JP3820024B2 - 被吸着体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置等に用いられる静電チャックの吸着特性検査用の被吸着体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
露光装置、エッチング装置、スパッタリング装置、CVD 装置等数多くの半導体製造装置にシリコンウェーハ保持用の静電チャックの適用が検討されている。露光装置は、大気環境下で常温で使われ、エッチング装置、スパッタリング装置は減圧環境下で低温から中温(0 〜200 ℃)で使われる。また、CVD 装置は減圧環境下で中温から高温(200 〜600 ℃)で使われる。静電チャックの評価方法としては、特開平02-249935 号公報に摩擦力を利用する方法が開示されているが、上記のような各種環境下で測定するには不向きと思われる。また、エッチング装置等において実際にシリコンウェーハの静電吸着特性を検査する時には、静電チャックの裏面から気体供給孔を通じてHe等のガスを流し、ウェーハが脱離する時の気体供給圧を測定していると思われる。
【0003】
近年の静電チャックの進歩により、静電チャック最表面の誘電体にわずかな導電性を持たせ、ジョンセン−ラーベック(Johnsen-Rahbek)効果を発揮させ、高い吸着力を得るタイプのものが主流になっている。このタイプの静電チャックは、真空環境下では高い吸着力が得られるが、通常の大気環境下では著しく吸着力が落ちることが知られている(T. Watanabe et al. Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 31(1992)pp.2145-2150 )。このような環境依存性の大きい特性に対して、適切な吸着力の測定方法はいまだ提示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、周囲の環境に依存せずに、精度よく静電吸着特性を測定できる被吸着体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、静電チャックで吸着される被吸着体において、被吸着面の少なくとも一部がシリコンウェーハ等の導電体で形成され、被吸着体の一部に圧縮気体を噴出する手段が設けられていることを特徴とする被吸着体を要旨とする。圧縮気体の噴出手段としては、被吸着体を構成する導電体の外周部に多孔体を装着し、被吸着面上に多孔体の気体噴出面を露出させることを要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
静電吸着力は、被吸着面から圧縮気体を噴き出すことにより、被吸着体が静電チャックから離れる時の気体の供給圧力を検知することにより測定可能である。以下、図1に基づいて、本発明の被吸着体を用いて静電吸着力を測る時の原理について説明する。
【0007】
図1は、導電体とその外周部に装着した多孔体からなる被吸着体1 を示している。被吸着面10は、導電体2 、多孔体3 、および被吸着体基体6 の各露出面から構成されるが、これらの露出面は同一平面上にある。被吸着体1 に対向する静電チャック11は単極型の静電チャックである。吸着は、直流電源17により、それぞれの給電部7 、15を経て導電体2 と静電チャック側の膜状電極13に電圧を印加することにより行われる。静電チャック側に正、負の両極を設け、双極型とする時には、被吸着体側には電圧を印加する必要はない。
【0008】
被吸着体1 を構成する多孔体3 は枠状であり、導電体2 を取り囲むように配置されている。気体は、図示しない気体供給源からフィルター、ドライヤーを経て給気部8 から導入され、多孔体の裏面全周に沿って設けられた通気溝9 を経て多孔体に均一に供給される。供給された気体は、多孔体内部を通過し、被吸着面10に露出する多孔体面から静電チャックの吸着面16に向かって噴出する。本発明の枠状の多孔体から噴出する乾燥気体はエアカーテンのような役目をし、外部環境からの吸着面への気体の侵入を妨げる。これにより、一定した低湿度の環境下での静電吸着力の測定が可能である。給気する気体は、使用環境に合わせて、He、乾燥空気のいずれも使用可能である。
【0009】
本発明にては、気体の噴出面と被吸着面は同一平面内に置く。これにより、吸着状態では気体の流出はほとんど無く、被吸着面と静電チャックの吸着面の隙間に存在する気体の圧力は多孔体外枠5 の内側では気体の供給圧力とほぼ同じになる。隙間の気体膜の実効的な面積をSa、気体の供給圧をPaとし、多孔体内枠4 の内側に配置した導電体の面積をSe、導電体に働く単位面積当たりの静電吸着力をFeとすると、吸着体の離脱の瞬間は力のバランスから、
Sa・Pa=Se・Fe
となる。あらかじめ、既知の荷重を浮かせることのできる気体の圧力からSaを求めておけば、Seは既知であるから、被吸着体の離脱時のPaを知ることにより上の式から静電吸着力Feが正確に求められる。
【0010】
給気によって被吸着体が浮上している状態で、静電チャックと被吸着体の間に電圧を印加すると吸着体が静電吸着力によって引き寄せられ、電圧を切れば吸着体が離れる。どちらかに隙間センサーを設けておけば、脱着の応答性がわかる。この被吸着体は一種の空気軸受であり、隙間と荷重の関係を知っておけば、隙間のある状態での静電吸着力の測定も可能である。
【0011】
多孔体は電気絶縁性である方が好ましく、たとえばアルミナセラミックスの多孔体を利用することができる。多孔体としては、気孔径が小さいものが気体の均一供給の点から好ましく、たとえば気孔径が1 〜3 μm で気孔率が10〜30% のものが好適に使用される。導電体は、半導体製造装置応用に当たっては、シリコンウェーハである。被吸着体1 は、セラミックス製の被吸着体基体6 に、導電体2 、多孔体3 、給電部7 、給気部8 を接合アセンブルして作製される。アセンブルにおいては、低温用途では有機系接着剤が使用可能であり、高温用途ではガラス溶融接合等が用いられる。
【0012】
被吸着体の気体の噴出面を含む吸着面の平面度は5 μm 以下、好ましくは1 μm 以下に仕上げる必要がある。また、表面粗度も、研磨などにより平均面粗さで1 μm 以下にする方が好ましい。形状精度を上げることにより、再現性の良い静電吸着力の測定が可能である。
【0013】
静電チャック11は、絶縁性セラミックスからなる静電チャック基体14の上面に膜状電極13を有する誘電体12が接合されて形成される。誘電体は、静電チャックの使用温度に合わせて、アルミナ系、窒化アルミニウム系、炭化ケイ素系、窒化ケイ素系の中から選択される。ジョンセン−ラーベック効果が発揮されるためには、体積固有抵抗が108 〜1012Ωcm、好ましくは1010〜1011Ωcmに調整されている必要がある。アルミナ系ではチタニア(TiO2)又はクロミア(Cr2O3 )等の遷移金属元素からなる酸化物を添加することにより1010〜1011Ωcmの体積固有抵抗を有する誘電体が得られることが知られている。電極は、Cu、Mo、W 、Agなど通常の電極材料が作成方法に応じて選択される。代表的な製造方法としては、誘電体に電極を付け、それを基体と接着剤を用いて接合する方法がある。又は、焼成前の誘電体にW などの高融点材料をスクリーン印刷し、基体と一緒に同時焼成する方法も適用可能である。代表的な誘電体の厚さは200 〜1000μm で、電極の厚さは20〜200 μm である。
【0014】
【実施例】
図1に示す被吸着体を試作した。被吸着体の基体は電気絶縁性を示すアルミナで、それに装着した多孔体も同じくアルミナ質で、気孔径1 μm 、気孔率30% のものを用いた。導電体は、シリコンウェーハから切り取ったシリコンの小片とした。接着アセンブル後に、被吸着面を同一平面になるように研削加工し、ダイヤモンド砥粒によるラップで平面度1 μm 以下に仕上げた。
【0015】
試験用の静電チャックは、アルミナ系の誘電体に電極を付け、それを基体と接着剤を用いてアセンブルしたものである。誘電体は、アルミナ(Al2O3 )に5wt%のチタニア(TiO2)を添加した焼結体で、その体積固有抵抗は2 ×1010Ωcmで厚さは300 μm である。
【0016】
吸着力測定試験は、被吸着体に装着された多孔体に乾燥空気を供給し、被吸着体と静電チャックの吸着面の隙間を一定の低湿度状態にした後に行った。図2 に、18℃、相対湿度23% の大気圧環境下で、500Vの電圧を印加し、ウェーハを吸着させた時の静電吸着力について示した。隙間ゼロの時の静電吸着力は、給気圧の低い状態であらかじめ吸着させておき、徐々に給気圧を上げていって、被吸着体が離脱するときの給気圧から求めた。また、隙間が大きい時の値は、給気によってあらかじめ被吸着体を浮かしておき、それに電圧を印加した時の隙間の変化量を荷重に換算して求めた。図中の曲線は、ジョンセン−ラーベック効果に基づき、密着状態の隙間を1.3 μm として計算した静電吸着力の理論曲線である。実験と理論の一致は良かった。なお、被吸着体側に隙間センサーを設けて応答性を測定した結果、吸着と脱離に必要な時間はいずれも0.5 秒であった。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、圧縮気体噴出手段を被吸着体側に設けたことを特徴とする静電チャック検査用被吸着体である。本被吸着体は、小サイズから大サイズまで作製可能であるが、小サイズの被吸着体を用いることにより静電チャック内の吸着力の分布の測定が可能である。今後、シリコンウェーハの大口径化に伴い、静電チャックも大面積化するので、チャック内の吸着力の分布の迅速な検査が必要になる。本発明においては、被吸着体を静電チャックの任意の位置に置き、電圧印加後に気体の給気圧を上げ、被吸着体が離脱する時の給気圧を読むことにより静電吸着力を測定することが可能なので、これまでにない迅速で正確な検査が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔体を圧縮気体噴出手段として用いた被吸着体を示す図で、(a) は被吸着面の平面図、(b) は被吸着体のA-A'断面図及び被吸着面に対向する静電チャックの断面図である。
【図2】静電吸着力と隙間の関係を表す実験結果(○印)と理論曲線である。
【符号の説明】
1・・・被吸着体
2・・・導電体
3・・・多孔体
4・・・多孔体内枠
5・・・多孔体外枠
6・・・被吸着体基体
7・・・被吸着体給電部
8・・・給気部
9・・・通気溝
10・・・被吸着面
11・・・静電チャック
12・・・誘電体
13・・・膜状電極
14・・・静電チャック基体
15・・・静電チャック給電部
16・・・吸着面
17・・・直流電源
Claims (3)
- 静電チャックで吸着される被吸着体において、被吸着面の少なくとも一部が導電体で形成され、被吸着体の一部に静電チャック吸着面に向かって圧縮気体を噴出する手段が設けられていることを特徴とする被吸着体。
- 圧縮気体噴出手段として、被吸着体を構成する導電体の外周部に多孔体が装着され、被吸着面上に多孔体の気体噴出面が露出していることを特徴とする請求項1記載の被吸着体。
- 被吸着体を構成する導電体がシリコンウェーハであることを特徴とする請求項1又は2記載の被吸着体。
Priority Applications (1)
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JP5783498A JP3820024B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 被吸着体 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP5783498A JP3820024B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 被吸着体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11260898A JPH11260898A (ja) | 1999-09-24 |
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Family
ID=13066989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5783498A Expired - Lifetime JP3820024B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 被吸着体 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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-
1998
- 1998-03-10 JP JP5783498A patent/JP3820024B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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