JP3822365B2 - 荷電制御剤としてのインター− 高分子電解質コンプレックスの使用法 - Google Patents

荷電制御剤としてのインター− 高分子電解質コンプレックスの使用法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真記録法用のトナー及び現像剤、表面塗装用の粉剤及び粉体塗料、エレクトレット材料、特にエレクトレット繊維、及び分離方法において使用される荷電制御剤の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真記録法においては、潜荷電像 (latent charge image)を光導電体上に生じさせる。この潜荷電像は、静電気的に帯電させたトナーを塗布することによって現像され、これを次いで例えば紙、繊維材料、箔またはプラスチックに転写しそして例えば圧力、放射線、熱または溶剤の作用によりそこに定着させる。代表的なトナーは一成分または二成分粉体トナー(一成分または二成分現像剤としても知られる)であり、また例えば磁気トナー、液体トナーまたは重合トナー等の特殊なトナーも使用される。重合トナーとは、例えば懸濁重合(縮合)または乳化重合によって得られ、トナー中の改善された粒子特性を導くトナーを意味する。
【0003】
また原則的に非水性分散体中で得られたトナーをも意味する。
トナーの品質の目安の一つは、それの比電荷率q/m (単位質量当たりの電荷量)である。静電荷の符号及びレベルの他には、所望の電荷レベルに迅速に到達すること並びに長期の活性化期間にわたってこの電荷が一定に維持されることが、主な決定的に重要な品質基準である。これに加えて、環境的な影響、例えば温度及び大気湿度に対するトナーの不感性も、その適合性のための更にもう一つの重要な判定基準である。
【0004】
正及び負に帯電可能なトナーの両方が、プロセス及び装置の種類に依存して、複写機及びレーザープリンターに使用される。
正または負の電荷を有する電子写真用トナーまたは現像剤を得るためには、荷電制御剤(charge control agent)を添加することが通例である。トナーバインダーの電荷は、通常、活性化時間に非常に依存するために、荷電制御剤の機能は、一方では、トナーの電荷の符号とレベルを設定することであり、また他方では、トナーバインダーのチャージドリフト(老化)を防ぎそしてトナーの電荷を一定にすることである。
【0005】
それゆえ、トナーまたは現像剤が長い使用期間の間に高いチャージドリフトを示すことを防ぐことができず、またトナーまたは現像剤の電荷の反転を引き起こす恐れもあるような荷電制御剤は実際の使用には適していない。
黒色のトナーに関しては、黒色、青色または暗い色の荷電制御剤を使用することが可能であるが、カラートナーに関しては、色彩的な問題から、固有の色を持たない荷電制御剤が必要とされる。
【0006】
フルカラートナーの場合は、色に関して厳密に定義される要求に加えて、3種のトナー、つまりイエロー、シアン及びマゼンタが同じ装置中で順次転写されるので、これらがその摩擦電気的 (triboelectric)性質の点で互いに正確に適合する必要もある。
幾つかの着色剤がトナーの摩擦電気的電荷に持続効果をもたらし得ることが公知である。着色剤のそれぞれ異なる摩擦電気的効果と、それによって時折非常に顕著に現れるトナーの帯電性への影響のため、最初に調製したトナーベース調合物に着色剤を単純に添加するというわけにはいかず、むしろ、それぞれの着色剤に対して、必要とされる荷電制御剤の性質と量を特別に設定して合わせた各々の調合物を用意する必要があるであろう。
【0007】
このような作業は非常に手間がかかるため、異なる着色剤の異なる摩擦電気的特性をカバーすることができそしてトナーに所望の電荷を与えることのできる、極めて効果的な無色の荷電制御剤に対する要望がある。この場合、最初に用意した一つのトナーベース調合物を基本として、一つの同じ荷電制御剤を用いて、摩擦電気的性質の面で顕著に異なる着色剤を必要とされる様々なトナー(イエロー、シアン、マゼンタ及び必要に応じてブラック)中で使用することができる。
【0008】
実施にあたっての更に重要な要求事項は、荷電制御剤が高い熱安定性及び良好な分散性を有するべきである。荷電制御剤をトナー樹脂に組み入れる際の典型的な温度は、混練機及び押出機を使用した場合には 100〜200 ℃の間である。それゆえ、200 ℃における熱安定性を持つことが非常に有利である。この熱安定性が比較的長い時間(約30分間)にわたって及び様々なバインダー系中で保証されることも重要である。これは、これが保証されないと、マトリックス効果が繰返し起こりそしてトナー樹脂中での荷電制御剤の時期尚早の分解をまねき、これによってトナー樹脂が暗い黄色かまたは暗い褐色に変色しそして荷電制御効果が全くまたは部分的に失われてしまうため重要な事柄である。典型的なトナーバインダーは、付加重合、重付加及び重縮合によって得られる樹脂、例えばスチレン、スチレン- アクリレート、スチレン- ブタジエン、アクリレート、ポリエステル及びフェノール- エポキシ樹脂、更にシクロオレフィンコポリマー、それぞれ単独またはこれらの組み合せであり、またこれは、更に別の成分、例えば染料及び顔料等の着色剤、ワックスまたは流動助剤を含んでいてもよく、あるいはこれらの成分が後で添加されてもよい(例えば高分散シリカなど)。
【0009】
荷電制御剤が、できる限りワックス様性質を持たず、粘着性(tackiness) を示さず、そして>150 ℃、より好ましくは>200 ℃の融点または軟化点を持つ場合、良好な分散性を達成するのに非常に有利である。粘着性は、しばしば、トナー調合物中へ荷電制御剤を計量添加する際の問題をまねき、融点または軟化点が低い場合は、この材料がキャリア材料中に少しずつ合着してしまい、分散処理中に均一な分布状態を達成し損ねることがある。
【0010】
電子写真用トナー及び現像剤中での用途の他に、荷電制御剤は、粉剤及び塗料、特に、例えば金属、木材、プラスチック、ガラス、セラミック、コンクリート、繊維材料、紙またはゴムなどから作られた物品の表面塗装に使用されるような摩擦電気的にまたは動電的 (electrokinetically) に吹付けされた粉体塗料における粉剤及び塗料の静電気的電荷を改善するためにも使用できる。粉体塗装技術は、例えば、庭用具、キャンプ用品、家庭用品、車の部品、冷蔵庫及び棚等の物品を塗装する際、及び複雑な形状の工作物を塗装する際に使用される。粉体塗料または粉剤は、一般的に以下の2つの方法のうちの一つを用いてその静電的電荷を得る:
コロナ方法において、粉体塗料または粉剤を、帯電したコロナに導き通して、そこで帯電させる。摩擦電気または動電的方法において、摩擦電気(frictional electricity)の原理を使用する。
【0011】
粉体塗料または粉剤は、吹付け装置内において、その摩擦パートナー、一般的には例えばポリテトラフルオロエチレンから作られたホースまたはスプレーラインの電荷と反対の静電気的電荷を受け取る。
上記の二つの方法を組み合わせて使用することも可能である。使用される粉体塗料樹脂の典型的な例は、エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、ヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂であり、これらは慣用の硬化剤と組み合わせて使用される。これらの樹脂の組み合わせも使用される。例えば、エポキシ樹脂は、しばしば、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂及び/またはヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂と組み合わせて使用される。
【0012】
エポキシ樹脂のための代表的な硬化剤成分の例は、酸無水物、イミダゾール類及びジシアンジアミド、並びにこれらの誘導体である。ヒドロキシル基を含有するポリエステル樹脂のための代表的な硬化剤成分の例は、酸無水物、ブロックドイソシアネート類、ビスアシルウレタン類、フェノール樹脂及びメラミン樹脂である。カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂のための代表的な硬化剤成分の例は、トリグリシジルイソシアヌレート類またはエポキシ樹脂である。アクリル樹脂では、使用される代表的な硬化剤成分は、例えば、オキサゾリン類、イソシアネート類、トリグリシジルイソシアヌレート類またはジカルボン酸類である。
【0013】
不十分な帯電により生じる不都合は、とりわけ、ポリエステル樹脂、特にカルボキシル基含有ポリエステルあるいはいわゆる混合粉剤(ハイブリッド粉剤とも呼ばれる)を使用して調製した、摩擦電気的にまたは動電的に吹付けされた粉剤及び粉体塗料の場合に見うけられる。混合粉剤とは、その樹脂ベースがエポキシ樹脂とカルボキシル基含有ポリエステル樹脂の組み合わせからなる粉体塗料を意味する。混合粉剤は、最も一般的に実用されている粉体塗料のベースをなすものである。上記の粉剤及び粉体塗料の帯電が不十分であると、塗装されるべき工作物上において、付着率(deposition rate) と均一付着性(throwing power)とが不十分なものとなる。“均一付着性”は、粉剤または粉体塗料が、どの程度、塗装されるべき工作物、例えばその裏面、空隙、割れ目及びとりわけ内部の縁及び角に付着するかの一つの尺度である。
【0014】
更に、荷電制御剤は、エレクトレット材料、特にエレクトレット繊維の帯電特性及び電荷安定性をかなりの程度で改善できることも知られている(ドイツ特許出願公開第43 21 289 号)。これまでエレクトレット繊維は、主に非常に微細なダストを濾過する問題に関連して記載されている。これらの濾過材は、繊維が構成される材料の点と静電気的電荷を繊維に付与する方法の点の両方で異なる。代表的なエレクトレット材料は、ポリオレフィン、ハロゲン化したポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン類またはフルオロポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン及びパーフルオロ化したエチレン及びプロピレン; あるいはポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン; ポリアリーレンスルフィド、特にポリフェニレンスルフィド; ポリアセタール、セルロースエステル、ポリアルキレンテレフタレート、及びこれらの混合物を基材とするものである。エレクトレット材料、特にエレクトレット繊維は、例えば(非常に微細な)ダストを濾過するために使用することができる。エレクトレット材料は様々な方法、例えばコロナまたは摩擦電気によって帯電させた結果、その電荷を受け取ることができる。
【0015】
また、荷電制御剤を、静電的分離法、特にポリマーの分離法に使用することができることも知られている。例えば、外添したトリメチルフェニルアンモニウムテトラフェニルボレートなる荷電制御剤の例を用いて、Y.ヒガシヤマ等が、リサイクルの目的で、各々のポリマーがどのように互いに分離できるかを記載している (J.Electrostatics 30(1993) 203-212)。荷電制御剤を用いない場合は、低密度ポリエチレン(LDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)の摩擦電気的帯電特性は近似している。荷電制御剤の添加後は、LDPEは高い正の電荷を帯び、HDPEは高い負の電荷を帯びるため、各々の材料が簡単に分離できる。荷電制御剤は外添する他に、例えば摩擦電気的電圧系列内のポリマーの位置を変えて対応する分離効果を得るために、ポリマー中に組み入れる方法も原則的に考えることができる。このようにして、他のポリマー、例えばポリプロピレン(PP)及び/ またはポリエチレンテレフタレート(PET) 及び/ またはポリビニルクロライド(PVC) を互いに分離することもできる。
【0016】
例えば、塩鉱物 (salt mineral) も同様に、これらが基体特有- 静電的帯電性(substrate-specific electrostatic charging) を改善する添加物で前もって表面処理(表面コンディショニング)されている場合に、特に良好な選択性を持って分離できる (A.Singewald, L.Ernst, Zeitschrift fuer Physikal. Chem., Neue Folge, Vol.124(1981)223-248) 。
【0017】
更に荷電制御剤は、インクジェットプリンター用のインキのための導電性付与剤(ECPA)として使用される(特開平5-163 449 号)。
荷電制御剤は多数の文献に記載されている。しかし、これまで知られている荷電制御剤は、これらの実際での使用を著しく制限しまた時にはこれを不可能にする一連の欠点を有する。このような欠点の例は、固有の色、熱または光に対する不安定性、トナーバインダー中での低い安定性、電荷の所望の符号(正または負の帯電)、電荷量レベルまたは電荷の不変性の点での不十分な活性、及び分散性である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、本発明の課題は、改善された特に効果的な無色の荷電制御剤を見出すことであった。この化合物が、電荷を迅速に得ること及びこの電荷が不変であることを可能にするばかりでなく、高い熱安定性も持つべきであることが意図される。更に、これらの化合物は、実際に使用される様々なトナーバインダー、例えばポリエステル類、ポリスチレン- アクリレート類またはポリスチレン- ブタジエン類/ エポキシ樹脂並びにシクロオレフィンコポリマー中で分解することなく容易に分散可能であるべきである。更に、この化合物は生態系的及び毒性の面で許容されるべきである。つまり無毒でありかつ重金属を含むべきではない。加えて、それらの作用は、広い応用性を得るために樹脂/ キャリヤーの組み合せと無関係であるべきである。またこれらは、通例の粉体塗料バインダー及びエレクトレット材料、例えばポリエステル(PES) 、エポキシ、PES-エポキシハイブリッド、ポリウレタン及びアクリル系並びにポリプロピレン中で分解することなく良好に分散できるべきであり、また樹脂の変色を導くべきではない。
【0019】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、インター- 高分子電解質コンプレックス(inter-polyelectrolyte complex;略してIPEC; ただ単に、高分子電解質コンプレックスとも言う)が、良好な荷電制御特性及び高い熱安定性を持つことがここに見出された。更に、これらの化合物は、主に固有の色を持たず、そして慣用のトナー、粉体塗料及びエレクトレットバインダー中に良好に分散できる。
【0020】
IPECという用語は、陰イオン性高分子(ポリアニオン)と陽イオン性高分子(ポリカチオン)から構成される、実質的にイオン的な相互作用によって一体のものとされた化合物(塩様化合物)を意味する。これらは、化学量論的な高分子電解質コンプレックスと非化学量論的な高分子電解質コンプレックスに分けることができる。前者は、ポリマー塩の構成において、陽イオン基と陰イオン基が、0.9:1.1 〜1.1:0.9 のモル比、例えば約1:1のモル比でなり、一方、非化学量論的な高分子電解質コンプレックスの場合は、一方の高分子電解質成分のイオン性基の一部のもののみが第二の成分の反対の電荷の基によって満足されており、残りの基は、低分子量のイオン、例えば金属カチオンまたは無機アニオンによって中和されている。非化学量論的なIPECは、第一のポリマー成分(ホスト高分子電解質)の溶液に添加される第二の成分(ゲスト高分子電解質)の量が不足当量の場合に、つまり、ホスト高分子上のイオン性基の一部がなお低分子量の対イオンによって中和される条件下に形成される。このようなIPECは、添加される第二の成分が、それに組み合わせて使用される第一の成分よりも実質的により低い重合度を有し、それゆえこの第二成分のそのような高分子が、他のもう一つの成分のポリマー鎖の一部だけをその電荷に関して飽和できる場合に特に、水溶性となる。
【0021】
IPECはそれ自体公知であり、例えばV.A.Kabanov 著の“Basic Properties of Soluble Interpolyelectrolyte Complexes Applied to Bioengineering and Cell Transformations ”; “Macromolecular Complexes in Chemistry and Biology ”, 編者: P.Dubin, J.Bock, R.M.Davies, D.N.Schulz及びC.Thies, Springer Verlag, ベルリン 1994, 152頁以降; B.Philipp ら著の“Polyelektrolyt-Komplexe-Bildungsweise, Struktur und Anwendungsmoeglichkeiten” Zeitschrift fuer Chemie, (22)1982, 第1巻, 1-13頁に記載されている。
【0022】
IPECには、例えば、蛋白質キャリア、合成ビールスとしての用途、蛋白質を精製または分離するための用途、メンブラン材としての用途、錯化による酵素の活性に影響を与えるための用途、及びコンプレックスコアサルベーションによる活性物質の封入のための用途が見出されている。
本発明は、電子写真用のトナー及び現像剤、摩擦電気的にまたは動電的に吹付け可能な粉剤及び粉体塗料、及びエレクトレット材料中の荷電制御剤及び荷電改善剤としてインター- 高分子電解質コンプレックスを使用する方法を提供する。
【0023】
本発明の目的のためには、化学量論的及び非化学量論的高分子電解質コンプレックスの両方が使用できる。非化学量論的なコンプレックスの場合には、比較的長鎖のホスト高分子電解質の過剰分が、IPECの電荷の合計数を基準として少なくとも20%であることが有利である。
本発明において使用されるIPECは、上記に引用した文献に記載の教示に従い製造することができる。IPECは、多塩基と多酸の希薄な──例えば0.01〜1モルの──各水溶液を一緒にするか、または多塩基と多酸の塩の希薄な各水溶液とそれらの低分子量の対イオン及び/または遊離の多塩基とを一緒にするか、または低分子量対イオンとしてのイオン性モノマーを反対の電荷を持つマクロイオンに付加し次いでこのモノマーを遊離基(マトリックス)重合に付すことによって製造することができる。ポリアニオン性及びポリカチオン性成分が水性媒体中に懸濁または溶解できた方が有利である。得られたIPECは、例えば、水性媒体から析出させることによって、または噴霧乾燥することによって、あるいは蒸発させて濃縮することによって、好ましくは析出させることによって単離される。
【0024】
アミノ含有ポリマーの場合は、ポリカチオンを形成させる目的で媒体を酸性化する必要があり得る。これは例えばキトサンの場合である。カルボキシル−またはスルホ−含有ポリマーの場合は、ポリアニオンを形成させる目的で媒体をアルカリ性化する必要があり得る。本発明に従い使用されるIPECは、本質的に合成及び/または天然ポリアニオンと合成及び/または天然ポリカチオンから構成されることができる。ポリアニオン、ポリカチオンは、天然物質の誘導体であってもよい。
【0025】
ポリアニオン形成性化合物の例は、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(ビニルスルフェート)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルホスフェート)、ポリ(アクリル酸−コ(co)−マレイン酸)、ポリ(スチレンスルホン酸−コ−マレイン酸)、ポリ(エチレン−コ−アクリル酸)、ポリ(燐酸)、ポリ(ケイ酸)、ヘクトライト、ベントナイト、アルギン酸、ペクチン酸、カッパ−、ラムダ−及びイオタ−カラゲーナン、キサンタン、アラビアゴム、デキストランスルフェート、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルセルロース、セルローススルフェート、セルロースキサントゲン酸塩、デンプンスルフェート及びデンプンホスフェート、リグノスルホネート、カラヤゴム; ポリガラクツロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸、ポリマンヌロン酸及びこれらのコポリマー; コンドロイチンスルフェート、ヘパリン、ヘパランスルフェート、ヒアルロン酸、デルマタンスルフェート、ケラタンスルフェート; ポリ−(L)−グルタミン酸、ポリ−(L)−アスパラギン酸、酸性ゼラチン(A−ゼラチン);
様々な置換度で以下の官能基:
カルボキシメチル及びカルボキシエチル、カルボキシプロピル、2-カルボキシビニル、2-ヒドロキシ-3- カルボキシプロピル、1,3-ジカルボキシイソプロピル、スルホメチル、2-スルホエチル、3-スルホプロピル、4-スルホブチル、5-スルホペンチル、2-ヒドロキシ-3- スルホプロピル、2,2-ジスルホエチル、2-カルボキシ-2- スルホエチル、マレエート、スクシネート、フタレート、グルタレート、芳香族及び脂肪族ジカルボキシレート、キサントゲネート、スルフェート、ホスフェート、2,3-ジカルボキシ、N,N-ジ(ホスファトメチル)アミノエチル、N-アルキル-N- ホスファトメチルアミノエチル
を有する、以下の物質の誘導体:
デンプン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、グアー、アラビアゴム、カラヤゴム、グアーゴム、パルラン(pullulan)、キサンタン、デキストラン、カードラン(curdlan) 、ゲラン(gellan)、カルビン(carubin) 、アガロース、キチン及びキトサン。
【0026】
これらの誘導体は、様々な置換度で、付加的に非イオン性の官能基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び2-ヒドロキシブチル基を; 並びに脂肪族カルボン酸(C2-C18 )とのエステルを含んでいてもよい。
ポリアニオン形成性化合物の分子量は広い範囲内で変わることができ、例えばMw が1000g/mol 〜100,000,000 g/mol である。
【0027】
ポリカチオン形成性化合物の例は、ポリ(アルキレンイミン)、特にポリ(エチレンイミン)、ポリ-(4-ビニルピリジン)、ポリ(2- ビニルピリジン)、ポリ(2-メチル-5- ビニルピリジン)、ポリ(4-ビニル-N-C1-C18-アルキルピリジニウム塩)、ポリ(2-ビニル-N-C1-C18-アルキルピリジニウム塩)、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、アミノアセチル化されたポリビニルアルコール; 以下の式(I)
【0028】
【化5】
Figure 0003822365
[ 式中、基R1〜R12 は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル、第一、第二または第三アミノ基、シアノまたはニトロ基、または直鎖または分枝状の飽和または不飽和のC1-C18- アルキルまたはC1-C18- アルコキシ基であり、そしてA- はアニオンである]
で表されるモノマーを単独重合することによって得ることができる、米国特許第A-5,401,809 号明細書に記載のポリマー性アンモニウム塩;
上記式(I) のジアルキルアンモニウム成分の塩と二酸化硫黄とを共重合させて得ることができる、米国特許第A-5,500,323 号明細書に記載されているポリスルホンジアルキルアンモニウム塩;
ポリ-(L)- リジン、ポリ-(L)- アルギニン、ポリ(オルニチン)、塩基性ゼラチン(B-ゼラチン)、キトサン; 様々なアセチル化度のキトサン;
様々な置換度で以下の官能基:
2-アミノエチル、3-アミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、2-ジエチルアミノエチル、2-ジイソプロピルアミノエチル、2-ジブチルアミノエチル、3-ジエチルアミノ-2- ヒドロキシプロピル、N-エチル-N- メチルアミノエチル、N-エチル-N- メチルアミノプロピル、2-ジエチルヘキシルアミノエチル、2-ヒドロキシ-2- ジエチルアミノエチル、2-ヒドロキシ-3- トリメチルアンモニオノプロピル、2-ヒドロキシ-3- トリエチルアンモニオノプロピル、3-トリメチルアンモニオノプロピル、2-ヒドロキシ-3- ピリジニウムプロピル及びS,S-ジアルキルチオニウムアルキル
を有する、以下の物質の誘導体;
デンプン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、グアー、アラビアゴム、カラヤゴム、グアーゴム、デキストラン、パルラン、キサンタン、カードラン、ゲラン、カルビン、アガロース、キチン及びキトサン; これらの誘導体は、様々な置換度で、付加的に非イオン性官能基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシプロピル及び2-ヒドロキシブチル基を、並びに脂肪族カルボン酸(C2-C18)とのエステルを含んでいてもよい;
更に、以下の式
【0029】
【化6】
Figure 0003822365
[ 式中、n、mは1〜20であり、xは3〜1000である]
で表されるn,m-アイオネン; ポリ(アニリン); ポリ(ピロール); 以下の式
【0030】
【化7】
Figure 0003822365
[ 式中、Rはアルキル、アリールであり、そしてyは3〜1000である]
で表されるポリ(ビオローゲン); 並びにピペラジンに基づくポリ(アミドアミン)である。
ポリカチオン形成性化合物の分子量は広い範囲内で変わることができ、例えばMw が500g/mol〜108g/molである。
【0031】
高分子電解質(陰イオン性または陽イオン性)の更なる例は以下の式
【0032】
【化8】
Figure 0003822365
[ 式中、
nは、5〜5×105 であり;
R1は、HまたはCH3 であり;
Xは、OまたはNHであり;
Aは、分枝状または線状アルキレン(C1〜C18 )またはアリーレン、例えばフェニレンまたはナフチレンであり;
Yは、NR2 2、N + R2 3 (ここでR2はC1〜C8- アルキル)、SO3 - 、COO - 、ホスフェート; N + R3 2-A-COO - 、N + R3 2-A-SO3 - 、N + R3 2-A-PO(OH)O - (ここで、R3はC1〜C8- アルキル)であり、
Zは、アニオン、例えばハライド、メチルスルフェート、スルフェート、ホスフェート;またはカチオン、例えばNa+ またはK + 等の金属カチオン、または第四級アンモニウム化合物である]
で表される化合物; 並びに、様々な組成で上記の化合物のモノマーと、以下のモノマーのうちの一つからなるコポリマー:
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル(C1-C18)エステル、メタクリル酸アルキル(C1-C18)エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、ビニルクロライド、プロピレン、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキル(C1-C18)またはジアルキル(C1- C18 )エステル、アルキル(C1-C18)ビニルエーテル、ビニルアルコール、ビニルアセテート、ビニルイミダゾール、N-ビニル-2- カプロラクタム、N-ビニルピロリドン、モノ−またはジアルキル化された(C1-C30) N-ビニルピロリドン。
【0033】
特に好ましいものはキトサンであり、これは通常、キチンを濃水酸化ナトリウム溶液で処理してN-アセチル結合を解裂させることによって形成される。遊離のアミノ基を含むキトサンは水中に不溶性である。酸で塩を形成させるとキトソニウム塩が生じる。これは水溶性の陽イオン性高分子電解質である。
【0034】
【化9】
Figure 0003822365
本発明において使用されるIPECは、各々の樹脂/トナー系に正確に適合することができる。更なるファクターは、本発明において使用される化合物は無色かつ自由流動性であり、さらに高くそして特に不変で一定の荷電制御特性、良好な熱安定性及び良好な分散性を持つことである。これらの化合物の更なる技術的な利点は、それらが、様々なバインダー系に対して不活性であるために、広く使用できるということである。
【0035】
分散とは、一つの物質が他のものの中に分布すること、つまり本発明に関連して言えば、荷電制御剤が、トナーバインダー、粉体塗料バインダーまたはエレクトレット材料中に分布することを意味する。
結晶性物質がそれの最も粗大な形で凝集塊として存在することは公知である。バインダー中での均質な分布を達成するためには、この凝集塊を分散工程によってより小さな凝集塊または理想的には一次粒子まで砕解しなければならない。分散後のバインダー中に存在する荷電制御剤の粒子は1μmより小さく、好ましくは0.5 μmより小さいべきであり、この際、粒度分布は狭い方が有利である。
d50 値によって定義される粒度に関しては、各々の材料に依存してその活性度には最適範囲がある。例えば、粗粒子(〜1mm)は時折全く分散できなかったり、また分散できたとしても多大な時間とエネルギーの消費の下にしか達成できない場合がある。他方で、サブミクロン範囲の非常に微細な粒子は、粉塵爆発の可能性など、安全面に係る高い危険性を本質的に有する。
【0036】
粒子の大きさ及び形は、合成法及び/または後処理法によって確立及び改変される。必要とされる性質は、しばしば、微粉砕(ミリング)及び/または乾燥などの制御された後処理によってしか得られない。様々な微粉砕技術がこの目的に適している。有利な技術の例は、エアージェットミル、カッティングミル、ハンマーミル、ビーズミル及びインパクトミルである。
【0037】
本発明に関連して挙げたバインダー系は典型的には疎水性材料である。荷電制御剤中の高い水含有量は、“濡れ”を妨害するかまたは分散(フラッシング)を促進する。それゆえ、実際の水含有量は各々の材料に特定的である。
本発明の化合物は以下の化学的/物理的性質を特徴とする:
カールフィッシャー法により測定された水含有率が、0.1 %〜30%、好ましくは1〜25%、特に好ましくは1〜20%であり、この際、水は吸着及び/または結合された形であることができ、そしてその割合は、200 ℃までの熱と10-8torrまでの減圧の作用によりまたは水を添加することにより調節することができる。
【0038】
光学顕微鏡による評価によってまたはレーザー光散乱法によって測定され、そしてd50 値によって定義される粒度は、0.01μm〜1000μm、好ましくは0.1 〜500 μm、特に好ましくは0.5 〜400 μmである。
微粉砕処理が狭い粒度を与えると特に有利である。好ましくは500 μm未満、特に200 μm未満の範囲Δ(d95-d50 )である。
【0039】
無色で易分散性の荷電制御剤として本発明において使用されるIPECは、着色剤との組み合せでカラートナーに使用するのが特に適している。これに関連して適当な着色剤は無機顔料、有機染料、有機有色顔料、並びにTiO2またはBaSO4 等の白色着色剤、真珠光沢顔料、及びカーボンブラックまたは酸化鉄を基材とする黒色顔料である。
【0040】
本発明において使用される化合物は、各々のトナー、現像剤、塗料材料、粉体塗料、エレクトレット材料のバインダーにまたは静電気的に分離すべきポリマーのバインダーに、全混合物を基準として0.01〜50重量%、好ましくは 0.5〜20重量%、特に好ましくは 0.1〜5.0 重量%の濃度で、単独でまたは複数のものを組み合わせて混合され、この際この混合は押出しまたは混練することによって行われる。これに関連して、本発明に従い使用される化合物は、例えば、乾燥微粉砕した粉末、分散液または溶液、プレスケーキ、マスターバッチ、調合物、メイド・アップ・ペーストとして、または、水性または非水性溶液からシリカゲル、TiO2またはAl2O3 等の適当なキャリヤーに付与された化合物として、あるいは幾つかの他の形で添加することができる。同様に、本発明で使用される化合物は、原則的に、各々のバインダーの製造中でも、すなわち、それらの付加重合中、重付加または重縮合の工程中でも添加することもできる。
【0041】
加えて本発明は、通例のバインダー、例えばスチレン樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂または最後の二つの樹脂を組み合わせた材料を含む電子写真用トナー、粉剤または粉体塗料であって、更に、それぞれこの電子写真用トナー、粉剤または粉体塗料の総重量を基準として0.01〜50重量%、好ましくは 0.5〜20重量%、特に好ましくは 0.1〜5重量%の量で少なくとも一種のインター- 高分子電解質コンプレックスを含む電子写真用トナー、粉剤または粉体塗料を提供する。
【0042】
ポリマーの静電気的分離法及び特に(塩)鉱物の静電気的分離法の場合には、該IPECは、上記の量で外添、つまり分離する材料の表面に適用することもできる。
【0043】
【実施例】
製造例
モル* データは平均電荷単位を指す。すなわち“モノマー単位”は、正確に一つの電荷を有するセクションであると見なされる。百分率は重量基準である。
製造例1:
ポリ(ビニルスルホン酸)Na塩(0.038mol* 、平均分子量=約100,000g/mol)の25%濃度水溶液20gを、攪拌しながら、脱イオン水250ml で希釈した。次いで、室温で及び同様に攪拌しながら、脱イオン水100ml 中のポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(0.038mol* 、平均分子量=約70,000g/mol )の40%濃度水溶液15.5gを10分間かけて滴下した。淡い褐色帯びた析出物が生じた。この析出物を1時間攪拌し、濾別し、脱イオン水で繰返し洗浄し次いで60℃及び100mbar で24時間乾燥した。
収量:8.9g(理論値の79%)
製造例2:
ジエチルアミノエチルデキストラン(DEAE- デキストラン)(DS=0.63、平均分子量=約500,000g/mol)5g(0.012mol* )を室温で脱イオン水250ml 中に溶解した。次いで、攪拌しながら、カルボキシメチルセルロース(DS=0.78、平均分子量=約400,000g/mol)3.8 g(0.012mol* )を10分間かけて滴下した。生じた白色の析出物を1時間攪拌し、次いで濾別し、脱イオン水500ml で洗浄しそして60℃及び100mbar で24時間乾燥した。
Figure 0003822365
製造例3:(非化学量論的IPECの例)
キトサン(平均分子量=約400,000g/mol)7.5 g(0.047mol* )を1%濃度酢酸500ml 中に溶解し、次いでこの溶液に、脱イオン水1000mlを添加した。引き続いて、攪拌しながら室温で、脱イオン水100ml 中に溶解したポリ(アクリル酸)Na塩(平均分子量=約30,000g/mol )4.4 g(0.047mol* )を10分間かけて滴下した。生じた白色の析出物を1時間攪拌し次いで250 μm篩上で濾別し、洗浄しそして60℃及び100mbar で24時間乾燥した。キトサン:ポリ(アクリル酸)の比は約1:4であることがわかった。
製造例4:
ポリ(エチレンイミン)(平均分子量=約750,000g/mol)5.0 g(0.116mol* )を、攪拌しながら室温で、90%濃度酢酸20mlを添加して脱イオン水300ml 中に溶解した。次いで、同様に攪拌しながら、脱イオン水250ml 中のポリ(スチレンスルホン酸)Na塩(平均分子量=約70,000g/mol )21.1g(0.116mol* )の溶液を10分間かけて滴下した。この滴下が終るごろに、生じた白色の懸濁液にこれを希釈するために脱イオン水200ml を添加した。この懸濁液を次いで1時間攪拌し、そして濾過し、得られた白色の析出物を脱イオン水500ml で洗浄し次いで60℃及び100mbar で24時間乾燥した。
収量:21.9g(理論値の76%)
製造例5〜18:
以下の製造例を、割合を変えて上記の製造例のどれか一つと同様に行った。各成分の添加量を表1に記す。
【0044】
【表1】
Figure 0003822365
* ) モル量は平均電荷単位を指す。
DADMAC = ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
DS = 置換度
DEAE = ジエチルアミノエチル
以下の表2には、一例として、本発明において使用されるIPECについて、これらの化合物の四つのものを基準に様々な分析データを示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003822365
C = 導電率
o = キャパシタンス
使用例
以下の使用例では、以下のトナーバインダー及びキャリアーを使用した:
Figure 0003822365
使用例1〜3及び5〜17
各々のIPEC1部を、トナーバインダー(60:40 スチレン−メタクリレートコポリマー、樹脂1、(登録商標)Dialec S 309)99部に、混練機を用いて45分かけて均一に混合する。次いでこの混合物を実験室用ユニバーサルミルで微粉砕し、それに次いで遠心分級機で分級する。所望の粒子画分(4〜25μm)をキャリヤー(キャリヤー1)で活性化する。
使用例4及び18
各々のIPEC1部を、トナーバインダー(ビフェニールベースのポリエステル、樹脂2、(登録商標)Almacryl resin)99部に、混練機を用いて45分かけて均一に混合する。次いでこの混合物を実験室用ユニバーサルミルで微粉砕し、それに次いで遠心分級機で分級する。所望の粒子画分(4〜25μm)をキャリヤー2で活性化する。
静電試験:
測定は、通常のq/m 測定スタンドで行った。50μmのメッシュサイズを有する篩を用いることによって、トナーを吹き出す時にキャリヤーが一緒に持ち込まれないことを確実にする。測定は、50%相対大気湿度において行う。q/m 値(μC/g )を活性化時間の関数として測定する。q/m 値を表3に記す。それぞれの場合においてIPECの量は1重量%である。
【0046】
【表3】
Figure 0003822365
摩擦電気的な粉末吹付けへの使用例:
使用例19
製造例6の化合物1部を、粉体塗料バインダー(樹脂1)99部に、使用例1〜3について記載したように均一に混合した。この粉体(粉体塗料)の摩擦電気的吹付けは、Intec 社(Dortmund, Germany )製の(登録商標)Tribo Star等の、標準のスプレーパイプ及び星形内部ロッドを有する吹付け装置を用いて、3及び5bar の吹付け圧で最大の粉体処理量で行った。このためには、吹付けされる物品をスプレーブース中に吊り下げそして、それ以上吹付け装置を動かさずに、約20cmの間隔をもって全面から直接吹付けした。次いで、吹付けされた粉体の各々の電荷を、粉体の摩擦電気的電荷を測定するためのIntec 製の装置を用いて測定した。その測定のためには、吹付け装置から雲状に出てくる粉体のところに直接、測定装置のアンテナをひらいた。粉体塗料または粉剤の静電的電荷から生じる電流強度をμA の単位で示した。次いで、吹付けした粉体塗料と付着した粉体塗料の重量の差から付着率(%)を測定した。
Figure 0003822365
使用例20
製造例4のIPEC及び樹脂2を用いて使用例19の手順を繰返した。
Figure 0003822365

Claims (8)

  1. インター- 高分子電解質コンプレックスを、電子写真用トナーまたは現像剤中の荷電制御剤として使用する方法であって、上記インター - 高分子電解質コンプレックスが、一種またはそれ以上のポリアニオン形成性化合物と一種またはそれ以上のポリカチオン形成性化合物から本質的に構成され、かつ上記ポリアニオン形成性化合物が、ヘクトライト、ベントナイト、アルギン酸、ペクチン酸、カラゲーナン、キサンタン、アラビアゴム、デキストランスルフェート、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルセルロース、セルローススルフェート、セルロースキサントゲン酸塩、デンプンスルフェート、デンプンホスフェート、リグノスルホネート、カラヤゴム; ポリガラクツロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸、ポリマンヌロン酸、コンドロイチンスルフェート、ヘパリン、ヘパランスルフェート、ヒアルロン酸、デルマタンスルフェート、ケラタンスルフェート; ポリ− (L) −グルタミン酸、ポリ− (L) −アスパラギン酸、酸性ゼラチン(A−ゼラチン); 次の官能基、すなわちカルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、 2- カルボキシビニル、 2- ヒドロキシ -3- カルボキシプロピル、 1,3- ジカルボキシイソプロピル、スルホメチル、 2- スルホエチル、 3- スルホプロピル、 4- スルホブチル、 5- スルホペンチル、 2- ヒドロキシ -3- スルホプロピル、 2,2- ジスルホエチル、 2- カルボキシ -2- スルホエチル、マレエート、スクシネート、フタレート、グルタレート、芳香族ジカルボキシレート、脂肪族ジカルボキシレート、キサントゲネート、スルフェート、ホスフェート、 2,3- ジカルボキシ、 N,N- ジ(ホスファトメチル)アミノエチル及び N- アルキル -N- ホスファトメチルアミノエチルを有する、次の化合物の誘導体、すなわちデンプン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、グアー、アラビアゴム、カラヤゴム、グアーゴム、パルラン、キサンタン、デキストラン、カードラン、ゲラン、カルビン、アガロース、キチンまたはキトサンである、上記方法。
  2. インター- 高分子電解質コンプレックス中のポリマー性陽イオン性基:ポリマー性陰イオン性基のモル比が0.9:1.1 〜1.1:0.9 である請求項1の方法。
  3. ポリカチオン形成性化合物が、ポリ(アルキレンイミン); ポリ−(4−ビニルピリジン); ポリ(ビニルアミン); ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(2−メチル−5−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニル−N−C1-C18- アルキルピリジニウム塩)、ポリ(2−ビニル−N−C1-C18−アルキルピリジニウム塩)、ポリアリルアミン、アミノアセチル化されたポリビニルアルコール; 以下の式(I)
    Figure 0003822365
    [ 式中、基R1 〜R12は互いに独立して水素原子、ヒドロキシル、第一、第二または第三アミノ基、シアノまたはニトロ基、または直鎖または分枝状の飽和または不飽和のC1-C18−アルキルまたはC1-C18−アルコキシ基であり、そしてA- はアニオンである]
    で表されるモノマーを単独重合することによって得ることができるポリマー性アンモニウム塩; 式(I) のモノマーと二酸化硫黄とを共重合することによって得ることができるポリスルホンジアルキルアンモニウム塩; ポリ−(L)−リジン、ポリ−(L)−アルギニン、ポリ(オルニチン)、塩基性ゼラチン(B−ゼラチン)、キトサン; 様々なアセチル化度のキトサン; 次の官能基、すなわち2-アミノエチル、3−アミノプロピル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジエチルアミノエチル、2−ジイソプロピルアミノエチル、2−ジブチルアミノエチル、3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル、N−エチル−N−メチルアミノエチル、2−ジエチルヘキシルアミノエチル、2−ヒドロキシ−2−ジエチルアミノエチル、2−ヒドロキシ−3−トリメチルアンモニオノプロピル、2−ヒドロキシ−3−トリエチルアンモニオノプロピル、3−トリメチルアンモニオノプロピル、2−ヒドロキシ−3−ピリジニウムプロピル、S, S−ジアルキルチオニウムアルキルを有する、次の物質の誘導体、すなわちデンプン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、グアー、アラビアゴム、カラヤゴム、グアーゴム、デキストラン、プルラン、キサンタン、カードラン、ゲラン、カルビン、アガロース、キチンまたはキトサン;
    以下の式
    Figure 0003822365
    [ 式中、n、mは1〜20であり、xは3〜1000である]
    で表されるn, m−アイオネン; ポリ(アニリン); ポリ(ピロール);
    以下の式
    Figure 0003822365
    [ 式中、Rはアルキル、アリールであり、そしてyは3〜1000である]
    で表されるポリ(ビオローゲン); 並びにピペラジンに基づくポリ(アミドアミン)からなる群から選択される請求項1または2の方法。
  4. インター- 高分子電解質コンプレックスが、ヘクトライト、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、キサンタン、カラゲーナン及びデキストランスルフェートからなる群から選択されるポリアニオン形成性化合物と、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)、キトサン、ジエチルアミノエチルデキストラン及びポリ(エチレンイミン)からなる群から選択されるポリカチオン形成性化合物とから本質的に構成される請求項1〜3のいずれか一つの方法。
  5. インター- 高分子電解質コンプレックスが、トナーもしくは現像剤のバインダーに、混合物全体を基準として0.01 50 重量%の濃度で混合される請求項1〜4のいずれか一つの方法。
  6. インター - 高分子電解質コンプレックスが、トナーもしくは現像剤のバインダーに、混合物全体を基準として 0.5 20 重量%の濃度で混合される請求項1〜4のいずれか一つの方法。
  7. スチレン樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂あるいは最後の2つの樹脂の組み合せを含む電子写真用トナーであって、更に、この電子写真用トナーの総重量を基準として、0.01〜50重量%の量で請求項1〜4のいずれか一つに従い定義されるインター - 高分子電解質コンプレックスを少なくとも一種含む、上記電子写真用トナー
  8. スチレン樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂あるいは最後の2つの樹脂の組み合せを含む電子写真用トナーであって、更に、この電子写真用トナーの総重量を基準として、 0.5 20 重量%の量で請求項1〜4のいずれか一つに従い定義されるインター - 高分子電解質コンプレックスを少なくとも一種含む、上記電子写真用トナー。
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