JP4415775B2 - 音声信号処理装置およびその方法、音声信号記録再生装置ならびにプログラム - Google Patents
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Description
すなわち、前方のスクリーンでは見えない横方向や後方で常に音が発生していると、ユーザはそれを映像で確認できないため雑音に聞こえてしまい、スクリーン上の映像に対する集中を妨げる要因になる場合がある。例えば、ビデオカメラで再生された映像を撮影者以外の第三者が視聴する場合、撮影時の状況を知らない第三者にとってスクリーン上の映像と関係のない周囲の音は意味のない雑音に聞こえてしまい、違和感を覚えてしまうことがある。
また、第2の目的は、映像とともに収録、または再生されるマルチチャンネルの音声信号のサラウンド効果を映像に合わせて適切に強調して、その記録や再生を行うことができる音声信号記録再生装置を提供することにある。
上記第1および上記第2の音声信号の相関が高くなるほど、上記和は大きくなり、上記差は小さくなる。そのため、上記第1の頻度に応じたレベル制御によれば、上記映像との関連性の強い上記第1の音声信号と同一成分が、上記関連性の弱い上記第2の音声信号に多く含まれる場合に、上記第2の音声信号のレベルが大きくされる。
上記第1および上記第2の音声信号の全体レベルが大きくなるほど、上記和と差は大きくなる。そのため、上記第2の頻度に応じたレベル制御によれば、上記第1および上記第2の音声信号の全体レベルが大きくなる場合、上記第2の音声信号のレベルが大きくされる。
上記第1および上記第2の音声信号の全体レベルが小さくなるほど、上記和と差は小さくなる。そのため、上記第3の頻度に応じたレベル制御によれば、上記第1および上記第2の音声信号の全体レベルが小さい場合に、上記第2の音声信号のレベルが大きくされる。
を有する。
また、第2に、映像とともに収録、または再生されるマルチチャンネルの音声信号のサラウンド効果を映像に合わせて適切に強調して、その記録や再生を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る音声信号記録再生装置の構成の一例を示す図である。
図2の(A),…,(D)は、それぞれ、マイクロフォン1,…,4の指向性パターンの一例を示す。撮影対象の映像の方向を前方とした場合に、マイクロフォン1は右前方、マイクロフォン2は左前方、マイクロフォン3は左後方、マイクロフォン4は右後方の音をそれぞれ収音する。
また、再生動作を行う場合、記録再生装置12から再生ストリーム信号が出力され、そのうちの音声信号がデコーダ13においてデコード処理を施され、4チャンネルの音声信号FR_in,FL_in,RR_in,RL_inに分離される。分離された音声信号は、音声信号処理装置14において後述の音声信号処理を施された後、オーディオ装置等に4チャンネルの音声信号FR_out,FL_out,RR_out,RL_outとして出力され、サラウンド音として映像ととも再生される。
また、音声信号処理装置9および14の処理は、ユーザの設定によって任意に一方を省略できるようにしても良い。例えば、記録動作時に音声信号処理装置9の処理を施した音声信号については、再生動作時に音声処理装置14の処理を省略できるようにしても良い。また、再生動作時に音声処理装置14の処理を行う予定の音声信号については、記録動作時に音声信号処理装置9の処理を省略できるようにしても良い。
なお、多くのサラウンド対応機器において5.1チャンネル方式が採用されているが、上記4チャンネルの音声信号FR_in,FL_in,RR_in,RL_inから、これらの5.1チャンネル対応の音声信号が容易に生成できる。一例では、映像方向のC(センター)チャンネル音声信号は、前方方向のFR_in,FL_in信号からモノラル合成可能であり、また低域帯域のSW(Sub Woofer)チャンネル音声信号は、前記4チャンネルの音声信号からフィルター等により低域成分を抽出することにより合成可能である。したがって音声信号処理装置9および14の出力にこのような合成回路を設けることにより、5.1チャンネル化が可能である。
図3に示す音声処理部は、相関検出部20と、レベル制御部40および50とを有する。
相関検出部20は、本発明の検出手段の一実施形態である。
レベル制御部40および50は、本発明のレベル制御手段の一実施形態である。
相関検出部20は、例えば図4に示すように、選択部201,202,207と、低入力検出部203と、特異点処理部204と、相関係数算出部205と、絶対値処理部206と、フィルタ部208,…,211とを有する。
選択部202は、後方の2つの音声信号RR_inおよびRL_inの一方を選択して、低入力検出部203および相関係数算出部205に入力する。
式(1)において、分母は分子がとり得る最大の値であるため、相関係数ρの値は‘−1’〜‘1’の範囲内に収まる。
そこで、特異点処理部204は、相関係数算出部205に入力される所定レベルより小さい音声信号をゼロに置き換える。また、このゼロへの置き換えが例えばNサンプル以上続いた場合に相関係数算出部205の算出結果を‘0’や‘1’などの定数に置き換える。こうした処理によって、演算を早めに終了することで演算規模を抑え、また‘−1’〜‘1’の範囲を逸脱するような不適切な相関係数を除去することができる。
以上が、相関検出部20の説明である。
レベル制御部50は、相関検出部20から検出結果として出力される音声信号FL_inおよびRR_inの相関係数C3と、音声信号FR_inおよびRR_inの相関係数C4とに応じて、音声信号RR_inのレベルを制御する。
レベル制御部40は、例えば図5に示すように、ラッチ部401および402と、選択部403と、レベル可変部404とを有する。
また、レベル制御部50は、例えば図5に示すように、ラッチ部501および502と、選択部503と、レベル可変部504とを有する。
選択部403は、ラッチ部401および402に保持される相関係数C1およびC2のうち、何れか大きい方を選択する。
レベル可変部404は、選択部403において選択される相関係数に応じて、左後方の音声信号RL_inのレベルを可変し、音声信号RL_outとして出力する。例えば、選択された相関係数と音声信号RL_inとを乗算することにより、この相関係数が大きいほど音声信号RL_outのレベルを大きくする。
選択部503は、ラッチ部501および502に保持される相関係数C3およびC4のうち、何れか大きい方を選択する。
レベル可変部504は、選択部503において選択される相関係数に応じて、右後方の音声信号RR_inのレベルを可変し、音声信号RR_outとして出力する。例えば、選択された相関係数と音声信号RR_inとを乗算することにより、この相関係数が大きいほど音声信号RR_outのレベルを大きくする。なお、前方の音声信号FR_inおよびFL_inは、そのまま音声信号FR_outおよびFL_outとして音声信号処理部から出力される。
得られた4つの相関係数のうち、左後方の音声信号RL_inと前方2つの音声信号との組み合わせで得られる2つの相関係数C1およびC2は、レベル制御部40に入力される。レベル制御部40では、この2つの相関係数C1およびC2のうち、値の大きい方の係数に応じて左後方の音声信号RL_inのレベルが調節され、音声信号RL_outが生成される。
また、上記4つの相関係数のうち、右後方の音声信号RR_inと前方2つの音声信号との組み合わせで得られる2つの相関係数C3およびC4は、レベル制御部50に入力される。レベル制御部50では、この2つの相関係数C3およびC4のうち、値の大きい方の係数に応じて右後方の音声信号RR_inのレベルが調節され、音声信号RR_outが生成される。
通常、音声信号同士の相関が高いほど、これらの音声信号に同一の成分が多く含まれることから、相関検出部20の検出結果に基づいて、映像の方向を基準とした幾つかの方向の音声に同一の成分が含まれる度合いを把握することができる。したがって、この相関検出結果に応じて音声信号レベルの制御を行うことにより、映像の方向を基準とした幾つかの方向の音声に同一成分が多く含まれる場合とそうでない場合とで、これらの音声に強弱の変化を与えることが可能になる。すなわち、映像に対して特定の複数の方向から同一成分の音が大きく聞こえる場合とそうでない場合とで、その音声に強弱の変化を与えることができる。これにより、映像に合わせて適切にサラウンド音を強調することができる。
一般に、サラウンド音として再生される複数チャンネルの音声信号は、収録、または再生された映像方向に近い方向で出力されるものほど、リスナーによって映像との関連性を強く認識され、映像から離れて出力されるものほど、映像との関連性を弱く認識される。
したがって、上述のように、映像との関連性が強い前方の音声信号と同一の成分が後方の音声信号に多く含まれる場合に後方の音を強めることによって、リスナーには、映像と関連性のある音が背後からも強調されて聞こえるため、サラウンド音をより迫力のあるものにすることができる。
また、逆に、映像との関連性が強い前方の音声信号と同一の成分が後方の音声信号にあまり含まれていない場合に後方の音を弱めることによって、映像と関連性のない音が小さくなり、映像への集中の妨げになり難くなるので、ユーザはより快適に映像と音を楽しむことができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6に示す音声信号処理装置は、レベル検出部30と、レベル制御部40および50とを有する。
なお、レベル検出部30は、本発明の検出手段の一実施形態である。
また、音声信号処理装置を含む音声信号記録再生装置の全体構成については、図1と同様である。
和が所定レベル(SL1)より大きくなり、かつ、差が所定レベル(SL2)より小さくなる。
和が所定レベル(SL1)より大きくなり、かつ、差が所定レベル(SL3)より大きくなる。(ただしSL3>SL2)
和が所定レベル(SL1)より小さくなり、かつ、差が所定レベル(SL2)より小さくなる。
レベル検出部30は、例えば図7に示すように、選択部301,302,312と、加算部303と、減算部307と、絶対値処理部304,308と、レベル検波部305,309と、比較部306,310と、判定部311と、アップ/ダウンカウンタ313,…,316とを有する。
選択部302は、後方の2つの音声信号RR_inおよびRL_inの一方を選択して、加算部303および減算部307に入力する。
減算部307は、選択部301および302において選択された音声信号の差を演算する。
絶対値処理部308は、減算部307において演算された差の絶対値を求める。
レベル検波部309は、絶対値処理部308で求められた差の絶対値のレベルを求める。
レベル検波部305および309は、例えば、ピーク値検波や平均値検波などによって時間的に平均化されたレベルを求める。
比較部310は、レベル検波部309で求められた差の絶対値のレベルとまず基準レベルSL2とを比較する。比較結果として、例えば、差の絶対値のレベルが基準レベルSL2より大きい場合に‘01’、そうでない場合に‘00’を出力する。さらに基準レベルSL3(ただしSL3>SL2)と比較し、比較結果として、例えば、差の絶対値のレベルが基準レベルSL3より大きい場合に‘11’、そうでない場合に‘10’を出力する。
アップ/ダウンカウンタ313〜316の計数値が、それぞれ上述したレベル係数L1〜L4になる。
また、減算部307で算出された差の演算結果は、絶対値処理部308において絶対値化された後、レベル検波部309においてそのレベルが検出され、当該レベルが比較部310において基準レベルSL2と比較される。
以上が、レベル検出部30の説明である。
レベル制御部50は、レベル検出部30から検出結果として出力される音声信号FL_inおよびRR_inのレベル係数L3と、音声信号FR_inおよびRR_inのレベル係数L4とに応じて、音声信号RR_inのレベルを制御する。
また、前方の2つの音声信号FR_inおよびFL_inは、そのまま音声信号FR_outおよびFL_outとして音声信号処理部から出力される。
すなわち、2つの音声信号の相関が高い場合、両者の和は大きくなり、差は小さくなる。したがって、和が所定レベル(SL1)より大きく、かつ、差が所定レベル(SL2)より小さくなる条件(1)の頻度が多くなるほど、2つの音声信号の相関は高くなる。
すなわち、2つの音声信号の全体的なレベルが大きくなると、相関とは別に、両者の和と差はともに大きくなる。したがって、和が所定レベル(SL1)より大きく、かつ、差が所定レベル(SL3、ただしSL3>SL2)より大きくなる条件(2)の頻度が多くなるほど、2つの音声信号の全体的なレベルは大きくなる。
すなわち、2つの音声信号の全体的なレベルが小さくなると、相関とは別に、両者の和と差はともに小さくなる。したがって、和が所定レベル(SL1)より小さく、かつ、差が所定レベル(SL2)より小さくなる条件(3)の頻度が多くなるほど、2つの音声信号の全体的なレベルは小さくなる。
レベル制御部40では、左後方の音声信号RL_inとの前方2つの音声信号との組み合わせで得られる2つのレベル係数L1およびL2のうち、値の大きい方の係数を用いて左後方の音声信号RL_inのレベルが調節され、音声信号RL_outとして出力される。
レベル制御部50では、右後方の音声信号RR_inとの前方2つの音声信号との組み合わせで得られる2つのレベル係数L3およびL4のうち、値の大きい方の係数を用いて右後方の音声信号RR_inのレベルが調節され、音声信号RR_outとして出力される。
条件(1)の成立頻度に応じて後方の音声信号のレベルを制御すると、映像との関連性が強い前方の音声信号と同一の成分が後方の音声信号に多く含まれる場合に後方の音が強調されるため、映像に合わせて効果的にサラウンド音を強調することができる。また、このレベル制御によって、映像との関連性が強い前方の音声信号と同一の成分が後方の音声信号にあまり含まれていない場合に後方の音が弱められるため、後方の音が映像への集中の妨げにならないようにすることができる。
条件(2)の成立頻度に応じて後方の音声信号のレベルを制御すると、前方および後方で全体の音声レベルが大きくなる場合に後方の音が強調されるため、サラウンド音の迫力感を一層高揚させることができる。
条件(3)の成立頻度に応じて後方の音声信号のレベルを制御すると、前方および後方で全体の音声レベルが小さくなる場合に後方の音が強調されるため、比較的レベルが小さく、映像と関連性が強い前方の音声信号の妨げにならないような環境音については常に後方から聞こえるようにできる。これにより、全体の音声レベルが小さい場合でもサラウンド効果を保つことができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図9に示す音声信号処理装置は、相関検出部20と、レベル検出部30と、レベル制御部60および70とを有する。
なお、相関検出部20およびレベル検出部30は、図3および図6における同一符号と同一の構成要素である。
また、音声信号処理装置を含む音声信号記録再生装置の全体構成については、図1と同様である。
レベル制御部70は、相関検出部20から出力される相関係数C3およびC4と、レベル検出部30から出力されるレベル係数L3およびL4とに応じて、音声信号RR_inのレベルを制御する。
図10に示すレベル制御部60は、ラッチ部601〜604と、選択部605と、レベル可変部606とを有する。
図10に示すレベル制御部70は、ラッチ部701〜704と、選択部705と、レベル可変部706とを有する。
選択部605は、ラッチ部601〜604に保持される係数のうち、最大の値を持つ係数を選択してレベル可変部606に出力する。
レベル可変部606は、選択部605において選択される係数に応じて、左後方の音声信号RL_inのレベルを可変し、音声信号RL_outとして出力する。例えば、選択された相関係数もしくはレベル係数と音声信号RL_inとを乗算することにより、この相関係数もしくはレベル係数が大きいほど音声信号RL_outのレベルを大きくする。
選択部705は、ラッチ部701〜704に保持される係数のうち、最大の値を持つ係数を選択してレベル可変部706に出力する。
レベル可変部706は、選択部705において選択される係数に応じて、右後方の音声信号RR_inのレベルを可変し、音声信号RR_outとして出力する。例えば、選択された相関係数もしくはレベル係数と音声信号RR_inとを乗算することにより、この相関係数もしくはレベル係数が大きいほど音声信号RR_outのレベルを大きくする。
これにより、相関検出部20の検出結果に応じたレベル制御と、レベル検出部30の検出結果に応じたレベル制御とが並行して実施されるため、上述した2つの実施形態と同様な効果を奏することができる。
このような点で、相関検出部20およびレベル検出部30の検出結果が補完し合うため、より映像に適応した迫力のあるサラウンド音を得ること可能になる。
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
図11に示す音声信号処理装置は、帯域分割部100−1,110−1,120−1,130−1,100−2,110−2,120−2,130−2と、相関検出部20−1,20−2と、レベル検出部30−1,30−2と、レベル制御部60−1,70−1,60−2,70−2と、加算部140,150,160,170とを有する。
なお、帯域分割部100−1,110−1,120−1,130−1,100−2,110−2,120−2,130−2は、本発明の帯域分割手段の一実施形態である。
加算部140,150,160,170は、本発明の合成手段の一実施形態である。
また、音声信号処理装置を含む音声信号記録再生装置の全体構成については、図1と同様である。
また、帯域分割部100−2は、右前方の音声信号FR_inから、上述した声の帯域を除くオーディオ帯域(20Hz〜20kHz)の信号を抽出して出力する。
すなわち、帯域分割部100−1および110−1によって、右前方の音声信号FR_inの帯域が、人間の声の帯域とそれ以外の帯域とに2分割される。
加算部150は、帯域分割部110−1および110−2において分割された2つの帯域の音声信号を合成し、音声信号FL_outとして出力する。
加算部160は、レベル制御部60−1および60−2においてレベル制御された音声信号を合成し、音声信号RL_outとして出力する。
加算部170は、レベル制御部70−1および70−2においてレベル制御された音声信号を合成し、音声信号RR_outとして出力する。
このように、例えば人の声の帯域とそれ以外の帯域など、性質の異なる信号が存在する帯域を分離して個別に処理することにより、それぞれに適切なレベル制御を行うことが可能になる。例えば、映像との関連性が強い人の声を環境音に比べてより強調する等の制御が可能になる。これにより、映像に適合してより効果的にサラウンド音を強調することが可能になる。
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
図12に示す音声信号処理装置は、図9に示す音声信号処理装置と同様の構成を有するとともに、レベル制御部80および90を有する。
音声信号処理装置を含む音声信号記録再生装置の全体構成については、図1と同様である。
レベル制御部80は、例えば図10に示すレベル制御部60と同様の構成を有するが、レベル可変部606を、乗算器で構成するのではなく、可変増幅器により構成するところが相違している。つまり選択部605により選択された相関係数、もしくはレベル係数が0の時には、一例で前記増幅器のゲインを0dB、1の時には、所定ゲインを有するように可変すれば、前記係数変化にともなって音声信号FL_inのレベルを制御することができる。
レベル制御部90は、例えば図10に示すレベル制御部70と同様の構成を有するが、レベル可変部706を、乗算器で構成するのではなく、可変増幅器により構成するところが相違している。つまり選択部705により選択された相関係数、もしくはレベル係数が0の時には、一例で前記増幅器のゲインを0dB、1の時には、所定ゲインを有するように可変すれば、前記係数変化にともなって音声信号FR_inのレベルを制御することができる。
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
遅延部212は、選択部201から相関係数算出部205および低入力検出部203へ入力される音声信号に、所定の遅延を与える。
遅延部213は、選択部202から相関係数算出部205および低入力検出部203に入力される音声信号に、遅延部212とは異なる所定の遅延を与える。
音声信号処理プログラムとその処理対象の音声信号のデータは、入出力装置184を介してコンピュータに入力され、記憶装置182に書き込まれる。図示しないユーザインターフェース装置を介してユーザの実行指示が入力されると、記憶装置182に格納されるプログラムがRAM183にロードされ、マイクロプロセッサ181によって実行される。
例えば、意図的に映像とは無関係な(前方音と相関性のない)後方音だけを強調することで、意外性を演出するようにしても良い。また、レベル検出部を用いる場合には、上述した条件(1)〜(3)の幾つかを省略しても良いし、これに別の条件を付加しても良い。
これにより、映像の方向を基準とした幾つかの所定の方向から出力される音声が一定レベルを頻繁に超える場合とそうでない場合とで、その音声に強弱の変化を与えることが可能になるため、映像に合わせた適切なサラウンド音の強調を実現することが可能になる。
また、音声信号の和と差を両方演算するのではなく、和または差の一方のみを演算して、その演算結果が所定のレベルを超える頻度に応じてレベル制御を行っても良い。
Claims (11)
- 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号を処理する音声信号処理装置であって、
上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、上記映像に最も近い方向を含む少なくとも1つの第1の方向における第1の音声信号と、上記第1の方向に比べて上記映像と離れた少なくとも1つの第2の方向からの第2の音声信号とを和と差の演算を行い、当該和を第1のレベルと比較し、上記差を第2のレベルと該第2のレベルより大きい第3のレベルと比較し、比較結果から規定される区間に存在する頻度を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つの音声信号のレベルを制御するレベル制御手段と、
を有する音声信号処理装置。 - 上記検出手段は、上記第1の音声信号および上記第2の音声信号の信号レベルの和と差を演算し、上記和が上記第1のレベルより大きくなり、かつ、上記差が上記第2のレベルより小さくなる第1の頻度を検出し、
上記レベル制御手段は、上記第1の頻度が高くなる場合に、少なくとも上記第2の音声信号のレベルを大きくする、
請求項1に記載の音声信号処理装置。 - 上記検出手段は、上記第1の音声信号および上記第2の音声信号の信号レベルの和と差を演算し、上記和が上記第1のレベルより大きくなり、かつ、上記差が上記第2のレベルより大きく設定される上記第3のレベルより大きくなる第2の頻度を検出し、
上記レベル制御手段は、上記第2の頻度が高くなる場合に、少なくとも上記第2の音声信号のレベルを大きくする、
請求項1に記載の音声信号処理装置。 - 上記検出手段は、上記第1の音声信号および上記第2の音声信号の信号レベルの和と差を演算し、上記和が上記第1のレベルより小さくなり、かつ、上記差が上記第2のレベルより小さくなる第3の頻度を検出し、
上記レベル制御手段は、上記第3の頻度が高くなる場合に、少なくとも上記第2の音声信号のレベルを大きくする、
請求項1に記載の音声信号処理装置。 - 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号を処理する音声信号処理装置であって、
上記複数の音声信号の少なくとも一部を、複数の帯域の音声信号に分割する帯域分割手段と、
上記帯域分割手段において分割された帯域ごとに、帯域内の音声信号に対して、上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、少なくとも1組の方向における音声信号の相関を検出する、および/または、上記複数の方向のうち、少なくとも1つの方向からの音声信号のレベルが所定のレベルを超える頻度を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つのレベル制御された音声信号を、帯域ごとに合成する合成手段と
を有する音声信号処理装置。 - 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号を処理する音声信号処理装置であって、
上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、少なくとも1組の方向における音声信号の相関を検出する、および/または、上記複数の方向のうち、少なくとも1つの方向からの音声信号のレベルが所定のレベルを超える頻度を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つの音声信号のレベルを制御するレベル制御手段と、
を有し、
上記検出手段は、上記相関の検出対象の音声信号に所定の遅延時間差を与えてから、上記相関の検出を行う、
音声信号処理装置。 - 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号の記録と再生を行う音声信号記録再生装置であって、
上記複数の音声信号の少なくとも一部を、複数の帯域の音声信号に分割する帯域分割手段と、
上記帯域分割手段において分割された帯域ごとに、帯域内の音声信号に対して、上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、少なくとも1組の方向における音声信号の相関を検出する、および/または、上記複数の方向のうち、少なくとも1つの方向からの音声信号のレベルが所定のレベルを超える頻度を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つの音声信号のレベルを制御するレベル制御手段と、
上記レベル制御手段においてレベル制御された音声信号を、帯域ごとに合成する合成手段を有し、
上記合成手段において合成された少なくとも1つの音声信号を記録する、および/または再生する、
音声信号記録再生装置。 - 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号を処理する音声信号処理方法であって、
上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、上記映像に最も近い方向を含む少なくとも1つの第1の方向における第1の音声信号と、上記第1の方向に比べて上記映像と離れた少なくとも1つの第2の方向からの第2の音声信号とを和と差の演算を行い、当該和を第1のレベルと比較し、上記差を第2のレベルと該第2のレベルより大きい第3のレベルと比較し、比較結果から規定される区間に存在する頻度を検出する第1の工程と、
上記第1の工程の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つの音声信号のレベルを制御する第2の工程と、
を有する音声信号処理方法。 - 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号を処理する音声信号処理方法であって、
上記複数の音声信号の少なくとも一部を、複数の帯域の音声信号に分割する第1の工程と、
上記分割された帯域ごとに、帯域内の音声信号に対して、上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、少なくとも1組の方向における音声信号の相関を検出する、および/または、上記複数の方向のうち、少なくとも1つの方向からの音声信号のレベルが所定のレベルを超える頻度を検出する第2の工程と、
上記頻度の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つの音声信号のレベルを制御する第3の工程と、
上記レベル制御された音声信号を、帯域ごとに合成する第4の工程と
を有する音声信号処理方法。 - 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号をコンピュータに処理させるプログラムであって、
上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、上記映像に最も近い方向を含む少なくとも1つの第1の方向における第1の音声信号と、上記第1の方向に比べて上記映像と離れた少なくとも1つの第2の方向からの第2の音声信号とを和と差の演算を行い、当該和を第1のレベルと比較し、上記差を第2のレベルと該第2のレベルより大きい第3のレベルと比較し、比較結果から規定される区間に存在する頻度を検出する第1の手順と、
上記第1の工程の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つの音声信号のレベルを制御する第2の手順と、
を有するプログラム。 - 映像とともに収録、または再生されるサラウンド音の複数の音声信号をコンピュータに処理させるプログラムであって、
上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、複数の音声信号の少なくとも一部を、複数の帯域の音声信号に分割する第1の手順と、
上記分割された帯域ごとに、帯域内の音声信号に対して、上記サラウンド音の聴取位置から見た上記映像の方向を基準とする所定の複数の方向のうち、少なくとも1組の方向における音声信号の相関を検出する、および/または、上記複数の方向のうち、少なくとも1つの方向からの音声信号のレベルが所定のレベルを超える頻度を検出する第2の手順と、
上記頻度の検出結果に応じて、当該検出の対象となった少なくとも1つの音声信号のレベルを制御する第3の手順と、
上記レベルが制御された音声信号を、帯域ごとに合成する第4の手順と
を有するプログラム。
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