと、前記第2のスピーカに対応する位置に設
けられ、前記第2の信号処理手段によって処理された信
号に対応する音を放音する第4のスピーカとを備えた電
子楽音発生装置における、前記第1の信号処理手段およ
び前記第2の信号処理手段の信号処理特性を調整する方
法であって、信号処理内容の設定指示があった場合に、
測定用音信号を前記第3スピーカおよび前記第4のスピ
ーカに出力させ、前記測定用音信号に対応する音が前記
第3のスピーカおよび前記第4のスピーカから放音され
ている測定期間中に、前記第1のマイクロホンによって
収音される収音信号に基づいて、前記第1の信号処理手
段による信号処理内容を設定するとともに前記第2のマ
イクロホンによって収音される収音信号に基づいて、前
記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定するこ
とを特徴としている。
【0010】また、本発明の別態様の信号処理特性調整
方法は、楽音信号を生成する電子音源と、当該電子音源
によって生成される楽音信号に対応した楽音を発生させ
る主スピーカと、前記主スピーカに対応する位置に設け
られるマイクロホンと、前記マイクロホンによって収音
された収音信号に対して設定された信号処理を施して出
力する手段であって、第1のイコライザと、FIRフィ
ルタと、第2のイコライザとを有する信号処理部と、前
記信号処理部によって処理された信号に対応する音を放
音する副スピーカとを備えた電子楽音発生装置におけ
る、前記信号処理部の信号処理特性を調整する方法であ
って、信号処理内容の設定指示があった場合に、a.前
記信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオープン
ループ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を入力し
て前記副スピーカに放音させている間、前記マイクロホ
ンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される信号の
周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を前記主
スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した状態で
前記マイクロホンによって収音される信号に基づいて補
正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特性とな
るように前記信号処理部の前記第1のイコライザの特性
を調整するオープンループ状態での調整と、b.前記信
号処理部のループを閉じたクローズドループ状態で、前
記測定用音信号を前記信号処理部の信号経路に入力して
前記副スピーカから放音させている間、前記マイクロホ
ンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当該
測定した周波数特性を前記主スピーカおよび副スピーカ
からの放音を停止した状態で前記マイクロホンによって
収音される信号に基づいて補正し、当該補正後の周波数
特性が所定の平坦な特性となるように前記信号処理部の
前記第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドル
ープ状態での調整とを行うことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。 1.電子鍵盤楽器の外観構成 まず、図2および図3は本発明の一実施形態に係る電子
鍵盤楽器の外観を示す。図2に示すように、電子鍵盤楽
器100は、脚部105と、脚部105によって支持さ
れる筐体部110とを有しており、該筐体部110内部
に電子音源等の種々の構成要素が配置されている。
【0012】筐体部110は、鍵盤120を支持する上
方筐体部111と、上方筐体部111の下方側に位置す
る下方筐体部112とを有している。上方筐体部111
には、鍵盤120が支持されるとともに、鍵盤120の
やや上方中央部には操作画面やスイッチ群等が配置され
た操作パネル121が設けられている。また、上方筐体
部111の操作パネル121が設けられた左右側(低音
側および高音側)には、マイクロホン130,131が
配置されている。
【0013】下方筐体部112の演奏者側の面112a
の左右側(低音側および高音側)には、メインスピーカ
140,141が配置されており、また各々のメインス
ピーカ140,141の近傍にはマイクロホン150,
151が配置されている。また、図3に示すように、下
方筐体部112の演奏者と反対側の面112bには、低
音側および高音側にリアスピーカ160,161が配置
されている。すなわち、電子鍵盤楽器100では、その
低音側の部位といった各々対応関係にある位置にマイク
ロホン130、メインスピーカ140(Lチャンネル
用)、マイクロホン150およびリアスピーカ160
(Lチャンネル用)が設けられており、高音側の部位と
いった各々対応関係にある位置にマイクロホン131、
メインスピーカ141(Rチャンネル用)、マイクロホ
ン151およびリアスピーカ161(Rチャンネル用)
が設けられている。
【0014】2.電子鍵盤楽器の構成 次に、図4は電子鍵盤楽器100の構成を示すブロック
図である。同図に示すように、この電子鍵盤楽器100
は、大別すると、Lチャンネル用AFC(Active Field
Control)回路ブロック250と、Rチャンネル用AF
C(Active Field Control)回路ブロック350と、電
子音源400と、制御部401と、測定回路403とを
備えている。
【0015】電子音源400は、演奏者によって演奏さ
れる鍵盤120の操作状態に応じた楽音信号を生成す
る。より具体的には、鍵盤120の操作状態を検出する
押鍵センサ等から供給される操作情報に基づいてLチャ
ンネルおよびRチャンネルの楽音信号L,Rを生成す
る。これによりメインスピーカ140およびメインスピ
ーカ141は各々LチャンネルおよびRチャンネルの楽
音信号に応じた楽音を発生する。なお、電子音源400
は、LチャンネルとRチャンネルの信号を生成して各々
対応するスピーカに供給してステレオ再生を行うことが
できるが、同一の信号を各々のメインスピーカ140、
140に供給してモノラル再生をするようにしてもよ
い。すなわち、この電子鍵盤楽器100は、通常の一般
的な電子ピアノと同様、鍵盤120の操作に応じたピア
ノ音を発生する機能を有している。また、電子音源40
0は制御部401から指示に応じて後述する測定用楽音
信号Sを各々Lチャンネル用AFC回路ブロック250
およびRチャンネル用AFC回路ブロック350に出力
する。
【0016】測定回路403は、FFT(Fast Fourier
Transform)アナライザ、もしくは1/Nバンドパスフ
ィルタを保有するリアルタイムアナライザ等であり、後
述するように供給される測定対象信号の周波数特性を測
定し、該測定結果を制御部401に出力する。
【0017】制御部401は、CPU(Central Proces
sing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(R
andom Access Memory)等から構成されており、ROM
に格納されたプログラム群を実行することにより、電子
鍵盤楽器100の装置各部を制御する。本実施形態にお
ける電子鍵盤楽器100においては、制御部401の中
枢的な制御の下に実施されるAFC内容調整処理に特徴
を有しているが、この処理内容についての詳細は後述す
る。
【0018】Lチャンネル用AFC回路ブロック250
(第1の信号処理手段)は、マイクロホン130および
マイクロホン150によって収音される収音信号に対し
て反射音成分の付与等の信号処理を施し、当該処理後の
信号をリアスピーカ160に出力して放音させる。すな
わち、当該電子鍵盤楽器100が設置された空間の音響
条件を利用した残響付与等の処理を行う。より具体的に
は、Lチャンネル用AFC回路ブロック250は、ヘッ
ドアンプ200,201と、加算器202と、AD(An
alog to Digital)変換器203と、Lチャンネル信号
処理部204と、DA(Digital to Analog)変換器2
11とを備えている。
【0019】ヘッドアンプ200,201は各々マイク
ロホン130,150によって収音された収音信号のゲ
イン調整を行い、調整後の収音信号を各々加算器202
に出力する。ここで、演奏者によって鍵盤120が操作
されてメインスピーカ140,141から演奏音が放音
されている際には、これらの演奏音を含む音が低音側に
配置されたマイクロホン130,150によって収音さ
れ、この収音信号がLチャンネル用AFC回路ブロック
250に取り込まれ、後述する処理を施されてリアスピ
ーカ160から出力されるのである。
【0020】加算器202においては、マイクロホン1
30,150によって収音された収音信号が加算され、
加算後の収音信号がLチャンネル信号処理部204に供
給される。Lチャンネル信号処理部204は、減算器2
05と、プログラマブルイコライザ(EQ)206と、
FIRフィルタ207と、プログラマブルイコライザ
(EQ)208と、アッテネータ(AT)209と、ハ
ウンリングキャンセラ(HC)210とを有しており、
DSP(Digital Signal Processor)によって構成する
ことができる。
【0021】以上のような構成のLチャンネル信号処理
部204においては、次のような処理が行われる。ま
ず、供給された収音信号がプログラマブルイコライザ2
06で周波数特性が補正される。そして、FIRフィル
タ207で初期反射音が生成され、さらにプログラマブ
ルイコライザ208で周波数特性が補正され、アッテネ
ータ209でゲインが調整される。ここで、FIRフィ
ルタ207のパラメータは、図5に示すように、時間軸
上で連続かつランダムに変動される。これにより、FI
Rフィルタ207の周波数特性が平均化され、カラレー
ションの低減とハウリングマージンの拡大がさらに図ら
れる。ここで、パラメータの時間軸の変動は、例えば
0.25msec〜5msecの変動幅でFIRフィル
タ207の出力タップを無相関に動かすことで実現され
る。アッテネータ209の出力は、図示せぬボリウム、
ミューティング回路、アンプユニット等を介してリアス
ピーカ160に出力されて放音される。なお、ユーザは
操作パネル121を介して、付与する残響パターン内容
や、残響付与のオン/オフを指示することができるよう
になっており、制御部401は当該指示に応じてFIR
フィルタ207が生成する残響パターンを制御する。よ
り具体的には、制御部401は、ユーザの指示に応じて
ROMに格納されている残響パターンに対応したフィル
タ係数を読み出してFIRフィルタ207に設定する。
また、プログラマブルイコライザ206、プログラマブ
ルイコライザ208の特性およびアッテネータ209の
ゲイン調整に関する内容は、ユーザからの自動調整指示
を受けた際に制御部401の制御の下に実施されるAF
C内容調整処理(詳細は後述する)によって決定され
る。
【0022】また、ハウリングキャンセラ210は、当
該Lチャンネル用AFC回路ブロック250の収音信号
の再生音が直接マイクロホン130およびマイクロホン
150に帰還されることによるハウリングの発生を防止
するもので、収音信号が再生されるタイミングで、この
収音信号を引算器205に帰還して、自己のリアスピー
カ160,161から自己のマイクロホン130および
マイクロホン150に直接帰還された信号を打ち消す。
【0023】Rチャンネル用AFC回路ブロック350
(第2の信号処理手段)は、マイクロホン131および
マイクロホン151によって収音される収音信号に対し
て反射音成分の付与等の信号処理を施し、当該処理後の
信号をリアスピーカ161に出力して放音させる。すな
わち、当該電子鍵盤楽器100が設置された空間の音響
条件を利用した残響付与等の処理を行う。より具体的に
は、Rチャンネル用AFC回路ブロック350は、ヘッ
ドアンプ300,301と、加算器302と、AD変換
器303と、Rチャンネル信号処理部304と、DA変
換器311とを備えている。
【0024】ヘッドアンプ300,301は各々マイク
ロホン131,151によって収音された収音信号のゲ
イン調整を行い、調整後の収音信号を各々加算器302
に出力する。ここで、演奏者によって鍵盤120が操作
されてメインスピーカ140,141から演奏音が放音
されている際には、これらの演奏音を含む音が高音側に
配置されたマイクロホン131,151によって収音さ
れ、この収音信号がRチャンネル用AFC回路ブロック
350に取り込まれ、反射音成分付与等の処理を施され
てリアスピーカ161から出力されるのである。
【0025】加算器302においては、マイクロホン1
30,150によって収音された収音信号が加算され、
加算後の収音信号がRチャンネル信号処理部304に供
給される。Rチャンネル信号処理部304は、上記Lチ
ャンネル信号処理部204と同様、減算器305と、プ
ログラマブルイコライザ(EQ)306と、FIRフィ
ルタ307と、プログラマブルイコライザ(EQ)30
8と、アッテネータ(AT)309と、ハウンリングキ
ャンセラ(HC)310とを有しており、DSP(Digi
tal Signal Processor)によって構成することができ
る。
【0026】上記構成のRチャンネル信号処理部304
は、上記のLチャンネル信号処理部204と同様の処理
を行うので、各構成要素の処理についての説明は省略す
る。なお、Rチャンネル信号処理部304においても、
Lチャンネル信号処理部204と同様、ユーザは操作パ
ネル121を介して、付与する残響パターン内容や、残
響付与のオン/オフを指示することができるようになっ
ており、該指示にしたがってFIRフィルタ307の特
性が設定される。また、プログラマブルイコライザ30
6、プログラマブルイコライザ308の特性およびアッ
テネータ309のゲイン調整に関する内容は、ユーザか
らの自動調整指示を受けた際に制御部401の制御の下
に実施されるAFC内容調整処理によって決定される。
以下、このAFC調整処理を実施する際の当該電子鍵盤
楽器100の動作について説明する。
【0027】3.AFC内容調整処理 上述したようにAFC内容調整処理は、Lチャンネル信
号処理部204およびRチャンネル信号処理部304の
プログラマブルイコライザの特性やアッテネータによる
ゲイン調整量といった各ブロックの信号処理特性を設定
することにより行われる。ユーザから操作パネル121
を介してAFC内容調整の実行指示を受けると、制御部
401は図6に示すような手順にしたがって調整処理を
実行する。なお、調整指示を受けた場合、制御部401
は、鍵盤120がユーザ等によって誤操作された場合に
も、その操作に応じて電子音源400が楽音信号を生成
して発音されてしまうことを禁止する制御を実行し、こ
れにより調整処理が円滑に行われるようにしている。
【0028】まず、制御部401は、電子鍵盤楽器10
0の装置各部を制御して、オープンループ状態でマイク
ロホン130,131,150,151によって収音さ
れる収音信号の周波数特性を測定する(ステップS
1)。すなわち、制御部401は図示せぬスイッチ等を
オフに切り換えることにより、例えば図4のアッテネー
タ209とDA変換器211との間(またはプログラマ
ブルイコライザ208とアッテネータ209との間もし
くはFIRフィルタ207とプログラマブルイコライザ
208との間)の信号経路を遮断するとともに、アッテ
ネータ309とDA変換器311との間(またはプログ
ラマブルイコライザ308とアッテネータ309との間
もしくはFIRフィルタ307とプログラマブルイコラ
イザ308との間)の信号経路を遮断し、Lチャンネル
用AFC回路ブロック250およびRチャンネル用AF
C回路ブロック350を含む各々のループ(各ブロック
の信号経路およびスピーカとマイクロホンの間の設置空
間内の伝達経路をいう)をオープンループ状態とする。
【0029】以上のようにオープンループ状態とする
と、制御部401は電子音源400に対して測定用楽音
信号Sを所定の測定期間にわたって出力するように指示
する。より具体的には、電子音源400は、Lチャンネ
ル用AFC回路ブロック250の信号経路における上記
遮断箇所の後段側(例えばリアスピーカ160の前段の
箇所)と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の
信号経路における上記遮断箇所の後段側(例えばリアス
ピーカ161の前段の箇所)とから測定用楽音信号Sを
入力する。この結果、Lチャンネル用のリアスピーカ1
60と、Rチャンネル用のリアスピーカ161とから入
力された測定用楽音信号に対応した楽音(ステレオの楽
音)が所定の測定期間にわたって放音される。
【0030】ここで、測定用信号としては、ピンクノイ
ズ、ホワイトノイズ等の周波数特性が比較的平滑な信号
を用いるようにしてもよいが、スピーカから放音される
ピンクノイズは聴取者にとって心地のよい音とはいえな
い。そこで、本実施形態では、測定用楽音信号Sとし
て、所定の和音が放音されるような楽音信号を用い、測
定期間中にリアスピーカ160,161から和音を放音
させ、測定期間中であっても聴取者に極力不快感を与え
ないようにしている。
【0031】また、和音を測定用の楽音として用いる理
由は、上記のように不快感を与えないようにするだけで
はなく、以下のような理由にもよる。すなわち、ある音
高の単音を発生させた場合には、その周波数特性が平滑
ではなく、その単音の基音成分と倍音成分の周波数帯域
の成分のみを多く含む、つまり偏った周波数特性を有す
る楽音が測定対象となってしまい、より正確な調整処理
に支障をきたすことになる。これに対し、本実施形態の
ように測定音として和音を用いることにより、和音の各
構成音の基音成分およびその倍音成分が測定音に含まれ
ることになるので、当該測定音の周波数特性は比較的平
滑となり、当該測定結果を利用した調整処理の正確性が
向上する。また、和音をコード進行させることにより、
広い帯域にわたる音域で放音するとともに、測定時にユ
ーザに不快感を与えないようにしてもよい。このように
測定音は、可能な限り広い帯域にわたってある程度均一
なスペクトルが得られるものが好ましく、当該測定機能
を搭載する装置において発音可能な音域のほぼ全域にわ
たるスペクトルを含む楽音であることが好ましい。この
電子鍵盤楽器の場合には、その電子ピアノ機能において
発音可能な音域(88鍵分の音域)のほぼ全域にわたっ
て周波数成分を有する測定音とすることが好ましい。ま
た、このような幅広い音域を含む楽曲を演奏するための
信号を測定音信号として利用すれば、ユーザは楽曲を聴
きながら測定結果を待つことができ、単に音が発生して
いる状態よりもユーザにとって快適な状況で測定を行う
ことができる。
【0032】また、本実施形態では、上記所定の測定期
間において、最初は和音全体としての音高(ピッチ)が
高い音が放音されるようにし、その後徐々に和音全体と
して音高の低くなるようにした後、再度和音全体として
音高の高くなるといった測定音を放音させることとして
いる。これは、高音の方が低音よりもエネルギーが大き
く、測定音の放音を高音域の音から開始することによっ
て、測定対象のエネルギーの立ち上がりを速くし、より
正確な調整処理に資する測定結果を得るためである。な
お、測定用楽音としては、以上のような和音に限定され
るものではなく、広い帯域にわたる周波数成分を含んだ
楽音や楽曲であればよい。
【0033】本実施形態では、上記のような和音を放音
させるための楽音信号を電子音源400からLチャンネ
ルのリアスピーカ160とRチャンネルのスピーカ16
1に出力し、この楽音信号に対応するステレオ楽音再生
時にマイクロホン130,131,150,151によ
って収音させる収音信号の周波数特性等を測定すること
としている。すなわち、測定用のステレオ再生音がLチ
ャンネル用AFC回路ブロック250のマイクロホン1
30,150と、Rチャンネル用AFC回路ブロック3
50のマイクロホン131,151に収音される。そし
て、マイクロホン130,150によって収音された収
音信号の周波数特性等の測定結果(以下、測定結果SO
Lという)がLチャンネル用AFC回路ブロック250
のプログラマブルイコライザ209等の設定に用いら
れ、マイクロホン131,151の収音信号の測定結果
(以下、測定結果SORという)がRチャンネル用AF
C回路ブロック350のプログラマブルイコライザ30
9等の設定に用いられる。
【0034】より具体的にはLチャンネル用AFC回路
ブロック250のマイクロホン130,150によって
収音された測定用のステレオ再生音の収音信号は、ヘッ
ドアンプ200,201を経て加算器202で加算され
た後、AD変換器203によってディジタル信号に変換
されてLチャンネル信号処理部204に供給される。そ
して、プログラマブルイコライザ206を通ってFIR
フィルタ207で残響信号が生成される。制御部401
は、図示せぬスイッチ等の切換制御を行い、この残響信
号をプログラマブルイコライザ208およびアッテネー
タ209を通して得られる信号(またはプログラマブル
イコライザ208の出力もしくはFIRフィルタ207
の出力)を測定対象信号として測定回路403に供給す
る。このようにして測定回路403に測定対象信号が供
給されると、測定回路403によって供給された測定対
象信号の周波数特性やゲインが測定される。すなわち、
Lチャンネル用AFC回路ブロック250の信号経路を
オープンループ状態とした際の、設置室空間の伝達特性
を含む伝送特性およびゲインが測定され、当該測定結果
が制御部401に供給されてRAM等に保持される。
【0035】ここで、オープンループ状態での伝送特性
の測定方法について具体的に説明する。本実施形態で
は、ユーザによって自動調整が指示されると、制御部4
01によってプログラマブルイコライザ206およびプ
ログラマブルイコライザ208の特性がフラットに調整
され、またアッテネータ209のゲインは0dBにさ
れ、その後段に設けられる図示せぬボリウムは最大に設
定される。また、上記のように遮断箇所に設けられたス
イッチがオフされてループが遮断され、電子音源400
によって生成された測定用楽音信号が経路内に供給され
る。この測定用楽音信号はスピーカシステム72で再生
され、室内空間を通ってマイクユニット78で収音され
る。収音された信号はFFTアナライザ等で構成される
測定回路403に供給され、その周波数特性が測定され
る。
【0036】以上のように周波数特性を測定すると、測
定回路403によってスムージング処理が行われる。測
定回路403による計算結果は例えば図7(a)のよう
になるが、制御部401による当該結果を用いた処理を
容易にするため、図7(b)のようにスムージング化す
る。スムージング化は、例えばFFTのデータの±10
ポイントを平均することで行う。ただし、FFTのデー
タは、周波数幅がリニアなので、対数軸で見た場合、低
域(100Hz以下)では平均を取らず、中域(100Hz
〜1kHz)では平均するポイント数を徐々に増し、高域
(1kHz 以上)では±10ポイントの平均を取ってスム
ージング化を行う。なお、±10ポイントを平均すると
は、FFTのすべてのデータについてその前後±10デ
ータの平均を取ることである。例えば、FFTの元のデ
ータをf(x)、平均後のデータをF(x)とすると、
FFT平均データF(x)は次式で求められる。
【数1】 このxを全てのFFTデータf(x)に関して行えば、
元のデータf(x)と同じ数のFFT平均データF
(x)が算出される。このようにして周波数特性が測定
されるのである。
【0037】また、Rチャンネル用AFC回路ブロック
350のマイクロホン131,151によって収音され
た測定用のステレオ再生音の収音信号は、ヘッドアンプ
300,301を経て加算器302で加算された後、A
D変換器303によってディジタル信号に変換されてR
チャンネル信号処理部304に供給される。そして、プ
ログラマブルイコライザ306を通ってFIRフィルタ
307で残響信号が生成される。制御部401は、図示
せぬスイッチ等の切換制御を行い、この残響信号をプロ
グラマブルイコライザ308およびアッテネータ309
を通して得られる信号(またはプログラマブルイコライ
ザ308の出力もしくはFIRフィルタ307の出力)
を測定対象信号として測定回路403に供給する。この
ようにして測定回路403に測定対象信号が供給される
と、測定回路403によって供給された測定対象信号の
周波数特性やゲインが測定される。すなわち、Rチャン
ネル用AFC回路ブロック350の信号経路をオープン
ループ状態とした際の、設置室空間の伝達特性を含む伝
送特性およびゲインが測定され、当該測定結果が制御部
401に供給されてRAM等に保持される。なお、測定
方法については上述した通りであるため、その説明を省
略する。
【0038】以上のようにオープンループ状態で測定音
を発した際の、Lチャンネル用AFC回路ブロック25
0およびRチャンネル用AFC回路ブロック350のル
ープの伝送特性等の測定結果が得られると、制御部40
1はオープンループ状態を維持したまま、暗騒音(部屋
の空調音など)測定のための処理を行う(ステップS
2)。すなわち、制御部401は、電子音源400によ
る測定用楽音信号Sの出力を停止させ、当該電子鍵盤楽
器100からは電子的な楽音を一切発生させない状態
で、つまり当該設置室空間の暗騒音のみをマイクロホン
130,131,150,151によって収音させ、当
該収音信号の周波数特性等を測定する。
【0039】より具体的には、Lチャンネル用AFC回
路ブロック250のマイクロホン130,150によっ
て収音された収音信号が上記測定時と同様の信号経路を
経て測定対象信号として測定回路403に供給され、測
定回路403によって供給された測定対象信号の周波数
特性やゲインが測定される。すなわち、Lチャンネル用
AFC回路ブロック250の信号経路をオープンループ
状態とした際の、当該電子鍵盤楽器100が楽音を全く
発生させていない時の設置室空間の伝達特性を含む伝送
特性およびゲインが測定され、当該測定結果(以下、測
定結果SBGLという)が制御部401のRAM等に保
持される。また、同様にRチャンネル用AFC回路ブロ
ック350についても同様の測定が行われ、当該測定結
果(以下、測定結果SBGR)が制御部401のRAM
等に保持される。なお、測定方法については上述した通
りであるため、その説明を省略する。
【0040】以上のようにLチャンネル用AFC回路ブ
ロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック
350について、オープンループ状態での測定用音を発
生させた時の測定結果SOLおよび測定結果SORと、
測定用音を発生させない時の測定結果SBGLおよび測
定結果SBGRとを取得すると、制御部401は測定結
果SBGLおよび測定結果SBGRに基づいて、測定結
果SOLおよび測定結果SORを補正する(ステップS
3)。
【0041】より具体的には、各周波数毎に測定結果S
OL(dB)−測定結果SBGL(dB)が3dB以上
10dB未満、すなわちS/N比が3dB以上10db
未満の場合には、次の式により、Lチャンネル用AFC
回路ブロック250の測定結果SOLを補正し、補正後
の測定結果HSOLを導出する。
【数2】 なお、本実施形態では、S/N比が10dB以上となる
周波数については、暗騒音の影響は少ないと考えられる
ので補正は行わないようにしている。また、S/N比が
3dB未満の周波数については、その周波数についての
測定結果SOLがほとんど暗騒音によるものと考えられ
るので、測定結果から除外するようにしている。
【0042】また、Rチャンネル用AFC回路ブロック
350についても、同様に測定結果SOR(dB)−測
定結果SBGR(dB)が3dB以上10dB未満、す
なわちS/N比が3dB以上10db未満の場合には、
次の式により、測定結果SORを補正し、補正後の測定
結果HSORを導出する。
【数3】 なお、本実施形態では、S/N比が10dB以上となる
周波数については、暗騒音の影響は少ないと考えられる
ので補正は行わないようにしている。また、S/N比が
3dB未満の周波数については、その周波数についての
測定結果(SOLまたはSOR)がほとんど暗騒音によ
るものと考えられるので、測定結果から除外するように
している。
【0043】以上のような補正を行うことにより、測定
結果SOLおよび測定結果SORから暗騒音の影響をほ
とんど除去した測定結果HSOLおよび測定結果HSO
Rを得ることができ、これらの測定結果HSOLおよび
測定結果HSORを後述する調整処理に用いることがで
きる。なお、本発明者が行った実験によって、暗騒音は
測定結果の低周波領域に多く影響を与えており、上記の
ような補正を行うことにより、暗騒音の影響の少ない測
定結果HSOLおよび測定結果HSORが得られること
が確認された。
【0044】暗騒音による影響分を補正した測定結果H
SOLおよび測定結果HSORを求めると、制御部40
1は各々の測定結果に基づいてLチャンネル用AFC回
路ブロック250の後段のプログラマブルイコライザ2
08の特性およびアッテネータ209のゲイン調整量
と、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の後段の
プログラマブルイコライザ308の特性およびアッテネ
ータ309のゲイン調整量との設定を行う(ステップS
4)。
【0045】すなわち、制御部401は、測定結果HS
OLから、同様の測定を行った場合(つまりオープンル
ープ状態で測定音を発生させて測定した場合)に当該測
定結果である周波数特性がハウリングが生じないレベル
の範囲内で平坦化されるようにプログラマブルイコライ
ザ208の特性を調整する。例えば、設定すべきプログ
ラマブルイコライザ208の各周波数毎の特性PAL
(dB)は、測定結果HSOL(dB)と、予め用意さ
れている基準特性R(dB)とすると、以下の式を満た
す値として求めることができる。 (HSOL−R)−PAL=−15dB ここで、基準特性Rとは、測定用楽音信号SをFFTす
ることにより得られる周波数特性である。上記式から、
図8に実線で示す測定結果HSOLが得られた場合に
は、プログラマブルイコライザ208の特性PALは図
中破線で示すようなものとなる。なお、−15dBはハ
ウリング等が生じないように予め求められた値であり、
基準特性Rや−15dBといった値は制御部401のR
OMに記憶されている。
【0046】制御部401は以上のように求めた特性P
ALにプログラマブルイコライザ208の特性が設定さ
れるよう設定指示を出力する。例えば、プログラマブル
イコライザ208を、中心周波数、ゲインおよび選択度
Qが設定可能なパラメトリックイコライザで構成した場
合には、上記のプログラマブルイコライザ208が求め
た特性PALに設定されるよう中心周波数、ゲインおよ
び選択度Qを含む設定指示を出力する。
【0047】以上がLチャンネル用AFC回路ブロック
250のプログラマブルイコライザ208の特性調整で
あり、Rチャンネル用AFC回路ブロック350の後段
のプログラマブルイコライザ308の特性調整について
も、測定結果HSORを用いて同様の手法により行われ
る。
【0048】プログラマブルイコライザ208およびプ
ログラマブルイコライザ308の特性調整が終了する
と、制御部401はLチャンネル用AFC回路ブロック
250のアッテネータ209と、Rチャンネル用AFC
回路ブロック350のアッテネータ309の調整を行
う。以上のようなプログラマブルイコライザ208の調
整によってオープンループ状態でのゲインがハウリング
を生じさせないレベルとなっているはずであるが、プロ
グラマブルイコライザ208としてIIR(Infinite I
mpulse Response)型のイコライザを多数使用した場合
には、目標となる特性PALに設定されないことがあ
る。そこで、上記のようにプログラマブルイコライザ2
08の設定を行った後、制御部401は、再度測定用楽
音信号Sを電子音源400から出力させて測定用楽音を
発生させ、その際にマイクロホン130,150によっ
て取得される収音信号(プログラマブルイコライザ20
8を通過した収音信号)の周波数特性の測定を測定回路
403に行わせる。そして、制御部401は、その測定
結果からピーク値がハウリングレベル(これ以上大きく
なるとハウリングが生じやすくなるレベル)を超えない
ようアッテネータ209を調整する。また、制御部40
1はRチャンネル用AFC回路ブロック350のアッテ
ネータ309についても同様の調整処理を行う。
【0049】以上のようにプログラマブルイコライザ2
08、プログラマブルイコライザ308、アッテネータ
209およびアッテネータ309の調整が終了すると、
制御部401は、電子鍵盤楽器100の装置各部を制御
して、クローズドループ状態でマイクロホン130,1
31,150,151によって収音される収音信号の周
波数特性を測定する(ステップS5)。すなわち、制御
部401は図示せぬスイッチ等をオンに切り換えること
により、例えば図4のアッテネータ209とDA変換器
211との間(またはプログラマブルイコライザ208
とアッテネータ209との間もしくはFIRフィルタ2
07とプログラマブルイコライザ208との間)、およ
びアッテネータ309とDA変換器311との間(また
はプログラマブルイコライザ308とアッテネータ30
9との間もしくはFIRフィルタ307とプログラマブ
ルイコライザ308との間)といった上記オープンルー
プ状態の測定時に遮断されていた部分を接続し、Lチャ
ンネル用AFC回路ブロック250およびRチャンネル
用AFC回路ブロック350を含む各々のループをクロ
ーズドループ状態とする。
【0050】クローズドループ状態とすると、上記オー
プンループ状態の測定(ステップS1)と同様、制御部
401は電子音源400に対して測定用楽音信号Sを所
定の測定期間にわたって出力するように指示する。より
具体的には、電子音源400は、Lチャンネル用AFC
回路ブロック250の信号経路における任意の箇所と、
Rチャンネル用AFC回路ブロック350の信号経路に
おける任意の箇所とから測定用楽音信号Sを入力する。
この結果、Lチャンネル用のリアスピーカ160と、R
チャンネル用のリアスピーカ161とから入力された測
定用楽音信号に対応した楽音(ステレオの楽音)が所定
の測定期間にわたって放音される。
【0051】クローズドループ状態での測定も、上記オ
ープンループ状態での測定と同様、リアスピーカ16
0,161によるステレオ楽音再生時にマイクロホン1
30,131,150,151によって収音させる収音
信号の周波数特性等を測定する。より具体的には、測定
用のステレオ再生音がLチャンネル用AFC回路ブロッ
ク250のマイクロホン130,150と、Rチャンネ
ル用AFC回路ブロック350のマイクロホン131,
151に収音される。そして、マイクロホン130,1
50によって収音された収音信号の測定結果(以下、測
定結果SCLという)がLチャンネル用AFC回路ブロ
ック250のプログラマブルイコライザ206等の設定
に用いられ、マイクロホン131,151の収音信号の
測定結果(以下、測定結果SCRという)がRチャンネ
ル用AFC回路ブロック350のプログラマブルイコラ
イザ306等の設定に用いられる。
【0052】そして、Lチャンネル用AFC回路ブロッ
ク250およびRチャンネル用AFC回路ブロック35
0における測定用楽音信号Sを入力した箇所の直前で取
得される信号が、測定対象信号として測定回路403に
供給される。すなわち、室空間を含むLチャンネル用A
FC回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回
路ブロック350のループを周回した信号が測定対象信
号として測定回路403に供給される。測定回路403
に測定対象信号が供給されると、測定回路403によっ
て供給された測定対象信号の周波数特性やゲインが測定
される。つまり、Lチャンネル用AFC回路ブロック2
50の信号経路をクローズドループ状態とした際の、設
置室空間の伝達特性を含む伝送特性およびゲインが測定
され、当該測定結果が制御部401に供給されてRAM
等に保持される。また、Rチャンネル用AFC回路ブロ
ック350の信号経路をオープンループ状態とした際
の、設置室空間の伝達特性を含む伝送特性およびゲイン
が測定され、当該測定結果が制御部401に供給されて
RAM等に保持される。なお、測定方法については上述
したオープンループ状態の測定時と同様であるため、そ
の説明を省略する。
【0053】以上のようにLチャンネル用AFC回路ブ
ロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック
350について、オープンループ状態での測定用音を発
生させた時の測定結果SCLおよび測定結果SCRを求
めると、制御部401は、これらの測定結果を上記ステ
ップS3で求めた測定用音を発生させない時の測定結果
SBGLおよび測定結果SBGRに基づいて補正し(ス
テップS6)、補正後の測定結果HSCLおよび測定結
果HSCRを取得する。なお、クローズドループ状態で
の測定結果の補正方法は、上記オープンループ状態での
測定結果の補正方法と同様であるため、その詳細な説明
を省略する。
【0054】暗騒音による影響分を補正した測定結果H
SCLおよび測定結果HSCRを求めると、制御部40
1は各々の測定結果に基づいてLチャンネル用AFC回
路ブロック250の前段のプログラマブルイコライザ2
06の特性と、Rチャンネル用AFC回路ブロック35
0の前段のプログラマブルイコライザ306の特性とを
調整する(ステップS7)。ここでの各プログラマブル
イコライザの特性調整も、上記オープンループ状態での
調整と同様であり、制御部401は測定結果HSOLか
ら、同様の測定を行った場合(つまりクローズドループ
状態で測定音を発生させて測定した場合)に当該測定結
果である周波数特性がハウリングが生じないレベルの範
囲内で平坦化されるようにプログラマブルイコライザ2
06の特性を調整する。また、同様にRチャンネル用A
FC回路ブロック350のプログラマブルイコライザ3
06の特性についても、測定結果HSCRに基づいた調
整を行う。なお、プログラマブルイコライザ206およ
びプログラマブルイコライザ306の特性調整が終了し
た後、上記オープンループ状態の調整と同様の手法によ
り、アッテネータ209およびアッテネータ309の調
整処理を行うようにしてもよい。
【0055】以上説明したように本実施形態に係る電子
鍵盤楽器100では、鍵盤120の操作に応じて電子音
源400が出力するステレオの楽音信号に対応した楽音
がメインスピーカ140,141から放音される。この
際、上記構成の当該ステレオ再生音がマイクロホン13
0,131,150,151によって収音され、Lチャ
ンネル信号処理部204およびRチャンネル信号処理部
304によって、当該電子鍵盤楽器100の設置された
周囲の環境(設置空間形状等)の音響特性を利用した残
響付与等がなされるので、自然楽器特有の楽器の鳴り
や、舞台空間の響きを再現することができる。また、従
来の電子鍵盤楽器にも、自身が生成したピアノの音色の
楽音信号に信号処理を施して残響感を付与して放音する
といった機能を有するものがあったが、本実施形態に係
る電子鍵盤楽器100では、他の楽器から放音された楽
音についてもマイクロホン130,131,150,1
51によって収音されて残響付与等がなされて放音され
る。したがって、アンサンブル演奏等を行った際のその
演奏空間内の楽音の響きが従来の電子鍵盤楽器よりも優
れたものとなる。
【0056】本実施形態に係る電子鍵盤楽器100は、
上述したような優れた楽音発生機能を備えている。この
ような優れた機能を得るためにLチャンネル用AFC回
路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロ
ック350が残響付与等の信号処理を行う構成を採用し
ている。しかし、電子鍵盤楽器100の設置条件(壁際
に設置されている場合、部屋の中央に設置されている場
合、もしくは近傍に家具等が配置されている場合などの
設置条件)によってはハウリング等の音響障害を招くこ
ともあり、各々の設置条件に応じてLチャンネル用AF
C回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路
ブロック350のイコライザ等の設定を最適なものとし
なくてはならない。この電子鍵盤楽器100では、ユー
ザからの自動調整指示を受けた場合に、上述したように
測定用楽音をリアスピーカ160,161といった左右
両チャンネルに対応したスピーカから放音させ、このス
テレオ再生時にマイクロホン130,131,150,
151によって収音される収音信号に基づいてイコライ
ザ等の自動調整を行うことができるようになっている。
すなわち、電子鍵盤楽器100の設置環境において実測
したデータに基づいてそのイコライザ等の自動調整を行
っているので、その設置環境に最適な自動調整を行うこ
とができる。
【0057】また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器10
0のようにLチャンネルおよびRチャンネルといったス
テレオ再生が可能な楽音発生装置においては、各々のチ
ャンネルの信号成分が他のチャンネルの系統に漏れてし
まうといった、いわゆるクロストークが生じてしまうこ
とがある。例えば、Lチャンネルの信号成分がRチャン
ネル用AFC回路ブロック350のループに侵入してし
まうといったクロストークが生じてしまうことがある。
本実施形態では、ステレオ再生機能を有するが故に生じ
るクロストークによる影響を、測定用楽音をステレオ再
生する、つまりリアスピーカ160,161から同時に
LチャンネルおよびRチャンネルの測定用楽音を再生す
ることによって補正することができる。すなわち、ステ
レオ再生した楽音を各々がLチャンネル用AFC回路ブ
ロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロック
350のマイクロホンによって収音され、該収音された
信号を測定し、他チャンネルの信号成分が含まれた測定
結果に基づいて各AFC回路ブロックのイコライザ等の
調整を行うようにしている。このような調整を行うこと
によって上記のようなクロストーク分も補正されるので
ある。
【0058】また、本実施形態では、マイクロホン13
0,131,150,151によって収音される収音信
号に基づく測定結果が、暗騒音による影響をほとんど除
去されるよう補正された後、Lチャンネル用AFC回路
ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブロッ
ク350のイコライザ等の自動調整に利用されることに
なる。したがって、より適正な自動調整を行うことがで
きる。
【0059】4.変形例 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるもので
はなく、以下に例示するような種々の変形が可能であ
る。
【0060】(変形例1)上述した実施形態では、クロ
ーズドループ状態での測定結果SCLおよび測定結果S
CRをオープンループ状態での暗騒音の測定結果SBG
Lおよび測定結果SBGRに基づいて補正するようにし
ていたが(図6のステップS6)、クローズドループ状
態で暗騒音の測定を行い、この測定結果に基づいてクロ
ーズドループ状態での測定結果SCLおよび測定結果S
CRを補正するようにしてもよい。ここで、クローズド
ループ状態での暗騒音の測定は、Lチャンネル用AFC
回路ブロック250およびRチャンネル用AFC回路ブ
ロック350をクローズドループ状態とし、上述したオ
ープンループ状態での暗騒音の測定方法と同様の方法に
よって実施すればよい。また、クローズドループ状態で
の暗騒音の測定結果に基づく補正方法も、上記実施形態
と同様の方法で行うようにすればよい。
【0061】(変形例2)上述した実施形態では、ユー
ザ等の自動調整指示に応じて電子鍵盤楽器100がその
設置環境において測定用楽音を発生し、実際にその環境
での測定結果に基づいて、最適なLイコライザ調整等を
行うようにしていたが、図9に示すように、予め複数種
類の設置環境と、各設置環境に対応する最適なイコライ
ザやアッテネータの設定情報とを対応付けたテーブルを
制御部401のROMに記憶させておき、ユーザから指
定された設置環境に応じた設定情報をROMから読み出
し、該設定情報にしたがって各イコライザやアッテネー
タの調整を行うようにしてもよい。
【0062】ここで、設定情報とは、Lチャンネル用A
FC回路ブロック250のプログラマブルイコライザ2
06、プログラマブルイコライザ208、Rチャンネル
用AFC回路ブロック350のプログラマブルイコライ
ザ306およびプログラマブルイコライザ308の特性
を設定するための情報と、Lチャンネル用AFC回路ブ
ロック250のアッテネータ209およびRチャンネル
用AFC回路ブロック350のアッテネータ309のゲ
イン調整量を示す情報である。
【0063】また、設置環境とは、例えば、図10に示
すように、室空間の中央部に電子鍵盤楽器100を設置
した場合(設置環境Aとする)と、図の左上側の隅部に
電子鍵盤楽器100を設置した場合(設置環境Bとす
る)と、図の左下側の隅部に電子鍵盤楽器100を設置
した場合(設置環境Cとする)と、図の右上側の隅部に
電子鍵盤楽器100を設置した場合(設置環境Dとす
る)と、図の右下側の隅部に電子鍵盤楽器100を設置
した場合(設置環境Eとする)といったようにどのよう
な形状の室のどのような場所に設定されているかといっ
た情報である。このような5種類の設置環境に対応する
設定情報は、以下のようにして取得することができる。
すなわち、電子鍵盤楽器100を実際に上記の設置環境
A〜Eの各々に配置した状態で、上述した実施形態と同
様にオープンループ状態の調整やクローズドループ状態
での調整を含むAFC内容調整処理を行い、この調整処
理によって得られた各イコライザやアッテネータの設定
を設定情報として取得するのである。
【0064】以上の構成の下、ユーザが電子鍵盤楽器1
00の実際の設置環境により近い設置環境を指定する
と、指定された設置環境に対応する設定情報にしたがっ
てLチャンネル用AFC回路ブロック250およびRチ
ャンネル用AFC回路ブロック350のイコライザやア
ッテネータが調整される。したがって、電子鍵盤楽器1
00の設置環境により適した調整が行われることにな
り、音響障害等がほとんど生じることのない残響付与等
を行うことができる。また、この場合、調整処理に上述
した実施形態のような測定を行う必要がないので、調整
時間を短縮することができるとともに、測定回路403
が不要であるため、装置構成を簡易化することもでき
る。
【0065】(変形例3)また、上述した実施形態で
は、本発明を鍵盤120の操作状態に応じて楽音を発生
する電子鍵盤楽器に適用した場合について説明したが、
本発明は電子鍵盤楽器に限らず、他の演奏操作子に応じ
て楽音を発生する電子楽器等の種々の電子的に楽音を発
生させる機能を有する電子楽音発生装置に適用すること
ができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
既存の室内の音響条件等を利用して発生させる楽音にア
コースティック感等を付与することができ、かつ設置環
境等が変動した場合にもハウリング等の障害が生じるこ
とを自動的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アコースティックフィードバックの原理を説
明するための図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る電子鍵盤楽器の外
観を示す斜視図である。
【図3】 前記電子鍵盤楽器を示す背面図である。
【図4】 前記電子鍵盤楽器の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】 前記電子鍵盤楽器の構成要素であるFIRフ
ィルタの時間軸変動動作を説明するための図である。
【図6】 前記電子鍵盤楽器によるAFC内容調整処理
の手順を示すフローチャートである。
【図7】 前記AFC内容調整処理によって測定される
信号の周波数特性を示す図である。
【図8】 前記AFC内容調整処理によって得られる周
波数特性であって、前記電子鍵盤楽器の構成要素である
プログラマブルイコライザの特性を示す図である。
【図9】 前記電子鍵盤楽器の変形例における制御部の
ROMに記憶されるテーブルの内容を説明するための図
である。
【図10】 前記テーブルに格納されている設定情報の
内容を説明するための図である。
【符号の説明】
100……電子鍵盤楽器、110……筐体部、111…
…上方筐体部、112……下方筐体部、120……鍵
盤、121……操作パネル、130,131,150,
151……マイクロホン、140,141……メインス
ピーカ、160,161……リアスピーカ、204……
Lチャンネル信号処理部、205……減算器、206…
…プログラマブルイコライザ、207……FIRフィル
タ、208……プログラマブルイコライザ、209……
アッテネータ、250……Lチャンネル用AFC回路ブ
ロック、304……Rチャンネル信号処理部、305…
…減算器、306……プログラマブルイコライザ、30
7……FIRフィルタ、308……プログラマブルイコ
ライザ、309……アッテネータ、350……Rチャン
ネル用AFC回路ブロック、400……電子音源、40
1……制御部、403……測定回路。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04S 7/00 G10K 15/00 B (72)発明者 三木 晃 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 川上 福司 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 鈴木 康剛 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 渋川 竹夫 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D020 CC04 CE02 5D062 AA22 AA23 CC12 CC14 5D108 AA07 AA08 AB08 AB09 AC10 5D378 BB11 SA16 XX16 XX42

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のチャンネルの楽音信号と第2のチ
    ャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、当該電子
    音源によって生成される第1のチャンネルおよび第2の
    チャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を発生させ
    る第1のスピーカおよび第2のスピーカとを備えた電子
    楽音発生装置であって、 前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1の
    マイクロホンと、 前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2の
    マイクロホンと、 前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に
    対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号
    処理手段と、 前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に
    対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号
    処理手段と、 前記第1のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第
    1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音
    を放音する第3のスピーカと、 前記第2のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第
    2の信号処理手段によって処理された信号に対応する音
    を放音する第4のスピーカと、 信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用音信号
    を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力
    し、前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピー
    カおよび前記第4のスピーカから放音されている測定期
    間中に、前記第1のマイクロホンによって収音される収
    音信号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号
    処理内容を設定するとともに、前記測定期間に前記第2
    のマイクロホンによって収音される収音信号に基づい
    て、前記第2の信号処理手段による信号処理内容を設定
    する設定手段とを具備することを特徴とする電子楽音発
    生装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の信号処理手段および前記第2
    の信号処理手段は、第1のイコライザと、FIRフィル
    タと、第2のイコライザとを有しており、 信号処理内容の設定指示があった場合、前記設定手段
    は、 a.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理
    手段の信号経路をいずれかの部分で遮断したオープンル
    ープ状態で、当該遮断箇所から前記測定用音信号を入力
    して前記第3および第4のスピーカに放音させている
    間、前記第1のマイクロホンによって収音されて前記遮
    断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該周
    波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の信
    号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整すると
    ともに、前記第2のマイクロホンによって収音されて前
    記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当
    該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第2
    の信号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整す
    るオープンループ状態での調整と、 b.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理
    手段のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測
    定用音信号を前記第1の信号処理手段および前記第2の
    信号処理手段の信号経路に入力して前記第3および第4
    のスピーカから放音させている間、前記第1のマイクロ
    ホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当
    該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1
    の信号処理手段の前記第2のイコライザの特性を調整す
    るとともに、前記第2のマイクロホンによって収音され
    る信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の
    平坦な特性となるように前記第2の信号処理手段の前記
    第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ
    状態での調整とを行うことを特徴とする請求項1に記載
    の電子楽音発生装置。
  3. 【請求項3】 前記設定手段は、前記第1、第2、第3
    および第4のスピーカからの放音を停止した状態で前記
    第1のマイクロホンによって収音される信号に基づい
    て、前記オープンループ状態および前記クローズドルー
    プ状態の各々において前記第1のマイクロホンから収音
    される信号から測定した周波数特性を補正し、補正後の
    周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の
    信号処理手段の前記第1のイコライザおよび前記第2の
    イコライザの特性を調整するとともに、 前記第1、第2、第3および第4のスピーカからの放音
    を停止した状態で前記第2のマイクロホンによって収音
    される信号に基づいて、前記オープンループ状態および
    前記クローズドループ状態の各々において前記第2のマ
    イクロホンから収音される信号から測定した周波数特性
    を補正し、補正後の周波数特性が所定の平坦な特性とな
    るように前記第2の信号処理手段の前記第1のイコライ
    ザおよび前記第2のイコライザの特性を調整することを
    特徴とする請求項2に記載の電子楽音発生装置。
  4. 【請求項4】 楽音信号を生成する電子音源と、当該電
    子音源によって生成される楽音信号に対応した楽音を発
    生させる主スピーカとを備えた電子楽音発生装置であっ
    て、 前記主スピーカに対応する位置に設けられるマイクロホ
    ンと、 前記マイクロホンによって収音された収音信号に対して
    設定された信号処理を施して出力する手段であって、第
    1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライ
    ザとを有する信号処理部と、 前記信号処理部によって処理された信号に対応する音を
    放音する副スピーカと、 信号処理内容の設定指示があった場合に、前記信号処理
    部による信号処理内容を設定する手段であって、 a.前記信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオ
    ープンループ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を
    入力して前記副スピーカに放音させている間、前記マイ
    クロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される
    信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を
    前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した
    状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づ
    いて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特
    性となるように前記信号処理部の前記第1のイコライザ
    の特性を調整するオープンループ状態での調整と、 b.前記信号処理部のループを閉じたクローズドループ
    状態で、前記測定用音信号を前記信号処理部の信号経路
    に入力して前記副スピーカから放音させている間、前記
    マイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測
    定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび
    副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホ
    ンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正
    後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信
    号処理部の前記第2のイコライザの特性の調整を行うク
    ローズドループ状態での調整とを行う設定手段とを具備
    することを特徴とする電子楽音発生装置。
  5. 【請求項5】 前記設定手段によって出力される前記測
    定用音信号は、所定の音色の和音を発生させるための信
    号であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載の電子楽音発生装置。
  6. 【請求項6】 前記設定手段によって出力される前記測
    定用音信号は、広い帯域の周波数成分を含む楽音を発生
    するための信号であることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の電子楽音発生装置。
  7. 【請求項7】 前記信号処理内容の設定指示があった場
    合に前記設定手段は、前記測定用音信号として、所定の
    音色の和音を発生させるための信号を所定の期間出力
    し、当該所定の期間中において発生させられる和音全体
    の音高が高音から低音に遷移した後、さらに高音に戻る
    ような信号を出力することを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれかに記載の電子楽音発生装置。
  8. 【請求項8】 演奏操作子をさらに具備し、 前記電子音源は、前記演奏操作子の操作状態に応じた楽
    音信号を生成することを特徴とする請求項1ないし7の
    いずれかに記載の電子楽音発生装置。
  9. 【請求項9】 第1のチャンネルの楽音信号と第2のチ
    ャンネルの楽音信号とを生成する電子音源と、 当該電子音源によって生成される第1のチャンネルおよ
    び第2のチャンネルの楽音信号の各々に対応した楽音を
    発生させる第1のスピーカおよび第2のスピーカと、 前記第1のスピーカに対応する位置に設けられる第1の
    マイクロホンと、 前記第2のスピーカに対応する位置に設けられる第2の
    マイクロホンと、 前記第1のマイクロホンによって収音された収音信号に
    対して設定された信号処理を施して出力する第1の信号
    処理手段と、 前記第2のマイクロホンによって収音された収音信号に
    対して設定された信号処理を施して出力する第2の信号
    処理手段と、 前記第1のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第
    1の信号処理手段によって処理された信号に対応する音
    を放音する第3のスピーカと、 前記第2のスピーカに対応する位置に設けられ、前記第
    2の信号処理手段によって処理された信号に対応する音
    を放音する第4のスピーカとを備えた電子楽音発生装置
    における、前記第1の信号処理手段および前記第2の信
    号処理手段の信号処理特性を調整する方法であって、 信号処理内容の設定指示があった場合に、測定用音信号
    を前記第3スピーカおよび前記第4のスピーカに出力さ
    せ、 前記測定用音信号に対応する音が前記第3のスピーカお
    よび前記第4のスピーカから放音されている測定期間中
    に、前記第1のマイクロホンによって収音される収音信
    号に基づいて、前記第1の信号処理手段による信号処理
    内容を設定するとともに前記第2のマイクロホンによっ
    て収音される収音信号に基づいて、前記第2の信号処理
    手段による信号処理内容を設定することを特徴とする信
    号処理特性調整方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の信号処理手段および前記第
    2の信号処理手段は、第1のイコライザと、FIRフィ
    ルタと、第2のイコライザとを有しており、信号処理内
    容の設定指示があった場合、 a.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理
    手段の信号経路をいずれかの部分で遮断したオープンル
    ープ状態で、当該遮断箇所から前記測定用音信号を入力
    して前記第3および第4のスピーカに放音させている
    間、前記第1のマイクロホンによって収音されて前記遮
    断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当該周
    波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1の信
    号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整すると
    ともに、前記第2のマイクロホンによって収音されて前
    記遮断箇所に帰還される信号の周波数特性を測定し、当
    該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第2
    の信号処理手段の前記第1のイコライザの特性を調整す
    るオープンループ状態での調整と、 b.前記第1の信号処理手段および前記第2の信号処理
    手段のループを閉じたクローズドループ状態で、前記測
    定用音信号を前記第1の信号処理手段および前記第2の
    信号処理手段の信号経路に入力して前記第3および第4
    のスピーカから放音させている間、前記第1のマイクロ
    ホンによって収音される信号の周波数特性を測定し、当
    該周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記第1
    の信号処理手段の前記第2のイコライザの特性を調整す
    るとともに、前記第2のマイクロホンによって収音され
    る信号の周波数特性を測定し、当該周波数特性が所定の
    平坦な特性となるように前記第2の信号処理手段の前記
    第2のイコライザの特性の調整を行うクローズドループ
    状態での調整とを行うことを特徴とする請求項9に記載
    の信号処理特性調整方法。
  11. 【請求項11】 楽音信号を生成する電子音源と、 当該電子音源によって生成される楽音信号に対応した楽
    音を発生させる主スピーカと、 前記主スピーカに対応する位置に設けられるマイクロホ
    ンと、 前記マイクロホンによって収音された収音信号に対して
    設定された信号処理を施して出力する手段であって、第
    1のイコライザと、FIRフィルタと、第2のイコライ
    ザとを有する信号処理部と、 前記信号処理部によって処理された信号に対応する音を
    放音する副スピーカとを備えた電子楽音発生装置におけ
    る、前記信号処理部の信号処理特性を調整する方法であ
    って、 信号処理内容の設定指示があった場合に、 a.前記信号処理部手段をいずれかの部分で遮断したオ
    ープンループ状態で、当該遮断箇所から測定用音信号を
    入力して前記副スピーカに放音させている間、前記マイ
    クロホンによって収音されて前記遮断箇所に帰還される
    信号の周波数特性を測定し、当該測定した周波数特性を
    前記主スピーカおよび副スピーカからの放音を停止した
    状態で前記マイクロホンによって収音される信号に基づ
    いて補正し、当該補正後の周波数特性が所定の平坦な特
    性となるように前記信号処理部の前記第1のイコライザ
    の特性を調整するオープンループ状態での調整と、 b.前記信号処理部のループを閉じたクローズドループ
    状態で、前記測定用音信号を前記信号処理部の信号経路
    に入力して前記副スピーカから放音させている間、前記
    マイクロホンによって収音される信号の周波数特性を測
    定し、当該測定した周波数特性を前記主スピーカおよび
    副スピーカからの放音を停止した状態で前記マイクロホ
    ンによって収音される信号に基づいて補正し、当該補正
    後の周波数特性が所定の平坦な特性となるように前記信
    号処理部の前記第2のイコライザの特性の調整を行うク
    ローズドループ状態での調整とを行うことを特徴とする
    信号処理特性調整方法。
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