JP2008048083A - 音響再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センタスピーカの定位情報を損なわずにどの受聴席でも明確にセンタチャンネルの音を聴き取ることができる音響再生装置を提供する。
【解決手段】センタチャンネルCchをセンタスピーカCspに対して出力する。ライトチャンネルRchと遅延部31、減衰部41により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、フロントライトスピーカFRspに対して出力する。レフトチャンネルLchと遅延部32、減衰部42により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、フロントレフトスピーカFLspに対して出力する。サラウンドライトチャンネルSRchと遅延部33、減衰部43により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、リアライトスピーカRRspに対して出力する。サラウンドレフトチャンネルSLchと遅延部34、減衰部44により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、リアレフトスピーカRLspに対して出力する。
【選択図】図4
【解決手段】センタチャンネルCchをセンタスピーカCspに対して出力する。ライトチャンネルRchと遅延部31、減衰部41により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、フロントライトスピーカFRspに対して出力する。レフトチャンネルLchと遅延部32、減衰部42により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、フロントレフトスピーカFLspに対して出力する。サラウンドライトチャンネルSRchと遅延部33、減衰部43により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、リアライトスピーカRRspに対して出力する。サラウンドレフトチャンネルSLchと遅延部34、減衰部44により遅延、減衰したセンタチャンネルCchとを加算して、リアレフトスピーカRLspに対して出力する。
【選択図】図4
Description
本発明は、音響再生装置に関するものである。
近年では、DVD(デジタルバーサタイルディスク)プレイヤーの普及により、臨場感のある音場を再現することができるマルチチャンネルによるサラウンドを実現する音響再生装置が一般的になりつつある。このような従来の音響再生装置を用いたシステムの一例として図1に示す車両に搭載されたものが提案されている。
図1に示すように、このシステムは、車両フロント中央に配置されたディスプレイDisの近くに設けられたセンタスピーカCsp(以下スピーカCsp)と、運転席に対応して設けられたフロントライトスピーカFRsp(以下スピーカFRsp)と、助手席に対応して設けられたフロントレフトスピーカFLsp(以下スピーカFLsp)と、運転席側後部座席に対応して設けられたリアライトスピーカRRsp(以下スピーカRRsp)と、助手席側後部座席に対応して設けられたリアレフトスピーカRLsp(以下スピーカRLsp)と、車両リア中央に設けられたサブウーハスピーカSWsp(以下スピーカSWsp)とを備えている。
このシステムに入力されるオーディオ信号は、センタチャンネルCch(以下チャンネルCch)、ライトチャンネルRch(以下チャンネルRch)、レフトチャンネルLch(以下チャンネルLch)、サラウンドライトチャンネルSRch(以下チャンネルSRch)、サラウンドレフトチャンネルSLch(以下チャンネルSLch)、サブウーハチャンネルSWch(以下チャンネルSWch)といった複数チャンネルから構成されている。このシステムは、チャンネルCchをスピーカCspに、チャンネルRchをスピーカFRspに、チャンネルLchをスピーカFLspに、チャンネルSRchをスピーカRRspに、チャンネルSLchをスピーカRLspに、チャンネルSWchをスピーカSWspにそれぞれ出力して、臨場感のある音場の再生を可能にしている。
これらのチャンネルのうち、チャンネルCchには、映画のセリフや音楽のボーカルなどの重要な情報が割り当てられている。チャンネルSRch、SLchは、臨場感を得るため移動音、環境音、残響音などが割り当てられている。チャンネルSWchは、低音域の効果音などが割り当てられている。
しかしながら、従来の音響再生装置では、スピーカCspから離れるほどセリフが聴き取りにくくなるという問題があった。このため、スピーカCspから遠い後部座席ではセリフが聴き取れずに映画などが楽しめないという問題があった。
そこで、セリフをより明瞭にする装置として、特許文献1に記載された音響処理装置が提案されている。この音響処理装置は、チャンネルCchからチャンネルLch、Rchの成分を除去してCchのセリフ成分を抽出し、抽出したセリフ成分をチャンネルCchに加算することで、セリフを明瞭にしている。しかしながら、この音響処理装置では、スピーカCspから遠ざかるほどセリフが聴き取りにくくなるという問題が依然解決されていない。
特開2000−115897号公報
特開2005−86486号公報
特開平9−259539号公報
また、本発明の目的は、例えば、センタスピーカの定位情報を損なわずにどの受聴席でも明確にセンタチャンネルの音を聴き取ることができる音響再生装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、センタチャンネルを含む複数種のチャンネルから構成されたオーディオ信号を各チャンネル毎に分離する分離手段と、該分離手段で分離されたセンタチャンネルを対応するセンタスピーカに出力すると共に前記分離手段で分離されたセンタチャンネル以外の他のチャンネルを対応する他のスピーカに出力する出力手段とを備えた音響再生装置において、前記分離手段で分離されたセンタチャンネルを遅延する遅延手段と、前記分離手段で分離されたセンタチャンネルを減衰する減衰手段と、前記遅延手段により遅延させると共に前記減衰手段により減衰させたセンタチャンネルを前記他のチャンネルに加算して、その加算したチャンネルを前記他のスピーカに出力させる加算手段とを備えたことを特徴とする音響再生装置に存する。
以下、本発明の一実施形態にかかる音響再生装置を説明する。音響再生装置は、図2に示すように、センタチャンネルCchを含む複数種のチャンネルから構成されたオーディオ信号を各チャンネル毎に分離する分離部1(分離手段)と、分離部1で分離されたセンタチャンネルCchを対応するセンタスピーカCspに出力すると共に分離部1で分離されたセンタチャンネルCch以外の他のチャンネルchを対応する他のスピーカspに出力する出力部2と、を備えた音響再生装置において、分離部1で分離されたセンタチャンネルCchを遅延する遅延部3(遅延手段)と、分離部1で分離されたセンタチャンネルCchを減衰する減衰部4(減衰手段)と、遅延部3により遅延させると共に減衰部4により減衰させたセンタチャンネルCchを他のチャンネルchに加算して、その加算したチャンネルを他のスピーカspに出力させる加算部5(加算手段)とを備えている。
これによれば、加算部5がセンタチャンネルCchと他のチャンネルchとを加算して、その加算したチャンネルを他のスピーカspに出力させているので、他のスピーカspからもセンタチャンネルCchが出力され、センタスピーカCspから離れた他のスピーカsp近くの受聴席であってもセンタチャンネルCchを明確に受聴できる。しかも、遅延部3によってセンタチャンネルCchを遅延した後に他のチャンネルchに加算しているので、受聴者にセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchが届いた後に他のスピーカspからのセンタチャンネルCchが届くようにすることができる。また減衰部4によってセンタチャンネルCchを減衰した後に他のチャンネルchに加算しているので、受聴者に届くセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音量を他のスピーカspからのセンタチャンネルCchの音量以上とすることができる。このため、センタスピーカCspからセンタチャンネルCchの音が聞こえるというセンタスピーカCspの定位情報が損なわれず、どの受聴席でも明確にセンタチャンネルCchの音を聴き取ることができる。
また、音響再生装置は、遅延部3の遅延時間が、任意の受聴席においてセンタスピーカCspから出力されたセンタチャンネルCchの音が到達した後に他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音が到達するように予め設定され、そして、減衰部4の減衰値が、任意の受聴席においてセンタスピーカCspから出力されたセンタチャンネルCchの音量が他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音量以上となるように予め設定されていてもよい。
これによれば、任意の受聴席においてセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchが到達した後に他のスピーカspからのセンタチャンネルCchを到達させることができる。また、任意の受聴席においてセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音量を他のスピーカspからのセンタチャンネルCchの音量以上にすることができる。このため、任意の受聴席においてセンタスピーカCspの定位情報が損なわれることがなく、どの受聴席でも明確にセンタチャンネルCchの音を聴き取ることができる。
また、音響再生装置は、センタスピーカCsp、他のスピーカspから出力される音を集音する集音部6と、集音した音に基づいて任意の受聴席においてセンタスピーカCspから出力されたセンタチャンネルCchの音が到達した後に他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音が到達するように遅延部3の遅延時間を設定する遅延時間設定部7(遅延時間設定手段)と、集音した音に基づいて任意の受聴席においてセンタスピーカCspから出力されたセンタチャンネルCchの音量が他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音量以上となるように減衰部4の減衰値を設定する減衰値設定部8(減衰値設定手段)とを備えていてもよい。
これによれば、任意の受聴席でセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音が到達した後に他のスピーカspからのセンタチャンネルCchの音を到達させることができる。また、任意の受聴席でセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音量を他のスピーカspからのセンタチャンネルCchの音量以上にすることができる。このため、任意の受聴席でセンタスピーカCspの定位情報が損なわれることがなく、どの受聴席でも明確にセンタチャンネルCchの音を聴き取ることができる。しかも、集音部6が集音した音に基づいて遅延時間設定部7、減衰値設定部8が自動的に遅延時間、減衰値を設定するため、任意のスピーカ設置位置に応じた適切な遅延時間、減衰値を設定することができる。
また、音響再生装置は、集音部6が、他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspの設置位置に最も近い受聴席に設置された音響再生装置であって、遅延時間設定部7が、集音部6が集音した音に基づいてセンタスピーカCspから出力された音が集音部6の設置位置に到達するまでの第一音波到達時間を計測する第一音波到達時間計測部(第一音波到達時間計測手段)と、集音部6が集音した音に基づいて他のスピーカspから出力された音が集音部6の設置位置に到達するまでの第二音波到達時間を計測する第二音波到達時間計測部(第二音波到達時間計測手段)と、第一音波到達時間から第二音波到達時間を差し引いた値に所定時間を加算した時間を遅延時間として設定する第一設定部(第一設定手段)と、を有していてもよい。
これによれば、他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspに最も近い受聴席においてセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音が到達してから所定時間経過後に他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音が到達するように遅延時間を設定することができる。当然、他の受聴席でもセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音が到達した後に他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音が到達する。従って、簡単にセンタスピーカCspの定位情報が損なわれないような遅延時間を設定することができる。
また、音響再生装置は、センタスピーカCspが、車両のフロントの中央に対応して設置され、他のスピーカspが、車両の運転席及び助手席のそれぞれに対応して設置され、集音部6が、車両の運転席及び助手席の何れか一方に対応して設置された音響再生装置であって、第二音波到達時間計測部が、集音部6が設置された席に対応する他のスピーカspから集音部6までの第二音波到達時間を計測するものであり、そして、第一設定部が、第一音波到達時間から第二音波到達時間を差し引いた値に所定時間を加算した時間を運転席及び助手席に対応する遅延部3の遅延時間として設定するものであってもよい。
これによれば、運転席及び助手席に対応して設置された他のスピーカspは、センタスピーカCspを中心にして左右対称に配置されるものであることに着目し、運転席及び助手席の何れか一方に設けた集音部6を用いて運転席及び助手席に対応する遅延部の遅延時間を設定することができる。
また、音響再生装置は、集音部6が、他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspの設置位置に最も近い受聴席とは異なる位置に設置された音響再生装置であって、遅延時間設定部7が、集音部6が集音した音に基づいてセンタスピーカCspから出力された音が集音部6の設置位置に到達するまでの第三音波到達時間を計測する第三音波到達時間計測部(第三音波到達時間計測手段)と、集音部6が集音した音に基づいて他のスピーカspから出力された音が集音部6の設置位置に到達するまでの第四音波到達時間を計測する第四音波到達時間計測部(第四音波到達時間計測手段)と、第三音波到達時間と第四音波到達時間とを加算した値に所定時間を加算した時間を遅延時間として設定する第二設定部(第二設定手段)と、を有していてもよい。
このように、第三音波到達時間と第四音波到達時間とを加算した値に所定時間を加算した時間に遅延時間を設定することにより、センタスピーカCspからの音が集音部6を経由して他のスピーカspの設置位置に到達するまでの時間に所定時間を加算した時間に遅延時間を設定することができる。従って、集音部6が他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspの設置位置に最も近い受聴席に設置されていなくても、他のスピーカspの設置位置又は設置位置に最も近い受聴席においてセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音が到達した後に他のスピーカspからのセンタチャンネルCchの音が到達するように遅延時間を設定することができる。
また、音響再生装置は、センタスピーカCspが、車両のフロントの中央に対応して設置され、他のスピーカspが、車両の運転席側後部座席及び助手席側後部座席のそれぞれに対応して設置され、集音部6が、車両の運転席及び助手席の何れか一方に対応して設置された音響再生装置であって、第四音波到達時間計測部が、集音部6が設置された席側の後部座席に対応する他のスピーカspから集音部6の設置位置までの第四音波到達時間を計測するものであり、そして、第二設定部が、第三音波到達時間と第四音波到達時間とを加算した値に所定時間を加算した時間を運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応する遅延部の遅延時間として設定するものであってもよい。
これによれば、運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応して設置された他のスピーカspは、センタスピーカCspを中心にして左右対称に配置されるものであることに着目し、運転席及び助手席の何れか一方に設けた集音部6を用いて運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応する遅延部3の遅延時間を設定することができる。
また、音響再生装置は、集音部6が、他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspの設置位置に最も近い受聴席に設置された音響再生装置であって、減衰値設定部8が、集音部6が集音した音に基づいて集音部6の設置位置でのセンタスピーカCspからの音量を計測する第一音量計測部(第一音量計測手段)と、集音部6が集音した音に基づいて集音部6の設置位置での他のスピーカspからの音量を計測する第二音量計測部(第二音量計測手段)と、計測されたセンタスピーカCspからの音量が計測された他のスピーカspからの音量以上となるように、減衰値を設定する第三設定部(三設定手段)と、を有していてもよい。
これによれば、他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspに最も近い受聴席においてセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音量を他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音量以上とする減衰値を設定することができる。当然、他の受聴席でもセンタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音量を他のスピーカspから出力されたセンタチャンネルCchの音量以上とすることができる。従って、簡単にセンタスピーカCspの定位情報が損なわれないような減衰値を設定することができる。
また、音響再生装置は、センタスピーカCspが、車両のフロントの中央に対応して設置され、他のスピーカspが、車両の運転席及び助手席のそれぞれに対応して設置され、集音部6が、車両の運転席及び助手席の一方に対応して設置された音響再生装置であって、第二音量計測部が、運転席及び助手席に対応した他のスピーカspからの音量をそれぞれ計測するものであり、第三設定部が、センタスピーカCspからの音量が運転席及び助手席に対応した他のスピーカspからの音量のうち大きい方の音量以上となるように、車両の運転席及び助手席に対応する減衰部4の減衰値を設定するものであってもよい。
これによれば、運転席及び助手席に対応して設置された他のスピーカspは、センタスピーカCspを中心にして左右対称に配置されるものであることに着目し、運転席及び助手席の何れか一方に設けた集音部6を用いて運転席及び助手席に対応する減衰部4の減衰値を設定することができる。
また、音響再生装置は、集音部6が、他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspの設置位置に最も近い受聴席とは異なる位置に設置された音響再生装置であって、減衰値設定部8が、集音部6が集音した音に基づいて集音部6の設置位置でのセンタスピーカCspから出力された音の第一減衰値を計測する第一減衰値計測部(第一減衰値計測手段)と、集音部6が集音した音に基づいて集音部6の設置位置での他のスピーカspから出力された音の第二減衰値を計測する第二減衰値計測部(第二減衰値計測手段)と、計測された第一減衰値と第二減衰値と所定減衰値とを乗じた値を減衰部4の減衰値として設定する第四設定部(第四設定手段)と、を有していてもよい。
このように、減衰値を第一減衰値と第二減衰値と所定減衰値とに乗じた値に減衰部4の減衰値を設定することにより、センタスピーカCspからの音が集音部6を経由して他のスピーカspの設置位置に到達するまでの減衰値に所定減衰値を乗じた値に設定することができる。従って、集音部6が他のスピーカspの設置位置又は他のスピーカspの設置位置に最も近い受聴席に設置されていなくても、他のスピーカspの設置位置で、センタスピーカCspからのセンタチャンネルCchの音量を他のスピーカspからのセンタチャンネルCchの音量以上となるように減衰値を設定することができる。
また、音響再生装置は、センタスピーカCspが、車両のフロントの中央に対応して設置され、他のスピーカspが、車両の運転席側後部座席及び助手席側後部座席のそれぞれに対応して設置され、集音部6が、車両の運転席及び助手席の何れか一方に対応して設置された音響再生装置であって、第二減衰値計測部が、集音部6の設置位置での運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応する他のスピーカspから出力された音の減衰値のうち大きい方を第二減衰値として計測するものであり、そして、第四設定部が、第一減衰値と第二減衰値と所定減衰値とを乗じた値を運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応する減衰部4の減衰値として設定するものである。
これによれば、運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応して設置された他のスピーカspは、センタスピーカCspを中心にして左右対称に配置されるものであることに着目し、運転席及び助手席の何れか一方に設けた集音部6を用いて運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応する減衰部4の減衰値を設定することができる。
次に、上述した音響再生装置の第1実施例を以下説明する。なお、図3は音響再生装置の構成の一例を示す構成図である。図4は、図3の音響再生装置を構成するDSPの構成の一例を示す構成図である。
この音響再生装置100は、車両内に設置されていて、例えばDVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)、ハードディスク(Hard Disk)などの記録媒体に記録されているデジタルのオーディオ信号をスピーカによって再生可能な信号に処理する。
図4に示すように、音響再生装置100は、車両フロント中央に配置されたディスプレイDisの近くに設けられたセンタスピーカCsp(以下スピーカCsp)と、運転席に対応して設けられたフロントライトスピーカFRsp(以下スピーカFRsp)と、助手席に対応して設けられたフロントレフトスピーカFLsp(以下スピーカFLsp)と、運転席側後部座席に対応して設けられたリアライトスピーカRRsp(以下スピーカRRsp)と、助手席側後部座席に対応して設けられたリアレフトスピーカRLsp(以下スピーカRLsp)と、車両リア中央に設けられたサブウーハスピーカSWsp(以下スピーカSWsp)とを備えている。上述したスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspが請求項中の他のスピーカを構成している。
また、図3に示すように、音響再生装置100は、分離手段としてのマルチチャンネルデコーダ1と、DSP(Digital Signal Processor:デジタル信号処理装置)9と、D/A変換器101〜106と、アンプ111〜116とを備えている。
この装置に入力されるオーディオ信号は、例えば、センタチャンネルCch(以下チャンネルCch)、他のチャンネルとしてのライトチャンネルRch(以下チャンネルRch)、レフトチャンネルLch(以下チャンネルLch)、サラウンドライトチャンネルSRch(以下チャンネルSRch)、サラウンドレフトチャンネルSLch(以下チャンネルSLch)、サブウーハチャンネルSWch(以下チャンネルSWch)といった複数チャンネルから構成されている。
これらのチャンネルのうち、チャンネルCchには、映画のセリフや音楽のボーカルなどの重要な情報が割り当てられている。チャンネルSRch、SLchは、臨場感を得るため移動音、環境音、残響音などが割り当てられている。チャンネルSWchは、低音域の効果音などが割り当てられている。
上記マルチチャンネルデコーダ1は、オーディオ信号を各チャンネルCch、Rch、Lch、SRch、SLch、SWch毎に分離する。DSP9は、分離された各チャンネルのミキシング処理やエフェクト処理などの各種信号処理を行う。D/A変換器101〜106は、DSP9から出力されるデジタル信号をアナログに変換する。アンプ111〜116は、D/A変換器101〜106にそれぞれ接続されているとともに、各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspに接続される。このアンプ111〜116は、D/A変換器101〜106から出力されるアナログ信号を増幅して各スピーカCsp、FRsp、RLsp、RRsp、RLspから出力させる。
次に、上述したDSP9の構成について図4を参照して説明する。なお、図4は、上記D/A変換器101〜106、アンプ111〜116については省略している。DSP9は、図示しないメモリに記憶されたプログラムにより、チャンネルCchをスピーカCspに、チャンネルRchをスピーカFRspに、チャンネルLchをスピーカFLspに、チャンネルSRchをスピーカRRspに、チャンネルSLchをスピーカRLspに出力するようにしている。以上のことから明らかなように、DSP9が請求項中の出力手段を構成している。
また、DSP9は、図示しないメモリに記憶されたプログラムにより、遅延手段としての遅延部31〜34と、減衰手段としての減衰部41〜44と、加算手段としての加算部51〜54とを備えている。上記遅延部31及び32はそれぞれ、スピーカFRsp及びFLspに対応して設けられ、チャンネルCchを遅延時間D1だけ遅延する。遅延部33及び34はそれぞれ、スピーカRRsp及びRLspに対応して設けられ、チャンネルCchを遅延時間D2だけ遅延する。
上記減衰部41及び42はそれぞれ、スピーカFRsp及びFLspに対応して設けられ、チャンネルCchにゲインG1(減衰値)を乗じて減衰させる。減衰部43及び44はそれぞれ、スピーカRRsp及びRLspに対応して設けられ、チャンネルCchにゲインG2(減衰値)を乗じて減衰させる。上記加算部51は、遅延部31、減衰部41により遅延、減衰されたチャンネルCchをチャンネルRchに加算して、その加算したチャンネルをスピーカFRspに出力させる。
加算部52は、遅延部32、減衰部42により遅延、減衰させたチャンネルCchをチャンネルLchに加算して、その加算したチャンネルをスピーカFLspに出力させる。加算部53は、遅延部33、減衰部43により遅延、減衰させたチャンネルCchをチャンネルSRchに加算して、その加算したチャンネルをスピーカRRspに出力させる。加算部54は、遅延部34、減衰部44により遅延、減衰させたチャンネルCchをチャンネルSLchに加算して、その加算したチャンネルをスピーカRLspに出力させる。
次に、上述した構成の音響再生装置100の動作について説明する。オーディオ信号を入力するとマルチチャンネルデコーダ1がオーディオ信号を各チャンネル毎に分離して、DSP9に対して出力する。DSP9は、チャンネルCchをスピーカCspに対して出力する。チャンネルCchはD/A変換器103によってアナログ信号に変換され、アンプ113によって増幅された後にスピーカCspから出力される。
また、DSP9は、遅延部31、32、減衰部41、42によりチャンネルCchを遅延時間D1だけ遅延させ、ゲインG1を乗じて減衰させた後に加算部51、52によりチャンネルRch、Lchに加算して、その加算したチャンネルをスピーカFRsp、FLspに対して出力する。チャンネルRch、LchとチャンネルCchとを加算したチャンネルはD/A変換器102、104によってアナログ信号に変換され、アンプ112、114によって増幅された後にスピーカFRsp、FLspから出力される。
また、DSP9は、遅延部33、34、減衰部43、44によりチャンネルCchを遅延時間D2だけ遅延させ、ゲインG2を乗じて減衰させた後に加算部53、54によりチャンネルSRch、SLchに加算して、その加算したチャンネルをスピーカRRsp、RLspに対して出力する。チャンネルSRch、SLchとチャンネルCchとを加算したチャンネルはD/A変換器101、105によってアナログ信号に変換され、アンプ111、115によって増幅された後にスピーカRRsp、RLspから出力される。
以上の音響再生装置によれば、加算部51〜54がチャンネルCchとチャンネルRch、Lch、SRch、SLchとを加算して、その加算したチャンネルをスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspに出力させているので、スピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからもチャンネルCchが出力され、スピーカCspから離れたスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLsp近くの受聴席であってもチャンネルCchを明確に受聴できる。しかも、遅延部31〜34によってチャンネルCchを遅延した後に他のチャンネルRch、Lch、SRch、SLchに加算しているので、受聴者にスピーカCspからのチャンネルCchが届いた後に他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからのチャンネルCchが届くようにすることができる。また減衰部41〜44によってチャンネルCchを減衰した後に他のチャンネルRch、Lch、SRch、SLchに加算しているので、受聴者に届くスピーカCspからのチャンネルCchの音量を他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからのチャンネルCchの音量以上にすることができる。このため、スピーカCspからチャンネルCchの音が聞こえるというスピーカCspの定位情報が損なわれずどの受聴席でも明確にチャンネルCchの音を聴き取ることができる。
次に、上述した遅延時間D1、D2、ゲインG1、G2の設定の仕方について説明する。本実施例は、複数の音源から同じ音が出ている場合に、聞き手の耳に早く到達する音源方向に音像定位する(音の存在を感じる)という先行音効果を利用している。そして、各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspの設置位置、出力特性などを予め求め、これらに基づいて運転席、助手席、運転席側後部座席、助手席側後部座席のうちの任意の受聴席でスピーカCspから出力されたチャンネルCchの音が到達した後にスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspから出力されたチャンネルCchの音が到達するように予め上述した遅延時間D1、D2を設定している。
より具体的には、スピーカCspからのチャンネルCchが運転席に到達してから例えば1〜30ms後にスピーカFRspからのチャンネルCchが運転席に到達するようなスピーカFRspに対する遅延部31の遅延時間D1を予め求めて設定している。また、スピーカFRsp、FLspは、スピーカCchを中心にして左右対称に配置されるものである。このため、スピーカFRspに対する遅延部31とスピーカFLspに対する遅延部32との遅延時間D1は、同じに設定される。
一方、スピーカCspからのチャンネルCchが運転席側後部座席に到達してから例えば1〜30ms後にスピーカRRspからのチャンネルCchが運転席側後部座席に到達するような遅延部33の遅延時間D2を予め求めて設定している。スピーカRRsp、RLspは、スピーカCspを中心にして左右対称に配置されるものである。このため、スピーカRRspに対する遅延部33とスピーカRLspに対する遅延部34との遅延時間D2は、同じに設定される。
また、本実施例は、複数の音源から同じ音が出ている場合に、聞き手に届く音量が大きい音源方向に音像定位する効果を利用している。そして、各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspの設置位置、出力特性などを予め求め、これらに基づいて運転席、助手席、運転席側後部座席、助手席側後部座席のうちの任意の受聴席でスピーカCspから出力されたチャンネルCchの音量が他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、FLspから出力されたチャンネルCchの音量以上になるように予め上述したゲインG1、G2を設定している。言い換えると、任意の受聴席において、スピーカCspから出力されたチャンネルCchの音量に比べ、他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspから出力されたチャンネルCchの音量がα倍(αは1以下の任意の値)以下となるようにゲインG1、G2を設定している。
このように遅延時間D1、D2、ゲインG1、G2を設定することにより、スピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからチャンネルCchを出力させても、運転席、助手席、運転席側後部座席、助手席側後部座席のどの受聴席でもスピーカCspからチャンネルCchが出力されているように感じることができる。即ち、任意の受聴席でスピーカCspの定位情報が損なわれることなくどの受聴席でも明確にチャンネルCchの音を聴き取ることができる。
なお、上述した第1実施例では、遅延部31、32の両方の遅延時間D1をスピーカCspからのチャンネルCchが運転席に到達してから1〜30ms後にスピーカFRspからのチャンネルCchが到達するような時間に設定していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、遅延部31、32の両方の遅延時間D1をスピーカCspからのチャンネルCchが助手席に到達してから1〜30ms後にスピーカFLspからのチャンネルCchが助手席に到達するような時間に設定してもよい。
また、遅延部31の遅延時間については、スピーカCspからのチャンネルCchが運転席に到達してから1〜30ms後にスピーカFRspからのチャンネルCchが到達するような時間に設定し、遅延部32の遅延時間については、スピーカCspからのチャンネルCchが助手席に到達してから1〜30ms後にスピーカFLspからのチャンネルCchが到達するような時間に設定して、遅延部31、32の遅延時間を各々別々に設定してもよい。
また、上述した第1実施例では、遅延部33、34の両方の遅延時間D2をスピーカCspからのチャンネルCchが運転席側後部座席に到達してから1〜30ms後にスピーカRRspからのチャンネルCchが到達するような時間に設定していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、遅延部33、34の両方の遅延時間D1をスピーカCspからのチャンネルCchが助手席側後部座席に到達してから1〜30ms後にスピーカRLspからのチャンネルCchが助手席側後部座席に到達するような時間に設定してもよい。
また、遅延部33の遅延時間については、スピーカCspからのチャンネルCchが運転席側後部座席に到達してから1〜30ms後にスピーカRRspからのチャンネルCchが到達するような時間に設定し、遅延部34の遅延時間については、スピーカCspからのチャンネルCchが助手席側後部座席に到達してから1〜30ms後にスピーカRLspからのチャンネルCchが到達するような時間に設定して、遅延部33、34の遅延時間を各々別々に設定してもよい。
また、上述した第1実施例では、各受聴席でスピーカCspからのチャンネルCchが到達してから他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからのチャンネルCchが到達するまでの時間を1〜30msにしていたが、本発明はこれに限ったものではない。上記時間は、短かすぎると上述した先行音効果を得ることができない。一方、長すぎるとエコー音となり明瞭度が低下してしまう。従って、上記時間としては、先行音効果を得ることができつつ、明瞭度が低下しないような範囲に設定すればよい。
また、上述した第1実施例では、音響再生装置は車両内に設置されるものについて説明していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、車両以外の室内に設置される音響再生装置などに適用してもよい。
また、上述した第1実施例では、各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspの設置位置、出力特性などを予め求めて遅延時間D1、D2、ゲインG1、G2を予め設定していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、マイクなどの集音部を設けて、集音部が集音した音に基づいて任意のスピーカ設置位置に応じた適切な遅延時間D1、D2、ゲインG1、G2を自動的に設定してもよい。
次に、上記遅延時間D1、D2、ゲインG1、G2の自動調整を行う第2実施例における音響再生装置について図面を参照して説明する。図5は、音響再生装置の構成の一例を示す構成図である。図6は、図5の音響再生装置を構成するDSPの構成の一例を示す構成図である。図5において、図3及び図4に示す第1実施例の音響再生装置と同一の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2実施例において音響再生装置は、上述したマルチチャンネルデコーダ1、DSP9、D/A変換器101〜106、アンプ111〜116の他に、集音手段としての集音部6と、アンプ12と、A/D変換器13とを備えている。集音部6は、運転席に設置されている。集音部6は、運転席での再生音を集音し集音信号として出力する。アンプ12は、集音部6からの集音信号を増幅して、A/D変換器13に対して出力する。A/D変換器13は、アナログの集音信号をデジタルに変換してDSP9に対して供給する。
次に、上述したDSP9の構成について説明する。図4に示すように、第1実施例と同様にDSP9は、図示しないメモリに記憶されたプログラムにより、遅延部31〜34と、減衰部41〜44と、加算部51〜54とを備えている。さらに、DSP9は、図6に示すように、集音部6が集音した音に基づいて遅延部31〜34の遅延時間D1、D2を設定する遅延時間設定手段としての遅延時間設定部7と、集音部6が集音した音に基づいて減衰部41〜44のゲインG1、G2を設定する減衰値設定手段としての減衰値設定部8と、図示しない測定信号発生部とを備えている。
測定信号発生部は、スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspに対して順次に測定信号を供給する。そして、その測定信号がスピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspから順次出力される。遅延時間設定部7は、音波到達時間計測部71と、フロント側遅延時間設定部72と、リア側遅延時間設定部73とを備えている。音波到達時間計測部71は、スピーカCsp、FRsp、RRspが上記測定信号を出力してから集音部6によって集音されるまでの時間をそれぞれ計測する。
これにより、音波到達時間計測部71は、スピーカCspからの音が集音部6(即ち運転席)に到達するまでの音波到達時間Tc(第一音波到達時間、第三音波到達時間)、スピーカFRspからの音が集音部6に到達するまでの音波到達時間Tfr(第二音波到達時間)、スピーカRRspからの音が集音部6に到達するまでの音波到達時間Trr(第四音波到達時間)を計測することができる。
なお、DSP9が、例えば特開2002−330499号公報に示すような方法によって、各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspからの音が集音部6に到達するまでの音波到達時間に基づいて、各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspの運転席までの遅延特性を補正するいわゆるautoTA機能を有している場合、上記測定信号発生部及び音波到達時間計測部71としては、このautoTA機能で用いられるものを流用しても良い。
フロント側遅延時間設定部72は、以下の式(1)に示す値に遅延部31、32の遅延時間D1を設定する。
D1=Tc−Tfr+β(所定時間) …(1)
このようにすれば、スピーカFRspに最も近い運転席においてスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからβ時間経過後にスピーカFRspからのチャンネルCchが到達するように遅延時間D1を設定することができる。当然、他の席においてもスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからスピーカFRspからのチャンネルCchが到達する。従って、簡単にスピーカCspの定位情報が損なわれないような遅延時間D1を設定することができる。
D1=Tc−Tfr+β(所定時間) …(1)
このようにすれば、スピーカFRspに最も近い運転席においてスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからβ時間経過後にスピーカFRspからのチャンネルCchが到達するように遅延時間D1を設定することができる。当然、他の席においてもスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからスピーカFRspからのチャンネルCchが到達する。従って、簡単にスピーカCspの定位情報が損なわれないような遅延時間D1を設定することができる。
また、スピーカFRsp、FLspは、スピーカCspを中心にして左右対称に配置されるものである。このため、上述した式(1)で求めた遅延時間D1を助手席に対応する遅延部32の遅延時間に設定しても同様の効果が得られる。即ち、運転席、助手席、運転席側後部座席、助手席側後部座席のどの受聴席においてもスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからβ時間経過後にスピーカFLspからのチャンネルCchが到達するように遅延時間D1を設定することができる。これにより運転席に設けた集音部6を用いて運転席及び助手席に対応する遅延部31、32の遅延時間D1を設定することができる。
リア側遅延時間設定部73は、以下の式(2)に示す値に遅延部33、34の遅延時間D2を設定する。
D2=Tc+Trr+β(所定時間) …(2)
上記Tc+Trrは、スピーカCspからの音が運転席の集音部6を経由してスピーカRFspに到達するまでの時間に相当し、スピーカCspからの音が直接、運転席側後部座席に到達するまでの時間とほぼ等しい。一方、スピーカFRspからの音が運転席側後部座席に到達するまでの時間は0とみなすことができる。従って、集音部6がスピーカRRspの設置位置又はスピーカRRspの設置位置に最も近い運転席側後部座席に設置されていなくても、運転席側後部座席においてスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからβ時間経過後にスピーカRRspからのチャンネルCchが到達するように遅延時間D2を設定することができる。
D2=Tc+Trr+β(所定時間) …(2)
上記Tc+Trrは、スピーカCspからの音が運転席の集音部6を経由してスピーカRFspに到達するまでの時間に相当し、スピーカCspからの音が直接、運転席側後部座席に到達するまでの時間とほぼ等しい。一方、スピーカFRspからの音が運転席側後部座席に到達するまでの時間は0とみなすことができる。従って、集音部6がスピーカRRspの設置位置又はスピーカRRspの設置位置に最も近い運転席側後部座席に設置されていなくても、運転席側後部座席においてスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからβ時間経過後にスピーカRRspからのチャンネルCchが到達するように遅延時間D2を設定することができる。
また、スピーカRRsp、RLspは、スピーカCchを中心にして左右対称に配置されるものである。このため、スピーカRLspに対する遅延部34の遅延時間D2を、スピーカRRspに対する遅延部33と同じに設定しても同様の効果が得られる。即ち、どの席においてもスピーカCspからのチャンネルCchが到達してからスピーカRLspからのチャンネルCchが到達する。これにより、運転席に設けた集音部6を用いて運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応する遅延部33、34の遅延時間D2を設定することができる。
以上のように遅延時間D1、D2を設定すれば、運転席、助手席、運転席側後部座席、助手席側後部座席のどの席に座っていても、スピーカCspからのチャンネルCchの音が到達してから他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからのチャンネルCchの音が到達する。また、以上のことから明らかなように、音波到達時間計測部71が、第一音波到達時間計測手段、第二音波到達時間計測手段、第三音波到達計測手段、第四音波到達計測手段を構成している。また、フロント側遅延時間設定部72が、第一設定手段を構成し、リア側遅延時間設定部73が、第二設定手段を構成している。
一方、減衰値設定部8は、音量計測部81と、フロント側ゲイン設定部82と、減衰値計測部83と、リア側ゲイン設定部84とを備えている。音量計測部81は、スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspが上記測定信号を出力しているときの集音部6から集音信号をそれぞれ測定し、集音部6の設置位置でのスピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspから出力された音量に応じた集音信号Yc、Yfr、Yfl、Yrr、Yrl[dBv]とする。
なお、DSP9が、例えば特開2002−330499号公報に示すような方法によって、集音部6の設置位置における各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspからの音量に応じた集音信号に基づいて、各スピーカCsp、FRsp、FLsp、RRsp、RLspから運転席までの周波数特性を補正するいわゆるautoEQ機能を有している場合、上記音量計測部81としては、このautoEQ機能で用いられるものを流用しても良い。
フロント側ゲイン設定部82は、スピーカCspの音量に応じた集音信号Ycと比べて、スピーカFRsp、スピーカFLspの音量に応じた集音信号Yfr、Yflのうち大きい方max(Yfr、Yfl)がα(予め定めた1以下の任意の値)倍以下となるように、ゲインG1を設定する。
このようにすれば、スピーカFRspに最も近い運転席においてスピーカCspからのチャンネルCchの音量をスピーカFRspからのチャンネルCchの音量以上に設定することができる。当然、他の席においてもスピーカCspからのチャンネルCchの音量をスピーカFRsp以上に設定することができる。従って、簡単にスピーカCspの定位情報が損なわれないような遅延時間D1を設定することができる。
また、スピーカFRsp、FLspは、スピーカCchを中心にして左右対称に配置されるものである。このため、スピーカFLspに対する減衰部42のゲインG1を、減衰部41と同じゲインG1に設定しても同様の効果が得られる。即ち、運転席、助手席、運転席側後部座席、助手席側後部座席のどの受聴席においてもスピーカCspからのチャンネルCchの音量をスピーカFLsp以上に設定することができる。
また、減衰値計測部83は、下記の式(3)中のX[dBv]に測定信号X、集音信号Yc、Yr(=Yrr、Yrlのうち大きい方)を代入してデシベル値x、yc、yrに変換する。
X[dBv]=20log10(x[dB]/0.775) …(3)
減衰値計測部83は、集音部6の設置位置でのスピーカCspから出力された音の第一減衰値(yc/x)を求める。減衰値計測部83は、また集音部6の設置位置でのスピーカRRsp、RLspから出力された音の減衰値のうち大きい方を第二減衰値(yr/x)として計測する。
X[dBv]=20log10(x[dB]/0.775) …(3)
減衰値計測部83は、集音部6の設置位置でのスピーカCspから出力された音の第一減衰値(yc/x)を求める。減衰値計測部83は、また集音部6の設置位置でのスピーカRRsp、RLspから出力された音の減衰値のうち大きい方を第二減衰値(yr/x)として計測する。
減衰値計測部83は、下記の式(4)に示すように上述した第一減衰値(yc/x)と第二減衰値(yr/x)と所定減衰値α(予め定めた1以下の任意の値)を乗じた値を減衰部43、44のゲインG2として設定する。
G2=α・(yc/x)・(yr/x) …(4)
G2=α・(yc/x)・(yr/x) …(4)
上記(yc/x)・(yr/x)は、スピーカCspからの音が運転席の集音部6を経由してスピーカRRspに到達するまでの減衰値に相当し、スピーカCspからの音が直接、運転席側後部座席に到達するまでの減衰値とほぼ等しい。従って、集音部6がスピーカRRspの設置位置又はスピーカRRspの設置位置に最も近い運転席側後部座席に設置されていなくても、運転席側後部座席においてスピーカCspからのチャンネルCchの音量に比べて、スピーカRRspからのチャンネルCchの音量をほぼ所定減衰値α倍に設定することができる。
また、スピーカRRsp、RLspは、スピーカCchを中心にして左右対称に配置されるものである。このため、スピーカRRspに対する減衰部43のゲインG2を、減衰部44と同じゲインG2に設定しても同様の効果が得られる。即ち、どの席においてもスピーカCspからのチャンネルCchの音量をスピーカRLspからのチャンネルCchの音量以上になるようにゲインG2を設定することができる。
以上のようにゲインG1、G2を設定すれば、運転席、助手席、運転席側後部座席、助手席側後部座席のどの席に座っていても、スピーカCspからのチャンネルCchの音量が他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからのチャンネルCchの音量以上にすることができる。また、以上のことから明らかなように、音量計測部81が、第一音量計測手段、第二音量計測手段を構成している。また、減衰値計測部83が、第一減衰値計測手段、第二減衰値計測手段を構成している。さらに、フロント側ゲイン設定部82が、第三設定手段を構成し、リア側ゲイン設定部84が、第四設定手段を構成している。
上述した音響再生装置は、チャンネルCchを含む複数種のチャンネルから構成されたオーディオ信号を各チャンネル毎に分離するマルチチャンネルデコーダ1と、マルチチャンネルデコーダ1で分離されたチャンネルCchを対応するスピーカCspに出力すると共にマルチチャンネルデコーダ1で分離されたチャンネルCch以外の他のチャンネルRch、Lch、SRch、SLchを対応する他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspに出力するDSP9と、を備えた音響再生装置において、マルチチャンネルデコーダ1で分離されたチャンネルCchを遅延する遅延部31〜34と、マルチチャンネルデコーダ1で分離されたチャンネルCchを減衰する減衰部41〜44と、遅延部41〜44により遅延させると共に減衰部41〜44により減衰させたチャンネルCchを他のチャンネルRch、Lch、SRch、SLchに加算して、その加算したチャンネルを他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspに出力させる加算部51〜54(加算手段)とを備えている。
これによれば、加算部51〜54がチャンネルCchと他のチャンネルRch、Lch、SRch、SLchとを加算して、その加算したチャンネルをスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspに出力させているので、スピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからもチャンネルCchが出力され、スピーカCspから離れたスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLsp近くの受聴席であってもチャンネルCchを明確に受聴できる。しかも、遅延部31〜34によってチャンネルCchを遅延した後に他のチャンネルRch、Lch、SRch、SLchに加算しているので、受聴者にスピーカCspからのチャンネルCchが届いた後に他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからのチャンネルCchが届くようにすることができる。また減衰部41〜44によってチャンネルCchを減衰した後に他のチャンネルRch、Lch、SRch、SLchに加算しているので、スピーカCspからのチャンネルCchの音量を他のスピーカFRsp、FLsp、RRsp、RLspからのチャンネルCchの音量以上にすることができる。このため、スピーカCspからチャンネルCchの音が聞こえるというスピーカCspの定位情報が損なわれずどの受聴席でも明確にチャンネルCchの音を聴き取ることができる。
なお、上述した第2実施例では、運転席に集音部6を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、助手席に集音部6を設けてもよい。この場合、遅延時間D1、D2は以下の式(5)、(6)に示すように設定すればよい。
D1=Tc−Tfl+β …(5)
D2=Tc+Trl+β …(6)
なお、Tf1は、スピーカFLspからの音が集音部6に到達するまでの音波到達時間、Trlは、スピーカRLspからの音が集音部6に到達するまでの音波到達時間に相当する。また、集音部6は、各席に設けてもよいし、後部座席にもう一つ設けてもよい。
D1=Tc−Tfl+β …(5)
D2=Tc+Trl+β …(6)
なお、Tf1は、スピーカFLspからの音が集音部6に到達するまでの音波到達時間、Trlは、スピーカRLspからの音が集音部6に到達するまでの音波到達時間に相当する。また、集音部6は、各席に設けてもよいし、後部座席にもう一つ設けてもよい。
また、上述した第2実施例では、音響再生装置は車両内に設置されるものについて説明していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、車両以外の室内に設置される音響再生装置などに適用してもよい。
また、上述した第1実施例及び第2実施例では、車両のフロント中央に設置されたスピーカCspを備えていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、スピーカFLsp、FRsp、RLsp、RRspしか設置されていない場合は、スピーカFLsp、FRspをセンタスピーカとして用いて、チャンネルLch、RchにそれぞれチャンネルCchを直接加算してスピーカFLsp、FRspから出力させる。一方、チャンネルSLch、チャンネルSRchにそれぞれ遅延部、減衰部によって遅延、減衰させたチャンネルCchを加算してスピーカRLsp、RRspから出力するようにしてもよい。
また、上述した第1実施例及び第2実施例では、オーディオ信号として、5.1chを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。オーディオ信号としては、センタチャンネルを含む複数チャンネルから構成されていればよく、例えば2chのオーディオ信号を5chに変換したものであってもよい。
また、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
Csp センタスピーカ
FRsp フロントライトスピーカ(他のスピーカ)
RLsp フロントレフトスピーカ(他のスピーカ)
RRsp リアライトスピーカ(他のスピーカ)
RLsp リアレフトスピーカ(他のスピーカ)
Cch センタチャンネル
Rch ライトチャンネル(他のチャンネル)
Lch レフトチャンネル(他のチャンネル)
SRch サラウンドライトチャンネル(他のチャンネル)
SLch サラウンドレフトチャンネル(他のチャンネル)
1 マルチチャンネルデコーダ(分離手段)
7 遅延時間設定部(遅延時間設定手段)
8 減衰値設定部(減衰値設定手段)
9 DSP(出力手段)
31〜34 遅延部(遅延手段)
41〜44 減衰部(減衰手段)
51〜54 加算部(加算手段)
71 音波到達時間計測部(第一音波到達時間計測手段、第二音波到達時間計測手段、第三音波到達時間計測手段、第四音波到達時間計測手段)
72 フロント側遅延時間設定部(第一設定手段)
73 リア側遅延時間設定部(第二設定手段)
81 音量計測部(第一音量計測手段、第二音量計測手段)
82 フロント側ゲイン設定部(第三設定手段)
83 減衰値計測部(第一減衰値計測手段、第二減衰値計測手段)
84 リア側ゲイン設定部(第四設定手段)
100 音響再生装置
D1 遅延時間
D2 遅延時間
G1 ゲイン(減衰値)
G2 ゲイン(減衰値)
Tc 音波到達時間(第一音波到達時間、第三音波到達時間)
Tfr 音波到達時間(第二音波到達時間)
Trr 音波到達時間(第四音波到達時間)
β 所定時間
FRsp フロントライトスピーカ(他のスピーカ)
RLsp フロントレフトスピーカ(他のスピーカ)
RRsp リアライトスピーカ(他のスピーカ)
RLsp リアレフトスピーカ(他のスピーカ)
Cch センタチャンネル
Rch ライトチャンネル(他のチャンネル)
Lch レフトチャンネル(他のチャンネル)
SRch サラウンドライトチャンネル(他のチャンネル)
SLch サラウンドレフトチャンネル(他のチャンネル)
1 マルチチャンネルデコーダ(分離手段)
7 遅延時間設定部(遅延時間設定手段)
8 減衰値設定部(減衰値設定手段)
9 DSP(出力手段)
31〜34 遅延部(遅延手段)
41〜44 減衰部(減衰手段)
51〜54 加算部(加算手段)
71 音波到達時間計測部(第一音波到達時間計測手段、第二音波到達時間計測手段、第三音波到達時間計測手段、第四音波到達時間計測手段)
72 フロント側遅延時間設定部(第一設定手段)
73 リア側遅延時間設定部(第二設定手段)
81 音量計測部(第一音量計測手段、第二音量計測手段)
82 フロント側ゲイン設定部(第三設定手段)
83 減衰値計測部(第一減衰値計測手段、第二減衰値計測手段)
84 リア側ゲイン設定部(第四設定手段)
100 音響再生装置
D1 遅延時間
D2 遅延時間
G1 ゲイン(減衰値)
G2 ゲイン(減衰値)
Tc 音波到達時間(第一音波到達時間、第三音波到達時間)
Tfr 音波到達時間(第二音波到達時間)
Trr 音波到達時間(第四音波到達時間)
β 所定時間
Claims (11)
- センタチャンネルを含む複数種のチャンネルから構成されたオーディオ信号を各チャンネル毎に分離する分離手段と、該分離手段で分離されたセンタチャンネルを対応するセンタスピーカに出力すると共に前記分離手段で分離されたセンタチャンネル以外の他のチャンネルを対応する他のスピーカに出力する出力手段と、を備えた音響再生装置において、
前記分離手段で分離されたセンタチャンネルを遅延する遅延手段と、
前記分離手段で分離されたセンタチャンネルを減衰する減衰手段と、
前記遅延手段により遅延させると共に前記減衰手段により減衰させたセンタチャンネルを前記他のチャンネルに加算して、その加算したチャンネルを前記他のスピーカに出力させる加算手段と
を備えたことを特徴とする音響再生装置。 - 前記遅延手段の遅延時間が、任意の受聴席において前記センタスピーカから出力されたセンタチャンネルの音が到達した後に前記他のスピーカから出力されたセンタチャンネルの音が到達するように予め設定され、そして、
前記減衰手段の減衰値が、前記任意の受聴席において前記センタスピーカから出力されたセンタチャンネルの音量が前記他のスピーカから出力されたセンタチャンネルの音量以上となるように予め設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の音響再生装置。 - 前記センタスピーカ、前記他のスピーカから出力される音を集音する集音手段と、
前記集音した音に基づいて任意の受聴席において前記センタスピーカから出力されたセンタチャンネルの音が到達した後に前記他のスピーカから出力されたセンタチャンネルの音が到達するように前記遅延手段の遅延時間を設定する遅延時間設定手段と、
前記集音した音に基づいて任意の受聴席において前記センタスピーカから出力されたセンタチャンネルの音量が前記他のスピーカから出力されたセンタチャンネルの音量以上となるように前記減衰手段の減衰値を設定する減衰値設定手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の音響再生装置。 - 前記集音手段が、前記他のスピーカの設置位置又は前記他のスピーカの設置位置に最も近い受聴席に設置された音響再生装置であって、
前記遅延時間設定手段が、前記集音手段が集音した音に基づいて前記センタスピーカから出力された音が前記集音手段の設置位置に到達するまでの第一音波到達時間を計測する第一音波到達時間計測手段と、前記集音手段が集音した音に基づいて前記他のスピーカから出力された音が前記集音手段の設置位置に到達するまでの第二音波到達時間を計測する第二音波到達時間計測手段と、前記第一音波到達時間から前記第二音波到達時間を差し引いた値に所定時間を加算した時間を前記遅延時間として設定する第一設定手段と、を有している
ことを特徴とする請求項3記載の音響再生装置。 - 前記センタスピーカが、車両のフロントの中央に対応して設置され、
前記他のスピーカが、車両の運転席側及び助手席側のそれぞれに対応して設置され、
前記集音手段が、車両の運転席及び助手席の何れか一方に対応して設置された音響再生装置であって、
前記第二音波到達時間計測手段が、前記集音手段が設置された席に対応する他のスピーカから前記集音手段までの前記第二音波到達時間を計測するものであり、そして、
前記第一設定手段が、前記第一音波到達時間から前記第二音波到達時間を差し引いた値に所定時間を加算した時間を前記運転席及び前記助手席に対応する遅延手段の遅延時間として設定するものであることを特徴とする請求項4記載の音響再生装置。 - 前記集音手段が、前記他のスピーカの設置位置又は前記他のスピーカの設置位置に最も近い受聴席とは異なる位置に設置された音響再生装置であって、
前記遅延時間設定手段が、前記集音手段が集音した音に基づいて前記センタスピーカから出力された音が前記集音手段の設置位置に到達するまでの第三音波到達時間を計測する第三音波到達時間計測手段と、前記集音手段が集音した音に基づいて前記他のスピーカから出力された音が前記集音手段の設置位置に到達するまでの第四音波到達時間を計測する第四音波到達時間計測手段と、前記第三音波到達時間と前記第四音波到達時間とを加算した値に所定時間を加算した時間を前記遅延時間として設定する第二設定手段と、を有している
ことを特徴とする請求項3記載の音響再生装置。 - 前記センタスピーカが、車両のフロントの中央に対応して設置され、
前記他のスピーカが、車両の運転席側後部座席及び助手席側後部座席のそれぞれに対応して設置され、
前記集音手段が、車両の運転席及び助手席の何れか一方に対応して設置された音響再生装置であって、
前記第四音波到達時間計測手段が、前記集音手段が設置された席側の後部座席に対応する他のスピーカから前記集音手段の設置位置までの前記第四音波到達時間を計測するものであり、そして、
前記第二設定手段が、前記第三音波到達時間と前記第四音波到達時間とを加算した値に所定時間を加算した時間を前記運転席側後部座席及び前記助手席側後部座席に対応する遅延手段の遅延時間として設定するものである
ことを特徴とする請求項6記載の音響再生装置。 - 前記集音手段が、前記他のスピーカの設置位置又は前記他のスピーカの設置位置に最も近い受聴席に設置された音響再生装置であって、
前記減衰値設定手段が、前記集音手段が集音した音に基づいて前記集音手段の設置位置での前記センタスピーカからの音量を計測する第一音量計測手段と、前記集音手段が集音した音に基づいて前記集音手段の設置位置での前記他のスピーカからの音量を計測する第二音量計測手段と、前記計測されたセンタスピーカからの音量が前記計測された他のスピーカからの音量以上となるように、前記減衰値を設定する第三設定手段と、を有していることを特徴とする請求項3記載の音響再生装置。 - 前記センタスピーカが、車両のフロントの中央に対応して設置され、
前記他のスピーカが、車両の運転席及び助手席のそれぞれに対応して設置され、
前記集音手段が、車両の運転席及び助手席の一方に対応して設置された音響再生装置であって、
前記第二音量計測手段が、前記運転席及び助手席に対応した前記他のスピーカからの音量をそれぞれ計測するものであり、
前記第三設定手段が、前記センタスピーカからの音量が前記運転席及び助手席に対応した他のスピーカからの音量のうち大きい方の音量以上となるように、前記車両の運転席及び助手席に対応する前記減衰手段の前記減衰値を設定するものである
ことを特徴とする請求項8記載の音響再生装置。 - 前記集音手段が、前記他のスピーカの設置位置又は前記他のスピーカの設置位置に最も近い受聴席とは異なる位置に設置された音響再生装置であって、
前記減衰値設定手段が、前記集音手段が集音した音に基づいて前記集音手段の設置位置での前記センタスピーカから出力された音の第一減衰値を計測する第一減衰値計測手段と、前記集音手段が集音した音に基づいて前記集音手段の設置位置での前記他のスピーカから出力された音の第二減衰値を計測する第二減衰値計測手段と、前記計測された第一減衰値と第二減衰値と所定減衰値とを乗じた値を前記減衰手段の減衰値として設定する第四設定手段と、を有していることを特徴とする請求項3記載の音響再生装置。 - 前記センタスピーカが、車両のフロントの中央に対応して設置され、
前記他のスピーカが、車両の運転席側後部座席及び助手席側後部座席のそれぞれに対応して設置され、
前記集音手段が、車両の運転席及び助手席の何れか一方に対応して設置された音響再生装置であって、
前記第二減衰値計測手段が、前記集音手段の設置位置での前記運転席側後部座席及び助手席側後部座席に対応する前記他のスピーカから出力された音の減衰値のうち大きい方を第二減衰値として計測するものであり、そして、
前記第四設定手段が、前記第一減衰値と前記第二減衰値と前記所定減衰値とを乗じた値を前記運転席側後部座席及び前記助手席側後部座席に対応する減衰手段の減衰値として設定するものである
ことを特徴とする請求項10記載の音響再生装置。
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- 2006-08-14 JP JP2006220915A patent/JP2008048083A/ja active Pending
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