JP2010136236A - オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム - Google Patents

オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2010136236A
JP2010136236A JP2008311842A JP2008311842A JP2010136236A JP 2010136236 A JP2010136236 A JP 2010136236A JP 2008311842 A JP2008311842 A JP 2008311842A JP 2008311842 A JP2008311842 A JP 2008311842A JP 2010136236 A JP2010136236 A JP 2010136236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
channel
audio signal
signal
volume control
controlled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008311842A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Tanaka
直也 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008311842A priority Critical patent/JP2010136236A/ja
Publication of JP2010136236A publication Critical patent/JP2010136236A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Stereophonic System (AREA)
  • Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)
  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Abstract

【課題】マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なう場合における、オーディオ信号の再生音の音質を向上させることを可能とするオーディオ信号処理装置等を提供する。
【解決手段】センターチャネルのオーディオ信号と、他のチャネルのオーディオ信号とが類似しているか否かが判定される(S112)。類似していないと判定された場合(S114でYES)、センターチャネルのオーディオ信号に対し音量制御処理Aが行なわれる(S115)。音量制御処理Aにより音量が制御された第1制御済オーディオ信号が出力される。類似していると判定された場合(S114でNO)、1以上の他のチャネルのオーディオ信号とセンターチャネルのオーディオ信号とに対し音量制御処理BNが行なわれ(S116N)、音量制御処理BNにより音量が制御された全ての第2制御済オーディオ信号が出力される。
【選択図】図2

Description

本発明は、マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なうオーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラムに関する。
オーディオ信号を再生する場合において、オーディオ信号を再生する再生装置の性能による制限、もしくは、オーディオ信号を再生する環境の制限によって、入力されたオーディオ信号のダイナミックレンジを十分に再現できないことがある。再生されるオーディオ信号のダイナミックレンジを十分に再現するためには、オーディオ信号に含まれる「大きな音」から「小さな音」までを、聴取者が聴き取れる範囲の音量で再生しなければならない。
しかしながら、再生装置に含まれるアンプやスピーカ等の性能が十分でなければ、「大きな音」の絶対音量が制限される。この場合、相対的に「小さな音」の絶対音量は、「大きな音」に対し、非常に小さくなり、「小さな音」の聴き取りが困難となる。また、再生装置の性能が十分であっても、再生する環境の制限として、例えば夜間など、音の絶対音量を大きく出来ない場合には、同様な問題が発生する。さらに、周囲雑音が大きい環境では、「小さな音」は周囲雑音によってマスキングされ、「小さな音」は聴き取りが困難となる。
上記のような小さな音が聞き取りにくいという問題は、オーディオ信号に対し、DRC(Dynamic Range Compression)処理を行なうことにより解決可能である。DRC処理は、オーディオ信号に含まれる大きな音と小さな音の音量差であるダイナミックレンジを圧縮する処理である。詳細は後述するが、DRC処理は、大きな音を小さくし、小さな音を大きくする処理である。DRC処理により、オーディオ信号のダイナミックレンジを圧縮すれば、狭いダイナミックレンジの音の再現しか出来ない条件においても、当該音の聴き取りやすさを向上することができる。
図7は、DRC処理の原理を示す図である。横軸は入力信号レベルを示す。縦軸は出力信号レベルを示す。特性線LLは、信号のレベルを変化させることなく、入力信号を出力信号として出力するリニア特性を示す。特性線DRCLは、入力信号に対しDRC処理を行なった場合における、入力信号レベルと出力信号レベルとの関係を示す。
特性線DRCLは、ゲイン変化点GPを境に2つの異なる特性A,Bを示す。特性Aは、ゲイン変化点GPより入力信号レベルが低いレベルの信号に対する特性である。特性Aは、特性線LLと同じ特性を示す。特性Bは、ゲイン変化点GPより入力信号レベルが高いレベルの信号に対する特性である。特性Bは、入力信号レベルの増分に対する出力信号レベルの増分が、特性Aを示す特性線DRCLにおける入力信号レベルの増分に対する出力信号レベルの増分より小さいという特性である。
特性線DRCLの示す特性Bにより、入力信号に含まれる、ゲイン変化点GPよりレベルの大きい音の出力信号レベルが抑制される。ただし、出力信号レベルを抑制するだけでは、全体の平均的な信号レベルが低下してしまう。そのため、特性線DRCLは、全体の平均的な信号レベルを、信号レベルFLだけ上昇させた特性線となっている。そのため、例えば、入力信号のダイナミックレンジがDLIであるとすると、特性線DRCLにより、出力信号のダイナミックレンジはDLOに変換される。
すなわち、出力信号のダイナミックレンジDLOは入力信号のダイナミックレンジDLIよりも狭くなっているため、狭いダイナミックレンジしか再現できない再生条件においても、大きな音から小さな音までを聴き取ることができる。
DRC処理では、図7に示される特性線DRCLを示すためのデータ(たとえば、関数のデータ)を使用して、入力信号のレベルから対応する出力レベルに変換するためのゲイン(以下、変換ゲイン)を算出する。そして、入力信号に対して、算出した変換ゲインを乗算する処理を行なう。DRC処理は、ハードウエアまたはソフトウエアにより実行される。
DRC処理は、入力されるオーディオ信号がマルチチャネルのオーディオ信号であっても有効である。しかしながら、マルチチャネルのオーディオ信号では、特定チャネルのオーディオ信号の特性が他チャネルの特性と大きく異なる場合がある。
特に、マルチチャネルのオーディオ信号が、映画等のコンテンツのオーディオ信号である場合、センターチャネル(以下、Cチャネルという)のオーディオ信号が、ダイアログ(せりふ)用のオーディオ信号となっていることが多い。また、この場合、Cチャネルのオーディオ信号の大部分はスピーチ信号である。ここで、スピーチ信号は、動物(たとえば、人間)の声を再生するための信号である。したがって、Cチャネルのオーディオ信号の特性は、効果音などを再生するための他チャネルのオーディオ信号と特性と大きく異なる。
ここで、他チャネルのオーディオ信号が、音量の大きい効果音を示す信号であるとする。この場合、マルチチャネルのオーディオ信号において、全てのチャネルのオーディオ信号に対し共通の音量制御を行なうと、他チャネルのオーディオ信号の信号レベルの変化に影響されて、Cチャネルのオーディオ信号の信号レベルが抑制されてしまう。その結果、人間の声(たとえば、せりふ(ダイアログ))が聴き取りにくくなるといった問題を生じる。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1では、Cチャネルのオーディオ信号とその他のチャネルのオーディオ信号とを独立して制御する技術(以下、従来技術Aという)が開示されている。
特許第4013906号公報
従来技術Aにおいては、Cチャネルのオーディオ信号とその他のチャネルのオーディオ信号とが、常に独立して制御されている。しかしながら、このような制御は、異なる性質を持つ入力オーディオ信号に対して常に最適であるとは言えない。
すなわち、Cチャネルのオーディオ信号の音響特性と、その他のチャネルのオーディオ信号との音響特性とが大きく異なる場合には、従来技術Aに示されるような独立制御が適する。一方、Cチャネルのオーディオ信号の音響特性と、その他のチャネルのオーディオ信号との音響特性とが類似している場合、従来技術Aに示されるような制御を行なうと、複数のチャネルのオーディオ信号の再生音による音場バランスが崩れてしまう。すなわち、複数のチャネルのオーディオ信号の再生音の音質が劣化してしまうという問題が生じる。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なう場合における、オーディオ信号の再生音の音質を向上させることを可能とするオーディオ信号処理装置等を提供することである。
上述の課題を解決するために、この発明のある局面に従うと、マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なうオーディオ信号処理装置は、マルチチャネルのオーディオ信号を取得する信号取得手段と、マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号と、マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号以外のオーディオ信号である特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する類似判定手段と、オーディオ信号に対し、音量を制御するための第1の音量制御を行ない、第1の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第1制御済オーディオ信号を出力する第1の音量制御手段と、オーディオ信号に対し、音量を制御するための第2の音量制御を行ない、第2の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第2制御済オーディオ信号を出力する第2の音量制御手段とを備える。第1の音量制御手段は、類似判定手段により類似していないと判定された場合、特定チャネルのオーディオ信号に対し第1の音量制御を行ない、第1の音量制御により音量が制御された第1制御済オーディオ信号を出力する。第2の音量制御手段は、類似判定手段により類似していないと判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号に対し第2の音量制御を行ない、第2の音量制御により音量が制御された全ての第2制御済オーディオ信号を出力し、類似判定手段により類似していると判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とに対し第2の音量制御を行ない、第2の音量制御により音量が制御された全ての第2制御済オーディオ信号を出力する。
すなわち、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かが判定される。類似していないと判定された場合、特定チャネルのオーディオ信号に対し第1の音量制御が行なわれ、第1の音量制御により音量が制御された第1制御済オーディオ信号が出力される。類似していると判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とに対し第2の音量制御が行なわれ、第2の音量制御により音量が制御された全ての第2制御済オーディオ信号が出力される。
つまり、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが独立して音量制御される。また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、特定チャネルのオーディオ信号および特定外チャネルオーディオ信号に対して、共通した第2の音量制御が行なわれる。
したがって、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、特定チャネルのオーディオ信号の再生音の聞き取りやすさ、すなわち、再生音の音質を向上させることができる。
また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、特定チャネルのオーディオ信号の再生音と、特定外チャネルオーディオ信号の再生音とによる音場バランスを維持することができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質の劣化を防ぐことができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質を向上させることができる。
この発明の他の局面に従うと、マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なうオーディオ信号処理装置は、マルチチャネルのオーディオ信号を取得する信号取得手段と、マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号と、マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号以外のオーディオ信号である特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する類似判定手段と、オーディオ信号に対し、音量を制御するための第1の音量制御を行ない、第1の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第1制御済オーディオ信号を出力する第1の音量制御手段と、K(K:2以上)個のオーディオ信号を、M(1≦M<K)チャネルのオーディオ信号に変換する変換手段と、類似判定手段により類似していないと判定された場合、Mチャネルのオーディオ信号を出力し、類似判定手段により類似していると判定された場合、Mチャネルのオーディオ信号に対し、音量を制御するための第3の音量制御を行ない、第3の音量制御が行なわれたオーディオ信号であるMチャネルの第3制御済オーディオ信号を出力する第3の音量制御手段とを備える。第1の音量制御手段は、特定チャネルのオーディオ信号に対し、第1の音量制御を行ない、第1の音量制御により音量が制御された第1制御済オーディオ信号を出力する。変換手段は、類似判定手段により類似していないと判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号の音量が制御された第1制御済オーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号を生成し、生成したMチャネルのオーディオ信号を第3の音量制御手段へ送信し、類似判定手段により類似していると判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号を生成し、生成したMチャネルのオーディオ信号を第3の音量制御手段へ送信する。
すなわち、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かが判定される。特定チャネルのオーディオ信号に対し、第1の音量制御を行ない、第1の音量制御により音量が制御された第1制御済オーディオ信号が出力される。類似していないと判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号の音量が制御された第1制御済オーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号が生成される。
類似していると判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号が生成される。また、類似していないと判定された場合、Mチャネルのオーディオ信号が出力される。また、類似していると判定された場合、Mチャネルのオーディオ信号に対し、第3の音量制御が行なわれ、第3の音量制御が行なわれたオーディオ信号であるMチャネルの第3制御済オーディオ信号が出力される。
すなわち、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と、第1の音量制御により独立して音量制御された第1制御済オーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号が生成され、生成されたMチャネルのオーディオ信号が出力される。
また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号が生成される。この場合、Mチャネルのオーディオ信号に対し、共通した第3の音量制御が行なわれ、第3の音量制御が行なわれたオーディオ信号であるMチャネルの第3制御済オーディオ信号が出力される。
つまり、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、出力されるMチャネルのオーディオ信号は、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と、独立して音量制御された第1制御済オーディオ信号とを使用して生成された信号である。そのため、出力されるMチャネルのオーディオ信号の再生時における、第1制御済オーディオ信号の再生音の聞き取りやすさ、すなわち、再生音の音質を向上させることができる。
また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とを使用して生成されたMチャネルのオーディオ信号に対し、共通した第3の音量制御が行なわれ、Mチャネルの第3制御済オーディオ信号が出力される。そのため、Mチャネルの第3制御済オーディオ信号の再生時における、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音場バランスを維持することができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質の劣化を防ぐことができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質を向上させることができる。
本発明によれば、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かが判定される。類似していないと判定された場合、特定チャネルのオーディオ信号に対し第1の音量制御が行なわれ、第1の音量制御により音量が制御された第1制御済オーディオ信号が出力される。類似していると判定された場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とに対し第2の音量制御が行なわれ、第2の音量制御により音量が制御された全ての第2制御済オーディオ信号が出力される。
つまり、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが独立して音量制御される。また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、特定チャネルのオーディオ信号および特定外チャネルオーディオ信号に対して、共通した第2の音量制御が行なわれる。
したがって、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、特定チャネルのオーディオ信号の再生音の聞き取りやすさ、すなわち、再生音の音質を向上させることができる。
また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、特定チャネルのオーディオ信号の再生音と、特定外チャネルオーディオ信号の再生音とによる音場バランスを維持することができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質の劣化を防ぐことができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質を向上させることができる。
また、本発明によれば、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と、第1の音量制御により独立して音量制御された第1制御済オーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号が生成され、生成されたMチャネルのオーディオ信号が出力される。
また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号が生成される。この場合、Mチャネルのオーディオ信号に対し、共通した第3の音量制御が行なわれ、第3の音量制御が行なわれたオーディオ信号であるMチャネルの第3制御済オーディオ信号が出力される。
つまり、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似していない場合、出力されるMチャネルのオーディオ信号は、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と、独立して音量制御された第1制御済オーディオ信号とを使用して生成された信号である。そのため、出力されるMチャネルのオーディオ信号の再生時における、第1制御済オーディオ信号の再生音の聞き取りやすさ、すなわち、再生音の音質を向上させることができる。
また、特定チャネルのオーディオ信号と、特定外チャネルオーディオ信号とが類似している場合、1以上の特定外チャネルオーディオ信号と特定チャネルのオーディオ信号とを使用して生成されたMチャネルのオーディオ信号に対し、共通した第3の音量制御が行なわれ、Mチャネルの第3制御済オーディオ信号が出力される。そのため、Mチャネルの第3制御済オーディオ信号の再生時における、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音場バランスを維持することができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質の劣化を防ぐことができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
本実施の形態においては、オーディオ信号に対し、前述したDRC処理が行なわれることを前提とする。なお、オーディオ信号に対し、前述したDRC処理が行なわれなくてもよい。
(オーディオ信号処理装置の構成)
図1は、本実施の形態におけるオーディオ信号処理装置1000の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、オーディオ信号処理装置1000は、信号取得部50と、音量制御部100とを含む。
信号取得部50は、外部からマルチチャネルのオーディオ信号MAを取得する。以下においては、オーディオ信号を、単に、AD信号という。本実施の形態では、マルチチャネルのAD信号は、6チャネルのAD信号であるとする。なお、マルチチャネルのAD信号は、6チャネルのAD信号に限定されることなく、たとえば、7チャネルのAD信号であってもよい。
マルチチャネルのAD信号MAは、レフトチャネル、ライトチャネル、センターチャネル、サラウンドレフトチャネル、サラウンドライトチャネルおよびLFE(Low Frequency Effect)チャネルのAD信号を含む。LFEチャネルのAD信号は低周波成分のAD信号である。以下においては、レフトチャネル、ライトチャネル、センターチャネル、サラウンドレフトチャネルおよびサラウンドライトチャネルを、それぞれ、Lチャネル、Rチャネル、Cチャネル、LsチャネルおよびRsチャネルという。
すなわち、信号取得部50は、Lチャネル、Rチャネル、Cチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号の信号レベルを取得する。以下においては、信号取得部50が取得した各チャネルのAD信号の信号レベルを、入力信号レベルという。
信号取得部50は、取得したLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、Rsチャネル、LFEチャネルおよびCチャネルのAD信号を、音量制御部100へ送信する。
音量制御部100は、受信した各チャネルのAD信号に対し音量制御を行なう。また、音量制御部100は、音量制御したAD信号を外部へ出力する。
音量制御部100は、第1音量制御部111と、第2音量制御部112と、類似判定部115と、切替部SW1,SW2とを含む。
信号取得部50は、取得したCチャネルのAD信号を、切替部SW1および類似判定部115へ送信する。また、信号取得部50は、取得したLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号を、第2音量制御部112へ送信する。
類似判定部115は、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号との類似度を算出する。以下においては、CチャネルのAD信号の再生音を出力するスピーカを、センタースピーカという。また、以下においては、LチャネルのAD信号の再生音を出力するスピーカを、レフトスピーカという。また、以下においては、RチャネルのAD信号の再生音を出力するスピーカを、ライトスピーカという。
センタースピーカは、一般的に、レフトスピーカとライトスピーカとの間に配置される。また、センタースピーカは、一般的に、聴取者の前方に配置される。ここで、マルチチャネルのAD信号MAが、たとえば、音楽ライブ等の自然音の信号であるとする。この場合、センタースピーカ、レフトスピーカおよびライトスピーカからそれぞれ出力される3つの再生音の類似度は高い。
一方、マルチチャネルのAD信号MAが、たとえば、映画等のコンテンツの信号である場合、CチャネルのAD信号の所定比率(たとえば、80%)以上の部分が、前述したスピーチ信号である場合が多い。また、マルチチャネルのAD信号MAが、映画等のコンテンツの信号である場合、LチャネルおよびRチャネルのAD信号は、主に効果音等の信号である場合が多い。すなわち、マルチチャネルのAD信号MAが、たとえば、映画等のコンテンツの信号である場合、CチャネルのAD信号と、LチャネルおよびRチャネルのAD信号との類似度は低くなる。
そのため、本実施の形態では、CチャネルのAD信号に対する類似度を算出するための信号を、LチャネルおよびRチャネルのAD信号とする。そのため、信号取得部50は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号を類似判定部115へ送信する。なお、類似度を算出するための信号は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号に限定されることなく、他のチャネルの信号であってもよい。
以下の説明において、信号および信号線の2値的な高電圧状態および低電圧状態を、それぞれ、「Hレベル」および「Lレベル」とも称する。
類似判定部115は、詳細は後述するが、HレベルまたはLレベルの制御信号CTを、切替部SW1,SW2へ送信する。
切替部SW1は、信号取得部50から、CチャネルのAD信号を受信する。切替部SW1は、Hレベルの制御信号CTを受信した場合、CチャネルのAD信号を、第1音量制御部111へ送信する。また、切替部SW1は、Lレベルの制御信号CTを受信した場合、CチャネルのAD信号を、第2音量制御部112へ送信する。
第1音量制御部111は、CチャネルのAD信号を受信した場合、受信したCチャネルのAD信号に対し、後述する音量制御処理Aを行なう。以下においては、音量制御処理Aが行なわれたAD信号を、第1制御済AD信号という。なお、第1音量制御部111は、予め、図7に示される特性線DRCLを示すためのデータ(たとえば、関数のデータ)を記憶しているとする。
第1音量制御部111は、第1制御済AD信号を、切替部SW2へ送信する。
第2音量制御部112は、信号取得部50から、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号を受信する。また、第2音量制御部112は、切替部SW1がLレベルの制御信号CTを受信した場合、CチャネルのAD信号を受信する。
第2音量制御部112は、受信した複数のAD信号に対し、後述する音量制御処理Bまたは音量制御処理BNを行なう。以下においては、音量制御処理Bまたは音量制御処理BNが行なわれたAD信号を、第2制御済AD信号という。第2音量制御部112は、音量制御処理Bまたは音量制御処理BNを行なった後、複数の第2制御済AD信号を、それぞれ、対応する複数のスピーカ(図示せず)へ送信する。
第2音量制御部112から出力される複数の第2制御済AD信号は、それぞれ、図1のAD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’である。AD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’の各々は、対応するAD信号の再生音を出力するためのスピーカへ送信される。AD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’の各々に対応するスピーカは、受信したAD信号の再生音を出力する。
なお、第2音量制御部112は、CチャネルのAD信号を受信した場合、第2制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号を、切替部SW2へ送信(出力)する。なお、第2音量制御部112は、予め、図7に示される特性線DRCLを示すためのデータ(たとえば、関数のデータ)を記憶しているとする。
切替部SW2は、Hレベルの制御信号CTを受信した場合、第1制御済AD信号を受信する。この場合、切替部SW2は、受信した第1制御済AD信号を、センタースピーカ(図示せず)へ送信する。
また、切替部SW2は、Lレベルの制御信号CTを受信した場合、第2制御済AD信号を受信する。この場合、切替部SW2は、受信した第2制御済AD信号を、センタースピーカ(図示せず)へ送信する。切替部SW2から出力されるAD信号は、図1のAD信号C’である。すなわち、AD信号C’は、第1制御済AD信号または第2制御済AD信号である。すなわち、図示しないセンタースピーカは、第1制御済AD信号または第2制御済AD信号の再生音を出力する。
以上の処理により、音量制御部100は、マルチチャネルのAD信号MAに対し音量制御することにより得られるマルチチャネルのAD信号MA’を外部(スピーカ)へ出力する。マルチチャネルのAD信号MA’は、第2音量制御部112から出力される複数の第2制御済AD信号(AD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’)と、切替部SW2から出力されるAD信号C’(第1制御済AD信号または第2制御済AD信号)とを含む信号である。
(音量制御)
次に、マルチチャネルのAD信号の音量制御を行なうための処理(以下、マルチチャネル音量制御処理という)について説明する。なお、前述したように、本実施の形態においては、マルチチャネルのAD信号に対し、前述したDRC処理が行なわれるとする。
図2は、マルチチャネル音量制御処理のフローチャートである。図2に示されるように、マルチチャネル音量制御処理では、まず、ステップS111の処理が行なわれる。
ステップS111では、信号取得処理が行なわれる。信号取得処理では、信号取得部50が、外部(例えば、他の回路)からマルチチャネルのAD信号MAを取得する。マルチチャネルのAD信号MAは、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、Rsチャネル、LFEチャネルおよびCチャネルのAD信号を含む。
信号取得部50は、取得したLチャネルおよびRチャネルのAD信号を類似判定部115へ送信する。また、信号取得部50は、取得したCチャネルのAD信号を、切替部SW1および類似判定部115へ送信する。また、信号取得部50は、取得したLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号を、第2音量制御部112へ送信する。
ステップS112では、類似判定処理が行なわれる。類似判定処理では、類似判定部115が、受信したCチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号とが類似しているか否かを判定する。まず、類似判定部115は、受信したCチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号との類似度を算出する。
本実施の形態では、前述した理由から、類似度を算出するための信号を、LチャネルおよびRチャネルのAD信号とする。なお、類似度を算出するための信号は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号に限定されることなく、他のチャネルの信号であってもよい。例えば、類似度を算出するための信号は、複数の他のチャネルのAD信号の和信号、例えば、(L+R)/2で求められる信号であってもよい。
具体的には、類似判定部115が、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号との相互相関値CCを算出する。ここで、2つの信号を、x、yと表すとする。また、2つの信号レベルをx(i)、y(i)と表すとする。ある期間において、n個のサンプル点の信号レベルを取得する場合、2つの信号x,yの相互相関値CCは、以下の式(1)より算出される。
Figure 2010136236
式(1)において、x(i),y(i)は、i番目のサンプル点の信号レベルを示す。
相互相関値CCは、“−1”〜“1”の範囲の値をとる。2つの信号の相互相関値CCが“1”の場合、当該2つの信号は同じ信号であることになる。そのため、2つの信号の相互相関値CCが“1”に近い程、当該2つの信号の音響特性の類似度は高い。すなわち、2つの信号の相互相関値CCは、2つの信号の類似度を示す。すなわち、2つの信号の相互相関値CCを算出することは、2つの信号の類似度を算出することともいえる。
なお、2つの信号の相互相関値CCが“0”に近い場合、当該2つの信号の類似度は低い(無相関である)ことを示す。また、2つの信号の相互相関値CCが“−1” に近い場合、当該2つの信号は逆相関係となる。
類似判定部115は、算出した、2つの信号の相互相関値CCが所定値(例えば、“0.7”)以上の場合、当該2つの信号の音響特性が類似していると判定する。一方、類似判定部115は、算出した、2つの信号の相互相関値CCが所定値(例えば、“0.7”)未満の場合、当該2つの信号が類似していないと判定する。
ここで、相互相関値CCを算出するための他のチャネルのAD信号は、LチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号であるとする。この場合、類似判定部115は、まず、CチャネルのAD信号と、LチャネルのAD信号との相互相関値CCを式(1)により算出する。算出された相互相関値CCが、所定値以上の場合、類似判定部115は、CチャネルのAD信号と、LチャネルのAD信号とが類似していると判定する。算出された相互相関値CCが所定値未満の場合、CチャネルのAD信号と、LチャネルのAD信号とが類似していないと判定する。
類似判定部115は、前述の2つの信号の相互相関値CCを算出する処理と、2つの信号が類似しているか否かの判定の処理とを、CチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号に対しても、前述のCチャネルのAD信号およびLチャネルのAD信号の場合と同様に行なう。
ステップS113では、切替処理が行なわれる。切替処理では、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していないと、類似判定部115により判定された場合、類似判定部115は、Hレベルの制御信号CTを切替部SW1,SW2へ送信する。Hレベルの制御信号CTは、切替部SW1に、CチャネルのAD信号を第1音量制御部111へ送信させるための信号である。また、Hレベルの制御信号CTは、切替部SW2に、第1音量制御部111から受信するAD信号を、センタースピーカ(図示せず)へ送信させるための信号でもある。
なお、類似判定部115が、Hレベルの制御信号CTを切替部SW1,SW2へ送信するのは、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していない場合に限定されない。たとえば、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似していないと判定された場合に、類似判定部115がHレベルの制御信号CTを切替部SW1,SW2へ送信してもよい。
また、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似していると、類似判定部115により判定された場合、類似判定部115は、Lレベルの制御信号CTを切替部SW1へ送信する。Lレベルの制御信号CTは、切替部SW1に、CチャネルのAD信号を第2音量制御部112へ送信させるための信号である。
切替部SW1は、Hレベルの制御信号CTを受信すると、信号取得部50から受信したCチャネルのAD信号を第1音量制御部111へ送信する。また、切替部SW1は、Lレベルの制御信号CTを受信すると、信号取得部50から受信したCチャネルのAD信号を第2音量制御部112へ送信する。
ステップS114では、2つの信号が類似していないか否かが判定される。具体的には、類似判定部115が、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していないと判定されたか否かを判定する。
ステップS114において、YESならば、処理はステップS115に進む。ステップS114において、YESと判定される場合、第1音量制御部111は、前述の処理により、CチャネルのAD信号を受信している。一方、ステップS114において、NOならば、処理は後述するステップS116Nに移行する。
ステップS115では、音量制御処理Aが行なわれる。音量制御処理Aでは、第1音量制御部111が、CチャネルのAD信号の入力信号レベルと、図7に示される特性線DRCLとにより、出力信号レベルを算出する。
そして、第1音量制御部111は、CチャネルのAD信号の入力信号レベルと、算出した出力信号レベルとから、変換ゲインCGAを算出する。変換ゲインCGAは、(算出した出力信号レベル)/(CチャネルのAD信号の入力信号レベル)により算出される。
そして、第1音量制御部111は、CチャネルのAD信号の入力信号レベルに、算出した変換ゲインCGAを乗算することにより、CチャネルのAD信号の入力信号レベルを変更する。なお、変換ゲインCGAの値が“1”の場合、CチャネルのAD信号の入力信号レベルは変更されない。前述したように、音量制御処理Aが行なわれたAD信号は、第1制御済AD信号である。そして、この音量制御処理Aは終了する。
そして、第1音量制御部111は、第1制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号を、切替部SW2へ送信する。ここで、切替部SW2は、類似判定部115からHレベルの制御信号CTを受信しているとする。この場合、切替部SW2は、第1制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号(AD信号C’)を、センタースピーカ(図示せず)へ送信する。センタースピーカは、第1制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号(AD信号C’)の再生音を出力する。
ステップS116では、音量制御処理Bが行なわれる。音量制御処理Bでは、第2音量制御部112が、信号取得部50から受信したLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号の入力信号レベルの平均値を算出する。そして、第2音量制御部112は、算出した平均値のレベルを、算出した入力信号レベルとする。なお、入力信号レベルの算出方法は上記方法に限定されない。そして、算出した入力信号レベル(算出した平均値のレベル)と、図7に示される特性線DRCLとにより、出力信号レベルを算出する。
そして、第2音量制御部112は、算出した入力信号レベルと、算出した出力信号レベルとから、変換ゲインCGBを算出する。変換ゲインCGBは、(算出した出力信号レベル)/(算出した入力信号レベル)により算出される。
そして、第2音量制御部112は、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号の入力信号レベルの各々に、算出した変換ゲインCGBを乗算することにより、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号の入力信号レベルを変更する。
すなわち、変換ゲインCGBは、複数のAD信号に対して共通の変換ゲインとなる。なお、変換ゲインCGBの値が“1”の場合、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号の入力信号レベルは変更されない。前述したように、音量制御処理Bが行なわれたAD信号は、第2制御済AD信号である。
そして、第2音量制御部112は、第2制御済AD信号としてのLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号(AD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’)を、それぞれ、対応する複数のスピーカ(図示せず)へ送信する。AD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’の各々に対応するスピーカは、受信したAD信号の再生音を出力する。
そして、このマルチチャネル音量制御処理は終了する。
次に、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似していると判定された場合の処理について説明する。この場合、ステップS114でNOと判定され、ステップS116Nの処理が行なわれる。この場合、第2音量制御部112は、前述の処理により、CチャネルのAD信号を受信している。
ステップS116Nでは、音量制御処理BNが行なわれる。音量制御処理BNでは、第2音量制御部112が、受信したLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、Rsチャネル、LFEチャネルおよびCチャネルのAD信号の入力信号レベルの平均値を算出する。そして、ステップS116の音量制御処理Bと同様に、出力信号レベルが算出される。そして、音量制御処理Bと同様に、変換ゲインCGBが算出される。
そして、第2音量制御部112は、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、Rsチャネル、LFEチャネルおよびCチャネルのAD信号の入力信号レベルの各々に、算出した変換ゲインCGBを乗算することにより、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、Rsチャネル、LFEチャネルおよびCチャネルのAD信号の入力信号レベルを変更する。
すなわち、変換ゲインCGBは、複数のAD信号に対して共通の変換ゲインとなる。
なお、変換ゲインCGBの値が“1”の場合、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、Rsチャネル、LFEチャネルおよびCチャネルのAD信号の入力信号レベルは変更されない。前述したように、音量制御処理BNが行なわれたAD信号は、第2制御済AD信号である。
そして、第2音量制御部112は、第2制御済AD信号としてのLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号(AD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’)を、それぞれ、対応する複数のスピーカ(図示せず)へ送信する。AD信号L’,R’,Ls’,Rs’,LFE’の各々に対応するスピーカは、受信したAD信号の再生音を出力する。
また、第2音量制御部112は、第2制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号を、切替部SW2へ送信する。ここで、切替部SW2は、類似判定部115からLレベルの制御信号CTを受信しているとする。この場合、切替部SW2は、第2制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号(AD信号C’)を、センタースピーカ(図示せず)へ送信する。センタースピーカは、第2制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号(AD信号C’)の再生音を出力する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、マルチチャネルのAD信号の音量制御を行なう場合、CチャネルのAD信号が他のチャネルのAD信号と類似していない場合、たとえば、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していない場合、CチャネルのAD信号の信号レベルと、他のチャネル(Lチャネル、Rチャネル等)のAD信号の信号レベルとは、独立して制御される。すなわち、CチャネルのAD信号と他のチャネルのAD信号とは、独立して音量制御される。
また、CチャネルのAD信号が他のチャネルのAD信号と類似している場合、たとえば、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似している場合、マルチチャネルのAD信号MAに含まれる全てのチャネルのAD信号の信号レベルが、共通に制御される。
したがって、マルチチャネルのAD信号MAが、たとえば、映画等のコンテンツの信号であり、CチャネルのAD信号の所定比率(たとえば、80%)以上の部分が、前述したスピーチ信号である場合、CチャネルのAD信号が他のチャネルのAD信号と類似していないと判定される。この場合、スピーチ信号を含むCチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号とは、独立して音量制御される。なお、スピーチ信号は、人間の声を再生するための信号である。
そのため、スピーチ信号(CチャネルのAD信号)の再生音が、他のチャネルのAD信号の再生音により聞き取りにくくなることを防ぐことができる。すなわち、人間のせりふ等が、聞き取りにくくなることを防ぐことができる。すなわち、スピーチ信号(CチャネルのAD信号)の再生音の聞き取りやすさ、すなわち、再生音の音質を向上することができる。
また、チャネルのAD信号が他のチャネルのAD信号と類似している場合、マルチチャネルのAD信号MAに含まれる全てのチャネルのAD信号の信号レベルが、共通に制御される。したがって、全てのチャネルのAD信号の再生音による音場バランスを維持することができる。すなわち、各チャネルの再生音の音質の劣化を防ぐことができる。すなわち、各チャネルの再生音の音質を向上させることができる。
すなわち、本実施の形態によれば、マルチチャネルのAD信号の音量制御を行なう場合、各チャネルのAD信号の音響特性に合わせたダイナミックレンジ制御(音量制御)を行なう。これにより、異なる性質のAD信号の音響特性に適応して、最適な音量制御を行なうことができる。したがって、各チャネルのAD信号の再生音の聞き取りやすさと、各チャネルのAD信号の再生音の音質とを向上することができる。
特に、CチャネルのAD信号に含まれるスピーチ信号の再生音(たとえば、人間のせりふ(ダイアログ))の聞き取りやすさを向上させることができるとともに、マルチチャネルのAD信号を再生する場合における、音場バランスを維持することができる。
<第1の実施の形態の変形例1>
次に、信号の類似判定の他の例について説明する。
第1の実施の形態の変形例1において行なわれる以下の処理は、図1のオーディオ信号処理装置1000により行なわれる。
(音量制御)
次に、第1の実施の形態の変形例1におけるマルチチャネルのAD信号の音量制御を行なうための処理(以下、マルチチャネル音量制御処理Aという)について説明する。なお、本実施の形態の変形例1においても、第1の実施の形態と同様、マルチチャネルのAD信号に対し、前述したDRC処理が行なわれるとする。
図3は、マルチチャネル音量制御処理Aのフローチャートである。図3に示されるように、マルチチャネル音量制御処理Aは、図2のマルチチャネル音量制御処理と比較して、ステップS112の代わりにステップS112Aの処理が行なわれる点が異なる。それ以外は、マルチチャネル音量制御処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS112Aでは、類似判定処理Aが行なわれる。類似判定処理Aでは、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号とが類似しているか否かが判定される。本実施の形態の変形例においては、判定に使用する他のチャネルのAD信号は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号とする。なお、判定に使用される他のチャネルのAD信号は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号に限定されることなく、他のチャネルの信号であってもよい。
具体的には、類似判定部115が、受信したCチャネル、LチャネルおよびRチャネルのAD信号において、各チャネルのAD信号(以下、判定対象AD信号という)の所定比率(たとえば、80%)以上の部分が、前述したスピーチ信号であるか否かを判定する。判定対象AD信号の所定比率以上の部分が、スピーチ信号であるか否かの判定は、以下のスピーチ信号判定処理により行なわれる。
スピーチ信号判定処理では、類似判定部115が、判定対象AD信号の所定比率以上の部分の周波数特性の変化、判定対象AD信号の所定比率以上の部分における時間的な信号レベルの変化、判定対象AD信号の所定比率以上の部分の時間周期性(ピッチ周期)等を分析する。
そして、類似判定部115は、分析した結果に基づいて、判定対象AD信号の所定比率以上の部分がスピーチ信号である確率が、所定の値(たとえば、90%)以上である場合、類似判定部115は、判定対象AD信号の所定比率以上の部分が、スピーチ信号であると判定する。
所定比率以上の部分がスピーチ信号であると判定された判定対象AD信号が、CチャネルのAD信号のみである場合、類似判定部115は、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号(LチャネルおよびRチャネルのAD信号)とが類似していないと判定する。
一方、所定比率以上の部分がスピーチ信号であると判定された判定対象AD信号が、Cチャネル、LチャネルおよびRチャネルのAD信号のうち、少なくとも2つのチャネルのAD信号である場合、類似判定部115は、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号(LチャネルおよびRチャネルのAD信号)とが類似していると判定する。なお、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号とが類似しているか否かの判定は、上記条件に限定されない。
以上の処理が行なわれることにより、本実施の形態の変形例1においても、第1の実施の形態で得られる効果と同じ効果を得ることができる。
<第1の実施の形態の変形例2>
第1の実施の形態では、図2のステップS112の類似判定処理において、相互相関値CCを用いて、信号の類似判定を行なっていた。また、第1の実施の形態の変形例1では、図3のステップS112Aの類似判定処理Aにおいて、CチャネルのAD信号の所定比率以上の部分がスピーチ信号であるか否かを判定することにより、信号の類似判定を行なっていた。
相互相関値CCを用いた信号の類似判定では、「音響特性として無相関な信号」と「位相ずれによる無相関な信号」との区別ができない。そのため、相互相関値CCを用いた信号の類似判定では、類似度が低い側の判定に曖昧さがある。
また、所定比率以上の部分がスピーチ信号であるか否かの判定では、Cチャネル、LチャネルおよびRチャネルのAD信号の所定比率以上の部分がスピーチ信号であることは判定できるが、各チャネルに対応するスピーチ信号が、同じスピーチ信号であるかは判定できない。つまり、類似度が高い側の判定に曖昧さがある。
したがって、ステップS112の類似判定処理における信号の類似判定方法と、ステップS112Aの類似判定処理Aにおける信号の類似判定方法とを組み合わせることによって、2つの類似判定方法における上述した欠点を補うことができる。すなわち、類似判定処理における信号の類似判定方法と、類似判定処理Aにおける信号の類似判定方法とを組み合わせることによって、類似度が高い側および低い側のいずれにおいても、高い精度で信号の類似判定を行うことが可能となる。
第1の実施の形態の変形例2では、類似判定処理における信号の類似判定方法と、類似判定処理Aにおける信号の類似判定方法とを組み合わせた信号の類似判定を行なう。
第1の実施の形態の変形例2において行なわれる以下の処理は、図1のオーディオ信号処理装置1000により行なわれる。
(音量制御)
次に、第1の実施の形態の変形例におけるマルチチャネルのAD信号の音量制御を行なうための処理(以下、マルチチャネル音量制御処理Bという)について説明する。なお、本実施の形態の変形例2においても、第1の実施の形態と同様、マルチチャネルのAD信号に対し、前述したDRC処理が行なわれるとする。
図4は、マルチチャネル音量制御処理Bのフローチャートである。図4に示されるように、マルチチャネル音量制御処理Bは、図2のマルチチャネル音量制御処理と比較して、ステップS112の代わりにステップS112Bの処理が行なわれる点が異なる。それ以外は、マルチチャネル音量制御処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS112Bでは、類似判定処理Bが行なわれる。類似判定処理Bでは、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号とが類似しているか否かが判定される。本実施の形態の変形例においては、判定に使用する他のチャネルのAD信号は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号とする。なお、判定に使用される他のチャネルのAD信号は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号に限定されることなく、他のチャネルの信号であってもよい。
具体的には、類似判定部115が、受信したCチャネル、LチャネルおよびRチャネルのAD信号において、各チャネルのAD信号(以下、判定対象AD信号という)の所定比率(たとえば、80%)以上の部分が、前述したスピーチ信号であるか否かを判定する。判定対象AD信号の所定比率以上の部分が、スピーチ信号であるか否かの判定は、図3のステップS112Aで説明したスピーチ信号判定処理により行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。
そして、類似判定部115が、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号(LチャネルのAD信号、RチャネルのAD信号)との相互相関値CCを算出する。相互相関値CCの算出方法は、図2のステップS112で説明した算出方法と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
上記処理により、以下の条件Aおよび条件Bが満たされた場合、類似判定部115は、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していないと判定する。条件Aは、所定比率以上の部分がスピーチ信号であると判定された判定対象AD信号が、CチャネルのAD信号のみであるという条件である。条件Bは、CチャネルのAD信号とLチャネルのAD信号との相互相関値CCおよびCチャネルのAD信号とRチャネルのAD信号との相互相関値CCが、所定値(例えば、“0.7”)未満であるという条件である。
また、上記処理により、以下の条件Cおよび条件Dが満たされた場合、類似判定部115は、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似していないと判定する。条件Cは、所定比率以上の部分がスピーチ信号であると判定された判定対象AD信号が、Cチャネル、LチャネルおよびRチャネルのAD信号のうち、少なくとも2つのチャネルのAD信号であるという条件である。条件Dは、CチャネルのAD信号とLチャネルのAD信号との相互相関値CCおよびCチャネルのAD信号とRチャネルのAD信号との相互相関値CCの少なくとも一方が、所定値(例えば、“0.7”)以上であるという条件である。
なお、前述した条件A,B,C,Dの内容は、上記内容に限定されるものでなく、他の内容であってもよい。
以上の処理が行なわれることにより、本実施の形態の変形例2においても、第1の実施の形態で得られる効果と同じ効果を得ることができる。また、前述した類似判定処理Bが行なわれることにより、高い精度で信号の類似判定を行うことが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態においては、オーディオ信号に対し、前述したDRC処理が行われることを前提とするが、オーディオ信号に対し、前述したDRC処理が行われなくてもよい。
(オーディオ信号処理装置の構成)
図5は、本実施の形態におけるオーディオ信号処理装置1000Aの構成を示すブロック図である。図5に示されるように、オーディオ信号処理装置1000Aは、図1のオーディオ信号処理装置1000と比較して、音量制御部100の代わりに音量制御部100Aを含む点が異なる。それ以外は、オーディオ信号処理装置1000と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
音量制御部100Aは、第1音量制御部111と、第3音量制御部113と、類似判定部115と、ダウンミックス部116と、切替部SW3とを含む。
信号取得部50は、CチャネルのAD信号を、第1音量制御部111、切替部SW3および類似判定部115へ送信する。また、信号取得部50は、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号を、ダウンミックス部116へ送信する。また、信号取得部50は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号を類似判定部115へ送信する。
第1音量制御部111および類似判定部115については、第1の実施の形態で説明したので詳細な説明は繰り返さない。
第1音量制御部111は、CチャネルのAD信号を受信した場合、受信したCチャネルのAD信号に対し、前述した音量制御処理Aを行なう。なお、第1音量制御部111は、予め、図7に示される特性線DRCLを示すためのデータ(たとえば、関数のデータ)を記憶しているとする。第1音量制御部111は、第1制御済AD信号を、切替部SW3へ送信する。
類似判定部115は、詳細は後述するが、HレベルまたはLレベルの制御信号CTを、切替部SW3および第3音量制御部113へ送信する。
切替部SW3は、Hレベルの制御信号CTを受信した場合、受信した第1制御済AD信号を、ダウンミックス部116へ送信する。また、切替部SW3は、Lレベルの制御信号CTを受信した場合、受信したCチャネルのAD信号を、ダウンミックス部116へ送信する。
ダウンミックス部116は、3チャネル以上のAD信号を、2チャネルのAD信号に変換(ダウンミックス)する。具体的には、ダウンミックス部116は、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号と、CチャネルのAD信号または第1制御済AD信号とを使用して、2チャネルのAD信号(ステレオ信号STA)を生成する。すなわち、ダウンミックス部116は、6個のAD信号を、2チャネルのAD信号(ステレオ信号STA)に変換する。ステレオ信号STAは、LチャネルのAD信号Ldと、RチャネルのAD信号Rdとを含む。
ダウンミックス部116は、AD信号LdおよびAD信号Rdを含むステレオ信号STAを、第3音量制御部113へ送信する。
第3音量制御部113は、類似判定部115からLレベルの制御信号CTを受信した場合、受信した2個のAD信号に対し、後述する音量制御処理Cを行なう。以下においては、音量制御処理Cが行なわれたAD信号を、第3制御済AD信号という。
第3音量制御部113は、Lレベルの制御信号CTを受信した場合、2個の第3制御済AD信号を、それぞれ、対応する複数のスピーカ(図示せず)へ送信する。第3音量制御部113から出力される2個の第3制御済AD信号は、それぞれ、図5のAD信号Ld’,Rd’である。すなわち、第3音量制御部113は、第3制御済AD信としてのAD信号Ld’,Rd’を含む2チャネルのAD信号STA’を、スピーカへ送信する。
なお、第3音量制御部113は、類似判定部115からHレベルの制御信号CTを受信した場合、受信した2個のAD信号を、そのまま、対応する複数のスピーカ(図示せず)へ送信する。この場合、第3音量制御部113から出力される2個のAD信号は、それぞれ、図5のAD信号Ld’,Rd’である。すなわち、第3音量制御部113は、AD信号Ld’,Rd’を含む2チャネルのAD信号STA’を、スピーカへ送信する。AD信号Ld’,Rd’の各々に対応するスピーカは、受信したAD信号の再生音を出力する。
(音量制御)
次に、本実施の形態における、マルチチャネルのAD信号の音量制御を行なうための処理(以下、マルチチャネル音量制御処理Nという)について説明する。なお、前述したように、本実施の形態においては、マルチチャネルのAD信号に対し、前述したDRC処理が行なわれるとする。
図6は、マルチチャネル音量制御処理Nのフローチャートである。図6において、図2のステップ番号と同じステップ番号の処理は、第1の実施の形態で説明した処理と同様な処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。図6に示されるように、マルチチャネル音量制御処理Nでは、まず、ステップS211の処理が行なわれる。
ステップS211では、信号取得処理Nが行なわれる。信号取得処理Nでは、信号取得部50が、外部(例えば、他の回路)からマルチチャネルのAD信号MAを取得する。マルチチャネルのAD信号MAは、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、Rsチャネル、LFEチャネルおよびCチャネルのAD信号を含む。
信号取得部50は、取得したCチャネルのAD信号を、第1音量制御部111、切替部SW3および類似判定部115へ送信する。また、信号取得部50は、Lチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号を、ダウンミックス部116へ送信する。また、信号取得部50は、LチャネルおよびRチャネルのAD信号を類似判定部115へ送信する。
ステップS112では、第1の実施の形態で説明したのと同様に、類似判定処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS213では、切替処理Nが行なわれる。切替処理Nでは、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していないと、類似判定部115により判定された場合、類似判定部115は、Hレベルの制御信号CTを切替部SW3および第3音量制御部113へ送信する。Hレベルの制御信号CTは、切替部SW3に、第1音量制御部111から受信した第1制御済AD信号を、ダウンミックス部116へ送信させるための信号である。また、第3音量制御部113は、Hレベルの制御信号CTを受信した場合、後述する音量制御処理Cを行なわない。
なお、類似判定部115が、Hレベルの制御信号CTを切替部SW3へ送信するのは、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していない場合に限定されない。たとえば、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似していないと判定された場合に、類似判定部115がHレベルの制御信号CTを切替部SW3および第3音量制御部113へ送信してもよい。
また、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似していると、類似判定部115により判定された場合、類似判定部115は、Lレベルの制御信号CTを切替部SW3および第3音量制御部113へ送信する。Lレベルの制御信号CTは、切替部SW3に、CチャネルのAD信号をダウンミックス部116へ送信させるための信号である。また、第3音量制御部113は、Lレベルの制御信号CTを受信した場合、後述する音量制御処理Cを行なう。
ステップS115では、第1の実施の形態で説明したのと同様に、音量制御処理Aが行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。この処理により、第1制御済AD信号が得られる。
そして、第1音量制御部111は、第1制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号を、切替部SW3へ送信する。
ここで、切替部SW3は、類似判定部115からHレベルの制御信号CTを受信しているとする。この場合、切替部SW3は、受信した第1制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号を、ダウンミックス部116へ送信する。
ステップS214では、第1の実施の形態で説明したのと同様に、2つの信号が類似していないか否かが判定される。具体的には、類似判定部115が、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していないと判定されたか否かを判定する。ステップS214の処理は、図2のステップS114の処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。ステップS214において、YESならば、処理はステップS216に移行する。一方、ステップS214において、NOならば、処理は後述するステップS216Nに移行する。
ステップS216では、ダウンミックス処理NAが行なわれる。ダウンミックス処理NAでは、ダウンミックス部116が、受信したLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号と、第1制御済AD信号としてのCチャネルのAD信号とを使用して、2チャネルのAD信号(ステレオ信号STA)を生成する。すなわち、6チャネルのAD信号を、ダウンミックス処理により、2チャネルのAD信号に変換する。
なお、ダウンミックス処理は、音声処理における一般的な技術であるので詳細な説明は行なわない。ステレオ信号STAは、LチャネルのAD信号Ldと、RチャネルのAD信号Rdとを含む。
そして、ダウンミックス部116は、AD信号LdおよびAD信号Rdを含むステレオ信号STAを、第3音量制御部113へ送信する。
ここで、第3音量制御部113は、類似判定部115からHレベルの制御信号CTを受信しているとする。
ステップS217では、信号出力処理Nが行なわれる。信号出力処理Nでは、第3音量制御部113が、受信した2個のAD信号を、そのまま、対応する複数のスピーカ(図示せず)へ送信する。この場合、第3音量制御部113から出力される2個のAD信号は、それぞれ、図5のAD信号Ld’,Rd’である。
LチャネルのAD信号Ld’およびRチャネルのAD信号Rd’の各々に対応するスピーカは、受信したAD信号(AD信号Ld’,AD信Ld’)の再生音を出力する。
そして、このマルチチャネル音量制御処理Nは終了する。
次に、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似していると判定された場合の処理について説明する。この場合、図6のステップS214でNOと判定され、ステップS216Nの処理が行なわれる。この場合、切替部SW3は、前述の処理により、CチャネルのAD信号およびLレベルの制御信号CTを受信している。この場合、切替部SW3は、CチャネルのAD信号をダウンミックス部116へ送信する。
ステップS216Nでは、ダウンミックス処理NBが行なわれる。ダウンミックス処理NBでは、ダウンミックス部116が、受信したLチャネル、Rチャネル、Lsチャネル、RsチャネルおよびLFEチャネルのAD信号と、CチャネルのAD信号とを使用して、2チャネルのAD信号(ステレオ信号STA)を生成する。すなわち、6チャネルのAD信号を、ダウンミックス処理により、2チャネルのAD信号に変換する。なお、ダウンミックス処理NBにおける処理は、ダウンミックス処理NAと同様なので詳細な説明は繰り返さない。この処理により、AD信号LdおよびAD信号Rdを含むステレオ信号STAが、第3音量制御部113へ送信される。
ここで、第3音量制御部113は、類似判定部115からLレベルの制御信号CTを受信しているとする。
ステップS217Nでは、音量制御処理Cが行なわれる。音量制御処理Cでは、LチャネルのAD信号LdおよびRチャネルのAD信号Rdの入力信号レベルを変更する。具体的には、図2のステップS116の音量制御処理Bと同様に、第3音量制御部113が、LチャネルのAD信号LdおよびRチャネルのAD信号Rdの入力信号レベルを変更する。LチャネルのAD信号LdおよびRチャネルのAD信号Rdの入力信号レベルを変更するための処理は、音量制御処理Bと同様なので詳細な説明は繰り返さない。すなわち、LチャネルのAD信号LdおよびRチャネルのAD信号Rdは、共通の音量制御が行なわれる。前述したように、音量制御処理Cが行なわれたAD信号は、第3制御済AD信号である。
そして、第3音量制御部113は、第3制御済AD信号である、LチャネルのAD信号Ld’およびRチャネルのAD信号Rd’を、それぞれ、対応する2つのスピーカ(図示せず)へ送信する。LチャネルのAD信号Ld’およびRチャネルのAD信号Rd’の各々に対応するスピーカは、受信したAD信号(AD信号Ld’,AD信Ld’)の再生音を出力する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、マルチチャネルのAD信号の音量制御を行なう場合、CチャネルのAD信号が他のチャネルのAD信号と類似していない場合、たとえば、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の両方と類似していない場合、ダウンミックス部116により出力される2チャネルのAD信号は、他のチャネルのAD信号と、独立して音量制御された第1制御済AD信号とを使用して生成された信号である。
そして、第3音量制御部113は、2チャネルのAD信号に対し音量制御することなく、2チャネルのAD信号を、対応するスピーカへ出力される。
すなわち、CチャネルのAD信号と、他のチャネルのAD信号とが類似していない場合、出力される2チャネルのAD信号は、他のチャネルのAD信号と、独立して音量制御された第1制御済AD信号とを使用して生成された信号である。そのため、2チャネルのAD信号の再生時における、第1制御済AD信号の再生音の聞き取りやすさ、すなわち、再生音の音質を向上させることができる。
また、CチャネルのAD信号が他のチャネルのAD信号と類似している場合、たとえば、CチャネルのAD信号がLチャネルのAD信号およびRチャネルのAD信号の少なくとも一方と類似している場合、音量制御されてないCチャネルのAD信号が、ダウンミックス部116へ送信される。音量制御されてない複数のAD信号は、ダウンミックス部116により、2チャネルのAD信号に変換される。そして、第3音量制御部113は、2チャネルのAD信号に対し、共通の音量制御を行なう。第3音量制御部113は、共通の音量制御を行なった2チャネルの第3制御済AD信号を出力する。
そのため、2チャネルの第3制御済AD信号の再生時における、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音場バランスを維持することができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質の劣化を防ぐことができる。すなわち、各チャネルのオーディオ信号の再生音の音質を向上させることができる。
すなわち、本実施の形態によれば、マルチチャネルのAD信号の音量制御を行なう場合、各チャネルのAD信号の音響特性に合わせたダイナミックレンジ制御(音量制御)を行なう。これにより、異なる性質のAD信号の音響特性に適応して、最適な音量制御を行なうことができる。したがって、各チャネルのAD信号の再生音の聞き取りやすさ、すなわち、再生音の音質と、各チャネルのAD信号の再生音の音質とを向上することができる。
特に、CチャネルのAD信号に含まれるスピーチ信号が、ダウンミックス処理により、他のチャネルのAD信号の再生音により聞き取りにくくなることを防ぐことができる。また、ダウンミックス処理による、2チャネルのAD信号(ステレオ信号)の生成において、各チャネルのAD信号の混合比バランスの崩れによる音質劣化を防止する効果が得られる。
ここで、ダウンミックスによるステレオ信号の出力を前提とする装置において、例えば、第1の実施の形態のオーディオ信号処理装置1000の構成を使用して、マルチチャネルのAD信号の音量制御を行なった後に、ダウンミックスによりステレオ信号を生成するとする。このような処理を行なうオーディオ信号処理装置(以下、オーディオ信号処理装置Dという)の場合、図1の第2音量制御部112は、6チャネルのAD信号の音量制御を行なう必要がある。
一方、本実施の形態におけるオーディオ信号処理装置1000Aでは、第1音量制御部111が1チャネルのAD信号の音量制御を行ない、所定条件(2つの信号が類似するという条件)が満たされた場合のみ第3音量制御部113が2チャネルのAD信号の音量制御を行なう。
すなわち、本実施の形態におけるオーディオ信号処理装置1000Aでは、6チャネルのAD信号の音量制御を行なう上記のオーディオ信号処理装置Dより、音量制御にかかわる処理量を削減することができる。すなわち、少ない処理量で、ダウンミックス処理により生成されるステレオ信号の再生音の聞き取りやすさと、当該再生音の音質とを向上することができる。
なお、本実施の形態の図6のマルチチャネル音量制御処理Nにおいて、ステップS112の代わりに、図3のステップS112A(類似判定処理A)または図4のステップS112B(類似判定処理B)が行なわれてもよい。
(その他)
(1)上記の各装置(オーディオ信号処理装置1000またはオーディオ信号処理装置1000A)は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。
RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、オーディオ信号処理装置1000またはオーディオ信号処理装置1000Aは、前述した処理を行なうための機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)で構成されていてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIである。具体的には、システムLSIは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含んでもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(4)本発明は、上記に示した処理を行なうための方法としてもよい。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるディジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはディジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、本発明は、これらの記録媒体に記録されているディジタル信号としてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはディジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
また、本発明は、プログラムまたはディジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはディジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(5)本発明は、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせた発明としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のオーディオ信号処理装置は、テレビおよびラジオ受信機、コンパクトディスクおよび半導体メモリを含む音楽再生装置、DVDおよびブルーレイディスクを含む映像音響再生装置等において使用可能である。また、本発明は、マルチチャネルのオーディオ信号を再生する場合において、オーディオ信号の音響特性に適応して最適なダイナミックレンジ制御を行うことにより、音質と音声の聴き取りやすさとを向上することができる。
本実施の形態におけるオーディオ信号処理装置の構成を示すブロック図である。 マルチチャネル音量制御処理のフローチャートである。 マルチチャネル音量制御処理Aのフローチャートである。 マルチチャネル音量制御処理Bのフローチャートである。 本実施の形態におけるオーディオ信号処理装置の構成を示すブロック図である。 マルチチャネル音量制御処理Nのフローチャートである。 DRC処理の原理を示す図である。
符号の説明
50 信号取得部
100,100A 音量制御部
111 第1音量制御部
112 第2音量制御部
113 第3音量制御部
115 類似判定部
116 ダウンミックス部
1000,1000A オーディオ信号処理装置

Claims (8)

  1. マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なうオーディオ信号処理装置であって、
    前記オーディオ信号処理装置は、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号を取得する信号取得手段と、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号と、前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち前記特定チャネルのオーディオ信号以外のオーディオ信号である特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する類似判定手段と、
    オーディオ信号に対し、音量を制御するための第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第1制御済オーディオ信号を出力する第1の音量制御手段と、
    オーディオ信号に対し、音量を制御するための第2の音量制御を行ない、前記第2の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第2制御済オーディオ信号を出力する第2の音量制御手段とを備え、
    前記第1の音量制御手段は、前記類似判定手段により類似していないと判定された場合、前記特定チャネルのオーディオ信号に対し前記第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御により音量が制御された前記第1制御済オーディオ信号を出力し、
    前記第2の音量制御手段は、前記類似判定手段により類似していないと判定された場合、1以上の前記特定外チャネルオーディオ信号に対し前記第2の音量制御を行ない、前記第2の音量制御により音量が制御された全ての前記第2制御済オーディオ信号を出力し、前記類似判定手段により類似していると判定された場合、前記1以上の特定外チャネルオーディオ信号と前記特定チャネルのオーディオ信号とに対し前記第2の音量制御を行ない、前記第2の音量制御により音量が制御された全ての前記第2制御済オーディオ信号を出力する、
    オーディオ信号処理装置。
  2. 前記マルチチャネルのオーディオ信号は、センターチャネル、レフトチャネルおよびライトチャネルのオーディオ信号を含み、
    前記類似判定手段は、前記センターチャネルのオーディオ信号と前記レフトチャネルのオーディオ信号との類似度を示す第1相互相関値を算出し、かつ、前記センターチャネルのオーディオ信号と前記ライトチャネルのオーディオ信号との類似度を示す第2相互相関値を算出し、前記第1相互相関値に基づいて、前記センターチャネルのオーディオ信号と前記レフトチャネルのオーディオ信号とが類似しているか否かを判定し、前記第2相互相関値に基づいて、前記センターチャネルのオーディオ信号と前記ライトチャネルのオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する、
    請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  3. 前記マルチチャネルのオーディオ信号は、センターチャネル、レフトチャネルおよびライトチャネルのオーディオ信号を含み、
    前記類似判定手段は、センターチャネル、レフトチャネルおよびライトチャネルのオーディオ信号において、各チャネルのオーディオ信号の所定比率以上の部分が、人間の声を再生するためのスピーチ信号であるか否かを判定する信号判定処理を行ない、該信号判定処理の結果に基づいて、前記特定チャネルのオーディオ信号と前記特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する、
    請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  4. 前記マルチチャネルのオーディオ信号は、センターチャネルのオーディオ信号を含み、
    前記特定チャネルのオーディオ信号は、前記センターチャネルのオーディオ信号である、
    請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  5. マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なうオーディオ信号処理装置であって、
    前記オーディオ信号処理装置は、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号を取得する信号取得手段と、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号と、前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち前記特定チャネルのオーディオ信号以外のオーディオ信号である特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する類似判定手段と、
    オーディオ信号に対し、音量を制御するための第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第1制御済オーディオ信号を出力する第1の音量制御手段と、
    K(K:2以上)個のオーディオ信号を、M(1≦M<K)チャネルのオーディオ信号に変換する変換手段と、
    前記類似判定手段により類似していないと判定された場合、前記Mチャネルのオーディオ信号を出力し、前記類似判定手段により類似していると判定された場合、前記Mチャネルのオーディオ信号に対し、音量を制御するための第3の音量制御を行ない、前記第3の音量制御が行なわれたオーディオ信号であるMチャネルの第3制御済オーディオ信号を出力する第3の音量制御手段とを備え、
    前記第1の音量制御手段は、前記特定チャネルのオーディオ信号に対し、前記第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御により音量が制御された前記第1制御済オーディオ信号を出力し、
    前記変換手段は、前記類似判定手段により類似していないと判定された場合、1以上の前記特定外チャネルオーディオ信号と前記特定チャネルのオーディオ信号の音量が制御された前記第1制御済オーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号を生成し、生成したMチャネルのオーディオ信号を前記第3の音量制御手段へ送信し、前記類似判定手段により類似していると判定された場合、前記1以上の特定外チャネルオーディオ信号と前記特定チャネルのオーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号を生成し、生成したMチャネルのオーディオ信号を前記第3の音量制御手段へ送信する、
    オーディオ信号処理装置。
  6. マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なうオーディオ信号処理装置が行なうオーディオ信号処理方法であって、
    前記オーディオ信号処理方法は、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号を取得する信号取得ステップと、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号と、前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち前記特定チャネルのオーディオ信号以外のオーディオ信号である特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する類似判定ステップと、
    オーディオ信号に対し、音量を制御するための第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第1制御済オーディオ信号を出力する第1の音量制御ステップと、
    オーディオ信号に対し、音量を制御するための第2の音量制御を行ない、前記第2の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第2制御済オーディオ信号を出力する第2の音量制御ステップとを備え、
    前記第1の音量制御ステップは、前記類似判定ステップにより類似していないと判定された場合、前記特定チャネルのオーディオ信号に対し前記第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御により音量が制御された前記第1制御済オーディオ信号を出力し、
    前記第2の音量制御ステップは、前記類似判定ステップにより類似していないと判定された場合、1以上の前記特定外チャネルオーディオ信号に対し前記第2の音量制御を行ない、前記第2の音量制御により音量が制御された全ての前記第2制御済オーディオ信号を出力し、前記類似判定ステップにより類似していると判定された場合、前記1以上の特定外チャネルオーディオ信号と前記特定チャネルのオーディオ信号とに対し前記第2の音量制御を行ない、前記第2の音量制御により音量が制御された全ての前記第2制御済オーディオ信号を出力する、
    オーディオ信号処理方法。
  7. マルチチャネルのオーディオ信号の音量制御を行なうオーディオ信号処理装置が行なうオーディオ信号処理方法であって、
    前記オーディオ信号処理方法は、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号を取得する信号取得ステップと、
    前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち特定チャネルのオーディオ信号と、前記マルチチャネルのオーディオ信号のうち前記特定チャネルのオーディオ信号以外のオーディオ信号である特定外チャネルオーディオ信号とが類似しているか否かを判定する類似判定ステップと、
    オーディオ信号に対し、音量を制御するための第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御が行なわれたオーディオ信号である第1制御済オーディオ信号を出力する第1の音量制御ステップと、
    K(K:2以上)個のオーディオ信号を、M(1≦M<K)チャネルのオーディオ信号に変換する変換ステップとを備え、
    前記第1の音量制御ステップは、前記特定チャネルのオーディオ信号に対し、前記第1の音量制御を行ない、前記第1の音量制御により音量が制御された前記第1制御済オーディオ信号を出力し、
    前記変換ステップは、前記類似判定ステップにより類似していないと判定された場合、1以上の前記特定外チャネルオーディオ信号と前記特定チャネルのオーディオ信号の音量が制御された前記第1制御済オーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号を生成し、前記類似判定手段により類似していると判定された場合、前記1以上の特定外チャネルオーディオ信号と前記特定チャネルのオーディオ信号とを使用してMチャネルのオーディオ信号を生成し、
    前記オーディオ信号処理方法は、さらに、
    前記類似判定ステップにより類似していないと判定された場合、前記変換ステップにより生成された前記Mチャネルのオーディオ信号を出力し、前記類似判定ステップにより類似していると判定された場合、前記変換ステップにより生成された前記Mチャネルのオーディオ信号に対し、音量を制御するための第3の音量制御を行ない、前記第3の音量制御が行なわれたオーディオ信号であるMチャネルの第3制御済オーディオ信号を出力する第3の音量制御ステップとを備える、
    オーディオ信号処理方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載のオーディオ信号処理方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2008311842A 2008-12-08 2008-12-08 オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム Pending JP2010136236A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008311842A JP2010136236A (ja) 2008-12-08 2008-12-08 オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008311842A JP2010136236A (ja) 2008-12-08 2008-12-08 オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010136236A true JP2010136236A (ja) 2010-06-17

Family

ID=42347038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008311842A Pending JP2010136236A (ja) 2008-12-08 2008-12-08 オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010136236A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011227256A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Toshiba Corp 信号補正装置
WO2015186535A1 (ja) * 2014-06-06 2015-12-10 ソニー株式会社 オーディオ信号処理装置および方法、符号化装置および方法、並びにプログラム
JP2016224449A (ja) * 2013-03-26 2016-12-28 ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション ボリューム平準化器コントローラおよび制御方法
JP2018133660A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 日本放送協会 音声信号補償装置、音声信号補償方法、及びプログラム
US11330385B2 (en) * 2014-08-01 2022-05-10 Steven Jay Borne Audio device

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011227256A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Toshiba Corp 信号補正装置
US8532309B2 (en) 2010-04-19 2013-09-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Signal correction apparatus and signal correction method
JP2019097186A (ja) * 2013-03-26 2019-06-20 ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション ボリューム平準化器コントローラおよび制御方法
JP2016224449A (ja) * 2013-03-26 2016-12-28 ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション ボリューム平準化器コントローラおよび制御方法
US10411669B2 (en) 2013-03-26 2019-09-10 Dolby Laboratories Licensing Corporation Volume leveler controller and controlling method
US10707824B2 (en) 2013-03-26 2020-07-07 Dolby Laboratories Licensing Corporation Volume leveler controller and controlling method
US11218126B2 (en) 2013-03-26 2022-01-04 Dolby Laboratories Licensing Corporation Volume leveler controller and controlling method
US11711062B2 (en) 2013-03-26 2023-07-25 Dolby Laboratories Licensing Corporation Volume leveler controller and controlling method
JPWO2015186535A1 (ja) * 2014-06-06 2017-04-20 ソニー株式会社 オーディオ信号処理装置および方法、符号化装置および方法、並びにプログラム
WO2015186535A1 (ja) * 2014-06-06 2015-12-10 ソニー株式会社 オーディオ信号処理装置および方法、符号化装置および方法、並びにプログラム
US10621994B2 (en) 2014-06-06 2020-04-14 Sony Corporaiton Audio signal processing device and method, encoding device and method, and program
US11330385B2 (en) * 2014-08-01 2022-05-10 Steven Jay Borne Audio device
JP2018133660A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 日本放送協会 音声信号補償装置、音声信号補償方法、及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5695677B2 (ja) 単一再生モードにおいてラウドネス測定値を合成するシステム
JP4939933B2 (ja) オーディオ信号符号化装置及びオーディオ信号復号化装置
JP4418493B2 (ja) パラメトリックマルチチャネル符号化システムにおけるチャネルの周波数ベースの符号化
KR101150326B1 (ko) 재생장치 및 재생시스템
JP5658506B2 (ja) 音響信号変換装置及び音響信号変換プログラム
US20120275625A1 (en) Signal processing device, method thereof, program, and data recording medium
US11096002B2 (en) Energy-ratio signalling and synthesis
KR20060043240A (ko) 음향 재생 방법 및 음향 재생 장치와 기록 미디어
CN104604254A (zh) 声音处理装置、方法和程序
JP4792086B2 (ja) 2つの入力チャンネルを使用して3つの出力チャンネルを合成させる装置および方法
JP2010136236A (ja) オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム
GB2578715A (en) Controlling audio focus for spatial audio processing
CN103262573B (zh) 声音再生装置、再生音调整方法、音响特性调整装置、音响特性调整方法及计算机程序
US6882733B2 (en) Surround headphone output signal generator
CN101103525A (zh) 用于音频信号声级的频率相关放大的信号处理设备和音频系统及其方法
JPWO2005120132A1 (ja) 音響信号処理装置
JP2005157278A (ja) 全周囲音場創生装置、全周囲音場創生方法、及び全周囲音場創生プログラム
JP4706666B2 (ja) 音量制御装置及びコンピュータプログラム
JP2001296894A (ja) 音声処理装置および音声処理方法
US9485578B2 (en) Audio format
JP2010118978A (ja) 音像定位制御装置および音像定位制御方法
JP4644876B2 (ja) 音声処理装置
JP6694755B2 (ja) チャンネル数変換装置およびそのプログラム
JP2008282042A (ja) 再生装置
WO2008015733A1 (fr) Dispositif, procédé et programme de commande sonore