JP3443407B2 - 金属帯の圧延装置および圧延方法 - Google Patents

金属帯の圧延装置および圧延方法

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JP3443407B2
JP3443407B2 JP2001037021A JP2001037021A JP3443407B2 JP 3443407 B2 JP3443407 B2 JP 3443407B2 JP 2001037021 A JP2001037021 A JP 2001037021A JP 2001037021 A JP2001037021 A JP 2001037021A JP 3443407 B2 JP3443407 B2 JP 3443407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対のワークロー
ルのうち、一方のワークロールを駆動し、他方のワーク
ロールを従動として、金属帯を圧延する装置および方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属帯の圧延には、圧延スタンドを複数
基直列に配置した、いわゆるタンデム圧延機が多く用い
られている。タンデム圧延機の複数の圧延スタンドのう
ち、前段側の圧延スタンドでは、圧延される金属帯の厚
みがまだ厚いので圧延トルクが大きく、逆に後段側の圧
延スタンドでは、金属帯が圧延されて厚みが薄くなるの
で圧延トルクが小さい。前段の圧延スタンドの圧延トル
クに対して、所要圧延トルクが小さくなる後段の圧延ス
タンドでは、前段の圧延スタンドと同一の構成である必
要はなく、1本のロールのみを駆動して圧延しても必要
トルクが得られる。
【0003】2本のワークロールを駆動して圧延する場
合に比べて、1本のワークロールのみを駆動して圧延す
る場合には、電動機および減速機などの駆動源がワーク
ロール1本分のみで済むので、装置価格を安価にするこ
とができる。また、従動ワークロールには電動機が接続
されておらず、従動ワークロールの直径を小径化しても
電動機を高速回転可能にしなければならないという問題
が生じないので、従動ワークロールの直径を小径化して
圧延荷重を軽減できるという利点もある。したがって、
前述のようなタンデム圧延機の一部の圧延スタンドばか
りでなく、単一の圧延スタンドからなる圧延機であって
も金属帯の仕上厚さの薄い場合には、1本のワークロー
ルのみを駆動して圧延する方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ワークロールを1本の
み駆動する圧延では、圧延を開始するとき、駆動ワーク
ロールが圧延速度で回転しているのに対して、従動ワー
クロールは、回転する駆動源を持たないので、圧延を開
始するときには回転していないかあるいは圧延速度より
も遅い速度で回転していることが多い。したがって、金
属帯が駆動ワークロールと従動ワークロールとの間に噛
み込むと同時に、従動ワークロールが金属帯に接触して
回転し、瞬時に圧延速度まで加速されなければならな
い。従動ワークロールを瞬時に圧延速度に加速するため
には、大きな加速エネルギを必要とする。また、従動ワ
ークロールがブレーキの役目をして圧延速度を低下させ
たり、従動ワークロールと金属帯との間でスリップが生
じてロール表面疵を発生させる原因となったりする。し
たがって、圧延を開始するときに従動ワークロールを圧
延速度で回転させておくことが、ワークロールを1本の
み駆動させて圧延する場合の問題点である。
【0005】この問題を解決する先行技術として、特開
平2−30304号公報が開示されている。この先行技
術には、圧延前に、駆動ワークロールと従動ワークロー
ルとを直接接触させて、しかも所定の圧延速度よりも大
きな速度で回転させる構成が記載されている。さらに、
金属帯を圧延する前に、一対のワークロール間に金属帯
を噛み込むためのロール間隔を設け、駆動ワークロール
の周速度を圧延速度に調整し、その後金属帯を噛み込ま
せて圧延を開始する構成が記載されている。
【0006】この先行技術には、以下のような問題点が
ある。金属帯を圧延する前に、駆動ワークロールと従動
ワークロールとを直接接触させて回転させる速度は、所
定の圧延速度よりも単に大きい速度に設定すると記載さ
れているだけで、大きくする基準が明らかにされていな
い。駆動ワークロールを従動ワークロールに直接接触さ
せて回転させた後、2本のワークロール間隔を開放する
と、従動ワークロールは駆動源を失い周速度が減少す
る。従動ワークロールのロール周速度が減少する程度
は、ロール間隔が開放された後、圧延が開始されるまで
の経過時間によって異なり、また、2本のロール間隔を
開放したときのロール周速度によっても異なる。したが
って、従動ワークロールの周速度は、ロール間隔開放後
の経過時間にともなって直線的に減少するという一様な
傾向を示さない。
【0007】圧延前に駆動および従動ワークロールを直
接接触させて従動ワークロールの周速度を圧延速度より
も単に速くするだけでは、駆動ワークロールと従動ワー
クロールとのロール間隔を開放した後、圧延を開始する
ときの従動ワークロールの周速度が、圧延速度と同一に
なるとは必ずしも限らないので、金属帯と従動ワークロ
ールとの間のスリップおよびスリップによるロール表面
疵発生の問題については完全には解決されない。さら
に、圧延を終了した後、続けて圧延を行う場合、従動ワ
ークロールの周速度を次の圧延条件に適した周速度に調
整するために、駆動ワークロールと従動ワークロールと
を直接接触させるとき、両者のロール周速度をどのよう
に調整するかについては開示されておらず、駆動ワーク
ロールと従動ワークロールとを直接接触させるときのス
リップによるロール表面疵発生の問題については解決さ
れない。
【0008】本発明の目的は、駆動ワークロールと従動
ワークロールとの間に金属帯を噛み込んで圧延を開始す
るときにおいても、圧延終了後駆動ワークロールと従動
ワークロールとを直接接触させるときにおいても両者の
ロール周速度を同一にして、スリップによるロール表面
疵の発生を防止することができる金属帯の圧延装置およ
び圧延方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)金属帯
を圧延する一対のワークロールと、これら一対のワーク
ロールを相互の近接方向に圧力を作用させるとともに相
互に離間変位する圧下手段とを含む圧延スタンドと、 (b)一対のワークロールのうち一方の駆動ワークロー
ルを回転駆動し、その駆動ワークロールの周速度を圧延
に適した周速度範囲にわたって可変として回転駆動する
駆動源と、 (c)前記一対のワークロールのうち駆動源によって回
転駆動されない従動ワークロールが、駆動ワークロール
と相対的に離間した後における従動ワークロールの周速
度と経過時間との関係をストアするメモリと、 (d)金属帯が、前記一対のワークロールに噛み込まれ
る前の期間には、圧下手段を駆動して駆動および従動ワ
ークロールを接触させ、駆動および従動ワークロールの
周速度が圧延に適した予め定める周速度になるように駆
動源を回転駆動し、その後駆動および従動ワークロール
を相互に離間させてロール間隔が予め定める値になるよ
うに圧下手段を駆動し、金属帯の噛み込み後の圧延動作
中には、駆動ワークロールの周速度が圧延に適した周速
度になるように駆動源を回転駆動し、さらに金属帯の圧
延終了後、駆動および従動ワークロールが同一速度で接
触するように前記従動ワークロールの周速度と経過時間
との関係に基づいて駆動源を回転駆動する制御手段とを
含むことを特徴とする金属帯の圧延装置である。
【0010】
【0011】また本発明は、前記メモリには、駆動ワー
クロールと相対的に離間した後における従動ワークロー
ルの周速度と経過時間との関係を表す数式がストアされ
ることを特徴とする金属帯の圧延装置である。
【0012】本発明に従えば、駆動ワークロールと相対
的に離間した後における従動ワークロールの周速度と経
過時間との関係がメモリにストアされているので、従動
ワークロールの周速度を予測することができる。さら
に、従動ワークロールの周速度の予測結果に対応するよ
うに、駆動ワークロールの駆動源を制御する制御手段が
設けられるので、圧延開始時に駆動および従動ワークロ
ールの周速度が同一、または予め定める値になるように
駆動ワークロールの周速度を調整することができる。ま
た圧延終了後、駆動および従動ワークロールが同一周速
度で接触するように駆動ワークロールの周速度を調整す
ることができる。したがって、駆動ワークロールと従動
ワークロールとの間およびワークロールと金属帯との間
のスリップによるロール表面疵の発生を防止し、圧延さ
れる金属帯の品質向上を実現することができる。
【0013】また本発明は、駆動ワークロールと相対的
に離間した後における従動ワークロールの周速度Vは、
経過時間の2次以上の関数で表されることを特徴とする
金属帯の圧延装置である。
【0014】本発明に従えば、駆動ワークロールと相対
的に離間した後における従動ワークロールの周速度V
は、経過時間の2次以上の関数で表されるので、時間経
過にともなう単調な増減を表わす1次関数の場合に比べ
て、前記従動ワークロールの周速度Vの予測精度を著し
く向上することができる。
【0015】また本発明は、前記一対のワークロール
は、少なくとも一対の支持ロールによって支持されてお
り、駆動ワークロールと相対的に離間した後における従
動ワークロールの周速度Vは、従動ワークロールおよび
従動ワークロールを支持する支持ロールのロール直径ま
たはロールの慣性モーメントの関数で表されることを特
徴とする金属帯の圧延装置である。
【0016】また本発明は、前記一対のワークロール
は、一対の支持ロールによって支持されており、駆動ワ
ークロールと相対的に離間した後における従動ワークロ
ールの周速度Vは、たとえば数式、 V=(at+bt2+c)×d/(pDW+qDB+
r) ここで、V:従動ワークロールの周速度 t:時間 a,b,c,d,p,q,r:係数 DW:従動ワークロールの直径 DB:従動ワークロールを支持する支持ロールの直径 によって表されることを特徴とする金属帯の圧延装置で
ある。
【0017】本発明に従えば、駆動ワークロールと相対
的に離間した後における従動ワークロールの周速度V
は、ワークロールおよび支持ロールの直径の関数で表さ
れるので、ワークロールおよび支持ロールを交換した場
合でも、交換後のロール直径に基づいて、換言すればロ
ールの慣性を考慮して、前記従動ワークロールの周速度
Vと経過時間との関係を精度よく容易に求めることがで
きる。したがって、ロール径が変わった場合でも、圧延
を開始するときおよび圧延終了後駆動および従動ワーク
ロールを接触させるとき、駆動ワークロールと従動ワー
クロールとの周速度を精度よく同一にすることができ
る。
【0018】また本発明は、前記メモリには、駆動ワー
クロールと相対的に離間した後における従動ワークロー
ルの周速度Vと経過時間との関係をワークロールおよび
支持ロールの直径ごとに表わすテーブルがストアされる
ことを特徴とする金属帯の圧延装置である。
【0019】本発明に従えば、メモリには、駆動ワーク
ロールと相対的に離間した後における従動ワークロール
の周速度Vと経過時間との関係を、ワークロールおよび
支持ロールの直径ごとに表わすテーブルがストアされる
ので、簡単かつ容易に従動ワークロールの周速度Vと経
過時間との関係を得ることができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】また本発明は、一対のワークロールのう
ち、一方のワークロールのみを駆動し、駆動ワークロー
ルと従動ワークロールとの間で金属帯を圧延し、圧延
後、駆動および従動ワークロールを接触させて従動ワー
クロールの周速度を調整し、さらに圧延前に駆動および
従動ワークロールを離間させてロール間隔を調整する金
属帯の圧延方法において、駆動ワークロールと相対的に
離間した後における従動ワークロールの周速度と経過時
間との関係を求め、圧延開始時、駆動および従動ワーク
ロールの周速度が同一に、または予め定める値になるよ
うに、前記関係に基づいて駆動ワークロールの周速度を
調整し、圧延終了後、駆動および従動ワークロールが同
一周速度で接触するように、前記関係に基づいて駆動ワ
ークロールの周速度を調整することを特徴とする金属帯
の圧延方法である。
【0026】本発明に従えば、駆動ワークロールと相対
的に離間した後における従動ワークロールの周速度と経
過時間との関係が求められ、この関係に基づいて駆動ワ
ークロールの周速度が調整されるので、圧延を開始する
ときおよび圧延終了後駆動および従動ワークロールを接
触させるとき、駆動ワークロールと従動ワークロールと
の周速度を精度よく設定することができる。このことに
よって、圧延を開始するときおよび圧延終了後駆動およ
び従動ワークロールを接触させるとき、駆動ワークロー
ルと従動ワークロールとの間およびワークロールと金属
帯との間のスリップによるロール表面疵の発生を防止す
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る圧延装置1の後段側仕上第4圧延スタンド64の構成
を簡略化して示す側面図であり、図2は図1に示す圧延
装置1の後段側仕上第4圧延スタンド64の構成を簡略
化して示す正面図であり、図3は圧延装置1の概略構成
を示す図である。圧延装置1は、熱間圧延装置であり、
矢符30に示す圧延方向の上流側で加熱され粗圧延され
た粗圧延材36を熱間圧延し、金属帯である熱間圧延鋼
帯2(以後、鋼帯と呼ぶことがある)を製造する。圧延
装置1は、6基の仕上第1〜仕上第6圧延スタンド(以
後、F1〜F6圧延スタンドと略称する)61,62,
63,64,65,66と、鋼帯2の走行位置検出手段
27とを含む。6基のF1〜F6圧延スタンド61,6
2,63,64,65,66は、矢符30に示す圧延方
向の上流側から下流側に向って、この順序で設けられ
る。
【0028】本発明の実施の一形態である圧延装置1の
後段側F4圧延スタンド64は、ハウジング5と、駆動
源4とを含む。ハウジング5には、上および下ワークロ
ール6,7と軸受箱8,9,10,11とが備えられ
る。上ワークロール6は軸受箱8,9によって、また下
ワークロール7は軸受箱10,11によって、回転自在
に支持される。下ワークロール7(以後、駆動ワークロ
ールと呼ぶ)は、一方の端部が駆動源4に接続され駆動
される。上ワークロール6(以後、従動ワークロールと
呼ぶ)には、駆動源が接続されない。従動および駆動ワ
ークロール6,7には、ロール周速度を検出する第1お
よび第2ロール周速度検出器15,16が設けられる。
本実施の形態では、従動および駆動ワークロール6,7
の直径は同一である。
【0029】また、ハウジング5には、上および下支持
ロール17,18と、軸受箱19,20,21,22と
が備えられる。上支持ロール17は、軸受箱19,20
によって回転自在に支持され、また下支持ロール18
は、軸受箱21,22によって回転自在に支持される。
上支持ロール17の軸受箱19,20とハウジング5の
上部内面との間には、駆動および従動ワークロール7,
6を相互の近接方向に圧力を作用させるとともに相互に
離間変位する圧下手段である圧下シリンダ23,24お
よびシリンダ位置検出器37,38がそれぞれ設けられ
る。また、圧下シリンダ23,24と、ハウジング5の
上部内面との間には、圧延荷重を計測するロードセル2
5,26がそれぞれ設けられる。下支持ロール18を支
持する軸受箱21,22は、ハウジング5の下部内面に
接して固定される。
【0030】駆動ワークロール7に接続される駆動源4
は、電動機31と、減速機32と、スピンドル33とを
含む。ワークロールは1本だけを駆動させるので、ワー
クロールの駆動源4は、1つの圧延スタンドについて1
基だけ設けられる。前述のように、従動ワークロール6
には駆動源が接続されないけれども、従動ワークロール
6は、駆動ワークロール7と接触もしくは圧延される鋼
帯2と接触するとき、従動ワークロール6の自重および
負荷荷重によって従動回転する。F5およびF6圧延ス
タンド65,66の構成は、F4圧延スタンド64と同
一、F1〜F3圧延スタンド61,62,63は、2本
のワークロールとも駆動される。
【0031】鋼帯2の走行位置検出手段27は、鋼帯2
の先端位置を検出する先端位置検出器28(HMD)
と、回転数をもとに鋼帯2の走行長さを計測する計測ロ
ール29(MR)と、先端位置検出器28と計測ロール
29との出力に応答して鋼帯2の先端の走行位置を演算
する先端位置演算手段とを含む。先端位置演算手段は、
後述の処理回路41に含まれる。
【0032】図4は、図1に示す圧延装置1の電気的構
成を示すブロック図である。説明の便宜上F4圧延スタ
ンド64を対象に説明する。プロセスコンピュータなど
によって実現される制御手段である処理回路41には、
上位コンピュータ42が接続される。上位コンピュータ
42は、粗圧延材36の板厚、鋼帯2の仕上板厚および
鋼種等を出力として、処理回路41に与える。処理回路
41は、これらの入力情報に基づき、圧延されるべき鋼
帯の圧延スケジュールと、圧延スケジュールに従って定
められる各圧延スタンドの圧延速度、圧延荷重、圧下位
置等とを演算する(以後、セットアップ計算と呼ぶ)。
【0033】また、上位コンピュータ42からは、ロー
ル間隔を狭めるためにロールを圧下する圧下シリンダの
作動速度(以後、ロール圧下速度と呼ぶ)およびロール
間隔を開放するためにロールを上昇する圧下シリンダの
作動速度(以後、ロール開放速度と呼ぶ)と、後述する
従動ワークロール6が駆動ワークロール7と相対的に離
間した後空転している状態の周速度と経過時間との関係
を表す数式とが、処理回路41に入力される。
【0034】処理回路41には、メモリ43が接続さ
れ、上位コンピュータ42から入力された前述の入力情
報と、セットアップ計算結果とがメモリ43にストアさ
れる。また、処理回路41には、シリンダ位置検出器3
7,38と、第1および第2ロール周速度検出器15,
16と、先端位置検出器28と、計測ロール29とが接
続され、各検出器からの出力が与えられる。処理回路4
1の出力によって、後述のように圧下シリンダ23,2
4と、電動機31の動作が制御される。また、処理回路
41には、走行位置検出手段27であって、先端位置検
出器28および計測ロール29の出力に応答し、鋼帯2
の先端の走行位置を演算する先端位置演算手段が備えら
れる。処理回路41に備えられた先端位置演算手段は、
先端位置検出器28および計測ロール29の出力ととも
に、セットアップ計算によって得られる圧延スケジュー
ルおよび圧延速度に基づき、各圧延スタンドにおける鋼
帯2の先端走行位置を算出する。
【0035】本発明者らは、鋭意検討の結果、駆動ワー
クロール7と相対的に離間した後空転している状態の従
動ワークロール6の周速度と経過時間との関係を、時間
とロールの直径とを変数として従動ワークロール6の周
速度を求める数式によって、高い精度で予測できること
を明らかにし、本発明に至ったものである。たとえば従
動ワークロール6の周速度Vと経過時間tとの関係につ
いての数式は、回帰分析によって求めたものであり、式
(1)によって与えられる。
【0036】 V=(at+bt2+c)×d/(pDW+qDB+r) …(1) ここで、V:従動ワークロールの周速度 t:時間 a,b,c,d,p,q,r:係数 DW:従動ワークロールの直径 DB:従動ワークロールを支持する支持ロールの直径
【0037】図5は、式(1)に基づく従動ワークロー
ル6の周速度Vと経過時間tとの関係を示す図である。
従動ワークロール6の周速度Vは、時間が経過するにつ
れて連続的に減速する曲線によって表される。
【0038】図6は、駆動ワークロール7と従動ワーク
ロール6とのロール間隔およびロール周速度と経過時間
との関係を示す図である。図5および図6に従って本発
明における駆動および従動ワークロール7,6のロール
間隔とロール周速度との関係について説明する。
【0039】時刻t0では、駆動ワークロール7と従動
ワークロール6とが直接接触(以後、この接触状態をキ
スロールと呼ぶ)して、式(1)に基づいて予め定めら
れるロール周速度V1で回転している。キスロール時に
はロール間でスリップが生じないように圧下力が負荷さ
れる。時刻t1では、走行位置検出手段27による鋼帯
2の先端走行位置検出出力に応答し、圧延するために駆
動ワークロール7と従動ワークロール6とのロール間隔
を開放する動作が開始される。
【0040】時刻t2では、ロール間隔が圧延される鋼
帯の厚みに設定した値に達し、鋼帯2が駆動ワークロー
ル7と従動ワークロール6との間に噛み込み、圧延速度
V2で圧延が開始される。t2とt1との時間差である
Δt1は、ロール間隔を開放するのに要する時間であ
る。Δt1は、ロール開放速度S1と、圧延される鋼帯
2の厚みに設定されるロール間隔ΔG1とを用いて次の
ように与えられる。 Δt1 = ΔG1/S1 …(2)
【0041】駆動ワークロール7と従動ワークロール6
とが、キスロールの状態から時間Δt1が経過して、ロ
ール間隔が設定値ΔG1になったとき、従動ワークロー
ル6の周速度は圧延速度V2まで減少する。時刻t2か
ら時間Δt1だけ遡及したとき、すなわち時刻t1にお
けるロール間隔開放前のキスロール状態の駆動および従
動ワークロール7,6の周速度V1は、圧延速度V2と
Δt1とに基づき式(1)によって求めることができ
る。
【0042】一方駆動ワークロール7の周速度は、処理
回路41によって電動機31の動作が制御され、時間Δ
t1が経過するよりも早く、すなわち時刻t2に達する
圧延開始前に圧延速度V2に調整される。したがって、
ロール間隔の開放開始後時間Δt1が経過した時刻t2
では、駆動ワークロール7と従動ワークロール6とのロ
ール間隔は圧延スケジュールに従って設定された値ΔG
1に達し、従動ワークロール6の周速度は圧延速度V2
に減速し、駆動ワークロール7の周速度はV2に調整さ
れている。このことによって、鋼帯2が駆動ワークロー
ル7と従動ワークロール6との間に噛み込んで圧延が開
始されるとき、駆動ワークロール7と従動ワークロール
6との周速度が、ともに同一の圧延速度V2となる。
【0043】時刻t3では、圧延が終了する。鋼帯2の
圧延が終了して、鋼帯2の後端が駆動ワークロール7と
従動ワークロール6との間を抜けたとき、駆動ワークロ
ール7と従動ワークロール6との間にロール間隔が生じ
るので、従動ワークロール6は空転する状態になり、従
動ワークロール6の周速度は減少を開始する。継続して
圧延する場合には次の圧延に備えて、従動ワークロール
6の周速度を調整するために、再び駆動および従動ワー
クロール7,6がキスロールされる。駆動ワークロール
7と従動ワークロール6とのロール間隔の圧下が開始さ
れて、圧延時のロール間隔ΔG1からキスロールまでに
要する時間Δt2は、ロール圧下速度S2によって次の
ように与えられる。 Δt2 = ΔG1/S2 …(3)
【0044】駆動ワークロール7と従動ワークロール6
とが圧延時のロール間隔ΔG1を有していた状態からΔ
t2経過してキスロールされるとき、従動ワークロール
6の周速度はV3まで減速している。Δt2が経過した
ときの従動ワークロール6の周速度V3は、圧延速度V
2とΔt2とに基づき式(1)によって求めることがで
きる。
【0045】時刻t4では、駆動ワークロール7と従動
ワークロール6とが、キスロールする。ロール間隔の圧
下を開始後Δt2経過したとき、駆動ワークロール7と
従動ワークロール6とのロール間隔は零になり、従動ワ
ークロール6の周速度はV3に減速し、駆動ワークロー
ル7の周速度は、電動機31の動作が制御されて時間Δ
t2が経過するよりも早く減速されてロール周速度V3
に調整されている。このことによって、駆動ワークロー
ル7と従動ワークロール6とがキスロールするとき、駆
動ワークロール7と従動ワークロール6との周速度が、
ともに同じ速度V3となる。
【0046】時刻t5では、駆動ワークロール7の回転
によって、次の圧延にそなえて駆動および従動ワークロ
ール7,6の周速度が、圧延スケジュールと式(1)に
基づいて予め定める速度にまで早められる。
【0047】図7は、図4に示す処理回路41の動作を
説明するフローチャートである。図7を参照して本発明
の圧延方法を説明する。ステップa1では、上位コンピ
ュータ42によって入力されるとともに入力情報に基づ
いてセットアップ計算されて、メモリ43にストアされ
ている圧延スケジュールと、圧延速度と、圧下位置と、
ロール圧下および開放速度と、従動ワークロール6の周
速度と経過時間との関係を表す式(1)とが読み出され
る。ステップa2では、圧下シリンダ23,24が作動
され、駆動ワークロール7と従動ワークロール6とが、
ロール間隔を零にしてキスロールされる。この最初のキ
スロールするときには、駆動および従動ワークロール
7,6は、ともに停止していることが望ましい。
【0048】ステップa3では、駆動ワークロール7と
従動ワークロール6とがキスロールしている状態から、
圧延するためのロール間隔ΔG1まで、ロール間隔を開
放するのに要する時間Δt1が、ロール開放速度に基づ
いて算出される。ステップa4では、圧延速度V2と、
ロール間隔をΔG1まで開放するのに要する時間Δt1
と、従動ワークロール6の周速度と経過時間との関係に
基づいて、圧延前に従動ワークロール6を予め速めて回
転しておくべきロール周速度V1が算出される。
【0049】ステップa5では、電動機31の動作が制
御されて、駆動ワークロール7の周速度がV1に調整さ
れる。このとき、駆動ワークロール7とキスロールの状
態にある従動ワークロール6の周速度もV1となる。ス
テップa6では、走行位置検出手段27によって鋼帯2
の走行先端位置が算出される。
【0050】ステップa7では、走行位置検出手段27
による鋼帯2の先端走行位置算出結果に応答し、圧延開
始のΔt1前に圧下シリンダ23,24が作動されて、
駆動および従動ワークロール7,6のロール間隔の開放
が開始される。ステップa8では、電動機31の動作が
制御されて、駆動ワークロール7の周速度が圧延速度V
2に調整される。ステップa9では、駆動および従動ワ
ークロール7,6間のロール間隔開放開始からΔt1が
経過し、鋼帯2の先端が駆動および従動ワークロール
7,6間に噛み込みんで圧延が開始される。
【0051】ステップa10では、圧延している状態の
ロール間隔ΔG1から、駆動ワークロール7と従動ワー
クロール6とがキスロールするまでロール間隔を圧下す
るのに要する時間Δt2が、ロール圧下速度に基づいて
算出される。ステップa11では、圧延速度V2と、ロ
ール間隔をΔG1だけ圧下してキスロールするまでに要
する時間Δt2と、従動ワークロール6の周速度と経過
時間との関係に基づいて、圧延終了後から時間Δt2が
経過したときの従動ワークロール6の周速度V3が算出
される。
【0052】ステップa12では、先端位置検出器28
による鋼帯2の先端位置検出出力と、計測ロール29の
回転数との出力に応答し、先端位置演算手段によって鋼
帯2の先端走行位置を演算するとともに、鋼帯2の走行
方向長さが演算されて、鋼帯2の圧延終了が算出され
る。ステップa13では、圧延終了の算出結果に応答
し、圧下シリンダ23,24が作動されて、駆動および
従動ワークロール7,6のロール間隔の圧下が開始され
る。
【0053】ステップa14では、電動機31の動作が
制御されて、駆動ワークロール7の周速度がV3に調整
される。ステップa15では、圧延終了後時間Δt2が
経過し、駆動ワークロール7と従動ワークロール6とが
キスロールする。このとき、従動ワークロール7の周速
度も圧延速度V2から減速してV3となっている。
【0054】処理回路41の一連の動作は、ステップa
15のキスロールによって終了するけれども、さらに別
の鋼帯を連続して圧延する場合には、ステップa3に戻
って動作が繰返される。
【0055】図8は、本発明の第2の実施の形態である
メモリ43にストアされる従動ワークロール6の周速度
と経過時間との関係を示すテーブルである。処理回路4
1のメモリ43には、式(1)に代えて、従動ワークロ
ール6の周速度と経過時間との関係をワークロールおよ
び支持ロールの直径ごとに表すテーブルがストアされて
もよい。従動ワークロール6の周速度と経過時間との関
係を、ワークロールおよび支持ロールの直径ごとに表す
テーブルがメモリ43にストアされるので、ロール交換
の機会ごとにロール直径のデータをメモリ43にストア
することなく、簡単かつ容易に従動ワークロールの周速
度と経過時間との関係を得ることができる。
【0056】(実施例)以下本発明の実施例を説明す
る。図9は、圧延装置1において、ワークロールを1本
のみ駆動する構成のF4圧延スタンド64における圧延
の実施例を示す図である。圧延装置1の圧延スタンドは
全部で6基あるけれども、ワークロールを1本のみ駆動
する圧延が実施される圧延スタンドにおいては、いずれ
も同様の処理が行われるので、ここではF4圧延スタン
ド64における圧延実施例についてのみ説明する。
【0057】上位コンピュータ42によって処理回路4
1に入力されるとともに、入力情報に基づいてセットア
ップ計算されて、メモリ43にストアされている情報
と、式(1)とが読み出される。ここで読み出される情
報は、ロール間隔開放速度5mm/sおよび圧下速度5
mm/sと、セットアップ計算の結果得られた表1に示
す圧延スケジュールおよび圧延速度である。ロールの圧
下位置は、圧延スケジュールで与えられる仕上厚みと同
一である。
【0058】
【表1】
【0059】鋼帯2の厚みを9mmから7mmに矢符3
0方向に圧延するために、駆動および従動ワークロール
7,6のロール間隔をキスロールの状態から、7mmに
まで開放するのに要する時間Δt11が算出される。Δ
t11は、圧延のために設定されるロール間隔が7mm
であり、ロール開放速度が5mm/sであるから、 Δt11 = 7mm/5mm/s=1.4s …(4) である。
【0060】従動ワークロール6が、駆動ワークロール
7および圧延されるべき鋼帯2と接することなく空転し
ている時の周速度と経過時間との関係は、式(1)によ
って与えられる。図10は、式(1)に基づくF4圧延
スタンド64の従動ワークロール6の周速度が、時間経
過につれて連続的に減少する曲線を示す図である。式
(1)はメモリ43から読み出されて、処理回路41に
おいて従動ワークロール6の周速度算出に使用される。
駆動および従動ワークロール7,6のキスロールの開放
開始から1.4s後に、鋼帯2の先端が、駆動および従
動ワークロール7,6間に噛み込んで圧延が開始され
る。このときの圧延速度V12は、圧延スケジュールと
ともに予め与えられ3.2m/sである。圧延開始の
1.4s前において、駆動ワークロール7と従動ワーク
ロール6とのキスロールを開放するときのロール周速度
V11は、圧延速度V12=3.2m/sと、ロール間
隔を7mmにするのに要する時間Δt11=1.4s
と、式(1)とに基づき、処理回路41によって演算さ
れてV11=4.2m/sが求められる。
【0061】圧延前に、処理回路41は電動機31を作
動制御し、駆動ワークロール7の周速度を4.2m/s
に調整する。このとき、駆動ワークロール7とキスロー
ルしている従動ワークロール6の周速度も図9(a)に
示すように4.2m/sとなる。
【0062】走行位置検出手段27の鋼帯先端走行位置
算出結果に応答し、圧延開始1.4s前になると処理回
路41は、圧下シリンダ23,24を作動させて、キス
ロールしている駆動ワークロール7と従動ワークロール
6とのロール間隔の開放を開始する。ロール間隔の開放
開始後、処理回路41は電動機31の動作を制御して、
圧延開始前に駆動ワークロール7の周速度を3.2m/
sに調整する。ロール間隔の開放開始後1.4s経過し
たとき、駆動ワークロール7と従動ワークロール6との
ロール間隔は7mmに達し、従動ワークロール6のロー
ル周速度は3.2m/sまで減速し、鋼帯2の先端が駆
動および従動ワークロール7,6間に噛み込みんで図9
(b)に示すように圧延が開始される。
【0063】鋼帯2の後端が、図9(c)に示すように
駆動および従動ワークロール7,6間を通過し、F4圧
延スタンド64における圧延が終了したとき、駆動ワー
クロールと従動ワークロール7,6との間にはロール間
隔が発生する。圧延を続けて行う場合、次の圧延開始ま
でに従動ワークロール6のロール周速度を、次の圧延に
適したロール周速度に調整しなければならないので、再
度駆動ワークロール7と従動ワークロール6とを図9
(d)に示すようにキスロールさせる。
【0064】先端位置検出器28による鋼帯2の先端位
置検出と、計測ロール29の回転数との出力に応答し、
処理回路41に備わる先端位置演算手段によって鋼帯2
の先端走行位置を演算するとともに、鋼帯2の走行方向
長さが演算されて、鋼帯2の圧延終了が算出される。圧
延終了の算出結果に応答し、処理回路41は圧下シリン
ダ23,24を制御して駆動ワークロール7と従動ワー
クロール6とのロール間隔の圧下を開始する。
【0065】F4圧延スタンド64のロール間隔の圧下
速度は、5mm/sであり、圧延終了によって生じるロ
ール間隔は7mmであるので、圧延終了からキスロール
までに要する時間Δt12は、次のように算出される。 Δt12 = 7mm/5mm/s=1.4s …(5)
【0066】圧延速度3.2m/sでの圧延終了の1.
4s後に、従動ワークロール6が達するロール周速度V
13は、圧延速度3.2m/sと圧延終了からキスロー
ルまでに要する時間Δt12=1.4sと、式(1)と
に基づき、処理回路41によって演算されてV13=
2.4m/sが求められる。ロール間隔の圧下開始後、
処理回路41は電動機31の動作を制御してキスロール
の前に、駆動ワークロール7のロール周速度を2.4m
/sに調整する。ロール間隔の圧下開始後1.4s経過
したとき、駆動ワークロール7と従動ワークロール6と
のロール間隔は零となり、従動ワークロール6のロール
周速度は2.4m/sまで減速し、駆動ワークロール7
と従動ワークロール6とは同一速度である2.4m/s
にてキスロールされる。
【0067】駆動ワークロール7と相対的に離間した後
空転している状態の従動ワークロール6の周速度と経過
時間との関係に基づいて、従動ワークロール6の周速度
を予測し、予測結果に対応して駆動ワークロール7の周
速度を調整し、駆動および従動ワークロール7,6の周
速度を同一にして、圧延およびキスロールを実施した結
果、ロール間およびロールと鋼帯との間でスリップを起
こすことがなく、ロール表面疵の発生も皆無であり、表
面品質の良好な鋼帯を製造することができた。
【0068】以上述べたように、本発明の実施の形態で
は、駆動ワークロール7と従動ワークロール6とのロー
ル直径は同一であるけれども、これに限定されることな
く、駆動ワークロール7と従動ワークロール6との直径
は異なっていてもよい。また、圧延スタンドのロール構
成は、ワークロールが2本、バックアップロールが2本
であるけれども、これに限定されることなく、他の構成
であってもよい。また、圧延装置1はタンデム圧延装置
であるけれども、これに限定されることなく、圧延スタ
ンドが1基のみの圧延装置であってもよい。また、圧延
装置1は熱間圧延装置であるけれども、これに限定され
ることなく、冷間圧延装置であってもよい。また、従動
ワークロール6の周速度と経過時間との関係を表す数式
は、ロール直径を変数として含むけれども、これに限定
されることなく、ロール直径を含まない数式であっても
よい。また、従動ワークロール6の周速度と経過時間と
の関係は、経過時間の2次関数で表されるが、これに限
定されることなく、他の関数で表されるものであっても
よい。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、駆動ワークロールと相
対的に離間した後における従動ワークロールの周速度と
経過時間との関係がメモリにストアされているので、従
動ワークロールの周速度を予測することができる。さら
に、従動ワークロールの周速度の予測結果に対応するよ
うに、駆動ワークロールの駆動源を制御する制御手段が
設けられるので、圧延開始時に駆動および従動ワークロ
ールの周速度が同一、または予め定める値になるように
駆動ワークロールの周速度を調整することができる。ま
た圧延終了後、駆動および従動ワークロールが同一周速
度で接触するように駆動ワークロールの周速度を調整す
ることができる。したがって、駆動ワークロールと従動
ワークロールとの間およびワークロールと金属帯との間
のスリップによるロール表面疵の発生を防止し、圧延さ
れる金属帯の品質向上を実現することができる。
【0070】また本発明によれば、駆動ワークロールと
相対的に離間した後における従動ワークロールの周速度
Vは、経過時間の2次以上の関数で表されるので、時間
経過にともなう単調な増減を表わす1次関数の場合に比
べて、前記従動ワークロールの周速度Vの予測精度を著
しく向上することができる。
【0071】また本発明によれば、駆動ワークロールと
相対的に離間した後における従動ワークロールの周速度
Vは、ワークロールおよび支持ロールの直径の関数で表
されるので、ワークロールおよび支持ロールを交換した
場合でも、交換後のロール直径に基づいて、換言すれば
ロールの慣性を考慮して、前記従動ワークロールの周速
度Vと経過時間との関係を精度よく容易に求めることが
できる。したがって、ロール交換が行われた場合でも、
圧延を開始するときおよび圧延終了後駆動および従動ワ
ークロールを接触させるとき、駆動ワークロールと従動
ワークロールとの周速度を精度よく同一にすることがで
きる。
【0072】また本発明によれば、メモリには、駆動ワ
ークロールと相対的に離間した後における従動ワークロ
ールの周速度Vと経過時間との関係を、ワークロールお
よび支持ロールの直径ごとに表わすテーブルがストアさ
れるので、簡単かつ容易に従動ワークロールの周速度V
と経過時間との関係を得ることができる。
【0073】
【0074】
【0075】また本発明によれば、駆動ワークロールと
相対的に離間した後における従動ワークロールの周速度
と経過時間との関係が求められ、この関係に基づいて駆
動ワークロールの周速度が調整されるので、圧延を開始
するときおよび圧延終了後駆動および従動ワークロール
を接触させるとき、駆動ワークロールと従動ワークロー
ルとの周速度を精度よく同一にすることができる。この
ことによって、圧延を開始するときおよび圧延終了後駆
動および従動ワークロールを接触させるとき、駆動ワー
クロールと従動ワークロールとの間およびワークロール
と金属帯との間のスリップによるロール表面疵の発生を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である圧延装置1の後段
側仕上第4圧延スタンド64の構成を簡略化して示す側
面図である。
【図2】図1に示す圧延装置1の後段側仕上第4圧延ス
タンド64の構成を簡略化して示す正面図である。
【図3】圧延装置1の概略構成を示す図である。
【図4】図1に示す圧延装置1の電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図5】式(1)に基づく従動ワークロール6の周速度
Vと経過時間tとの関係を示す図である。
【図6】駆動ワークロール7と従動ワークロール6との
ロール間隔およびロール周速度と経過時間との関係を示
す図である。
【図7】図4に示す処理回路41の動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態であるメモリ43に
ストアされる従動ワークロール6の周速度と経過時間と
の関係を示すテーブルである。
【図9】圧延装置1において、ワークロールを1本のみ
駆動する構成のF4圧延スタンド64における圧延の実
施例を示す図である。
【図10】図10は、式(1)に基づくF4圧延スタン
ド64の従動ワークロール6の周速度が、時間経過につ
れて連続的に減少する曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 圧延装置 2 鋼帯 4 駆動源 5 ハウジング 6 従動ワークロール 7 駆動ワークロール 15 第1ロール周速度検出器 16 第2ロール周速度検出器 17 上支持ロール 18 下支持ロール 27 走行位置検出手段 37 シリンダ位置検出器 38 シリンダ位置検出器 41 処理回路 42 上位コンピュータ 43 メモリ 64 仕上第4圧延スタンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉橋 隆郎 大阪府大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式会社中山製鋼所内 (56)参考文献 特開 平2−30304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 11/00 B21B 31/20 B21B 35/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金属帯を圧延する一対のワークロ
    ールと、 これら一対のワークロールを相互の近接方向に圧力を作
    用させるとともに相互に離間変位する圧下手段とを含む
    圧延スタンドと、 (b)一対のワークロールのうち一方の駆動ワークロー
    ルを回転駆動し、 その駆動ワークロールの周速度を圧延に適した周速度範
    囲にわたって可変として回転駆動する駆動源と、 (c)前記一対のワークロールのうち駆動源によって回
    転駆動されない従動ワークロールが、駆動ワークロール
    と相対的に離間した後における従動ワークロールの周速
    度と経過時間との関係をストアするメモリと、 (d)金属帯が、前記一対のワークロールに噛み込まれ
    る前の期間には、圧下手段を駆動して駆動および従動ワ
    ークロールを接触させ、駆動および従動ワークロールの
    周速度が圧延に適した予め定める周速度になるように駆
    動源を回転駆動し、その後駆動および従動ワークロール
    を相互に離間させてロール間隔が予め定める値になるよ
    うに圧下手段を駆動し、金属帯の噛み込み後の圧延動作
    中には、駆動ワークロールの周速度が圧延に適した周速
    度になるように駆動源を回転駆動し、さらに金属帯の圧
    延終了後、駆動および従動ワークロールが同一速度で接
    触するように前記従動ワークロールの周速度と経過時間
    との関係に基づいて駆動源を回転駆動する制御手段とを
    含むことを特徴とする金属帯の圧延装置。
  2. 【請求項2】 前記メモリには、 駆動ワークロールと相対的に離間した後における従動ワ
    ークロールの周速度と経過時間との関係を表す数式がス
    トアされることを特徴とする請求項1記載の金属帯の圧
    延装置。
  3. 【請求項3】 駆動ワークロールと相対的に離間した後
    における従動ワークロールの周速度Vは、経過時間の2
    次以上の関数で表されることを特徴とする請求項2記載
    の金属帯の圧延装置。
  4. 【請求項4】 前記一対のワークロールは、少なくとも
    一対の支持ロールによって支持されており、駆動ワーク
    ロールと相対的に離間した後における従動ワークロール
    の周速度Vは、従動ワークロールおよび従動ワークロー
    ルを支持する支持ロールのロール直径またはロールの慣
    性モーメントの関数で表されることを特徴とする請求項
    3記載の金属帯の圧延装置。
  5. 【請求項5】 前記一対のワークロールは、一対の支持
    ロールによって支持されており、駆動ワークロールと相
    対的に離間した後における従動ワークロールの周速度V
    は、数式、 V=(at+bt2+c)×d/(pDW+qDB+
    r) ここで、V:従動ワークロールの周速度 t:時間 a,b,c,d,p,q,r:係数 DW:従動ワークロールの直径 DB:従動ワークロールを支持する支持ロールの直径 によって表されることを特徴とする請求項4記載の金属
    帯の圧延装置。
  6. 【請求項6】 前記メモリには、 駆動ワークロールと相対的に離間した後における従動ワ
    ークロールの周速度Vと経過時間との関係をワークロー
    ルおよび支持ロールの直径ごとに表わすテーブルがスト
    アされることを特徴とする請求項1記載の金属帯の圧延
    装置。
  7. 【請求項7】 一対のワークロールのうち、一方のワー
    クロールのみを駆動し、駆動ワークロールと従動ワーク
    ロールとの間で金属帯を圧延し、圧延後、駆動および従
    動ワークロールを接触させて従動ワークロールの周速度
    を調整し、さらに圧延前に駆動および従動ワークロール
    を離間させてロール間隔を調整する金属帯の圧延方法に
    おいて、 駆動ワークロールと相対的に離間した後における従動ワ
    ークロールの周速度と経過時間との関係を求め、 圧延開始時、駆動および従動ワークロールの周速度が同
    一に、または予め定める値になるように、前記関係に基
    づいて駆動ワークロールの周速度を調整し、 圧延終了後、駆動および従動ワークロールが同一周速度
    で接触するように、前記関係に基づいて駆動ワークロー
    ルの周速度を調整することを特徴とする金属帯の圧延方
    法。
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