JP4568536B2 - 測定装置、測定方法、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば音響補正のために音響測定するための測定装置と、その方法、及びこのような測定装置が実行するプログラムに関するものである。
例えばマルチチャンネルのオーディオシステムにより再生される音声信号を複数のスピーカから出力させて聴く場合においては、例えばリスニングルームの構造や、スピーカに対する聴取者の聴取位置などをはじめとしたリスニング環境に応じて音声のバランスや音質が変化することで、聴取者が感じる音場(音響)は異なってくる。これは、上記リスニング環境の状態によっては、聴取位置にいる聴取者が適正な音場を感じることができないということにつながる。
因みに、このような問題は、例えば自動車の室内のような環境において顕著である。自動車の室内で、聴取者の位置は座席位置にほぼ限定されるので、スピーカとの距離も偏ったものとなって、これによるスピーカからの音声の到達時間の時間差により音場のバランスが大きく乱れる。また、自動車の室内は比較的狭い上にほぼ密閉された状態であるので、反射音などが複雑に合成されて聴取者に到達して、音場を乱す要因となる。さらに、スピーカの取り付け位置の制限から、スピーカが聴取者の耳に直接的に到達するように配置されることがあまりなく、このことによる音質の変化もおおきく音場に影響する。
そこで、実際にオーディオシステムを使用するリスニング環境にあって、できるだけ、本来の音声ソースに近いとされる良好な音場により聴くことができるように、音響補正を行うことが知られている。この音響補正のためには、例えば各スピーカから出力すべき音声信号について、聴取者の耳に到達する音声の時間差を補正するように遅延時間を調整したり、また、聴取者の耳に到達した段階での音質や聴取レベルの変化が補正されるようにイコライジング補正などの所要の信号処理を施すものである。
そして、このような音響補正を効率的に行うためには、例えばユーザ(聴取者)が単に聴感のみに頼って調整をするのではなく、装置により自動的に行われるようにすることが好ましい。
つまり、先ず、音響補正装置により、リスニング環境における音響特性を測定し、その測定結果に基づいて、オーディオシステムの音声出力系に対して、音響補正のための信号処理のパラメータを設定するものである。このようして設定されたパラメータに従って信号処理された音声信号をスピーカから出力させれば、特にユーザが音場調整操作をしなくとも、そのリスニング環境に適合して補正された良好な音場で音声ソースを聴くことができるわけである。
また、上記した音響特性の測定は、例えば次のようにして行うようにされる。
先ず、そのリスニング空間のなかにおいて、聴取者の耳の位置に対応するとされるリスニングポジションにマイクロフォンを配置する。そして、音響補正装置により、スピーカから測定音を出力させ、この出力された測定音をマイクロフォンにより収音して、収音して得られた音声信号をサンプリングする。音響補正装置では、このサンプリングした音声について例えば周波数解析処理などを行った結果に基づいて、例えば上記のようにして、音響補正のための信号処理のパラメータを求めるようにされる。
特開2001−346299号公報
しかしながら、上記のような測定のための測定音としては、一般には、例えばピンクノイズなどを用いる。このために、測定を行っているときには、ユーザは、ノイズ音を聴くことになる。ノイズ音は、音の種類として決して聴き心地のよいものではないことから、ユーザのことを考慮すれば、好ましくないということになる。
そこで本発明は、測定装置として、2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して互いに異なる整数の周期数があてはまる正弦波とされる互いに異なる基音成分とその高調波成分からなる所要の複数の音素を、サンプル数Nを最小出力単位として、測定音源として互いに出力期間が重複するようにそれぞれ別個のスピーカに出力させる出力手段と、上記出力手段から出力される上記複数の音素が上記別個のスピーカから放音されそれぞれ複数の空間伝達経路を介して収音され得られる音声信号について、所定タイミングで上記サンプル数Nを最小サンプル単位としてサンプリングを行なうサンプリング手段と、上記サンプリング手段によりサンプリングされた音声信号について所定の周波数解析処理を実行して得られた解析結果に基づいて、上記複数の空間伝達経路ごとに所要の測定項目についての測定結果を得るようにされる測定手段とを備えて構成することとした。
また、測定方法としては、2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して互いに異なる整数の周期数があてはまる正弦波とされる互いに異なる基音成分とその高調波成分からなる所要の複数の音素を、サンプル数Nを最小出力単位として、測定音源として互いに出力期間が重複するようにそれぞれ別個のスピーカに出力させる出力手順と、上記出力手順により出力される上記複数の音素が上記別個のスピーカから放音されそれぞれ複数の空間伝達経路を介して収音され得られる音声信号について、所定タイミングで上記サンプル数Nを最小サンプル単位としてサンプリングを行なうサンプリング手順と、上記サンプリング手順によりサンプリングされた音声信号について所定の周波数解析処理を実行して得られた解析結果に基づいて、上記複数の空間伝達経路ごとに所要の測定項目についての測定結果を得るようにされる測定手順とを実行するように構成することとした。
また、プログラムとして、2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して互いに異なる整数の周期数(m)があてはまる正弦波とされる互いに異なる基音成分とその高調波成分からなる所要の複数の音素を、サンプル数Nを最小出力単位として、測定音源として互いに出力期間が重複するようにそれぞれ別個のスピーカに出力させる出力手順と、上記出力手順により出力される上記複数の音素が上記別個のスピーカから放音されそれぞれ複数の空間伝達経路を介して収音され得られる音声信号について、所定タイミングで上記サンプル数Nを最小サンプル単位としてサンプリングを行なうサンプリング手順と、上記サンプリング手順によりサンプリングされた音声信号について所定の周波数解析処理を実行して得られた解析結果に基づいて、上記複数の空間伝達経路ごとに所要の測定項目についての測定結果を得るようにされる測定手順とを、測定装置に実行させるように構成することとした。
上記各構成によれば、本発明による測定音源としては、例えばピンクノイズなどとは異なり正弦波を基とした信号によるものとなる。
また、この測定音源としての正弦波は、2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して互いに異なる整数の周期数があてはまるものとされている。
これに応じて、サンプリング手段は、空間に放出された測定音について、サンプル数Nを1回のサンプリング単位としてサンプリングするようにされている。このようにしてサンプリングされた信号が測定音のみとされる理想的な状態であると仮定すると、理論的に、このサンプリングした信号について周波数解析を行って得た振幅値は測定音(メインローブ)の周波数のみ値を有し、サイドローブの発生が無いものとなることが理解される。これは、実際の周波数解析にあたっては、測定音周波数以外の未知の一般信号列に対して窓関数による処理を設定する必要がないことを意味する。
このことから、本発明によっては、例えばピンクノイズなどとは異なって、聴感的に音高を感じられる音が測定音として聞こえてくることになるので、ユーザにとっては、不快感を感じることがない。また、このような音を測定音に使用しているのにかかわらず、例えば上記もしたように窓関数の処理が不要になることなどによって、測定結果を得るための周波数解析処理がより簡略なものとなって、例えば、その分のプログラムの簡易化、あるいはハードウェアの回路規模拡大の抑制を図ることが出来る。また、このことによっては、より高い信頼性の解析結果も得られることになるので、例えばこの解析結果を利用した音響補正について、より良好な結果が得られることにもなる。
以下、本発明の実施の形態について説明を行うこととする。
本実施の形態としては、本願発明に基づく測定装置について、マルチチャンネルに対応するオーディオシステムにより再生される音場について補正する音響補正装置に搭載した場合を例に挙げて説明する。つまり、音響補正のために、そのオーディオシステムを使用するリスニング環境の音響特性を測定する測定装置に本発明を適用するものである。
また、本実施の形態の音響補正装置としては、オーディオシステムに対して元々から備えられるものではなく、既にあるオーディオシステムに対して、いわゆる後付けが可能なものであることとする。つまり、ある一定の規格が合致する範囲内であれば、本実施の形態の音響補正装置を接続可能なオーディオシステムは特に制限がない。
また、このようにして、音響補正装置に対して接続されるオーディオシステムが不定となるのに応じて、本実施の形態では、オーディオシステムそのものが対応しているマルチチャンネル方式についても特定することができない状況にあるものとされる。
そこで、本実施の形態の音響補正装置としては、本測定を行なう事前の段階で、準備測定を行うようにされる。つまり、先ずは、準備測定により、主としては、実際に接続されたオーディオシステムのチャンネル構成(スピーカ構成)がどのようなものであるのかを特定するようにされる。なお、このときの準備測定の結果に応じて、本測定時において各チャンネルのスピーカから出力させるべき信号レベルも決定するようにされる。そして、本測定を行って得られた測定結果に基づいて、信号処理における所要のパラメータについて音場補正が行われるようにして変更設定するようにされる。
そして、以降説明する本実施の形態の測定音は、準備測定のときに用いるべきものとされる。
先ず、本実施の形態において使用される測定音の基本概念について図1を参照して説明する。
本実施の形態では、測定音を得るのにあたって、図1(a)に示すようにして基本正弦波を規定する。この基本正弦波は、「サンプル数を示す変数Nについて、2のべき乗(2n:nは自然数)で表される所定値を設定したうえで、このサンプル数Nに対して、ちょうど1周期があてはまる」ことを条件とする、特定的な正弦波とされる。
本発明におけるサンプル数Nとしては、2のべき乗となる数である限り特に限定されるべきものではないが、本実施の形態では、以降の説明を行うのにあたり、2の12乗(n=12)となる、N=4096であることとする。
また、サンプリング周波数Fsについては、48KHzであることとする。これにより、実施の形態において規定される基本正弦波の周波数は、48000/4096≒11.72Hzとなる。なお、この11.72Hzは、あくまでも近似値ではあるが、以降においては、説明の便宜上、48000/4096=11.72Hzとみなして説明する場合がある。
そして本実施の形態では、上記のようにして規定した基本正弦波を基として、次のようにして、他の正弦波を得るようにされる。
ここで、基本正弦波のサンプル数N(=4096)に対応する4096のサンプルポイントは、時系列に従ってt0〜t4095であるとする。そして、この基本正弦波のサンプルポイントt0〜t4095を基として、サンプルポイント[t0,tm,t2m,t3m・・・・]のようにして4096のサンプルを集めて(なお、t4095を越えたらt0に戻るようにして循環する)正弦波を生成するものとする。
この場合において、m=1であれば、サンプルポイント[t0,t1,t2,t3・・・・]と集めていくことになるので、基本正弦波そのものとなる。そして、m=2とすれば、サンプルポイント[t0,t2,t4,t6・・・・]と集めていくことになり、この結果、図1(b)に示すようにして、基本正弦波に対して2倍の周期となる正弦波が得られる。つまりサンプル数4096に対してちょうど2周期があてはまる正弦波が得られる。
同様にして、m=3として、サンプルポイント[t0,t3,t6,t9・・・・]と集めていくようにすれば、図1(c)に示すようにして、基本正弦波に対して3倍の周期であり、サンプル数4096に対してちょうど3周期があてはまる正弦波が得られる。
また、m=4としてサンプルポイント[t0,t4,t8,t12・・・・]と集めていくようにすれば、図1(d)に示すようにして、基本正弦波に対して4倍の周期であり、サンプル数4096に対して4周期があてはまる正弦波となる。
このようにして、変数m(mは整数)の値を変えてサンプルポイント[t0,tm,t2m,t3m・・・・]のようにしてサンプルポイントを集めることで、基本正弦波を基として、サンプル数N(=4096)に対してm周期があてはまる正弦波を作っていくことが出来る。
なお、以降においては、サンプル数N(=4096)に対してm周期があてはまる正弦波について、「m次正弦波」ということにする。ちなみに基本正弦波は、m=1となるから、1次正弦波となる。本実施の形態の場合、この基本正弦波(1次正弦波(m=1))は11.72Hzであるから、例えば2次正弦波は11.72×2=23.44Hz、3次正弦波は11.72×3=35.16Hzというようにして、m次正弦波の周波数は、11.72Hz×mで表される。
周知のようにして、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)などについて、入出力インターフェイスの入出力バッファを作成したり、あるいはFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換) の演算などを実行させる場合において、処理対象となるデータについて、2のべき乗で表されるサンプル数とすることが好適である。サンプル数Nについて、上記のようにして2のべき乗で表されるサンプル数としているのは、このことに基づいている。
また、2のべき乗で表されるサンプル数N(=4096)に、ちょうど当てはめられる基本正弦波の時系列に対して、例えばFFTなどの周波数解析を行って、その振幅値を求めたとする。すると、そのm次正弦波の周波数である11.72Hzにてのみ値を有し、他の周波数では理論的に対数軸上は−∞となる。つまり、11.72Hzの周波数をメインローブとすると、このメインローブの信号に含まれる周波数成分が原因となるサイドローブは発生することがない。
このことは、2次以上のm次正弦波についても同様のことがいえる。これらの2次以上のm次正弦波も、図1から理解されるように、サンプル数Nに対して、全て整数周期によりちょうど収まる波形となっているからである。
そして、このようにしてサイドローブが発生しないことで、未知とされる一般信号列に対してFFTを行うために、例えば矩形以外の窓関数の処理を実行する必要はなくなる。
本実施の形態としては、このことに基づいて、m次正弦波を基として生成した「音素」としての音声信号を、準備測定のための測定音の音源(測定音源)として使用することとする。つまり、この「音素」としての音声信号を使用して、オーディオシステムのスピーカから測定音として再生出力させる。そして、このスピーカから測定音が出力されているときにマイクロフォンにより収音されている音声信号を応答信号としてサンプリングしてFFTにより周波数解析を行なう。この際に応答信号をサンプリングする際のサンプル数N及びサンプリング周波数Fsは、m次正弦波と同様にN=4096、Fs=48KHzである。
このような測定音の出力、及び収音音声のサンプリング、及び解析の手順とすれば、上記もしたように、m次正弦波の周波数に対応したサイドローブは発生しないから、応答信号において、測定音として再生出力された信号成分の周波数については非常に正確に応答を測定できることになる。また、周波数解析を行った結果として、測定音以外の周波数の振幅が得られた場合、上記のようにm次正弦波の周波数に対応したサイドローブは発生し得ない以上、これは、リスニング環境の暗騒音のレベルが測定されているものとみてよいことになる。つまり、周波数解析結果として、特に窓関数の処理を行わなくとも、測定音としての周波数成分の振幅と、この測定音以外の暗騒音とみなされる周波数成分の振幅とは明確に区分されることになる。例えば、この測定音と暗騒音の振幅を比較した結果に基づいて、準備測定としての必要な測定結果を得ることができる。
ところで、準備測定としては、オーディオシステムとして出力可能性のあるスピーカ(チャンネル)ごとに順次、適当に選んだ1つのm次正弦波としての音素を測定音として出力させてサンプリングを行って解析する、という手順を踏めばよい。しかしながら、本実施の形態の測定音は正弦波であるから、人間の耳には、例えばピンクノイズなどの信号を再生した音と比較して、音程感が認識できる音であるといえる。そこで、本実施の形態としては、単にm次正弦波としての音素を測定音として出すのではなく、これを推し進めて、m次正弦波を基として得られる音素(測定音)を、時系列方向と、音高方向との双方について組み合わせて、人間がメロディとして認識できるようにした形態で出力するようにされる。
これにより、測定音を聴いているユーザにとっては、何らかのメロディ(楽曲)的なものを聴いていることとなって、例えば単にピンクノイズなどを聴かされる場合のように不快な印象を持つこともないし、また、娯楽性が高まることとなる。
そして、m次正弦波を基礎としてメロディ的な測定音を出力するために、本実施の形態としては、次のようにして音素を形成していくようにされる。
本実施の形態では、基本的な考え方として、図2に示すようにしてメロディ的な測定音に使用する音素を得る。
先ず、図2においては、m次正弦波を示す変数mとして例えばm=9〜19を選択している。これは、音素について可聴帯域において人間がメロディ(楽音)として聞き取りやすい周波数となることや、最終的に必要な音高の数(作成すべきメロディと、測定音として適当な音素数、音域などにより決まる)、及び実際に音素(測定音)を生成するデバイスの処理能力を考慮して設定された範囲であるが、あくまでも一例に過ぎない。
そのうえで、ここではm次正弦波に基づいて得られる周波数fとして、

f=(48000/4096)×m×2k・・・(式1)

を定義する。そして、9次〜19次正弦波(m=9〜19)ごとに対応して、k=1となるときの周波数fを、ベース音(基音)として定義するようにされる。これにより、図2に示すようにして、ベース音は、9次正弦波(m=9)に対応しては210.94Hz、10次正弦波(m=10)に対応しては234.38Hz、11次正弦波(m=11)に対応しては257.81Hz、・・・・・18次正弦波(m=18)に対応しては421.88Hz、19次正弦波(m=19)に対応しては445.31Hz、というようになる。
また、上記のようにして定義される各ベース音に対しては、高調波次数としての変数k(kは整数)についてk=2以上に対応する周波数fが対応付けられる。この場合には、1つのベース音について、高調波次数k=2、k=3、k=4、k=5、k=6に対応する5つの周波数fが対応付けられるが、これらの5つの周波数fは、上記式1によれば、ベース音(k=1)に対する高調波次数kの数値差(k−1)が表すオクターブ数だけ上となる周波数を有する高調波(以降、オクターブ高調波ともいう)となる。例えば9次正弦波(m=9)に対応するベース音の周波数(210.94Hz)に対して、高調波次数k=2のオクターブ高調波の周波数は2倍の421.88Hzであり、高調波次数k=3のオクターブ高調波の周波数は4倍の843.75Hz、・・・k=6のオクターブ高調波の周波数は32倍の6750.00Hzというように、それぞれ、ベース音に対して1オクターブ上、2オクターブ上、・・・・5オクターブ上という関係になっていることが分かる。
本実施の形態において、1つの音素は、ベース音(k=1)に対する各オクターブ高調波(k=2〜6)のレベルについてしかるべき関係を設定した上で、これらのオクターブ高調波をベース音に対して合成することで形成するようにされる。
このようにして、測定音に使用する1つの音素として、ベース音(k=1)の周波数成分だけではなく、そのオクターブ高調波としての周波数成分を合成することによっては、先ず、上記もしている各周波数成分のレベル関係の設定により、音素の音色を設定できるということになる。これにより、音素の組み合わせによるメロディとしての測定音について、音色の要素が加わることになるので、測定音として出力される音素のシーケンスは、より音楽的なものとなる。
また、ベース音(k=1)と、そのオクターブ高調波(k=2〜6)の成分から成る音素は、例えば周波数解析された場合には、ベース音の周波数と、オクターブ高調波(k=2〜6)の周波数との、全部で6つの周波数の振幅が検出されることになる。これは、同時に測定される周波数が複数であることを意味する。このようにして、複数の周波数が同時に測定されるということは、ある周波数の帯域範囲内において測定対象となる周波数が増加して、その存在密度が高くなることにつながる。例えばスピーカによっては、或る特定の周波数帯域において音圧レベルが急峻に低下するような、いわゆるディップといわれる特性を有しているものもある。たまたま、スピーカがこのようなものであった場合、測定音の周波数がちょうどディップが生じる帯域内に収まるものであったりすると、解析結果として充分な振幅が観測されないので、信頼性の高い測定結果が得られなくなる。そこで、本実施の形態のようにして、測定音の音素としては、同時的に異なる周波数を合成すれば、音素における或る周波数成分がディップ帯域内であったとしても、他のディップ帯域外の周波数成分は充分大きな振幅で観測できることになり、信頼性を損なわない測定結果が得られることになる。

なお、確認のために述べておくと、ベース音(k=1)に対して高調波次数k≧2となるオクターブ高調波の各々についても、ベース音と同様にして、サンプル数Nに対して整数周期数で収まる波形となるものであり、従って、ベース音とそのオクターブ高調波からなる音素としても、「サンプル数Nに対して整数周期数があてはまる波形」という規定からは逸脱していない。
また、音素を形成する周波数成分の要素として、ベース音は必須であるが、例えば図2に示している2≦k≦6の範囲の高調波次数に対応する5つの全てのオクターブ高調波を含める必要はない。
この場合、音素としては、図2において次数m=9〜19に対応するベース音を基音周波数とする、11の異なる音高が存在することになる。しかしながら、測定音としての音素の出力シーケンスをメロディ的なものとすることを考えると、各音素の音高(周波数)としては、例えば或る音律の音階に対応する音程差を有しているべきことになる。
そこで、この場合には、音律として12音平均律を採用した場合を考えてみる。そして、この場合には、m=19に対応するベース音が445.31Hzであることに着目してみる。例えば、絶対音名による音階としてA=445Hzが基準であると規定すると、この次数m=19に対応するベース音が445.313Hzとされてその誤差が僅かであることから、この次数m=19に対応するベース音をAの音として扱ってよいということがいえる。
そして、この次数m=19に対応するベース音の周波数445.313HzをAの音としたとすると、結果的に、この音階に収まる音として扱うことの出来るベース音は次のようになる。
次数m=10に対応するベース音(234.38Hz)→A#
次数m=12に対応するベース音(281.25Hz)→C#
次数m=15に対応するベース音(351.56Hz)→F
次数m=16に対応するベース音(375.00Hz)→F#
次数m=17に対応するベース音(398.44Hz)→G
次数m=18に対応するベース音(421.88Hz)→G#

上記のようにして周波数445.313HzをAの音とみなすと、図2に平均律近似音周波数として示すように、A#の音は235.896Hz、C#の音は280.529Hz、Fの音は353.445Hz、F#の音は374.462Hz、Gの音は396.728Hz、G#の音は420.319Hzとなる。上記した次数m=10、m=12、m=15、m=16、m=17、m=18に対応するベース音の各々は、上記したA#、C#、F、F#、G、G#の平均律近似音周波数に近く、従って、それぞれのベース音を、それぞれ、A#、C#、F、F#、G、G#の音としてみなすことができるということになる。
そこで、この図2の場合としては、次数m=10に対応するベース音(234.38Hz)を基としてそのオクターブ高調波を合成した音素をA#とし、以下同様に、次数m=12に対応するベース音(281.25Hz)を基とする音素をC#、次数m=15に対応するベース音(351.56Hz)を基とする音素をF、次数m=16に対応するベース音(375.00Hz)を基とする音素をF#、次数m=17に対応するベース音(398.44Hz)を基とする音素をG、次数m=18に対応するベース音(421.88Hz)を基とする音素をG#、次数m=19に対応するベース音(445.31Hz)を基とする音素をAとして用いるようにされる。
なお、実際においても、測定音をメロディ的に出力させるという用途のもとでは、このようにして選択された音素により得られる音階については、聴感的に違和感のあるものではないことを確認している。
図3に、上記図2により説明した手法により選択された、7つの音名A#、C#、F、F#、G、G#、Aに対応する各音素についての周波数特性を示す。この図から分かるようにして、これらの音素により得られる測定対象としては、最低周波数成分となる音名A#に対応のベース音(k=1)の235.896Hzから、最高周波数成分となる音名Aに対応のオクターブ高調波(k=6)の14250.00Hzまでの帯域範囲において、42(=7×6)の測定対象周波数が、ほぼ均一的に存在しているということがいえる。これは、測定対象の周波数範囲において、測定対象周波数の数が必要充分なだけ存在しており、かつ、その存在が帯域的に偏っていないことを意味する。これにより、例えば先に説明したスピーカのディップなどにもかかわらず、安定的で高い信頼性の測定結果が得られることになる。
本実施の形態における音素の選び方としては、上記図2により説明した手法を基本とするものである。しかしながら、例えば図2の説明にそのまま従って音階を形成するのに使用可能とされる音素の音階としては、上記もしているように、平均律12音階のうち、ほぼ1オクターブ範囲内におけるA#、F、F#、G、G#、Aの6つの音のみとなる。測定音として音素のシーケンスによりメロディを作成することを考慮すれば、使用できる音階の数は、できるだけ多く得られることが好ましい。
そこで、本実施の形態としては、図2により説明した手法を基として、実際には、図4に示すようにして、測定音のメロディとして使用可能な音素を決定するようにされる。
ここでは先ず、図1に示した基本正弦波の1/2の周波数の正弦波を、仮想基本正弦波として規定する。そして、この仮想基本正弦波についてのm次正弦波として、図4に示す仮想ベース音を規定するようにされる。
この場合には、m次正弦波に基づいて得られる周波数fとしては、

f=(48000/4096)×m×2(k-1)・・・(式2)

により表され、上記仮想ベース音は、m次正弦波ごとにk=0を代入して得られる周波数fを有するものとなる。また、上記と同様に、k=1を代入して得られる周波数をベース音としている。つまり、仮想ベース音は、k=0とされることで上記式2における(2(k-1))の項が1/2となるもので、k=1の基本正弦波に対しては1/2の周波数となる。
そして、ここでは、仮想ベース音に基づいて、m=18に対応する105.469Hzから、m=43に対応する251.953Hzまでの範囲による26の周波数を候補としている。
そして、この場合においては、オクターブ高調波としては、各仮想ベース音(k=0)ごとに、k=1、k=2、k=3、k=4、k=5、k=6に対応する周波数を対応させることとしている。
ここで、仮想ベース音は、上記のようにして、図1(a)に示した本来の基本正弦波に対して2倍の波長(1/2周期)となる仮想正弦波に対するm次正弦波であるから、仮想ベース音の周波数として奇数次の正弦波(mが奇数の場合)については、サンプル数Nに対して整数の周期数で収まらない。また、このk=0による仮想ベース音は、本来の基本正弦波に対して2倍の波長となる仮想正弦波を基として生成するものとしているが、実際の生成処理としては、この仮想正弦波の波形データを使用しないので、基本正弦波を基としては、現実的にも生成され得るものではない。このことに依り、本実施の形態としては、仮想ベース音そのものについては、実際の音素の構成要素からは除外すべきものとなる。
そして、正弦波の次数mごとに対応する音素の要素として、実音として得ることが出来るのは、k=1以上からのオクターブ高調波となる。従って、音素を成す実のベース音としては、k=1〜6のうちで、最低値であるk=1のオクターブ高調波とされる。
このk=1のオクターブ高調波となるベース音のリストと、図2に示されたk=1のベース音のリストとを比較してみる。すると、図4の場合には、本来の基本正弦波に対して1/2の周波数となる仮想ベース音基としていることで、図2に示したk=1のベース音のm次の各周波数に加えて、その中間の周波数もベース音として得られていることが分かる。つまり、所定の周波数範囲におけるベース音の数が、ほぼ2倍増加しているものである。
そして、この場合には、m=38に対応するベース音が445.31Hzとされていることに着目し、絶対音名による音階としてA=445Hzが基準であると規定する。これに応じては、図4に示すベース音(k=1)の周波数と、A=445Hz基準とした場合の平均律近似音周波数との関係を比較した結果から、ベース音の周波数と、対応近似絶対音名の欄に示す音階とを対応付けることができる。つまり、
次数m=19に対応するベース音(222.656Hz)→A
次数m=20に対応するベース音(235.896Hz)→A#
次数m=21に対応するベース音(249.923Hz)→B
次数m=24に対応するベース音(280.529Hz)→C#
次数m=27に対応するベース音(314.883Hz)→D#
次数m=30に対応するベース音(353.445Hz)→F
次数m=32に対応するベース音(374.462Hz)→F#
次数m=34に対応するベース音(396.728Hz)→G
次数m=36に対応するベース音(420.319Hz)→G#
次数m=38に対応するベース音(445.313Hz)→A
次数m=40に対応するベース音(466.164Hz)→A#
次数m=42に対応するベース音(493.883Hz)→B
として規定することができる。
このようにして、仮想ベース音を想定することで、その1オクターブ上のオクターブ高調波となるベース音の周波数に基づいては、12平均律音階において、音程の低い方から高い方にかけて、A、A#、B、C#、D#、F、F#、G、G#、A、A#、Bによる12の音を使用できることになる。つまり、図2による基本的な手法と比較して、メロディ作成に必要な音素の音高の数としても増加されているものである。
なお、確認のために述べておくと、この場合においても、上記12の音のそれぞれについて、k=1のベース音に対してk=2〜6までのオクターブ高調波を合成することで1つの音素が生成される点では、図4により説明したとおりである。
また、ここでの仮想ベース音は、式2についてk=0を代入して得られるm次正弦波の周波数(f)の正弦波であることとしている。従って、本発明の概念としては、仮想ベース音は、上記図4に示したように基本正弦波のm次正弦波に対して1/2の周波数となる正弦波形のみに限定されない。つまり、仮想ベース音としては、変数kについて0より小さな任意の負の自然数を代入して得られるm次正弦波の周波数である、ということになる。これは換言すれば、仮想ベース音の基音(=1)は、図1(a)に示した基本正弦波(特定周波数成分)の1/(2P)(Pは自然数である)の周波数を有するものである、ということがいえる。
図5は、上記のようにして測定音のメロディ要素として選択された音素を用いて測定を行う場合の基本的な手順例を模式的に示している。
図5(a)には、測定音出力シーケンスが示される。これは、測定音としての音素をスピーカから出力させるために、音素の信号を音声信号出力系に対して出力するタイミングを示している。
この場合の例としては、先ず、期間t0〜t3→期間t3〜t6により、測定音として音高Fに対応する音素を2回連続出力させている。ここで、1つの音素は、時系列のサンプル数Nに対して整数の周期数があてはまる正弦波の周波数成分から成るから、1つの音素の出力期間(期間t0〜t3、期間t3〜t6)としても、時系列のサンプル数Nに対応したものとなる。
また、この場合には、時点t6により音高Fの音素の出力を終了させた後に、続けて、音高A#に対応する音素についても、期間t6〜t9→期間t9〜t12により2回連続して出力させている。
つまり、ここでは、1つの音高による音素を、サンプル数Nによる信号を2回ループさせるようにして出力させることとしている。
なお、本実施の形態としてはサンプル数N=4096で、サンプリング周波数Fs=48KHzとしているから、サンプル数N相当の時間長は、
4096/48000≒0.085(秒)
となる。
上記のようにしてスピーカから空間内に出力された音素の音は、しかるべき収音位置に設置されたマイクロフォンに対して図5(b)に示すタイミングにより到達して、この到達音がマイクロフォンにより収音されることになる。
この図5(b)の収音タイミングと、図5(a)の測定音出力シーケンスとを比較して分かるように、時点t0から出力された測定音としての音素は、遅延時間Tdを経過した時点t1から、マイクロフォン側での収音が開始されることになる。この遅延時間Tdは、例えば、音素としての信号が音声信号出力系に対して入力されてからスピーカから放音されるまでのいわゆるシステム遅延の時間と、音声がスピーカから出力されてからマイクロフォンに到達するまでの、スピーカとマイクロフォンの位置関係(距離)に応じて生じる空間伝達遅延の時間とから成るものとされる。
この場合、音高Fが対応する音素の収音タイミングとしては、図5(b)に示すようにして、期間t1〜t7となる。なお、この期間t1〜t7の収音期間の時間長は、音高Fとしての音素の出力期間t0〜t6に対応する。また、この期間t1〜t7の収音期間は、期間t1〜t4、期間t4〜t7により2等分されるが、この等分された各期間は、サンプル数Nに相当する。
また、音高A#に対応する音素の収音タイミングは、期間t7〜t13により行われる。この期間t7〜t13も、サンプル数Nに相当するとされる期間t7〜t10、期間t10〜t13により2等分したものとしてみることができる。
そして、マイクロフォンにより収音して得られた音声信号について測定するには、この音声信号についてサンプリングを行なって応答信号として得る必要があることになる。このサンプルタイミングを図5(c)に示している。
先ず、期間t0〜t6による2回連続のサンプル数Nにより出力した音高Fに対応の音素に対応しては、音高Fに対応の音素の出力開始時点である時点t0を起点としてサンプル遅延時間Tdrs分シフトされた時点t2からサンプリングを開始することとしている。この時点t2から開始されたサンプリングは、時点t2からサンプル数Nに対応する時間を経過した時点t5において終了されている。つまり、ここではサンプル数Nによるサンプリングを行なうこととしている。また、この期間t2〜t5のタイミングは、音高Fに対応の音素の音声が収音される期間t1〜t7内に収まっている。これにより、期間t2〜t5によるサンプリングによっては、音高Fに対応の音素を測定対象とするサンプル数Nによるサンプリングデータが得られることになる。
また、次のサンプリングタイミングは、音高Fの場合と同様にして、音高A#に対応の音素の出力開始時点である時点t6を起点としてサンプル遅延時間Tdrs分シフトされた時点t8からサンプリングを開始する。そして、この時点t11においてサンプル数Nのサンプリングを終了している。これにより、この期間t8〜t11によるサンプリングによっては、期間t6〜t12において出力される音高A#に対応の音素を測定対象とするサンプル数Nによるサンプリングデータが得られる。
ここで、図5においてサンプル遅延時間Tdrsは、或る音素が出力開始された時点から、この音素を測定対象とするサンプリングデータを得るためのサンプリング期間の開始時点に対応し、サンプリング期間のタイミングを決定するものとされる。
このサンプル遅延時間Tdrsは、測定対象とする音素のみが確実にサンプリングできるサンプリング期間が得られるようにして設定すべきものとなる。例えば図5における音高Fに対応の音素に対応させて考えれば、サンプリング期間t2〜t5は、音高Fに対応の音素のみが測定対象として確実にサンプリングされ、例えば時点t1以前の測定音の無いときであるとか、若しくは時点t7以降に収音される音高A#に対応の音素など、測定対象外となる音素についてはサンプリングされることがないように、確実に期間t1〜t7に収まるようにして設定されるべきものとなる。この場合には、音高A#に対応の音素に対応するサンプリング期間t8〜t11としても、音高Fに対応の音素に対応する場合と同じ時間長によるサンプル遅延時間Tdrsにより決定されており、これにより、期間t7〜t13により収音音声信号として得られる、音高A#に対応の音素のみを測定対象として得ることが出来るようになっている。
また、実際においてサンプル遅延時間Tdrsは、本実施の形態の音響補正装置が使用される環境を想定して、その環境において生じるとされる遅延時間Tdを推定して求め、この求められた遅延時間Tdに基づいて設定することができる。例えば、音響補正装置が車載オーディオシステムに対応するものであるとすれば、一般的な自動車内の環境から、1つの遅延時間Tdを求めることが可能である。
なお、例えば期間t2〜t5のサンプリング期間によりサンプリングされる音声信号としては、サンプル数Nの連続点である時点t4を境界にして、前半と後半のサンプル数Nの期間を含むことになるが、サンプル数Nによるサンプリングが行われることで、サンプリングデータとしては、サンプル数Nに対して整数の周期数により収まる周波数成分のみが得られることになる。つまり、メインローブに対してサイドローブの生じない周波数解析結果が得られる。ちなみに、サンプル数Nによるサンプリングを行ったとしても、測定対象とすべきでない音素がサンプリングされた場合(図5の場合であれば、例えば期間t2〜t5のサンプリング期間に時点t7が含まれることで、前半では音高Fに対応の音素をサンプリングし、後半では音高A#に対応の音素をサンプリングしたような場合)には、サイドローブが生じてしまうことになる。
また、このことから、1回のサンプリング期間に対して、これに対応する音素の出力期間のほうが多くなければならないことも分かる。本実施の形態の場合、音素の出力期間及びサンプリング期間は、時系列のサンプル数Nを最小単位とするものとなる。そのうえで、上記したサンプリング期間と音素の出力期間の関係を満たすこととすれば、サンプリング期間をサンプル数N×a(aは自然数)で表した場合には、これに対応する音素の出力期間としては、サンプル数N×(a+b)(変数bは1以上の自然数)を設定することとなる。
図6は、上記図5に示す手順によりサンプリングされた応答信号についてFFTによる周波数解析を行ったことで得られた帯域特性の例を模式的に示している。この場合には、例えば1つの音高に対応する音素のみによる単音の測定対象音についてサンプリングしてFFTにより解析した結果例を示している。
単音の音素による測定対象音を収音、サンプリングしてFFTを実行したとされると、図示するようにして、ベース音(k=1)、第2次オクターブ高調波(k=2)、第3次オクターブ高調波(k=3)、第4次オクターブ高調波(k=4)、第5次オクターブ高調波(k=5)、第6次オクターブ高調波(k=6)について何らかの振幅値が得られることになる。
ここで、本実施の形態では、サンプル数Nに対して整数の周期数で収まる正弦波を音素とする測定音を出力させて収音し、この収音した音素の音声信号について、同じくサンプル数Nによりサンプリングすることとしている。従って、これまでの説明から理解されるように、例えばサンプリングデータが音素のみによる理想的な音声信号であると仮定すると、FFTによる周波数解析結果としては、音素を形成する測定対象周波数がメインローブとして値を持つのみでサイドローブは発生しないことになる。
しかしながら、実際のFFTによる周波数解析結果としては、例えば図6に示すようにして、ベース音、及び各次のオクターブ高調波とされる測定対象周波数の周囲の周波数にて振幅が検出されるような状態となる。音素のみの信号についてFFTによる周波数解析を行えば、その音素を形成する周波数以外の振幅は存在しないはずであるから、測定対象周波数以外の周波数の振幅は、測定環境におけるいわゆる暗騒音であるとして考えて良いことになる。本実施の形態では、前述もしたように、このような解析結果を、窓関数処理を施すことなく得ることができる。
そして、図6に示す解析結果に基づいて、例えば本実施の形態としては測定対象周波数とその近隣周波数に存在する暗騒音のレベルについての比を求めるようにされる。つまり、測定対象周波数の振幅を信号(S)とし、暗騒音の振幅をノイズ(N)としてS/N比を得るようにされる。
ここでのS/N比の算出の手法としては、測定対象周波数の振幅とし、暗騒音の振幅とに基づく限り特に限定されるべきものではないが、ここでは、測定対象周波数と比較すべきノイズレベルとして、測定対象周波数の近隣周波数において振幅値が最も大きい暗騒音の周波数を採用することとする。例えば、図6に示すベース音を例に挙げれば、ベース音の振幅値がL1であるとして、その近隣周波数の暗騒音の振幅値としては、図示するようにして、ベース音よりも低い周波数側ではL2aで、ベース音よりも高い周波数側では、この振幅値L2aよりも高いL2であったとする。このときには、S/N比算出のための暗騒音の振幅としてL2のほうを採用し、例えばL2/L1の演算を行ってS/N比を得るようにされる。
このようなS/N比の算出は、例えばベース音以外の各次のオクターブ高調波についても同様にして行うようにされる。これにより、ベース音と、第2次〜第6次高調波のそれぞれに対応する6つの対象周波数帯域におけるS/N比の情報を得ることが出来る。
なお、上記以外のS/N比(ノイズの評価)を得るための手法としては、1つには、各対象周波数の振幅値に対して、Log(指数関数)対応による重み付けをした後に、ノイズの周波数の振幅値との比較を行なうようにすることが挙げられる。このとき、重み付けとなる係数は、対象周波数ごとに適合させて所定規則に従って変更して良い。
あるいは、対象周波数の近隣周波数となるノイズの振幅値についての平均値を得て、この平均値と対象周波数の振幅値とによってS/N比を算出することも考えられる。
また、S/N比算出にあたり、dB値としての振幅値により比較するのではなく、リニア軸で比較する手法を採ることも考えられる。
先に図4により説明した手法によると、測定音をメロディ的に出力させるのにあたっては、全部で12の音高に対応する音素が得られることになる。そして、実際において、測定音によるメロディ(測定音メロディ)を作成しようとした場合には、上記12の音高に対応する音素のなかから、任意の音高に対応する音素を選択して組み合わせればよい、ということになる。
図7は、図4により説明した手法により選択された12の音高に対応する音素を選択候補として測定音メロディを作成した場合の、音素の出力パターン例を示している。
この場合、図7に示す1単位の測定音メロディ出力期間は、時間経過に従って、第1次解析モード、第2次解析モード、及び非解析モードとに分けられる。また、ここでの1回の音素の出力期間はTaは、先に図5により説明した場合と同様にして、サンプル数Nが2回連続するものとなる。この出力期間Taの時間は、サンプル数N=4096で、サンプリング周波数Fs=48KHzとされる本実施の形態の場合、
4096/48000×2=0.17(秒)
となる。
また、この測定音メロディの出力に対応したサンプリングタイミング(サンプリング期間)としても、図5により説明したようにしてサンプル数Nによりサンプリングを行なうものとされ、また、同じく図5により説明したようにして決定したサンプル遅延時間Tdrsに応じて決まるものとなる。つまり、ここでは、出力期間Taごとに出力される音素のみがサンプリングされ、その前後の出力期間Taに出力される音素はサンプリングしないようにして、サンプリングタイミングを設定する。
また、図7において、音素が出力される期間においては、その音素の音声を出力させるべきものとして選択された、測定対象のスピーカのチャネルを示している。スピーカのチャンネルは、ここでは、センターチャンネル(C)、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)、左バックサラウンドチャンネル(Bsl)、右バックサラウンドチャンネル(Bsr)の7チャンネルとなっている。つまり、本実施の形態の音響補正装置の実際として対応可能な最大チャンネル構成は、このような7チャンネル構成のオーディオシステムとなる。
図7に示す測定音の出力シーケンスによると、先ず、第1次解析モードにおいては、出力期間Taが4回連続している。そして、先ず1回目の出力期間Taにおいては、音高G#に対応するとされる音素のみをセンターチャンネル(C)により出力させている。次の2回目の出力期間Taでは、フロント左チャンネル(L)から音高Fに対応の音素と、フロント右チャンネル(R)から音高G#に対応の音素を出力させている。次の3回目の出力期間Taでは、左サラウンドチャンネル(Ls)から音高C#に対応の音素と、右サラウンドチャンネル(Rs)から音高F#に対応の音素を出力させている。最後の4回目の出力期間Taでは、左バックサラウンドチャンネル(Bsl)から音高C#に対応する音素と、右バックサラウンドチャンネル(Bsr)から音高G#に対応する音素を出力させている。
また、第2次解析モードとしても、出力期間Taが4回連続して成るものとされ、各出力期間ごとに、図示するようにして、特定の音高に対応する音素が、特定のスピーカのチャンネルから出力されるようになっている。
また、この場合には、非解析モードとしても出力期間Taを4回連続させており、各出力期間ごとに、図示するようにして、特定の音高に対応する音素を特定のスピーカのチャンネルから出力させている。
この図7に示す出力シーケンスによると、例えば先ず、第1次解析モード及び第2次モードの各段階において、7つのチャンネルに対応する各スピーカに対応させて何らかの音高による測定音(音素)を出力させていることになる。これにより、本実施の形態の音響補正装置として対応可能なチャネル構成の範囲のもとで、第1次解析モードと第2次解析モードとで共に、全てのスピーカについて漏らさず測定することができる。
また、出力期間Taによっては、複数のスピーカからそれぞれ異なる音高に対応する音素を出力させるようにしている。つまり、空間上での聞こえ方としては、和音となる。このようにして本実施の形態としては、音素について、時間方向と音階方向の両方向において組み合わせを行って所要の出力パターンを得ることで、測定音の出力を音楽的なものとしているものである。
なお、測定音である音素の出力が和音の状態になったとしても、この音声を収音してFFTによる周波数解析を行えば、和音を形成する各音素を形成する周波数成分(ベース音及びオクターブ高調波)の振幅を得ることができるので、測定処理には何ら支障はない。
また、このようにして、和音として出力される期間があることで、測定音により形成されるメロディとしては、より音楽性を帯びたものとすることができ、ユーザにとっての娯楽性も増すことになる。
なお、第1次解析モードでは、各スピーカから出力させた測定対象の音素の周波数解析(FFT)の結果に基づいて、第2次解析モードにおいて各スピーカから出力させるべき音素のレベルを決定するようにされる。これにより、第2次解析モードでは、準備測定にとって適切とされるレベルにより、各スピーカから測定音(音素)を出力させることができる。そして、第2次解析モードとしても、図7に示すようにして各スピーカから測定対象の音素を出力させて周波数解析(FFT)を行い、これらの解析結果に基づいて、準備測定としての測定結果を得るようにされる。
これら第1次解析モードと第2次解析モードとしての処理により測定結果を得るのにあたっては、例えば、先に図6により説明したように、測定対象周波数の振幅値と、その周辺周波数に在る暗騒音の振幅値に基づいて算出したS/N比の値を利用することができる。
S/N比の情報に基づいては、測定結果として、下記のようにして各種の判断や設定などを行うことができる。
先ず、スピーカごとに出力させた音素を形成する各周波数成分に対応するS/N比の値を総合的に使用することで、そのスピーカが有する再生周波数帯域特性を推定できる。また、スピーカの口径サイズに対応しては、一定の入力レベルに対する出力音圧レベルも変化するので、スピーカの口径サイズも推定することができる。また、当然のこととして、例えば、或るスピーカを対象として、充分なゲインにより音素を出力させたのにもかかわらず、この音素の応答信号から解析されたS/N比が一定以下で、信号(S)のレベルがほとんど得られないとされる程度に小さいとみなされるような場合には、そのスピーカは接続されていないということを判定できることになる。つまり、オーディオシステムのオーディオチャンネル構成を判定できる。
また、本実施の形態としては、本測定に対して事前段階となる準備測定に適用する場合を例に挙げているが、この本測定によりさらに正確な周波数応答を得るために、適切な測定音(本測定の場合、本実施の形態の音素による測定音とは限らない)のレベル(ゲイン)を推定して、設定することができる。また、第1次解析モードでの処理として、第2次解析モードにおいて各スピーカから出力させるべき音素についての周波数成分の合成バランスや、音素の出力レベル(ゲイン)を設定することにも利用できる。
また、例えばノイズの振幅値が非常に大きいことで、S/N比が一定以下となっているような場合であれば、有意な測定結果が得られる環境ではないと判定することができる。このような判定結果を得たのに応じては、例えば測定を中断し、ユーザに対してリスニング環境の改善を促すようなメッセージを、例えば表示などによって出力させるというような動作に移行させることが考えられる。
また、図7において、第2次解析モードに続く非解析モードでは、図示するようにして、4回連続する出力期間Taにわたって、センターチャンネル(C)、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)の3つのスピーカから音高G#としての音素を出力させている。また、同時に、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)の各スピーカから音高Fに対応の音素を出力させ、左バックサラウンドチャンネル(Bsl)及び右バックサラウンドチャンネル(Bsr)の各スピーカから音高C#に対応の音素を出力させている。
この非解析モードでは、上記のように出力させている音素についての応答信号をサンプリングすることは行わない。つまり、非解析モードでは、このときに出力させている音素に基づいた周波数解析及び測定を行っていない。
ここで、第1次解析モード、第2次解析モード、及び非解析モードの連続により形成される測定音メロディ出力期間において、7チャンネルのスピーカから出力される音声としては、図7の音素の出力パターンから理解されるように、出力期間Taの時間を最小音符として音程が変化する、メロディ的なものとなっているが、非解析モードでは、C#、F、G#による三和音が全音符的に出力されることで、メロディとして終止感が感じられるようにしている。つまり、非解析モードとは、実際に測定に用いられはしないが、測定音メロディについて音楽的な要素を高めることを目的として音素を出力するものとなる。このことから、本実施の形態としては、スピーカから出力させる全ての音素について必ずしも応答信号としてサンプリングして解析する必要は無いということがいえる。
図8は、図7に示した測定音メロディの出力シーケンスに従った準備測定としての処理の流れをフローチャートにより示している。
この図に示す手順としては、先ず、ステップS101により暗騒音をチェックすることとしている。この暗騒音のチェックを行うのにあたっては、音素を出力させないようにしておき、このときにマイクロフォンにより収音されている音声信号をサンプリングして周波数解析(FFT)を行うようにされる。これにより、先ず、暗騒音の振幅をみることで、暗騒音の有無がチェックできることになる。一般的なリスニング環境で、暗騒音が全く存在しないということはあり得ない。そこで、このステップS101による暗騒音チェックの結果として、暗騒音が存在しないということが認識されれば、これは収音用のマイクロフォンが音響補正装置に対して接続されていない状況にあると推定して良いことになる。そこで、実施の形態の音響補正装置の実際としては、例えばステップS101による暗騒音チェックの結果として、暗騒音が存在しないという判定結果を得たときには、例えばユーザに対してマイクロフォンの接続を促すようなメッセージを表示、音声などによって出力するようにされる。そして、暗騒音チェックの結果として、暗騒音が存在していることが判定されたのであれば、マイクロフォンが接続されていることになるので、ステップS102に以降の手順に進むことになる。
ステップS102の手順は、第1次解析モードの最初の出力期間Taに対応する。つまり、音高G#に対応する音素を、センターチャンネル(C)のスピーカから出力させる手順となる。このためには、先ず、サンプル数N(=4096)による音素G#の音素を生成するようにされる。そして、この生成した音素を、2回ループさせるようにして連続的に出力する。これにより、音高G#に対応する音素としての音声信号は、サンプル数Nの2倍に対応する時間長、つまり、出力期間Taに相当する時間長により再生出力される。
次のステップS103は、上記ステップS102により出力させた音素に対応して、第1次解析モードとしての測定処理を実行する手順となる。つまり、ステップS102による音素の出力時点からサンプル遅延時間Tdrsを経過したとされるタイミングでサンプリングを行って応答信号を得る。そして、この応答信号についてFFTを行い、先に図6に示したようにしてS/N比を算出し、さらにこのS/N比に基づいて所要の判断結果を下し、あるいは設定を行なう。つまり第1次解析処理対応の測定処理を行ってその測定結果を得る。例えば、ステップS103にて得た応答信号はセンターチャンネル(C)のスピーカから出力されたものであるので、次の第2次解析モードのときに、センターチャンネル(C(ch))のスピーカから出力させるべき測定音の音圧レベルに応じた音声信号のゲインを設定する。
ステップS104は、第1次解析モードの2回目の出力期間Taに対応するもので、ステップS102に準じて、音高F、G#にそれぞれ対応する2つの音素(サンプル数N)を生成して、それぞれ、2回ループさせるようにして、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)から出力させる。
ステップS105では、ステップS103に準じて、上記ステップS104により出力された音素をサンプリングして、第1次解析モードとしての測定処理を実行して測定結果を得る。
また、ステップS106は、第1次解析モードの3回目の出力期間Taに対応するもので、ステップS102に準じて、音高C#,Fに対応する2つの音素(サンプル数N)を生成して、それぞれ、2回ループさせるようにして、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)から出力させる。
ステップS107では、ステップS103に準じて、上記ステップS106により出力された音素をサンプリングして、第1次解析モードとしての測定処理を実行して測定結果を得る。
次のステップS108は、第1次解析モードの4回目(最後)の出力期間Taに対応するもので、ステップS102に準じて、音高C#,G#に対応する2つの音素(サンプル数N)を生成して、それぞれ、2回ループさせるようにして、左バックサラウンドチャンネル(Bsl)、右バックサラウンドチャンネル(Bsr)から出力させる。
ステップS109では、ステップS103に準じて、上記ステップS105により出力された音素をサンプリングして、第1次解析モードとしての測定処理を実行して測定結果を得る。
このステップS109までの手順により、7つの各オーディオチャンネルごとに対応した第1次解析モードとしての測定結果が得られていることになる。つまり、この段階においては、例えば次の第2次解析モードで各オーディオチャンネルのスピーカから出力させるべきオーディオ信号のゲインなどが設定済みとされた状態となっている。
続くステップS110〜S117までの手順が、ここでは第2次解析モードに対応する。 この第2次解析モードとして最初となるステップS110は、第2次解析モードの1回目の出力期間Taに対応するもので、ここでも先のステップS102に準じて、サンプル数Nによる音高A#に対応する音素を生成し、これを2回連続させて出力する。
そして、次のステップS111においては、先のステップS103に準じて、上記ステップS110により出力された音素をサンプリングして応答信号を得てFFTを行ない、このFFTの解析結果を利用して、第2次解析モードとしての測定処理を実行する。この場合にも、測定処理にあたっては、FFTにより得られた対象周波数の振幅値と暗騒音とされる周波数の振幅値とに基づいて算出したS/N比の情報を用いるようにされる。そして、測定結果としては、例えば、先ず、音素(測定音)を出力させていたとされるスピーカ(ステップS111の場合にはセンターチャンネルとなる)の有無を判定する。また、スピーカが有ると判定した場合には、本測定のときにセンターチャンネルのスピーカから出力させるべき音圧レベル、つまり、測定音の信号レベルを設定するようにされる。この設定にあたっては、スピーカから出力された音声信号についてクリップが生じているか否かなどの判定結果も用いられる。
続くステップS112は、第2次解析モードの2回目の出力期間Taに対応するもので、先のステップS102の説明に準じて、音高D#,A#にそれぞれ対応する2つの音素(サンプル数N)を生成して、それぞれ2回ループさせるようにして、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)から出力させる。
ステップS113では、先のステップS103に準じて、上記ステップS113により出力された音素をサンプリングして、第2次解析モードとしての測定処理を実行して測定結果を得る。
また、ステップS114は、第2次解析モードの3回目の出力期間Taに対応するもので、ステップS102に準じて、音高F#,D#に対応する2つの音素(サンプル数N)を生成して、それぞれ2回ループさせるようにして、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)から出力させる。
ステップS115では、ステップS103に準じて、上記ステップS114により出力された音素をサンプリングして、第2次解析モードとしての測定処理を実行して測定結果を得る。
また、ステップS116は、第2次解析モードの最後(4回目)の出力期間Taに対応するもので、ステップS102に準じて、音高G,A#に対応する2つの音素(サンプル数N)を生成して、それぞれ2回ループさせるようにして、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)から出力させる。
ステップS117では、ステップS103に準じて、上記ステップS116により出力された音素をサンプリングして、第2次解析モードとしての測定処理を実行して測定結果を得る。
ここまでの段階の手順を経た段階では、第2次解析モードとしての測定音出力、サンプリングによる応答信号の取得、及びFFTによる解析が完了していることで、例えば、7チャンネルのスピーカごとについての有無(つまりオーディオシステムにおけるオーディオチャンネル構成)が判定されており、また、各スピーカについての本測定時における測定音の出力レベルも設定されていることになる。
そして、図7の測定音出力シーケンスにしたがった場合、第2次解析モードに続いては、非解析モードに対応するステップS118の手順を行うようにされる。つまり、音高G#、F、C#のそれぞれに対応する音素を生成し、音高G#に対応の音素については、センターチャンネル(C)、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)から出力させる。また、音高F#に対応の音素については、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)から出力させる。音高C#に対応の音素については、左バックサラウンドチャンネル(Bsl)及び右バックサラウンドチャンネル(Bsr)から出力させる。また、これらの各音高に対応する音素の出力は、出力期間Taに対応するタイミングで同時的に行われ、また、図7からも分かるようにして、4回連続する出力期間Taに対応して、サンプル数Nによる2回連続出力を4回繰り返すようにされる。
ステップS118の手順により非解析モードとしての測定音出力に続けては、ステップS119の手順として示すように、これまでの解析、測定結果に基づいて、総合判定処理を行う。例えば、これまでの解析、測定は、出力期間Taにより出力された音素ごとに対応して個別的に行われていたものであり、従って、例えばあるチャンネルについて何らかの要因で測定結果にエラーが発生していたとしても、そのチャンネルの解析、測定結果のみに基づいてはエラーの発生したことが特定できない場合もあると考えられる。
そこで、ステップS119としては、これまでの解析結果及び測定結果の全体について比較参照することで、上記のような局所的なエラーの有無を判定するようにされる。あるいは、ここのチャンネルごとに設定されたパラメータなどのバランスも考慮して、これらのパラメータがより最適なものとなるように再設定を行うようにもされる。
図9は、本実施の形態の音響補正装置と、この音響補正装置と接続されるオーディオシステムとから成るシステム全体の構成例を示している。前述もしているように、本実施の形態の音響補正装置は、いわゆる後付けのキットとされ、対応機種については、一定条件の範囲内で汎用性を有している。この図においては、本実施の形態の音響補正装置2と接続可能なオーディオシステムが、オーディオ再生だけではなくビデオ再生も可能なAV(Audio Video)システムに含められている場合を例に挙げている。
先ず、この場合のAVシステム1は、メディア再生部11、映像表示装置12、パワーアンプ部13、及びスピーカ14を備えて成るものとされる。
メディア再生部11は、例えば映像/音声コンテンツとしてのデータが記録されたメディアについての再生を行って、ビデオ信号とオーディオ信号を再生して出力する。なお、ここでは、メディア再生部11は、デジタルによるビデオ信号及びオーディオ信号を出力させることとしている。
この場合において、メディア再生部11において再生対象となるメディアの種別、フォーマット等については特に限定されるべきものではないが、例えば、現状であれば、DVD(Digital Versatile Disc)を考えることができる。メディア再生部11の具体的構成としてDVDに対応する場合には、装填されたDVDに記録されたビデオ/オーディオコンテンツとしてのデータを読み出して、例えば同時に再生出力されるべきビデオデータとオーディオデータとを得るようにされる。ここで、現状のDVDフォーマットでは、ビデオデータとオーディオデータは、DVD規格に準拠した方式に従って圧縮符号化された符号形式となっているので、この圧縮符号化されたビデオデータとオーディオデータとについてデコード処理を施すようにされる。そして、このデコード処理により得られた、デジタルビデオ信号とデジタルオーディオ信号について、再生時間が同期したタイミングにより出力するようにされる。
なお、メディア再生部11としては、DVDなどに加えて、例えばオーディオCDなども再生可能とされたいわゆるマルチメディア対応の構成とすることもできる。また、テレビジョン放送などを受信復調してビデオ信号、オーディオ信号を出力するテレビジョンチューナ単体としての構成とされても構わない。あるいは、テレビジョンチューナの機能とパッケージメディアの再生機能とが複合的に組み合わされたような構成とされてもよい。
また、メディア再生部11として、マルチオーディオチャンネルに対応する場合には、このメディア再生部11から再生出力するオーディオ信号としては、オーディオチャンネルごとに対応した複数系統の信号ラインによってオーディオ信号を出力するようにされる。
例えば、メディア再生部11が、図7に例示しているような、センターチャンネル(C)、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)、左バックサラウンドチャンネル(Bsl)、右バックサラウンドチャンネル(Bsr)の7チャンネルに対応するものである場合には、これらの各チャンネルごとに対応して、7系統によりオーディオ信号を出力するようにされる。
AVシステム1のみの構成としてみた場合、上記メディア再生部11から出力されたビデオ信号は、映像表示装置12に対して入力される。また、オーディオ信号は、パワーアンプ部13に対して入力される。
映像表示装置12は、入力されたビデオ信号に基づいて画像表示を行なう。なお、ここでは、映像表示装置12として実際に用いられる表示デバイスについては特に限定されるべきものではなく、例えば現状であれば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD((Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)などをはじめとした各種の表示デバイスを採用することができる。
パワーアンプ部13は、入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカを駆動するためのドライブ信号を出力する。この場合のパワーアンプ部13は、このAVシステム1が対応するとされるオーディオチャンネル構成に応じた複数のパワーアンプ回路系を備え、これらの各パワーアンプ回路により、チャンネルごとに対応するオーディオ信号を増幅して、そのチャンネルに対応するスピーカ14に対してドライブ信号を出力するようにされる。従って、スピーカ14としても、AVシステム1が対応するオーディオチャンネル構成に応じて複数が備えられることになる。例えば、AVシステム1が、上記した7チャンネルに対応する場合には、パワーアンプ部13においては、7つのパワーアンプ回路系が備えられることになる。また、スピーカ14としても、各チャンネルに対応する7つが設けられて、それぞれが、そのリスニング環境においてしかるべき位置に配置されていることになる。
そして、パワーアンプ部13により各チャンネルのオーディオ信号を増幅して得られるドライブ信号をしかるべきチャンネルのスピーカ14に供給することにより、スピーカ14からは、対応するチャンネルの音声を空間に出力する。これにより、マルチチャンネル構成に応じた音場を形成するようにしてコンテンツの音声の再生出力が行われることになる。なお、確認のために述べておくと、このようにしてスピーカから再生出力される音声は、ビデオ信号に応じて映像表示装置12において表示される画像との同期(いわゆるリップシンク)が保たれたものとなる。
また、AVシステム1そのものにおいて、例えばメディア再生部11、映像表示装置12、パワーアンプ部13、及びスピーカ14は、それぞれ別体とされるコンポーネントAVシステムとしての構成を採ってもよいし、これらの部位の少なくとも2つの部位が一体化されたユニットタイプの装置構成を採ってもよい。
そして、このようなAVシステム1に対して、本実施の形態の音響補正装置2を後付け的に接続する場合には、図示するようにして、メディア再生部11から出力されるオーディオ信号に対して入力されるようにする。この場合、例えば音響補正装置2としては、例えば図7に示したように、最大で、センターチャンネル(C)、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、左サラウンドチャンネル(Ls)、右サラウンドチャンネル(Rs)、左バックサラウンドチャンネル(Bsl)、右バックサラウンドチャンネル(Bsr)の7チャンネルに対応可能とされているので、最大でこれらの7チャンネルに対応可能なようにして、例えば7つのオーディオ信号入力端子を有するものとされる。なお、実際のAVシステムにおいては、上記7つのオーディオチャンネルに加えて、サブウーファチャンネルが備えられることが通常であるが、ここでは説明を簡単なものとするために省略している。
また、例えばAVシステム1がL,Rのステレオチャンネルのみに対応するような場合には、メディア再生部11から出力されるL,Rの各オーディオ信号について、上記7つのオーディオチャンネルに対応する入力端子のうち、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)に対応する各入力端子に入力させるようにして接続すればよい。
また、音響補正装置2では、オーディオ信号出力端子についても、最大で上記7チャンネルのオーディオ信号を出力可能なようにして設けられているものとされる。そして、この音響補正装置2のオーディオ信号出力は、パワーアンプ部13における、各チャネルに対応したオーディオ信号の入力端子に対して接続されることになる。
なお、前述したようにメディア再生部11においては、例えばメディアから読み出したオーディオの情報について圧縮符号化が施されていた場合には、デコード処理を行ってデジタルオーディオ信号として出力することとしている。これは、本実施の形態の音響補正装置2が扱うべきオーディオ信号の情報は、圧縮符号化などについては復調された後の形式のオーディオ信号であるべきものとなる。これにより、本実施の形態の音響補正装置2が、圧縮符号化オーディオ信号についてのエンコーダ/デコーダを備える必要はないということになる。
また、音響補正装置2からパワーアンプ部13に対して出力することとなる測定音としても、符号化復号後の形式に従った信号を生成すればよいわけであり、測定音の再生に関しても、圧縮符号化などのためのエンコーダ/デコーダ処理が必要となることはないようにされている。
また、この場合の音響補正装置2としては、ビデオ信号についても入出力可能とされている。この場合には、メディア再生部11から出力されるビデオ信号を入力して、映像表示装置12に対して出力するようにして、ビデオ信号系が接続されることになる。
また、音響補正装置2においては、上記オーディオ信号と同様にして、ビデオ信号についても、圧縮符号化後の形式のデジタルビデオ信号を対象として処理するものとされている。
このようにしてビデオ信号とオーディオ信号とが入力される音響測定装置2は、大きくは、フレームバッファ21、音場補正/測定機能部22、制御部23、及びメモリ部24から成るものとされる。
先ず、音場補正/測定機能部22としては、2つの機能を有する。1つは、音場補正のために必要な音場制御のためのパラメータ値を設定するために、リスニング環境を測定するための測定機能を有する。この測定機能を実行しているときには、必要に応じて、しかるべきオーディオチャンネルから測定音が出力されるように、パワーアンプ回路13に対して測定音の信号を出力する。
また、上記測定機能による測定結果に従って設定された音場制御のためのパラメータ値に従って、メディア再生部11から入力されてくる各チャンネルごとのオーディオ信号について所要の信号処理を施して、パワーアンプ部13に出力するようにされる。これにより、スピーカから出力されるコンテンツの音声により形成される音場としては、しかるべき聴取位置において良好なものとなるように補正されていることになる。
ところで上記のようにして音場制御のための信号処理が行われるということは、メディア再生部11から入力されたオーディオ信号が、音響補正装置2内においてDSPを経由することとなる。このようにオーディオ信号がDSPを経由することにより、同じくメディア再生部11から出力されるビデオ信号との再生時間に対して、タイムラグが生じることになる。フレームバッファ2は、このタイムラグを解消していわゆるリップシンクを図るために備えられる。つまり、例えば制御部23は、メディア再生部11から入力されてくるビデオ信号を、フレームバッファ21に対して、例えばフレーム単位で書き込んで一時保持させてから、映像表示装置12に出力させるように制御を実行する。これにより、音響補正装置2からは、上記したタイムラグが解消されて再生時間が適正に同期したビデオ信号及びオーディオ信号が出力されることになる。
制御部23は、上記したフレームバッファ21に対する書き込み/読み出し制御の他、音響補正装置2における各種機能部位に対する制御、及び各種の処理を実行する。
この場合のメモリ部24は、例えば不揮発性のメモリ素子を備えて構成されるもので、制御部23の制御により書き込み/読み出しが行われるようになっている。本実施の形態においてメモリ部24に記憶される必須の情報として、1つには、音素としての測定音を生成するための基本正弦波(図1(a)参照)の波形データが挙げられる。また、もう1つは、例えば図7に示すようにして所定の音素の音列パターンによって測定音メロディを出力させるための制御情報としての構造を有するシーケンスデータとなる。
なお、実際においては、例えば制御部23が参照すべき各種所要の設定情報などをはじめ、シーケンスデータ以外の所要の情報がメモリ部24において書き込まれて記憶されるようにしても構わないものである。
また、マイクロフォン25は、音響補正装置2に付属されるべきもので、この音響補正装置2により測定を行わせるときに、スピーカ14から出力される測定音を収音するために音響補正装置2に対して接続されるべきものとなる。
図10は、音場補正/測定機能部22の内部構成例を示している。この図に示すようにして、音場補正/測定機能部22は、大別して、マイクロフォンアンプ101、本測定処理ブロック103、準備測定処理ブロック106、及び音場補正処理ブロック110を備えて成る。ここで、音場補正処理ブロック110が音場補正のための処理を行うのに対して、マイクロフォンアンプ101、本測定処理ブロック103、準備測定処理ブロック106側の部位は、測定処理を実行する部位である。この測定処理の結果に基づいて、音場補正処理ブロック110における上記音場補正処理のための各種所要のパラメータの値が変更設定される。
また、本測定と準備測定との間で測定モードを切り換えるために、スイッチ102、109が設けられる。また、測定モードと、音場補正モードとを切り換えるためにスイッチ120が備えられる。これらスイッチ102、109、120は、それぞれ、端子Tm1に対して端子Tm2又はTm3が択一的に接続されるようにして切り換えが行われる。この切り換えの動作は、制御部23が制御する。
図10に示す音場補正/測定機能部22の説明として、先ず、準備測定モード時に対応する動作について説明する。
準備測定モードのときには、先ず、制御部23は、スイッチ120について端子Tm1に対して端子Tm2を接続させる。また、スイッチ102、109については、共に端子Tm1に対して端子Tm3を接続させる。これにより、測定モードとして準備測定モードに対応した音場補正/測定機能部22における信号経路が形成される。
準備測定処理ブロック106は、図示するようにして、解析処理部107と測定音処理部108とを備える。この測定音処理部108では、例えば図11に示すようにして、基本正弦波の波形データを入力し、所定の音高に対応する音素を生成して、これを準備測定用の測定音としてオーディオ信号形式により出力するための部位である。
測定音処理部108による音素の生成処理は、例えば図4に示した音素の形成手法に従ったものとなる。また、図7からの説明によっても理解されるように、本実施の形態では、測定音は、マルチのオーディオチャンネルごとに対応して出力可能とされている。従って、図10では、図示を簡略なものとすることの便宜上、測定音処理部108からの信号出力ラインを1本として示しているが、実際には、図11に示すようにして、7つのチャンネルごとに対応する測定音の信号出力ラインがあるものとされる。
また、測定音処理部108において、音素としてどの音高に対応する周波数を生成し、その生成した音素をどのチャンネルに対応する信号ラインから出力させるのかについては、シーケンスデータに記述される制御内容に従ったものとなる。
なお、基本正弦波の波形データは、所要のタイミングにより制御部23の制御によってメモリ部24からの読み出しが行われて、測定音処理部108に対して入力されるようになっている。また、測定音処理部108に対しては、シーケンスデータが直接的に入力されるのではなく、先ず、制御部23が、シーケンスデータをメモリ部24から読み出して解釈し、測定音処理部108に対して、生成すべき音素が対応する音高(周波数)と、出力すべきオーディオチャンネルを指示するようにされる。
また、測定音処理部108において1つの音素を形成するための処理としては、図12に示すブロック構成により示すことができる。
測定音処理部108としては、先ず、基本正弦波の波形データを入力して、m次正弦波処理201により、指定される音高に対応する周波数の音素のベース音である、所要の次数mによるm次正弦波を生成する。このようにして生成されるm次正弦波の周波数は、例えば(式2)により表されるものとなる。また、次数mとしてどのような値を選定するのか、つまり、ベース音としてどのような周波数を設定するのかについては、シーケンスデータの内容に基づいた制御部23の制御に従ったものとなる。
ここで、m次正弦波処理201がm次正弦波生成のために使用する基本正弦波の波形データ(基礎波形成分データ)としては、図1(a)に示したように1周期分の波形データとされても良いのであるが、最小では、1/4周期分の波形データがあればよいということがいえる。つまり、波形データとしては正弦波であることから、少なくとも1/4周期分あれば、簡単な演算によって1周期分の完全な正弦波形を形成することは容易に可能とされる。また、この最小の1/4周期分の波形データとすることで、基礎波形成分データとしてはそれだけ小さなデータ量となって、メモリ部24の容量も節約できることになる。
m次正弦波生成処理201の処理によって生成されたm次正弦波は、これまでの説明から理解されるようにして、オクターブ次数k=1とされる音素のベース音となる。また、このm次正弦波生成処理201の処理によって生成されたm次正弦波の波形データは、レベル調整処理203−1と、オクターブ高調波生成処理202に対して分岐されるようにして受け渡される。
オクターブ高調波生成処理202では、m次正弦波生成処理201から取り込んだベース音としてのm次正弦波を基として、所定倍(2倍、4倍、8倍、16倍、32倍)による逓倍処理を実行することで、この場合には、オクターブ次数k=2,k=3,k=4,k=5,k=6による5つのオクターブ高調波を生成する。この逓倍処理としては、例えば図1に示した概念を適用すればよい。つまり、ベース音としてのm次正弦波を基本として、このベース音の正弦波について、図1(b)(d)などに示したように、オクターブ高調波の次数に応じて間引きサンプリングを行うようにされる。
これらのオクターブ次数k=2,k=3,k=4,k=5,k=6によるオクターブ高調波は、それぞれ、レベル調整処理203−2、203−3、203−4、203−5、203−6に対して受け渡すようにされる。
このようにして、6つのレベル調整処理203−1〜203−6では、それぞれ、m次正弦波として、ベース音(k=1)と、オクターブ次数k=2〜6に対応するオクターブ高調波が入力される。
そして、これらレベル調整処理203−1〜203−6では、入力して取り込んだベース音、オクターブ高調波について所要の振幅値が設定されるように処理を実行する。なお、レベル調整処理203−1〜203−6により設定される振幅値は、予め固定的に決められた値であっても良いし、また、制御部23の制御に従って可変されるようにしてもよい。
上記レベル調整処理203−1〜203−6によりレベル調整されたベース音、及びオクターブ高調波は、合成処理204により合成されて1つの音素(音声信号波形)として出力される。この合成処理204により合成されて得られる音素は、レベル調整処理203−1〜203−6のレベル調整結果に応じたベース音とオクターブ高調波の振幅バランスに応じた音色を有していることになる。
この図12に示すプロセスに従って生成される音素としては、例えばサンプル数Nに対応するものとなる。そこで、例えば図7に示すようにして出力期間Taにより音素を出力するためには、測定音処理部108は、この図12のプロセスに従って生成された音素を2回連続して出力するようにされる。
また、測定音処理部108は、例えば図12に示すプロセスを並行的に実行することで、それぞれ異なる音高に対応する音素を同時的に生成可能とされている。また、図12に示すプロセスにより生成した音素としての音声信号を、しかるべき1以上のオーディオチャンネルに対応する出力ラインから測定音信号として出力させることができる。
図10において、準備測定処理ブロック106の測定音処理部108から出力された、音素から成る測定音信号は、スイッチ109(端子Tm3→Tm1)からスイッチ120(Tm2→Tm1)を経由してパワーアンプ部13に対して入力されることになる。図9に示されるパワーアンプ部13では、入力された測定音の音声信号について増幅を行って、スピーカ14から出力させる。
これまでの説明から理解されるように、測定音処理部108から、同時的に複数のチャンネルにより測定音(音素)の音声信号を出力させているときには、パワーアンプ部13では、これらのチャンネルの各々について増幅を行って、対応するチャンネルのスピーカ14から出力させる。
これにより、スピーカ14からその周囲空間に対して、測定音が実音声として出力されることになる。
本測定及び準備測定のときには、図9にも示したようにして、測定音を対象として収音するためのマイクロフォン25を音響補正装置2に対して接続するのであるが、音響補正装置2に接続されたマイクロフォン25からの音声信号は、図10に示すようにして、音場補正/測定機能部22におけるマイクロフォンアンプ101に入力されるようになっている。
なお、マイクロフォン25は、そのリスニング環境において最も良好な補正音場を得たいとするリスニングポジション(聴取位置)にて収音がされるように設置する。例えば、図9に示すシステムが車載機器であるとして、ユーザが、運転席で聴取しているときに適正な音場が得られるようにしたいと考えたのであれば、この運転席にユーザが座った状態で、ほぼ耳が在るとされる位置にて収音がされるようにマイクロフォン25を設置することになる。
ここで、先の説明のようにして準備測定モードの下で、測定音処理部108から測定音の信号が出力されたのに応じて、この測定音がスピーカ14から出力されたとすると、マイクロフォン25によって、この測定音を含む周囲環境音が収音されることになる。この収音音声の音声信号は、上記マイクロフォンアンプ101により増幅されて、スイッチ102の端子Tm1→Tm3を介して準備測定処理ブロック106の解析処理部107に対して入力される。
解析処理部107では、入力された音声信号について、例えば先に図5により説明したタイミングでサンプリングを行って応答信号を得て、これについて例えばFFTによる周波数解析を行なう。この周波数解析結果は、例えば制御部23が取り込むことで、例えば図8にて説明したようにして、周波数解析結果に基づいた所要の測定結果を得るようにされる。
また、本測定モードのときには、制御部23は、スイッチ120については端子Tm1と端子Tm2の接続状態を維持することで測定モードとし、そのうえで、スイッチ102、109については、共に端子Tm1に対して端子Tm2の接続に切り換える。これにより、音場補正/測定機能部22としては、測定モードとして本測定モードに対応した信号経路が形成される。
本測定モードによる測定では、準備測定処理ブロック106に代わって、本測定処理ブロック103が機能するものとされている。この本測定処理ブロック103も、解析処理部104と測定音処理部105を備える。そして、本測定時においては、測定音処理部105において所要の信号波形を生成して、これを測定音として出力するようにされる。なお、本測定にあっては、準備測定において用いられる音素による測定音以外の測定音も用いられるものである。
また、このときに、各チャンネルのスピーカから出力される測定音のレベルは、先の準備測定の測定結果に応じた設定に従っている。さらに、先の準備測定によっては、スピーカの有無、(チャンネル構成)も判定されているから、AVシステムにおいて無いとされるスピーカに対応するチャンネルに対して測定音の出力はしないようにされる。これにより測定音処理部105としての処理負担が効率的に軽減される。なお、上記した測定音のレベル設定、及びチャンネル構成に応じた測定音の出力設定は、準備測定結果に応じて制御部23が測定音処理部105を制御することで行われる。
このようにして、本測定処理ブロック103の測定音処理部105から測定音の信号が出力されることによっては、準備測定の場合と同様にして、マイクロフォン25によって、測定音を含む周囲環境音が収音され、マイクロフォンアンプ101からスイッチ102の端子Tm1→Tm2を介して解析処理部104に入力されることになる。
解析処理部104としても、入力された音声信号について、測定音出力に応じた所要のタイミングでサンプリングを行って応答信号を得て、これについて例えばFFTによる周波数解析を行なう。そして、例えば制御部23がこの周波数解析結果を取り込んで、本測定としての所要の測定結果を得るようにされる。つまり、例えば、音場補正のための所要のパラメータの設定値を決定するようにされる。
ここで、この本測定処理ブロック103の解析処理部104と、準備測定処理ブロック106の解析処理部107は、例えばFFTによる周波数解析を行うという点で共通の機能を有する。また、本測定処理と準備処理とが同時的に併行して実行されることはない。このことから、解析処理部104,107については1つにまとめて、本測定処理と準備処理とで共有させてもよい。
続いて、音場補正モードとするためには、スイッチ120について、端子Tm1に対して端子Tm3を接続するようにされる。なお、スイッチ102,109は、測定モード下において、本測定モードと準備測定モードとを切り換えるためのものであるから、このときには端子切り換え状態は不定でよい。
音場補正モードのときには、音場補正処理ブロック110に対してソース音声信号が入力されてくる。ここでいうソース音声信号とは、メディア再生部11にて再生出力されるオーディオ信号であり、これまでにも説明しているように、最大7チャンネルのマルチチャンネルによる複数のオーディオ信号が入力される場合がある。この場合の音場補正処理ブロック110には、ディレイ処理部111、イコライザ部112、ゲイン調整部113を備えることとしているが、これらの各部位としても、最大7チャンネルのオーディオ信号の各々について独立的に処理が可能な構成とされている。
音場補正処理ブロック110において、ディレイ処理部111は、入力された各チャンネルの音声信号について、それぞれ異なる遅延時間により遅延させて出力可能に構成される。このディレイ処理部111は、各スピーカからの聴取位置に対する距離の相違に応じたスピーカから聴取位置までの到達音の時間差が原因となって生じる音場の乱れを補正する。
また、イコライザ部112は、入力された各チャンネルの音声信号ごとに独立して、それぞれ任意のイコライザ特性を設定して出力することができる。イコライザ部112によっては、スピーカの位置と聴取位置との関係や、スピーカと聴取位置との間に在る障害物の状態、さらにはスピーカの再生音響特性のばらつきなどにより変化する音質を補正する。
また、ゲイン調整部113は、入力された各チャンネルの音声信号ごとに、独立してゲインを設定して出力することができる。このゲイン調整部113によっては、スピーカと聴取位置との位置関係、スピーカと聴取位置との間に存在する障害物の状態、スピーカと聴取位置との距離などに応じてチャンネルごとにばらつく音量を補正する。
このような信号処理機能を備える音場補正処理ブロック110は、例えばオーディオ信号に対応したDSPとして構成されるものである。
制御部23は、前述した本測定の測定結果として、各オーディオチャンネル間における聴取位置までの到達音の時間差の関係、各オーディオチャンネルの音が聴取位置に到達した段階での音質変化、及びレベルのばらつき状態などの情報を得ているものとされる。
そして、音場補正のパラメータとして、例えば、各オーディオチャンネル間における聴取位置までの到達音の時間差の関係の情報に基づいては、この時間差が解消されるように、ディレイ処理部111に対して各オーディオチャンネルごとの遅延時間を設定する。
また、各オーディオチャンネルの音が聴取位置に到達した段階での音質変化の情報に基づいて、この音質変化が補われるようにして、イコライザ部112に対して各オーディオチャンネルごとのイコライザ特性を設定する。また、聴取位置に到達した各オーディオチャンネルの音のレベルのばらつきの情報に基づいては、このばらつきが解消されるようにして、ゲイン調整部113に対して各オーディオチャンネルごとにゲインを設定する。
音場補正処理ブロック110に入力されたソース音声信号は、上記のようにしてパラメータ設定されたディレイ処理部111、イコライザ部112、及びゲイン調整部113により信号処理が行われた後、パワーアンプ部13にて増幅され、スピーカ4から実音性として出力されることになる。このようにして出力された音声により形成される音場は、例えばしかるべき聴取位置にて聴取することで、補正前よりも改善された良好なものとなっている。
ここで、シーケンスデータの構造について図13に例示しておく。なお、この図に示されるデータ構造は、あくまでも一例である。
この図に示すシーケンスデータは、イベント単位の連結により形成される構造を有する。1つのイベントは、1つの音素に対応するデータである。そして、各イベントは、例えば発音時間、ベース音、高調波構造、チャンネル、解析モードの情報を格納する。
発音時間の情報は、現イベントが対応する音素についての出力タイミングを規定するものであり、これにより、その音素について、サンプル数Nを何回連続して出力させるのかということと、その音素を、時間的にどのタイミングで出力させるのかが特定される。出力タイミングとしては、例えば、測定音メロディとしての音素出力の開始時点を基点(0)として、この基点に対するサンプル数の積算により指定するものとして定義させることが考えられる。この場合の音素出力タイミングの分解能としては、サンプリング周波数の1周期に対応する時間が最高となる。
ベース音の情報は、ベース音として、どの次数mの値によるm次正弦波とするのかについての指定を行なう。
高調波構造の情報は、オクターブ次数k=2〜6によるオクターブ高調波の各振幅値についての、ベース音に対するバランスを指定する。これにより、音素の音色が決定される。なお、オクターブ高調波の各振幅値のバランスは、音素の音色のみを考慮するのではなく、例えば測定条件に適合した良好な測定結果が得られることを考慮する場合もある。
なお、高調波構造に関しては、第1次解析モードに際しては、この高調波構造の情報に従って生成するが、第2次解析モードに際しては、例えば、第1次解析モードの測定結果に従って、この段階で、より良好な測定結果が得られるようにして、適応的に変更されるようにしても良い。
チャンネルの情報は、その音素を出力させるべきオーディオチャンネルを指定する。なお、例えば、複数のチャンネルから同じ音高に対応する音素を同時に出力させる場合のあることを考えると、このチャンネルの情報には、複数のチャンネルを指定して記述可能なものとして定義することが好ましい。このようにすれば、チャンネル数に応じた複数のイベントを作らなくとも、1つのイベントにより、複数のチャンネルから同じ音高に対応する音素を同時に出力させるための制御が可能になる。
解析モードの情報は、その音素が対応する解析モードを指定する。例えば図7及び図8に示した例に従えば、第1次解析モード、第2次解析モード、及び非解析モードの何れのモードであるのかが示されることになる。制御部23としては、この解析モードの情報が示すモードに従って、この音素を出力して得られる音声について、解析を行うべきか否かを決定し、また、解析を行う場合は、解析モードの情報に従って、例えば第1次と第2次の何れかに対応した測定結果を得るようにされる。また、この解析モードの情報に、サンプル遅延時間Tdrsを指定する情報を含めるようにすることも考えられる。
このようなシーケンスデータに基づいて制御部23が準備測定処理ブロックに対する制御を実行することで、シーケンスデータの記述内容に従った音高と出力タイミングにより音素の出力が行われ、この結果、例えば図7により説明したようにして、測定音がメロディ的に出力されることになる。
図14は、制御部23が実行するとされる準備測定のための制御処理をフローチャートにより示している。
先ず、制御部23は、ステップS201により、メモリ部21から所要のシーケンスデータを読み込むようにされる。これより以降において、制御部23は、読み込みを行ったシーケンスデータの内容を解析して処理可能となる。
次のステップS202においては、暗騒音のチェックを行なう。これは、先に図8に示したステップS101と同様の動作を実現するための処理となる。ステップS203以降は、暗騒音のチェック結果として、マイクロフォン25が接続されていると判定された場合の処理となる。
ステップS203以降は、シーケンスデータを解釈したことに応じてイベントを処理していくための処理となる。
先ず、ステップS203においては、未だ未処理のイベントの発音時間の情報を参照することで、未だ出力開始させていない音素のうち、出力開始タイミングに至った音素があるか否かについて判別する。ここで出力開始タイミングに至る音素は無いとして否定の判別結果が得られたのであれば、ステップS204の処理をスキップしてステップS205の処理に進むが、出力開始タイミングに至った音素があるとして肯定の判別結果が得られたのであれば、ステップS204の処理を実行する。
ステップS204においては、上記ステップS203において出力すべきと判別された音素について、その音素が対応するイベントに記述されたベース音、高調波構造の情報を参照して、実際に音素を生成するための処理を実行する。そして、この生成した音素を、この音素が対応するイベントに記述された発音時間の情報に基づいたサンプル数Nの繰り返し回数により出力させる。また、音素を音声信号として出力させるチャンネルは、同じイベントに記述されたチャンネルの情報に従って決定する。
これまでのステップS204の処理によって音素を出力開始させるごとに、これに対応して、サンプル遅延時間Tdrsに応じたタイミングでサンプリング処理イベントが発生することになる。ステップS205においては、このようにして発生されるべきサンプリング処理イベントのうちで、開始タイミングに至ったものが有るか否かについて判別する。ここで、開始タイミングに至ったサンプル処理イベントは無いとの判別結果が得られたのであれば、ステップS206→S207の処理をスキップしてステップS208の処理に移行する。これに対して、ステップS205において、サンプリング処理イベントのうちで開始タイミングに至ったものが有るとして肯定の判別結果が得られたのであれば、ステップS206の処理に進む。
ステップS206においては、マイクロフォン25により収音された音声信号について、上記サンプル遅延時間Tdrsに従ったタイミングで、所定サンプリング数によりサンプリング処理を実行する。これまで説明した実施の形態としては、サンプル数Nによるサンプリング処理を実行することになる。そして、次のステップS207においては、上記ステップS206によりサンプリングして得られた応答信号について、その音素が対応するイベントが指定する解析モードに従ってのFFTによる周波数解析を行い、また、この解析結果を利用して、同じく指定された解析モードに対応した測定結果を得るための処理を実行する。
ステップS108においては、シーケンスが終了したか、つまりステップS201により読み込みを行ったシーケンスデータについてのイベント処理、及びこれに対応したサンプリング処理、解析処理が終了したか否かについて判別する。ここで、否定の判別結果が得られたのであれば、ステップS203の処理に戻るようにされるが、肯定の判別結果が得られたのであれば、ステップS209に進む。
ステップS209では、先の図8のステップS119の手順と同様の総合判定処理を実行する。
ところで、本実施の形態では、測定音メロディとしてどのようなメロディとなるのかは、シーケンスデータにより決まることとなる。最もシンプルな形態としては、このシーケンスデータを、予め1つのみメモリ部24に格納するようにして用意しておき、測定音メロディを出力させるときには、このシーケンスデータに基づいて行うようにすればよい、ということになる。また、複数のシーケンスデータをメモリ部24に格納して用意することとして、ユーザによる選択操作や、準備測定における所定条件に応じて、シーケンスデータを選択して使用することが考えられる。
また、シーケンスデータとしては、例えば工場出荷の段階でメモリ部24に記憶済みとされているプリセットのものだけではなく、例えば音響補正装置2がユーザの手に渡った後の段階において、外部から取得してメモリ部24に記憶(ダウンロード)させるようにすることも考えられる。
また、シーケンスデータにおいて、非解析モードに対応する測定音の出力シーケンスに関しては、ユーザの操作に応じて、メロディ、音素の音色、及び音素を出力させるスピーカなどについて任意に変更するような編集が行えるようにすることも考えられる。このようにすれば、エンタテイメント性がさらに高まることになる。ただし、解析モードに対応する音素の出力について不用意に変更されると、有意な測定ができなくなるおそれがあるので、解析モードに対応する測定音の出力シーケンスについてはユーザによる編集は不可とすることが好ましい。
また、上記実施の形態では、基礎波形成分データを保持して、この基礎波形成分データを基にして、必要とされる全ての音素を生成することとしている。この場合には、必要な音素を得るための源が、1つの基礎波形成分データのみなので、例えばメモリ部24などのような音響補正装置における記憶領域の記憶容量を圧迫しないというメリットがある。しかしながら、このような記憶領域について余裕があるのであれば、測定音メロディを作成するのに必要とされる全ての音素の波形データを作成して予め音源データとして保持させておき、測定音メロディの出力時には、この音源データを記憶領域から読み出して再生出力させるような構成とすることも考えられる。
また、図2及び図4に示した概念によると、音階を成し得る音素のみを測定音メロディの要素として採択することとしている。しかしながら、音階にあてはまらない音素も、サンプル数Nに対して整数周期で収まるm次正弦波を基とする以上、測定対象周波数となり得るものであるから、測定音メロディに使用することについては何ら問題はない。むしろ、例えば、このような音階にあてはまらない音素を測定音メロディ中に利用することで、逆に測定音メロディとして音楽的により効果的なものとすることも可能であるから、積極的に使用されても良いものである。
また、非解析モードのときには、応答信号について周波数解析を行わないことを考えれば、非解析モードのときには、サンプル数Nに対して整数周期で収まるm次正弦波を基とした測定音を出力する必要はないということがいえる。そこで、非解析モードに対応しては、上記m次正弦波を基とする以外の波形を用いるようにすれば、一連の測定音出力シーケンスとしてより多様な音色によるメロディとすることができるので、音楽性、エンタテイメント性はより高められることになる。例えば、上記m次正弦波を基とする以外の波形として、本当の楽器の音をサンプリングしたものを用いるようにすれば、測定音メロディは、より音楽的なものとなる。
また、実施の形態において測定音を収音するマイクロフォン25としては、例えば無指向性のモノラルのもの1つを用いれば、充分に有意な測定を行うことは可能であるが、例えば、複数のマイクロフォンをしかるべき位置に配置したり、ステレオ対応のマイクロフォン、あるいは複数のバイノーラル方式に従ったマイクロフォンなどを用いれば、より信頼性の高い測定結果を得ることも可能である。
また、例えば図10に示した本実施の形態の音響補正装置2において、準備測定処理ブロック106が担うとされる、測定音処理部108及び解析処理部107としての動作、つまり、音素生成の処理と、測定音メロディを構築する(生成した音素をシーケンスデータに応じたタイミングにより出力させる)ための制御処理と、収音音声信号を所要タイミングでサンプリングするとともに、FFTを行なう処理などは、ハードウェアにより構成してもよい。また、音響補正装置2としては、マイクロコンピュータを備えることとして、プログラムに従ってCPUが実行する処理として実現されるようにすればよい。この構成を図10に対応させると、制御部23がマイクロコンピュータとして構成されることになり、準備測定処理ブロック106としての機能部ロックは、実際には、この制御部23内のCPUが実行するソフトウェア的処理となる。
また、本測定処理ブロック103、及び音場補正処理ブロック110としての機能についても、ハードウェアとして構成してもよいし、あるいは、ソフトウェアにより構成してもよいものである。
また、これまでの実施の形態の説明においては、m次正弦波に基づいた測定音は、音場補正のための準備測定において用いられるべきものであるとして説明したが、本測定の測定環境や測定条件によっては、本測定においても問題なく使用することができる。また、測定の目的としては、測定対象として人間の可聴周波数帯域の音が適当とされるようなものであれば、音場補正に限定されない。
また、上記実施の形態では、m次正弦波に基づいた測定音の応答信号について周波数解析を行うのにあたってFFTを採用しているが、例えばDFT(Discrete Fourier Transform: 離散的フーリエ変換)をはじめとして、他の周波数解析を採用することも考えられる。
本発明の実施の形態において測定音の要素となる音素についての基本概念を示す説明図である。 音素の形成手法、及び測定音メロディに適合した音素の選択についての基本概念を示す説明図である。 図2に示した概念に基づいて選択される音素の周波数特性を示す図である。 本実施の形態において実際に採用される、音素の形成手法、及び測定音メロディに適合した音素の選択についての概念を示す説明図である。 実施の形態における、測定音(音素)出力と、サンプリングについての基本的なシーケンスを示すタイミングチャートである。 実施の形態における応答信号についての周波数解析結果例を示す図である。 実施の形態における測定音メロディの出力パターンの実際例を示す図である。 図7に示す測定音メロディの出力パターンに応じた、音素生成及び出力処理と、解析及び測定処理の手順例を示すフローチャートである。 実施の形態の音響補正システムと、AVシステムとから成るシステム全体の構成例を示すブロック図である。 実施の形態の音響補正システムの構成例を示すブロック図である。 準備測定処理ブロック内の測定音処理部についての実際の信号出力形態例を示すブロック図である。 準備測定処理ブロック内の測定音処理部における、1音素に対応する音素生成処理過程を示すブロック図である。 シーケンスデータの構造例を示す図である。 準備測定のために制御部(マイクロコンピュータ)が実行するとされる処理動作を示すブロック図である。
符号の説明
1 AVシステム、2 音響補正装置、11 メディア再生部、12 映像表示装置、13 パワーアンプ部、14 スピーカ、21 フレームバッファ、22音場補正/測定機能部、23 制御部、24 メモリ部、25 マイクロフォン、101 マイクロフォンアンプ、102,120 スイッチ、103 本測定処理ブロック、104,107 解析処理部、105,108 測定音処理部、106 準備測定処理ブロック、110 音場補正処理ブロック、110 音場補正処理ブロック、111 ディレイ処理部、112 イコライザ部、113 ゲイン調整部、201 m次正弦波生成処理、202 オクターブ高調波生成処理、203−1〜203−6 レベル調整処理、204 合成処理

Claims (9)

  1. 2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して互いに異なる整数の周期数(m)があてはまる正弦波とされる互いに異なる基音成分とその高調波成分からなる所要の複数の音素を、サンプル数Nを最小出力単位として、測定音源として互いに出力期間が重複するようにそれぞれ別個のスピーカに出力させる出力手段と、
    上記出力手段から出力される上記複数の音素が上記別個のスピーカから放音されそれぞれ複数の空間伝達経路を介して収音され得られる音声信号について、所定タイミングで上記サンプル数Nを最小サンプル単位としてサンプリングを行なうサンプリング手段と、
    上記サンプリング手段によりサンプリングされた音声信号について所定の周波数解析処理を実行して得られた解析結果に基づいて、上記複数の空間伝達経路ごとに所要の測定項目についての測定結果を得るようにされる測定手段と、
    を備えることを特徴とする測定装置。
  2. 上記出力手段は、
    1つの上記音素について、所定の上記整数の周期数があてはまる上記基音成分の1/
    2^P )(Pは自然数)の周波数を有する周波数成分を仮想基音成分としたときに、この仮想基音成分に対して所定オクターブ数上の周波数を有するとされる複数の高調波成分のうちから、任意の高調波成分を合成して形成された信号として出力するようにされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 上記出力手段は、
    所要の音素を出力させた後の所要のタイミングで、次の所要の音素を出力していくようにされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  4. 上記出力手段は、
    音素の出力パターンを指定する制御情報に基づいて、指定された音素を、指定された出力開始タイミングにより出力させていくようにされる、ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  5. 上記出力手段は、
    上記特定周波数成分による音素のうちで、1つの基準周波数として設定された特定周波数成分による音素と、この基準周波数を或る所定の音階を成す1つの音高としたときに、上記音階において他の音高となり得る周波数を有する特定周波数成分による音素とを出力するようにされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  6. 2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して周期数が1となる正弦波についての1/4周期以上とされる所定周期分の基礎波形成分データを保持する保持手段と、
    上記基礎波形成分データを利用して、所要の上記特定周波数成分を生成し、この生成した特定周波数成分を利用してさらに上記音素を生成する生成手段とを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  7. 上記サンプリング手段は、
    上記出力手段により出力された上記音素の信号が空間において測定音として放出されているとされる期間内における所定タイミングで、上記サンプリングを行うようにされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  8. 2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して互いに異なる整数の周期数(m)があてはまる正弦波とされる互いに異なる基音成分とその高調波成分からなる所要の複数の音素を、サンプル数Nを最小出力単位として、測定音源として互いに出力期間が重複するようにそれぞれ別個のスピーカに出力させる出力手順と、
    上記出力手順により出力される上記複数の音素が上記別個のスピーカから放音されそれぞれ複数の空間伝達経路を介して収音され得られる音声信号について、所定タイミングで上記サンプル数Nを最小サンプル単位としてサンプリングを行なうサンプリング手順と、
    上記サンプリング手順によりサンプリングされた音声信号について所定の周波数解析処理を実行して得られた解析結果に基づいて、上記複数の空間伝達経路ごとに所要の測定項目についての測定結果を得るようにされる測定手順と、
    を実行することを特徴とする測定方法。
  9. 2のべき乗で表される所定のサンプル数Nに対して互いに異なる整数の周期数(m)があてはまる正弦波とされる互いに異なる基音成分とその高調波成分からなる所要の複数の音素を、サンプル数Nを最小出力単位として、測定音源として互いに出力期間が重複するようにそれぞれ別個のスピーカに出力させる出力手順と、
    上記出力手順により出力される上記複数の音素が上記別個のスピーカから放音されそれぞれ複数の空間伝達経路を介して収音され得られる音声信号について、所定タイミングで上記サンプル数Nを最小サンプル単位としてサンプリングを行なうサンプリング手順と、
    上記サンプリング手順によりサンプリングされた音声信号について所定の周波数解析処理を実行して得られた解析結果に基づいて、上記複数の空間伝達経路ごとに所要の測定項目についての測定結果を得るようにされる測定手順と、
    を測定装置に実行させるプログラム。
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