JP2004356350A - 静電チャック - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁性の液晶基板からなるウェハWを大きな力で吸着できないとの課題があった。
【解決手段】絶縁性基板の上に静電電極と、該静電電極を覆う絶縁層を備え、該絶縁層の上面をウェハを載せる載置面とした静電チャックにおいて、前記静電電極が略均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直交する2軸に外形を投影した長さの総和が、それぞれの軸に対して略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁性基板の上に静電電極と、該静電電極を覆う絶縁層を備え、該絶縁層の上面をウェハを載せる載置面とした静電チャックにおいて、前記静電電極が略均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直交する2軸に外形を投影した長さの総和が、それぞれの軸に対して略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ガラス基板製造装置においてガラス基板である絶縁性基板を静電気力で吸着し保持する静電チャックに関するものであって、特に、液晶注入工程に使用される静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ガラス基板製造装置等において、上面に導電性の膜を備えたガラス基板や、その上面や下面に導体層のない所謂素ガラスの絶縁性基板からなるウェハWを固定・搬送するには、これまでクランプリングや真空吸着装置が採用されていた。しかしながら、ウェハWの大型化やスループットの向上に伴い、半導体ウェハの固定に用いられている静電チャックの採用が検討されている。
【0003】
特に液晶基板製造工程において重要な工程である液晶注入工程として、上下2枚のガラス基板を上下一対の静電チャックを用いて上下から精度良く吸着固定し、数十μmの均一なすき間を保持しながらガラス基板間の全面に均一に液晶を注入する工程がある。
【0004】
液晶製造工程に用いられる静電チャックの構造は一般に半導体製造工程に用いられる静電チャックと類似の原理に基づくものであり、その構造や静電吸着機能を発現させる電極の形状も略同一のものが使用されている。
【0005】
図6は、特許文献1に記載の双極型の静電チャック10で、円板状の絶縁性基板11の内部に円を2分割にした静電電極12が埋設され、前記絶縁性基板11の上面を半導体ウェハWを載せる載置面11bとし、静電電極12と載置面11bとの間を絶縁層11aとして、載置面11bに半導体ウェハ17を載せ、静電電極12に電源15より電圧を印加し、半導体ウェハ17を吸着している。
【0006】
このような静電チャック10の吸着力Fは、次式で示される。
【0007】
F=(S/2)×ε0×εr×(V/2d)2
尚、Sは静電電極の面積、ε0は真空中の誘電率、εrは絶縁層11aの比誘電率、Vは印加電圧、dは絶縁層11aの厚みである。
【0008】
ここで、吸着力を発現する静電電極12の形状は左右対称の一対の電極で構成されている。又、図7のような電極71に繋がった数本の帯状の電極72がそれぞれ交互に配置された櫛形形状の電極も提案され、液晶基板吸着工程にも応用しようとしている。
【0009】
また、特許文献2においては、静電電極に電圧をかけた時に発生するグラディエント力を利用して吸着させる方法が提案されている。これは電極パターン間に発生する電界の勾配と被吸着物の分極を利用したものである。
【0010】
櫛歯状に配置した静電電極は、絶縁体に挟まれた帯状電極に電圧をかけると、グラディエント力が発生する。この力は、載置面に平行で帯状電極に垂直な方向の成分を有した吸着力を発現する。つまり、載置面に平行な方向で異方性のある吸着力が作用することが特徴である。
【0011】
このグラディエント力を利用し、液晶基板のような絶縁膜を備えた基板を吸着させる静電チャックがある。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−237148号公報
【0013】
【特許文献2】
特開2001−44262号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液晶基板のような絶縁性基板は、半導体基板に用いられるシリコンウエハのような導体、あるいは半導体のように電気的な導電性がない為、高電圧を印可しても大きな吸着力を得ることが難しく、従来の吸着力Fを利用して基板を吸着させようとしても十分な吸着力を得る事ができないという問題があった。
【0015】
特に、一対の液晶ガラス基板の間に液晶を注入する液晶注入工程においては、ガラス基板の間に液晶を滴下したのち上下のガラス基板をガラス基板の面内で横方法あるいは縦方向にガラス基板を静電吸着力によって固定しながら駆動させ、微量の液晶を均一にガラス基板のすき間に充填する工程があり、この工程に静電チャックの適用が検討されている。しかし、この液晶注入工程は、粘度の高い液晶を数十μm程度の薄いすき間に充填するもので、液晶とガラス基板の表面には大きな摩擦力が発生する。この摩擦力に対抗してガラス基板を、縦方向、横方向に移動させるには上記の摩擦力より大きな吸着力が必要であり、また、載置面に平行で縦方向、横方向に対して、均一な吸着力を備えた静電チャックが必要である。
【0016】
しかし、静電チャックの吸着力が弱く、載置面に対して平行な方向の吸着力成分に異方性があるとガラス基板が載置面から横方向にずれて均一に液晶を注入できない虞があった。
【0017】
また、大きな吸着力を得るには大きな印加電圧が必要であるが、静電チャックの絶縁膜の耐電圧は限界があり過大な電圧を印可すると絶縁膜が絶縁破壊するという問題があり、大きな電圧を印加して大きな吸着力を得ることには限界があった。
【0018】
上記の課題に対し特許文献2のように静電電極の形状を櫛歯状とし、さらにこの櫛歯の間隔、及び櫛歯電極の幅を小さくすることにより大きなグラディエント力を発生させて大きな吸着力を得る方法が検討されている。
【0019】
しかしながら、この櫛歯形状の静電電極は、載置面に平行で櫛歯の長手方向と垂直な方向には大きな吸着力が得られるものの、水平方向に対しては殆どグラディエント力が発生せず、十分な吸着力が得られず、結果として液晶基板が載置面からズレて、液晶が均一に充填できないという問題があった。
【0020】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、絶縁性基板の上に静電電極と、該静電電極を覆う絶縁層を備え、該絶縁層の上面をウェハを載せる載置面とした静電チャックにおいて、前記静電電極が略均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直交する2軸に外形を投影した長さの総和が、それぞれの軸に対して略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続したことを特徴とする。
【0021】
また、前記複数の電極が略正多角形であることを特徴とする。さらに、前記複数の電極が略正方形であることを特徴とする。また、前記複数の電極が略円形であることを特徴とする。
【0022】
また、前記複数の電極が2つのグループで夫々接続していることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、半導体装置の製造工程で用いる静電チャックを例にとって説明する。
【0024】
図1は本発明の静電チャック1の一例を示す斜視図であり、図2は図1のX−X線断面図である。
【0025】
被吸着物である液晶基板等のウェハWと略同等の大きさを有する絶縁性基板3の上に静電電極2と、該静電電極2を覆う絶縁層4を備え、該絶縁層4の上面をウェハを載せる載置面4aとした静電チャック1であり、前記の静電電極2が複数の電極2a、2b、2c・・・からなり、これらの電極2a、2b、2c・・・は同一平面内で接続部5で接続され絶縁性基板3の下面に接合された給電端子7と電気的に接続されている。
【0026】
そして、この静電チャック1によって液晶基板等の絶縁性のウェハWを吸着固定するには、載置面4a上にウェハWを載せ、上記複数の電極2a、2b、2c・・・を接続した一対の静電電極2の間に直流電圧を印加してグラディエント力を発現させて、載置面4a上にウェハWを吸着固定することができる。
【0027】
本発明の静電チャック1の静電電極2の一例を図3に示す。図4は図3の静電電極2を拡大した図である。
【0028】
静電電極2が複数の電極2a、2b、2c、・・・からなり、載置面に対し均等に配設されていることが特徴である。均等に配設されているとは、電極2a、2b、2c、・・・のそれぞれの間隔dx、dyが等しく配置していることで、このように配されていると、ウェハWに対し、グラディエント力が一様に加わり載置面4aにウェハWを均一に吸着することができるからである。また、少なくとも3個以上からなる複数の電極2a、2b、2c、・・・が略中心対称であることが好ましい。それぞれの各電極2a、2b、2c、・・・は、n角形でn角形の中心に対して(360/n)度回転対称であると好ましい。例えば、図4のようにnが4で、四角形の中心点に対し90度回転対称であると好ましい。
【0029】
また、前記静電電極2の面内で直交する2軸に対し、前記複数の電極2a、2b、2c、・・・の外辺を上記2軸にそれぞれ投影した長さの総和がそれぞれの軸に対して略同等であるとは、以下の構成を意味する。
【0030】
静電電極2の面内で直交する2軸を仮定する。例えば、図4のX軸とY軸を仮定し、前記複数の電極2a、2b、2c・・の外形をX軸に投影した長さ2ax、2bx、2cx・・の総和Sx=2ax+2bx+2cx+・・と、Y軸に投影した長さ2ay、2by、2cy・・の総和Sy=2ay+2by+2cy+・・が、それぞれの軸に対して略同等であると、載置面4aに平行な吸着力がX軸方向やY軸方向で略同等となることから、ウェハWをX軸方向やY軸方向に移動させても載置面4aからウェハWがずれる虞が少なく好ましい。
【0031】
尚、前記の各電極2a、2b、2c・・の形が正三角形の場合は、それぞれの軸に対して長さの総和の比(Sx/Sy)×100(%)が最大±15%程となる場合がある。そこで、長さの総和がそれぞれの軸に対して略等しいとは、±15%以内の範囲であれば略等しいことを意味する。また、前記の2つの長さの総和に対して測定誤差や絶縁基板3に貫通する孔を避けるため静電電極2の形状を一部変更したりすることや製造の精度を考慮して、前記2つの長さの総和の差が±8%以内であれば更に好ましい効果が得られる。
【0032】
更に、複数の電極2a、2b、2c・・は同一面で帯状の接続部5で接続していることを特徴とする。接続部5は帯状の細い導電性物質からなり、電極2a、2b、2c・・の最大直径dmaxの10分の1程度の幅であれば電極としての作用が小さく電極2a、2b、2c・・の効果を有効に取り出すことができる。特に、複数の電極2a、2b、2c・・・を接続する接続部5の幅は、0.1mm以上1mm以下とする事が好ましい。0.1mm以上であれば、静電電極2に高電圧を印可するとしても静電電極2や接続部5に流れる電流は1mA以下と小さく、接続部5が発熱したり、断線することはなく、電気的な導通が得られるからである。接続部5の幅が1mmを超えて大きくなると、接続部5が静電電極2として作用しX軸方向やY軸方向の吸着力の均一性が損なわれるからである。
【0033】
また、本発明の複数の電極2a、2b、2c・・は略多角形であることが好ましい。n個の辺からなる多角形であれば、電極の中心点に対し360/n度回転対称となりX軸、Y軸方向に対応した吸着力が略等しくなり、載置面4aに吸着したウェハWの横ずれを防止する効果が大きく好ましい。ここで、略多角形としたのは、上記多角形の凸部や凹部をR面で面取りした形状であっても構わないからである。
【0034】
また、複数の電極2a、2b、2c・・が略正方形であると電極の中心点に対して90度回転対称であり、X軸、Y軸方向に対応した吸着力が略等しくなり、載置面4aに吸着したウェハWの横ずれを防止効果が大きく好ましい。
【0035】
また、複数の電極2a、2b、2c・・が略円形であると電極の中心点に対して如何なる回転角でも回転対称であり、X軸、Y軸方向に対応した吸着力が略等しくなり、載置面4aに吸着したウェハWの横ずれを防止効果が大きく好ましい。略円形とは長軸と短軸の比が1:1〜1:1.15程の楕円形を含む形を示す。
【0036】
また、複数の電極2a、2b、2c・・・は2つのグループに前記接続部5でおのおの接続されていることが好ましい。
【0037】
このように2つのグループに接続することで、2つのグループの間に電圧を印加することでウェハWを載置面4aに吸着することができる。そして、それぞれのグループの電極の総面積は略等しいことが好ましい。略面積を等しくすることで、載置面4aの前面に渡り略等しい吸着力が得られ安定してウェハWを吸着できるからである。
【0038】
本発明によれば、載置面4aの面内方向での吸着力の差が小さく、吸着力をほぼ一定とすることができる。この為、載置面に平行な力がウェハWに作用する工程において、従来の櫛歯形状の電極を備えた静電チャックに比べ、均一にしかも強固に液晶基板等のウェハWを吸着することができる。
【0039】
次に、本発明の静電電極2の形状について更に詳しく説明する。
【0040】
本発明の静電電極の個々の電極形状は、略正多角形、略正方形、略円形やこれらを組み合わせた形状からなる電極であることを特徴としている。その隣り合う電極2a、2b、2c・・間の距離dx、dyは一定となるように配置されている。これによってグラディエント力による載置面4aに平行な吸着力の差は殆ど発生することがない。また、各電極2a、2b、2c・・の間の距離の大きさは、0.5〜5mm以下とすることが好ましい。0.5mm未満とすると電極間の絶縁性が損なわれ、電極間に高電圧を印可した時に電極間でスパーク、あるいは絶縁破壊が発生する虞があるからである。また、通常の液晶基板厚みが0.7mmであることを考慮すると距離dx、dyを吸着物である液晶基板の厚み以上とすると電極間の漏れ電流が小さくしかも吸着力が大きく更に好ましい。電極間の距離dx、dyが小さくなると隣り合う電極間に発生する電界の大きさが大きくなり、グラディエント力が大きくなり吸着力が大きくなるからである。
【0041】
また、電極2a、2b、2c・・の最大幅dmaxが20mmを越えると、グラディエント力を発現させる電極間の総長さが小さくなり載置面4a全体で発生するグラディエント力が小さく、ウェハWを強固に吸着することができなくなる虞がある。そこで、電極2a、2b、・・の最大幅dmaxを20mm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、1mm〜7mmである。1mm以上とする理由としては、1mm未満とすると接続部の幅と比べ小さくなり電極の効果と接続部との吸着力に対する効果が類似して電極の形状の効果が小さくなり、載置面4aに平行な2軸方向の吸着力の差が大きくなり特定方向の吸着力が小さくなり過ぎる虞があるからである。
【0042】
また、複数の電極2a、2b、2c・・は、帯状の接続部5で同一面上に接続している。接続部5として、ビアホールやパッドを用いて3次元的に接続する手段も考えられるが、このような用途に用いられる静電チャックにおいては、大きな吸着力を得るには静電電極2間に1kV以上の高電圧の印加が必要であり、ビヤホールやパッドを用いた従来の接続では電気的な接触不良によりスパークしたり、接触不良により電極2a、2b、2c・・の一部に電圧が印加されないことがあり、載置面4aの一部で吸着力が小さくなる等の均一性が損なわれることがある。そこで、接続部5は静電電極2と同一平面に備え、静電電極2と同一の組成物で構成することが好ましい。
【0043】
また絶縁性基板3や絶縁層4の材質は、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂やフッ素樹脂等の樹脂製の絶縁性基板3や、酸化物セラミックスや窒化物セラミックスを絶縁性基板3として使うことができる。特に、本発明の静電チャック1は、絶縁性基板3や絶縁層4がセラミックスであることが好ましい。
【0044】
絶縁性基板3がセラミックスであれば、剛性が300GPa以上と大きく、液晶基板からなるウェハWを載置面4aに大きな静電吸着力で吸着しても、載置面4aが液晶基板からなるウェハWに倣って変形することがない。従って、逆に液晶基板からなるウェハWの微妙な反りを載置面4aの平坦度に倣わせることが可能となり、液晶基板からなるウェハWの平坦度を矯正することができ、液晶基板を平坦に精度良く加工処理をすることが可能となり好ましい。従って、液晶基板に充填する液晶の厚みを均一に高精度に注入することができる。このような載置面4aは平坦度を5μm程度に仕上げることが好ましい。
【0045】
絶縁性基板4として用いるセラミックスとして、液晶基板からなるウェハWに対して汚染が少ないアルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、窒化ホウ素(BN)、シリカ(SiO2)等を主成分とするものが好ましく、さらに好ましくは、熱伝導率が大きく、半導体製造装置用静電チャックとして多用されている窒化アルミセラミックスである。
【0046】
また、本発明の静電チャック1のセラミックスからなる絶縁性基板3、および絶縁層4の表面に容易に導電性の膜を形成できる点から、静電電極2の材質はTi、TiN、Cr、Mo、Ni、W、WC等の材料が使用できる。
【0047】
絶縁性基板3や絶縁層4と静電電極2の密着性を高めるには、上記WCやWからなる粒子に絶縁性基板3を構成するセラミック粒子を混合させて、絶縁性基板3や絶縁層4を構成するセラミックスと静電電極2の内部のセラミックス成分とを同じセラミックスとすることで、絶縁性基板3や絶縁層4に静電電極2を強固に密着させることができる。
【0048】
尚、静電電極2として使われるW、WCに含まれるセラミックス材料は1〜20重量%が好ましい。1重量%以上では絶縁性基板3と静電電極2との密着性が大きく、20重量%以下では静電電極2の導電率が小さくなり好ましくない。更に好ましくは3〜10重量%である。
【0049】
また、この静電電極2の厚みは、100μm以下であることが好ましい。静電電極2の厚みが100μmを越えて大きくなると、静電電極2と絶縁性基板2と絶縁層4との熱膨張率の違いから熱応力が大きくなり、静電電極2が剥がれる虞があるからである。更に、静電電極2には、数mアンペア程度の微弱な電流しか流れないことから、静電電極2は電気的な導通があればよく、厚みをむやみに大きくする必要はなく、100μm以下であれば静電電極2としての機能を発揮できる。
【0050】
また、静電電極2を構成するWCやWの粒径は、10μm以下が好ましく、更に好ましくは5μm以下である。粒径が10μm以下とすることによりセラミックス製の絶縁性基板3、及び絶縁層4と同時に焼結させることが可能であり、静電電極2を緻密に焼結することができる。
【0051】
さらに、載置面4aの表面粗さはRa0.02μm〜Ra1μmであり、好ましくはRa0.1μm〜Ra0.6μmとすることが必要である。表面粗さが大きいと吸着した際に、液晶基板からなるウェハWと載置面4aの擦れによってパーティクルが多量に発生したり、液晶基板の表面に傷を発生させる虞があるからである。表面粗さがRa0.02μmを下回り小さ過ぎると、ウェハWと載置面がリンキングしウェハWを載置面から取り外すことができなくなる虞があるからである。
【0052】
なお、本発明における静電電極2の形成方法は、絶縁性基板3や絶縁層4として同じセラミックスを用い静電電極2と同時に焼結する静電電極2埋設体を製造する方法だけでなく、セラミックス焼結体からなる絶縁性基板3の表面に、直接スパッタリングやCVD法により数μm〜50μm程度のW、WC、Ti、TiN、Cr、Mo等の金属の薄膜からなる静電電極2を形成しても良い。この金属の薄膜からなる静電電極2は、絶縁性基板3と静電電極2の熱膨張差が大きく、発生する応力により静電電極2の剥離や、絶縁性基板3が変形する場合があることから、先の静電電極2埋設体を作製する製造方法がより好ましい。
【0053】
静電電極2に吸着電圧を印加する給電端子7は絶縁性基板3の他方に主面に取り付けられ、静電電極2と接続する方法として、絶縁性基板3の端部に給電部6を形成し、給電部6と給電端子7をロウ付けすることが好ましい。
【0054】
給電部6には給電孔を設け、給電孔の内面にAg−Cu−Tiの合金等を真空中でメタライズした後、Ag−Cu等のロー材を用いて給電孔に給電端子7をロー付けする事ができる。ロー付けの方法としてAg−Cuのロー剤について説明したが、ロー剤としては、融点の低いAlロー剤等を用いても良い。また、給電端子7を取りつける方法については、ロー付け方法だけでなく導電性の接着剤を用いて導通と固定を同時に行う構造とすることもできる。また、絶縁性基板3に機械的にネジ加工し、このネジ部で露出した給電部6と導通して固定を行うこともできる。
【0055】
【実施例】
本発明の実施例を以下に示す。
【0056】
平均粒径約1μmの純度99%の窒化アルミニウム(AlN)原料粉末と有機バインダーと溶媒を加えて泥奬を作製し、ドクターブレード法により厚さ約0.5mmのグリーンシートを複数枚成形した。
【0057】
また、静電電極2用のペーストは、純度99%以上で平均粒径約2.5μmのW、及びWCのそれぞれの原料粉末と上記のAlN原料粉末5重量%を有機バインダーとともに混練し作製した。
【0058】
このペーストを上記のグリーンシート上にスクリーン印刷法にて所定の形状の静電電極を印刷した。静電電極を印刷したグリーンシートを所定の位置に積層し、複数枚のグリーンシートを重ねて所定の厚みに積層し積層体を作製した。
【0059】
作製した積層体を50℃、4900Paの圧力で熱圧着し、グリーンシート間の密着性を高めた。そして、積層体を切削加工により板状に加工した後、該板状の積層体を真空脱脂した。
【0060】
そして、窒素雰囲気下において2000℃で焼成する事により静電電極が露出した静電チャックを作製した。
【0061】
ここで、試料No.4〜9の静電電極2の複数の電極は、正方形で、一辺の長さが10、5、3mmで、電極間の距離を5、3、1、0.5mmとした。電極をつなぐ接続部の幅は、0.7mmで一定とした。
【0062】
また、複数の電極を円形とした静電チャック試料No.10,11は、電極の外径を5、3mmとし、電極の間の距離や接続部の幅はそれぞれ3mm、1mmとした。
【0063】
また、比較例として、櫛歯状電極を備えた静電チャックを作製した(試料No.1,2)。この櫛歯状電極の静電チャックは、電極の幅をそれぞれ5mm、3mmとし、電極の間の距離を3mmとした。また、長方形で同一形状の電極を2つ備えた静電チャックを作製し同様に評価した(試料No.3)。
【0064】
これらの静電チャックを厚み2mmに機械加工し、載置面の表面粗さRa0.1μmとした後、さらにAg−Cu−Ti系ロー材を用いて真空中約800℃で電圧印加用の給電端子をロー付けした。なお、静電チャックの外形寸法は、200mm角とした。
【0065】
これらの静電チャックに対し、吸着力、液晶基板への液晶注入工程後の上下基板のズレ、液晶の充填度、及び吸着面の傷の有無を測定、検査した。
【0066】
先ず、吸着力の測定方法について説明する。真空チャンバー内に静電チャックの載置面を垂直に固定し、設置したロードセルの先端に金属製のワイヤーを介して測定用液晶基板からなるウェハWを取り付けた。この液晶基板は、200mm角の板状で、継ぎ手を備えた固定ジグに機械的に固定した。ワイヤーはロードセルを介してモータで巻き上げることができ、ワイヤーの巻き上げ力によって測定用ウェハWが垂直方向にズレた時のロードセルの読みとり値をFAとした。このFAを測定用ウェハの面積(SA)で除した数値(FA/SA)を吸着力とした。そして、各静電チャックに対して、載置面に平行な横方向、縦方向のそれぞれの方向における吸着力を測定した。尚、給電端子には2kVの電圧を印加して吸着力を測定した。
【0067】
尚、厚みが0.7mmの液晶用ガラス基板で吸着面の反対の面に1μmのITO(インジウム−スズ酸化物)の導体膜を備えた液晶基板を測定用のウェハWとして用いた。
【0068】
次に、液晶注入装置の上下に1対の静電チャックを取り付け、上下に200mm角の液晶基板を吸着させた。下側の液晶基板には、液晶を所定量滴下した後、真空中で50μmの充填すき間が形成されるようにした。その後、下側の静電チャック固定台を縦方向、及び横方向に2mmの移動ストローク範囲を設定し、縦方向、横方向にそれぞれ約10分間稼働させることで液晶充填作業を行った。この液晶充填作業の完了後に液晶基板を評価した。
【0069】
ここで、液晶基板の上下のズレについては、3次元測定機にてその端面部分の位置ズレを測定することにより確認した。また、液晶の充填度については、超音波測定機にて充填の不良率を測定した。なお、充填率については、充填不良面積を全充填面積で除した数値とした。又、液晶基板の傷は金属顕微鏡にて傷の向き、方向を確認した。また、前記縦方向と横方向にX軸Y軸をとり電極の投影長さの総和SxとSyを測定し、その比Sx/Syを評価した。
【0070】
これらの試験結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
従来の櫛歯形状や2つの長方形の静電電極を有する静電チャックである試料No.1,2、3は、横方向の吸着力が20〜40Paと小さく、液晶基板の位置ズレが発生した。また、液晶の充填率も80〜95%と小さく不良であった。
【0073】
それに対して、試料No.4〜11の本発明の静電チャック1は、静電電極が均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直行する2軸に外形を投影した長さの総和Sx、Syが、それぞれの軸に対して略等しいことから、その比Sx/Syは0.86から1と略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続してあることから、縦方向の吸着力Fvと横方向の吸着力Fhの差の比率(Fv−Fh)/Fvが0.9以上と略等しく、しかも90Pa〜350Paと大きな吸着力が得られる。更に試料No.4〜11の本発明の静電チャック1は液晶基板のズレ量が0.05mm以下と小さく、液晶基板への傷も発生しないことから優れた吸着特性を示した。
【0074】
従って、本発明によれば、液晶基板における液晶注入工程において十分な吸着特性を備えた静電チャックを提供できる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、絶縁性基板の上に静電電極と、該静電電極を覆う絶縁層を備え、該絶縁層の上面をウェハを載せる載置面とした静電チャックにおいて、前記静電電極が略均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直交する2軸に外形を投影した長さの総和が、それぞれの軸に対して略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続したことを特徴とすることにより、液晶基板を載置面に吸着し、載置面に平行な方向の吸着力に方向性がなく均一な吸着力が得られる静電チャックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャックの斜視図を示す。
【図2】図1のX−X断面図を示す。
【図3】本発明の静電チャックの静電電極の形状を示す。
【図4】図3の静電電極の拡大図を示す。
【図5】本発明の静電チャックの他の静電電極を示す。
【図6】従来の静電チャックの断面図を示す。
【図7】従来の静電チャックの静電電極を示す。
【符号の説明】
1、10:静電チャック
2、12、13,14:静電電極
3、11:絶縁性基板
4:絶縁層
4a、11b:載置面
7、16:給電端子
8、15:電源
17 :半導体ウェハ
W:液晶基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ガラス基板製造装置においてガラス基板である絶縁性基板を静電気力で吸着し保持する静電チャックに関するものであって、特に、液晶注入工程に使用される静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ガラス基板製造装置等において、上面に導電性の膜を備えたガラス基板や、その上面や下面に導体層のない所謂素ガラスの絶縁性基板からなるウェハWを固定・搬送するには、これまでクランプリングや真空吸着装置が採用されていた。しかしながら、ウェハWの大型化やスループットの向上に伴い、半導体ウェハの固定に用いられている静電チャックの採用が検討されている。
【0003】
特に液晶基板製造工程において重要な工程である液晶注入工程として、上下2枚のガラス基板を上下一対の静電チャックを用いて上下から精度良く吸着固定し、数十μmの均一なすき間を保持しながらガラス基板間の全面に均一に液晶を注入する工程がある。
【0004】
液晶製造工程に用いられる静電チャックの構造は一般に半導体製造工程に用いられる静電チャックと類似の原理に基づくものであり、その構造や静電吸着機能を発現させる電極の形状も略同一のものが使用されている。
【0005】
図6は、特許文献1に記載の双極型の静電チャック10で、円板状の絶縁性基板11の内部に円を2分割にした静電電極12が埋設され、前記絶縁性基板11の上面を半導体ウェハWを載せる載置面11bとし、静電電極12と載置面11bとの間を絶縁層11aとして、載置面11bに半導体ウェハ17を載せ、静電電極12に電源15より電圧を印加し、半導体ウェハ17を吸着している。
【0006】
このような静電チャック10の吸着力Fは、次式で示される。
【0007】
F=(S/2)×ε0×εr×(V/2d)2
尚、Sは静電電極の面積、ε0は真空中の誘電率、εrは絶縁層11aの比誘電率、Vは印加電圧、dは絶縁層11aの厚みである。
【0008】
ここで、吸着力を発現する静電電極12の形状は左右対称の一対の電極で構成されている。又、図7のような電極71に繋がった数本の帯状の電極72がそれぞれ交互に配置された櫛形形状の電極も提案され、液晶基板吸着工程にも応用しようとしている。
【0009】
また、特許文献2においては、静電電極に電圧をかけた時に発生するグラディエント力を利用して吸着させる方法が提案されている。これは電極パターン間に発生する電界の勾配と被吸着物の分極を利用したものである。
【0010】
櫛歯状に配置した静電電極は、絶縁体に挟まれた帯状電極に電圧をかけると、グラディエント力が発生する。この力は、載置面に平行で帯状電極に垂直な方向の成分を有した吸着力を発現する。つまり、載置面に平行な方向で異方性のある吸着力が作用することが特徴である。
【0011】
このグラディエント力を利用し、液晶基板のような絶縁膜を備えた基板を吸着させる静電チャックがある。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−237148号公報
【0013】
【特許文献2】
特開2001−44262号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液晶基板のような絶縁性基板は、半導体基板に用いられるシリコンウエハのような導体、あるいは半導体のように電気的な導電性がない為、高電圧を印可しても大きな吸着力を得ることが難しく、従来の吸着力Fを利用して基板を吸着させようとしても十分な吸着力を得る事ができないという問題があった。
【0015】
特に、一対の液晶ガラス基板の間に液晶を注入する液晶注入工程においては、ガラス基板の間に液晶を滴下したのち上下のガラス基板をガラス基板の面内で横方法あるいは縦方向にガラス基板を静電吸着力によって固定しながら駆動させ、微量の液晶を均一にガラス基板のすき間に充填する工程があり、この工程に静電チャックの適用が検討されている。しかし、この液晶注入工程は、粘度の高い液晶を数十μm程度の薄いすき間に充填するもので、液晶とガラス基板の表面には大きな摩擦力が発生する。この摩擦力に対抗してガラス基板を、縦方向、横方向に移動させるには上記の摩擦力より大きな吸着力が必要であり、また、載置面に平行で縦方向、横方向に対して、均一な吸着力を備えた静電チャックが必要である。
【0016】
しかし、静電チャックの吸着力が弱く、載置面に対して平行な方向の吸着力成分に異方性があるとガラス基板が載置面から横方向にずれて均一に液晶を注入できない虞があった。
【0017】
また、大きな吸着力を得るには大きな印加電圧が必要であるが、静電チャックの絶縁膜の耐電圧は限界があり過大な電圧を印可すると絶縁膜が絶縁破壊するという問題があり、大きな電圧を印加して大きな吸着力を得ることには限界があった。
【0018】
上記の課題に対し特許文献2のように静電電極の形状を櫛歯状とし、さらにこの櫛歯の間隔、及び櫛歯電極の幅を小さくすることにより大きなグラディエント力を発生させて大きな吸着力を得る方法が検討されている。
【0019】
しかしながら、この櫛歯形状の静電電極は、載置面に平行で櫛歯の長手方向と垂直な方向には大きな吸着力が得られるものの、水平方向に対しては殆どグラディエント力が発生せず、十分な吸着力が得られず、結果として液晶基板が載置面からズレて、液晶が均一に充填できないという問題があった。
【0020】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、絶縁性基板の上に静電電極と、該静電電極を覆う絶縁層を備え、該絶縁層の上面をウェハを載せる載置面とした静電チャックにおいて、前記静電電極が略均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直交する2軸に外形を投影した長さの総和が、それぞれの軸に対して略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続したことを特徴とする。
【0021】
また、前記複数の電極が略正多角形であることを特徴とする。さらに、前記複数の電極が略正方形であることを特徴とする。また、前記複数の電極が略円形であることを特徴とする。
【0022】
また、前記複数の電極が2つのグループで夫々接続していることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、半導体装置の製造工程で用いる静電チャックを例にとって説明する。
【0024】
図1は本発明の静電チャック1の一例を示す斜視図であり、図2は図1のX−X線断面図である。
【0025】
被吸着物である液晶基板等のウェハWと略同等の大きさを有する絶縁性基板3の上に静電電極2と、該静電電極2を覆う絶縁層4を備え、該絶縁層4の上面をウェハを載せる載置面4aとした静電チャック1であり、前記の静電電極2が複数の電極2a、2b、2c・・・からなり、これらの電極2a、2b、2c・・・は同一平面内で接続部5で接続され絶縁性基板3の下面に接合された給電端子7と電気的に接続されている。
【0026】
そして、この静電チャック1によって液晶基板等の絶縁性のウェハWを吸着固定するには、載置面4a上にウェハWを載せ、上記複数の電極2a、2b、2c・・・を接続した一対の静電電極2の間に直流電圧を印加してグラディエント力を発現させて、載置面4a上にウェハWを吸着固定することができる。
【0027】
本発明の静電チャック1の静電電極2の一例を図3に示す。図4は図3の静電電極2を拡大した図である。
【0028】
静電電極2が複数の電極2a、2b、2c、・・・からなり、載置面に対し均等に配設されていることが特徴である。均等に配設されているとは、電極2a、2b、2c、・・・のそれぞれの間隔dx、dyが等しく配置していることで、このように配されていると、ウェハWに対し、グラディエント力が一様に加わり載置面4aにウェハWを均一に吸着することができるからである。また、少なくとも3個以上からなる複数の電極2a、2b、2c、・・・が略中心対称であることが好ましい。それぞれの各電極2a、2b、2c、・・・は、n角形でn角形の中心に対して(360/n)度回転対称であると好ましい。例えば、図4のようにnが4で、四角形の中心点に対し90度回転対称であると好ましい。
【0029】
また、前記静電電極2の面内で直交する2軸に対し、前記複数の電極2a、2b、2c、・・・の外辺を上記2軸にそれぞれ投影した長さの総和がそれぞれの軸に対して略同等であるとは、以下の構成を意味する。
【0030】
静電電極2の面内で直交する2軸を仮定する。例えば、図4のX軸とY軸を仮定し、前記複数の電極2a、2b、2c・・の外形をX軸に投影した長さ2ax、2bx、2cx・・の総和Sx=2ax+2bx+2cx+・・と、Y軸に投影した長さ2ay、2by、2cy・・の総和Sy=2ay+2by+2cy+・・が、それぞれの軸に対して略同等であると、載置面4aに平行な吸着力がX軸方向やY軸方向で略同等となることから、ウェハWをX軸方向やY軸方向に移動させても載置面4aからウェハWがずれる虞が少なく好ましい。
【0031】
尚、前記の各電極2a、2b、2c・・の形が正三角形の場合は、それぞれの軸に対して長さの総和の比(Sx/Sy)×100(%)が最大±15%程となる場合がある。そこで、長さの総和がそれぞれの軸に対して略等しいとは、±15%以内の範囲であれば略等しいことを意味する。また、前記の2つの長さの総和に対して測定誤差や絶縁基板3に貫通する孔を避けるため静電電極2の形状を一部変更したりすることや製造の精度を考慮して、前記2つの長さの総和の差が±8%以内であれば更に好ましい効果が得られる。
【0032】
更に、複数の電極2a、2b、2c・・は同一面で帯状の接続部5で接続していることを特徴とする。接続部5は帯状の細い導電性物質からなり、電極2a、2b、2c・・の最大直径dmaxの10分の1程度の幅であれば電極としての作用が小さく電極2a、2b、2c・・の効果を有効に取り出すことができる。特に、複数の電極2a、2b、2c・・・を接続する接続部5の幅は、0.1mm以上1mm以下とする事が好ましい。0.1mm以上であれば、静電電極2に高電圧を印可するとしても静電電極2や接続部5に流れる電流は1mA以下と小さく、接続部5が発熱したり、断線することはなく、電気的な導通が得られるからである。接続部5の幅が1mmを超えて大きくなると、接続部5が静電電極2として作用しX軸方向やY軸方向の吸着力の均一性が損なわれるからである。
【0033】
また、本発明の複数の電極2a、2b、2c・・は略多角形であることが好ましい。n個の辺からなる多角形であれば、電極の中心点に対し360/n度回転対称となりX軸、Y軸方向に対応した吸着力が略等しくなり、載置面4aに吸着したウェハWの横ずれを防止する効果が大きく好ましい。ここで、略多角形としたのは、上記多角形の凸部や凹部をR面で面取りした形状であっても構わないからである。
【0034】
また、複数の電極2a、2b、2c・・が略正方形であると電極の中心点に対して90度回転対称であり、X軸、Y軸方向に対応した吸着力が略等しくなり、載置面4aに吸着したウェハWの横ずれを防止効果が大きく好ましい。
【0035】
また、複数の電極2a、2b、2c・・が略円形であると電極の中心点に対して如何なる回転角でも回転対称であり、X軸、Y軸方向に対応した吸着力が略等しくなり、載置面4aに吸着したウェハWの横ずれを防止効果が大きく好ましい。略円形とは長軸と短軸の比が1:1〜1:1.15程の楕円形を含む形を示す。
【0036】
また、複数の電極2a、2b、2c・・・は2つのグループに前記接続部5でおのおの接続されていることが好ましい。
【0037】
このように2つのグループに接続することで、2つのグループの間に電圧を印加することでウェハWを載置面4aに吸着することができる。そして、それぞれのグループの電極の総面積は略等しいことが好ましい。略面積を等しくすることで、載置面4aの前面に渡り略等しい吸着力が得られ安定してウェハWを吸着できるからである。
【0038】
本発明によれば、載置面4aの面内方向での吸着力の差が小さく、吸着力をほぼ一定とすることができる。この為、載置面に平行な力がウェハWに作用する工程において、従来の櫛歯形状の電極を備えた静電チャックに比べ、均一にしかも強固に液晶基板等のウェハWを吸着することができる。
【0039】
次に、本発明の静電電極2の形状について更に詳しく説明する。
【0040】
本発明の静電電極の個々の電極形状は、略正多角形、略正方形、略円形やこれらを組み合わせた形状からなる電極であることを特徴としている。その隣り合う電極2a、2b、2c・・間の距離dx、dyは一定となるように配置されている。これによってグラディエント力による載置面4aに平行な吸着力の差は殆ど発生することがない。また、各電極2a、2b、2c・・の間の距離の大きさは、0.5〜5mm以下とすることが好ましい。0.5mm未満とすると電極間の絶縁性が損なわれ、電極間に高電圧を印可した時に電極間でスパーク、あるいは絶縁破壊が発生する虞があるからである。また、通常の液晶基板厚みが0.7mmであることを考慮すると距離dx、dyを吸着物である液晶基板の厚み以上とすると電極間の漏れ電流が小さくしかも吸着力が大きく更に好ましい。電極間の距離dx、dyが小さくなると隣り合う電極間に発生する電界の大きさが大きくなり、グラディエント力が大きくなり吸着力が大きくなるからである。
【0041】
また、電極2a、2b、2c・・の最大幅dmaxが20mmを越えると、グラディエント力を発現させる電極間の総長さが小さくなり載置面4a全体で発生するグラディエント力が小さく、ウェハWを強固に吸着することができなくなる虞がある。そこで、電極2a、2b、・・の最大幅dmaxを20mm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、1mm〜7mmである。1mm以上とする理由としては、1mm未満とすると接続部の幅と比べ小さくなり電極の効果と接続部との吸着力に対する効果が類似して電極の形状の効果が小さくなり、載置面4aに平行な2軸方向の吸着力の差が大きくなり特定方向の吸着力が小さくなり過ぎる虞があるからである。
【0042】
また、複数の電極2a、2b、2c・・は、帯状の接続部5で同一面上に接続している。接続部5として、ビアホールやパッドを用いて3次元的に接続する手段も考えられるが、このような用途に用いられる静電チャックにおいては、大きな吸着力を得るには静電電極2間に1kV以上の高電圧の印加が必要であり、ビヤホールやパッドを用いた従来の接続では電気的な接触不良によりスパークしたり、接触不良により電極2a、2b、2c・・の一部に電圧が印加されないことがあり、載置面4aの一部で吸着力が小さくなる等の均一性が損なわれることがある。そこで、接続部5は静電電極2と同一平面に備え、静電電極2と同一の組成物で構成することが好ましい。
【0043】
また絶縁性基板3や絶縁層4の材質は、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂やフッ素樹脂等の樹脂製の絶縁性基板3や、酸化物セラミックスや窒化物セラミックスを絶縁性基板3として使うことができる。特に、本発明の静電チャック1は、絶縁性基板3や絶縁層4がセラミックスであることが好ましい。
【0044】
絶縁性基板3がセラミックスであれば、剛性が300GPa以上と大きく、液晶基板からなるウェハWを載置面4aに大きな静電吸着力で吸着しても、載置面4aが液晶基板からなるウェハWに倣って変形することがない。従って、逆に液晶基板からなるウェハWの微妙な反りを載置面4aの平坦度に倣わせることが可能となり、液晶基板からなるウェハWの平坦度を矯正することができ、液晶基板を平坦に精度良く加工処理をすることが可能となり好ましい。従って、液晶基板に充填する液晶の厚みを均一に高精度に注入することができる。このような載置面4aは平坦度を5μm程度に仕上げることが好ましい。
【0045】
絶縁性基板4として用いるセラミックスとして、液晶基板からなるウェハWに対して汚染が少ないアルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、窒化ホウ素(BN)、シリカ(SiO2)等を主成分とするものが好ましく、さらに好ましくは、熱伝導率が大きく、半導体製造装置用静電チャックとして多用されている窒化アルミセラミックスである。
【0046】
また、本発明の静電チャック1のセラミックスからなる絶縁性基板3、および絶縁層4の表面に容易に導電性の膜を形成できる点から、静電電極2の材質はTi、TiN、Cr、Mo、Ni、W、WC等の材料が使用できる。
【0047】
絶縁性基板3や絶縁層4と静電電極2の密着性を高めるには、上記WCやWからなる粒子に絶縁性基板3を構成するセラミック粒子を混合させて、絶縁性基板3や絶縁層4を構成するセラミックスと静電電極2の内部のセラミックス成分とを同じセラミックスとすることで、絶縁性基板3や絶縁層4に静電電極2を強固に密着させることができる。
【0048】
尚、静電電極2として使われるW、WCに含まれるセラミックス材料は1〜20重量%が好ましい。1重量%以上では絶縁性基板3と静電電極2との密着性が大きく、20重量%以下では静電電極2の導電率が小さくなり好ましくない。更に好ましくは3〜10重量%である。
【0049】
また、この静電電極2の厚みは、100μm以下であることが好ましい。静電電極2の厚みが100μmを越えて大きくなると、静電電極2と絶縁性基板2と絶縁層4との熱膨張率の違いから熱応力が大きくなり、静電電極2が剥がれる虞があるからである。更に、静電電極2には、数mアンペア程度の微弱な電流しか流れないことから、静電電極2は電気的な導通があればよく、厚みをむやみに大きくする必要はなく、100μm以下であれば静電電極2としての機能を発揮できる。
【0050】
また、静電電極2を構成するWCやWの粒径は、10μm以下が好ましく、更に好ましくは5μm以下である。粒径が10μm以下とすることによりセラミックス製の絶縁性基板3、及び絶縁層4と同時に焼結させることが可能であり、静電電極2を緻密に焼結することができる。
【0051】
さらに、載置面4aの表面粗さはRa0.02μm〜Ra1μmであり、好ましくはRa0.1μm〜Ra0.6μmとすることが必要である。表面粗さが大きいと吸着した際に、液晶基板からなるウェハWと載置面4aの擦れによってパーティクルが多量に発生したり、液晶基板の表面に傷を発生させる虞があるからである。表面粗さがRa0.02μmを下回り小さ過ぎると、ウェハWと載置面がリンキングしウェハWを載置面から取り外すことができなくなる虞があるからである。
【0052】
なお、本発明における静電電極2の形成方法は、絶縁性基板3や絶縁層4として同じセラミックスを用い静電電極2と同時に焼結する静電電極2埋設体を製造する方法だけでなく、セラミックス焼結体からなる絶縁性基板3の表面に、直接スパッタリングやCVD法により数μm〜50μm程度のW、WC、Ti、TiN、Cr、Mo等の金属の薄膜からなる静電電極2を形成しても良い。この金属の薄膜からなる静電電極2は、絶縁性基板3と静電電極2の熱膨張差が大きく、発生する応力により静電電極2の剥離や、絶縁性基板3が変形する場合があることから、先の静電電極2埋設体を作製する製造方法がより好ましい。
【0053】
静電電極2に吸着電圧を印加する給電端子7は絶縁性基板3の他方に主面に取り付けられ、静電電極2と接続する方法として、絶縁性基板3の端部に給電部6を形成し、給電部6と給電端子7をロウ付けすることが好ましい。
【0054】
給電部6には給電孔を設け、給電孔の内面にAg−Cu−Tiの合金等を真空中でメタライズした後、Ag−Cu等のロー材を用いて給電孔に給電端子7をロー付けする事ができる。ロー付けの方法としてAg−Cuのロー剤について説明したが、ロー剤としては、融点の低いAlロー剤等を用いても良い。また、給電端子7を取りつける方法については、ロー付け方法だけでなく導電性の接着剤を用いて導通と固定を同時に行う構造とすることもできる。また、絶縁性基板3に機械的にネジ加工し、このネジ部で露出した給電部6と導通して固定を行うこともできる。
【0055】
【実施例】
本発明の実施例を以下に示す。
【0056】
平均粒径約1μmの純度99%の窒化アルミニウム(AlN)原料粉末と有機バインダーと溶媒を加えて泥奬を作製し、ドクターブレード法により厚さ約0.5mmのグリーンシートを複数枚成形した。
【0057】
また、静電電極2用のペーストは、純度99%以上で平均粒径約2.5μmのW、及びWCのそれぞれの原料粉末と上記のAlN原料粉末5重量%を有機バインダーとともに混練し作製した。
【0058】
このペーストを上記のグリーンシート上にスクリーン印刷法にて所定の形状の静電電極を印刷した。静電電極を印刷したグリーンシートを所定の位置に積層し、複数枚のグリーンシートを重ねて所定の厚みに積層し積層体を作製した。
【0059】
作製した積層体を50℃、4900Paの圧力で熱圧着し、グリーンシート間の密着性を高めた。そして、積層体を切削加工により板状に加工した後、該板状の積層体を真空脱脂した。
【0060】
そして、窒素雰囲気下において2000℃で焼成する事により静電電極が露出した静電チャックを作製した。
【0061】
ここで、試料No.4〜9の静電電極2の複数の電極は、正方形で、一辺の長さが10、5、3mmで、電極間の距離を5、3、1、0.5mmとした。電極をつなぐ接続部の幅は、0.7mmで一定とした。
【0062】
また、複数の電極を円形とした静電チャック試料No.10,11は、電極の外径を5、3mmとし、電極の間の距離や接続部の幅はそれぞれ3mm、1mmとした。
【0063】
また、比較例として、櫛歯状電極を備えた静電チャックを作製した(試料No.1,2)。この櫛歯状電極の静電チャックは、電極の幅をそれぞれ5mm、3mmとし、電極の間の距離を3mmとした。また、長方形で同一形状の電極を2つ備えた静電チャックを作製し同様に評価した(試料No.3)。
【0064】
これらの静電チャックを厚み2mmに機械加工し、載置面の表面粗さRa0.1μmとした後、さらにAg−Cu−Ti系ロー材を用いて真空中約800℃で電圧印加用の給電端子をロー付けした。なお、静電チャックの外形寸法は、200mm角とした。
【0065】
これらの静電チャックに対し、吸着力、液晶基板への液晶注入工程後の上下基板のズレ、液晶の充填度、及び吸着面の傷の有無を測定、検査した。
【0066】
先ず、吸着力の測定方法について説明する。真空チャンバー内に静電チャックの載置面を垂直に固定し、設置したロードセルの先端に金属製のワイヤーを介して測定用液晶基板からなるウェハWを取り付けた。この液晶基板は、200mm角の板状で、継ぎ手を備えた固定ジグに機械的に固定した。ワイヤーはロードセルを介してモータで巻き上げることができ、ワイヤーの巻き上げ力によって測定用ウェハWが垂直方向にズレた時のロードセルの読みとり値をFAとした。このFAを測定用ウェハの面積(SA)で除した数値(FA/SA)を吸着力とした。そして、各静電チャックに対して、載置面に平行な横方向、縦方向のそれぞれの方向における吸着力を測定した。尚、給電端子には2kVの電圧を印加して吸着力を測定した。
【0067】
尚、厚みが0.7mmの液晶用ガラス基板で吸着面の反対の面に1μmのITO(インジウム−スズ酸化物)の導体膜を備えた液晶基板を測定用のウェハWとして用いた。
【0068】
次に、液晶注入装置の上下に1対の静電チャックを取り付け、上下に200mm角の液晶基板を吸着させた。下側の液晶基板には、液晶を所定量滴下した後、真空中で50μmの充填すき間が形成されるようにした。その後、下側の静電チャック固定台を縦方向、及び横方向に2mmの移動ストローク範囲を設定し、縦方向、横方向にそれぞれ約10分間稼働させることで液晶充填作業を行った。この液晶充填作業の完了後に液晶基板を評価した。
【0069】
ここで、液晶基板の上下のズレについては、3次元測定機にてその端面部分の位置ズレを測定することにより確認した。また、液晶の充填度については、超音波測定機にて充填の不良率を測定した。なお、充填率については、充填不良面積を全充填面積で除した数値とした。又、液晶基板の傷は金属顕微鏡にて傷の向き、方向を確認した。また、前記縦方向と横方向にX軸Y軸をとり電極の投影長さの総和SxとSyを測定し、その比Sx/Syを評価した。
【0070】
これらの試験結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
従来の櫛歯形状や2つの長方形の静電電極を有する静電チャックである試料No.1,2、3は、横方向の吸着力が20〜40Paと小さく、液晶基板の位置ズレが発生した。また、液晶の充填率も80〜95%と小さく不良であった。
【0073】
それに対して、試料No.4〜11の本発明の静電チャック1は、静電電極が均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直行する2軸に外形を投影した長さの総和Sx、Syが、それぞれの軸に対して略等しいことから、その比Sx/Syは0.86から1と略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続してあることから、縦方向の吸着力Fvと横方向の吸着力Fhの差の比率(Fv−Fh)/Fvが0.9以上と略等しく、しかも90Pa〜350Paと大きな吸着力が得られる。更に試料No.4〜11の本発明の静電チャック1は液晶基板のズレ量が0.05mm以下と小さく、液晶基板への傷も発生しないことから優れた吸着特性を示した。
【0074】
従って、本発明によれば、液晶基板における液晶注入工程において十分な吸着特性を備えた静電チャックを提供できる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、絶縁性基板の上に静電電極と、該静電電極を覆う絶縁層を備え、該絶縁層の上面をウェハを載せる載置面とした静電チャックにおいて、前記静電電極が略均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直交する2軸に外形を投影した長さの総和が、それぞれの軸に対して略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続したことを特徴とすることにより、液晶基板を載置面に吸着し、載置面に平行な方向の吸着力に方向性がなく均一な吸着力が得られる静電チャックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャックの斜視図を示す。
【図2】図1のX−X断面図を示す。
【図3】本発明の静電チャックの静電電極の形状を示す。
【図4】図3の静電電極の拡大図を示す。
【図5】本発明の静電チャックの他の静電電極を示す。
【図6】従来の静電チャックの断面図を示す。
【図7】従来の静電チャックの静電電極を示す。
【符号の説明】
1、10:静電チャック
2、12、13,14:静電電極
3、11:絶縁性基板
4:絶縁層
4a、11b:載置面
7、16:給電端子
8、15:電源
17 :半導体ウェハ
W:液晶基板
Claims (5)
- 絶縁性基板の上に静電電極と、該静電電極を覆う絶縁層を備え、該絶縁層の上面をウェハを載せる載置面とした静電チャックにおいて、前記静電電極が略均等に配設された複数の電極からなり、各電極は、その面内で直交する2軸に外形を投影した長さの総和が、それぞれの軸に対して略同等であり、これら複数の電極を同一面で帯状の接続部で接続したことを特徴とする静電チャック。
- 前記複数の電極が略正多角形であることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
- 前記複数の電極が略正方形であることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
- 前記複数の電極が略円形であることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
- 前記複数の電極が2つのグループでそれぞれ接続していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の静電チャック。
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