JP3821326B2 - 高圧下圧延方法とその圧延設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大きな圧下量を得るための高圧下圧延方法とその圧延設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の圧延機1の圧延では、2本の圧延ロール2間の圧延材3の先端部の噛み込みのための許容圧下量は,図8の模式図に例示するように先端摩擦角以上の噛み込み角がとれない。従って、噛み込み圧下量は小さく制約されている。図8の(a)及び(b)において搬送されてくる圧延材3の定常部の板厚をH0 、圧延後の板厚をh1 、噛み込み角をθ1 、摩擦係数をμ及びこの時の圧下量Δh1 とする。この噛み込み角θ1 が、摩擦係数の摩擦角よりも小さければ噛み込め、大きければ空滑りして噛み込むことができない。これは、tanθ1 <μの条件の下で、Δh1 =H0 −h1 の計算式と噛み込み角によって圧下量が決まってしまう。すなわち、ロールの摩擦条件で全て決まってしまい、これ以上は圧下量が取れなくなる。そのため、圧延材を往復動させて圧延するリバース圧延が行われるが、圧延ラインが長くなる等の問題がある。
【0003】
一方、通常の最大圧下量よりも大きい圧下量を有する圧延設備として、プネラタリミルが従来から知られている(例えば、▲1▼「600mmφ熱間シングルプネラタリミル設備の概要」、石川島播磨技報、昭和44年8月、▲2▼“UTHS system-a technology to produce hot strip in thin gauges ”,Metallurgical Plant Technology International 1994、▲3▼特公昭46−29605号の「遊星圧延機」、▲4▼特公昭55−37324号の「遊星圧延機における素材後端部完全圧延補助鵜装置」、等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プネラタリミルでは、圧延設備自体が特殊かつ複雑な構造であり、小径ロールを高速で板に当てるために衝撃が大きく、構成部品(特に小径ロールのベアリング等)の寿命が短く、量産型圧延設備に適さない問題点があった。
【0005】
本発明は、かかる種々の問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、損傷しにくく保守のしやすい装置で高い圧下量が得られ、これにより圧延ラインを短くできる高圧下圧延方法とその圧延設備を提供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明によれば、1つの圧延機内の2本の圧延ロール間で、1回目の圧延パスで圧延材先端部を所定の厚さに噛み込み、圧延ロールのロールギャッを順次開けながら傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を正転圧下にて行い、傾斜終了部で停止し、次に所定の厚さで噛み込み、圧延ロールのロールギャップを順次閉じながら2回目の圧延パスで圧延材先端部が更に薄くなるような板厚の傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を逆転圧下にて行い、更に3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延を正転圧下で行う、ことを特徴とする高圧下圧延方法が提供される。
【0007】
上記本発明の方法によれば、2本の圧延ロール間で圧延する通常の1つの圧延機を用いて、1回目の圧延パスで圧延材先端部を所定の厚さに噛み込み、圧延ロールのロールギャップを順次開けながら傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を正転圧下にて行い、傾斜終了部で停止し、次に所定の厚さで噛み込み、圧延ロールのロールギャップを順次閉じながら2回目の圧延パスで圧延材先端部が更に薄くなるような板厚の傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を逆転圧下にて行い、更に3回目の圧延パスを正転圧下で行うことにより、圧延材全長を一度に圧延せずに1つの圧延機内で、圧延材先端部を1回目と2回目の正・逆転の傾斜圧延で傾斜圧下ができる。これにより、勾配の大きい先端厚みを通常の許容摩擦からの圧下量を差し引いた値より先端厚みを薄くした傾斜板厚を持つ傾斜状先端部分長を形成する。この結果、3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延ができる。また、通常の圧延機を用いることから、圧延機は損傷しにくくかつ保守しやすい。さらに通常のタンデム圧延機に比べて少ない圧延機(単一又は複数台)で高い圧下量を得ることができ、かつ圧延材全体が前後に移動しないので、リバース圧延に比較しても圧延ラインを大幅に短くできる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記1つの圧延機内における3回目の圧延パスの傾斜状先端部厚さを、この圧延機の定常厚みより薄くすることにより、3回目の圧延パス時に傾斜状先端部の後方の傾斜部から圧下を行う。この方法によれば、傾斜状先端部厚さをこの圧延機の定常厚みより薄く、すなわち3回目の圧延ロール間のロールギャップを傾斜状先端部厚さと定常厚み間に設定できるので、3回目の圧延パスの一気圧延時においても傾斜状先端部の後方の傾斜部からの圧下をして噛み込み圧下量をより大きくできる。
【0009】
また、少なくとも2つ以上の圧延機からなるタンデム圧延機における各々の圧延機の定常厚みのロールギャップを、第1の圧延機の3回目の圧延パスの傾斜状先端部厚さより大きし、第1の圧延機の3回目の圧延パス時に下流側の各々の圧延機で傾斜状先端部の後方の傾斜部から圧下を行う。この方法によれば、第1の圧延機を含む下流側に配置された第2及び第3の圧延機のロールギャップを圧延材の各定常厚みと第1の圧延機の3回目の圧延パスの傾斜状先端部厚さに設定して一気圧延できるので、傾斜状先端部の後方の傾斜部からの圧下をして噛み込み圧下量もより大きくできる。したがって、傾斜効果を後続の圧延機でも有効に使えるので、通常のタンデム圧延機より少ない台数で圧延でき圧延ラインを短縮できる。
【0010】
また、本発明によれば、2本の圧延ロールを有する圧延機と、圧延ロールに圧下力を付与する油圧圧下制御装置又は電動圧下制御装置と、圧延ロールを駆動する電動機と、を備え、前記油圧圧下制御装置又は電動圧下制御装置は、演算装置を含み、前記演算装置は、1つの圧延機内の2本の圧延ロール間で、1回目の圧延パスで圧延材先端部を所定の厚さに噛み込み、圧延ロールのロールギャッを順次開けながら傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を正転圧下にて行い、傾斜終了部で停止し、次に所定の厚さで噛み込み、圧延ロールのロールギャップを順次閉じながら2回目の圧延パスで圧延材先端部が更に薄くなるような板厚の傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を逆転圧下にて行い、更に3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延を正転圧下で行うように前記圧下力を予測演算するように構成されている、ことを特徴とする高圧下圧延設備が提供される。
【0011】
上記本発明の構成によれば、圧延機内に2本の圧延ロールを有する圧延機と、圧延ロールに圧下力を付与する油圧圧下制御装置又は電動圧下制御装置と、圧延ロールを駆動する電動機とを有したので、通常使用されている1つの圧延機内の電動機駆動による2本の圧延ロール間で油圧圧下制御装置又は電動圧下制御装置で2回の正・逆転パス圧延で圧延材先端部に圧下力を付与させて、傾斜圧延による傾斜状先端部分長を簡単に形成させる。この結果、3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延が容易にできる。また、通常の圧延機を用いることから、圧延機は損傷しにくくかつ保守しやすい。さらに圧延材全体が前後に移動しないので、リバース圧延に比較しても圧延ラインを大幅に短くできる。
【0012】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記油圧圧下制御装置は、油圧シリンダと、油圧シリンダの位置を検出する位置検出器と、圧延ロールの回転数を検知する検出器と、これらの検出器からのパス間の情報により圧下力を予測演算する前記演算装置と、演算装置で算出された圧下指令を出力する指令器と、指令器からの指令出力で作動して圧延ロールに圧延力を付与する前記油圧シリンダを制御する液圧サーボ弁とからなる。この構成により、1回目及び2回目の圧延パス時のロールギャップの開閉(上昇・下降)のフイードバック制御が高速で可能となり、最適な傾斜状先端部分長を形成できるので3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延が容易にできる。
【0013】
また、前記電動圧下制御装置は、圧下ネジと、圧下ナットと、ウォームと、電動機と、圧下ネジの位置を検出する位置検出器と、圧延ロールの回転数を検知する検出器と、これらの検出器からのパス間の情報により圧下力を予測演算する前記演算装置と、演算装置で算出された圧延ロールに圧下指令を出力する指令器と、からなり、前記電動機は、指令器からの指令出力で作動して圧延ロールに圧延力を付与させる前記圧下ネジの送り量を制御する。この構成でも、1回目及び2回目の圧延パス時のロールギャップの開閉(上昇・下降)のフイードバック制御が可能となり、最適な傾斜状先端部分長を形成できるので3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延が容易にできる。
【0014】
さらに、前記圧延機を第1の圧延機とし、これ加えてさらに第2の圧延機を設け、第2の圧延機の定常厚みのロールギャップを、第1の圧延機の3回目の圧延パスの傾斜状先端部厚さより大きし、第1の圧延機の3回目の圧延パス時に下流側の第2の圧延機で傾斜状先端部の後方の傾斜部から圧下を行う。この構成により、傾斜効果を後続の通常の圧延機でも有効に使えるので、通常のタンデム圧延機より少ない台数で圧延でき圧延ラインを短縮できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分は同一の符号を付し重複した説明を省略する。
図1乃至図3は、本発明による高圧下圧延を行う圧延設備の第1実施形態を示す。図1は、本発明の高圧下圧延を行う圧延機の斜視図であり、図2は、図1の概略側面図である。また、図3は、本発明の第2回目のパス時の傾斜圧延における圧延装置の一部断面図である。
【0016】
図1において、この圧延機10は、2本の上下のワークロール11(以下圧延ロールという)と2本の上下のバックアップロール12とを備え、2本の圧延ロール11の間で圧延材13を圧延する通常の4段圧延機である。また、本発明において、圧延機は4段圧延機に限定されず、その他の形式の圧延機であってもよい。圧延ロール11の両軸端部に軸箱14が設けられている。同様に、バックアップロール12の両軸端部に軸箱15が設けられている。上又は下の一方(本形態では下)のバックアップロール12の両軸箱15の下側とハウジング16の間に圧延ロール11に圧延力を付与する油圧圧下装置17が設けられている。圧延ロール11の一方の軸端部は、圧延ロール11を正・逆転可能に回転駆動させる電動機18が取付けられている。
【0017】
図3の実施形態において、油圧圧下装置17は油圧シリンダであり、ハウジング16に固定されたシリンダ本体20と、バックアップロール12の軸箱15を昇降(2本の圧延ロール11のギャップの開閉)自在に保持しながら圧延材13に圧延力を付与するピストン21と、図示しない油圧源と配管24で接続され、配管口23を介して圧油を供給・排出する油圧室22とからなる。シリンダ本体20とピストン21には、ピストン21の位置を検知する位置検出器25(例えばマグネスケール等)が設けられている。位置検出器25で検知された検出値は、圧下力に換算する演算装置26に入力される。また、電動機18には、圧延ロール11の回転数を検知する検出器27(例えばタコジェネレータ等)が設けられており、検知された検出値は圧下力に換算する演算装置26に入力される。さらに図示しないが第1回目と第2回目の各パスの傾斜圧延情報P1 、P2 も演算装置26に同様に入力される。これらの入力データを演算装置26で演算し算出された圧下指令を出力する指令器28が設けられている。さらに上述の油圧源と油圧圧下装置17間に液圧(油圧)サーボ弁29を備えており、この油圧サーボ弁29により、指令器28から出力された操作信号を受けて、油圧圧下装置17の圧延力を制御するための圧油を油圧室22に供給又は排出するようになっている。
【0018】
図4は、通常の最大圧下量よりも大きい圧下量を得ることができることを示す本発明の傾斜圧延の模式図である。図4の(a)において、搬送されてくる圧延材13の定常部の板厚をH0 、本発明の2回の正・逆転の傾斜圧延で形成した傾斜状先端部分長をL2 、傾斜先端部の板厚をh2 、噛み込み角をθ2 、摩擦係数をμ、第3回目の正転圧延時の圧下量を△h2 、圧延ロールのロールギャップをG0 とする。h2 は傾斜圧延により上述のh1 より薄くする。
【0019】
また、H0 >G0 >h2 とすると、tanθ2 >μでも圧延が可能となる。
従って、H0 −h2 =△h2 >△h1 となる。
この結果、圧延材13の先端部を傾斜にしてかつ出口厚みh2 を圧延ロールのロールギャップG0 より薄くすれば、噛み込み角度を摩擦係数の摩擦角度より小さくし空滑りを防止できるので、噛み込み圧下量の高い圧延ができ、通常の最大圧下量よりも大きい圧下量が得ることができる。従って、圧延ラインを短縮できる。
【0020】
図5は、本発明の高圧下圧延方法を示す工程図である。図5と図3により、本発明の高圧下圧延方法を説明する。図5に示すように、1つの圧延機10と2本の圧延ロール11とを用い、(a)上流から搬送される定常部H10の圧延材13を1つの圧延機10の正転圧下する2本の圧延ロール11でロールギャップG10と等しい所定の先端部厚さとするh11で噛み込んで第1回目の圧延パスを開始する。(b)定常部H10より薄くされた先端部厚さh11を始点としてロールギャップを順次開けながら傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を圧延材13を正転にて搬送圧下を続行する。(c)先端部厚さh11を始点とする傾斜圧延の傾斜線と定常部H10の平行線が交わる箇所(傾斜終了部)で第1回目の圧延パスの傾斜圧延を停止する。この時L11の長さの傾斜状先端部分長が形成される。(d)次にこの傾斜終了部で圧延ロール11を所定の厚さh12に噛み込み、このh12を始点としてロールギャップを順次閉じながら定常部H10の圧延材13を1つの圧延機10の逆転圧延で上述の先端部厚さh11より薄くなるように傾斜圧延である第2回目の圧延パスを開始する。(e)傾斜圧延で圧延ロール11が圧延材先端部に到達した時点で第2回目の圧延パスの逆転圧延である傾斜圧延を停止する。この時、圧延材先端部の厚さh13で長さL13の傾斜状先端部分長が形成される。(f)次にロールギャップG13を圧延材先端部の厚さh13より大きくかつ定常部H10より小さく設定する。(g)この状態で第3回目の圧延パスを正転にて一気に水平圧延を行う。
【0021】
このように、通常の1つの圧延機内で2回の傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を含む3回のパスを使用して通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延ができる。従って、圧延材全長をリバースさせる必要がなく、圧延ラインを短縮できる。
【0022】
図6は、本発明の高圧下圧延を行う圧延設備の第2実施形態を示し、本発明の第2回目のパス時の傾斜圧延における圧延装置の一部断面図である。電動圧下装置30は、上又は下の一方(本形態では上)のバックアップロール12の両軸箱15の上側をハウジング16を貫通孔31内に配置した圧下ネジ32から圧延ロール11に圧延力を付与するように設けられている。また電動圧下装置30は、圧下ネジ32の外周に設けられたネジに螺合するウォームホイル兼用の圧下ナット33と、圧下ナット33の外周に設けられたウォームネジを回転させ電動機35で駆動されるウォーム34と、圧下ネジ32の位置を検知する位置検出器36からなる。その他は図3と同様である。この電動圧下制御によっても、上述の油圧圧下制御に比べ多少は傾斜圧延速度は低下するが、同様に通常の最大圧下量よりも大きい圧下量が得ることができる。従って、圧延ラインを短縮できる。
【0023】
図7は、本発明の高圧下圧延を行う圧延設備の第3実施形態を示し、通常使われている3台の圧延機10、40、41をタンデム圧延設備として、本発明に適用する配列図である。
先ず、この図で示す実線の圧延材13の先端部は、上述の第1実施形態及び第2実施形態での各々2回にわたる正・逆転による傾斜圧延で形成された圧延材先端部の厚さh13で長さL13の傾斜状先端部分長である。この場合の圧延機10の圧延ロール11のロールギャップG13は、圧延材先端部の厚さh13より大きくかつ定常部H10より小さく設定する。さらに、圧延機40及び41の各々のロールギャップG14、ロールギャップG15も同様に設定する。すなわち、圧延材先端部の厚さh13より大きくかつ定常部H10かつ圧延機10で圧下した後の一点鎖線、さらに圧延機40で圧延した後の二点鎖線で示すように下流に行くにしたがって順次小さく設定する。この状態で、第1の圧延機10の3回目の圧延パスを正転で水平圧延を開始する。この構成により、上述したように先端部を傾斜形状にし噛み込み角度を摩擦係数の摩擦角度より小さくして空滑りを防止したので、噛み込み圧下量の高い圧延ができる。さらに、傾斜効果を後続の通常の圧延機でも有効に使え、従って通常のタンデム圧延機より少ない台数で圧延でき圧延ラインを短縮できる。
【0024】
なお、発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】
上述したように本発明の高圧下圧延方法とその圧延設備は、▲1▼通常の圧延機を使い圧延材先端部だけに所定の長さの傾斜形状を正・逆転で形成させたので、通常の圧延では先端摩擦角以上の噛み込み角がとれずに発生する空滑りを防止して、噛み込み圧下量の高い圧延ができ、▲2▼プラネタリミルのような特殊で複雑な圧延機構造を必要としないので、損傷しにくく、保守の容易で、▲3▼圧延材の長さが長くとも全長をリバースをしないので、圧延ラインが短くでき、▲4▼タンデム圧延機においても、圧延機の台数を大幅に減少できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧下圧延を行う第1実施形態を示す圧延機の斜視図である。
【図2】図1の概略側面図である。
【図3】本発明の第2回目のパス時の傾斜圧延における圧延装置の一部断面図である。
【図4】本発明の傾斜圧延の模式図である。
【図5】本発明の高圧下圧延方法を示す工程図である。
【図6】本発明の高圧下圧延を行う圧延設備の第2実施形態を示す一部断面図である。
【図7】本発明の高圧下圧延を行う第3実施形態を示すタンデム圧延設備の配置図である。
【図8】従来の圧延材の先端摩擦角と圧延ロールの関連を示す模式図である。
【符号の説明】
1 圧延機
2 ワークロール(圧延ロール)
3 圧延材
10 圧延機
11 ワークロール
12 バックアップロール
13 圧延材
14、15 軸箱
16 ハウジング
17 油圧圧下装置
18 電動機
20 シリンダ本体
21 ピストン
22 油圧室
23 配管口
24 配管
25 位置検出器
26 演算装置
27 検出器
28 指令器
29 液圧(油圧)サーボ弁
30 電動圧下装置
31 貫通孔
32 圧下ネジ
33 圧下ナット
34 ウォーム
35 電動機
36 位置検出器
40、41 圧延機
H0 、H10 定常部の板厚
h1 圧延後の板厚
△h1 、△h2 圧下量
θ1 、θ2 噛み込み角
μ 摩擦係数
h2 、h11、h13 先端部厚さ
h12 所定の厚さ
L2 、L11、L13 傾斜状先端部分長
G0 、G10、G13、G14、G15 ロールギャップ
P1 、P2 傾斜圧延情報

Claims (7)

  1. 1つの圧延機内の2本の圧延ロール間で、1回目の圧延パスで圧延材先端部を所定の厚さに噛み込み、圧延ロールのロールギャッを順次開けながら傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を正転圧下にて行い、傾斜終了部で停止し、次に所定の厚さで噛み込み、圧延ロールのロールギャップを順次閉じながら2回目の圧延パスで圧延材先端部が更に薄くなるような板厚の傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を逆転圧下にて行い、更に3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延を正転圧下で行う、ことを特徴とする高圧下圧延方法。
  2. 前記1つの圧延機内における3回目の圧延パスの傾斜状先端部厚さを、この圧延機の定常厚みより薄くすることにより、3回目の圧延パス時に傾斜状先端部の後方の傾斜部から圧下を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧下圧延方法。
  3. 少なくとも2つ以上の圧延機からなるタンデム圧延機における各々の圧延機の定常厚みのロールギャップを、第1の圧延機の3回目の圧延パスの傾斜状先端部厚さより大きし、第1の圧延機の3回目の圧延パス時に下流側の各々の圧延機で傾斜状先端部の後方の傾斜部から圧下を行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧下圧延方法。
  4. 2本の圧延ロールを有する圧延機と、圧延ロールに圧下力を付与する油圧圧下制御装置又は電動圧下制御装置と、圧延ロールを駆動する電動機と、を備え、
    前記油圧圧下制御装置又は電動圧下制御装置は、演算装置を含み、
    前記演算装置は、1つの圧延機内の2本の圧延ロール間で、1回目の圧延パスで圧延材先端部を所定の厚さに噛み込み、圧延ロールのロールギャッを順次開けながら傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を正転圧下にて行い、傾斜終了部で停止し、次に所定の厚さで噛み込み、圧延ロールのロールギャップを順次閉じながら2回目の圧延パスで圧延材先端部が更に薄くなるような板厚の傾斜状先端部分長を形成する傾斜圧延を逆転圧下にて行い、更に3回目の圧延パスで通常の圧延より噛み込み圧下量の高い圧延を正転圧下で行うように前記圧下力を予測演算するように構成されている、ことを特徴とする高圧下圧延設備。
  5. 前記油圧圧下制御装置は、油圧シリンダと、油圧シリンダの位置を検知する位置検出器と、圧延ロールの回転数を検知する検出器と、これらの検出器からのパス間の情報により圧下力を予測演算する前記演算装置と、演算装置で算出された圧下指令を出力する指令器と、指令器からの指令出力で作動して圧延ロールに圧延力を付与する前記油圧シリンダを制御する液圧サーボ弁とからなる、ことを特徴とする請求項4に記載の高圧下圧延設備。
  6. 前記電動圧下制御装置は、圧下ネジと、圧下ナットと、ウォームと、電動機と、圧下ネジの位置を検知する位置検出器と、圧延ロールの回転数を検知する検出器と、これらの検出器からのパス間の情報により圧下力を予測演算する前記演算装置と、演算装置で算出された圧下指令を出力する指令器と、からなり、前記電動機は、指令器からの指令出力で作動して圧延ロールに圧延力を付与する前記圧下ネジの送り量を制御する、ことを特徴とする請求項4に記載の高圧下圧延設備。
  7. 前記圧延機を第1の圧延機とし、これ加えてさらに第2の圧延機を設け、第2の圧延機の定常厚みのロールギャップを、第1の圧延機の3回目の圧延パスの傾斜状先端部厚さより大きし、第1の圧延機の3回目の圧延パス時に下流側の第2の圧延機で傾斜状先端部の後方の傾斜部から圧下を行う、ことを特徴とする請求項4に記載の高圧下圧延設備。
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