JP3821518B2 - 警備装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、警備システムに使用される警備装置に関し、特に、バッテリの節電を図った警備装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より警備システムに使用されているコントローラなどの警備装置においては、停電時にもその機能を維持するために、装置に内蔵したバッテリによりバックアップ給電をすることが行われている。
従来の警備装置においては、バックアップ給電時には、警備装置の機能全部をバックアップするようにしている。しかしながら、このようなバックアップでは、長時間の停電はバックアップできないという問題があった。すなわち、警備装置は、壁などに設置するため、大きさが制限される。そして、バッテリは、その警備装置に内蔵されるものであるから、その大きさも限られる。したがって、バッテリがバックアップできる時間は比較的短時間となり、停電が長時間にわたった場合には、バックアップができないこととなる。
【0003】
これに対し、停電時には、警備装置の必要最小限の回路のみにバックアップ給電をし、その他の回路への給電を停止することにより、バッテリの長寿命化を図った警備装置も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この警備装置では、バックアップ時に警備装置に設けられた操作部、表示部などへの給電が停止される。このため、停電時には、ユーザによる警備装置の操作ができなくなるという問題点がある。また、停電時に給電がされていない回路に異常状態が発生してもその状態確認ができないため、その異常状態を外部センターなどに通報できなくなり、警備装置の信頼性が低下するという問題点もある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決し、停電時にバッテリによる長時間のバックアップを可能とし、かつ、操作性の向上を実現した警備装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明の警備装置は、監視領域の各所に設置されたセンサと接続され、通信回線を介して接続された所定の通報先に監視状態を通報する。装置内の各回路に給電を行う電源部は、主電源とバッテリに接続され、通常時は主電源から給電をし、停電時にはバッテリから給電をする。また、主電源の停電を検出する停電検出部が設けられる。
【0007】
警備装置内の各回路は、センサにより異常状態を検出したとき、通報先へ異常状態が発生したことを通報するために必要な回路を含む第1の回路グループと、それ以外の回路により構成される第2の回路グループとに区分けされる。第1の回路グループは直接電源部に接続され、第2の回路グループは、電源切換回路を介して接続される。この電源切換回路は、通常時はオンとされ、警備装置の全回路に給電がされる。この電源切換回路がオフとされたときは、第2の回路グループへの給電が停止され、第1の回路グループのみへの給電が行われる。
【0011】
備装置の操作部、表示部などの回路は、第2の回路グループに分類され、長時間の停電時には給電が停止される。このため、ユーザには警備装置の操作を行い難い状態となる。これに対し、本発明では、警備装置の操作部の操作の有無を検知する操作検知部を設け、ユーザにより操作部が操作されたことを検知すると、電源切換回路をオンとして、第2の回路グループにも給電が行われるようにする。これにより、操作部及び表示部にも給電がされて、非停電時と同じ状態になり、ユーザは通常の操作を行うことが可能となる。
【0012】
この操作検知部は、カードリーダー装置に設けることが好ましい。この場合ユーザがカードをカードリーダー装置に挿入すると、警備装置が通常動作状態に移行する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図を用いて説明する。
図1は、警備装置の構成を示すブロック図である。図において、1は警備装置である。2,2,…は監視領域の各所に配置されたセンサである。3は電話回線であり、警備装置1と外部のセンター6とを接続する。4は、商用電源のAC100Vの外部電源である。5は警備装置1に内蔵されたバッテリである。
【0014】
警備装置1において、11は電源部である。電源部11には、外部電源4とバッテリ5が接続される。電源部11は、通常時は、主電源として外部電源4から警備装置1内の各回路に給電を行い、外部電源4の停電時には、バックアップとしてバッテリ5から給電を行う。なお、図において、電源線は2重線で表示している。
【0015】
警備装置1内のCPU12は、直接電源部11と接続されて、常に給電を受ける。センサ2により異常状態を検出した時、センター6へ通報を行うために必要な回路は、第1の回路グループAにグループ分けされて、直接電源部11と接続されて、常に給電を受ける。その他の回路は、第2の回路グループBにグループ分けされ、電源切換回路13を介して電源部11と接続される。この第2の回路グループBに属する回路は、電源切換回路13がオンのとき給電を受け、オフのときは給電を受けない。また、第1の回路グループAと第2の回路グループBの各回路は、CPU12と接続されている。
【0016】
第1の回路グループAには、計時部21、センサ入力部22、スイッチ入力部23、カードリーダー操作検知部24、停電検出部25が含まれる。センサ入力部22には、センサ2,2,…の検出信号が入力される。停電検出部25は、外部電源4の停電を検出する。スイッチ入力部23は、警備装置1に設けられた各種操作スイッチ(図示せず)が接続される。カードリーダー操作検知部24は、カードリーダー装置内に設けられた機械的スイッチなどにより構成され、装置にカードが挿入されたときに信号を出力する。なお、本例の操作検知部24は、カードリーダーの操作を検知しているが、警備装置1に設けられたその他の操作手段を対象とすることもできる。
【0017】
計時部21は、外部電源4の停電が検出された後でも、警備装置1を通常動作に保つための所定時間をカウントし、又、バックアップモード時に、定期的に警備装置1内の状態確認を行うための時間間隔をカウントする。これらの時間は、予め設定されたものであり、変更可能なものである。また、この設定及び変更は、警備装置1で行えるだけでなく、センター6からも行えるようになっている。
【0018】
第2の回路グループBには、CPU周辺部31、表示部32、回線部33、ブザー部34、外部出力部35、カードリーダー部36が含まれる。なお、カードリーダー部36は、カードリーダー操作検知部24と共に同一のカードリーダー装置に組み込まれるが、両者は別の電源回路を有することとなる。
次に、図1の回路の動作について、図2,図3,図4のフローチャートに沿って説明する。図2〜図4のフローチャートは1組となって、CPU12により実行される処理を表す。
【0019】
ステップS1では、停電検出部25が外部電源4の停電を検出しているか否かを判定する。停電が検出されないときは、停電が検出されるまで待つ。この状態では、バッテリ5は電源部11から切り離され、電源切換回路13はオンとされている。したがって、警備装置1内の各回路は、外部電源4から給電がされ、警備装置1は通常動作を行う。ステップS1で、外部電源4の停電が検出されると、ステップS2へ進む。
【0020】
ステップS2では、長時間バックアップモードが設定されているか否かが判定される。本例の警備装置1においては、予め、バックアップ時に警備装置1の機能の一部のみをバックアップする場合(長時間バックアップモード)と、機能の全部をバックアップする場合を設定できるようになっている。ここで、長時間バックアップモードが設定されていればステップS6へ進み、設定されていなければステップS3へ進む。
【0021】
ステップS3では、電源部11にバッテリ5を接続し、その後は、ステップS4で、外部電源4が復電するまで待つ。したがって、この場合は、第1の回路グループA及び第2の回路グループBの両方がバッテリ5によりバックアップされ、警備装置1は通常動作を継続する。そして、外部電源4が復電すると、ステップS5へ進み、電源部11からバッテリ5が切り離される。これにより、警備装置1の各回路は外部電源4により給電される状態となって、ステップS1へ戻る。
【0022】
長時間バックアップモードが設定されている場合は、ステップS6で、電源部11にバッテリ5を接続し、ステップS7で、計時部21に10分間の計時を開始させ、ステップS8,S9で、タイムアップするのを待つ。この状態では、電源切換回路13はオンの状態が保たれているから、第1の回路グループA及び第2の回路グループBの両方がバッテリ5によりバックアップされる。
【0023】
また、10分間のタイムアップを待つ間、ステップS9で、外部電源4が復電したか否かがチェックされる。この間に復電があればステップS10で電源部11からバッテリ5が切り離され、外部電源4により給電される状態となって、ステップS1へ戻る。この間に復電がなく、計時部21がタイムアップすれば、ステップS11へ進む。
【0024】
このステップS6〜10までの処理により、外部電源4が停電をし、バッテリ5によるバックアップが開始されても、例えば10分間という所定時間の間は、警備装置1の全ての回路はバッテリ5から給電を受け、警備装置1は通常の動作を行う。したがって、ユーザの操作性の低下などは生じない。また、通常の停電では、この10分間の間に外部電源4の復電が期待でき、この場合、警備装置1は停電とは全く無関係に通常の動作を続けたこととなる。
【0025】
外部電源4の復電がないまま10分が経過すると、ステップS11で、電源切換回路13がオフとされ、第2の回路グループBが電源部11から切り離される。これにより、バッテリ5の消費量が低減され、長時間のバックアップが可能となる。この長時間バックアップモードに入っても、第1の回路グループAにはバッテリ5から給電がされている。
【0026】
ステップS12で、CPU12は、スリープモードに設定され、CPU12によるバッテリ消費量が抑えられる。ステップS13で、計時部21に1分間の計時を開始させる。この1分間がタイムアップするまで(ステップS17)の間、ステップS14でセンサ2が異常を検知したか、ステップS15で操作部が操作されたか、ステップS16で外部電源4が復電したかということが判定される。
【0027】
長時間バックアップモードに入ってから、センサ2が異常状態を検出すると、その異常信号はセンサ入力部22に入力される。ステップS14でこの状態が発生したと判定されるとステップS18へ進み、CPU12をスリープモードから通常モードに設定変更し、ステップS19で、電源切換回路13をオンとし、第2の回路グループBに給電をして、警備装置1を通常動作モードに戻す。そして、センサ2からの信号を処理し、回線部33からセンター6へ通報を行う。これにより、長時間バックアップモードに入った場合でも、センサ2が異常を検出したときは、正常にセンター6へ通報がされる。
【0028】
これらの処理が終了すると、ステップS20からステップS11へ戻り、再度長時間バックアップモードに入り、バッテリ5の消耗を低減させる。
また、長時間バックアップモードに入った場合でも、ユーザがカードリーダー装置にカードを挿入すると、ステップS15で、カードリーダー操作検知部24がこれを検知し、ステップS18へ進む。ステップS18〜20の処理は上記のとおりである。したがって、カードリーダー装置の操作により、警備装置1は通常動作に移り、表示部32にも給電が開始される。ユーザは、表示を確認しながら所定の操作を行うことができ、操作性が向上する。なお、この操作検知は、その他の適当な操作手段の操作を検知することもできる。
【0029】
さらに、長時間バックアップモードに入ってから外部電源4の復電があると、ステップS16からステップS21へ進む。ステップS21では、CPU12をスリープモードから通常モードに設定変更し、ステップS22で、電源部11からバッテリ5を切り離す。そして、ステップS1へ戻る。以後は、警備装置1は外部電源4が停電するまで通常の動作を行う。
【0030】
ステップS13で1分間の計時がスタートしてから、ステップS14〜16の動作がなくタイムアップすると、ステップS17からステップS23へ進む。ステップS23でCPU12を通常モードに設定変更し、ステップS24で電源切換回路13をオンとして第2の回路グループBに給電をする。これにより、警備装置1は、長時間バックアップモードに入った場合は、センサ2による異常検出、操作部の操作、外部電源4の復電がない場合は、1分ごとに通常動作に移る。
【0031】
ステップS25では、第1の回路グループA及び第2の回路グループBの各回路について状態確認を行う。ここで異常が検出されなければ、ステップS11以下の長時間バックアップモードへ戻る。ここで異常が検出された場合は、ステップS26で、センター6へ通報を行い、以後の動作を停止する。これにより、長時間バックアップモードに入っても、定期的に警備装置1の状態確認を行うことができ警備装置の信頼性を高めることができる。しかも、この状態確認は間欠的に行われるから、バッテリ5の消耗は最小限に抑えることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、停電時にバッテリによる長時間のバックアップを可能とし、かつ、操作性の向上を実現した警備装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の警備装置の構成の1例を示すブロック図。
【図2】図1の警備装置の動作を説明するためのフローチャート(その1)。
【図3】図1の警備装置の動作を説明するためのフローチャート(その2)。
【図4】図1の警備装置の動作を説明するためのフローチャート(その3)。
【符号の説明】
1…警備装置
2…センサ
3…電話回線
4…外部電源
5…バッテリ
6…センター
11…電源部
12…CPU
13…電源切換回路
21…計時部
22…センサ入力部
23…スイッチ入力部
24…カードリーダー操作検知部
25…停電検出部
31…CPU周辺部
32…表示部
33…回線部
34…ブザー部
35…外部出力部
36…カードリーダー部

Claims (2)

  1. 監視領域の各所に設置されたセンサと接続され、通信回線を介して接続された所定の通報先に監視状態を通報する警備装置において、
    主電源とバッテリに接続され、前記警備装置内の各回路に、通常時は前記主電源から給電をし、停電時には前記バッテリから給電をする電源部と、
    前記主電源の停電を検出する停電検出部と、
    前記警備装置内の各回路の内、前記センサにより異常状態を検出したとき、前記通報先へ異常状態が発生したことを通報するために必要な回路を含む第1の回路グループと、
    前記警備装置内の各回路の内、前記第1の回路グループ以外の回路により構成される第2の回路グループと、
    前記電源部と前記第2の回路グループとの間に設けられ、通常時はオンとされて両者間を接続し、前記停電検出部が停電を検出した後にオフとされて前記第2の回路グループへの給電を停止する電源切換回路と、
    前記警備装置に設けられた操作部の操作の有無を検知し、前記操作部が操作されたことを検知すると、前記電源切換回路をオンとする操作検知部とを具備し、
    前記主電源の停電の検出後、前記センサによる異常状態の通報に必要な前記第1の回路グループのみに前記バッテリから給電を行い、前記操作検知部が作動した時は、前記第2の回路グループに給電を行うことにより、操作に必要な各回路に給電を行うことを特徴とする警備装置。
  2. 前記操作部は、カードリーダー装置で構成され、前記操作検知部は、カードが前記カードリーダー装置に挿入されたことを検知するものであることを特徴とする請求項1記載の警備装置。
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