JP3821942B2 - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ショック吸収性が向上した自動二輪車用空気入りタイヤに関し、特には、高弾性または非伸長性コードのベルト層を備えた自動二輪車用空気入りタイヤのショック吸収性の向上に関し、さらに特にはタイヤ偏平率が70%以下であるときにその効果が顕著となる自動二輪車用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動二輪車用空気入りタイヤを設計する場合には、図2に示すように、ビード部背面形状をリムフランジ9の形状に合せた設計とするため、リムフランジとタイヤビード背面部との間に隙間がないのが一般的であった。この結果、リムフランジ先端までタイヤの動き(変形)が拘束されるため、路面からの振動等の吸収がリムフランジ上方(図2における(A)の部分)で行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来設計のタイヤにおいては、タイヤの動きがリムフランジ先端まで拘束され、振動等の吸収がリムフランジの上方で行われる結果として、タイヤのショックに対する吸収性に影響を及ぼすという問題があった。特に、この問題は、高弾性または非伸長性のコードを用いたベルトを備えた自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、無視することができないものであった。即ち、かかるタイヤは、タイヤ外径方向への拡張が非常に小さいため、サイドウォール部の伸び上がりが殆どなく、その結果、該サイドウォール部は益々リムフランジに密着したままの状態となり、振動等の吸収が不十分となるためである。
【0004】
また、偏平率が小さいタイヤでは、タイヤの半径方向高さが低くても、一般的には規格規定リムのフランジの高さは変わらないため、即ちリムの規格は偏平率により直接変わるものではないため、偏平率の低いタイヤ程、よりショック吸収性が悪化することになる。この結果、上述の問題がよりクローズアップされることになる。
【0005】
そこで本発明の目的は、高弾性または非伸長性コードのベルト層を備えた自動二輪車用空気入りタイヤ、特には偏平自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、ショック吸収性の向上を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、一対のビード部と、一対のサイド部と、両サイド部間にトロイド状をなして連なるトレッド部とからなり、これら各部をビード部相互間にわたり補強するカーカス層と、該カーカスの外周にてトレッド部を強化する、高弾性または非伸長性コードのベルト層とを有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
前記サイド部の外側面がトレッド端に連なるサイド上方域(a)と、ビードヒルより立ち上がるビード背面下方域(c)と、これらを連結するサイド連結域(b)とよりなり、
前記サイド上方域(a)および前記サイド連結域(b)が平面または凹み曲面で形成され、
前記ビード背面下方域(c)が、ビードヒルより実質状立ち上がる下方ヒール壁面とそれに連なる曲率半径R1の曲面と、該曲率半径R1よりも小さな曲率半径R2の曲面とから形成され、
前記曲率半径R1が、リム組みしない自由な状態で、当該タイヤに適用される規格リムのフランジ曲率半径rの1.2倍以上で、かつ規格規定リムに組み、規格規定最大内圧の80%内圧を充填した無負荷状態で前記曲率半径R2の曲面の上端高さが、当該リムのフランジ高さの1.1〜1.8倍であることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、タイヤ偏平率が70%以下である場合に、その効果がより顕著である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1に示す右半断面に基づき以下詳細に説明する。
図1に示す自動二輪車用空気入りタイヤは、一対のビード部1と、一対のサイド部2と、両サイド部間にトロイド状をなして連なるトレッド部3とからなる。本発明のタイヤにおいては、これら各部をビード部相互間にわたり補強するカーカス層5の外周にてトレッド部を強化するベルト層7の補強コードとして、高弾性または非伸長性コードが用いられる。ここで、高弾性または非伸長性コードとしては、製品タイヤでの初期引張抵抗度(JIS L 1017−7.8頁)が100cN/dtex以上の、例えばPEN、芳香族ポリアミド(ケブラー,商品名)等の有機繊維やスチールコード等が挙げられる。
【0009】
本発明においては、ベルト層7に前記高弾性または非伸長性コードが使用されたタイヤのショック吸収性の改善を図るために、サイド部2の外側面を、図1に示すようにトレッド端に連なるサイド上方域(a)と、ビードヒール8より立ち上がるビード背面下方域(c)と、これらを連結するサイド連結域(b)とより構成し、夫々について以下のように規定した。
【0010】
サイド上方域(a)およびサイド連結域(b)を平面または凹み曲面で形成する。これによりビードフィラーの形状の乱れが少なくなる。
【0011】
また、ビード背面下方域(c)を、ビードヒール8より実質状立ち上がる下方ヒール壁面とそれに連なる曲率半径R1の曲面と、該曲率半径R1よりも小さな曲率半径R2の曲面とから形成し、曲率半径R1が、リム組みしない自由な状態で、当該タイヤに適用される規格リムのフランジ曲率半径rの1.2倍以上で、かつ規格規定リムに組み、規格規定最大内圧の80%内圧を充填した無負荷状態で前記半径R2の上端高さは、当該リムのフランジ高さの1.1〜1.8倍となるようにする。前記曲率半径R1をリムフランジ曲率半径rの1.2倍以上で、かつ前記曲率半径R2の曲面の上端高さを、前記条件下でリムフランジ高さの1.1倍以上とすることにより、図1の記号Cで示す箇所にクリアランスが発生し、これによりサイド部2の動きが大きくなり、ショックの吸収性が良好となる。これは、タイヤのビード部の外輪郭形状の変更のみによってショック吸収性が良好となるため、特殊なリムを使用せずに従来の規格リムを最大限活かすことができる。但し、前記曲率半径R2の曲面の上端高さが前記条件下でリムのフランジ高さの1.8倍を超えると、トレッド幅の確保が困難となり、好ましくない。
【0012】
なお、前記「規格」とは、JATMA YEAR BOOKにより規定される規格を意味するものとする。
【0013】
本発明の上述の効果は、タイヤが偏平であるほどその効果が顕著となり、偏平率が70%以下であるタイヤに好適に適用することができる。
【0014】
本発明は、上述のようにタイヤのビード部の外輪郭形状の変更に係るものであり、その他の構造、材質は慣用に従い適宜選定することができる。例えば、ビード部1の補強を目的としてビードコア4の外周面からカーカス5の外側に沿ってトレッド部3に向かい先細りに延びる硬質のビードフィラーゴム6の形状および材質や、カーカス層5に適用するコード種等は、特に制限されるべきものではない。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
本発明の実施例として、図1に示す二輪車用ラジアルタイヤ(サイズ:120/70ZR17)を試作した。サイド上方域(a)は実質的に平面とし、サイド連結域(b)は、その曲率半径Rが30mmの凹み曲面とした。また、ビード背面下方域(c)は、ビードヒールより実質状立ち上がる下方ヒール壁面と、それに連なる曲率半径R1が28mmの曲面と、曲率半径R2が5mmの曲面とから形成した。このときの曲率半径R1は、リム組みしない自由な状態で、当該タイヤに適用される規格リムのフランジ曲率半径rの2.2倍である。また、規格規定リムに組み、規格規定最大内圧の80%内圧を充填した無負荷状態で前記曲率半径R2の曲面の上端高さは、リムのフランジ高さの1.3倍である。
【0016】
また、比較例として、図2に示す二輪車用ラジアルタイヤ(実施例と同サイズ)を試作した。このタイヤは、実施例タイヤにおけるサイド上方域(a)とサイド連結域(b)が一体となって実質的に平面である。また、ビード背面下方域(c)は、ビードヒールより実質状立ち上がる下方ヒール壁面と、それに連なる曲率半径Rが12.5mmの曲面とからなり、ビード部背面形状がリムフランジ形状に適合している。
【0017】
実施例タイヤと比較例タイヤのサイド部からビード部にかけての外輪郭形状以外は何等変わるところはなく、これらタイヤのカーカス構造は、プライに1260D/2のナイロンコードを適用し、プライのコードをタイヤ赤道面Eに対し90°で配列し、コードの打込数は22本/25mmとした。また、2プライの交差ベルト層は1500d/2のケブラー繊維で形成した。
【0018】
実施例タイヤと比較例タイヤについて、操縦安定性と形状変化の違いについて検討を行った。操縦安定性は、これらのタイヤをそれぞれモーターサイクルに装着し、熟練したドライバーによりテストコースにて実車によるフィーリング評価を行い、ハンドリングの応答性、特に高速スラローム時の起こし易さ、大キャンバー角でのギャップ吸収性、さらには剛性感を評価したところ、いずれも実施例タイヤは比較例タイヤに比し優れた結果が得られた。
【0019】
また、形状変化の違いについては、実施例タイヤでは比較例タイヤに比しトレッド幅が1.7%程度広くなり、またクラウンの幅1/4点も変化が少なく(通常のビード部形状ではこの部分が大きく張り出す)、よって目標形状の自由度が増すことになる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明においては、高弾性または非伸長性コードのベルト層を備えた自動二輪車用空気入りタイヤ、特には偏平自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、ショック吸収性が良好であり、操縦安定性に優れている。また、特殊なリムを使用せずに従来の規格リムを最大限活かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のタイヤの右半断面図である。
【図2】比較例のタイヤの右半断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 サイド部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 カーカス層
6 ビードフィラーゴム
7 ベルト
8 ビードヒール
9 リムフランジ
Claims (2)
- 一対のビード部と、一対のサイド部と、両サイド部間にトロイド状をなして連なるトレッド部とからなり、これら各部をビード部相互間にわたり補強するカーカス層と、該カーカスの外周にてトレッド部を強化する、高弾性または非伸長性コードのベルト層とを有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
前記サイド部の外側面がトレッド端に連なるサイド上方域(a)と、ビードヒルより立ち上がるビード背面下方域(c)と、これらを連結するサイド連結域(b)とよりなり、
前記サイド上方域(a)および前記サイド連結域(b)が平面または凹み曲面で形成され、
前記ビード背面下方域(c)が、ビードヒルより実質状立ち上がる下方ヒール壁面とそれに連なる曲率半径R1の曲面と、該曲率半径R1よりも小さな曲率半径R2の曲面とから形成され、
前記曲率半径R1が、リム組みしない自由な状態で、当該タイヤに適用される規格リムのフランジ曲率半径rの1.2倍以上で、かつ規格規定リムに組み、規格規定最大内圧の80%内圧を充填した無負荷状態で前記曲率半径R2の曲面の上端高さが、当該リムのフランジ高さの1.1〜1.8倍であることを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。 - タイヤ偏平率が70%以下である請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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