JP3822465B2 - マルトース液の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高純度のマルトース液が容易に製造できるマルトース液の新規な製造方法に関する。
【0002】
マルトースは、甘味の低い糖であるためショ糖の減甘効果がある。また、保水性、保香性、水分活性の低減等の効果があり、食品その他に広い用途が期待される。
【0003】
なお、本明細書における単位及び用語の意味は下記の如くである。
【0004】
「%」…質量%を意味する。
【0005】
「%/ds」…乾燥固形分 (Dry Solids content) 換算%を意味する。例えば、アミラーゼa%/ds添加とは、基質(substrate)である乾燥澱粉(水分0%)100部に対してa部を添加することを意味し、マルトース含有率b%/dsとは、全固形分(澱粉糖)100部中にb部を含有することを意味する。
【0006】
「DE」…「Dextrose Equivalent」 の略号で、還元糖をぶどう糖(デキストロース=D−グルコース)として測定し、その還元糖の固形分に対する比を意味する。
【0007】
「マスキット」…母液と結晶が共存している状態を指す。
【0008】
「マルトゲニック−α−アミラーゼ」…特公平4−72505号の下記請求項1に記載されているアミラーゼ酵素に相当するものを意味し、以下「マルトゲニックアミラーゼ」と称することがある。
【0009】
「マルトースを産生しつつデンプンを加水分解し得るアミラーゼ酵素であって、 pH 5.5で約60℃の最適温度を有し、60℃で pH 4.5〜6の最適 pH を有し、70℃で60分後少なくとも75%の残留活性を有し、約70000ダルトンの分子量を有し、更にマルトトリオースを定量的に等モル量のマルトースとグルコースに分解することを特徴とする。」
【0010】
【背景技術】
高純度マルトースの製造に関しては、現在までに種々の研究がなされ、多くの方法が紹介されている。
【0011】
ここで高純度とは、マルトース素材として、実用使用可能な純度、具体的には、澱粉糖(澱粉の加水分解生成物)中におけるマルトース含有率が80%/ds以上、望ましくは85%/ds以上のものをいう。
【0012】
特許第2696530号等において、より安価な地上澱粉を使用し、さらに、汎用の液化酵素、汎用の糖化酵素等、安価な材料を使用して簡易に高純度のマルトース液を得る方法が記載されている。
【0013】
上記公報に記載された製造方法は、基本的には、下記工程からなるものであった。
【0014】
(1) 地上澱粉を原料として用い、澱粉水溶液に液化酵素を作用させて、所定DEになるまで液化をする液化工程、
(2) 液化工程で得た液化物の液化酵素失活処理後、該液化物に、マルトース生成酵素(β−アミラーゼ)及び枝切り酵素(プルラナーゼ及び/又はイソアミラーゼ)を添加し(作用させ)て糖化を行なう第一糖化工程、
(3) 更に、糖化工程開始から所定時間経過後に、特定マルトース生成酵素(マルトゲニックアミラーゼ)及び液化酵素を添加してさらに糖化を行なう第二糖化工程。
【0015】
上記製造方法では、澱粉糖中におけるマルトース含有率が90%/ds近くにもなる高純度マルトースが得られ、直接粉末化して、マルトース粉末として利用することも可能である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記製造方法は、液化酵素の添加は勿論、特定マルトース生成酵素(マルトゲニックアミラーゼ)も原則的に所定時間経過後(ベストモードである実施例はいずれも6時間経過後)に添加する必要がある。
【0017】
このため、工程が複雑となり、更に、マルトース含有率のバラツキが発生し易かった。これは、糖化開始から所定時間経過後における糖化液の pH 、温度のバラツキが、酵素活性に大きな影響を与えるためである。
【0018】
更に、液化酵素失活処理は、通常、液化工程より高温(例えば液化工程:105℃、失活処理:130℃)で行なう必要があり、逆に、糖化工程は、液化工程より低温(例えば:55℃)で行なうため、液化酵素失活処理は、エネルギー損失が大きかった。
【0019】
本発明の一つ(第1の発明)は、上記にかんがみて、工程が簡単となり、マルトース収率のバラツキも小さくすることができるマルトース液の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の他の一つ(第2の発明)は、工程が簡単となるとともに、エネルギー損失を大幅に小さくできるマルトース液の製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
本発明のさらに他の一つ(第3の発明)は、工程が簡単なマルトース液の製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、液化酵素が糖化工程の当初から含まれていても少量なら、又は、液化工程で得る液化物のDEを特定DE範囲に調整すれば失活処理を行なわなくても、マルトース含有率に悪影響をほとんど与えないことを見出して、それぞれ下記構成のマルトース液の製造方法に想到した。
【0023】
本発明の一つ(第1の発明)は、(1) 澱粉水溶液(基質)に液化酵素を作用させて、DE:10を越えない、望ましくはDE:6を越えない液化物を得る液化工程、
(2) 上記工程で得た液化物に、液化酵素失活処理後、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を、該糖化酵素群の作用を阻害しない範囲の液化酵素とともに同時添加して糖化を行なう糖化工程、
を経ることを特徴とする。
【0024】
本発明の他の一つ(第2の発明)は、(1) 澱粉水溶液(基質)に液化酵素を作用させて、DE:2〜8の液化物を得る液化工程、
(2) 上記工程で得た液化物を、液化酵素失活処理を経ずに、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を添加して糖化を行なう糖化工程、
を経ることを特徴とする。
【0025】
さらに本発明者らは、液化工程として、酸液化を適用する下記構成のマルトース液の製造方法(第3の発明)に想到した。
【0026】
(1) 澱粉水溶液(基質)に酸を作用させて、デキストロース当量(DE):10を越えない液化物を得る液化工程、
(2) 上記工程で得た液化物に、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を、該糖化酵素群の作用を阻害しない範囲の液化酵素とともに添加して糖化を行なう糖化工程、
を経ることを特徴とする。
【0027】
上記いずれの発明も、通常、マルトース生成酵素として、β−アミラーゼ及びマルトゲニック−α−アミラーゼを、枝切り酵素として、プルラナーゼをそれぞれ使用することが望ましい。
【0028】
さらに、第1及び第3の発明における、糖化工程における糖化酵素群のマルトース生成作用を阻害しない液化酵素の添加量は、対澱粉添加量:0.0005〜0.05%/ds、望ましくは0.001〜0.01%/dsとする。
【0029】
また、第3の発明の液化工程で使用する酸が、シュウ酸であることが望ましい。後工程の炭酸石灰中和によってほとんど沈殿させることができ、糖化後の濾過により除かれ、イオン交換樹脂の負担を軽減することができるためである。
【0030】
【手段の詳細な説明】
A.まず、液化酵素失活処理をする場合の、本発明(第1の発明)について、説明をする。
【0031】
(1) 液化工程は、澱粉水溶液(基質)に液化酵素を作用させて、デキストロース当量(DE)10、望ましくはDE:6、さらに望ましくはDE:4をそれぞれ越えない液化物を得る。
【0032】
ここで、DE:10を越えるまで液化すると、糖化工程におけるマルトース生成効率が良好でなく、マルトース含有率の高いマルトース液を得難い。
【0033】
液化物DEの下限は、通常、DE:2以上とする。2未満では、pH、濃度調整の際に老化の進行が速くなるのでマルトース生成酵素及び枝切り酵素を作用させても、マルトース含有率の高いマルトース液が得難い。
【0034】
澱粉水溶液を調製するのに使用する澱粉の種類は、地上系、地下系を問わない。地上系としては、コーンスターチ、コムギ澱粉、コメ澱粉、サゴ澱粉等を、地下系としては、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉等の、汎用澱粉を使用できる。
【0035】
このときの澱粉濃度は、5〜45%、望ましくは10〜35%とする。濃度が低過ぎると、澱粉処理のバッチ量が小さくなり、逆に、高すぎると、酵素の効率が低下したり、粘度が上昇しすぎる等の不具合が生じ、マルトース含有率の高いものが得難くなる(特に、表1の実施例1参照)。
【0036】
また、液化酵素としては、通常、直鎖状基質(α−1,4結合)を略ランダムに切断するα−アミラーゼを使用する。
【0037】
ここで、液化酵素の対澱粉添加量は、澱粉濃度、酵素の種類及び力価等により異なるが、通常、0.01〜0.1%/ds、望ましくは、0.02〜0.08%/dsとする。
【0038】
そして、液化の条件は、液化酵素としてα−アミラーゼを使用する場合、それらの至適温度・ pH とする。例えば、95〜110℃(望ましくは100〜105℃)、 pH 5.0〜8.0(望ましくは pH 6.0〜7.0)とする。
【0039】
液化液の調製は、例えば下記の如く行なう。
【0040】
所定濃度の澱粉乳に、消石灰又はNaOHを加えてpH調整を行った後、所定量のα−アミラーゼ等の液化酵素を添加する。この澱粉乳をジェットクッカー、サーモヒーター等で約105℃に加熱し、その温度で5〜10分保持する(澱粉・液化酵素の種類・安定性等により異なる。)。
【0041】
その後、大気圧に解放して、約95℃で、目的とするDEになるまで所定時間(例えば30〜120分)保持して液化を行なう。
【0042】
(2) 上記工程で得た液化物に、液化酵素失活処理後、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を、該糖化酵素群の作用を阻害しない範囲の液化酵素とともに同時添加して糖化を行なう。
【0043】
液化酵素失活処理は、加熱等の常法により行なう。具体的には、例えば130℃前後まで昇温させ、5〜10分保持して行なう。ここで、「液化酵素の失活」とは、酵素(反応の)阻害のうち、非特異性阻害に属するもので、紫外線・高温・薬剤等により酵素蛋白質に変性が起こる失活(不均化)のことで、通常、非可逆的現象である。(八杉他編「岩波生物学辞典第4版」岩波書店:446b参照)。
【0044】
上記マルトース生成酵素としては、通常、β−アミラーゼ及びマルトゲニック−α−アミラーゼを使用する。また、枝切り酵素としては、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、アミロ−1,6−グルコシダーゼ等を挙げることができる。なお、これらの酵素は、起源を特に問わない。
【0045】
澱粉液化液へのマルトース生成酵素及び、枝切り酵素、さらには、液化酵素の対澱粉添加量は、糖化時間によって異なる。
【0046】
例えば、マルトース生成酵素である、β−アミラーゼ:0.05〜0.3%/ds、マルトゲニック−α−アミラーゼ:0.05〜0.3%/dsであるとき、枝切り酵素であるプルラナーゼ:0.02〜0.3%/dsとする。各酵素の添加量を増大させれば糖化時間を短縮することができる。
【0047】
また、液化酵素であるα−アミラーゼは、0.0005〜0.05%/ds、望ましくは、0.001〜0.010%/dsとする。液化酵素の添加量が、過多でも過少でも、糖化液(マルトース液)として、マルトース含有率の高いものも得難くなる。
【0048】
なお、糖化条件は、使用する酵素の種類・活性の見地から適宜選択する。上記酵素群を使用した場合には、通常、pH4.5〜7.5(望ましくは、pH5.5〜6.5)、温度45〜75℃(望ましくは、50〜65℃)が望ましい。
【0049】
(3) 上記糖化工程完了後、液化酵素を添加して、ヨード反応のヨード色が消失するまで分解する、いわゆる「ヨード消し」行なうことが望ましい。マルトース液における濾過作業性が向上するためである。
【0050】
ヨード反応は、「一般的にグルコース連鎖の直鎖部分が6以下のとき呈色せず、8〜12で赤色、それ以上ではしだいに紫色を増し、30〜35以上では完全に青色になる。」(化学大辞典編集委員会編「化学大辞典9」(昭37−7−31)共立出版、p.457参照)とされている。すなわち、ヨード反応の呈色がある段階では、直鎖部分が6より大きいグルコース連鎖が存在していることとなる。
【0051】
液化酵素としては、上述のα−アミラーゼ等を使用することができる。「ヨード消し」の条件としては、酵素の種類にもよるが、液化酵素の対原料澱粉添加量を、0.01〜0.1%/ds(望ましくは0.03〜0.07%%/ds)とし、60〜100℃(望ましくは70〜90℃)で10〜20分程度処理する。こうして、濾過性の良い高純度マルトース液(マルトース含有率90%/ds前後) を得ることができる。
【0052】
B.次に、液化工程後、液化酵素失活処理を行わないで糖化工程に移行する場合の本発明(第2の発明)について、説明をする。
【0053】
(1) 液化工程においては、上記Aで説明した手順と同一の手法を取ることができる。したがって、ここでは詳しい説明を省略する。
【0054】
ただし、この液化工程では、DE2〜8の液化物を得る。DEが高すぎても、低過ぎてもマルトース含有率の高いものを得難い。
【0055】
(2) 上記液化工程で得た液化物を、液化酵素失活処理を経ずに、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を添加して糖化を行なう。
【0056】
糖化酵素群は先の上記Aで示した酵素と同一のものを使用可能である。そして澱粉液化液へのマルトース生成酵素及び、枝切り酵素の添加量についても上記Aの方法に準ずる。
【0057】
糖化酵素群の添加時期については、マルトゲニック−α−アミラーゼを、糖化酵素群(マルトゲニック−α−アミラーゼを除く。)の添加と同時に添加することが糖化時間の短縮が計れるため望ましい。なお、マルトゲニック−α−アミラーゼは糖化酵素群とは別に糖化工程終了前1時間以上前までに添加してもよい。
【0058】
本方法では、液化工程完了後に、液化酵素の失活処理を行なわない。このため液化酵素失活のために液化液を昇温させる必要がない。すなわち、液化液をそのまま降温させて糖化工程に移ることができ、エネルギー損失が少なくてすむ。また、糖化工程においても、液化工程で添加した液化酵素が残存して、高分子のものが加水分解され易い。そのためヨード消しを行わなくても、上記Aと同様の糖化時間でヨード反応の呈色が完全に消失する。結果として、上記Aに記載した本発明と比較すると、糖化酵素群添加時の液化酵素の添加と、ヨード消しの酵素添加を省略することができ、工程を簡略化することが可能となる。
【0059】
通常、糖化時に液化酵素が多く添加されていると、高純度のマルトースを得難いというのが当業者常識であった。しかし、本発明者らは、糖化開始DEを2〜8に設定することにより、液化酵素失活処理を経ないでも、高純度マルトース液を得られることを見出して、本発明の方法に想到した。
【0060】
C.次に、液化工程に酸液化を適用した場合の本発明(第3の発明)について、説明をする。
【0061】
(1) 液化工程は、澱粉水溶液(基質)に酸を作用させて、デキストロース当量(DE)10をそれぞれ越えない液化物を得る。
【0062】
液化物DEを上記値とする理由は、すでに発明Aにおいて述べたため、ここでは省略する。また、使用する澱粉の種類、澱粉濃度、においても発明Aに準ずるものである。
【0063】
酸液化に使用する酸としては、塩酸、硫酸、シュウ酸等があるが、特にシュウ酸が好適に使用できる。炭酸石灰中和でできるシュウ酸カルシウムは、沈殿粒子が大きいため濾過が容易で、かつ溶解度が小さく糖液中にほとんど溶け込まないからである。また、脱塩精製に利用するイオン交換樹脂に対する負荷が極めて小さく、樹脂の処理容量の点からも有利である。さらに、塩酸や硫酸に比して配管やタンク、基材の腐食、消耗が少ない。
【0064】
ここで、酸の対澱粉添加量は、澱粉濃度、酸の種類及び価数等により異なるが、シュウ酸を使用した場合、通常、0.1〜0.5%、望ましくは、0.2〜0.4%とする。
【0065】
そして、液化の条件は、酸の種類に応じた至適温度・ pH とする。例えば、シュウ酸を使用した場合、約110〜150℃(望ましくは約120〜130℃)、 pH 1.5〜3.5(望ましくは pH 2.0〜3.0)とする。
【0066】
液化液の調製は、例えば下記の如く行なう。
【0067】
所定濃度の澱粉乳に、シュウ酸を加えてpHを調整(例えば約2.2〜2.4)を行った後、ジェットクッカー、サーモヒーター等で加熱し(例えば約130〜140℃)、その温度で目的とするDE(例えば8〜18)になるまで所定時間(例えば約10〜120分)保持して液化を行なう(澱粉・酸の種類・安定性等により異なる。)。
【0068】
(2)上記液化工程で得た液化物に、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を該糖化酵素群の作用を阻害しない範囲の液化酵素とともに添加して糖化を行なう。
【0069】
糖化条件は、上記Aに準ずるものである。そのため、目的のpH及び温度に調整後糖化を行う。pH調整は、消石灰又はNaOH等を使用して行うことができる。
【0070】
糖化酵素群は先の上記Aで示した酵素と同一のものを使用可能である。そして澱粉液化液へのマルトース生成酵素及び、枝切り酵素の添加量についても上記Aの方法に準ずる。
【0071】
糖化酵素群の添加時期については、上記Bと同様、マルトゲニック−α−アミラーゼを、糖化酵素群(マルトゲニック−α−アミラーゼを除く。)の添加と同時に添加することが糖化時間の短縮が計れるため望ましい。なお、マルトゲニック−α−アミラーゼは糖化酵素群とは別に糖化工程終了前1時間以上前までに添加してもよい。
【0072】
本発明C(第3の発明)においては、液化工程において液化酵素を使用しない。そのため、液化酵素の失活処理が不要となり、工程を簡略化することが可能となる。また、液化処理は、液化酵素を使用した場合に比して高温で行うが、液化液をそのまま降温させて糖化工程に移ることができるため、本発明Aに比して温度調節も簡略化される。
【0073】
得られた高純度マルトース液は、そのままでも使用可能であるが、結晶分離し易いため、長期貯蔵および利用する食品等の形態によって粉末化することが望ましい。
【0074】
本発明で製造した高純度マルトース液は、高純度であるため、分画せずに、造粒化(粉末化)可能である。必要により、分画を行なうことは勿論できる。
【0075】
高純度マルトース液からマルトース粉末を得る方法としては、例えば、噴霧造粒法、ニーダー法、流動造粒法、ブロック粉砕法、分蜜法等の各種方法、又はそれらの組み合わせが採用可能である。
【0076】
このうち、容易に高純度マルトース粉末を得る方法としては、スプレー粉末化後、熟成させて粉末製品とする方法が好適である。この際、比旋光度を測定すると、粉末製品の粉の熟成状態を数値的に判断でき、工程完了の目安となり得る。比旋光度は、熟成時間の経過とともに下がり、粉末の状態もサラサラとなる。
【0077】
その工程の一例を下記に示す。なお、下記工程に限定されるわけではなく、各種方法を利用可能であることは勿論である。
【0078】
(1) 液化液(高純度マルトース液)を、固形分濃度60%以上(望ましくは70〜80%)に濃縮後、シード(種晶:マルトース粉末)を0.1%/ds(対原料澱粉)添加して、25〜35℃で15〜20時間放置してマスキットを調製する。このときのマスキットは、通常、晶出率30%以上、粘度:20〜100Pa・s となる。なお、濃縮度が高すぎると、晶出速度は速くなるが、不良結晶ができやすい。不良結晶とは、後述の噴霧乾燥に適さない結晶をいう。また、シードは、マルトースのマスキットも使用可能である。この際の比旋光度はマルトース含有量約87%のもので[α]20 D =+130°前後である。
【0079】
(2) 上記マスキットを、水で攪拌しながら希釈してポンプ搬送可能な粘度、通常80Pa・s 以下(望ましくは30Pa・s 以下)とする。そして、例えば該希釈マスキットを、送風温度35〜60℃、送液量4〜5kg/hで噴霧乾燥して粉末化する。この際、マルトース粉末の熟成をはやめるため、スプレーの出口水分を9〜12%に保つことが望ましい。マルトース含有量約87%のもので、スプレー直後の比旋光度は[α]20 D =+125°前後である。[α]20 D =+125°前後では、粉が互いに結着した状態で存在する。
【0080】
(3) 上記で得られたマルトース粉末をマルトース粉末自身の水分のみを利用して、ステンレス等の密閉容器内で、温度:30〜40℃、時間:6〜10hで熟成させる。熟成により比旋光度が[α]20 D =+118°前後になると、流動性のよいサラサラとしたマルトース粉末が得られる。
【0081】
また熟成においては、マルトース粉末自身の水分のみを利用する方法ではなく、別途、水分を添加して行う汎用の方法を使用することも可能である。
【0082】
【発明の効果】
本発明に係るマルトース液の製造方法の一つ(第1発明)は、上記の如く、澱粉溶液に、液化酵素を作用させて澱粉液化液を調製し、さらに該液化液にマルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を、該糖化酵素群の作用を阻害しない範囲の液化酵素とともに同時添加して糖化を行なう方法なので、工程が簡単となり、マルトース収率のバラツキも小さくすることができる。すなわち、液化酵素等の添加を、糖化開始後、所定時間経過後に添加する必要がない。
【0083】
他の製造方法の一つ(第2発明)は、澱粉水溶液(基質)に液化酵素を作用させて、所定DEになるまで液化した液化物を、失活処理を行なわずに、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を添加して糖化を行なうことにより、工程が簡単になるとともに、エネルギー損失を大幅に小さくできる。失活処理のための昇温(加熱)が不要となるためである。
【0084】
さらに他の製造方法の一つ(第3発明)は、澱粉溶液に、酸を作用させて澱粉液化液を調製し、さらに該液化液にマルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を、該糖化酵素群の作用を阻害しない範囲の液化酵素とともに添加して糖化を行なう方法なので、工程が簡単となる。
【0085】
【実施例】
以下、本発明の効果を確認するために行なった実施例について説明する。当然本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0086】
実施例においては、下記の酵素群を使用した。
【0087】
α−アミラーゼ:「スピターゼHKS」 (16,800 DUN/g)
(長瀬産業株式会社製)
β−アミラーゼ:「ビオザイムML」 (6,000 U/ml)
(天野製薬株式会社製)
マルトゲニック−α−アミラーゼ:「マルトゲナ−ゼ」 (4,000 MANU/ml)
(ノボ・インダストリ−・ジャパン株式会社製)
プルラナーゼ:「アマノ」(900 U/mL)
(天野製薬株式会社製)
また、各測定値は以下の測定方法により算出した。
【0088】
比旋光度:5g/DSの試料をジメチルホルムアミド(DMF)50mlに溶解し、20℃、100mm円筒形セルで測定した。測定には日本分光旋光計「DIP−140型」を使用した。
【0089】
DE:日本農林規格で採用されている「Wilstatter Schudel法」に従って測定した。
【0090】
<実施例1>
基質(澱粉水溶液)として、澱粉(コーンスターチ)濃度10%、20%、27.8%、28.1%の4種類を準備した。各澱粉水溶液を、pH6.5に調製し、α−アミラーゼ(「スピターゼHKS」)0.048%/ds(対原料澱粉)を添加して、常法にて105℃で液化を行なった。約DE4となった時点で、130℃に加熱して液化酵素を失活させ液化液を調製した。なお、失活処理後のDEを、それぞれ表1に糖化開始DEとして示す。
【0091】
各液化液を温度58℃、pH6.0に調製した後、糖化酵素群として、β−アミラーゼ0.1%、プルラナーゼ0.1%、マルトゲニック−α−アミラーゼ0.1%、及び、液化酵素のα−アミラーゼ(「スピターゼHKS」)0.001%を同時添加し、48時間糖化を行なった。
【0092】
上記糖化酵素添加後48時間目に、温度80℃において、α−アミラーゼ(スピターゼHKS)を0.055%/ds添加し、15分間ヨード消し処理を行ない、マルトース液を得た。
【0093】
さらに、上記マルトース液(液化物)を、濾過、イオン精製し、濃度75%まで濃縮した。該濃縮液にシード(マスキット)を0.1%/ds添加し、30℃で、15時間攪拌してマスキットを得た。該マスキットの晶出率は約40%、粘度は60Pa・s であった。
【0094】
続いて、該マスキットに水を添加して粘度を10Pa・s の希釈マスキット液とし、送風温度40℃、送液量5kg/hとし、スプレーの出口水分を10%前後に保ちつつ、噴霧装置(ディスク径:100mm、ディスク回転数:16000 rpm)を使用して噴霧乾燥して粉末化した。
【0095】
該マルトース粉末をステンレス容器に入れ、温度30℃において、8時間熟成させた。なお、この際の相対湿度は60%、得られたマルトース粉末の比旋光度は[α]20 D =+118°であった。
【0096】
<実施例2>
基質(澱粉水溶液)として、澱粉(コーンスターチ)濃度30.8%及び38.4%、の2種類を準備した。各澱粉水溶液をpH6.5に調製し、α−アミラーゼ(スピターゼHKS)0.048%/ds(対原料澱粉)を添加して、常法にて105℃で液化を行なった。液化液が所定のDE(約DE4の状態)になった後、135℃まで加熱して、液化酵素を失活させた。なお、失活後のDEを、それぞれ糖化開始DEとして表1に示す。
【0097】
各液化液を温度58℃、pH6.0に調製した後、糖化酵素群として、β−アミラーゼ0.2%/ds、プルラナーゼ0.2%/ds、マルトゲニック−α−アミラーゼ0.2%/ds、及び液化酵素である、α−アミラーゼ(スピターゼHKS)0.002%/ds(いずれも対原料澱粉)を同時添加し48時間糖化を行なった。
【0098】
上記糖化酵素添加後48時間目に、実施例1と同様ヨード消しを行ない、マルトース液を得た。
【0099】
さらに、上記マルトース液から実施例1と同一の処理を経てマルトース粉末を得た。得られたマルトース粉末の比旋光度は[α]20 D =+118°であった。
【0100】
<実施例3>
濃度28.4%/dsのトウモロコシ澱粉液化液を実施例1と同一の方法で調製した。
【0101】
DE3.2の液化液を温度58℃、pH6.0に調製した後、マルトース生成酵素として、β−アミラーゼ0.1%/ds、枝切り酵素としてプルラナーゼ0.1%/dsを添加し糖化を行なった。糖化酵素添加後40時間目に、特定マルトース生成酵素であるマルトゲニック−α−アミラーゼ0.1%/ds(いずれも対原料澱粉)を添加し、さらに48時間糖化を行ない、実施例1と同様にヨード消し工程を経てマルトース液を得た。
【0102】
さらに、上記マルトース液を、濾過、イオン精製後、濃度73.4%まで濃縮した。該濃縮マルトース液にシードを0.1%/ds(対固形分)添加し、25℃で、17時間攪拌してマスキットとした。該マスキットの晶出率は33.0%、粘度は60Pa・s であった。
【0103】
該マスキットに水を添加して粘度を6Pa・s の希釈マスキット液とし、該希釈マスキットを、送風温度40℃、送液量4.8kg/hとし、スプレーの出口水分を9.7%/ds前後に保ちつつ、噴霧装置(実施例1と同じ)を使用して噴霧乾燥して粉末化した。この際のマルトース粉末の比旋光度は[α]20 D =+125°であった。
【0104】
該マルトース粉末をステンレス容器に入れ、温度35℃において、8時間熟成させた。なおこの際の湿度は63%、得られたマルトース粉末の比旋光度は[α]20 D =+118°であった。
【0105】
<実施例4>
28.1%濃度のトウモロコシ澱粉水溶液をpH6.5に調製し、α−アミラーゼ(スピターゼHKS)0.048%/dsを添加して、常法にて105℃で液化を行なった。
【0106】
DE:6となった時点で、液化液を温度58℃、pH6.0に調製した後、糖化酵素として、β−アミラーゼ0.1%/ds、マルトゲニック−α−アミラーゼ0.1%/ds、及びプルラナーゼ0.1%/ds(いずれも対原料澱粉)を同時添加し、72時間糖化を行なった。この際、ヨード色は、糖化酵素投入後48時間で消失していた。
【0107】
さらに、上記マルトース液を実施例3と同様マスキット化し、希釈した後、送風温度36℃、送液量4.8kg/hとし、スプレーの出口水分を9.6%/ds前後に保ちつつ、噴霧装置(実施例1と同じ)を使用して噴霧乾燥して粉末化した。この際の粉末マルトースの比旋光度は、[α]20 D =+123°であった。
【0108】
該マルトース粉末をステンレス容器に入れ、温度37℃において、8時間熟成させた。なおこの際の湿度は60%/ds、得られたマルトース粉末の比旋光度は、[α]20 D =+117°、水分9.2%/dsであった。
【0109】
<実施例5>
24.2%濃度のトウモロコシ澱粉水溶液をpH6.5に調製し、α−アミラーゼ(スピターゼHKS)0.048%/dsを添加して、常法にて115℃で液化を行なった。
【0110】
DE:1.6となった時点で、液化液を温度58℃、pH5.8に調製した後、糖化酵素として、β−アミラーゼ0.2%/ds、マルトゲニック−α−アミラーゼ0.1%/ds、及びプルラナーゼ0.15%/ds(いずれも対原料澱粉)を同時添加し、46時間糖化を行なった。ヨード色は、糖化中に消失した。
【0111】
さらに、上記マルトース液(液化物)を、濾過、イオン精製し、濃度72.3%まで濃縮した。該濃縮液にシード(マスキット)を0.1%/ds添加し、29℃で、28時間攪拌してマスキットを得た。該マスキットの晶出率は約48.2%、粘度は50Pa・s であった。
【0112】
続いて、該マスキットに水を添加して粘度を10Pa・s の希釈マスキット液とし、送風温度67℃、排風温度44℃、送液量5kg/hとし、スプレーの出口水分を12%前後に保ちつつ、噴霧装置(ディスク径:100mm、ディスク回転数:16000 rpm)を使用して噴霧乾燥して粉末化した。
【0113】
該マルトース粉末の水分は、回収直後12.3%であり、比旋光度は[α]20 D =+118°であった。
【0114】
該マルトース粉末をステンレス容器に入れ、温度27℃の雰囲気において、6時間熟成させた。なお、この際の相対湿度は63%、得られたマルトース粉末の比旋光度は[α]20 D =+112°、水分は6.2%/dsであった。
【0115】
<実施例6>
26%濃度の馬鈴薯澱粉水溶液をpH6.5に調製し、α−アミラーゼ(スピターゼHKS)0.048%/dsを添加して、常法にて105℃で液化を行なった。
【0116】
DE:4となった時点で、液化液を温度58℃、pH5.9に調製した後、糖化酵素として、β−アミラーゼ0.15%/ds、マルトゲニック−α−アミラーゼ0.08%/ds、及びプルラナーゼ0.1%/ds(いずれも対原料澱粉)を同時添加し、65時間糖化を行なった。この際、ヨード色は、糖化工程中に消失していた。
【0117】
さらに、上記マルトース液(液化物)を、濾過、イオン精製し、濃度72.6%まで濃縮した。該濃縮液にシード(マスキット)を0.1%/ds添加し、28℃で、27時間攪拌してマスキットを得た。該マスキットの晶出率は約46.4%、粘度は34Pa・s であった。
【0118】
続いて、該マスキットに水を添加して粘度を10Pa・s の希釈マスキット液とし、送風温度65℃、排風温度43℃、送液量5kg/hとし、スプレーの出口水分を12%前後に保ちつつ、噴霧装置(ディスク径:100mm、ディスク回転数:16000 rpm)を使用して噴霧乾燥して粉末化した。
【0119】
該マルトース粉末の水分は、回収直後14%であり、比旋光度は[α]20 D =+115°であった。
【0120】
該マルトース粉末をステンレス容器に入れ、温度25℃の雰囲気において熟成させた。なお、この際の相対湿度は77%、得られたマルトース粉末の比旋光度は4時間熟成後で[α]20 D =+111°、6時間熟成・乾燥後で、[α]20 D =+111°水分は6.2%/dsであった。
【0121】
<実施例7>
28.9%濃度のトウモロコシ澱粉水溶液をシュウ酸でpH2.5に調製し、常法にて128℃で酸液化を行なった。
【0122】
DE:6.7となった時点で、液化液を温度58℃、pH5.9に調製した後、糖化酵素として、β−アミラーゼ0.1%/ds、マルトゲニック−α−アミラーゼ0.1%/ds、α−アミラーゼ0.005%/ds、及びプルラナーゼ0.1%/ds(いずれも対原料澱粉)を同時添加し、72時間糖化を行なった。この際、ヨード色は、糖化工程中に消失していた。
【0123】
さらに、上記マルトース液を実施例5と同様マスキット化を経て噴霧乾燥し、粉末化した。
【0124】
<実施例8>
28%濃度の馬鈴薯澱粉水溶液をシュウ酸でpH2.5に調製し、常法にて128℃で酸液化を行なった。
【0125】
DE:3.3となった時点で、液化液を温度58℃、pH5.6に調製した後、糖化酵素として、β−アミラーゼ0.2%/ds、マルトゲニック−α−アミラーゼ0.1%/ds、α−アミラーゼ0.002%/ds、及びプルラナーゼ0.15%/ds(いずれも対原料澱粉)を同時添加し、58時間糖化を行なった。この際、ヨード色は、糖化工程中に消失していた。
【0126】
さらに、上記マルトース液を実施例5と同様マスキット化を経て噴霧乾燥し、粉末化した。
【0127】
各実施例で得られたマルトース粉末の組成を、高速液体クロマトグラフィー(樹脂:MCI−GEL CK04S、カラム:10mm×200mm、カラム温度:80℃、流速:0.3mlH2 O/min )を使用して測定した。
【0128】
測定結果を示す表1、2から、全ての実施例において、マルトース含量85%/ds以上の高純度マルトース液が製造可能であることが分かる。また、各実施例の比旋光度の値から本発明の粉末化方法で、高純度のマルトース粉末が得られていることが分かる。
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
Claims (12)
- (1) 澱粉水溶液(基質)に液化酵素を作用させて、デキストロース当量(DE):2.6〜4.6の液化物を得る液化工程、
(2) 上記工程で得た液化物に、液化酵素失活処理後、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を、0.001〜0.002 %/dsの液化酵素とともに同時添加して糖化を行なう糖化工程、
を経ることを特徴とするマルトース液の製造方法。 - 前記マルトース生成酵素が、β−アミラーゼ及びマルトゲニック−α−アミラーゼであり、前記枝切り酵素が、プルラナーゼであることを特徴とする請求項1記載のマルトース液の製造方法。
- 前記糖化工程における液化酵素がα−アミラーゼであることを特徴とする請求項2に記載のマルトース液の製造方法。
- (1) 澱粉水溶液(基質)に液化酵素を作用させて、DE2〜8の液化物を得る液化工程、
(2) 上記工程で得た液化物を、液化酵素失活処理を経ずに、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を添加して糖化を行なう糖化工程、
を経ることを特徴とするマルトース液の製造方法。 - 前記マルトース生成酵素が、β−アミラーゼ及びマルトゲニック−α−アミラーゼであり、前記枝切り酵素が、プルラナーゼであることを特徴とする請求項4記載のマルトース液の製造方法。
- 前記マルトゲニック−α−アミラーゼを、前記糖化酵素群(マルトゲニック−α−アミラーゼを除く。)の添加と同時に添加することを特徴とする請求項5記載のマルトース液の製造方法。
- (1) 澱粉水溶液(基質)に酸を作用させて、デキストロース当量(DE):2.6〜4.6の液化物を得る液化工程、
(2) 上記工程で得た液化物に、マルトース生成酵素及び枝切り酵素を含む糖化酵素群を、0.001〜0.002 %/dsの液化酵素とともに添加して糖化を行なう糖化工程、
を経ることを特徴とするマルトース液の製造方法。 - 前記液化工程で使用する酸が、シュウ酸であることを特徴とする請求項7記載のマルトース液の製造方法。
- 前記マルトース生成酵素が、β−アミラーゼ及びマルトゲニック−α−アミラーゼであり、前記枝切り酵素が、プルラナーゼであることを特徴とする請求項8記載のマルトース液の製造方法。
- 前記マルトゲニック−α−アミラーゼを、前記糖化酵素群(マルトゲニック−α−アミラーゼを除く。)の添加と同時に添加することを特徴とする請求項9記載のマルトース液の製造方法。
- 前記糖化工程における液化酵素がα−アミラーゼであることを特徴とする請求項10記載のマルトース液の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法でマルトース液を得た後、更にこのマルトース液をスプレー粉末化後、熟成させて粉末製品とすることを特徴とするマルトース粉末の製造方法。
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